中国の AAM に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2020.06.15 Aviation Week & ST Beijing is taking air-to-air missile lead from Russia <2008-061502>
= 中国の AAM に関する記事 =
 中国のPL-15出現が米国のAIM-260開発のキッカケの一つとなった。
2020.06.15 Aviation Week & ST Western edge <2008-061501>
= 西側諸国の AAM に関する記事 =
 米空軍は2019年夏に中国のPL-15に対抗するAIM-260を公表した。
 Lockheed Martin社が開発しているAIM-260はAIM-120 AMRAAMとほぼ同寸であるが射程はAMRAAMより遙かに長い。 AIM-260は吸気式推進装置ではないという。
2017.11.12 China Defense Offical photo of the day: J-11B with next generation of Chinese AAM (PL-10 ASRAAM and PL-15 LRAAM) <1712-111203>
 2016年の殊海航空展以来、PL-10 SRAAMPL-15 LRAAMを装備したJ-10やJ-20の画像をよく見かけるようになった。
 PL-10は搭載機の機首方向大きくずれた目標を射撃できる
TVC操舵を行うAAMで、パイロットのヘルメットサイトを介して目標にロック オンし射撃できる。
 PL-15は射程200kmで米国のAIM-120D級のAAMである。
2016.12.07 Jane's Defence Weekly PLAAF testing possible new air-to-air missile <1701-120707>
 中国のウェブサイトに11月20日、新型と見られるAAM 2発を搭載したJ-11BSの派生型である J-16の画像が掲載されたが、その後消去された。
 このAAMは全長5.8m、胴径300mmと推測され、空気取り入れ口がないことから固体燃料の様である。 翼は弾尾にのみあり、その形状は米国で開発が中止された
JDRADMに似ている。
2016.12.05 Aviation Week & ST Long ranger <1702-120502>
 昨年米空軍は、中国が長射程AAMPL-15に警戒感を示していた。 このミサイルはSAM並の大きさで小型尾翼以外 に翼を持たず、射程は200kmと見られている。 目標となるのはAEW機のような小回りのきかない航空機で、大型のJ-20を補完する兵器とみら れる。
 2016年ム11月にはJ-16が新型AAM 2発を搭載している画像がブログ上に流れている。
【関連記事:1701-120707 (JDW 2016.12.07)】
2014.06.04 Jane's Defence Weekly China deploys fast jets to protect near sea interests <1407-060414>
 中国空軍と海軍航空隊は、南シナ海や東シナ海で、自信を高めた活動を行っている。 東シナ海上空で5月25日に、海上自衛隊の OP-3C に30m、航空自衛隊の YS-11EB に50mま で異常接近した J-11 は、R-73 (AA-11) SRAAM を装備していた。
2013.09.19 Yahoo 新華網記事

「中国の空対空ミサイルは単なる装飾品、米国は心配する必要などない―英軍事誌」

<1310-091901>
 8月28日号の JDW中国の AAM について、単なる装飾品にすぎなず米国は脅威に感じる必要はな いとの見方を示した。
 記事によると、
J-11A/BPL-11PL-12 を搭載しているが、PL-11 は西側ではすで に時代遅れで、PL-12 は ARH 中距離 AAM であるが、Su-27 や Su-30 は R-27、R-73、R-77 を装備している。
 また、短距離 AAM には PL-5PL-8 があるが、今のところ中国が米軍の Sidewinder のような最先端の AAM を保有して いるという明確な情報はなく、PL-5 はロシアの R-3 から発展したものであり、PL-8 はイスラエルの Python-3 を模倣したもので、ここ数年で若干の改良はあったものの最先 端とは言い難い。
2011.07 Jane's Missiles & Rockets New Chinese air-to-air missile passes approval tests <1108-070015>
 人民日報が5月19日、新型 AAM をたった1年で開発し、試験を完了したと報じた。
2011.01 Jane's Missiles & Rockets China discloses new SD-10 combat capabilities <1102-010002>
 中国の SD-10(現在の量産型は SD-10ABVRAAM は、従来考えられ ていたより高性能であることが分かった。
 開発を担当した LOEC によると、SD-10 は開発当初からアクティブ/パッシブレーダの複合誘導システムであっ た。 事実であれば初めて実用化されたこの種 AAM になる。
