2007年のオーストラリアの情勢に関する資料

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2007.12.03 Aviation Week&ST F-22 down under? <0801-120304>
 11月24日に発足したオーストラリアの労働党政権は、空軍が保有す F/A-18A/B 70機、F/A-18F 24機の後継として F-22 を導入する 意向を示し米国に打診している。 前政権は F-35 を導入する方針であった。
 新政府はまた海軍の増強も行う方針で、6隻の Collins 級潜水艦の更新と4隻目の6,250t防空駆逐艦の建造 を計画している。
2007.12 Jane's Missile & Rockets HMAS Melbourne gets ready for ESSM upgrade <0802-120020>
 オーストラリアが FFG UP(FFG Upgrade Project) 計画で改修を進めていたフリゲート艦 Melbourne に Provisional Acceptance Certificate を発簡した。 FFG UP は Adelade 級 FFG の能力向上と艦齢延長を目指すもので、Melbourne次の段階で ESSM を装備 する。 Adelade 級 FFG への ESSM 搭載は、既に Sydney で検証されている。
Sydney の ESSM 試験関連記事:0722-110014 (IDR 2007.11)】
 Adelade 級最終艦となる Newcastle の改修工事も10月に開始されており、Darwin を含む全艦が2009年までに再就役する。
2007.11.07 Jane's Defence Weekly Audit reveals problems with RAN upgrade <0724-110712>
 豪海軍監察官事務所が、$1.84Bにのぼる Adelaide (FFG-7) 級フリゲートの改良事業で、Thales Australia社 と DMO (Defence Materiel Organisation) の間に契約上の不正が行われていたことを明らかにすると共に、 一番艦の水中武器システムと ESM システムに重大な欠陥があることを明らかにした。
2007.11 International Defence Review Upgraded RAN frigates scores ESSM firsts <0722-110014>
 豪海軍の Adelaide 級フリゲート Sydney RIM-162 ESSM 初めての射撃 を実施した。 Sydney FFGUP (FFG Upgrade Project) 計画の一環として 8セル Mk 41 1基 を前部甲板に装備し、最大32発の ESSM を搭載できるようになった。 ESSM は Mk 92 Mod 12 FCS で Baseline Build 2 戦闘ソフトで管制された。
2007.11 International Defence Review Australia moves on AWD <0722-110005>
 豪海軍 AWD (Air Warfare Destroyer) の最終契約が10月4日に行われた。 Hobart 級駆逐艦3隻は Navantia社(註:スペイン)で設計され、オーストラリアの ASC 造船所で建造される。
2007.09.05 Jane's Defence Weekly Australia's new arms export uint sets strategy <0719-090514>
 オーストラリアは独自の軍事技術分野を生かした武器輸出を目指して DEU (Defence Export Unit) を設立し、2007年後半に活動を開始する。
 オーストラリアは JSF 計画において独自技術による構成品を提供しているほか、CEA社の レーダが中東で使用されている。 また JDAM の射程を延伸する技術も開発している。
( 豪 JDAM-ER 関連記事 JMR 2007.05)
 右図は米海軍の HSV-X1 及び米陸軍の TSV-1X 双胴型高速輸送艦で、いずれもオ ーストラリアで建造された。
2007.09.04 韓国中央日報

インターネット

米日豪に三角軍事同盟構築の・・・ <0718-090403>
 今年2月、チェイニー米副大統領が日本とオーストラリアを歴訪し、その1ヶ月後にはハワード首相が日本を訪れ安倍首相と安保協力 共同宣言を発表したことから、米日豪が三角同盟を構築する動きが浮き彫りになった。
 こうした動きがさらに具体化され、韓国が抜けたまま米国中心の新しい同盟体制が構築されれば、アジア太 平洋地域の同盟関係に新しい局面が展開されることになるだろうと韓国の外交当局者らは頭を悩ませている。
2007.08.29 Jane's Defence Weekly Four-nation naval co-operation worries China <0718-082911>
