2007年以前の米国の次世代爆撃機に関する記事

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2007.11.26 Aviation Week & ST Stealth rises <0724-112605>
 米空軍は、2018年の装備化をめざす次期爆撃機の構想設計を 2009年に開始する。 基礎研究は2007年までに約$65Mを投じて行われており、遅くともFY-10には RfP を発簡して総額$30Bと 見積られる開発及び量産の企業選定を行う。
 空軍は当面有人爆撃機として研究を進める方針で、機体は敵地深く作戦が可能なステルス 設計を主体に行われる。 UAV 化は2009年以降検討するが、技術的には極めて難しいとみている。
2007.10.08 Aviation Week & ST Not by speed alone <0721-100807>
= 米空軍の LRS 検討状況 =
 米空軍の次世代爆撃機2018年の IOC を目標に構想分析を行っている段階にあり 、航続距離400nm、搭載量14,000~28,000-lbの亜音速~超音速有人機又は無人機案が検討されている。  今年に入って空軍内で遷音速ステルス機案が浮上したが、これは2018年の装備化に向けた技術的可能性から 推論した検討案であり、将来はスパイラル開発により超音速爆撃機の開発をめざすものである。
 同時に搭載される高速精密誘導兵器の開発も、X-51 WaveRiderHyFly RATTLRS などによる基礎試験が併行して行われている。
2007.10.03 Jane's Defence Weekly USAF looks for a more modest B-2 successor <0721-100304>
 米空軍高官や企業筋は、2018までに次世代ステルス爆撃機を装備化するのは極めて困難 と見ている。 Boeing社では2018年装備化のためには2011~2013年には初飛行する必要があると見て いる。 ステルス性能は B-2 を遙かに凌ぐ要求がでている様で、メーカはその達成が最も困難と考えている。
 各企業は、空軍が2,000nm以上の航続距離を持ち、6,350~12,700kgの搭載能力を持つ亜音速ステルス機を望 んでいると見ており、Northrop Grumman社は翼端長が B-2 の2/3程度になると見積もっている。 装備数は不 明だが、B-2 の21機より多く、150~200機より少ないと見られる。
2007.09.24 Aviation Week & ST Fighting from home <0720-092407>
 米国では予備役と州兵の役割を大幅に見直しており、新たに創設するサイバー司令部 、イランやアフガンで活動中の UAV 部隊のほか、F-22 や B-2 部隊までに任務の範 囲を拡大する構想である。 サイバー部隊は、予備役や州兵の中から IT 技術者を選択して編成することが可能であり、UAV 部隊は米本 土から制御運用が可能で戦地に赴任することなく作戦に参加できる。
 F-22 飛行隊は国外配置の計画はなく、最初の空軍州兵による司令部はハワイに設置される。 B-2 飛行隊は2018年までに装備化する LRS までの中継ぎとして空軍予備役及び州兵により維持運用を行う。
2007.06.25 Aviation Week & ST Bucks for bombers <0714-062507>
 米空軍の次期爆撃機開発は、QDR 2006で2018年の装備化を方針としているが、空軍 は基本となる A 型を先ず開発し、ステルス技術、推進技術、先進型センサ等の搭載は B 型及 び C 型として技術の醸成度合いに応じてスパイラル開発を行う計画である。
 また、ロシアの中長距離 SAM 開発も重要視しており、射程400kmの S-400 に次ぐ S-450 の開発が2015年の装備化を目標に進行していることから、爆撃機の生存性の要求を満た す必要がある。
2007.05.31 Inside the Pentagon Pratt & Whitney propose F-22A engine variant for LRS <0713-053102>
 Pratt & Whitney社は、米空軍の将来爆撃機 LRS のエンジンとして F-22A に装備する F119 の採用を提案する。
 空軍は未だ公式な RfP を発簡していないが、同社は信頼性の高いエンジンであるとして積極的に売り込む方針である。
2007.05.28 Aviation Week & ST Speed kills <0712-052808>
 米空軍は2018年の装備化をめざす次世代爆撃機を、非発見性の低い亜音速機とする ことを決めたが、緊急対処目標を遠距離から攻撃するため、超音速/極超音速の長距離巡航ミサイルの開発が 焦点となっている。 Lockheed Martin社は海軍から RATTLRS の研究を、Boeing社は空軍から X-51、DARPA から HyFly (右図) の研究をそれぞれ受注し、長距離高 速巡航ミサイルの開発を準備中である。
 空軍はまた、有無人機を併用した爆撃機部隊構想を持っており、核爆弾の搭載も続ける方針である。
 これに対してロシアは、S-400 の後継として小型目標を迎撃可能な 第五世代 SAM の開発に着手している。
2007.05.14 Defense News USAF may work lower expectations into bomber plan <0713-051402>
 米空軍の次期爆撃機を2018年までに装備化するには、2009年に要求事項を決定し、2011年 に開発を開始する必要がある。
 このため、空軍は既存の技術を主体とする航続距離2,500浬の有人亜音速爆撃機を計画し、 ステルス型超音速機は技術の醸成を待って開発を行い、2035年装備化をめざす。
2007.05.07 Aviation Week & ST Beyond the B-2 <0711-050706>
 2018年装備をめざす次世代爆撃機について、米空軍は3月に ROC の研究計画を承認した。 構想は有人機の 航続距離は無給油で2,000哩以上、速度は当初亜音速で、搭載重量は14,000~28,000-lb、全天候で昼夜間連続運用が可能としている。
 Northrop Grumman社は B-2 の改善型が最も費用対効果に優れ、リスクも少ないとみているが、UCAV 案も 完全には消えておらず、海軍の UCAS-D に注目する高官もいる。
 研究開発は来年以降開始する予定であるが、$5B程度を要すると見積もられる年間予算は、議会と厳しいやりとりが予測される。