2010.12.01 Jane's Defence Weekly China's SD-10 claimed to be a dual-mode AAM <1101-120102>
 SD-10 中距離 AAM を開発した LOEC社によると、SD-10 は設計当初からアクティブ/パッシブ の2モードシーカを搭載している。 2モードシーカは AMRAAM でも最新型である AIM-120D が実現した。
 現在量産されている SD-10A は J-10 及び J-8 の最新型に搭載されており、年内にもパキスタンの JF-17 に装備される。
2009.08 Jane's Missiles & Rockets Improved PL-5 uses two-colour seeker <0909-080011>
 中国の AVIC社が、二波長 IR シーカを搭載した PL-5EⅡ AAM を公表した。 PL-5 は 原型の PL-5B が1986年に装備化され、1990年代に PL-5C に改良された。 1990年代末に登場した PL-5E はサイズと重量が若干小さくなり、AIM-9L Sidewinder が初めて 採用したダブルデルタのカナードが取り付けられた。 今回登場した PL-5EⅡ はシーカ以外は PL-5E と同じの様である。
 パリ航空ショーにはレーダ誘導の PL-12/SD-10 の改良型 SD-10A も出品された。
2008.11.17 Aviation Week & ST Service life <0812-111712>
= PL-15/SD-10 AAM の現状紹介記事 =
 PL-12(輸出名は SD-10 )は J-10 及び J-11B に搭載されているが、今後は J-8Ⅱ や FC-1/JF-17 にも搭載されると見られる。 また J-8T と呼ばれる開発中の機体も PL-12/SD-10 を搭載する。
 PL-12 は今まで、重量180kg、全長3.85m、最大射程70kmと公表されていたが、今回の珠海航空展では、重量199kg、全長3.93m、 射程は70km以上と公表されている。 PL-12 のシーカは、ロシアの Agat社が R-77 (AA-12) 用に開発したシーカを元にしていると思われている。
2008.03 Jane's Missiles & Rockets China hints at new air-launched missiles <0804-030005>

(既報 0803-013001 (JDW 2008.01.30) とほぼ同文の記事)
2008.01.30 Jane's Defence Weekly China hints at new missiles <0803-013001>
 中国のインターネットに以下の三種類の AAM の画像が紹介された。
小型 AAM
 SD-10 (PL-12) ARH AAM の上に2発搭載されている。 IR シーカはなくレドームがあることから ARH AAM と思われる。
 中国と深い関係にあるロシアの AGAT社が150mm径のレーダシーカ 9B-1103M-150 を発表している。
PL-ASR
 中国語表記には PL-10 とある。 PL-10 という名称は、従来 AIM-7 のコピーミサイルにつけられていた。
 PL-ASR/PL-10 は TVC と尾翼操舵の短距離格闘戦 AAM で、機体側面のドーサルフィンで揚力を得ている。 このミサ イルは南ア Denel社の A-Darter に酷似している。 Denel社の技術を取り入れたとの証拠はないが、中国は UAV などで同社と親しい関係にある。
ramjet AAM
 ramjet AAM は SD-10 を改良したもののようで、2個の箱形空気取り入れ口と先端部に4枚のフィンが取り付けられている。 右図では SD-10 、PL-ASR 及び ramjet AAM が一緒に表されているが、この三種類が J-10 及び J-11B の主装備になると思われる。
2008.01.14 Aviation Week & ST Chinese rocket <0803-011405>
 中国が IIR 誘導で TVC を併用した次世代短距離格闘戦 AAM を開発している模様である。
 このミサイルはウェブサイトで PL-ASR 或いは PL-10 と呼ばれている。 PL-10 の名称は開発中の SARH の中距離 AAM に使われていた。
【関連記事:0604-020013 (IDR 2006.02)】
2006.11.06 Aviation Week & ST Power play <0622-110604>
= 広東省珠海で開催された航空ショーに関する記事 =
 10月31日~11月5日に広東省珠海で開催された航空ショーには多数の中国空軍装備の他、中国企業が研究開発中の航空機、精密誘導兵器 等が展示され、中国の軍事開発技術への積極的な取り組みが目立った。
J-11B
 J-11B は J-11 (Su-27) を元に開発を進めている戦闘機で、エンジン、レーダー及び 搭載兵器を全て国産にする。 現在は飛行試験の中間段階にある。
PL-12
