2007年までの中国の UAV に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2006.11.22 Jane's Defence Weekly Chinese UAV has ability to locate radar signals <0624-112207>
 中国の CASIC社が珠海航空展で、レーダ標定用Single-Station Positioning System を公表した。
 システムは回転翼 UAV に搭載されていて、レーダ波の捕捉してパラメータを測定し、送信パルスの特性を分 析する。
 但し、技術的な諸元は公表されていない。
2006.11.13 Aviation Week & ST China is no exception to the aerospace fervor for ・・・・ <0623-111302>

 11月初めに広東省で開催された中国航空ショーには、CAIC社を初めとする各企業が構想段階を含む UAV/UCAV の実物大模型を出品した。
 Chengdu Aircraft社の HALE UAV (右図上) は米国の Global Hawk に極めて類似した設計であり、ステルス型の暗剣 (右図下) と共に、いずれもコンセプト段階ではあるが注目を集めた。
 この他に、Guizhou/Chengdu 共同設計の Soar Dragon HALE、Guizhou社の WZ-2000 が展示された。 WZ-2000 は Predator とほぼ同じ大きさのプロペラ推進 UAV で航続距離は短い。 最初に展示されたのは2000年で、飛 行試験は既に行われている模様である。 

2006.11.06 Yahoo 産経新聞記事

中国製ステルス模型お披露・・・」

<0622-110601>
 中国の軍事技術を一堂に集めた航空ショーが広東省珠海市で開かれ、世界の30ヶ国以上からさまざまな戦闘機や爆撃機、衛星ロケット などが展示され、世界各国の軍事産業関係者らでにぎわった。
 測位衛星誘導の長距離ミサイルや大陸間弾道ミサイルが展示されるなか、とくに注目を集めたのは 「暗剣」 UAV で、コンセプト段階の模型だが、形状は米軍のステルス戦闘機に良く似ていて、ステルス性をもっている。
2006.05.10 Jane's Defence Weekly Frontline flyers <0611-051008>
= 各国の UAV に関する10頁にわたる特集記事 =
欧米等の UAV
 Heron、Fire Scout、Predator、Sperwer、Barrakuda、Neuron、Watchkeeper、Global Hawk、など。
ロシアの UAV
 冷戦時代の Tu-123 は重量35,610kgであったが、1990年代のTu-143 (右図上)及び Tu-243 は、それぞれ1,200kg、1,400kgになった。 Tu-143、-243、-141は 高亜音速のターボジェット機である。
 チェチェン紛争以来ロシアでも UAV の需要が高まり、初めて中隊レベル用に開発されたのが、重量98kg、翼端長2.7mの DPLA-60 Pchela-1 で、TV カメラ搭載の -1T 型と電子戦装置搭載の -1PM 型がある。  DPLA-61 Shmel-1 は Pchela-1 の発展型である。 Stroy-P は Schmel-1 を用いた戦術情報シス テムである。 Stroy-P は1995年にチェチェンで使用された。
( Pchela-1 関連記事 IDR 2004.04)
 1990年代後半に Sukhoi社が Zond シリーズの UAV を発表した。 Zond 1 は Global Hawk 級で、 これに三角形のアンテナを搭載して AEW 用にしたのが Zond 2(右図中)である。  Zond 3 は Predator 級の UAV である。
( Zond 関連記事 AW&ST 2003.09.15)
中国の UAV
 中国は各種戦術用 UAV を開発しており ASN-206 ANS-207 が 知られている。 2002年には ANS-207 改も出現した。 このほかM-22 NRIST Z-2Z-3I-Z などの VYOL UAV や mini UAV(右図下)も開発されている。
 2000年には後退翼で重量1,700kgの WZ-2000 が公表されている。 WZ-2000 は速度が800km/h、航続 距離が800kmで、実用上昇限度18,000mの性能を持つ。
2005.09.28 Jane's Defence Weekly China details improved W-50 UAV <0520-092803>
 中国の CPMIEC社が9月にロンドンで開かれて DSEi 展で、W-50 UAV の最新型 PW-2 を公表した。  W-50 は PW-1 に改称されている。 PW-2 は航続距離、ペイロードで PW-1 を上回っている。
( W-50 UAV に関する記事 JDW 2002.12.04)
 PW-1 は全長3.2m、翼端長4.8mで、巡航高度1,000〜3,000m、実用上昇限度4,600m、巡航速度120〜 150km/h、最大速度180km、最大離陸重量130km、ペイロード20kg、対空能力6時間である。  PW-2 のサイズは PW-1 とほぼ同じと見られ、性能は巡航速度140〜160km/h、最大離陸重量210kg、ペイ ロード30kgになっている。
 PW-2 より小型の W-30 及び PW-1 は中国陸軍に採用されている。
2005.06.26 Yahoo 共同通信記事