 インドが主催して9月4日から5日間ベンガル湾で行われる豪、米、日が参加する 4ヶ国海軍演習に対し、中国は対中国軍事グループ構成のきっかけになるのではと 神経をとがらせている。 この演習には米海軍から、空母 Kitty HawkNimiz を始め、攻撃型原潜 Chicago な どが参加する。
 日本とインドは安倍首相のインド訪問間の8月22日に防衛安全保障協力協定に調印している。 この協定で は広範囲な人事交流のほか、沿岸警備隊の共同作戦の拡大やシーレーン防衛の強化がうたわれている。
2007.08.15 Jane's Defence Weekly Australian DoD conveys JASSM commitment <0718-081512>
 オーストラリアは JASSM の最初の輸入国になったが、JASSM のトラブルから計画の再検討 を行っている。
 オーストラリアは F/A-18A/B 用に SLAM-ER TAURUS KEPD 350 を退け JASSM を採用し2006年9月に$255Mの契約を行い、3月には試験弾を受領しているが、国防省は、 計画は恐らく中止になると見ている。
2007.08.15 Jane's Defence Weekly Australian AWD contract includes a fourth ship <0718-081511>
 豪海軍の AWD (Air-warfare Destroyer) は2ヶ月前に、8,700t Flight U Arleign Burke 級に打ち勝って、 5,900tの F-100 級が選定されたが、豪国防省は8月8日に、契約には四番艦もオプションされていると発表した。
 AWD は2014年末に一番艦 Hobart、2016年に二番艦 Sydney、2017年に三番艦 Brisbane が就役する。
2007.08.13 Defense News Raytheon to equip F/A-18Fs <0718-081317>
 Raytheon社はオーストラリア空軍向けの F/A-18F に装備する ALR-67(V)3 ディジ タル RWR を総額$24.4Mで受注した。 ALR-67(V)3 の国外販売は初めてである。 契約は FMS で行われ、2009年10月から2010年9月の 間に納入する。
 同社はこの他にも、豪空軍の F/A-18A 改善の一環として55基の RWR を受注している。
2007.08.01 Jane's Defence Weekly Australia seeks to join P-8A development <0717-080110>
 オーストラリアが米海軍の P-8A Poseidon MMA の共同開発に参加する交渉を公式に開始した。 これによ り豪海軍が19機保有する AP-3C の後継は P-8A になることになる。 P-8A は豪空軍が6機購入した Wedgetail AEW&C 機と同じ Boeing 737 を使用するが、P-8A はより大型の 737-900 を使用する。 P-8A は米海軍が108機装備する計画であるほか、インドも P-8I の 採用を検討している。
 これとは別にオーストラリアは ISR 用 HALE UAV の装備を検討しており、候補には RQ-4N 及び MQ-9 Mariner があがっている。
2007.08 International Defence Review AESA gets USN green light <0718-080006>
 米海軍が F/A-18E/F に搭載する APG-79 AESA レーダの FRP 入りを承認した。  APG-79 は2008年の運用開始に向け2個 F/A-18F 飛行隊に装備されている。
 APG-79 はオーストラリアが Block U Super Hornet 用に24基を発注しており、 2010年に運用を開始する。
2007.08 International Defence Review Australia selects Spanish warship options <0718-080002>
 オーストラリアは AWD と LHD の二大艦船計画に、いずれもスペイン艦を選定し た。 AWD には5,900tF-100 Alvaro de Bazan 級が、8,100tの Arleigh Burke Flight U 派生型を抑えて採用された。 Arleigh Burke 改型が極めて斬新であるのに対し F-100 型は既に就役し ている実績がある。
 F-100 型は Baseline 7.1 AN/SPY-1D(V)48セルの Mk 41 VLS、 Mk 45 Mod 2 4.5吋砲、RGM-84L Harpoon 及び SM-2 を装備しており、既に四 番艦がミサイル発射試験を終わっていて、6月29日に五番艦も起工している。 一番艦である Alvaro de Bazan は今年初めに訪 豪(右図)している。
