2000年の米国のミサイル防衛全般に関する記事

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2000.12.25 Inside the Army Internal Army PAC-3 investigation ends with leadership change  陸軍は PAC-3 の不正予算疑惑に関する内部調査を 9月から行っていたが、このほど 結論を出し、不正はなかったとしながらも、プロジェクトマネージャーを交代させた。
 PAC-3 プログラムの予算は1994年以降 77%、$3.9B から$6.9B に増加している。
2000.12.18 Inside the Army BMDO director advocates ‘ruthless’expectations for missile defence  BMDO 局長は12月初めに開催された軍民当局者のSpace and Missile Defence シンポジュウムでミサイル防衛の現実に即した技術的進展は限界にあるが、夫々の役割として国家は 常に最大限の基準を追求し、防衛産業は例え成功するとしても創造プログラムを引き落とすような競争 を行ってはならないと述べ、ミサイル防衛の厳しい状況を弁護した。
2000.12.11 Inside the Army SMDC chief ambitious air and missile defence vision for 2020  SMDC(Space and Missile Defence Command)司令官はこのほど、2020年の航空、 ミサイル防衛システムに関する展望白書を公表した。
 これによるとSMDC はこれからの20年間に Integrated Air and Missile Defence(IAMD)を提案して おり、全世界的に統合したミサイル防衛システムの必要性を挙げている。計画にはミサイル防衛システム のオーバーホールとインターオペラビリテイの付加、新技術の反映、米国の統合ミサイル防衛システム の諸外国の受け入れを必要としている。
2000.11.20 Defense News Program costs for SBIRS High could reach nearly $4.2 billion  空軍当局の見積もりでは SBIRS High プログラムの経費が当初の額から $1B 増加し、$2.9B となる。
 これは調達方針の変更と2年間の計画延長によるもので、 DoD の説明資料によると最終的にはプログラムの最終経費は $4.2B ま で増加するものと見積もられ、対応に苦慮している。
2000.11.15 Inside Missile Defense BMDO says main thrust of TMD target acquisition will shift to payloads  BMDO は今後5年間のTMD 開発における発射試験用ターゲットの開発努力を今までの推進装置から有効搭載量の増 加に変更する。
 これは将来の対象脅威の疑似弾頭、RV、デコイ等の性能向上と有効搭載量の向上に対応させるもので、ブースターはミニットマン やストームUのロケットモータを使用するCOTS により経費削減も可能としている。
2000.11.09 Inside the Pentagon BMDO eyes new target missile's potential for training exercises  BMDO は TMD 開発における発射試験及び実射訓練用に、低価格で、より実戦的状況に 対応出来る液体燃料を使用した弾道ミサイルシステムの導入を検討している。
2000.11.06 Defense News Missile costs soar as production rates plummet  対空ミサイルの調達価格と数量について海軍と企業代表者の会議が行われ、意見交換が行われた。
 このなかで Raytheon社は、スタンダードミサイル SM-2 を例にとって、価格の高騰を抑え企業を維持するためには最小限、調達ベ ースの安定化を図るため単年度調達から複数年度調達に変更すること、及び対外セールスを拡大して輸出量を増大することが必要で あると提案した。
2000.11.06 Defense News Sensor may lengthen life of missile-warning satellites  米空軍は、ミサイル警戒用衛星の重量及びコストを軽減し寿命を延伸できる新しい赤外線センサーの開発に着手 する。
 この IR センサーは 2004年に打ち上げられる SBIRS に搭載する従来のセンサーの後継として期待されており、より高い温度での 作動が可能なことから Hotstar (High Operating Temperature Staring Arrays) プログラムの名称で 2002年から $1.3M の予算で DRS Infrared Technologies 社が契約し研究を開始する。
2000.11.02 Inside The Pentagon Clinton approves $309B FY-01 Deffence Authorization Bill  クリントン大統領は、1ケ月後に迫った2001年予算年度の開始に先立ち、10月3日に$309Bに及ぶ国防予算に署名した。
 予算には、$4.6Bの退役軍人総合医療保障及び$6B以上のN.N.S.A エネルギー局の核兵器従事活動予算が含まれている。
2000.10.23 Deffence News Congress orders BMDO to bridge emerging gaps  米国議会は国防省に対し、2001年 2月15日までに現在の計画で欠落している 2,500q から 4,000q 程度の潜在的 IRBM の脅威に対応する BMDO の提案書の報告を求めている。