「対中武器輸出を中止か、イ・・・」

<0513-062603>
 イスラエル紙が26日、中国から受注していた無人偵察機用部品の輸出を差し止めたと報じた。
 同紙によると、イスラエルは1990年代に中国に攻撃機能を備えた無人偵察機を売却したが、今回その交換用部品の輸出が問題になって いる。 中国が昨年、同機をイスラエルに送り返したことについて、イスラエル側は定期補修作業だと説明していたが、米国は 性能アップが目的だとしていた。
【註:】
 『無人偵察機』とあるのは Harpy Lethal UAV のことで、実態は偵察用 UAV ではなく、弾頭を搭載す る射程500kmの巡航ミサイルである。
2004.11.17 Jane's Defence Weekly Turbofan engine boasts greater thrust capability <0422-111713>
 中国の CAIC社傘下の GTE (Gas Turbine Establishment) が、WS500 ターボファンエンジンシリーズを開発し 、中国航空ショー2004に展示した。
 WS500 は500daNの推力を持ち、UAV のエンジンに適しているが、ビジネスジェット機にも使える更に高推力型 も開発しており、シリーズとして180daN〜800daNが開発されている。
 GTE は推力が10,000kg以下の軽ガスタービンエンジンの開発を焦点としている。 
【註:】
 推力の単位 'daN' とは 'deca N' のことと見られ、1daN≒1kg となる。
2004.10 Jane's Missiles & Rockets China test fires new land-attack cruise missile <0423-100017>
 中国が第二世代 LACM である射程1,500km DH-10 (Dong Hai-10:東海-10) の発射 試験を行った。
 DH-10 は陸上発射型で、終末誘導にディジタル sxene-matching 誘導を取り入れており、 CEP は10mと見られている。
 この他に中国は第一世代の ALACM である射程400〜500kmの YJ-63 (Ying Ji-63:撃鷹-63 ) の配備を開始した模様である。
 YJ-63 は Tu-16 のコピーである H-6 爆撃機の翼下から発射され、500kgの弾頭を積んでMach0.68で飛行する。 終末誘導には何らかの EO が用いられている模様で、CEP は10〜15mになる。
 終末誘導が TV 方式であった場合には観目線の通信リンクが必要となるが、中国は2001年にイスラエルから Harpy UAV を導入し現在運 用している。
 H-6 爆撃機の1機には翼下の4ヶ所に CM 用のパイロンが取り付けられており、今後25機の H-6 が同様に改造 される模様である。 
2004.06.07 Aviation Week & ST Threat asseccment <0411-060703>
 DoD が公表した2004年版中国の軍事力によると、中国軍の近代化と技術革新は着実に進め られている。
 台湾向けに配備している SRBM が500発に増加し、ICBM は来年までに20発から30発に増強、10年以内には60発 を保有するものと推測している。
 戦闘機は国産開発の J-10 は運用開始までに更に数年を要するとみられるが、今年ロシアから 24機の海軍仕様の Su-30 を購入する。 戦闘機の近代化とパイロットの技能向上により、アジアでの 米中空軍力は10年以内にほぼ同等となると見積っている。
 UAV は航続距離の短い機種を既に運用を開始しており、長時間滞空の機種の開発に重点が置かれている。 また、新型攻撃ヘリ Z-10 が仏、伊の協力により開発を終え、昨年初飛行を行ったものとみている。
 最近中国が展示した最新型シーカー(右図)は、YJ-63 陸上攻撃巡航ミサイル用と推測され ている。
2004.05 National Defense China is pursuing unmanned tactical aircraft <0411-050004>
 中国は1990年以降 UAV の研究開発と改善を着実に推し進めている。
ASN-105B:
 最近陸軍が導入した翼端長5m、搭載重量40kgの GPS誘導による戦場監視用 TUAV で、時速200km、 7時間の滞空で150kmの範囲をカバーする。