2007.07.23 Aviation Week & ST Tough road ahead <0716-072310>
 DoD は GPS の不具合と価格高騰から JASSM 計画の見直しを行っているが、継続調 達の可否決定を2008年春まで持ち越す。 JASSM は今年の発射試験で3発全てが失敗し、開発 経費も25%以上増加していることから DoD 内部では計画の中止と代替を購入する意見が強い。
 空軍と Lockheed Martin社は再度計画の見直しを行い、信頼性の回復に努めるが、代替として Tauras社は Tauras KEPD-350 (右図) を、MBDA社は Storm Shadow の売り込みを開始している。
 JASSM の導入を決めていた豪空軍は既に Tauras 及び Storm Shadow の購入を検討している。
2007.07 International Defence Review Australia, Japan co-operate <0715-070002>
 日豪は3月の『安全保障協力に関する日豪共同宣言』に引き続き、6月上旬に初めての日豪 2+2協議を行い、防衛協力関係を強化している。
2007.06.27 Jane's Defence Weekly Australia selects Spanish AWD and LFD designs <0714-062706>
 オーストラリアが次世代駆逐艦 AWD (Air Warfare Destroyer) と2隻の LHD スペインの設計を採用する決定を行った。 AWD は米海軍の Arleigh Burke 級 Flight UA の8,700t型を破っ て、Navantia社製の F-100 5,900tフリゲート艦が採用され、LHD には23,000tの豪海軍型 Mistral LHD を破 って Navantia社製の27,000t型が採用になった。
 AWD は SPY-1D(V) を搭載し、SM-2ESSM2基の Hapoon 四連装 発射機、2基の CIWS 及び Mk 45 Mod 2 5吋砲を装備する。 AWS は F-100 より VLS のセル数が48から64に、搭載ヘリ数が1機から2機に増える。
(関連記事 IDR 2006.10)
【註:】
 AWD は一旦、Arleigh Burke 級を改造した8,100t級にほぼ決まっていた。
 しかしながら、スペイン Navantia社案も、Arleigh Burke 派生型のコストが高すぎた場合のオプションとして留保されていた。
2007.06.25 Defense News Navantia wins Australian Destroyer,LHD contracts <0715-062501>
 オーストラリア海軍は AWS (Air Warfare Destroyer) 3隻と強襲上陸艦 LHD 2隻の 建造を総額$9.3Bでスペインの Navantia社に発注した。 AWS は米海軍の DDG-51 とスペイン海軍の F-100 が候補に挙がっていたが、 豪州仕様の F-100 が最終的に選定された。 Hobert 級駆逐艦となる AWS には、Lockheed Martin社製 Aegis Air Warfare System を装備する。 納入時期は2014年、2016年、2017年が予定されている。
  LHD はスペイン海軍の、全長230mで27,000tの Buque de Projection Estrategia の豪州仕様で、2012年と 2014年に納入される。
2007.06.20 Jane's Defence Weekly Wedgetail delays prompt Canberra to seek damages <0714-062009>
 Wedgetail AEW&C 機の納入遅延で、豪政府は Boeing社に対して賠償請求を検討し ている。 豪政府は2000年12月に、6機の Wedgetail を2006年から受領する契約を行ったが、2005年に 3ヶ月の納期遅延が発覚したのに続いて、25ヶ月の納期遅延が明らかになった。
 オーストラリアは現在、2009年3月に一番機、残りを2009年中頃に受領する計画である。
2007.06.18 Defense News ScanEagle UAV to fly in Afghanistan <0715-061805>
 豪陸軍はアフガニスタンで偵察監視用として ScanEagle UAV の運用を開始する。  UAV の運用及び維持整備支援は、豪州 Boeing社が総額$16.9Mで受注している。
2007.06.05 Yahoo 読売新聞記事

「日米 MD に豪が協力検討、・・・」

<0712-060501>
 ネルソン豪国防相が5日、日米の MD 開発に豪州が参画を検討していることを明らかにした。 ネルソン国 防相は、建造予定の駆逐艦3隻に弾道ミサイル迎撃システムの搭載を検討していると述べた。
 また同国防相は、北朝鮮のミサイルについて、理論的には豪州本土まで達する能力があると述べ、北朝鮮のミサイル 開発が豪州にも直接脅威をもたらすとの認識を示した。