 J-11B に搭載予定の ARH 誘導 AAM で、試験発射は既に終了し製造段階に移行する直前とみられる。  J-10 への搭載も予定されている。
LT-2
 ロシアの KAB 系列に類似した500kg級レーザ誘導爆弾で、射程は約20km、命中精度は2m以内 で装備化まで2~3年を要する。
LS-6
 500kg、1,000kgの精密誘導滑空爆弾キットで、2003年から開発を開始し、試験機からの投下試験を6回以上実施した。 誘導には、GPS 、Glonass (露) 及び中国独自の Beidou システムのいずれも使用可能である。
( LS-6 関連記事 AW&ST 2006.10.16)
 Beido は5基の GEO 衛星と30基以上の非 GEO 衛星から構成されるとみられている。
FT-1/3
 250kg、500kgの衛星誘導兵器で射程は18km、2001年から開発を開始、形状は極めて米軍の JDAM に類似している。
2006.11 Jane's Missiles & Rockets China may buy more AAMs from Ukraine <0624-110024>
 中国の AAM はロシア製と国産が受注競争を繰り広げているが、ウクライナ製に関心が持たれている。
 ウクライナはかつて363発R-27T1 (AA-10B Alamo-B) 及び R-27ET1 (AA-10B Alamo-D) IR AAM を受注して2005年11月までに納入しているが、更に追加発注されれば J-11 や Su-27/30 に 装備されることになる。
2006.02 International Defense Review Grouching tiger: how China is quietly evolving its missile systems <0604-020013>
= 中国の戦術ミサイル開発能力に関する4頁にわたる記事 =
AAM
 1980年代の中国の AAM は、PL-7≒R550 Magic、PL-8≒Python Ⅲ、PL-10/11≒Aspide など、殆ど海外製品のコピー であったが、1989年の天安門事件以来その道がたたれた。 現在、中国は初めての ARH AAM である SD-10/ PL-12(右図上から三番目)を開発しているが、その主要部の技術は商取引の形でロシアから導入されて いる。 例えばシーカの設計及び構成品は AGAT社から、舵駆動技術は Vympel社、INS は NIIP Moscow社からである。
 PL-8 は J-8 戦闘機に搭載予定で、SARH の PL-10/PL-11 は J-8 及び J-10 戦闘機に搭載されている。
CM
 ウクライナから中国へ不正輸出された Kh-55 (AS-15) は、その後ウクライナやロシアから通常弾頭に改造するキットも輸出されたよう である。 この技術で中国は旧式の YJ-6/C-601 の改良を行い KD-63 (Kong Di-63) を完成させた。 KD-63 は H-6 爆撃機の翼下に2発搭載される。
 2002年に H-6 に4発搭載された KD-63 より小型の YJ-62 が公表された。 YJ-62 は周波数アジャイルのレー ダシーカと GPS/INS 誘導装置を搭載し、280kmを30mの高度で巡航し、終末高度7~10mで突入する。 YJ-62 は Type 052C 駆逐艦に装備された。
TBM
 射程150kmの B611 TBM はトルコとの共同開発で、現在射程250km型が提案されている。
対艦ミサイル
 TL-6/TL-10はイランの注文による対艦ミサイルである。
2005.08.10 Jane's Defence Weekly Aiming for the high ground <0517-081006>
= 列国の主な AAM 開発計画に関する5頁にわたる特集記事 =
AIM-9X
 米空軍は、現有4,400発の AIM-9M を、2012年までに4,000発の AIM-9X に換装する。
AIM-120C5/C7, AIM-120D
 -120D は双方向データリンクや GPS 誘導の採用で、射程が50%延伸。 2007年後半に運用開始。
( AIM-120D 関連記事 JMR 2004.09)
JDRADM (Joint Dual Role Air Dominance Missile)
 空対空、空対地両用ミサイル。
( JDRADM 関連記事 JDW 2004.01.07)
MICA EM/IR
ASRAAM
IRIS-T
 2003年にドイツが1,250発を発注。
Meteor
Python 5(イスラエル)
Derby(イスラエル)
R-Dater / A-Darter(南ア)
Astra(インド)
MAA-1 Piranha(ブラジル)
Tien Chien Ⅱ(台湾)
AAM-4 (Type-99) / AAM-4改(日本)
AAM-5(日本)
KS-172(ロシア)
 超長距離 AAM。
( KS-172 関連記事 JMR 2004.03)
R-27, R-73, R-77(ロシア)
PL-12 (SD-10)
2005.07.18 Aviation Week & ST Cruising along <0515-071805>
 中国は長距離攻撃能力の強化を図っており、対艦・対地巡航ミサイルと空対空ミサイルの国産開発を推進している。