2007.02.15 Inside the Pentagon Air Force seeks boost in funding for long-range Bomber effort <0706-021502>
 米空軍は次世代長距離爆撃機の開発にFY-08要求として$802Mを要求しているが、そのうち$400M以上が B-1 、B-2 及び B-52 の近代化に必要な改修経費である。
 既存爆撃機の近代化は、空軍が2035年の完成をめざす長距離爆撃機構想の第一段階に位置づけられている。
2007.02.07 Jane's Defence Weekly Budget threatens US long-range strike deadline <0705-020706>
 Lockheed Martin社 Skunk Works の副社長が、米空軍の LRS (Long Range Strike) は、企業に十分な予算が 配分されていないため、2018年の運用開始は困難であるとの見方を示した。
2006.11.15 Jane's Defence Weekly STRATCOM sees role change for bombers <0623-111505>
 米 STRATCOM 司令官が11月6日に、米国核戦力における爆撃機の価値は減少しており、代わって JDAM や JASSM を搭載する非核の役割が増大していると述べた。 実際に B-1 は既に核戦力から外 れており、B-2 や B-52 の通常戦力としての役割も大きくなっている。
 また空軍は B-52 や B-1 の後継の検討を進めており、2018年には LRS (Long Range Strike) として就役する。
2006.11.13 Aviation Week & ST Slow down <0623-111306>
 米空軍は2018年の装備化をめざす LRS (Long Range Strike) の要求取り纏めは来年3月に終了するが、内容 を未だ明らかにしていない。
 核搭載爆撃機を管轄する STRATCOM 司令官が最近、速度はその他の要求を優先した場合、亜音速でも可とする 意向を示した。
 各社が受注に意欲を示しているなか、Lockheed Martin社はこの秋、Dark Star の技術を応用した Polecat 実験機(右図)の初飛行を実施した。
(関連記事 JDW 2006.07.26)
2006.10.04 Jane's Defence Weekly Race starts for long-range strike <0621-100406>
 2018年の実用化を目指す米空軍の LRS (Long-Range Strike) に各社は意欲を燃やし ている。 LRS の詳細について空軍は口をつぐんでいるが、空軍協会のセミナで空軍参謀総長が、LRS は爆撃機 になることを明らかにした。 各社は2018年実用化の要求からして LRS は亜音速爆撃機になると見ている。
 Northrop Grumman社は B-2A の新型を提案する模様であるが、Lockheed Martin社の Mach 3.0 級 SR-71 を元にした Mach 2.5 級爆撃機の検討も行っている。 同社は EGBU-28 や MOP (Massive Ordnance Penetrator) の搭載も考えている。
 これに対して Boeing社は超音速型を考えている模様で、X-43A や X-51 を元にした endotherminally fuelled scramjet 推進の Mach 6.5 超高速ミサイルの開発も続けている。
2006.08.31 Inside the Pentagon Air Force floats $5 billion start for new Bomber fleets <06-083101>
 米空軍は08'POM (2008~2013年) で、2018年の装備化をめざす次世代 LRS 機の研究開発に$5Bを要求する。
 計画では20年以内にアジア太平洋地域の空軍戦力強化を図るとし、財源には昨年12月に中止となった JUCAS 予算を転用する。
2006.08.02 Jane's Defence Weekly Skunk Works confident over supersonic design for LRS <0617-080211>
 Lockheed Martin社 Skunk Works は、米空軍が2018年までに装備する LRS (Long Range Strike) 機に、QSST (Quiet Sipersonic Transport) 機の開発で培った低衝撃波技術を用いた超音速 UAV を提唱している。
 QSST は、その開発のために設立された SAI (Supersonic Aerospace International) が開発を進めている Mach 1.6 の輸送機で、2004年に公表されて以来音沙汰がなかった。 Lockheed Martin社は QSST 計画で設計を担当している。
2006.07.17 Defense News DoD to USAF: firm up plans for new bomber <0617-071706>
 DoD は空軍に対し、数ヶ月以内に2018年装備化を目標とする長距離爆撃機の要求を固めるよう指示した。
 2006 QDR では空軍の長距離打撃戦力として新型の爆撃機を装備するとしているが、08 POM に計画が反映されなければ装備化が数年遅 れることとなる。 また、新型エンジンの研究開発経費もFY-08予算から要求する必要があるとしている。
2006.05 International Defense Review US finaly looks beyond the B-2 for long-range strike capability <0610-050006>
= 米空軍次期爆撃機に関する6頁にわたる特集記事 =
 QDR 2006 では2018年までに LRS を保有するとしているが、新型エンジンを搭載する新型機の開発には時間が足りな いと見られている。 2004年に空軍が行った長距離打撃力の検討では、当面は在来爆撃機の改善、中期的には LRS、将来は FALCON 計画としていた。
 Lockheed Martin社は Mach 2 の UAV である NGLRS (Next Generation LRS) を提案している。 同社の構想 で NGLRS は RATTLRS(右図下)と組み合わせて運用される。 同社はまた 70~80t級の UAS (Unmanned Air System) 構想を進めており2018年まででの実用化は可能であるとして いる。