(関連記事 2003.12.04 共同通信)
2007.05.30 Jane's Defence Weekly New Zeakand's Canterbury moves closer to sevice <0712-053005>

 オーストラリアで建造されていたニュージーランドの多目的艦 (MRV: MultiRole Vessel) Canterbury (9,000t) が5月31日に引き渡され、6月12日に就役する。 母港には6月28日に到着する。

2007.05.28 Aviation Week & ST ABM cooperation <0712-052804>
 日豪両国は3月に相互安全保障に関する合意文書を締結した。  豪州は日米が進めるミサイル防衛研究にも参加する方針とみられるが、米国の GMD システムを国内に配備する意図はない。
 一方で、豪政府は少なくとも3隻装備する Aegis 艦に SM-3 を装備する検討を行っているが、統合ミサイル 防衛研究への参加意志はいまのところ明らかにされていない。
2007.05.16 Jane's Defence Weekly Australia commits to major defence budget increase <0711-051605>
 オーストラリアの2007〜2008年国防費が、10.6%と過去30年で最 大の伸び率となる。 総額は$18.2Bで、国家予算の9.3%、GDP の2%を占める。
 最大の支出は24機の F/A-18F Block U Super Hornet の購入で、AUD624Mとなっている。
2007.05.07 Inside the Navy Australia finalizes purchase of 24 Super Honet Fighter aircraft <0713-050710>
 豪政府は5月2日に、24機の F/A-18E/F を$2.47Bで購入する契約をワシントンの大使館で締結した。 初号機の引き 渡しは2010年を予定している。 豪空軍 F/A-18E/F は米空軍と同一仕様である。
 今後10年間の維持整備に関する契約は8月までに締結する。
2007.05.07 Aviation Week & ST Australia has signed contracts ・・・ <0711-050705>
 オーストラリアは2010年に退役する F-111 の後継として、Boeing社に24機の F/A-18F を発注する契約を $2.4Bで締結した。 更に支援及び兵器購入契約を今年中に締結予定で、今後10年間における関連予算として総額$5Bを見込んでいる。
2007.05.02 Jane's Defence Weekly Details emerge of Australia's Arleigh Burke <0711-050206>
 豪海軍が建造する AWD (Air Warfare Destroyer) の詳細が公表された。 それによると原型となった DDG-51 Flight UA と50%が共通設計になっている。
 全長は DDG-51 Flight UA より6m短い137mで、排水量は500t軽い8,700tになって いる。 推進方式が CODAG (Combined Diesel and Gasturbin) に変えられるため最大速力は31ktから20ktに落 ちることになるが、Flight UA が20ktで4,400nm航続できるのに対し、18ktで5,600nm航行できるようになる。
 上部構造は SPY-1D(V) の捕捉距離を延伸すると共に、艦尾方向の捕捉性能を向上 させるため2.8m高くなっている。
(関連記事 IDR 2006.10)
2007.05 Jane's Missiles & Rockets Australia conducts successful JDAM ER flight test from F/A-18 Hornet <0713-050012>
 オーストラリアが同国製の拡張翼キットを取り付けた JDAM-ER の投下試験を行い 成功した。 JDAM-ER は Mk 82 500-lb JDAM に、Hawkwer de Havilland社が DSTO (Defence Science and Technology Organization) の技術を用いた開発した拡張翼キットを取り付けたもので、JDAM の投弾距離の三倍以上を飛行した。
2007.05 International Defence Review RAAF release Extened-Range JDAMs <0711-050004>
 オーストラリア空軍の F/A-18B が、同国の技術による拡張翼キットを取り付けた GBU-35 500-lb JDAM 2発 の高度20,000ftからの投下試験に成功した。 JDAM は拡張翼キットを用いることにより、投弾距離を16〜24kmから64 〜96kmに延伸することができる。
