中国の戦域防空システムに関する記事

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2020.03.17 Jane's 360 HQ-9B SAM battery deployment identified north of Beijing <2004-031705>
 民間衛星が3月12日に撮影した画像から、中国軍改良型HQ-9B SAMの5番目の中隊を配置したことが明らかになった。
 中隊は第22 SAM旅団隷下の第55大隊に所属し、北京北方に駐屯して今までHQ-2を装備していた中隊である。
2019.11.22 Jane's 360 Uzbekistan conducts first FD-2000 air-defence test <1912-112206>
 ウズベキスタン陸軍が11月7日、同国防空軍が初めて実施したFD-2000中距離SAMの標的機に対する訓練の映像を公表した。
 映像にはFD-2000の
TEL 2基、HT-233捕捉レーダ1基、指揮統制装置のほかに、Pechora-2M(註:S-125-2M)の発射機2基とソ連時代のS-125(註:SA-3)も写っていた。
2017.02.06 Defense News Taiwan to upgrade indigenous missile capabilities <1703-020603>
 台湾は国産のASCM、SAM、AAMの射程延伸等の改良を行っており、HF-2とHF-3は、それぞれ射程 を156、250哩に延ばしている。 天弓-ⅢSAMは
TBMの迎撃にも成功している。
 また射程375哩のHF-2E陸上発射型LACM2011年に量産に入っている。
2015.11.15 Defense News Turkey cancels $3.4B missile deal with China <1512-111501>
 トルコのアンタルヤで G20 サミットが開かれるなか、トルコ首相府当局者が15日、中国から BMD システムを購 入する計画は破棄されたことを明らかにした。
 第1の理由はトルコが独自の BMD システムを構築することで、第2の理由は中国と技術移転の問題で合意できなかったことによるという。
2015.07.28 Defense News Turkey may renegotiate air defense deal with China <1508-072802>
 トルコのエルドアン大統領が中国訪問を前にした28日、2013年9月に一旦中国製の機種を選定した同国の長距離 SAM
T-LORAMIDS について、当初は中国製が最適であったがその後幾多の障害に見舞われたと、見直しを示唆した。
 T-LORAMIDS は機種選定は行われたが、契約は行われていない。
2015.03.19 朝日新聞

インターネット

中国製ミサイル装備、トルコに売却へ NATO では初 <1504-031901>
 人民日報などが18日、中国製
HQ-9トルコに売却されることが決まったと報じた。  トルコは2013年に HQ-9 を購入する方針を発表したが、米国や NATO の反発を受け、いったん見送っていた。
 具体的な契約内容は明らかになっていないが、実際に導入されればトルコ軍に中国人技術者が関与する可能性もあり、NATO 軍に関わる情報流出の懸 念もあるが、トルコが購入を決断した背景には、安全保障面での協力を通じて中国との連携を深め、中東地域での米国の影響力に対抗する狙いがあると の見方も出ている。
2015.02.19 Defense News Turkey Won't Link Air Defense System to NATO <1503-021907>
 トルコ国防相が19日に議会での質問に答え、トルコの長距離防空/BMD システム(註:
T-LORAMIDS)は NATO のシステムとは連接しないと述べた。
 トルコは2013年9月に T-LORAMIDS の機種を中国製(註:HQ-9)に内定したが、中国システムは NATO システムに 連接させないとの欧米の強い反対に遭い Aster 30 と Patriot も候補機種に含め、最終決定をたびたび延期している。
2013.09.30 Aviation Week & ST Turkey selects Chinese SAM <1311-093002>
 トルコがかねてから計画を進めていた T-Loramids に、中国の HQ-9 を選定した。 契約額は$3B と見られている。
 この結果 NATO は、トルコの HQ-9 を NATO の防空/BMD システムへ接続させないと見られる。
2013.09.30 Yahoo Searchina 記事

「トルコへの輸出決めた中国のミサイル、日本の部品使っていた」

<1310-093001>
 トルコへの売却が決まった中国の
HQ-9 (FD-2000) に日本製の部品が使われていることが分かった。 使わ れているのはリミットスイッチというスイッチの一種という。
 中国では、潜水艦にも日本の某社が生産しているレーダが用いられているおり、国防安全上の 懸念事項などの声が上がっている。
2013.09.27 Chinese Military Review FD-2000 / HQ-9 surface to air missile (SAM) system wins Turkish contract <1310-092704>

