2011年以降の BMDレーザに関する報道

2010年以前の報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2024.06.17
 13:10
Braking Defense Missile Defense Agency has new hope for airborne lasers <2407-061705>
 16年の歳月と$5Bの研究開発費を飲み込んだ航空機搭載型のレーザー兵器は、システム構築の最初の試みが崩壊してから10年後にMDAに戻ってきたが、今回はMDAのペースが鈍く、宇宙空間でのミサイル撃墜に一気に飛びつくのではなく、まず低出力のレーザーを追跡に使用し、迎撃用の高出力システムの開発に注力している。
 MDAの広報担当者はBreaking Defenseに、「追随特性評価は、低出力追尾レーザを使用するリスク低減作業で、関連するシステムは非殺傷性システムを含む、より高度なシステムにも直接適用できる」と語った。
 MDAの広報官は「MDAのアプローチは、追跡などの短期的なミッションのための技術開発と実証を進めることであり、将来に必要な高出力レーザは[国防総省の研究技術局]によって開発されており、MDAと国防総省は、戦闘空間全体での機動性と最大の拡散をサポートするために、より小型、軽量、低電力の将来の指向性エネルギーシステムに向けて取り組んでいます」とスポークスパーソンは付け加えた。
 MDAが空中システムに焦点を当てている理由の一つは、そのようなシステムが地上と宇宙の両方のミサイル防衛アプローチよりも研究開発活動に利点をもたらす可能性があるからだと説明した。
2024.06.04
 16:26
Inside Defense Pentagon eyes next-generation airborne laser for missile defense in FY-26 <2407-060413>
 米国防総省が、超高空でレーザが長距離BMを早期に撃墜する可能性を再検討する時が来たと考えており、FY26に「数百㌔㍗台後半」の指向性エネルギー技術を雲の上に設置して次世代の空中レーザーを探査するための資金提供を計画している。  MDAのFY25予算要求は、命ぜられてから6年後、新しい指向性エネルギープロジェクトのために....
2023.08.17
 16:06
Breaking Defense Laser weapons 'finally' seeing 'real progress,' Missile Defense Agency official says <2309-081706>
 米MDAのエグゼクティブディレクターであるデシモーネ氏が8月17日にDefense Newsのオンライン取材に対し、
HPMレーザなどのDEWでミサイルを迎撃する構想は40年も前のSDI構想からあったが、今MDAが力を入れていると述べた。
2022.09.20
 13:43
Inside Defense MDA taps Lockheed for new study on feasibility of laser integration into Missile Defense System <2210-092011>
 米MDAが9月16日にLockheed Martin社に対し、
DEWMDSに連接したBMDSとしての活用の可能性についての検討を$2Mで発注した。
2022.07.20
 11:28
Inside Defense Congress proposes extending MDA work on potential missile-killing laser technology <2208-072009>
 米議会上院軍事委員会がMDAに対し、Lawrence Livermore国立研究所が開発しているダイオード励起式アルカリレーザ (
DPAL) 次世代DEWの開発にFY23で$5M多くを割り当てようしようとしている。
2021.12.30 Defense News Congress gives Missile Defense Agency authority to research and develop laser tech for missile defense <2201-123005>
 米議会はFY22
NDAAでMDAに、BM及び超高速ミサイル防衛 (BHMD) でレーザを用いる研究開発を認めると共に、HELビーム制御に$50M、短パルスレーザの試験に$20Mなど、合わせてHELの研究開発に$100Mを配当した。
 米国では1970年代にブッシュ政権の強い後押しでALTBの開発を進め、2010年にはSRBMの撃墜に成功したが計画は中止になり、2012年にABL搭載機(右図)は長期保管が行われるアリゾナ州Davis Monthan AFBに向けEdwards AFBを離陸した。
 その5年後にMDAは再びレーザ兵器に着目して2021年に低出力レーザによる試験を計画していたが予算は認められなかった。 MDAは長期的にはHALE UAVにHELを搭載し、ブースト段階でのICBM撃墜を目指している。
【註】
 かつてABLと呼ばれていたBoeing 747にメガワット級のCOILレーザを搭載したYAL-1A ALTBは、2010年2月11日にScudを模した液体燃料標的の迎撃に成功したが、BMの迎撃には敵地上空からでないと有効ではないため戦闘機の同行掩護が必須であるなどから非現実的であるとして計画中止になった。
【関連記事:1005-040010 (JMR 2010.04)】
2021.08.20 Breaking Defense Pentagon poised to unveil, demonstrate classified space weapon <2109-082007>
 米統合参謀本部副議長のハイテン空軍大将が、米国で秘密裏に進められている宇宙配備兵器公開しようとしている。
