イスラエルのミサイル防衛に関する記事

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2024.10.14
 05:42
時事通信

(Yahoo)

イスラエルにTHAAD配備 米軍、イランの攻撃に備え <2411-101402>
 米国防総省が13日、米軍がイランからのさらなるミサイル攻撃に備えてTHAADとその関連部隊をイスラエルに派遣すると発表した。
 イランが1日にイスラエルに行った大規模なミサイル攻撃を受け、バイデン大統領が配備を指示した。 米国とイスラエルはイランへの報復攻撃を協議しており、中東情勢の一段の緊迫化が懸念されている。
 同省のライダー報道官は声明で「米国のイスラエル防衛に対する確固たる責務を強調するものであり、イランによる弾道ミサイル攻撃からイスラエル在住の米国市民を守ることも目的だ」と説明した。
2024.05.03
 17:56
産経新聞

(Yahoo)

イスラエルが制した「前例なき防空戦」 国際迎撃網が真価発揮 コストは最大2000億円 <2406-050312>
 4月13~14日に行われたイランの大規模攻撃で、イスラエル側は大半のBM、CMやUAVを迎撃し、「前例のない防空戦」を制した。 イスラエル軍の防空システムに加え、米国などの支援を受けた国際的な「迎撃網」が真価を発揮したためで、イスラエル軍によるとイランは300以上のUAVやミサイルを発射したが、99%の迎撃に成功した。 一部は南部の空軍基地に着弾したが、被害は最小限にとどまったという。 迎撃には米英仏とヨルダンも協力した。
 イランとイスラエル間の距離は最短でも1,000kmあり、CMとUAVの飛来までに数時間の猶予があった。 Financial Timesによると、ミサイルなどの発射を米中央軍の部隊が探知して米英などの戦闘機が迎撃し、米軍は80機以上のUAVを撃墜した。 イスラエルの防空システムもUAVのGPSを妨害し残りの攻撃を退けた。
 イスラエルの防空システムは主にロケット弾を防ぐIron DomeSRBMを防ぐDavid's SlingMRBM以上を防ぐArrowの三段構えで、一連の迎撃ではArrowが効果を発揮したとされる。
 イランの攻撃に備え、米軍は約1週間前からイスラエル周辺に航空機や駆逐艦を配備して地域に展開する英仏両軍と連携し、アラブ諸国からも情報を集めるなど精度の高い分析結果をイスラエル側に提供していた。 イスラエル軍のハガリ報道官は「戦史の中でも比類なき防空戦の一つだ」と成果を誇った。
2022.12.25 Jane's Defence Weekly Rafael's SPYDER gets capability to intercept tactical ballisticv missiles <2303-122503>
 イスラエルRafael社が1月3日、SPYDERに
TBM性能を持たせたCounter-TBM SPYDERを発表した。 能力向上はeffector(註:弾頭部)の改良で行われた。
 SPYDERはPython AAM and/or I-Derby AAMをSAMしたものだが、以下の3タイプがある。
 ・SPYDER SR: 標準型
 ・SPYDER MR: ミサイルにブースタ取り付けたもの
 ・SPYDER LR: 長射程型のI-Derby ERにブースタ取り付けたもの
2022.12.01
 23:30
Defense News Watch Israel test its anti-missile Barak weapon at sea <2301-120117>
 イスラエル海軍が初めて、Sa'ar 6級コルベット艦による長射程型BarakのCM迎撃洋上試験を実施した。
 長射程型Barakはインドが装備したBrak 8と似た垂直発射式のSAMで、Barak MXシステムの一翼を担っている。
2022.03.17 Defense Update Israel's Iron Beam Lasers to Augment Iron Dome in the Lower Tier <2204-031721>
 イスラエルのガンツ国防相がRafale社が開発している
C-RAMソリッドステートレーザ兵器Iron Beamの開発に数百万NIS(註:1NIS≒\30)の支出を認めた。 Iron Beamの全体試作契約数日以内に結ばれる。
 Iron Beamはイスラエルの多層BMDに位置づけられる。
【Iron Beam 関連記事:1404-021905 (JDW 2014.02.19)】
2021.09.21 Stars & Stripes Spending bill contains $1 billion for Israel's rocket defenses <2110-092108>
 米議会下院が今週中にも採択するFY22国防予算ではイスラエレのIron Domeに$1Bが計上されるもようである。
 米国は第2次大戦後イスラエルに$146Bの軍事援助を行い、両国はFY19~FY28ミサイル防衛の$5Bを含む$38Bの援助を行うことで合意している。
2021.04.19 Defense Update IAI's Barak-ER performs successful ballistic missile intercept <2105-041908>
 IAI社が4月19日に、Barak-ER SAMの一連の発射試験でBARAK ERによるBM迎撃に成功したと発表した。
 BARAK-ERはBARAK MXシリーズSAMの一種で、BMを含む経空脅威に対し150kmの射程を有する。
 Barak SAMはインド陸海空軍、イスラエル海軍、アゼルバイジャン空軍などが装備しており、ナゴルノ・カラバフ紛争では実戦使用されている。
IAI's Barak-ER Performs Successful Ballistic missile (YouTube)】
2021.02 International Defence Review IMDO, MDA conduct integrated Iron Dome, David's Sling live-fire tests <2103-020002>
 イスラエル