 トルコ長距離防空/BMD システム T-LORAMIDS に、PAC-2/PAC-3、 S-400SAMP-T を退け、中国の HQ-9 を選定した。

2013.09.27 China Defense No this SAM deal is not the only China Turkey defense project <1310-092703>
 NATO の一員で NATO で二番目の兵力を有するトルコが、長距離防空/BMD システムに、中国の
HQ-9 を選定した。 専門家は中国の兵器の一部はロシアや西側の兵器と比べて、遜色のないレベルに達して いると見ている。
 SIPRI によると、昨年中国は五番目の武器輸出国で5%のシェアを占めている。
2013.09.26 Defense News Chinese firm wins big Turkish air-defense deal <1310-092602>
 トルコが計画している長距離防空/BMD システム
T-LORAMIDS に、 中国の HQ-9 が選定された。 T-LORAMIDS 計画には、HQ-9 のほかに Patriot、S-300、SAMP/T Aster 30 が、HQ-9 が当初$4Bと されていた価格を$3Bに値下げしたため選定された。
 しかしながら中国のシステムを導入することで、T-LORAMIDS は NATO の既存 BMD 早期警戒システムへの 加入を拒否される可能性がある。
【関連記事:1307-062304 (Defense News 2013.06.23)】
2011.04.13 Jane's Defence Weekly China hints at capability improvements <1107-041308>
 中国が3月31日、二年ごとに発簡する国防白書を公表した。 今回の白書は前回2008年に比べ、武器に対する情報が 増えたが、依然として詳細は明らかにされていない。
 その中で防空能力について、中高度、高々度の SAM の発展が述べられているが、これは HQ-9HQ-15 を指すと見られる。 中国のメディアはこれらの SAM について、大規模な防空演習が行われていたのにあわせ、3月28日に発射試験が行われた と報じている。
【註】
 中国がライセンス国産した S-300MPU-1 (SA-10D) が HQ-10 で、HQ-10 を改良したのが HQ-15 である。 HQ-15 の最大射程は200km と言われる。
Missile Threat の頁】
2009.05.11 China Defense Blog HQ-9 SAM to Iran? <0906-051102>
 イランの PressTV が、ロシアからの S-300 の導入が成功しなければ中国から HQ-9/FD-2000 を購入することになると報じた。 HQ-9 は、ロシアから借用(イランの報道)した S-300 と Patriot の技術 を組み合わせた SAM であるが、射程は S-300 PMU1 の150kmには及ばない。 HQ-9 の射程、射高は以下の通りである。
  対航空機: 射程 7~125km
  対 ASM : 射程 7~50km 、射高 1~18km
  対 CM  : 射程 7~15km 、射高 ~25m
  対弾道弾: 射程 7~25km 、射高 2~15km
2009.04.30 China Defense Blog HongQi (HQ) 9 vs Lockheed's Patriot Advanced Capability-3 (PAC 3) <0906-043001>
 中国がトルコの防空システムに、PAC-3 と対抗して HQ-9 を提案している。 HQ-9 はロシアの S-300 を中国で改良した SAM で、SJ-231 レーダ(右図)には米国の技術が盗用されていると見られ、 艦載用の HQ-9AType 052C 駆逐艦に装備されている。
 今回トルコに提案されているのは HQ-8B で、SARH シーカの他に IIR シーカも搭載 される。
2006.09 Jane's Missiles & Rockets Chinese Luzhou-class construction points to TMD capability <0618-090032>
 中国が建造中の Type 051C Luzhou 級 DDG Shijiazhuang (艦番号 115) は、 48発の S-300F (SA-N-6) と8発搭載の RIF-M 発射機を6基、及び I/J-band の 30N6E1 レーダ1基を装備し、 限定的な TMD 能力を有し、北方艦隊で TMD 任務にあたる模様である。
 S-300F は300kmの射程を持ち、ロシアによると米国製 Lance を模した TBM 撃墜に成功しており、 PAC-2 並の TMD 能力を有する。
(関連記事 JDW 2006.02.01)
2006.05.03 Jane's Defence Weekly Ankara cleares missile defence purchase <0610-050306>
 トルコはミサイル防衛用に、4個中隊分として$1Bを準備し機種選定を行っている。 PAC-3 と S-300 が有力候補であるが、SAMP/T 及び中国の HQ-9 も候補になっている。 Arrow は候補にあがっているものの高々度専用でトルコの要 求に合致していない。
 トルコ空軍の首脳は PAC-3 より S-300 の方が従来脅威に対する射程が長く、トルコの要求に近いと発言して いる。
2006.05 Jane's Missiles & Rockets China's PLA tests Patriot-class SAM <0611-050021>
 中国軍の機関紙が Patriot 級の新型 SAM の発射試験が行われていると報じた。 試験を実施している部隊 長は、非常に高い精度で高々度から低高度までの目標に対処できると言っている。
 この SAM は中国が開発した HQ-9 S-300 (SA-10) や Patriot の技術を用いて改良したシステムと見られている。 Patriot はイスラエルから供給 されたと報じられている。
2006.03.27 朝日新聞