 Northrop Grumman社は計画中止になった JUCAS を元にした構想のほか、FB-23 を提案している。 FB-23 は全長27~28mで、最大離陸重量40~45tになり、2,130kgの GBU-28 も搭載でき Mach 1.6 で巡航して6,000km以上の航続距離を持つ。
 このほかに DARPA が進めている QSP (Quiet Supersonic Platform) や OFW (Oblique Flying Wing, X-Plane) も候補にあり、 HyFly(右図上)との組み合わせも考えら れる。
2006.04.20 Inside the Pentagon Future Long-range Bomber, Gunship might use common airframe <0611-042001>
 米空軍は次世代長距離爆撃機と AC-130 後継機の機体を共通化する方向で検討を進めている。 空軍は長期開 発計画の策定にあたり、爆撃機とガンシップの任務がグローバル規模の長距離攻撃となることから、経費の削減 が期待できるとみている。
2006.04.10 Aviation Week & ST Parallel paths <0609-041005>
 米空軍の LRS (Long Range Strike) 計画は、非核/核 ICBM である PGS (Prompt Global Strike) と、有無人ステルス戦略爆撃機 NGLRS (Next Generation Long Range Strike) に区分される。
 PGS は1時間以内に攻撃が可能で、非核弾頭の Minuteman Ⅲ 計画は既に開始されている。 2018年に運用を開始する NGLRS は、SR-71 級の高速高々度飛行能力、B-2 級のステルス性、B-52 級の搭載能力を追求する。
 一方、議会が独自に作成した LRS の対案は、超音速ミサイルを搭載する C-17、ステルス亜音速、超音速 中距離爆撃機、有無人長距離爆撃機、及び CAV (Common Aero Vehicle) などである。
2006.02.15 Jane's Defence Weekly Review focuses on counter-WMD intelligence <0605-021506>
 2月3日に公表された 2006 QDR では、WMD 対策の強化と地球上いかなる地域をも攻撃できる 能力の強化が柱になっている。 このため以下のような施策が上げられている。
 ・長距離攻撃機計画を2037年から2018年に前倒し
 ・現役の特殊部隊大隊を三倍増
 ・Predator 及び Global Hawk の調達促進
 ・Trident を通常弾頭搭載に改修
 ・陸軍の旅団数を77から70に削減
2006.02.13 Aviation Week & ST Seismic shift <0605-021302>
 2006 QDR では、空軍の LRS (Long Range Strike) 能力の強化を重視し2018年までに攻撃機 の配備を行うとしている。 空軍は約45%を無人機とする計画で、LRS 能力を50%向上させ、2025年まで に LRS 装備を5倍に増やすとしている。
 また、JUCAS 計画は海空軍別々になり、空軍の長距離打撃用 UCAV 計画には Lockheed Martin社が JUCAS 規模の超音速無人機を、Boeig社が X-45C 技術をベースとした機種を、Northrop Grumman社は独自に研究中の超音速爆撃機(右図 )を提案するとみられる。
 QDR によるとこの他に、JSF の開発完了までのギャップを埋めるため、F-22A の製造を2008年から2010年に延長 し、年間20機を製造する。
【註:】

 Northrop Grumman社の QSP 爆撃機案は、過去に公表(AW&ST 2002.09.30)されたも のと大幅に変わっていることが注目される。

2006.02.08 Jane's Defence Weekly USAF initiates search for future heavy bomber <0605-020801>
 2006 QDR では、従来2037年に計画されてきた次期長距離打撃力2018年に配備する としている。 これについて米空軍は無人機と有人機の組み合わせになると見ている。 まず2018年までに無人 爆撃機を実用化して現有有人爆撃機と併用し、その後現有有人機の耐用命数切れに合わせて新有人機を開発する可能性が高い。
 2006 QDR では JUCAS 海空別々の計画に分離するとしているが、米空軍 の考える無人爆撃機は X-45 よりはるかに大型のようである。
 各社は2004年から Next Generation LRS (Long Range Strike) 計画の元に検討を進めているが、Lockeed Martin社は超音速無人機を、Northrop Grumman社は YF-23 を大型化した亜音速無人機を考えている。
【註:】
 Boeing社が JUCAS の候補である X-45C の二倍の重量を持つ X-45D を提案していたが、これ も Next Generation LRS の候補思われる。
2006.02 International Defense Review CSBA papers throw light on possible major programme changes under Pentagon's QDR <0604-020001>
= CSBA の報告書に見る米空軍長距離打撃戦力の今後 =
 QDR の概要が CSBA (Center for Strategic and Budget Assessments) の文書から見えてきているが、CSBA の文書が QDR の方向と合 致しているとすれば、今後米空軍は大きくその姿を変えることになる。 CSBA は戦闘機の数 は現在の1/3で十分としている。
長距離爆撃機
 航続距離が2,500km~4,000kmの中距離爆撃機である FB-22 や F/B-23 ではなく、更に大型で Mach 2.4 で飛 行できる爆撃機が必要である。 これには2001~2003年に研究され、その後予算が切られた DARPA の QSP (Quiet Supersonic Platform) の技術が活用できる。
(QSP 関連記事 IDR 2004.06)
CAV / HTV
 標準的な Falcon CAV は重量800~1,000kgで、主に発射直前の ICBM の撃破 に使用される。 空軍はアラスカ、グァム、Vandenberg AFB に配備する構想である。
J-UCAS
 CSBA は空軍型の無人爆撃機には関心がなく、4~12機からなる空母搭載型 (CV-UCAS) 飛行隊を空母毎に配備 することを提言している。