 巡航ミサイル開発で注目されるのは対艦用の YJ-62 (右図) で、ほぼ開発を終了し、 艦船の他 Tu-16 爆撃機からの空中発射及び陸上発射型の開発も行われている。
 YJ-62 は射程108nm、全長6~7mで、慣性誘導とアクティブレーダ誘導を併用すると みられ、対地上攻撃用には E/Oシーカを採用していると推測される。
 国産開発のアクティブレーダ誘導 AAM である PL-12/SD-10 は今年初めに実射試験を終え、 量産段階に移行、J-10 への搭載を準備中であり、 J-11 への搭載も予定されている。
 PL-12 のシーカ型式は不明だが、ロシアの技術援助を受けていることから AA-12 Adder と同様のシーカを採 用していると推測される。
2005.02 Jane's Missiles & Rockets Chinese long-range active homing AAMs use Russian technology <0507-020003>
 Hong Kong の報道によると、PL-12 などの中国の長距離アクティブ AAM は、Vympel社や AGAT 研究所などのロシアの 協力で開発された。
 従来 PL-12 と輸出型の SD-10 はファミリ又は全く同じミサイルと見られていたが、これらは別々の機関で開発されたことが分かった 。 未確認情報によると SD-10 は2004年中頃に LRIP に入ったが、J-10A 搭載用と見られる PL-12 は、まだ量産に入っていない模様である。
2004.11.08 Aviation Week & ST Chinese fireworks <0422-110808>
 中国はこれまで外国に頼ってきた各種誘導兵器の国内開発を積極的に進めており、特に長射 程 LACM と対艦ミサイルの開発推進は、台湾海峡に新たな緊張をもたらす。
DH-10 LACM:
 開発の最終段階に入った対地攻撃型で射程は1,500km以上、慣性誘導を行い、中期に飛行修正を実施、画像照 合と終末誘導に GPS と E/O シーカーを使用している模様である。
YJ-63 空中発射型 ASCM:
 開発の最終段階に入っている H-6 (Tu-16 のライセンス国産機) 搭載用の対艦ミサイルで、推進にターボジェットを用い、終末誘導に E/O シーカーを使用している模様である。 H-6 には4発搭載を狙っている。
YJ-12A ASCM:
 現在開発中の超音速対艦ミサイルで、模型がエアショーに展示された。
SD-10/PL-12 AAM:
 2006年~2007年の装備化を目指す射程約70km、重量180kgで、独自開発のアクティブレーダシーカを搭載する。  SD-10 は輸出仕様でパキスタンと共同開発中の JF-17 に搭載を予定する。
E/O シーカー
 YJ-63 に搭載する KD-63 及び KDD-88 をエアショーに展示した。 KDD-88 の搭載機種は明らかにされていない。
2004.06.02 Jane's Defense Weekly China modifies TY-90 missile for surface launch <0411-060210>
 中国が TY-90 (Tian Yan= 'Heavy Swallow') AAM を SAM とした SG-2 (Shen Gong= 'Divine Bow') を開発した。 TY-90 は1998年に初公開された胴径90mm、発射重量20kgの AAM で、ヘリの機体 両側に取り付けられている。
 SG-2 は、4発入りのポッドを中国製の ZSU-23-2である Type 80 LAAG (Light AAG) と同じ2輪の台車に搭載したもので、Type 80 LAAG と組み合わせて運用される。
 TY-90 は IR 誘導のミサイルで、弾頭には合わせて3kgのロッドを搭載し、最大速度 Mach 2.0 の性能を持つ 。 最大射程は6kmである。
(関連記事 JDW 2002.05.08)
2004.05.17 Aviation Week & ST Cause and effect <0410-051705>
 停滞していた米 AAM 業界は、ロシアのミサイル輸出量の伸びや中国の PL-12 開発進展に刺激され、新たな研究開発が再開している。
 中国の PL-12 は射程70~80km、速度 Mach 4 の AAM で、開発は最終段階で実射試験を行う段階にある。 ま たパキスタン等への輸出も計画されている。
 米空軍はこれらに対抗する形で AMRAAM 改善型 AIM-120D の開発を検討し ている。 AIM-120D は射程を50%延伸し、誘導精度と旋回機動性を向上を図るもので、2008年度に F/A-18E/F へ の搭載を狙っている。
 空軍はこの他に VFDR (Variable Flow Ducted Rocket) を AMRAAM に採用する AMRAAM-VFDR計画を進めており 、2017年頃に試験的な運用を開始するとみられる。
2004.04.21 Jane's Defence Weekly Chinese missile may be for Pakistan's F-16s <0408-042108>
