ロシアの AAM に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2021.02.22 Aviation Week ST Russian company plans new generation of missiles <2104-022205>
 ロシアVympel社が1月下旬、10年前に開発地を中止していた短距離AAM K-30の開発を再開することを明らかにした。
 再開するのは1986年に同社がPAK FA (Su-57) 搭載用として開発を開始したK-30 (K-MD) 300を引き継いだK-30 300Mで、同社は2006年に300型は2013年には装備化が可能としていた。
2020.02.28 Jane's 360 Houthis unveil Russian air-to-air missiles as SAMs <2003-022806>
 イエメンのフーシ派が改良型のSAMでサウジ連合軍に衝撃を与えていると発表した。
 発表された写真にあるThaqib-1と表示されている3発はR-73 (AA-11) IR誘導短距離AAMで、Thaqib-2と表示されている3発はR-27 (AA-10) IR誘導短距離AAMである。 またThaqib-3と表示されている3発はR-77 (AA-17) レーダ誘導中距離AAMである。
2019.07.31 Jane's 360 India signs USD700 million deal with Russia for 1,000 additional air-to-air missiles <1908-073108>
 インド空軍が7月30日、7月上旬にロシアとMiG機やSukhoi機に搭載するAAM 1,000発を購入する$700Mの契約を行ったことを明らかにした。
 購入するのはR-27 (AA-10) 300発R-73E (AA-11) 300発R-77 (AA-12) 400発で、R-73はMirage 2000Hにも装備するという。
2018.07.18 Jane's Defence Weekly New Russian long-range air-to-air missile integration to expand to four fighter models <1809-071803>
 露国防省が7月5日、R-37M長距離AAMの運用適合性試験を完了したと発表した。 射程300km のR-37MはMiG-31のみに搭載するとして開発されたが、設計が完了した後にSu-30やSu-35、更にSu-57 へも搭載できるようにとの決定がなされた。
 R-37MはMach 6での飛翔と8gでの旋回能力を持つと言われている。
2012.04 Jane' Missiles & Rockets MiG-31 AAM in final stage of development <1207-040001>
 MiG-31BM に搭載される長距離 AAM である K-37M (AA-X-13) の開発が最終段階に入っている。 K-37M は2011年モスク ワ航空博で RVV-BD として紹介され、2011年に試験を完了している。
 RVV-BD は全長4.06m、胴径0.38m、翼端長0.72m(十字翼を展帳すると1.02m)、重量510kgで、60kgの弾頭を搭載して200kmの射程を有する。
 MiG-31BM は最大捕捉距離320km、交戦可能距離280kmのレーダを搭載し、10目標の追随と、同時6目標との交戦が可能である。
2013.03 Jane's Missiles & Rockts T-50 air-to-air missile trials complete <1304-030015>
 T-50 による短距離 AAM RVV-MD の発射試験が2012年12月末に行われた。 RVV-MD は R-73 (AA-11) を 元に開発された多波長 IR 誘導 AAM で、T-50 の機内弾庫踏査のため R-73 より短くなっている。
 RVV-MD は全長3m、発射重量100kg、弾頭重量8kgで、射程300m~40km、射高20m~20km、旋回性能20gの性能を有す る。 量産開始は2013年で、2015年には配備が開始される。
2011.10 Jane's Missiles & Rockets TMC reveals new RVV-BD long-range air-to-air missile at MAKS 2011 air show <1111-100001>
 ロシア TMC社が、8月16~21日にモスクワで開かれた MAKS 2011 航空展に、Vympel社が開発した新型長距離 AAM RVV-BD を展示した。 RVV-BD (Izdeliye 620) は1980年代に開発された K-37/K-37M (Izdeliye 610/610M) の改良型で、R-33 (AA-9) の後継と見られ、 PakFa 搭載 AAM の一機種となる。
 RVV-BD は、全長4.06m、胴径38cm、翼端長72cm、操舵翼翼端長1.02mで、発射重量510kg、弾頭重量60kgである。 最大射程は 200kmで、高度15~25,000mの目標に対抗できる。
2011.08.31 Jane's Defence Weekly Russian air-launched weapons unveiled <1111-083104>
