長距離識別レーダ (LRDR) に関する記事

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2025.06.24 MDA HP Long Range Discrimination Radar successfully tracks ballistic missile during test <2507-062440>
 米国ミサイル防衛局(MDA)は、米国宇宙軍および米国北方軍と協力して、 2025年6月23日の飛行試験では、クリアスペースフォースステーションの長距離識別レーダー(
LRDR)が、 アラスカは、ミサイル目標データの取得、追跡に成功し、指揮統制戦闘管理通信(C2BMC)に報告した。これは、ICBM 標的を実際に追跡するレーダーの最初の飛行試験であった。
 この試験では、Flight Test Other-26a (FTX-26a) と名付けられ、MDAが開発した標的は空中であり、北太平洋上に打ち上げられた。南海岸から2,000キロ以上離れた場所を飛行したLRDRによって追跡されたアラスカおよび次の場所にあるアップグレード早期警戒レーダー(UEWR)の 宇宙軍ステーションをクリアする。センサーデータは Ground-Based Midcourse Defense (GMD) に渡され、 シミュレートされたエンゲージメントをサポートする。  「これは、LRDRシステムの開発とC2BMCネットワークへの統合における重要なテストでした」 MDA長官のヒース・コリンズ中将は述べた。「LRDRはUSNORTHCOMと米国宇宙軍を提供します 弾道ミサイルの脅威やその他の宇宙物体を正確に追跡する能力を備えています。 敵を抑止し、本土ミサイル防衛を強化する能力を前進させる」と述べている。  初期の兆候は、LRDR、C2BMC、およびGMD火器管制がミッション要件を満たしていることを示している。 プログラム担当者は、テレメトリなどに基づいてシステムパフォーマンスを引き続き評価し テスト中に取得したデータ FTX-26aは、LRDRの運用評価、LRDRモデリングの検証、シミュレーションをサポートする。
2025.03.03
 16:05
Inside Defense MDA eyeing new LRDR capability improvements, possible Increment 12A in 2032 <2504-030326>
 米MDAは新しい
LRDR機能の改善を視野に入れており、2032年にはIncrement 12Aの可能性もありうる。
 MDAは、2030年代初頭に電子防護の強化と国土ミサイル防衛能力の向上に重点を置いたLRDRの大幅な能力向上を計画している。 計画されている改善には、ますます巧妙化する脅威に対抗することを目的とした新しいソフトウェアとハードウェアの開発が含まれる。
 MDAは2月26日、Increment 12Aに沿った新しいLRDRソフトウェア機能を設計、テスト、およびフィールド化するためのアイデアを業界に求める通知で、提案されたアップグレードの計画を明らかにした。
2022.08.11
 00:47
Breaking Defense Long-range missile defense radar ready to ‘plug in’ at NORTHCOM within ‘months’ <2209-081101>
 米北方軍作戦部長レストルティ准将がハンツビルで開かれたSpace and Missile Defenseシンポジウムで8月10日、
LRDRレーダは試験を完了し、数ヶ月以内に運用可能になると述べた。
2021.12.07 Defense News US Missile Defense Agency declares initial delivery of Long-Range Discrimination Radar in Alaska <2201-120705>
 米MDAが12月6日、アラスカ州Clear空軍基地に建設していた長距離識別レーダ (
LRDR) の初期配備を完了したとする式典を挙行した。
 今後2022年にLRDRはC2BMCと連接してGMDに組み込まれ、2023年には空軍へ引き渡される。
 MDAの声明によるとLRDRは人工衛星や使用済みのロケットモータ及びデブリなどの宇宙状況監視にもあたるという。
2021.12.06 MDA HP

(Yahoo)

U.S. Missile Defense Agency announces the initial fielding of the LRDR in Alaska <2201-120607>
 米MDAが12月6日、アラスカに設置していた
LRDR設置が完了したと発表した。
 LRDRはGaN素子を採用した60ft×60ftのS-bandアレイレーダで、完全稼働になれば小型目標を極めて長距離で捕捉と追随を同時に行い、飛来する弾頭をデコイなどから分別することができる。
 LRDRはBMDSの一角としてだけでなく、宇宙分野でも周回する衛星の捕捉追随や稼働不稼働の識別、使用済みのロケットモータやデブリの宇宙状況監視手段としても活用される。
2021.06.24 MDA HP MDA announces record of decision for the Long Range Discrimination Radar <2107-062406>
 米MDAと空軍省が、アラスカ州のClear空軍施設に設置していた長距離目標判別レーダ
LRDRがoperationalになったと判定した。
2021.04.30 Defense News Yearlong delay hits operational test of Alaska-based missile defense radar <2105-043006>