 中国が2番目の BVRAAM として、中国空軍が装備している PL-11 AAM の輸出仕様である FD-60 を売り込もうとしている。
 PL-11 は LY-60 SAM の AAM型で、LR-60 はイタリアの Aspide の技術を取り 入れて2000年に開発完了した SARH 方式の SAM である。 中国は既に ARH の PL-12/SD-10 を開発しているた め PL-11 の開発は不成功に終わったと見られていた。
 輸出型の FD-60 は F-16 搭載型になっており、明らかにパキスタンへの輸出を念頭に置いている。 パキス タンは JF-17 Thunder (FC-1) に SD-11 搭載する方向で動いているが、それより先に FD-60 を取得可能になった。
2004.03.01 Aviation Week & ST The Russian Vympel R-77 <0405-030101>
 中国空軍はロシアから購入する Su-30MKK 搭載用に R-77 (AA-12) を初めての ARH AAM として導入する。
 空軍はまた、R-73 (AA-11) 短射程 AAM 及び Kh-29 (AS-14) ASM も導入している他、R-77 の構成品を多数転用する PL-12/SD-10 ARH AAM の開発を間もなく終了する。
 PL-12 はデュアルパルス固形ロケットモーターで、機体形状も R-77 とは異なっている。
2004.01.07 Jane's Defence Weekly China's new air-to-air missile operational this year <0401-010709>
 中国の SD-10/PL-12 中距離 AAM は2004年の中頃に実戦配備できる状態にあることを CATIC社が公表した。  SD-10 は中国空軍が装備する PL-12 の輸出型名称である。  同社によれば、最初の SD-10/PL-12 は J-8 に装備され、 J-10 が開発完了すれば J-10 にも装備される。 しかしながら、Su-27SKK や J-11 にも装備される模様である。
 最初の輸出先は2003年8月に開発を完了した FC-1 を装備するパキスタンで、パキスタンは 12ヶ月以内に SD-10/PL-12 を装備できるとしているが、CATIC社は FC-1 は量産型の搭載するアビオニクスをまだ搭載していないことか ら、SD-10/PL-12 の装備には3年はかかると見ている。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets SD-10 could re-arm Pakistan's fighter force  パキスタン空軍は BVRAAM の装備を急いでいるため米、欧のメーカと交渉しているが、旨く行かず、中国の SD-10 を導入することに なる模様である。
 SD-10 は当初 AMRAAM と良く似た AAM と見られていたが、後翼操舵の別方式ミサイルの模様で、射 程は80kmと公表されている。
 SD-10 は中国軍の装備する PL-12 の輸出名と見られていたが、CATIC (China National Aerotechnology Import-Export Corporation) によると、SD-10 は PL-12 とは別で、セミアクティブホーミング方式の PL-11 や PL-12 と換装される。
 SD-10 のシーカには。ロシア AGAT社製で R-77 (AA-12) にも使用されている 9B-1348 が使用されている。
2003.05.28 Jane's Defence Wekkly Command of the air
= AAM の現状と趨勢に関する解説記事 =
2002.11.04 Aviation Week & ST Chinese weapon upgrades reflect Russian expertise  中国空軍が開発している BVRAAM の PL-12 (SD-10) にはロシアの R-77 (AA-12 Adder) の技術が反映されて いる。
 R-77 は空軍が導入した Su-30MKK の搭載兵器として輸入された空軍初のアクティブレーダー 誘導の BVRAAM で、 2002年6月頃試験射撃が行われた。
 PL-12 はおそらく BVR 兵器として J-10 に装備される模様で、シーカー、誘導装置及び信管はロシア の技術を反映しているがロケットモーターはシングルスラストを採用、R-77 のダブルスラストとは異なっている。
 全長3.85m、胴径203mm、重量180kg は R-77 よりやや大型化している。
 PL-12 は輸出を計画しているとみられ、パキスタンと共同開発している軽戦闘機 FC-1 にフルサイズ模型を装 備し、今回のエアーショウに初めて展示された。 
2002.07 Jane's Missiles & Rockets China develops PL-12 BVR missile  中国が自国製の BVRAAM (Beyond-Visual-Range AAM) である PL-12(または SD-10)を開発した。
 これにより、中国の戦闘機は台湾が装備している AMRAAM や MICA の射程外から攻撃することができるように なった。