 同拡張翼キットはオーストラリア DSTO (Defence Science and Technology Organisation) の技術で Hawker de Havilland社が開発 した。
2007.03.28 Jane's Defence Weekly Three team up for Australian MUAS contract <0709-032812>
 オーストラリアの MUAS (Multimission UAS) 計画に向け、シドニーの Tenix社と Northrop Grumman社、 Saab社がチームを構成した。 MUAS は60,000ftを24時間飛行する UAV の計画で、2015年に退役が予定されている豪空軍の AP-3C 後継として2009〜2011年の配備が予定されている。
 この計画には Global Hawk と Predator が候補にあがっている。
2007.03.28 Jane's Defence Weekly Mariner proves worth in Australian coastal trials <0709-032809>
 オーストラリアは北西海岸で、GA社製 Mariner UAV の実機と仮想の Glabal Hawk による沿岸監視試験を実 施した。
 この試験で Mariner は22時間以上の滞空能力を実証し、搭載したセンサの画像を艦船に伝送した。
2007.03.21 Jane's Defence Weekly Japan broadens horizones <0708-032113>
 安倍首相とハワード豪首相が3月13日に「安全保障協力に関する日豪共同宣言 (Japan-Australia Joint Declaration on Security Co-operation) 」に署名したが、これは日本にとって米国以外との初の防衛協力協定 になる。
 日本の政府筋は、二国間の平和維持活動を効果的に行うため第一段階として高官級の交流を行い、次いで実務者級の交流を行うとし ているが、この協定は中国や朝鮮半島情勢を睨んだものと見られる。
2007.03.14 Jane's Defence Weekly Australia will buy 24 Super Hornet aircraft <0708-031402>
 オーストラリアは JSF の装備化遅延を見越して24機の F/A-18F Block U をAUD6B (USD4.6B) で購入する ことを3月6日に公式に発表した。 F/A18F は F-111 が退役する2010年に運用開始になる。
 豪空軍の JSF 計画は予定通り2013年に3個飛行隊分が調達される計画に変更はなく、2015年には 4個目の飛行隊分が調達る模様である。
2007.03.12 Aviation Week & ST Super stopgap <0707-031203>
 豪政府は2010年に耐用命数が切れる F-111 の後継に F-35 を導入する方針だが、納入が2014年以降となることから 穴埋めに24機の F/A-18F を購入することを決めた。
 政府は2020年までに3個飛行隊100機の F-35 を装備する計画だが、突然の$4.6Bにのぼる追加予算に国内で は反対も多く、 F-111 のオーバーホール、F-22 への機種変更等の案が野党や新聞で提案されている。
2007.03.05 Aviation Week & ST Hand in hand <0707-030506>
 米海軍は2月15日に、2014年の IOC をめざす BAMS (Broad Area Maritime Surveillance) の RfP を発簡した。 機種選定を今年秋に予定している。
 BAMS は海上偵察監視用長距離 UAV で、Global Hawk、Predator の派生型である Mariner、及び無人型 G550 が受注競争に参加する。  計画にはオーストラリアが共同参加する。
2007.03 International Defence Review Australia juggles high technology, great expectations, tight funds and low volumes <0707-030008>
= オーストラリアの軍事産業に関する4頁にわたる特集記事 =
 3隻の AWD (Air Warfare Destroyer: 右図) 及び2隻の LHD 建造を中心としたオーストラリア軍事産業の紹介。
 西オーストラリアを本拠地にする Austal社は民需を主とする造船企業であるが、アラバマ州にある造船所 では GD社が米海軍から受注した LCS Flight 0 の一番艦を建造している。 同社は全長101mの高速双 胴船を中東諸国に多数輸出しているが、米海兵隊も Westpac Express と名付けて沖縄に配置している。
2007.02.28 Jane's Defence Weekly Australia set to weigh up ship purchases by July <0707-022806>
