対 ARM デコイに関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2012.04 Jane' Missiles & Rockets KB Radar develops an anti-ARM system <1207-040008>
 ベラルーシの KB Radar社が、VHF-band ドップラレーダを用いた対 ARM 装置 DOR を開発した。  DOR には固定設置型と移動型があり、移動型は S-300、Tor-M/M1 などに随伴する。
 システムは制御装置、レーダ装置、RF 又は IR デコイ一式、及び他の受動式対抗装置を持ち、レーダのアンテナは非回転で8個の アクティブモジュールで走査する。
 システムは同時に60目標の対処が可能で、目標位置標定誤差は距離で40m以内、方位で10゚以内である。
2009.12 Jane's Missiles & Rockets Serbia markets decoys tested in NATO campaign <1002-120001>
 セルビアの Yugoimport社が、1999年の NATO によるユーゴ空爆時に使用実績のある MD-04 レーダデコイの販売活動 を行っている。 MD-04 は人力可搬の安価単純構造で、S-125M (SA-3) 用 SNR-125M 誘導レーダの防護に使用する。
 送信には SS-N-2 Styx から外したマグネトロンを使い、固定式ホーンアンテナのビーム幅は30゚である。 送信周波数 は9.2~9.5GHzで、送信出力は5kW以下、パルス幅は0.2~0.3μである。
2007.11 Jane's MissiIes & Rockets SRTZ-2TM protection system offers anti-radiation missile defence <0724-110006>
 SRTZ-2TM 自己防護装置が S-125M Neva-M (SA-3) の改良型であ る S-125-2TM Pechora-2TM にオプション装備として追加される。 SRTZ-2TM は ARM 回避装置で、 GPS/INS 誘導などにより電波止めても 向かってくる ARM にも対抗できる。 このシステムを使用した場合 の生存確率は、HARM の単射に対して93%、2発斉射に対して92%、4発斉射に対して90%である。
 受信アンテナはシェルタ側面に配置され、送信アンテナはシェルタ上と、5mの伸 縮式マウント上の2ヶ所に取り付けられている。 電源は20kWの発動発電機を内蔵している。
【註:】
 北朝鮮が SA-3 の改良キットに関する情報を収集しているとの報道(JDW 2007.03.14 )がある。
2006.03 Jane's Missiles & Rockets Russia develops decoy to counter US HARM missiles <0608-030001>
 ロシアとベラルーシの合弁会社である Oboronitelniye Sistemi社が、S-125-2M Pechora-2M (SA-3) 用の KRTZ-125-2M デコイシステムの詳細を公表した。 このシステムは HARM によ る攻撃の回避に特化したものになっている。 同社は、このシステムを SA-3 以外にも使用できるよう準備している。
 システムは6基の OI-125 送信装置と1基の OI-125BS 指揮通信装置からなり、OI-125 は掩護対象レーダから 離隔した場所に半径300mの円周上に等間隔に配置される。 OI-125BS は掩護対象の PRF を受信してこれに同期 した角度欺騙信号を発生し、飛来するミサイルを偽目標に引きつける。
 OI-125 の重量は24kgで、56kgのバッテリと一緒に使われる。
2004.12.08 Inside Missile Defense Navy to award BAE Systems Austraria contract for Nulka decoy <0504-120802>

 米海軍は、艦船用 Nulka 電子デコイの改善を、3年間$45Mで BAE Systems Austraria社に発注した。
 Nulka は米、豪、加の海軍が運用している各種対艦ミサイルに対処するデコイで、更なる性能改善を目指す。
 同社は7月にデコイ発射システムの開発を$9Mで受注している。

2004.08.18 Jane's Defence Weekly MASS softkill system scores new orders <0415-081814>
 Rheinmetall社は、新たにスウェーデンと UAE の2ヶ国から MASS (Multi-Ammunition Softkill System) を受 注した。