IMDOと米MDAが2020年11月~12月上旬に、Iron Dome SRBMDDavid's Sling Weapon System (DSWS) による、連携した迎撃試験を地中海で実施した。
 Iron DomeのTamir迎撃弾とDSWSのStunner中距離迎撃弾は艦上に設置された発射機から同一または別々の目標に向け発射された。
 DSWSのStunnerは段階的にソフトウェアの更新が行われる計画で、既にBlock ⅠとBlock Ⅱは採用され、近くBlock Ⅲも採用される計画である。
2020.10.27 Breaking Defense Israel to get direct access to SBIRS sats & more F-35 capabilities; Esper visiting <2011-102705>
 米国が訪米したイスラエル国防相の強い要求を受け、
SBIRS早期警戒衛星のような秘匿度の高い衛星の取得情報をイスラエルが米国を経由せずに直接入手できるようにする模様である。
 そうなればイスラエルはBMDで速やかな対応ができるようになる。
2019.04.10 Jane's Defence Weekly THAAD exercise in Israel declared a success <1906-041007>
 THAAD中隊イスラエルへの急速展開演習が3月に行われ、イスラエルに展開した米陸軍のTHAAD中隊はイスラエルの多層BMD組織に組み込まれ共同BMD演習を行った。
 イスラエル空軍によるとTHAADは3月末に撤退した。
2019.03.04 Defense News In first, US deploys THAAD anti-missile system in Israel <1904-030404>
 米陸軍のTHAAD 1個中隊が3月4日、めてイスラエルに一時的に配置された。
 これはTHAADシステムのイスラエル展開能力を確認するとともに、何時いかなる場所にも展開できる能力を誇示したものである。
2018.03.07 Military Times Marines arrive in Israel <1804-030702>
 米海兵隊第26遠征隊の2,500名がイスラエルと共同で行う隔年BMD演習 "Juniper Cobra 2018" のため、第6艦隊の強襲揚陸艦Iwo Jimaイスラエルに上陸した。
 海兵隊はBMD演習に直接は参加しないが、イスラエル各所の人口密集地域に随時展開する。
2017.09.18 Stars & Stripes Israel and US open first American military base in Israel <1710-091804>
 イスラエルと米国が18日、イスラエル国内に初の米軍基地を開設した式典を行った。 この基地はイスラエルのBMDを 補強するもので、数十名の米部隊が駐留する。
【註】
 イスラエルには既に米陸軍がAN/TPY-2レーダを展開させており、今回の基地開設は形式的なものではないか。
【関連記事:1612-110003 (IDR 2016.11)】
2017.08.02 Defense News Israel begins concept work on Arrow-4 defender <1709-080209>
 イスラエルが将来の複雑化したBM脅威に対処するためArrow 4開発の初期段階を開始した。
 予想される将来脅威とは、BMの斉射子弾や複数弾頭搭載弾などで、IAI社の担当責任者はArrow 4について述 べるのはまだ早すぎるとしている。
2016.08.11 Defense News Boeing, Raytheon assured half of surging US support for Israel missile defense <1609-081103>
 イスラエルのBMDSに対する米国の支出飛躍的に増加しているが、両政府の取り決めで 量産の50%を米国が担当することになっているため、Boeing社とRaytheon社がその恩恵を受けている。
 Boeing社はArrow 2とArrow 3でIAI社から$100M近くを受注している。 またFY17で米国は、 Raytheon社が量産を分担しているIron Domeに$62m、David's Slingに$266.5Mを配当しており、そのうちの$150Mが量産経費になってい る。
2016.07.29 Defense News Report: US aid for Israel missile defense competes with MDA priorities <1608-072906>
 ワシントンのシンクタンク"Center for Strategic and International Studies"が29日、米国の予算が制約されるなか、米固有のBMDS構築予算 とイスラエルのBMDS開発支援予算が競合しているとの報告書を発表した。
 それによると米
MDA予算の中でイスラエルの支援に充てた分は、1998~2012年の間は2011年のガザ紛争時に3.5%で あったのを除けば1~3%で推移していたが、2014年には主としてIron Domeのシステムと迎撃弾購入で 9%に跳ね上がっている。 2016年にはこれに加えてDavid's SlingやArrowの経費も入ってくると見られる。
2016.07.13 Jane's Defence Weekly Iseael, US carry out first remore missile defence integration test <1609-071306>
 イスラエル国防省が7月6日、各種BMDSを連接した試験米国と共同で行われ成功したと発表 した。 この試験では迎撃弾の発射は行われなかった。
 試験はElbit社が主導し、イスラエル
MDO、米MDA及び在欧米軍も参加して行われた。
 米軍とイスラエル軍の共同BMD演習'Juniper Cobra 16'は今年初めに行われている。
2016.07.06 Jane's Defence Weekly Israel looks to step up Iron Dome production to meet evolving threat <1608-070621>
