2006年の米国のミサイル防衛全般に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2006.11.22 Jane's Defence Weekly Missile Defense Agency looks to budget rise <0624-112205>
 米国議会予算局の予測では、MDA の経費は上昇を続け2016年には$16Bに達する。 更に一部の計画が順調に 行かなかった場合には$18Bに達すると予測している。 コスト見積では GMD が最も高コスト になっている。
 また2015年〜2019年には SM-3 に毎年$1Bずつを必要とする。
2006.11.20 MDA HP Distributed Ground Test successfully tests operational missile defense systems <0623-112002>
 米 MDA が10月23日〜11月9日に、BMDS のハード、ソフト、通信を連接した GTD-01 (Distributed Ground Test -01) を実施し成功した。 試験は米国7州と日本にまたがり、2隻の艦船を含む17の基地を連接し仮想弾道弾を 標的として行われた。
 この試験には AN/TPY-2 FBXR-T や、開発中の SBIRS も参加した。
2006.10.25 Inside Missile Defense House,Senate authorizers block Space-Based Interceptor funding <0623-102502>
 米上下院の防衛予算委員会は、MDA がFY-08以降 SBI (Space-Based Interceptor) の予算要求を行うならば 、事前に必要性、システム構成及びその効果等を報告することを求めている。
 SBI は敵の衛星及び ICBM の宇宙空間での破壊を目的とする迎撃システムで、MDA はFY-08〜FY-11に総額$567Mを要求する方針である。
2006.10.18 Jane's Defence Weekly US missile defence system 'remain on alert' <0622-101802>
 米国北方軍副司令官が10月10日、米国の BMD システムは北朝鮮のミサイル発射試験以来現在もアラート態勢 にあると述べた。
 北朝鮮のミサイル発射が迫った6月6日に、ラムズフェルド国防長官が GMD 部隊にアラート態勢移行を命令し た。 7月5日にシステムは Taepo Dong の追随を行ったが、交戦を実施するか否かの決心を行う前に目標が消滅した。
2006.09.25 Inside the Army MDA: After C2BMC deal finalized with Army,will look at Air Force,Navy <0621-092502>
 MDA と陸軍は、ミサイル防衛の情報統合及び共有について合意し、C2BMC (Command and Control Battle Management Communication) のインターオペラビリティを共同で開発しネットワーク化を図る。
 陸軍は Patriot、JLENS、THAAD、MEADS、SLAMRAAM 等の指揮統制に IAMDBCS (Integrated Air and Missile Defense Battle Command System) の開発を計画しており、MDA の C2BMC との共通化を行う。 MDA は今後、 海空軍システムとの共通化に向け調整を進めていく方針である。
2006.08.16 読売新聞

インターネット

「米、欧州に地上配備型迎撃・・・」 <0616-081601>
 MDA は15日、欧州に地上配備型迎撃ミサイルの配備を要請する方針を示した。 ポーランド、チェコ、英国を 候補として検討しており、相手国の合意が得られれば、数ヶ月以内に決定したい考えという。
 2011年までに欧州に10基、米本土に43基の迎撃ミサイルを配備する。
2006.08.02 Jane's Defence Weekly US studies linling THAAD radar with sea interceptors <0617-080204>
 米陸軍 SMDC が、手っ取り早く実現できる BMD システムとして、THAAD のレーダを使用し て艦載インタセプタの射撃を行う提案をしている。
 THAAD レーダは当初期待したより高い性能を示しており、また THAAD システムから切り離した運用が可能な ことからこの提案がなされている。
【註:】
 SM-3 搭載艦には Aegis SPY-1B レーダがあるのに、なぜ FBXR-T を使用しようとするのか分からない。 考えられる理由は以下の通り である。
・FBXR-T を使用して SM-3 を射撃すると、SPY-1B より高い火力性能
・Aegis 駆逐艦 (DDG) と FBXR-T を組み合わせ、DDG に BMD 能力付与
2006.07.31 Inside the Army Commanders eye next step in achieving Global Missile Defense coverage <0618-073102>
 米国は BMD の範囲を世界規模に拡張するため CONOPS (Concept of Operation) の 策定を進めており、10月〜11月に完成を予定する。
 CONOPS は米本土、前方展開部隊及び友好国のミサイル防衛に必要な運用構想を定めるもので、9月に行われる DoD 主催のウオーゲーム 'Nimble Titan' で検証し、所要の改正を加えた後成文化する。
2006.07.24 Inside the Army Lawmakers: MDA needs to zero in on near-term Missile Defense assets <0618-072401>
 FY-07上院予算法案は7月20日に可決したが、法案ではミサイル防衛は将来装備の開発よりも、当面の開発試験を着実に行うことが重要 であると提言している。
 この結果、GMD、Aegis、THAAD、、ABL 及び関連試験研究費の予算は増加したが、HAAKEI 及び STS 要求は削減 されている。
2006.07.07 Yahoo 毎日新聞記事