 この兵器は対衛星を狙った宇宙配備レーザ兵器で、来週開かれる今年のNational Spaceシンポジウムで公開されるはずであったが、アフガニスタン情勢の急変で保留になりそうである。
2021.07.27 Inside Defense House panel recommends provision to reinstate MDA laser projects <2108-072706>
 米議会下院軍事委員会が、MDAがBMや
HM迎撃用のレーザ開発予算2件をFY22で復活させようとしている。
 国防総省は2年前にこの種開発を行わないと決めていた。
2021.06.28 Inside Defense MDA eyes non-kinetic, soft-kill technology to help deal with threats in 2030s and beyond <2107-062808>
 米国防総省が、敵の長距離ミサイルを高出力レーザ (
HEL) により破壊する計画を進めようとしている。
 MDA長官のヒル海軍中将は、2030年代と更にその先にセンサやC2システムと連結したBMDSとして纏める経費を$200Bと見積もった。
2021.02.12 Inside Defense MDA eyes new directed energy project, concepts for 'pulsed laser prototype weapon system' <2103-021202>
 米MDAがBMや超高速CM飛行段階の全てで破壊する地上、海上、空中、宇宙に設置する新型レーザ兵器の検討を行っている。
 これは2年前に国防長官官房がレーザ等による迎撃を無理としたのに対抗するもので、MDAは企業に対し2月11日、レーザ兵器試作についての情報提供を求めた。
2020.09.28 Inside Defense MDA granted Boeing an extension to demonstrate power on 100-kilowatt laser project <2010-092806>
 米MDABoeing社と、2021年春までに100kW級レーザの最終試験を行う。
 Boeing社は2017年末に航空機搭載レーザLow Power Laser Demonstrator計画を公表している。
2020.05.20 Defense News Griffin 'extremely skeptical' of airborne lasers for missile defense <2006-052007>
 米国防総省の研究開発責任者であるグリフィン次官が5月20日に、航空機搭載レーザ装置をBMD使うことはないとした上で、この種の研究開発に予算を投入しないと述べた。
2020.05 International Defence Review Energetic approach: Overcoming the limitations of laser weapons <2507-050009>
= レーザ兵器の限界への挑戦に関する3頁の記事 =
2020.03.10 Jane's 360 Russia's Beriev seeks to patent airborne carrier for laser weapon <2004-031002>
 ロシアのBeriev社
ABL搭載航空機の特許を登録した。 Beriev ABLはIl-76MD-90A重輸送機をABLに改造したものである。
 一方、SAMの開発を行っているAlmaz設計局は40年以上にわたり航空機搭載HELの開発を行っており、Beriev社は1981年に気球の破壊を目的としたDreyf計画(後にLadogaに改称)としてIl-76に炭酸ガスレーザ砲を搭載したA-60 (izdeliya 1A) を試作している。 A-60は1984年4月に気球の破壊に成功し1991年に2度目の試験にも成功したが、その2年後に資金不足から計画は中止されていた。
2020.02.19 Inside Defense Pentagon punts MDA's laser ambitions, shifts funding toward OSD-led 'laser scaling' <2003-021904>
 レーザの効果について評価を行ってきた米国防総省の技術担当責任者が、MDAが進めようとしている航空機搭載レーザによるBM撃破計画にブレーキをかけている。
 これを受けMDAはFY21予算要求に
DEDDを挙げていない。 米議会はFY20に$116MをDEDDに認めていた。
2019.04.02 Inside Defense MDA eyes ICBM-killing, 1,000 kilowatt-class laser for demo by 2025 <1905-040210>
 米MDAが4月1日、できれば2025年までにレーザでICBMブースト段階で撃墜するシステムの可能性に関する
RfIを発簡した。
 システムは1,000kW級のレーザ兵器を航空機等に搭載するものであるが、搭載機は明らかにされていない。
2018.11.21 Jane's Defence Weekly DoD to prioritise laser scaling <1901-112108>
 米国防総省で研究開発を担当しているグリフィン次官補が
CSISの行事で11月13日に、出力数十kWのレーザ兵器2~3年以内に完成させると述べた。 更に1MW級のレーザをBMDのブースト段階及び中期軌道の迎撃用として軌道上に置くことを考えていると述べた。
 CSISの上席研究員でBMDを担当しているカラコ氏は同日Jane'sに対し、10kWのレーザ兵器がC-RAMC-UAVに使えると述べた。
2018.11.13 Defense News Pentagon to boost laser investments for missile defense <1812-111309>
 米国防総省のGriffin科学技術担当国防次官補が