 MASS は制御装置、32連発射機Omni-Trap 81mmデコイ弾で構成され、システムはデ コイ弾の発射高、方向、距離、発射数、発射間隔の5要素を制御して本船を偽偏した妨害を行う。  2軸で方向を変えることができる発射機と制御装置は艦あたり1~4基搭載される。
 Omni-Trap は以下のスベクトラムの妨害を行う。
  ・818GHz RF
  ・214μ IR
  ・1.06μ Nd:YAG Laser
  ・10.6μ CO2 Laser
  ・0.41.1μ EO
  ・0.30.4μ UV
(関連記事 IDR 2004.02)
2004.03 International Defense Review Active offboard decoy enters UK service <0405-030005>
 英海軍は2003年9月に行われた試験の成功を受け、Mk 251 ADR (Active Decoy Round) の配備を開始する。  Mk 251 ADR は Outfit DLH の構成要素となり、既存の Outfit DLB/DLI と換装される。
 Mk 251 ADR は 'Siren' とも呼ばれる I/J-band マルチモードジャマで、船の500m以内であれば敵の動きに合 わせてどこにでも飛ばすことができる。
 また、新しいパラウィングにより、激しいスウィングや旋回運動を行うことができる。
2004.02 International Defense Review Norway equips Skjold class with MASS <0404-020012>
 ノルウェー海軍が、6隻の新型沿岸警備艦に MASS (Multi-Ammunition Softkill System) を装備することにな った。
 MASS は発射方向可変の発射機から32発のデコイ OMNI TRAP を発射するシステムで、OMNI TRAP は紫外、可視 光、レーザ光、IR、電波と、あらゆる電磁波のスベクトラムに対応している。
 今までにドイツ海軍のコルベット艦、フィンランド海軍の高速艇、掃海艇に採用されている。
<(関連記事 IDR 2003.08)
2003.08 International Defense Review A counter to PGMs proposed  ドイツ Rheinmetall社の子会社 Buck Meue Technologien社が、デコイの考え方に基づく PGM 回避システム MASS (Multi Armmunition Softkill System) を提案している。
 このシステムはBuck社が昨年、独、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、UAE の海軍に売却したシステムが元になっている。
 システムは32発のデコイ弾を発射する発射機からなり、デコイ弾は10~15cmの3次元位置精度で発射され、掩護対象上空で2~3秒間閃光 を発し PGM シーカを無能化する。 次いで次のデコイが約200m離れた場所に発射され PGM を誘引する。
2003.06.11 Inside Missile Defense Navy places order for 25 Russian-made anti-ship missiles  米海軍は艦隊訓練と艦船の自己防衛用システムの試験用に、ロシア製の Kh-31A 超音 速対艦ミサイル25発の購入を決めた。
 海軍はこの数年使用している標的 MA-31 を Kh-31 に代えて運用する意向で、対艦巡航ミサイル能力向上のためFY-04予算に89発の NULKA 対艦ミサイルデコイも併せて要求している。
2002.08 Jane's Missiles & Rockets Decoy vehicle can mimic S-300V launcher  ベラルーシの企業が、PT-76 APC の車体を利用して S-300V (9K82) 及び S-300V-1 SAM に似せた極めて精巧なデコイ を開発した。
 このデコイは45km/hで走行でき、5分間で開設、撤収ができる。
2001.05 Jane's Missiles & Rockets Yugoslavia displays recoverd ALARM  ユーゴはこのほど、英空軍が昨年の多国籍軍作戦に使用した Matra BAe 社製対レーダーミサイル ALARM 1発を回 収復元し、ベルグラードの軍事博物館に展示した。
   ミサイルはほとんど無傷で、弾頭とシーカー等の電子機器はダミーに変えられ展示されている。
   なお同作戦で、特定の目標に対し米独が 100発の HARM を、英が 6発の ALARM を発射したが命中したのは ALARM 1発であった。
 最近ユーゴ当局が明らかにしたところによると、同国はロシアが開発した HARM 専用の電波放射デコイを 運用しており、これにより SAM 中隊に対するミサイルの目標照射時間を 50~70% に制限する効果があると いう。