 イスラエル軍当局者が6月27日、ヒズボラやハマスがイスラエルの防護能力を超えるロケット弾の 和攻撃を準備していることから、Iron Dome部隊や迎撃弾の量産ペースを引き上げる検討をしていると述べた。
 イスラエル空軍司令官は同時攻撃規模を50~100発と見積もっている。
2016.07.06 Defense News US-Israel conclude 5-day missile defense tech drill <1608-070607>
 米国とイスラエルが6日、イスラエルに対する多方向からのミサイルやロケット弾攻撃を想定 した技術開発演習IGT-16を、5日間ぶっ通しで実施したと発表した。
 両国は2年に1度、実射を含むBMD演習Juniper Cobraを実施しているが、 今回は技術開発を目的としたコンピュータ上の演習で、Elbit社の子 会社であるElisra社が管理しているIsrael Test Bedで行われた。
2015.12 International Defence Review Rafael refines Iron Beam ahead of procument decision <1601-120001>
 Rafael社が10月20日、Iron Beam
HEL C-RAM 兵器の開発を続行しつつ、イスラエル国 防省からの発注に期待していることを明らかにした。
 RAM や UAV を2kmで撃墜する Iron Beam について国防省は、Iron Dome、David's Sling、Arrow 3 からなる多層防衛システムでの位置づけを決めかねているという。
 Iron Beam は2014年のシンガポール航空展で初披露された数kWの固体発振 HEL 装置2基からなる兵器で、中隊はレー ダ、指揮装置各1基と、複数の HEL 装置からなる。
【関連記事:1404-021905 (JDW 2014.02.19)】
2013.10 Jane's Missiles & Rockets Reservists to operate sixth Iron Dome battery <1311-100004>
 Iron Dome を装備するイスラエル軍の予備役中隊が9月に発足する。 更に来年には 複数予備役 Iron Dome 中隊と、これらを指揮する予備役大隊本部も 編成される。
 イスラエルは既に10個中隊の Iron Dome を発注5個中隊の Iron Dome を 編成しているが、現在の計画では12個中隊が編成され、その半分が予備役になる。
2013.05.29 Jane's Defence Weekly Israeli BMD facility details revealed <1307-052906>
 米政府がイスラエルの BMD 施設の詳細図を公表した。 建設の提案は6月7日に締め切られ、2014年末までに完成すると 見られる。 これは丁度、イスラエルが Arrow 3 の operational に設定した2015年に符合する。 詳細図でこの施設には、発射 機建屋4棟が建てられる。
 関係筋によるとこの施設は、2012年に operational になった Arrow 2 中隊の場所にある。 イスラエルは Arrow 3 で撃ち漏らした弾道弾を Arrow 2 で迎撃する計画であるという。
2013.01 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome coungers rocket onslaught <1302-010008>
 イスラエルが11月17日、5番目の Iron Dome中隊を、計画を2ヶ月早めてテルアビブ近郊に配置した。 中隊は 展開から数時間後には最初の迎撃を行った。 5番目の中隊が装備する Iron Dome は改良型で、2012年4月に試験を完了し 、2013年1月に配備される計画であったが、11月16日朝に繰り上げて配備されることが決まった。
 11月21日の停戦後 Izz al-Din al-Qassam は、今回長射程ロケット弾12発(ガザ製の M-75×6、イラン製の Fajr-5×6)を含む1,573発を発射したと発表したが、イスラ エル国防省は発射されたのは1,506発で、421発を迎撃し、58発が市街地に落下したと発表している。
2012.12.17 Aviation Week & ST Beyond kinetic kill <1302-121702>
 イスラエルは Iron Dome や David's Sling 後の SRBMD を検討しており、レーザや高機動 小型ミサイルなどを考えている。
 米 MDA は発射初期段階での迎撃を考えていて、Lockheed Martin社は空中発射 PAC-3、Raytheon社は NCADE を提案している。 NCADE は AMRAAM に Sidewinder の IR シーカを搭載したも二段式ミサイルで、大気圏外での迎撃 のため、固体燃料ブースタを切り離したのちは DACS で飛行制御を行う。
2012.10.21 Defense News U.S., Israel kick off Austere Challenge missile exercise <1211-102102>
 イスラエルと米国が10月21日、過去最大規模のミサイル防衛演習 'Austere Challenge 12' を開始した。 演習は3週間行われ る。
 この演習には在欧米軍3,500名とイスラエル軍1,000名が参加し、Iron DomeArrow のほか、米陸軍の Patriot も参加し、C&C 機能は米海軍の Aegis 巡洋艦が行う。
2012.10 International Defence Review US to commit fewer troops to ballistic missile drill with Israel <1212-100001>
 イスラエルと米軍が、5月実施が計画されたが延期されていた合同 BMD 演習 'Austere Challenge 2012' を年内に行うが、米軍の参加規模は当初計画より縮小される。
 同様の演習 'Jiniper Cobra' は2009年9月~10月に実施されたが、その際には米四軍から1,000名が参加している。
【註】