 (註:米国で会計検査院に相当する)
GAOの報告によると、米空軍がアラスカ州Clear AFSに設置が進められているLRDRは2度の地上試験を経て3Q/FY21に実目標の捕捉試験を行い、4Q/FY22に受領する計画であったが、COVID-19パンデミックの影響から計画が遅れ実目標試験は4Q/FY22に、operationalは3Q/FY23になる見込みである。
2021.03.17 Inside Defense Pandemic delays LRDR initial operations target again; now slated for September <2104-031712>
 米
NORAD司令官が国防総省における記者会見で3月16日、MDAからの遠距離分別レーダLRDRの引き渡しは6月の予定が9月に再延期されると発表した。
2021.02.24 MDA HP LRDR work continues through Covid-19 for initial fielding in 2021 <2103-022409>
 アラスカ州Clear空軍基地に建設中の長距離判別レーダ (
LRDR) の引き渡しは、建設設置作業がCOVID-19の影響で2020年3月に一時停止した影響で遅れているが、2021年中にはIOCとなりそうである。
 LRDRは以下ようなの特性を持つ。
 ・超高速ミサイルなどの将来脅威に改造なしに対処できる適応性
 ・GaN素子を用いた高性能
 ・運用しながらの整備が可能で、継続的な追随分別が可能
 ・220゚の広い視界で、BMDだけでなく衛星監視も可能
  衛星監視では活動中か否かの識別も可能
2021.01.28 Inside Defense MDA readies plan to proceed with development of LRDR Configuration 2 to support space missions <2102-012807>
 米MDAが1月27日にLockheed Martin社に、まだoperationalになっていない地上設置長距離目標分別レーダ
LRDRに、宇宙空間での目標分別能力を持たせた2型の開発を発注した。 LRDRのoperationalは2024年に計画されている。
【註】
 LRDRは飛来するICBMなどの弾頭とデコイやその他デブリとを分別する目的でアラスカに建設中のレーダで、そのアンテナモジュールの一部を艦載仕様にしたものが、わが国のaegis Ashore用に発注しいるSPY-7レーダである。
長距離分別レーダ (LRDR) に関する資料
2020.08.07 Defense News Alaska-based long-range ballistic missile defense radar fielding delayed by a year <2009-080706>
 米空軍が6月に米会計検査院であるGAOに提出した報告によると、アラスカ州のClear空軍基地に建設中のLRDRの完成時期がCOVID-19のパンデミックの影響で1年程度遅れる。
 敵BMの捕捉追随に加えて、デコイや他の飛翔体から実弾頭を見分ける目標分別機能を持つLRDRは、当初FY21に配備され、FY22に空軍へ引き渡される計画であったが、空軍への引き渡しはFY23になるという。
2020.06.30 Inside Defense Fate of Pacific Radar project in DEPSECDEF's hands after MDA completes mandated sensor study <2007-063008>
 米国防総省がFY21要求に、$1Bで計画されていたPacific Radarの経費を計上していないが、それに代わる案の検討を完了した。
 Pacific Radarの役割はLRDRレーダに肩代わりさせるとみられる。
2020.03.10 Inside Defense Lockheed, DOD negotiating scope, strength of future LRDR space surveillance reach <2004-031005>
 Lockheed Martin社によると、同社と国防総省が2020年代中頃を目指し、ICBM探知用の
LRDRソフトを改良し軌道上の宇宙監視を行う計画を検討しており、目下コストの見積もり等を行っているという。
2019.10.23 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin ships antenna for LRDR to Alaska <1912-102309>
 Lockheed Martin社が8月に
LRDRレーダ用アンテナをアラスカ州のClearに向けて出荷した。 LRDRはGaNを使用したS-bandレーダで、2020年に配備される。
 MDAはFY20に、ハワイに設置するHDR-Hレーダに$274.7Mを要求しており、2023年には運用を開始される計画である。 また太平洋地域に設置される別のレーダPDRにも$34Mを要求している。
2018.02.13 Defense News MDA $9.9 billion budget request geared to address North Korean threat <1803-021308>
 米MDAがFY19にFY18より$2B増額した$9.9Bを要求している。
GMD: $926.4M
 44基あるGBIに20基が2023年までに追加され64基体制になる。 またGBIに2型 (Configuration 2) ブースタ6基が採 用される。
RKV: $561.2M
 