 ロシア TMC社が MAKS に二種類の AAM と EO 誘導爆弾を出品した。 傘下の Vympel社は、R-33 (AA-9) の発展型である射程 200kmRVV-BD を出品した。 RVV-BD は AKU-401-1 又は AKU-620 を装備する全ての作戦機に搭載可能 である。
 同じく傘下の Region社は250kgの EO 誘導爆弾 KAB-250 を出品した。
2011.08.22 Aviation Week & ST Missile boost <1110-082208>
 ロシアの戦術ミサイルメーが゛、開発予算の復活で活況を呈している。 当面の開発は T-50 に搭載するミ サイルで、短距離用の RVV-MD や中距離用の RVV-SD などの AAM のほか、機内弾庫搭載型の Kh-35 対艦ミサイルや Kh-58UShK ARM になっている。
 一方輸出用ミサイルとして Vympel社は射程200kmRVV-BD(右図)を開発している。 RVV-BD は MiG-31 や Su-35 に搭載する二段推進ミサイルで、8g旋回目標にまで対応できる。
2010.10.20 Jane's Defence Weekly Kiev Radar unveils next-gen seekers <1011-102007>
 ウクライナの Radar社が改良型 R-27R1 (AA-10) 用 SAR シーカ 9B-1101K を開発し 、既に150機を R-27 の機体メーカであるウクライナの Artem社に納入した。
 Radar社は26ヶ国を顧客にしているが、9B-1101K の開発チームは主たる顧客は中国としている。
2010.09.08 Jane's Defence Weekly Arsenal updates seeker for R-27ET AAM <1010-090803>
 ウクライナの Arsenel 設計局が8月31日、ロシア製 R-27ET (AA-10) BVRAAM 用の 新型 IR シーカ AZ-10 を公表した。 ウクライナでは AZ-10 を搭載した AAM を R-47T と呼んでいる。
 AZ-10 の捕捉距離は30kmで、大型ロケットモータに搭載した R-27E の射程は100kmと、最新型の R-77/RVV-AE (AA-12) より長くなる。
2009.10 Jane's Missiles & Rockets Russian reworked air-to-air missiles offer new capability <0911-100002>
 ロシア TMC社傘下の Vympel社がモスクワ航空ショーに、中距離 AAM である RVV-SD と短距離 AAM である RVV-MD の二種類を出品した。
RVV-SD
 寸法は R-77 (AA-12) の輸出型である RVV-AE とほぼ同じであるが、重量は175kgが190kgになっている。 これにより射程は80kmが110kmに伸 びた。
RVV-MD
 R-73E/R-73EL (AA-11) の発展型で、射程は30kmが40kmに伸びている。
2009.09.02 Jane's Defence Weekly Russia sharpens its air-to-air teeth with AAM upgrades <0911-090207>
 モスクワ航空ショーで TMC 傘下の Vympel設計局が、改良型の R-73 (AA-11) SRAAMR-77 (AA-12) RVV-AE MRAAM を、それぞれ RVV-MD 及び RVV-SD として公表した。  またこのほかに射程200kmの長距離 AAM の存在も明らかにした。
RVV-MD: 二色 IR 誘導の短距離型
RVV-SD: 中距離型で、射程が30km以上伸びて110km
2009.08.10 Aviation Week & ST Comhat action <0909-081012>
 ロシアの TRV社が、今月下旬に開かれるモスクワ航空ショーに R-77 (AA-12) の改良型 RVV-MD と R-73 (AA-11) の改良型 RVV-SD を出品する。 RVV-MD は今までの R-77/RVV-AE より15kg重い190kgで、射程も80kmから110kmに伸びている。 同社は RVV-MD の Article 170-1 計画に次いで Article 180 計画を進めており、ここでは2パルスモータを採用して射程が更に延伸される。
 一方 RVV-SD は106kgの R-73 より1kg重く、射程も10km伸びている。
2009.04.13 Aviation Week & ST Russian icon <0905-041311>
 ロシアのメドべーエフ大統領が3月末に Kubinka AFB を訪問した際に、MiG-31BMR-33S AAM など、搭載される武器が展示された。
【 MiG-31BM 関連記事:0517-082207 (AW&ST 2005.08.22)】
 R-33S (AA-9B:右図の中央2発) は R-33 (AA-9) の改良型で1994年に MiG-31M に搭載された写真が公表されている。 R-33 は490kgの AAM で、高々度直線飛行目標 に対して120km、低高度目標に対し35kmの射程を持つ。