2006.01.23 Defense News Exclusive: What's in the QDR <0605-012301>
 2006 QDR は2月6日に議会提出されるが、内容には以下の事項が記載されている。
空軍関連
 ・F-22 の製造を2010年まで延長し、複数年度調達とする。
 ・Long-range strike capability を2018年までに開発し、B-52 を56機に削減。
 ・JUCAS 計画を見直し、将来長距離打撃部隊の45%を UCAV とする。
海軍関連
 ・LCS 計画の促進を図る。
 ・年間2隻の割で Virginia 級潜水艦を建造する。
陸軍関連
 ・FCS 開発の継続と関連技術の早期戦力化を図る。
特殊作戦部隊
 ・海軍 SEAL 及び陸軍 Green Beret 大隊等の特殊作戦部隊を15%増強する。
 ・海軍に Rinerine Force (河川戦闘部隊) を新設する。
 ・空軍に特殊作戦を任務とする UAV 飛行隊を新たに編成する。
2006.01.19 Inside the Pentagon Pentagon sets plan for new Bomber,terminates J-UCAS program <0604-011902>
 DoD はアジア太平洋地域での戦力強化のため、次世代長距離攻撃機の開発検討を今年から開始する。
 2月に議会報告する QDR では、新型爆撃機の運用開始を当初の2037年から2018年に前倒し する。
 また、England 国防次官は昨年末の予算秘密メモの中で JUCAS 計画の中止を明らかにし、 海空軍に別々に UCAV 開発を行うことを指示した。 空軍は今後、次期爆撃機開発計画に UCAV を統合 するものとみられる。
2006.01.16 Aviation Week & ST Bomber uncertainties <0603-011602>
 米空軍は昨年10月から、1年間の予定で長距離攻撃能力の近代化に関する研究 AOA (Analysis of Alternatives) を行っており、2007年までに有無人機、宇宙システムを含めた将来構想を確立する計画である。
 空軍は既に次世代爆撃機の研究費としてFY-04~05に$73.9Mを投じ、FY-06に$25Mを要求している。 空軍は2018年頃 までに中継ぎ爆撃機を開発し、2025~2030年に全く新しい次世代爆撃機を開発する構想を示したが、厳 しい予算状況から計画は非現実的なものとなっている。
 現在、中継ぎ機種には、FB-22、YF-23 の改善型B-1R 及び B-2 の改善型等が企業 各社から提案されており、将来機種には先進技術を用いた長射程攻撃システム構想がある。
2005.11.02 Jane's Defence Weekly UA Air Force begins future strike aircraft, weapon study <0522-110204>
 米空軍が現有爆撃機を補完する長距離打撃システム2018年頃の装備化を目指して 開発するため、1年間の分析作業 (AoA: Analysis of Alternativ) を開始する。
 空軍は F/A-22 より長距離を長時間飛行でき、5,000-lbの 'bunker busting' 爆弾2発と所要の武器を搭載で きる機体を考えているようであるが、Lockheed Martin社は AGM-158 JASSM の射程1,000nm型も考えている。
2005.09.19 Aviation Week & ST Not lost <0519-091906>
 Northrop Grumman社は米空軍の次世代長距離爆撃機として、同社の YF-23 をベースとする FB-23(右図)を 提案している。 YF-23 は F/A-22 Raptor と競争試作で競った試作機種で、同社はその爆撃機型を提案している。
 米空軍では将来長距離攻撃機構想として、B-2 改善型から、超音速大型 UAV まで幅広く検討を行っており、B-52 及 び B-1 の退役に伴う機種を2018年までに先ず開発し、その後も能力向上を図る意向である。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly Network rules <0518-082418>
= Boeing社の軍事部門に関する5ページにわたる特集記事 =
 Boeing社の R&D 部門である Phantom Works では、現在4,000名の技術者が500件のテーマについて研究してい る。 またモスクワに BDC (Boeing Design Center) を開設して、1,000人のロシア人技術者 を擁している。
FCS
X-45A/C/D
 X-45D は、重量が X-45C の2倍
X-50A CRW(Canard Rotor/Wing: 右図上)
(関連資料 AW&ST 2003.12.08)
X-43A Hyper-X
A160 Hummingbird(右図下)
 136kgを搭載して24時間、2,500nmの飛行が可能。
(関連資料 AW&ST 2004.10.11)
P-8A MMA
CAV (Common Aero-Vehicle)
(関連資料 JDW 2005.06.15)
BWB bomber (Blended Wing/Body)
(関連資料 JDW 2004.06.16)
2005.06.15 Jane's Defence Weekly Soaring ambitions <0513-061512>
= 将来の航空打撃システムに関する8ページにわたる特集記事 =
 昨年米空軍が、2015~2020年の間に運用を開始する LRS (Long range Strike) の RfI を発簡した。 英空軍はそれ以前に FOAS 計画を開始している。
FALCON 計画 (Force Application and Launch from CONUS)
 DARPA の FALCON 計画 HyperSoar 計画と統合され、3,050m滑走路から離陸して高度 130,000ftで Mach 10 まで加速したのちに、大気圏上端をスキップしながら遠距離までペイロードを運ぶ計画で ある。
 FALCON 計画でペイロードとなる HCV (Hypersonic Cruise Vehicle) は、12,000-lbのペイロードを 積み、9,000nmを飛翔する。 FALCON HCV は重量208,600kgで、90分以内に米本土から地球上のいかなる地域に も運搬する。