2000.10.18 Inside Missile Defense BMDO wants to wind up boost-phase intercept technology study this fall  BMDO は 6月に開始され 10月下旬から 11月上旬に終了するboost-phase intercept に関わる“summer study ”の成果を期待している。研究作業はこれまで行ってきた BPI システム関連の 技術の現状を再確認・評価し、 システムに必要な技術のギャップを埋めることにある。
2000.10.09 Inside the Army Conferees add nearly $400M for missile deffence in FY-01  米国議会はFY-01のミサイル防衛関連予算を約$400M 増額する法案を今週承認するはこびである。主たる増額の内訳は 、$129MをNMDリスク低減対策に、$85Mをエアボンレーザに、$80 を Navy Theater Wide System に充当している。 陸軍の主要な TMDプログラム の PAC-3 及び THAAD の予算は要求どおりとなっている。
2000.10.09 Inside the Army Congress mandates plan to counter intermediate-range missile  FY-01 の防衛法案と議会報告書によると、議会は BMDO に対し、2001年2月中旬までに、北鮮やイランの 1,500miles から 2,500miles 程度の IRBM に対応する TMD 開発修正計画(THAAD 及び TMDファミリーシステムの改善)の提出をもと めている。
 計画には以下の内容が含まれる。
  ・SBIRS Low ,High を含む衛星センサーの活用要領
  ・海軍 TMD システムの検討
  ・地上発射型 TMD システム及びエアボンレーザ の能力向上
  ・ヨーロッパ戦域での運用要領
  ・地上及び発射試験の実施スケジュール
2000.09 International Defense Review Raising thr ballistic shield
【 BMD に関する最新情報の紹介】
・米国の NMD 及び TMD の開発状況
・イスラエルの ARROW の状況
・NATO の TMD
  米国との共同開発、MEADS、SAMP/Tの状況
・英国の NMD 導入予定
・ロシアの次期 SAM への TMD 能力付与
・中国の ATBM 保有方針の決定
2000.09 International Defense Review Netherlands exercises TMD with 'Optic Windmill'  オランダは TAMD (Theater Air- and Missile- Defense) 評価演習基準である、JPOW (Joint Project 'Optic Windmil') を推進中である。
 JPOW は TBMD の主要な演習の一つとして位置づけられ、1996年以降毎年行われている。
2000.09.14 Inside the Pentagon Clinton, Putin to fight proliferation, expand TMD discussions  米露大統領は先週会談し、共同声明を発表した。 合意声明のうち TMD に関する内容は次の通りである。
  ・TMD 2国間指揮所演習計画の拡充
  ・TMD 指揮所演習への他国参加の可能性検討
  ・TMD 共同使用の方法追究
  ・TMD 共同開発の可能性検討
  ・TMD 発射相互視察の検討
 具体的には2001年2月の図上演習、2002年に実員検討を予定している。
2000.09.04 Inside the Army Army plans to exercise missile defense integration, synergy  BMDO の対ミサイル戦闘研究所は、2001年9月に統合ミサイル防衛演習の実施を計画している。
2000.08.31 Inside the Pentagon Patriot-CEC tests yield valuable data for upcoming live-fire exercise  Patriot と、海軍の CEC (Cooperative Engagement Capability) を連接した訓練が今月行われた。
 この訓練は、この秋に予定されている巡航ミサイルに対する実発射訓練の準備として、Patriot の実物のハードウェアとソフトウ ェアを用いたものである。
2000.08.21 Inside the Army Joint Theater Air and Missile Defense Organization may be terminated  統合参謀本部は 1996年に、各軍の防空対ミサイルに関する要求を統合する目的で JTAMDO (Joint Theater Air and Missile Defense Organization) を設立したが、JTAMDO が計画したとおりに機能していないため、近く廃止されそうである。
2000.08.07 Inside the Army Eyeing cruise missile defense, science broad studying X-band radars  軍事科学会議は X-band のレーダについて、航空機搭載レーダを地上の防空用に使用することを検討している。
 特に、これらの分野と巡航ミサイルに対する国土防空とが重複することを強調している。
2000.07.17 Defense News U.S. Navy to consolisate Missile Defense management  米海軍は新たなミサイル防衛任務を所管する上級組織を発足させた。
2000.07.06 Inside The Pentagon New high-level Navy office to focus on missile defense issues  米海軍は6月30日に、全てのミサイル防衛を管轄する新しい上級組織を編成したと発表した。