CSISの行事で13日、今後数年間の国防予算でDEWBMDに活用するための経費を拡充すると述べた。
 宇宙配備型の大型レーザ兵器はブースト段階とミッドコース段階での迎撃を目指すという。 低軌道衛星に搭載したセンサによる超高速兵器の捕捉も行う。 更にUAVの群集団に対抗するHPM兵器も開発する。
2018.08.14 Defense News Space-based laser weapons could ultimately take out missile threats in boost phase <1809-081403>
 米国防総省がBMDのboost phase迎撃宇宙配置型レーザ(註:
SBL)兵器の検討に入って いる。 議会も14日に成立したFY19国防権限法 (NDAA) で国防総省に対し、FY19にboost phase迎撃の初期検討を行 うことを求め$50Mを配分している。
 MDAは2021年末までにUAVや迎撃弾を用いたboost phase迎撃の試験を検討しているほか、2021年まで に500kW2023年までに1MWのレーザを開発する3件の計画を進めようとしている。
2018.04.17 Inside Defense Pentagon tech chief sets sights on ambitious developments, including space-based lasers <1805-041708>
 米国防総省で科学技術を担当するGriffin国防次官が17日に下院軍事委員会で、米国が2020年代 までにBMD用として宇宙配備型レーザ兵器 (
SBL) の開発を目指していることを明らかにした。
2016.08.15 Aviation Week & ST Missile zapper <1610-081504>
 米
MDABM迎撃用にレーザ兵器を搭載したUAVを考えており、当面低出力レーザを搭載したテス トベッド2機の計画を、今秋開始する計画である。 米空軍はかつてYAL-1 ABLを開発したことがあるが、今回のシステムは空気の希 薄な大気圏上層部を飛行するため。機体には53,000ftを飛行するPhantom Eyeなどが考えられ ている。
 これと並行してMDAは迎撃に使用する数千~数百㍗出力のUAV搭載レーザの開発も進めようとしている。 またMDAは 3年間にわたり、ブースト段階の捕捉用として機首にEO/IRセンサを取り付けたReaperを使用 している。
2016.04.20 Jane's Defence Weekly MDA hopes to demonstrate lasers for boost-phase intercepts by 2021 <1606-042006>
 米
MDA長官が4月13日、2021年にブースト段階のBMを撃墜する空中型レーザ兵器を開発する 計画であると述べた。 MDAが検討しているのは100kWの低出力レーザをUAVに搭載するもので、搭載UAVの選定をFY17に開始するという。
 初飛行は2020年、最終試験は2021年に計画され、搭載機はHALE UAVになるという。
2013.08.26 Aviation Week & ST Back-up plan <1310-082603>
 米 MDA は早期警戒衛星 STSS を用いた SM-3 の迎撃試験に成功 【1303-021302 (MDA HP 2013.02.13)】したが、今年 STSS 計画を中止しており、当面、衛星を 用いてデブリやデコイから弾頭を見分けることができなくなった。 代わって MDA は UAV の活用を検討しており、Reaper などが装備している MTS -B の改良型 MTS-C を RQ-4B Global Hawk か Phantom Eye に搭載して65,000ftを遊弋させる考えである。
 また、計画中止になった YAL-1 ABL に代えて、UAV 搭載レーザも検討している。 60,000ftの高空を飛ぶことから気 象の影響が軽減されることからシステムは単純にでき、化学レーザではなく、ソリッドステートレーザか ファイバレーザ、又は複合型になる。
2012.02.14 MDA HP Airborne Laser Test Bed final flight <1203-021403>
 ブースト段階の弾道弾を DEW で破壊する試験を行ってきた ALTB が、14日に長期保存 に入った。
2012.02 International Defence Review DoD kills off ALTB <1204-020002>
 米国が2012年初頭に、ALTB計画中止を決めた。
2012.02 Jane's Missiles & Rockets Pentagon calls time on airborne laser experiment 04<1203-020004>
 米国防総省が ABL計画中止を決め、Boeing社と搭載機及び搭載装備の長期保存の契約 を行う。
 MDA は現在、超高空を飛行する UAV にレーザを搭載する計画を進めている。
2012.01.11 Jane's Defence Weekly Pentagon calls time on airborne laser experiment <1203-011105>
 米国防総省が YAL-1 ALTB の計画終了を決定した。 ALTB (ABL) は2010年に弾道弾 標的の破壊に成功したが、米軍首脳は実用に供し得ないと判断した。
2012.01.02 Aviation Week & ST Lights out <1203-010203>
 米国防総省は、16年の歳月と$5Bをかけてきた ABL 計画の中止を決め、2011年11月上旬に MDA が Boeing社に対し 、6ヶ月かけて COIL機体から外して長期保存するよう命じた。
 MDA は目下、2020年代に高々度を飛行する UAV に小型の DEW 装置を搭載する計画を進 めている。