 SLV/CAV は FALCON 計画の一部をなすもので、SLV (Small Launch Vehicle) を用いて CAV (Common Aero Vehicle) を打ち上げる。 SLV/CAV は飛翔距離800nmで2010年 には実現可能である。 ECAV (Evolved CAV) は CAV より運動能力が高められ、3,000nmを飛翔 する。
NASP (National AeroSpace Plane)
 NASA、DoD、民間企業が共同する計画で X-30 と呼ばれる。(右図上)
HyFly (Hypersonic Flight:右図下)
 米海軍と DARPA の計画で、Mach 6.0 で600nm飛行する。
RATTLRS
RATTLRS の概要
次期爆撃機
 次世代輸送機 M-X に提案している MAC を元にした BMACK BWB 機、B-1B のエンジンを更新するB-1R、4発エンジンを双発にし搭載能力を半分、航続距離を2/3にした half-size B-2、F/A-22 派生のFB-22YF-23 の爆撃機型である RTAS (Rapid Theater Attack System) などが提案されている。
C-130J Arsenel Ship
 パレットに搭載した巡航ミサイルを、安全空域で遊弋する C-130 から投下発射するシステム。
JUCAS
JUCAS の概要
Neuron
 Dassault社を中心に進められている欧州の UCAV 計画
FOAS (Future Od\ffensive Air System)
Scalp EG/Storm Shadow、Scalp Naval
Scalp EG/Storm Shadow の概要」、「Scalp Naval の概要
 Epochs 1~3 の改善計画があり、ネットワーク対応が強化される。
2005.05.16 Aviation Week & ST Northrop Grumman <0511-051604>
 Northrop Grumman社は DoD が2018年の運用開始を目指す、次世代長距離攻撃機に関する RfP に4種類の提案を 行っている。
 一番目の案はステルス型有人機で、B-2の半分程度の機種、二番目は長距離長滞空時間の無人 機、三番目は F-23 戦闘機の爆撃機型で、主翼をダイヤモンド翼に、尾翼を V 字型に変更する。 四番 目の設計は明らかにしていない。
2005.01.10 Aviation Week & ST Fly fast, but tarry <0503-011003>
 Pratt & Whitney社は米空軍の中長期的な長距離爆撃機と偵察機計画向けに、F/A-22 用の F-119 (右図) をベース とするエンジンの開発を検討している。
 戦闘機用エンジンを長距離爆撃機と偵察機用に改修するには要求に応じて高速、長距離攻撃及び高々度長時間滞空能力をそれぞれ満足 させる必要があり、同社は併行した研究を行っている。
 空軍は B-2 の後継を2035年~37年を目標に開発する一方、中継ぎ用爆撃機を2015年~20年 頃装備化する意向で、同社のエンジン開発もこれに対応するよう段階的な研究開発が進められる。
2004.09.27 Aviation Week & ST Bridge building <0419-092706>
 米空軍は次期長距離爆撃機の開発を2015年までに具体化し、2020年~2025年に運用を開始 する意向だが、予算状況によっては現有機の改善による中継ぎも視野に入れ検討を進めている。
 将来型は航続距離2,500nm、速度 Mach 2 程度で、アクティブステルスやナノテクノロジ技術を採用し、生存 性と小型化を図る。
 一方、B-2 の近代化も上記ステルス化や高解像 SAR、先進型データリンクの採用等を継続して行い、退役時期を2037年から2058年まで 延長する意向と企業関係者はみている。 また、補給処整備の間隔も7年から10年に延長される。
2004.09.22 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin discloses interim strike options <0418-092204>
 Lockheed Martin社が米空軍の RfI に応じて提出した、2015年頃実用化可能で2025年頃装備できる 暫定打撃システムの内容が明らかになった。
SLV/CAV
 使い捨て型 SLV (Space Launch System) を用いて、武器のディスペンサである CAV (Common Air Vehicle) を打ち上げる計画。
(SLV/CAV に関する記事 IDR 2004.01)
C-130 Arsenal Ship
 C-130 を改造して特大の巡航ミサイル4発又は、更に多数の AGM-158 JASSM級を発射しようという計画で、開発要素がほとんどない。
BMACK
 次世代多目的輸送機 MACK の爆撃機型で、C-130 Arsenal Ship がスタンドオフで攻撃するのに対して、ステルス性を活用して侵攻し 攻撃する。
(MACK に関する記事 AW&ST 2004.02.23)
FB-22
 F/A-22 を複座デルタ翼にした機体に30発の SDB を搭載する。
(FB-22 に関する記事 IDR 2002.06)
2004.06.07 Defense News Suddenly,USAF wants a new Bomber <0414-060701>
 米空軍は遠距離打撃能力の重要性を再認識し、次期爆撃機構想を前倒しで推進する検討を進めている。
 4月29日、空軍は企業各社に次期爆撃機の改善/開発に関する RfI を説明したが、軍は新型もしくは改善型遠距離爆撃機を2015年に就 役させ、2020年には完全運用に移行するため、2006年には計画を開始する方針を示した。
 空軍の要求に対しこれまでに25件の回答が寄せられており、Boeing社は改善型 B-1、X-45D UCAV ほか6件、NorthropGrumman社は改善型 B-2 のほか8件の提案を行っている。
 空軍は2月11日に、遠距離打撃に関する研究調査を行う Long Range Strike Office を設立しており、2007年までに採用技術、開発機種 等の分析検討を完了させる。
2004.06 International Defense Review Back to the bomber <0411-060016>
= 米空軍の次期爆撃機構想に関する解説記事 =
 米空軍の次期爆撃機構想は、1990年代末まではリップサービスに過ぎなかったが、2001年9月11日事件とアフガン、イラク戦争を機に 急速に真実味を帯びている。 空軍は2025~2030年運用開始を目指しているため、2012~2015 年には SDD に入らなければならない。