2000.07.06 Inside The Pentagon Army tweaks missile defense structure in new 'executing agent' role  陸軍はSMDC ( Space and Missile Defense Command ) に、国防総省全体のミサイル防衛に関する科学技術を所管 する新たな任務を付与するための組織改編を行った。
2000.05.29 Defense News Study points to benefits of new U.S. missile defense radar  BMDOは6月を目途にレーダのフォローアップスタディを実施している。スタディの焦点はX-bandレーダを使用す るNMD、THAAD、MEADSであるが、海軍のレーダも対象になる。
 BMDOはこのままではFY-01〜FY-05でレーダに$3.6Bを支出することになる。
2000.05.15 Inside the Army BMDO advanced technology inadequately funded, House panel says  下院軍事委員会は先週、先進BMD技術への予算配分が不十分であるとして、$108Mの追加支出を決めた。これに よって同予算は$509.7Mになった。
 昨年BMDOが同委員会に対し、先進BMD技術の予算は要求の1/3でしかないとの報告を提出していた。
 同委員会は、THAAD、MEADS及びNADの予算を政府要求通りとしたのに対し、NTW予算を$25M増額した。又、PAC-3購入予算を政府要 求より$65M増額、NMDに$85Mの増額を行った。
2000.04.06 Inside the Pentagon DoD missile defense changes continue as army "Dual-Hats" top offical  先月に引き続くBMDOの体制再構築により、陸軍のPOEに陸軍のSMDC (Sapce and Missile Defense Command) の副司 令官の肩書きも与えることにより、両組織の融合をはかることになった。
2000.04.05 Inside Missile Defense Study team says common components can cut BMDO radar costs  BMDOの内部チームが、カディッシュ司令官に、各種レーダのハードウェアを共有化することによりコストの低減 がはかれるとの報告をした。
 対象となるのはNMD、THAAD及びMEADSである。この中にはXBR ADAをオブジェクト指向のC++に変換すると 共に、THAAD、XBR、HPDをC++に移植すべきとの忠告が含まれている。
2000.04.05 Inside Missile Defense GOP lawmaker eyes possible floor date later this year for TMD bill  THAADとNTWに対し、3段推進のテポドンミサイルを想定した目標に対する要撃試験を行えとする法案を、ビター 下院議員が提出した。
 法案では更にTHAADとNTWの速度を3km/sec上げると共に、外部センサからのキューイングが可能になるよう改造することを求めて いる。
2000.03.08 Jane's Defence Weekly BMDO chief details plans to spend an additional $1 billion  下院軍事委員会軍事研究開発小委員会の要請に基づき、BMDO司令官カディッシュ中将が議会に$1Bの追加予算 支出についての報告書を提出した。
 それによると追加支出はTHAAD及びNTWに使用し、装備化時期を早めさせたいとしている。
2000.03.06 Inside the Army Army releases theater missile defense integrating concept  TRADOCは先月"Army 21"の一環として、陸軍のTMD能力の統合化についてのコンセプトを発表した。
2000.03.02 Inside the Pentagon BMDO says extra $1 Billion would reduce risk, speed missile purchases  BMDOは先週議会に対し、BMDに関する$1Bの追加予算について、2001年度はNMDのリスク低減とLower-tier TMDの 装備化時期の繰り上げに執行すると報告した。報告書によると更に、陸上型Upper-tier TMDの装備化時期繰り上げの可能性も留保 している。
・NMD
 2回のRisk Reduction Flight Testを追加
・PAC-3
 8発のミサイル追加生産による円滑なFull-Rate Production移行
・NAD
 9発のSM-2 Block4A追加生産による円滑な生産移行
・THAAD
 初期型の装備化時期を2007年から2006年へ1年繰り上げの検討
・NTW
 システムのハード、ソフト両面の抗堪性強化

(MEADSについては全く何も無し)
2000.02.24 Inside the Pentagon White House releases remaining FY-99 emergency missile defense funds  米政府は近く、1998年暮れに議会が$1Bの増額を決めたBMD関連予算の内、少なくとも$230Mの執行を決定する。
 この追加支出はNMD、PAC-3及びTHAADに振り当てられる。
・$117M : NMD
・$ 75M : PAC-3
・$ 38M : THAAD
2000.02.24 Inside the Pentagon Services' role in missile defense technology development expznding  DoDは主として経費抑制の観点から、技術開発における陸軍の役割を拡大することを検討している。
 しかしながら、予算に関する業務については引き続きBMDOを通して行うこととしている。
2000.02.18 BMD Monitor Appropriations FY99-FY01  事業ごとの予算の一覧