 豪海軍は AWD (Aie Warfare Destroyer) 及び LHD (Landing Helicopter Dock) の業者選定を7月7日に控え、各社から最終提案を受領している。
 AWD には DDG-51 Arkeigh Burke 発展型と、スペイン海軍 F-100 フリゲート艦の 豪海軍型の、共に Aegis SPY-1D を装備する機種が競っている。
 LHD には21,000tの Mistral 級と、27,000tの BPE 改良型が提案されており、BPE の左舷側には STOVL F-35 JSF の運用が可能なスキージャンプ台がもうけられている。
2007.02.12 Aviation Week & ST Aviation gamble <0705-021204>
 米海軍は F/A-18E/F と F-35 及び UCAV との混合運用を検討中であり、少なくとも2030年頃まで F/A-18E/F と F-35 の併用は確実視されている。
 F/A-18E/F は2010年以降 IR 捜索追随機能が付加される。 また、旧式の A/B/C/D 型の耐用命数切れにより、2015年までに59機が退 役することからその充足も考慮が必要となる。
 先週 議会は24機の F/A-18E/F を豪州に売却することを承認した。 豪州仕様の F/A-18E/F は APG-79 AESA レーダ、ALR-67(V)3、ALE-47EW 及び JHMCS (Joint Helmet-Mounted Cuing System) を装備する。
2007.02.07 Jane's Defence Weekly Further delays hit Australian Wedgetail <0705-020711>
 Boeing社が2月1日に、Wedgetail AEW&C 機のオーストラリアへの引き渡しが更に6ヶ月遅延 すると発表した。 同機の納入は既に18ヶ月延期されているため、Wedgetail の納入は当初計画より2年遅れ の2009年始めになる。
 同機の納入遅延は、トルコが4機の導入を目指して現在検討を進めている Peace Eagle 計画に影響を及ぼす と見られる。 韓国は2006年11月に4機の購入を決めている。
2007.01.31 Jane's Defence Weekly ANZAC radar upgrade advances <0704-013111>
 豪海軍の ANZAC 級フリゲート艦の対艦ミサイル防衛強化計画で、CEA社製の CEAFAR 6面 E/F-band レーダ の取り付けが進められている。
 これは2005年の発注に基づくもので、CEAFAR は ESSM 射統用の CEAMOUNT レーダと共に使用される。
(関連記事 IDR 2006.12)
2007.01.10 Jane's Defence Weekly Boeing to provide ScanEagles to Australia <0703-011007>
 Beoing Australia社が、豪陸軍用の ScanEagle をAUD$11.5M ($9M) で受注した。 Boeing社は既に15機の I-View と関連装置をAUD145Mで受注しているが、I-View の運用開始は2009年後半 になるのに対し、ScanEagle は即使用可能で、I-View 装備後もその補完用として使用 できる。
(豪陸軍 I-View 関連記事 JDW 2006.12.20)
2007.01.01 Defense News Australia may acquire interim Super Hornets <0704-010105>
 豪国防相は F-35 の導入が2014年以降であるのに対して、現有の F-111C の耐用命数が2010年であることから、中 継ぎとして24機の F/A-18F を購入する方針を明らかにした。
 豪空軍は100機以上の F-35 を購入する計画で、先月製造段階の MoU を締結し、保有する71機の F/A-18A/B の改善も行ったばかりで あり多くの専門家は真意を図りかねている。
 豪空軍は1970年代に F-111 の納入遅れに対処するため、米空軍から F-4 を2個飛行隊分リースした実績がある。
2007.01.01 Aviation Week & ST Filling the gap <0702-010104>
 オーストラリアは F-35 JSF が配備されるまでの中継ぎとして、24機の F/A-18F を導入することを決めた。  豪空軍の F-35 装備開始時期は2014〜2015年とされが遅延も懸念されることか ら、耐用命数が切れる F-111 の後継として運用上の空白を避ける意向である。
 空軍は将来は現有の F-111 と F/A-18A を F-35 に更新する予定で、2014年までに1個飛行 隊を、2020年中頃までに更に2個飛行隊を創設する方針だが、導入する F/A-18F の将来計画については明らかにされていない。