「米国の迎撃システムも重要・・・」

<0614-070705>
 今回のミサイル発射に対し、コロラド州の北方軍司令部と北米航空宇宙防衛司令部 (NORAD) は7発すべてを発射から 落下まで探知、追尾した。
 この間、アラスカ、カリフォルニア両州の地上配備型迎撃ミサイルを実戦状態にした。
2006.06.05 Inside the Army GAO: Criteria needed for declaring BMDS shield operational <0615-060505>
 GAO は6月1日に発簡した報告書で、DoD は BMDS の運用開始宣言にあたり、その根拠を明確に示すことと、議会に維持運用経費の見積 もり資料を提出することを求めている。
2006.06 Jane's Missiles & Rockets US tests missile-defence sensors <0615-060018>
 BMDS のレーダやセンサの試験のため、4月13日と28日に Orbital Sciences社製 SR19 標的ミサイルが PMRF から打ち上げられた。 同社は2005年11月の SMD 試験用に MRT-1 (Medium Range Target-1) も打ち上げている。
 一方 ATK社は GBI 用 Boost Vehicle-Plus ブースタの第二段及び第三段となる固体燃料の Orbus 1A 2基を納入した。 同社は第一段の GEM-40VN も生産している。 Orbus 1A は2006年末までに16基が納入される。
2006.05.31 Jane's Defence Weekly New options enter race for boost-phase intercept weapon <0612-053102>
 MDA が高価な KEI ABL に代わる、安価な boost-phase 迎撃システ ムの検討を行っている。 候補には空中発射の PAC-3 又は THAAD と、AMRAAM を改造したシステムが提案されており、2006年後半に 方式決定を行う。 開発への移行を決するのはFY-08になる模様である。
空中発射 PAC-3/THAAD
 MDA が1年以上検討を行っており、検討の第一段階は既に完了している。
AMRAAM 改
 AMRAAM の弾頭を取り外して二段推進にし、AIM-9X の IR シーカを搭載する。  システムは NCADE (Network-Centric Airborne Defense Element) と呼ばれている。
2006.05.25 Inside the Pentagon Defense Department launches Air and Missile Defense analyses <0615-052501>
 JROC は2年間にわたり検討が進められてきた、Integrated Airand Missile Defense に関する分析研究成果を5月1日に承認した。
 細部は明らかにされていないが、成果は今後の開発及び運用の基本となり、これに基づき空軍は本土防衛の、海軍は世界規模ミサイル 防衛の、陸軍は戦域ミサイル防衛に関する分析をそれぞれ開始し、来年の春までに検討結果を明らかにする。
2006.04.04 MDA HP Missile Defense Agency to dedicate missile defense site to President Ronald W. Reagan <0608-040403>
 MDA が Vandenberg AFB のミサイル防衛施設を 'Ronald W. Reagan Missile Defense Site' と命名し、命名 の公式行事が4月10日に行われる。
2006.03.09 Inside the Pentagon IG: Missile defense Agency must improve systems engineering processes <0608-030901>
 DoD の監察官室は最近公表した報告書で、MDA の計画では SE (System Engineering) が全体的に不足しており、BMDS、THAAD 及び ABL の開発に少なからず影響を及ぼしていると指摘した。
 同様の内容を1月中旬に議会 Research Service と DoD の DOT&E がそれぞれの報告書で指摘している。
2006.03.03 Yahoo 韓国中央日報記事

「北・イランはミサイル脅威・・・」

<0606-030302>
 MDA のFY-07予算案概要報告書によると、BMD 構築を当初の計画より早めて進めている。 またハワイ太平洋 司令部に新しい C2BMC を設置する。
 アラスカに配置する GBI はFY-06末まで8基であるが、FY-07度には20基追加配置す る。 また PAC-3 と SM-3 も、FY-06にはそれぞれ313基と9基だったが、 FY-07には534基と24基増やす計画だ。
 更に探知追随用のイージス艦を3隻減らす代わりに SM-3 を搭載するイージス艦を8隻増やすことにした。  移動型 X-band レーダは日本とグリーンランドに設置する。
2006.02.15 Jane's Defence Weekly Missile defence <0605-021504>
 FY-07のミサイル防衛予算要求は$10.4Bと前年の$8.8Bを上回ったが、それでも MDA は何件かの計画を縮小し なければならない。
 ABL 2機目の調達を2008年まで2年延長する。
 KEI ブースタの最初の飛行試験は予定通り2008年に行うが、2012年に予定されていた 配備開始は2014年に延期される。
 SM-3 調達弾数は削減される。
 Eglin AFB のレーダを改修する計画は中止になった。
2006.02.09 Inside the Pentagon White House requests $10.4 billion for Missile Defense in FY-07 <0606-020901>
 米政府が先週末に議会に提出したFY-07予算要求では、ミサイル防衛計画関連に$10.4Bを充当している。
 このうち$9.3Bが MDA に割り当てられているが、これは昨年より$1.6B増加している。 残りの$1.1Bは Patriot 関連 予算となっている。
2006.01.30 Inside the Navy MDA holds War game,but questions remain about system's readiness <0605-013009>
 MDA は1月24日に BMDS のシミュレーションによる war game を軍高官及び議員に展示した。
 想定では日本海に位置する仮想敵国 Midland の中長距離ミサイル攻撃から日、韓、米を防護するもので、日 本沿岸に SM-3 搭載の Aegis艦 Lake Erie を、韓国に Patriot を配置し、米本土は配置済みの GMDS で対処するシナリオである。  また、FBX レーダ (日本)、SBX レーダ (ハワイ北方洋上)、Cobra Dane レーダ (アリューシャン)、Beale レーダ (Vandenberg AFB) により早期警戒と捕捉追随を行う。
 約1時間のシミュレーションでは7発の ICBM 攻撃に対し6発を迎撃したが、結果はモンテカルロ方式によるも のであり、現実にどれだけ迎撃可能であるかは疑問が残る。