2008.12 International Defence Review Air supremacy club loses exclusive status <0901-120036>
= 制空戦闘機と AAM に関する4頁にわたる特集記事 =
 将来の制空戦闘は、朝鮮戦争以来続いた西側優勢が大きく崩れることになる。 ロシアの Vympel社製 R-37 (AA-X-13) の射程は230kmで、Novator社製の KS-172 も同程度の射程を有する。
 図は F-35 のステルス性より AAM の長射程を重視して、翼下パイロンに Meteor を搭載した場合を示している。
2007.11 Jane's Missiles & Rockets MAKS reveals slowdown in Russian missile progress <0724-110018>
 MAKS 2007 展に Tactical Missiles Corporation社が各種新型ミサイルを展示したのに対し、Vympel社は三種類の 新型 AAM を展示しようとしたが間に合わなかった。 三種類とは、恐らく Izdeliye 760 と思われる K-74 Izdeliya 170-1、Izdeliya 610M と見られる K-37 である。
K-74
 R-73 (AA-11) の改良型で最新のフォーカルプレーンアレイシーカを搭載。
Izdeliya 170-1/MK 80P
 AA-12 の改良、能力向上型で RVV-AE 改良型と呼ばれ、射程は優に100kmを超える。
2007.09.10 Aviation Week & ST Family affair <0719-091004>
= 2007年度モスクワ航空ショウ =
 8月21日から26日の間、2007年度モスクワ航空ショウが開催され多数の航空機及び ASM、AAM等の各種ミサイルの模型が展示された。  注目されたミサイルとしては、Tactical Missile Corp. の Kh-38M ASM、Kh-31AD 対艦ミサイル、Kh-58USbK ARM 及び Novator社の KS-172 長距離 AAM (右図下) と 空中発射型 3M-54 ASCM (右図上)、3M-14K LACM、Marabou プラズマ方式ステルスシステムを採用した 3M-25 Meteorit 戦略巡航ミサイル等が展示された。
2007.07.11 Jane's Defence Weekly Russia develops K-100-1 missile for Su-35 fighter <0715-071104>
 Sukhoi社が昨年11月から、Su-35 Super Flanker は空中発射型 Club CM の Calibre-A K-100-1 AAM の二種類の 長距離ミサイルを主要装備とすると宣伝している。 K-100-1 は1993年に公表された KS-172 が名称を変更した もののようで、射程は Su-35 搭載 Irbis-E レーダのスコープレンジと同じ400kmとし ている。
(関連記事 JDW 2006.11.15)
2006.12 Jane's Missiles & Rockets Slovak MiG-29s fire 'Aphids' during exercises over Baltic <0703-120019>
 スロバキア空軍が Strela 1-2006 演習で MiG-29AS による R-60MK (AA-8) の発射を実施し、10月11日に帰投した。 R-60MK の実射 は16発行われたが、1発がエンジンが点火せず発射できなかった。
2006.11.15 Jane's Defence Weekly Russia restarts missile projects <0623-111506>
 ロシアが K-37 (AA-X-13) 及び K-100 (KS-172) 長距離 AAM の開発を再開した模様である。
K-37
 開発名を R-37 と言い、Zaslon-M PESA レーダと共に MiG-31BM の主要装備である。 Zaslon-M は Su-35 に搭載される Irbis-E と同じ Tikhomirov NIIP 製で両者は技術的に共通している。
 MiG-31 が搭載していた R-33 (AA-9) はセミアクティブであったが、MiG-31BM に搭載される K-37/R-37 は完全なアクティブである。  K-37 の有効射程は230kmである。
( Irbis-E 関連記事 JDW 2006.11.15)
K-100
 K-100 は別名 Izdeliye 172 であることから KS-172 とも呼ばれる Su-35 搭載の AAM で、射程は K-37/R-37 と同程度と見られる。
( KS-172 関連記事 JMR 2004.03)
2006.09 Jane's Missiles & Rockets Agat researches dual-path rolling upgrades to seekers <0618-090018>
 ロシアの Agat社が既存のミサイルシーカを、ハードウェアの改良及びソフトウェアの更新の二面で行っている。