 'Austere Challenge 2012' は10月から、米軍3,500名が参加して実施されたと既に報じられている。 center>【関連記事:1211-102102 (Defense News 2012.10.21)】
2012.09.17 Aviation Week & ST Back on track <1211-091703>
 イスラエルと米国が10月、統合の BMD 演習を行う。 この演習には在欧米軍に新編された第10防空/ミサ イル防衛司令部 (AAMDC) が参加する。
 演習では2008年から Negev 砂漠に設置されている AN/TPY-2 X-band レーダが、主要な要素になると思われる。 AN/TPY-2 はイラン上空を含む 1,000哩の空域を監視する。
2012.06 Jane's Missiles & Rockets Israel improves its anti-missile and anti-rocket capabilities <1207-060019>
= イスラエルの BMD 能力増強に関する記事 =
Arrow Block 4:イスラエル紙によると数週間以内に配備を完了する。
Arrow 3:今年後半に初めての迎撃試験が行われる。
海上ガス設備の防空
 イスラエルが、東地中海にあるガス設備に対するシリアの Yakhont (SS-N-26) や Nasr-1 (C-704) の攻撃から自衛する防空/BMD システム を検討している。 候補には開発中の David's SlingBarak-8 の組み合わせが考えられている。
Iron Dome
 現在、1目標に2発を発射しているのを、1目標1発に切り替えられる改造を行っている。
 第4中隊のテルアビブ配備が進められると共に、2013年までに6個中隊が配備される。
Casle Lake:Casle Lake C&C システムの改良が行われている。
2012.03.12 Aviation Weel & ST Missile vs. missile <1205-031201>
 イスラエルが Arrow 3David's Sling などのミサイル防衛システム開発に力を入れている。
 Arrow 2 は目下 Block 4 の導入中で、 Block 4 では Green Pine レーダの T/R モジュールを改良数を増やしたほか、ミサイルの性能も強化している。
2012.03 Jane's Missiles & Rockets Israel missile threat 'exaggerated', says stydy <1205-030004>
 イスラエル軍は2017年時点での弾道弾脅威を、短距離12,000発、中距離3,000発、長距離600発の、計15,600発と見積もっ ており、そのうち1,600発は精度数百㍍、800発は精度数十㍍と見積もっている。 これに対してイスラエルのシンクタンクは、過大評価と論じてい る。
 イスラエル空軍は現在3個中隊Iron Dome を保有していて、四番目の中隊も編成を 完結したと見られる。 イスラエルは2013年中頃までに9個中隊を整備する計画である。 現在、Iron Dome の迎撃弾 Tamir は単価 $50,000であるが、同空軍が計画している BMDS の整備には$4Bかかると見積もられている。
2011.08.03 Jane's Defence Weekly Israel Air Force sets up new missile defence doctorine <1110-080302>
 イスラエル空軍がミサイル防衛の新たなドクトリンを確立した。 このドクトリンは7月に空軍防空師団で起草され、 参謀本部が承認したもので、現有の Patriot、Iron Dome、Arrow 2 に加えて、今後配備される Arrow 3 や David's Sling を、いかにまとめて運用 するかを述べている。
 この中で、Hizbullah や Hamas によるイスラエルの攻撃を500発程度と見積もっている。
2011.06.27 Aviation Week & ST Expanded umbrella <1108-062703>
Iron Dome
 イスラエル軍の見積もりによると、Iron Dome でイスラエル全土を防護するには15個中隊が必要である が、1個中隊には$50Mかかるため同国単独の予算では実現できない。 価格低減のためには海外市場の開発が必須で、既にシンガ ポールが配備しているほか、韓国と米国も有力な市場と見られている。
David's Sling
 最初の迎撃試験は来年早々に行われ、予算が継続されれは2012年後半には IOC になる。
MIC4AD
 ミサイル防衛と防空の一元統制を目指して、Rafael社が MIC4AD システムを開発している。
2011.06.13 Aviation Week & ST Missile machinations <1107-061306>
 イランの弾道弾開発と、対するイスラエルの BMDS 開発は、イランが射程2,000kmの Sejil の発射試験を2010年 10月と2011年2月に行うと共に、イスラエルも Arrow 3 の開発を開始しているなど、新たな段階に入ろうとしている。
2011.04 Jane's Missiles & Rockets Arrow 2 tested in night-time firing <1106-050006>
 2008年に開始された Arrow 改善計画 (ASIP) の一環である Arrow 2 の迎撃試験が2月22日に Point Mugu で行われ、洋上の移動式発射機 (MLP) から発射された標的の迎撃に成功した。
 イスラエルは現在 Arrow 2 を3個中隊保有しており、最初の中隊は Tel Avia 南方20kmの Palmachim AFB、二番目の中隊は Haifa 南方の Ein Shemer に配備されているが、Green Pine レーダの改良型である Great Pine レーダを装備する三番 目の中隊の配備場所は、イスラエル中部とされるだけで明かされていない。
2011.02.16 Jane's Defence Weekly IAF prepares for attack with 'Brain' upgrade <1103-021609>