 次期爆撃機は超音速巡航するものの、開発に超高速機は間に合わないため対象としない。 巡航速度は Mach 2 程度になると見られる。 機体には F/A-22 程度のステルス性が要求されるが、B-2 や F-117 程では ない。
 Northrop Grumman社は DARPA と実施している QSP (Quiet Supersonic Platform) 計画を元に、薄型 翼による低衝撃波機体(右図上)を提案している。 QSP の目標は45tの機体で9tのペイロードを積み、11,000 km飛行するもので、同社は計画開始前の自社研究でMach 2.4の巡航速度を考えていた。
(Northrop Grumman QSP 爆撃機関連記事 AW&ST 2002.09.30)
 Lockheed Martin社は同じく9tのペイロードを搭載する低衝撃波の機体(右図下)を検討している。  機体、エンジンには在来の技術を使用するが、衝撃波低減にはキャンセラを考えている。
2004.04.22 Inside the Pentagon Junper: Air Force would compete potential Fighter-Bomber plane <0411-042201>
 米空軍長官は、空軍が F/A-22 をベースとした戦闘爆撃機 F/B-22 を開発装備する場合、契約は競争形式で行うとの方針を明らか にした。
 F/B-22 は構想段階で、30~40発の爆弾を搭載し、超音速巡航により航続距離約2,000mileを目指す。 空軍が 実際に計画を進めるか否かは現在のところ決まっていない。
2004.03.08 Aviation Week & ST Bomber bickering <0406-030804>
 米空軍は、これまで2037年以降としていた長距離爆撃機開発を早め、長距離打撃構想に基づく新型爆撃機の開 発を2012年~2015年に、装備化を2025年~2030年に行う意向を示している。
 また、F/A-22 をベースとするデルタ翼、長航続距離の FB-22 小型爆撃機の開 発に向け、Long-range Strike Office 等の組織を編成し2006年の科学技術プロジェクト開始を準備している。
 この他に空軍は、F-117 長距離攻撃機10機の退役と、現在保管中の23機の B-1B から7機を現役復帰させる方 針で、必要性等について議会との議論が始まっている。
2004.01.28 Jane's Defence Weekly USAF focuses on future long-range strike planes <0403-012806>
 米空軍は来年にも、次世代長距離打撃能力をどうするかの検討に入る。 2040年頃に退役すると見られる B-1B、B-2A、B-52H などの後継についての検討は今までも続けられているが、2003年12月に行われた長距離打撃に関する首脳会議では、 約20件の案が抽出された。
 一案には超高速ミサイル、有人/無人機、宇宙とを往復する武器投射システムの組 み合わせがあがっている。
 また、近未来的には F/A-22 Raptor や FB-22 などが考えられている。
2003.08 International Defense Review US eyes global strike within two hours with hypersonics  米空軍と DARPA は FALCON (Force Application and Launch from CONUS) 計画の 焦点に HCV (Hypersonic Cruise Vehicle) を据えている。
 HCV はスクラムジェットで推進し、9,000nm離れた地点に2時間以内に辿り着き、CAV (Common Aero Vehicle), CM, SDB など5,500kgを投下する。
 CAV は900kgの非推進の超高速飛行体で、弾着速度1,220m/sで450kgのペイ ロードを3mの精度に投下する。
 しかしながら HCV の実用化は2025年頃になることから、米空軍は2010年頃実現できる SLV/CAV システムを検討している。
 SLV/CAV は CAV を SLV (Small Launch Vehicle) に搭載するもので、3,000nmを13 分20秒で飛行する。 また Enhanced CAV では、9,000nmを50分で飛行する。
 更に SLV/CAV を、高度450kmの衛星軌道に打ちあげ、24時間で地球を周回させる考えもある。
2003.07.02 Jane's Defence Weekly Pentagon eyes global strike system  米 DoD は、地球上のどこへにも (9,000nm) 米本土から2時間以内 に到達でき、12,000-lbの精密誘導弾を投下できる HCV (Hypersonic Cruise Vehicle) を2025年頃を目指して開発している。
 一方空軍は、当面の繋ぎとして、2010頃に実用化できる暫定システムを開発したいとしている。
 このシステムは、小型の使い捨てブースタ (SLV: Small Launch Vehicle) で、非推進ながら機動できる CAV (Common Aero Vehicle) に、合わせて1,000-lbの子弾を搭載し、3,000nm飛ばそうというものである。 CAV の弾着精度は3m以内を希望している。
 暫定システムの試験は、まず2006年中頃までに CAV の飛行確認を行い、翌年には SLV の試験をして、2007年末に組み合わせた試験を 行う計画である。
 一方 HCV の初期プロトタイプの発射試験は2009年に予定されている。
2003.07.01 ロイター

  Yahoo

米国防総省、2時間以内に全地球規模の爆撃できるミサイル開発へ  米国防総省は今後20年間で、米国本土から2時間以内に、地球のあらゆる場所を爆撃できる ミサイルを開発する意向。
 このミサイルは、「ハイパーソニック・クルーズ・ビークル」と呼ばれ、Mack 5 以上で飛行でき、9,000mile 前後離れた場所にある目標を、攻撃する能力をもつようになるという。 開発は2025年ごろまでに完了 の予定。

 (註:Yahoo記事の元となった Reuters の記 事には HyFly計画と同じスクラムジェットエンジンの図(右上図)が載っているがミサイル との記述はなく、『12,000-lbの爆弾又はミサイルを搭載して通常の滑走路から離陸できる』とあることから、Hypersonic Cruise Vehicle は無人の爆撃機であると見られる。 尚、2時間以内に地球上のあらゆる場所に到達という要求は、 2002年9月に RFI が出された Hyper Soarと同じであることから、Hypersonic Cruise Vehicle とは HyperSoar の可能性がある。)