2006.06 Jane's Missiles & Rockets Vympel plans to develop air-to-air missiles for Russia's PAK FA fifth-generation fighter <0615-060026>
 ロシアの Vympel社が、次世代戦闘機 Pak Fa 用として機内弾庫に搭載する新型 AAM を開発している 。 開発しているのは R-73/R-74 (註:AA-11) の発展型で、ASRAAM、AIM-9X に対抗する izdeliye-760ASRAAM、AIM-9X を凌ぐ izdeliye-300 である。 izdeliye-300 のシーカは izdeliye-760 の二倍以上である。
 ロシアが IR AAM 開発に遅れを生じていた原因は、過去の IR シーカがウクライナで作られていたことによる もので、新型 AAM のシーカは国内メーカが開発することになる。
2006.05 Jane's Missiles & Rockets China buys air-to-air missile from Russia <0611-050001>
 中国は Vympel社製 RVV-AE (AA-12) ARH AAM を1,500発購入しているが、2006年に更に 100発を追加発注した。
 RVV-AE は38機の Su-30MKK と24機の Su-30MK2 に装備されるほか、後期型の Su-27 にも搭載さ れる。 中国は RVV-AE が搭載できず SARH の R-27ER1 (AA-10) を装備する初期型の Su-27 も装備している。
2006.02 Jane's Missiles & Rockets Ukraine develops an acrtive-radar seeker <0605-020003>
 ウクライナが ARH 方式の R-27 (AA-10) を国内で開発した。 ARH R-27 は AAM としてだけでなく SAM としても使用される。
 2004年に Vympel社が設計した ARH 方式の R-27 をウクライナの Artem社が生産していると報道されたが、ウクライナには独自に 開発を行う能力があり、国内でシーカを開発した。
2005.10 Jane's Missiles & Rockets Russia offers ground-based 'Slamraamski' SAM system <0521-100014>
 モスクワ近郊の Zhukovsky で開かれた MARKS 2005 展で、Vympel社が R-77 (AA-12) AAM の地上発射型であ る R-77-ZPK SAM を公表した。
(関連記事 JDW 2005.05.18)
 R-77 SAM の開発は10年間にわたり続けられており、1993年には艦載 TVC 型 Poliment の発射試験が行われて いる。 地上発射型の発射機(右図)は朝鮮戦争時代の S-60 57mm高射砲の旋回俯仰砲塔を利用してしている。 この結果 TVC を使用せ ずに AAM 弾がそのまま使用可能と見られる。
 R-77 AAM の最大射程は80km(高速機動目標には50km)であるが、SAM は射程1.2~12km、射高20~9,000mとな る。 Vympel社によると最大同時対処目標数は8で、9g旋回目標まで対処可能である。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly Vympel reveals ground-launched R-77 missile <0518-082409>
 ロシアの Vympel社が、R-77 (AA-12) ARH AAM を陸上発射型にした SAM を発表した 。 R-77 は全長3.8mのキャニスタに収納され重量は217kgとなる。
 R-77 SAM は、当初 S-60 57mm高射砲の砲架に搭載される。 固有のレーダは持たず 9K33 (SA-8) などの他システム から目標情報を得、シーカが目標を捕捉次第発射される。 9B-1348 シーカの捕捉距離は12kmで、R-77 SAM の最大射程は9kmである。
 同社によると R-77 は AMRAAM に比べ少なくとも25%安価であり、中国とインドからの受注が期待されている。
【註:】
 S-60 は牽引式の57mm高射砲で、1980年代にソ連陸軍の師団からは姿を消した。 1957年には自走型の ZSU-57-2 が開発されている。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly Russia launches R-73 upgrade <0518-082402>
 ロシアの Vympel社が R-73 (AA-11) AAM の改良を行った。 R-73 は1980年代末に開発されて以来電波近接 信管をレーザ近接信管に代えたことはあるが、今回が初の本格的な改良となる。
 主要改良点は従来アナログ式であったシステムを完全ディジタル化したことで、ロケットモータは同じなのに 射程は25%向上し40kmになった。 またオフボアサイト能力も±45゚から±75゚に向上し た。
 R-73 は単波長 IR シーカ付きの格闘戦ミサイルであるが、Vympel社によると先に発表した 9B-1103M-150 アクティブレーダシーカを R-73 に搭載する計画はない。