 イスラエル空軍はミサイル防衛用として、Arrow-2 システムの Super Green レーダと Iron Dome SRBMDS 用の EL/M-2112 MMR を装備し、これらを Brain と呼ばれるインターフェスで接続している。  Brain は2008年10月以来イスラエルに展開している AN/TPY-2 FBX-T とも連接していて、米国の衛星情報からイ ランが発射した弾道弾の警報を弾着の7分前に入手できるようになっている。
 同空軍は現在、ミサイルによる更なる大規模、継続的な攻撃に備えて Brain の能力向上を行っている。
2010.11.01 Aviation Week & ST Security blanket <1012-110105>
= イスラエルの多層防空網に関する記事 =
Arrow 3
 高度120km以上での迎撃
Arrow 2
David's Sling(右図)
 弾頭重量1,000-lb以上のロケット弾のほか、UAV、GB、ヘリ、CM にも対処可能で、迎撃弾 Stunner は EO/MMW レーダの複合シーカで誘導され る。 Stunner はブースタなしで70kmの射程であるが、ブースタを取り付けて射程を伸ばすこ ともできる。
 各 David's Sling 部隊は、16発を保有する FU 4個で構成される。
Iron Dome
 年内に2個中隊が編成される。 各中隊は20発搭載発射機3~4基を装備し、 120k㎡の掩護が可能である。 都市防護のほか、機動部隊防護用の車載型も考えられている。
Spyder
 David's Sling と Iron Dome の間隙となる20~50kmの防空を担当する。
Barak 8
 中長距離のミサイル防衛を担当し、GB、GM のほか、高速 CM やシースキミング ASCM も撃墜できる。
2010.09.20 Aviation Week & ST BPI: a second look <1011-092009>
 ブースト段階迎撃 (BPI) に対して、イスラエルは米国と考えを異にしている。 イスラエルは Arrow 3 や Stunner を空中発射することも可能であるが、IAI社は発射地点に接近できる北朝鮮と、発射地点が1,000~2,000km離れてい るイスラエルでは状況が違うとしている。
2010.08.23 Aviation Week & ST The sky is falling <1010-082306>
 BMD について、イスラエル、中国、米国は異なる方向に努力を傾注している。
米 国
 米国はレーザ兵器や AAM を用いたブースト段階迎撃に力を入れている。 しかしながら ALTP による迎撃試験 は50哩で行われ、目下この距離を100哩にまで伸ばす努力中である。 いずれにせよ迎撃には敵領内の500~1,000哩まで進入 する必要がある。
 米 MDA は SM-3 Block ⅡB であれば、発射地点の500~1,000哩遠方から発射してブースト段階迎撃が可能と見ている。
中 国
 間もなく世界一の SAM 保有国になる中国は SAM による BMD を追求している。 しかしながらロシア製 S-300 シリーズの最新鋭である SA-20PMU2(註:S-300PMU2 = SA-20B)でも対抗できるのは射程1,000km、速度2,800m/sの弾道弾までで、HQ-9 は射程500km以下の弾道弾に対する拠点防空能力しかない。
 米国防総省によると、このため中国は高度50哩以上の大気圏外で迎撃できるシステムの研究開発を行っている。
イスラエル
 隣国との距離が近いイスラエルはブースト段階迎撃は考えておらず、Iron Dome のような独特のシステムに指向している。
2010.07 Jane's Missiles & Rockets Israel concern grows over Hizbullah rocket arsenal <1010-070010>

= イスラエルのミサイル脅威と防衛の必要性に関する記事 =

 図は Iron Dome の20発(註:記事中12発搭載とあるのは20発の誤り)搭載発射機と迎撃弾(註:Tamir )。
2010.05 Jane's Missiles & Rockets Israel holds missile defence exercise <1006-050009>
 イスラエル空軍が3月下旬に、コンピュータによるミサイル防衛システムの演習を実施した。
2009.12 Jane's Missiles & Rockets Isrel and US stage biggerst joint missile defence exercise <1002-120011>
 イスラエルと米国によるミサイル防衛演習 'Juniper Cobra 10' が10月21日から3週間にわたりイスラエルで行われた。
 この演習は2年に1度行われ今回が5回目であるが、今回は過去最大規模になり、Arrow 2、Aegis のほか、Green Pine 及び Super Green Pine レーダと、ネゲブ砂漠に展開した米陸軍の FBXR-T レーダも参加した。
2009.09.02 Jane's Defence Weekly Israel prepares for Iron Dome deployment <0911-090201>
 イスラエルは、Iron Dome が7月に Grad級ロケット弾3発の迎撃に成功したのを受け、10ヶ月以内に最初の中隊 をガザに近い Sderot 市郊外に配置する。 中隊は既にシミュレータによる訓練を行っており、9月には器材を受領する。 当初中隊には 20発搭載発射機は3基配備される。 イスラエルはガザ及びレバノン国境の防備に13個中隊が必要と見ている。
 Iron Dome はパレスチナの Qassam ロケットからシリア製の B302 302mmロケット弾、イラン製の Fadjr-5 333mmロケットまで、射程70kmまでのロケット弾から 150k㎡を掩護できる。
2009.08 International Defence Review Israel's Rafael confirms air-launched Stunner missile potential <0910-080002>