2003.06.11 Jane's Defence Weekly In striking distance  米空軍が2020年頃を目標に進めている長距離打撃システムが議論を呼んでいる。
 米空軍は長距離打撃システムとして、亜音速、超音速、超高速機のほか、宇宙空間を周回又は周回に準ずる軌道で飛行する、有人又は 無人の飛行体を検討している。
 これに対して Lockheed Martin社は最近、超音速飛行型(右上図)の構想を公表している。(JDW 2003.06.04 ) また Boeing社は、翼胴体一体型の構想(右下図)の構想を持っている。
 一方空軍は、B-52H, B-1B, B-2A などの爆撃機を、2040年まで保有する考えである。
2003.06.04 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin reveals future strike platform  Lockheed Martin社が、2020年頃の配備開始を目指した 'Long-Range Strike Aircraft' の イメージを公表した。
 Long-Range Strike Aircraft は Mach 2.0~4.0で飛行する2人乗りの機体で、ペイロードは飛行距離に応じて 15,000-lb~40,000-lbで、無給油での戦闘行動半径は3,000mileであるという。
 計画開始は2012年~2015年を見込んでいる。
2003.04 International Defense Review US Air Force puts its future in the hands of VAATE  米空軍研究所は、今後8年間で計$350Mをかけ、ジェットエンジンの能力を向上させる Phase 1 VAATE (Versatile Affordable Advanced Turbin Engine) 計画を開 始する予定である。
 Phase 1 VAATE は、現有エンジンの6倍の改善を行うもので、2010が目標となっている。 Phase 1 では Mach 2.4 で飛行する Long-Range Strike Aircraft への適用が考えられている。
 Phase 2 VAATE は10倍の改善をしようというもので、2017年を目標にしている。
2003.03.12 Jane's Defence Weekly US hints again at FB-22  2月27日に米空軍長官が議会で、将来の爆撃機体系に FB-22 が必要であると証言した。
 それによると、将来必要となる爆撃機の種類と数は、
 FB-22 : 150
 B-2A : 21
 B-1B : 60
 F/A-22: 381
となる。
2003.02.19 Jane's Defence Weekly Concepts vie to win US special ops aircraft race  Lockheed Martin社が2月12日に、次世代ガンシップ (AC-X) 候補としての、MACK ステルス 機(右図)構想を公表した。
 Lockheed Martin社は MACK を AC-X としてだけでなく、SOFs (Special Operations Forces) を敵地に送り込むステ ルス輸送機 M-X としても提案している。
 しかしながら空軍は、AC-X に C-17改や大型 UCAV、更に通常 UCAV の集団運用なども検討している。
 また、M-X には Boeing社が LAMV (Light Aerial Multipurpose Vehicle: 関連記事 IDR 2002/12 )を提案している。
2003.01 National Defense A-12 termination sets harmful precedent for defense programs
= 米海軍の A-12 ステルス機研究開発中止に伴う訴訟経緯 =

 1991年、DoD は A-12 の研究開発を契約不履行を理由に中止、これを不服とする General Dynamics 及び McDonnell Douglas 両社は政 府に対し訴訟を起こし、現在も控訴中となっている。
 DoD の中止決定は自己都合と自らの価格設定に基づく一方的なもので、公正さを欠き防衛に関する開発導入事業に極めて悪い前例を残 し信頼を無くすものとなった。
2002.10.21 Defense News US Air Force to chart bomber fleet changes  米空軍は2037年までの爆撃機の保持要領に関する全般計画を策定中で、早ければ11月にも企業に通知する模様。
 計画は現有爆撃機の維持、近代化に関するもので、計画の進め方、部隊の構成、近代化及び核作戦等について記述されている。
 これと併行して軍は現有装備の後継に関する検討を行っており、DoD も2012~2015年頃の次世代爆撃機への更 新計画の提出を求めている。
2002.09.30 Aviation Week & ST Northrop Grumman unveiled the military strike aircraft  Northrop Grumman 社は DARPA が行っている QSP (Quiet Supersonic Program) 計画に提案する攻撃機の設計 を明らかにした。
 DARPA のコンセプトでは速度 Mach 2、航続距離 6,000nm 、機体の全長 156ft、翼長 58ft。
 エンジンと空気吸入口は空力を考慮した極めて薄い機体の上部にあり、陸上を低高度で高速飛行することがで きる。
 同社は DARPA と F-5E を改修した試験機の設計を終了しており、飛行試験は NASA の Dryden 飛行研究センターで行われる模様。
 なお、QSP では Raytheon 社が民間機仕様の設計を行っている他、GE 社は推進システム開発に参加している。
(QSP 関連記事 JDW 2002.03.13)
2002.09.16 Aviation Week & ST Uncertainty engulfs Pentagon's unmanned aircraft plans  Roche 米空軍長官が最近打ち出した「無人爆撃機」構想が DoD と業界に波紋を呼んでいる。
 同長官は以前から UCAV を SEAD に運用することに懐疑的で、F-22 の戦闘爆撃機への使用にも疑問を持って おり、大型の爆撃機を無人化するのが最適との意見を明らかにした。
 これにより X-45 UCAV と FB-22 開発計画の見直しが現在、検討されており、FY-04 予算計画の結果が注目さ れている。