( '9B-1103M-150' に関する記事 AW&ST 2005.07.11)
2005.08.10 Jane's Defence Weekly Aiming for the high ground <0517-081006>
= 列国の主な AAM 開発計画に関する5頁にわたる特集記事 =
AIM-9X
 米空軍は、現有4,400発の AIM-9M を、2012年までに4,000発の AIM-9X に換装する。
AIM-120C5/C7, AIM-120D
 -120D は双方向データリンクや GPS 誘導の採用で、射程が50%延伸。 2007年後半に運用開始。
( AIM-120D 関連記事 JMR 2004.09)
JDRADM (Joint Dual Role Air Dominance Missile)
 空対空、空対地両用ミサイル。
( JDRADM 関連記事 JDW 2004.01.07)
MICA EM/IR
ASRAAM
IRIS-T
 2003年にドイツが1,250発を発注。
Meteor
Python 5(イスラエル)
Derby(イスラエル)
R-Dater / A-Darter(南ア)
Astra(インド)
MAA-1 Piranha(ブラジル)
Tien Chien Ⅱ(台湾)
AAM-4 (Type-99) / AAM-4改(日本)
AAM-5(日本)
KS-172(ロシア)
 超長距離 AAM。
( KS-172 関連記事 JMR 2004.03)
R-27, R-73, R-77(ロシア)
PL-12 (SD-10)
2005.08 Jane's Missiles & Rockets Agat showa 'world's smallest' active-radar missile seeker <0516-080001>
 ロシアの Agat社が世界最小のアクティブレーダミサイルシーカを開発し、パリ航空ショウに出品した。 こ のシーカは 9B-1103M(胴径200mm、重量14.5kg)の改良型 9B-1103M-150 で、胴径は150mm 、重量は8kgである。
 胴径の小さい分捕捉距離も短く、RCS=5㎡の目標に対する捕捉距離が胴径200mmの 9B-1103M が20kmであるの に対して、9B-1103M-150 は13kmになっている。
 胴径の小さなアクティブシーカとしては、イスラエルの Derby、南アの R-Darter が160mm、MICA が165mmである。
2005.07.11 Aviation Week & ST All-weather Archer <0515-071104>
 ロシアの Vympel社は、レーダ製造企業である AGAT社と共同で 9B-1103M-150 シーカを試作し試験を 行っており、AA-11 Archer に IR シーカに代わりミリ波もしくはセンチ波シーカのい ずれかを搭載する準備を進めている。
 電波シーカと併行して IIR シーカの開発も進めており、ASRAAM、AIM-9X 及び Python の対抗機種として空軍に売り込みを図る。
2005.05 Jane's Missiles & Rockets Yugoslavia's secret SAMs <0511-050001>
 1999年の NATO による空爆時、ユーゴはロシア製 AAM にブースタを付け車両に搭載して SAM として使用した 。 JMR 誌は R-60 (AA-8) を使用した RL-2と、R-72 (AA-11) を使用した RL-4 を確認している。
 車両にはチェコスロバキア製 M53/59 30mm 双連対空機関砲の搭載車両を使用し、発射機には航空機のパイロンに取り付けられる R-60 又は R-72 用の発射軌条を流用している。 RL-2 のブースタはユーゴ製の128mmロケット弾を使用している模様で、RL-4 は57mm空対空 ロケット弾を6発束にしてケースに収めたものを使用していると見られる。
 これらはいずれも NATO の空爆に対抗するため急遽開発された。
2005.01 Jane's Missiles & Rockets Vympel to develop air-to-air missiles <0504-010010>
 2004年11月にロシアの主要兵器メーカと Sukhoi社の間で、第五世代戦闘機の開発に関する合意が成立した。
 この中で Vympel社は、長、中、短距離の各種次世代 AAM の開発を担当することになった。
【註:】
 Vympel社は現在 R-27 (AA-10) AAM などを生産しているロシアの代表的な AAM メーカである。。
( Vympel社関連記事 AW&ST 2004.07.26)
2004.07.26 Aviation Week & ST Silent hunter <0414-072602>
 ロシアはパッシブシーカー仕様の Vympel R-27 (AA-10) AAM を中国とインドに輸出する検討を行っ ている。
 R-27P1 と R-27EP は現在、ロシア空軍が500発程度を保有しているとみられ、MiG-29 と Su-27 に搭載している。
 中国とインドは、既に IR シーカー搭載の R-27 を Su-27、Su-30MKK 及び MiG-29 と Su-30MKI に装備しており、ロシアは F-15 と F-16 を主対象目標とする R-27P1 と R-27EP の積極的な売り込みを図っている。