EKVの能力向上型であるRKVは2020年配備で開発が進められてきたが2021年に延期され る。
CKV: $189.8M
 1発のGBIに複数のKVを搭載するMOKV用のKVとなるCKVの 開発を続ける。
HDR (Homeland Defense Radar): $95.8M
 GMDを支援する脅威識別用レーダでハワイに設置するHDR-Hの機種選定作業はFY-18に開始されている。 FY21に設置 が開始され、FY23には運用が開始される。
 太平洋地域の別の場所に設置されるもう1基HDR-PはFY19に設置場所の選定が行われ、FY24に運用開始になる。
LRDR
 FY19に受領して2020年に試験を開始し、2022年に運用を開始する。
2018.01.11 Jane's 360 Surface Navy 2018: Lockheed Martin connects LRDR, Aegis Ashore <1802-011103>
 Lockheed Martin社が11日、Aegis Ashoreの基幹構成品であるSPY-1レーダと長距離識別レーダ (
LRDR)を連接する試験に成功したと発表した。
 同社はSPY-1とLRDRの組み合わせることにより、低リスクでAegis Ashoreに長距離捕捉能力を付与できる としている。
【註】
 我が国が装備を決めたAegis Ashoreに、Raytheon社が開発中の次世代Aegis搭載高性能レーダSPY-6を検討しているのに対し、従来のSPY-1を生産している Lockheed Martin社の足掻きともとれる。
 因みにLRDRは洋上配備X-bandレーダSBXの後継として開発中のレーダで、まだ完成していない。
2015.10.22 Defense News Lockheed Wins $784M Long-Range Radar Contract <1511-102202>
 米
MDA が、アラスカに設置する長距離識別レーダ LRDR を、$784Mで Lockheed Martin社 に発注した。
 懸念される米国防費の強制削減 (sequeatration) の LRDR への影響について MDA 長官は、配備時期が遅れる可能性があることを明らかにした。
1405-031207 (JDW 2014.03.12)】
2015.05.22 MDA HP Department of Defense identifies planned site of future Long Range Discrimination Radar (LRDR) <1506-052208>
 米国防総省が22日、
BMDS で目標を弾道の中期で判別する長距離レーダ LRDRアラスカに設置すると発表した。 LRDR は2020年に運用を開始する計画である。
 アラスカでは Clear 空軍基地に空軍宇宙軍のレーダも設置されている。
2014.08.20 Jane's Defence Weekly MDA looks for cost estimates on three LRDR configurations <1410-082007>
 米
MDA が8月8日、長距離識別レーダ LRDRRfP 素案を 発簡した。 回答期限は9月12日になっているが、最終 RfP の発簡時期は明らかになっていない。 しかしながら発注は2015年6月で、配備時期は2020年 になっている。
 RfP 素案によると LRDR は3案が考えられており、いずれも S-band であるものの、
 ・一面方式
 ・二面方式で、主面にだけ人員を配置
 ・二面方式で、両面に人員を配置
が考えられている。
2014.04 International Defence Review US funds development of new long-range radar and common kill vehicle technologies <1405-040015>
 米
MDA が、FY15予算に$7.4Bを要求した。
EKV の再設計: $99.5M
 2017年までに追加調達する44発は従来型の EKV
CKV の開発: $26M
 CKV は、EKV、SM-3、THAAD 共用の将来 KV
LRDR の開発: $79.5M
 LRDRSBX に代わる mid-course 用レーダで、主に太平洋で使用
Discrimination Improvement for Homeland Defense: $122M
SM-3 Block ⅠB 30発の調達: $435M
THAAD 31発の調達: $464M
2014.03.12 Jane's Defence Weekly MDA to begin EKV redesign <1405-031207>
= FY15米国防予算案における MDA 予算に関する記事 =
 米
MDA はFY15予算に$7.4Bを要求しているが、その中で GMDEKV 再設計に$99.5Mを要求している。 改良型 EKV はモジュラ方式オープンアーキテクチャが採用される。
 このほかに MDA は、目標判別用長距離レーダ (LRDR) に$79.5Mを要求している。 LRDR は太平洋 方面から米本土に飛来する驚異を、飛翔中期に判別しようというもので、洋上設置 X-band レーダ SBX設置場所の柔軟性を付与する計画である。
【註】
 SBX は目標の捕捉、追随、類別及び効果判定を行う前方配備の MFR で、マーシャル諸島クウェゼリン島の実験施設に設置された X-band レーダを、満載排水量50,000t、全 長119m、幅73.2mの石油掘削用ジグに取り付けたシステムで、自律航行能力を有しており、太平洋海域を移動して運用されていたが、FY13米国防予算で研究船に格下げされた。