 空軍はまた、UCAV の開発を海軍と共同で行う提案を行っており、DARPA が行っている UCAV-N 計画も中止される公算が高くなった。
2002.06 International Defense Review Raptor could hatch a delta bomber  Lockheed Martin社は、F-22 を基礎に自社開発中の FB-22 の説明を空軍に対して行った。
 FB-22 は F-22 の胴体を延長し、弾倉容量を増大させるほか、垂 直尾翼を無くしたデルタ翼にする事により重量と空気抵抗を減らし、航続距離の延伸を図っている。
 空軍は爆撃機の将来に対して積極的でなく、議会からの B-2 爆撃機の追加購入要求に対して否定的であっ たが、最近になって DARPA の QSP (Quiet Supersonic Platform) 計画に関心を示す等、一 転積極的になってきた。
 Lockheed Martin社は、FB-22 は QSP に比べてすぐに実用化可能であり、開発コストも少なくて済むと主張している。
 F-22 と FB-22 の性能諸元の比較は以下の通りである。
  ┏━━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  ┃      ┃   F-22   ┃   FB-22  ┃
  ┣━━━━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
  ┃ 翼 端 長 ┃  13.56m  ┃   14 m  ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃ 全  長 ┃  18.92m  ┃   20 m  ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃ 全  高 ┃   5.05m  ┃  ---  ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃ 翼 面 積 ┃   78㎡  ┃   110㎡  ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃ 最大推力 ┃   168kN  ┃   178kN  ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃ 自  重 ┃  19,489kg ┃  22,000kg ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃最大離陸重量┃  36,300kg ┃  45,000kg ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃ 最大速度 ┃  Mach 2.0 ┃  Mach 1.8 ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃ 巡航速度 ┃  Mach 1.7 ┃  Mach 1.5 ┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃戦闘行動半径┃700km/450km SS┃2,000~2,500km┃
  ┠──────╂───────╂───────┨
  ┃実用上昇限度┃  18,000m  ┃  18,000m  ┃
  ┗━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┛
2002.05.06 Aviation Week & ST Bomber becomes focus of Quiet Aircraft Effort  DARPA は将来爆撃機の無音化/騒音抑止技術に関する研究を Lockheed Martin、Northlop Grumman 両社に委託する。
 米空軍では 2037年以降を目標とし、将来爆撃機 B-X に関する基礎研究を既に始めており、DARPA はこの一環 として適用する各種無音化技術を今回開発する。
 契約額は各 $2.5M、別に Northlop Grumman 社には F-5E の改修による騒音抑止試験のため $3.4M を計上している。
2002.03.13 Jane's Defence Weekly DARPA selects two to develop supersonic aircraft  DARPA は QSP (Quiet Supersonic Platform) 計画の Phase 2 を担当するメーカを、 Lockheed Martin と Northrop Grumman の2社に絞った。 この結果 Boeing は脱落した。
 QSP 計画は、将来の超音速攻撃機(有人、無人)の基礎となり技術を取得するための計画で、早ければ2020年にも完成する。
 DARPA が考えている目標は以下の通りである。
  ・自  重: 4,536kg 級
  ・航続距離: 9,656km
  ・搭 載 量: 9,071kg
  ・巡航速度: Mach 2 ~ 2.4
Lockheed Martin 案
 全長43.8m、翼端長15.8m、古典的な Arrow-Wing
Northrop Grumman 案
 全長47.8m、翼端長17.6m、全高6.4m、Joint-Wing、'Virtual Cookpit' の採用により、離着陸時にノーズを下げる必要がない。
2002.03 International Defense Review Supersonic bomber revival  QSP (Quiet Supersonic Platform) 計画を推進中の DARPA は、近く2社を選定して次の段 階へ移行する。
 QSP は超音速飛行に伴う衝撃波発生を抑えて、地上に対する影響を無くそうというもので、空軍は将来の爆撃機用に着目している。
 アフガンでの戦争により爆撃機の価値を再評価した空軍は、9tの爆装をし11,000kmを Mach 2.4 で巡航し、且 つ発生する衝撃波を地上で感知しない爆撃機を考えている。
 QSP 計画は2001年初期の計画開始当時、プラズマの様な画期的技術を使わないと不可能と見られていたが、その後「 コンピュータ流体力学」の導入により、機体形状その他の工夫で実現の見込みが出てきた。

= QSP 実現に向けた各種技術の紹介 (略)=

 Northrop Grumman社は今年、F-5E 戦闘機に機首を延ばしたり、翼形状に工夫を加えたりした実験機を Mach 1.5 で飛ばし、前後して 同じ航跡を飛行する F-5E と比較する試験を計画している。