 システムは6機の UAV と主地上制御装置、車載制御装置、写真作成シェルター、TV/IR映像処理シェルター及び発射装置からなる。
ASN-206:
 数年前に開発された翼端長6m、搭載重量50kgの昼夜間偵察監視、目標位置評定、砲兵の観測用 TUAV で、時 速210km以上、高度6,000m、8時間滞空で150km以上の範囲をカバーする。
 システムは1機の UAV と電源装置及び発射/回収装置からなる。
ASN-15 (右図) :
 10年前から運用している翼端長3mの手投げ式偵察監視用 TUAV で、時速90km、高度500m以上で10kmの範囲をカバー する。
 システムは3機の UAV と地上制御装置、遠隔操縦用送信機、ビデオ受信機、ビデオダウンリンク及びフィルムカメラからなる。
 中国はまた、1999年以降 Mini-UAV の開発も進めている。
2004.03.08 Aviation Week & ST Branching out <0406-030802>
= 各国の UAV 開発状況に関する記事 =
 シンガポールで2004年 Asia Airshow が開催された。 UAV の導入は世界的な傾向にあり、現在39ヶ国が製造又は独自開発を行ってお り開発国は更に増加するものとみられる。
・Sweden:Mini-UAV と MALE 及び UCAV に関心を示し、独自開発と共に仏独の MALE-UAV 共同開発に参加。
Singapore:重量80kgのMAV-1 ステルス UAV の試験飛行を近日中に予定。
韓国:6時間滞空の TUAV を独自開発中(右図)
・中国:3機の TUAV を展示
    ASN-105B;航続距離150km、7時間滞空、搭載量40kg
    ASN-7;航続距離40km、1時間滞空、搭載量10kg
    ASN-15:手投げ式、1時間滞空、搭載量6.5kg(開発中)
2003.08.04 Aviation Week & ST Bulking up  このほど公表された DoD による中国の軍事力分析によると、最新型戦闘機と弾道ミサイルの増強に加え、人民軍は情 報/偵察監視能力の強化と UAV、UCAV の開発に着手しており、東アジアの軍事バランスが大きく変化しつつある。
戦闘機
 保有戦闘機の数量は昨年の3,400機から3,200機に減少したものの、これは近代化に伴う旧型 機の廃棄によるものとみられ、ロシアから最近購入した Su-27 や Su-30 を含め 第4世代戦闘機は150機と昨年より50%増加している。
 また、独自開発した J-10 (F-10) は既に少数機が就航し、数年後には運 用が開始されるとみられる。
弾道ミサイル
 台湾に指向する SRBM の数量は昨年の350発から450発に増加沖縄が射程に入る CSS-6 SRBM の改善も進められているとみられる。
 また、潜水艦発射の JL-1 が今年中に配備されるとみられるが、ICBM DF-31 は開発が遅れ配備は5年後以降と見積もられている。
宇 宙
 対衛星システムの開発をすすめ、2005年から2010年に配備されるとみられる。 偵察監視衛星に関しては2007 年を目標に25t級の Low-Earth 衛星と16t級の静止衛星の打ち上げを計画している。
 中国はまた、米軍のアフガンとイラクでの作戦運用を戦訓とし、特殊部隊の増強、戦闘車両による作戦及び UAV、UCAV の使用を積極的 に進める検討を行っているとみられる。
2002.12.04 Jane's Defence Weekly China adds to drone stable  中国航空ショー2002で、各種 UAV 及び標的機の詳細が公表された。
 NRIST社は W-50 UAV(右図上)を展示した。 W-50 は同社製 W-30 の発展型で、100kmの行動半径と4〜6時間の滞空 性能をもつ。 実用上昇限度は9,840ftである。 同社はこの他に各種標的機を展示した。
 Beijing Wiesell Avionics Science & Technology社は AW-4 Shark UAV(右図下)を展示した。 AW-4 は3番目のバーションである。
 同社は他に AW-12A 携行型 UAV の写真を展示したが、詳細は公表されていない。