 Rafael社が、低価格 BMD 迎撃弾として空中発射型 Stunner を検討していることを明らかにした。 空中発射型 Stunner は地上型に使われる ATK社製ブースタを取り外し、F-35 にも搭載される。 ただし米国の NCADE の様な ブースト段階迎撃は考えていない
 2012年末の IOC が計画されている Stunner は、Rafael社が Raytheon社と共同で開発しているが、最終的には米国型とイ スラエル型は別になり、米国型は AMRAAM のシーカを使用する。 発射試験も米国とイスラエルの双方で行われる。
 Stunner は低価格で、単価は$4Mする PAC-3 の1/5~1/6になると言う。
2009.07 Jane's Missiles & Rockets Effective rocket defence of Israel requires three tiers, IAF commander says <0908-070020>
 イスラエル空軍司令官が、Iron Dome を装備する最初の部隊が2010年に運用を開始するが、多層防護 態勢が整うにはあと4年かかることを明らかにした。
 イスラエルのミサイル及びロケット弾に対する多層防衛は、David's Sling 迎撃弾を用いる Iron Dome システムStunner 迎撃弾を用いる Magic Wand システム、及び Arrow 3 からなる。
2009.06 International Defence Review Israel mulls Centurion <0907-060031>
 イスラエルのバラク国防相が、ハマスの RAM 攻撃から防護するため、Centurion C-RAM の導入を検討していることを明らかにした。
2009.06 Jane's Missiles & Rockets Israel conducts successful test intercept by upgraded Arrow <0907-060020>
 イスラエルが4月7日、改良型 Arrow 2 による Shahab 3 模擬標的の撃墜に成功した。 Arrow 2 の迎撃成功は17回に なったが、改良型 Arrow 2 による成功は初めてである。 この試験にはイスラエルの IMDO のほか、MDA も参加した。
 またイスラエルは、同じ週に Iron Dome の発射試験にも成功した。
2009.06 Jane's Missiles & Rockets Israel declares Phalanx as weapon of choice to counter Hamas rockets <0907-060005>
 バラクイスラエル国防省が4月21日、ガザ地区からのロケット弾攻撃に対処するため Centurion C-RAM を導入 すると発表した。
 Centurion C-RAM のユニット価格は$25Mで、最初のユニットは年内に引き渡される。
【註】
 イスラエル軍は、米国はイラクに12基の Phalanx を配備しているが可動なのは3基だけなどを理由に、Phalanx 導入に消極的であると伝えられていた。
【イスラエルが Centurion を否定した記事:0811-100011 (JMR 2008.10)】
2009.06 Jane's Missiles & Rockets Israel prepares SAM battalion to operate Iron Dome <0907-060003>
 イスラエル空軍が、Iron Dome を装備する大隊の編成準備を進めており、大隊は今年中頃に訓練を開始して年内に運用可能状態になり、 2010年に編成完結式典を行う。 最初の部隊はガザ周辺、続く部隊は同国北部に配置される。
 この大隊は2012~2013年に完成する Stunner ミサイルを使用した Magic Wand システムも装備することになる。
2009.05.18 Aviation Week & ST Allied ambiguity <0906-051809>
 米国はイスラエルに対し、Arrow 3 を止めて地上発射型 SM-3 を装備するように働きかけている。 地上発射型 SM-3 はFY10に予算が付けばFY14に実現できる。 イスラエルは米国の財政支援無しでは Arrow 3 の開発を継続できない。
 しかしながらこれについて米 MDA 長官は、Arrow 3 はリスクが大きいものの30年間のライフサイ クルコストが低く、性能もイスラエルの要求にあっていると発言している。
2009.04.15 Jane's Defence Weekly Improved Arrow destroys target <0906-041505>
 イスラエルが4月7日に、Arrow 2 M5 による初の迎撃試験に成功した。 これで Arrow は、16回の迎撃試験で 14回成功を収めたことになった。 またこの試験では新型標的弾である Blue Sparrow が初めて使用された。 Blue Sparrow は数百㌔離れた地中海上空から F-15 により発射され、大気圏外まで上昇したのち Shahab 3 を模擬した弾道を落下した。 途中で 弾頭部が切り離され、弾頭は Shahab 3 では行わない回避運動まで行う。 迎撃は沖合100kmの低空 で行われた。
 しかしながら紙すらエルは、7日にゲーツ米国防長官が BMD 関連予算の削減方針を示したことにより Arrow への支出も削減されるのではと 懸念している。 米国は今まで、Arrow の開発及び配備費用の半分を負担してきており、イスラエルは Arrow 3 開発 の支援も期待していた。
2009.04.13 Aviation Week & ST Out of the quiver <0905-041304>
 イスラエルが4月7日に Arrow Ⅱ の迎撃試験を行い、Shabab-3 を模擬した標的の迎撃に成功した。
2009.04.07 Yahoo 時事通信記事

「イスラエルが迎撃ミサイル実験」

<0905-040706>
 イスラエル国防省が7日、イランの Shahab による攻撃を想定した迎撃試験を行い成功したと発表した。 イスラエルは 同様の実験を繰り返し実施している。
2009.04 International Defence Review Rafael expects that Iron Dome will be ready to field by 2010 <0907-040004>