インターネット

「中国、新型ミサイル実験で・・・」 <0607-032701>
 中国系香港紙が27日、中国軍が国内各地で新型の地対空誘導弾の発射試験を進め、良好な成果を上げていると 伝えた。 新型誘導弾の型式などには触れていない。
 同紙や解放軍の機関紙「解放軍報」によると、軍はすでに沿海地方や西北部の砂漠地帯で実射実験に成功している。 3月には北京軍区 空軍が、敵の電子妨害下を進入する目標をレーダーでとらえる実験に成功した。
2006.02.01 Jane's Defence Weekly PLAN's latest missile destroyer reveals its defence systems <0604-020115>
 中国の Type 051C Luzhou 級ミサイル駆逐艦の対空装備が明らかになった。 051C には格納庫がなく、主装 備である Rif-M (SA-N-6) の8発垂直発射機が4基搭載されている。 また2基の8発発射機が前部にもあるため、 同艦は計48発の発射機を持つ。 CIWS は7砲身30mm砲を搭載している。
 Rif-M (SA-N-6) は Type 51 Luda 級及び Type 51B Luhai 級にも装備されているが 、固定フェーズドアレイレーダを搭載する Type 052C Luyang Ⅱ 級は HHQ-9 長距離 SAM を装備している。
( Type 052C に関する記事 艦船 2005.09)
2005.08 Jane's Missiles & Rockets Chinese SAMs engage targets <0516-080014>
 北京軍管区の SAM 旅団が行った演習で、HQ-9 と見られる SAM が巡航ミサイル を模擬した標的を撃墜する場面が、中国の TV で放映された。 放映後の解説で10目標を10発の SAM が迎撃し、そのうち1発は18kmで迎撃したと報じた。
2005.05 Jane's Missiles & Rockets Pakistan could test a high-altitude SAM <0511-050003>
 パキスタンが大型 SAM の発射試験を行う模様である。 このミサイルは100kgの弾頭 を持ち高度98,000ftまでの目標を迎撃する。
 従来パキスタン国産の SAM として報じられた Anza シリーズは最大のもので射程15kmの Mk Ⅲ であることから、このミサイルは 中国製の HQ-2(註:中国製の SA-2 )の改良型か、同じく中国製の FT-2000(註 :FT-2000 は対空 ARM であるので、これは HQ-9 SAM の誤りと見られる)と思われ、いずれにせよ 最大射高から ABM 能力を持ったものの様である。
 この報は、インドが米国と PAC-3 の売却交渉を行っているとの報道に呼応して行われた。
2004.12 Jane's Missiles & Rockets China plans two FT-2000 variants <0503-120014>
 中国が2種類の FT-2000 対空 ARM を開発している。
 1998年に初めて報じられた際、FT-2000 は HQ-9 SAM の一種と見られていたが、珠海で開かれた中 国航空展で COSIC社が FT-2000 には射程12~60kmの FT-2000A(右図)と、射程20~120kmの FT-2000B があることを明らかにした。
 いずれも1~18GHzをカバーするシーカ(右図、右下)を搭載するが機体は FT-2000A が HQ-2(註:中国製 SA-2 )を、FT-2000B が HQ-9 を使用している。
 システムは1セットのパッシブレーダと、ミサイルを1発ずつ搭載した発射機12基で構成され、パッシブレーダ は中央の主受信局と3基の副受信局の合わせて4受信局で構成される。
 HQ-9 は Patriot や S-300PMU1 を参考にした円筒キャニスタ発射機の SAM であるが、まだ運用開始には至っていない。   
2002.08 Jane's Missiles & Rockets China hopes to counter US ABM defences
= 中国の ICBM 等戦力増強に関する記事 =
 中国は ABM に対抗するため ICBM の増強、複数弾頭化などを図っている。 現在中国は米国まで到達可能な ICBM を20基程度配備して いるが、2005年までには30基、2010年までに60基に増強される。
- その他 BLBM, IRBM, SRBM の増強に関する内容(略) -
 HQ-9 SA-10 と共通の技術を用いたSAM で、高性能航空機、巡 航ミサイル、ASM 及び TBM 要撃能力を持つ。
 また、ロシアと共に対空用の HPM (High-Powered Microwave) 兵器 Ranets-E の開発に関与している模様であ る。 この兵器は精密誘導兵器の誘導を妨害する。
 更に地上設置の HPM を ASAT (Anti-Satelite) 用に使用することも検討されている模様である。
2001.08.15 Jane's Defence Weekly New missile for Chinese FT-2000 SAM system  中国の当局者が FT-2000 に新しいバーションがあることを明らかにした。
 FT-2000 は AWACS や ECM 機を長距離で攻撃する射程12km~100km、射高20km、発射重量1,300kg の ARM 型 SAM であるが、新型で はアクティブシーカが取り付けられている。
 このミサイルはロシアの 5V55 に類似しており、発射方式もコールドロンチである。