 Vympel社はまた、R-27P の後継として R-77 (AA-12) のパッシブシーカー仕様を開発する意向を示している。
2004.05 Jane's Missiles & Rockets Vympel offers R-27EP anti-radar air-to-air missile <0414-050001>
 ロシアの Vympel社がチリで開かれた防衛展に、R-27 (AA-10) の長射程 ARM 型である R-27EP の模型を展示 した。 R-27 の ARM 型である R-27P は既に存在するが、R-27EP は最大射程が R-27P の72kmから110kmに伸びている。
 R-27P/R-27EP は PRGS-27 センチメートル波パッシブシーカを装備し、遠距離の戦闘機、 AEW機、ECM機を、母機に搭載されたレーダが目標を捕捉するより遠方にいる目標を射撃しようとするもので、シーカは 200kmから目標を捕捉できる。
 R-27EP は電源がもてば200kmまでの射程延伸が可能なため、同社は長時間電源の検討を進めている。
【註】
 R-27 にはレーダシーカ型の R-27R と、IR シーカ型の R-27T があり、それぞれに長射程型の R-27RE 及び R-27TE がある。
 ┏━━━━┳━━━┳━━━┳━━━┳━━━┳━━━┳━━━┓
 ┃    ┃ R-27R┃ R-27T┃ R-27P┃R-27RE┃R-27TE┃R-27PE
 ┣━━━━╋━━━╋━━━╋━━━╋━━━╋━━━╋━━━┫
 ┃発射重量┃ 253kg┃ 254kg┃ 248kg┃ 350kg┃ 343kg┃ 346kg┃
 ┃最大射程┃ 80km┃ 70km┃ 72km┃ 130km┃ 120km┃ 110km┃
 ┗━━━━┻━━━┻━━━┻━━━┻━━━┻━━━┻━━━┛
2004.03.01 Aviation Week & ST The Russian Vympel R-77 <0405-030101>
 中国空軍はロシアから購入する Su-30MKK 搭載用に R-77 (AA-12) を初めての ARH AAM として導入する。
 空軍はまた、R-73 (AA-11) 短射程 AAM 及び Kh-29 (AS-14) ASM も導入している他、R-77 の構成品を多数転用する PL-12/SD-10 ARH AAM の開発を間もなく終了する。
 PL-12 はデュアルパルス固形ロケットモーターで、機体形状も R-77 とは異なっている。
2004.03 Jane's Missiles & Rockets Novator offers a redesigned KS-172S-1 long-range AAM <0409-030001>
 昨年末に Sukhoi社が、翼下に2発の KS-172S-1 超長距離 AAM を搭載した Su-35 の模型を展示した。 今回展示された模型は10年前に 展示されたモックアップと形状が異なるが、寸法等は全長6m、発射重量は700kg、胴径40cmとほぼ同 じである。
 KS-172S-1 は S-300V (SA-12) システムで使われている 3M83 弾の第2段をもとに開発され、 射程はロシア軍向けが400km、輸出用が300kmと言われている。
 展示された Su-35 の模型は、胴体中央部2基のエンジンの間に Yakhont-M ASM を1発、そ の外側左右エアダクト下に Kh-31 ASM を各1発、左右の翼下内側に KS-172S-1、外側に R-77 AAM と、 AAM 4発、ASM 3発、計7発のミサイルを搭載している。
( 関連記事 AW&ST 2003.12.22 )
2003.12.22 Aviation Week & ST Long-range effort  ロシアの Novator社は先日ドバイで行われた航空ショーに、極長射程 AAM 172S1 の模型を展示した。
  172S1 は射程300kmの輸出仕様で、Su-27 の派生型 Su-35 の両翼 パイロンに取り付けられ展示された。
 ロシア空軍用は射程400kmとされ、早期警戒機や偵察監視機、給油機を攻撃対象とする。
 ミサイルの開発は1980年代に開始され、1993年にはじめて公開されたが、現在開発がどの程度進んでいるかは明らかにされていない。
 潜在的な輸出国の1つには Flanker 系列の Su-30MKⅠを装備するインドがあがっている。
 なお、このモデルを KS-172 と記述する記事もあるが同一機種ではなく間違いである。
2003.05.28 Jane's Defence Wekkly Command of the air
= AAM の現状と趨勢に関する解説記事 =
2002.11.18 Aviation Week & ST Russia unveils additional Adder famuly members  ロシアの Vympel 社はこのほど、R77 (AA-12 Adder) 中射程 AAM の派生型ミサイル 3種類を開発していることを明ら かにした。
 同社は輸出用の R77 アクティブ誘導ミサイルを RVV-AE と称しているが、これを新型 IR シーカー (MM-2000) に替えた射程 15km 以 上の RVV-TE (R-77T) AAM と、パッシブレーダーシーカー搭載の対レーダーミサイル RVV-PE (R-77P) AAMの 2種類を現在開発している。