 2010年までに IOC になる Iron Dome は、今まで Hamas の Qassam ロケット弾対抗と報じられてきたが、Rafael社の担当責任者によると Qassam 対抗ではなく、同国北部に対する Hizbullah による Grad 122mmロケット弾などに対抗するものである。 北 部の都市 Haifa を例に取ると Iron Dome は発射機1基で防護可能であるが、実際には防護効果を高めるため 4~6基が配備されることになる。
 図は Iron Dome 中隊の模型で、EL/M-2084 MMR、指揮統制装置、20発 搭載発射機からなる。 ミサイルの全長は約3mで直撃を原則とし、初期単価は$30,000~$40,000であ る。
2008.10 Jane's Missiles & Rockets US commits increased aid for Israeli missile defence <0811-100011>
 米国とイスラエルから正式の発表がないが、イスラエルの報道によると米国が Arrow 3 の開発に$750Mを支出するなどの支 援を行う模様である。 Arrow 3 はイランからの Shahab を Arrow 2 の二倍になる500km遠方で撃墜できる。 Arrow 3 では新型の Black Pine レーダと新型弾を開発するため、計画総額は$1.5Bにのぼる。
 米国は FBX-T レーダをネゲブ砂漠南部に展開すると共に、DSP 早期警戒衛星の地上受信装置である JTAGSイスラエルに提供する。
 一方 Iron Dome の二回目の発射試験が7月に行われたが、配備時期は当初計画の2010年から遅れて2011~2012年以降 になりそうである。 Iron Dome の開発遅れにもかかわらず軍は Phalanx 導入に消極的である。 米国はイラクに12基の Phalanx を配備して いるが、可動なのは3基だけという。 更にイスラエルが Sederot 市を護るだけでも12基必要で、Ashqelon の発電所を護ろうとすると更に4~5 基が必要になると見られている。
 Rafael社は Iron Dome の開発と平行してソリッドステートレーザの開発も進めている。
2008.09.28 Yahoo 時事通信記事

対イランで早期警戒レーダー・・・」

<0810-092801>
 イスラエル放送などが28日、米軍の移動式 X-band 早期警戒レーダがイスラエル南部のネバティム空軍基地に配備され、米欧州軍の要員120名 が同基地に入ったと報じた。 レーダは近日中に稼働するとみられる。
 米軍要員は配置により、初めてイスラエル国内に米軍が恒久的に駐留することになる。
2008.08.18 Aviation Week & ST Next tier <0810-081310>
 イスラエルが、大気圏外で迎撃するシステムの検討を進めている。 候補には THAAD、MKV Arrow 3 および陸上発射型 SM-3 の4機種があがっていたが、THAAD と MKV は開発中とのことで除外され2機種に なった。 シスしながら Arrow 3 はまだ机上の計画段階で、まだ全体設計もできていない。
 Raytheon社が考えている陸上発射型 SM-3 は Mk-41 VLS を使用する。 同社によると SM-3 Block 1B は2年後に発射試験が行われ、3年以内に配備が可能である。 陸上発射型 SM-3 は太平洋地域とトルコ での運用も考えられている。
2008.08.06 Jane's Defence Weekly US agrees to boost Israeli missile warning system <0809-080612>
 米国防長官が7月28日に、AN/TPY-2 X-band レーダをイスラエルに展開すると共に、イスラエルと DSP ミサイル早期警報衛星を常時接続することに合意したことを明らかにした。 イスラエル軍事筋によると、AN/TPY-2 は捕捉距離が 1,000km第二世代 Green Pine レーダとほぼ同じであるが、ビームが細いため目標の識別、判別性能が高いという。
【 Super Green Pine 関連記事:0808-070014 (IDR 2008.07)】
 また米国は、イスラエルの Arrow 3 計画と Iron Dome 計画を支援することにも合意した。 David's Sling 計画の支援は既に合意している。 Arrow 3 は Super Arrow とも呼ばれている。
 イスラエルは Iron Dome 計画に$250Mをつぎ込んでおり、2011年に最初の中隊が配備される。
2008.07.30 Yahoo 時事通信記事

「イスラエルへのレーダ配備・・・」

<0808-073001>
 米国防総省が、訪米中の国防相と弾道ミサイル防衛用移動式 X-band レーダをイスラエルに配備する方向で協議していると米メディアなどが報じ た。
2008.03.26 Jane's Defence Weekly Israel completes first launch of Iron Dome interceptor <0805-032601>
 イスラエルが3月9日に Iron Dome 対ロケットシステムの発射試験に成功した。 Iron Dome は、射程が4~70kmのロケ ット弾に対抗するシステムで、迎撃弾である Tamir胴経160mm全長3m 重量90kgのミサイルで、極めて高度な近接信管と弾頭を搭載する。 開発の重点はコスト低減で、現在の単価は$45,000 である。
 Iron Dome の中隊は EL/M-2084 MMR (Multi-Mission Radar) と指揮装置及び、20発搭載発射機3基で構成される。 発射機はゴミ運搬トラック で運搬できる。 過去の経験から、発射されたロケット弾の75%が目標からはずれていることが分かっているため、EL-M-2084 レーダは援護対象に着弾し そうなものを選別して迎撃する。 中隊の援護域は射程15kmのロケット弾に対して150k㎡で、援護確率は90%であ る。
 Iron Dome は2009年初期の IOC が見込まれている。