 PL-12 は恐らく J-10 戦闘機に装備されることになるであろう。
 PL-12 は全長3.7m、胴径20cmで、ロシア製の R-77 (AA-12) の技術を基に作られたと見られる。
2002.06.03 Aviation Week & ST China builds on Russian Adder to develop active radar missile  中国はロシアから主要技術支援を受け、新型の BVRAAM (Beyond-visual-range AAM) の開発を行っており、概ね 5年 後には装備化される模様。
 この計画 (Project 129) はロシアの R-77 (AA-12 Addar) のアクテイブレーダーシーカー、誘導ユニット、データリンク等の主要構成 品技術を活用し中国が国内開発するもので、おそらく空軍用は PL-12 、輸出用は SD-10 と呼称されるミサイルと考えられている。
 ミサイルは直径 200mm、全長約3.7m で現在フライトテストを行っており将来的には J-10 戦闘機に搭載する 模様。 この兵器の開発により中国空軍の空中戦能力は飛躍的に向上する。
2002.05 International Defense Review Chinese anti-helicopter weapon on display  中国は Asian Aerospace 展で、開発中の TY-90 対ヘリミサイルのモックアップを公表し た。
 TY-90 のシーカは 3~5μIR センサを4個搭載し 6kmのロックオン性能を持つ。 機体は Mach 2 で飛行し 20g の旋回能力を有する。 弾頭にはロッド型弾頭を使用している。
2002.05.08 Jane's Defence Weekly China advances helicopter projects  中国は P&W Canada社から、2基のエンジンを新開発の Z-10 軽多用途ヘリコプタ用 に入手した。
 Z-10 は1997年から Eurocopter社はロータの開発で提携し、1999年に Augsta-Westland社とトランスミッションの開発で提携している 。 Z-10 には軍用の他、民間用もある模様である。
 この他に中国は Z-8 多用途輸送ヘリを開発していたが1997年に中止になった。 また近年、Eurocopter AS 365N Dauphin 2 の中国版 である Z-9A を改良した Z-9G 戦闘ヘリコプタを少数装備していると伝えられている。 Z-9G は射程3kmの IR 誘導 AAM である TY-90を4発搭載する。 TY-90 の開発は1990年代初期に開始されたといわれている。
 右図は TY-90 を装備した Z-10 ヘリ。
2002.04 Jane's Missiles & Rockets China shows its newest air-to-air missiles  中国の CATIC (China National Aero Technology Import & Export Corporation)社が、次世代 AAM の開発を行って いる。
  PL-5Eは、旧ソ連製 R-13 (AA-2) をベースにした AAM で J-7 及び J-8 に搭載されている。
  PL-8 は、イスラエル製 Python Ⅲ の中国製である。
 PL-9 の次世代型 PL-9Cは IIR シーカを使用し、J-10 戦闘機 に搭載されることになっているが、実用化にはあと数年かかる。
 PL-5E, PL-9C はインジウム・アンチモン素子を使用し、PL-9C のシーカ捕捉距離は、現在8kmの PL-9 の約倍で、射程は22kmと言われ ている。
  DK-9C は、装輪車に4発搭載発射機を搭載した PL-9C の SAM 型で、 有効射程は8~10kmと言われている。
 PL-7 短距離 AAM 及び PL-10 SARH AAM 計画は既に中止されており、代わって射程 80km SD-10 ARH AAM の開発が進められている。
2001.07 Jane's Missiles & Rockets PL-8 not PL-9  Jane's Missiles & Rockets 誌 6月号で、イスラエルの Python 3 AAM の中国版を PL-9 と間違って報じたが、正しくは PL-8 である。
 PL-9 は AIM-9P とそっくりのダブルデルタカナード付きの非後退翼後舵制御 AAM である。
 PL-8 は PL-9 に1年遅れ1990に部隊配備された。
2001.06 Jane's Missiles & Rockets EP-3E incident confirms Chinese PL-9 is a Python 3 copy  4月に海南島近海で起きた EP-3E SIGINT 機と中国の J-8 Ⅱ 戦闘機の接触事故の結果、J-8 Ⅱ 戦闘機が搭載して いる PL-9 AAM がイスラエルの Python 3 AAM の全くのコピーであることが判明した。
 米国は1990年代から米国のミサイル技術がイスラエルを経由して中国に流出していることに憂慮していたが、イスラエルは Python の技術流出について否定していない。