 また、SAM バージョンとして R77 に固体燃料推進装置 2基を取り付けたミサイルの開発を進めており、これ を SA-6 Gainful の後継ミサイルとする意向とされる。
 SAM システムにはデータリンクを利用するものとしないものがあり、利用する型式では地上レーダーの情報で目標情報を更新する。
 射程は AAM と同様で15km 以上
2002.11.04 Aviation Week & ST Chinese weapon upgrades reflect Russian expertise  中国空軍が開発している BVRAAM の PL-12 (SD-10: 右図上) にはロシアの R-77 (AA-12 Adder) の技術が反映されて いる。
 R-77 は空軍が導入した Su-30MKK の搭載兵器として輸入された空軍初のアクティブレーダー 誘導の BVRAAM で、 2002年6月頃試験射撃が行われた。
 PL-12 はおそらく BVR 兵器として J-10 に装備される模様で、シーカー、誘導装置及び信管はロシア の技術を反映しているがロケットモーターはシングルスラストを採用、R-77 のダブルスラストとは異なっている。
 全長3.85m、胴径203mm、重量180kg は R-77 よりやや大型化している。
 PL-12 は輸出を計画しているとみられ、パキスタンと共同開発している軽戦闘機 FC-1 にフルサイズ模型を装 備し、今回のエアーショウに初めて展示された。 
2002.09 Jane's Missiles & Rockets AGAT studies longer-range seekers  ロシアの AGAT Seeker Design Bureau が、アクティブレーダシーカの重量が30%増加するが、捕捉 距離を2~2.5倍に延伸する技術を開発した。
 この技術を使えば、現在 R-27A (AA-10) に使われている350mm径の 9B-1103M(右図)の捕捉距離が40kmから90kmに伸 びることになる。
 この捕捉距離延伸は 'new radio-location signals' 及び 'new forms of digital signal processing' によ ると見られている。
2002.09 Jane's Missiles & Rockets R-73 may have aim-point selection  R-73 AAM (AA-11) に使われている MK-80 シーカには照準点選択機能がある様である。(註:この件についてこれ 以上の記述無し) また、近接信管のアーミング機能と目標の脆弱部位を強調する機能を有する。
 MK-80 シーカは液体窒素冷却によるインジウムアンチモン IR センサが使用されており、捕捉追随距離は300mから10~15km、最大追随 角速度は60゚/secである。
2002.07 International Defense Review An arrow to the heart
= 次世代高機動性短距離 AAM の動向に関する記事 =
R-73 (AA-11):
 R-73 は中国、北鮮を含む世界各国に広く輸出されている。
Python 4:
IRIS-T:
ASRAAM:
AIM-9X:
 従来と全く変わった Sidewinder。 尾部固定翼を廃した。
K-74ME:
 射程40kmで R-73 の発展型で、昨年から量産と見られる。
A-Darter:(南アフリカ)
2002.06.03 Aviation Week & ST China builds on Russian Adder to develop active radar missile  中国はロシアから主要技術支援を受け、新型の BVRAAM (Beyond-visual-range AAM) の開発を行っており、概ね 5年 後には装備化される模様。
 この計画 (Project 129) はロシアの R-77 (AA-12 Addar) のアクテイブレーダーシーカー、誘導ユニット、データリンク等の主要構成 品技術を活用し中国が国内開発するもので、おそらく空軍用は PL-12 、輸出用は SD-10 と呼称されるミサイルと考えられている。
 ミサイルは直径 200mm、全長約3.7m で現在フライトテストを行っており将来的には J-10 戦闘機に搭載する 模様。 この兵器の開発により中国空軍の空中戦能力は飛躍的に向上する。
2001.10.08 Aviation Week & ST Vympel battles to maintain air-to-air missile lead  ロシアの長射程、ラムジェット AAM の開発は間近との期待が国内にあるが、Vympel 設計局は多くの課題を抱え実 現にはなお期間を要する模様。
 ロシアは AAM の分野では世界の先端を行くと自負しており、射程約 75mi のラムジェット AAM の開発も米 国や欧州をリードする意気込みで研究を進めている。
 研究は 8年に及ぶが、予算制約の問題もありラムジェットの設計開発は進んでおらず MBDA を始め外国企業との提 携を現在検討中
 なお、当局は 3~4年で実用化できるとの意向を示している。