2008.01 International Defnce Review Israel develops comprehensive defences against varied missile, rocket threats <0803-010014>
= イスラエルのミサイル防衛に関する5頁にわたる特集記事 =
 イスラエルは弾道弾脅威を以下の四種類に分類している。
 ・第一種:射程20km以下、107mm Katyusha 及び Quassam
 ・第二種:射程40km程度、122mm Grad
 ・第三種:射程50~250km、Fajr-3/-5、Raad、Khaibar 1、Zelzal 2、
              Fateh-110、SS-21
 ・第四種:Scud B/C/D、Shahab-3
 イスラエルは現有の Arrow 2 及び PAC-2 に Arrow 3、David's Sling(右図 Stunner 迎撃弾)、Iron Cap を加えた5層防護を整備しようとし ている。 Arrow 3 用に Green Pine を改良した Great Pine レーダは既に完成している。
 Iron Cap の中隊は、レーダ1基、指揮装置1基、20発搭載発射機6基を持ち、人口密集地一ヶ所 をロケット弾の斉射から防護できる。
2007.05.09 Jane's Defence Weekly Israel's largest UAV caught on camera <0711-050909>
 2006年7月15日に行われた Eitan HALE UAV の初飛行時の写真を入手した。 Eitan は Heron Ⅱ とも呼ばれるイスラエル最大の UAV で、イスラエル空軍が装備している Heron (Machatz) の四倍 の大きさである。 翼端長は26m、最大離陸重量5,000kg、搭載能力1,800kgで、高度 50,000ftを240ktで50時間飛翔する。
 Eitan は攻撃能力もある模様で、弾道弾の発射機を破壊しようとするイスラエルの 'Boost Phase Launcher Intercept' 計画にも組み込まれている。 また空中給油機として使われるとの報も ある。
2005.10 Jane's Missiles & Rockets Israel plans to extend rocket-warning system coverage <0521-100021>
 イスラエルはガザ撤退に伴い、Qassam ロケットに対抗するため Rafael社製光学ロケット警報システム Red Dawn の改良型を配備する。 Red Dawn は弾着90秒前にスピーカで警報を放送する。
 Red Dawn は既に Sderot 市に配置されており、今後同市周辺都市及びガザ北側の Ashkelon 市などへも配備する。
( Qassam に関する記事 JMR 2004.12)
2004.08.30 Defense News Israel seeks way to thwart VSBMs <0419-083006>
 イスラエル国防省は極めて短射程で精度の高い弾道弾 VSBMs (Very Short Range Ballistic Missiles) に対処する Mini ミサイル防衛システムの開発を検討している。
 VSBM は最近明らかになったイランの Fajr 級弾道ミサイルに代表されるミサイルで、数千発がレバノンとの国境線に配置されていると 見積もられている。
 VSBM は射程300km以下、発射機に12発以上を搭載し1分間に20発を発射、命中精度はこれまでの TBM に匹敵す る。 弾頭には通常弾の他、生化学弾を搭載することが可能で1発あたり10万ドル程度と見積もられる。
 国防省は Arrow や Patriot は対処可能ではあるが、価格は200万ドル以上と Cost per Kill に難があり、現 在 Arrow System の技術をベースとした新たな安価システムの検討を進めると共に、MTHEL にも関心を示してい る。
2004.02 Jane's Missile & Rockets Israel to consider naval BMD options <0407-020005>
 イスラエルが BMD に Arrow と組み合わせた艦船の利用も検討している。
 これに対して Lockheed Martin社は、2,750t級の艦船に小型の SPY-1F と32セルの Mk 41 VLS、16発の Harpoon、32発の Barak SAM を 搭載する案を提案している。
 一方 Raytheon/GD は Elta社と提携して、イスラエルが現有する Saar 5 コルベット艦を拡張した船体に、Elta社製の Green Pine レ ーダを搭載する案を提案している。
2003.07.14 Defense News Israel eyes solar-powered Airship abilities  イスラエル国防省はイランが開発中の弾道ミサイル Shihab-3 と Shihab-4 の脅威を懸念し 、米の高々度監視気球 (HAA) 計画への参加を打診している。
 Shihab-3 (射程1,300km) と Shihab-4 (射程2,000km~2,400km) はいずれもイスラエルに到達するが、現在同 国が展開する Green Pine 早期警戒レーダーでは捕捉が不可能なため、太陽電池発電の無人気球の開発を検討し ている。
 HAA は構想研究を Lockheed Martin社他2社が行っている監視用無人気球で、高度60,000ftで約4,000-lbの監視機器を 搭載、太陽電池を使用し30日以上滞空する計画。 最終的には12,000-lbの監視機器 を搭載し1年以上の運用に耐えるものを狙っている。
2000.09 International Defense Review Raising thr ballistic shield
【 BMD に関する最新情報の紹介】
・米国の NMD 及び TMD の開発状況
・イスラエルの ARROW の状況
・NATO の TMD
  米国との共同開発、MEADS、SAMP/Tの状況
・英国の NMD 導入予定
・ロシアの次期 SAM への TMD 能力付与
・中国の ATBM 保有方針の決定