PGK (Precision Guidance Kit) に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2008.12 International Defence Review US Army PGK programme moves closer to low-rate initial production <0901-120029>
 米陸軍の XM1156 PGK Increment Ⅰ 経路修正信管は、現在 SDD の段階にあり、当初計 画より2~3ヶ月遅れているものの、2009年4月に LRIP 移行を決める Milestone C が予定されている。
 米陸軍は当初、Increment Ⅰ に CEP≦50m、2011年以降に装備化する Increment Ⅱ に CEP≦30mを要求する計画であったが、Increment Ⅰ の試作品が 既に CEP≒20mであるため、Increment Ⅰ への要求を Increment Ⅱ 要求並みに変更している。 更に当初計画で Increment Ⅰ には155mm砲弾 の発射衝撃15,000gに耐えることが要求され、2012に生産が開始される Increment Ⅲ で105mm砲弾の20,000g に耐えるとしていたが、ATK社は既に Increment Ⅰ で105mm砲弾のgに耐えることを確認している。
 また XM1156 PGK を、120mm迫弾に使用している高価な XM935 PGMM に替えて使用する(右図右)検討も行われてい る。 因みに PGK の価格は$5,000である。
2008.11 Jane's Missiles & Rockets US Army nears order for PGK shells <0901-110011>
 XM1156 PGK Increment 1 155mm砲用 GPS/INS 誘導砲弾キットの開発は、2007年5月に ATK社 に発注され、2008年5月に最初の誘導射撃に成功している。 このまま試験結果が良ければ、2008年末にも量産発注が行われる見込みである。 量 産になれば20,000~30,000発の生産が見込まれている。
 PGK Increment 1 は高価な Excalibur を使用するまでもない目標に対して使用されるもので、精度は CEP≦50m が要求されているがであるが、試験結果はこれより良好で CEP≦25m の性能がでている。
 米陸軍は、続いて行われる Increment 2 にも自信を深めている。
2008.07 Jane's Missiles & Rockets Howitzer PGK 'smart' fuze completes testing <0808-070036>
 ATK社と米陸軍が、155mm砲弾用誘導キット PGK の一連の試験を完了した。 PGK は M795 HE 弾に取り付けられ、発射20後に誘導飛翔に入り、14kmの射距離で誤差17.5mであった。
 PGK はカナード翼制御の GPS 誘導を行う信管で、M795、M549、M107 などの155mm砲弾に装着できる。
2007.11 International Defence Review ATK moves out on Prcision Guidance Kit development <0722-110010>
 ATK社が2008年10月に PGK (Precision Guidance Kit) の LRIP を開始する。 PGK は同社の特許になっている固定カナードを用いた操舵により 2D (Az-El) の経路修正を行う信管で、2007年5月に Increment 1 の SDD を受注している。 Increment 1 では2008年~2009年に3,000~5,000発、2010年~2011年と2011年にそれぞれ 10,000~20,000発を生産する。
 PGK Increment 1 では155mm砲弾用の長い信管を開発し、 Increment 2 では小型化して短い信管用を開発する。 Increment 3 は Increment 2 と同寸であるが105mm砲弾用20,000gに耐えるものになる。
 弾着精度は Increment 1 で CEP=30mが目標、50mが必須であるが、Increment 2/3 では20mが目標になる。
2007.08.13 Defense News Demand soars for precision artillery <0718-081315>
 米陸軍は GMLRS や Excaliber にほぼ匹敵する精度の、155mm砲弾用の PGK (Precision Guidance Kit) の開発を進めている。 ATK社が開発する PGK は、GPS 受信機と誘導装置内蔵のプロペラ 付き信管で、射程30kmにおける CEP は15m以内である。 価格は$3,000と、GMLRS の$103,000、 Excaliber の$30,000よりもはるかに安価である。 PGK の導入により、イラクやアフガンで非戦闘員への被害が大きいとして制限して いる既存砲弾の使用が可能になる。
 陸軍は既存の信管を PGK と交換する計画で、2010年の運用開始をめざし、 2009年から先ず10万セットを調達する計画である。 一方陸軍は2005年~2007年に1,225発の Excaliber を調 達し、GMLRS は FY-08に約2,000発を要求している。
2007.06.04 Defense News ATK to make precision artillery shell <0713-060403>

 ATK社は、米陸軍の砲弾用精密誘導キット PGK (Precision Guidance Kit) の開発を$20Mで受注した。  量産単価は$3.000である。
 企業選定に先立ち Uma 試験場で行われた BAE社との比較実射試験で、同社の発射した GPS 誘導の Spinning canard 付155mm砲弾18発は、いずれも陸軍要求の CEP 30m以内に着弾した。

2007.05.07 Defense News Precision shells reshape US Army tactics <0713-050701>
 米陸軍は精密誘導砲迫弾の開発導入を進めており、湾岸戦争当時には4%にすぎなかった誘導砲弾が、2003年 には75%以上が誘導砲爆弾となっている。 一方 GMLRS はイラクとアフガンで 170発を発射している。
Excalibur
 GPS 誘導の155mm砲弾で、射程は30km、価格は$30,000、年内に運用を開始する。
MRM (Mid-Range Munition)
 開発中の Radar/EO 誘導の120mm戦車砲弾で、射程は10km、価格は$25,000~$30,000 、2012年に装備化する。
Precision Guidance Kit:
 開発中の155mm砲弾用の GPS 誘導キットで、射程は30km、価格は$5,000、2010年に運用を 開始する。
2006.09 Jane's Missiles & Rockets US Army selects 'smart' fuze demonstration teams <0618-090013>
 米陸軍が、在来の105mm及び155mm砲弾の精度を上げる PGK (Precision Guidance Kit) 計画の競争に、BAE社チームと ATK社チームを選定した。 PGK の LRIP は2009年に開始される予定であ る。
 PGK 計画では
  ・Increment Ⅰ: CEP=50m(全長124.7mm弾)
  ・Increment Ⅱ: CEP=30m(ブースタを含む全長56.1mm弾)
  ・Increment Ⅲ: CEP=10m(20kg弾)
を目指している。
(関連記事 JDW 2006.07.12)
2006.07.12 Jane's Defence Weekly Raytheon dropped from US Army PGK contest <0615-071205>
 米陸軍は、大量に保有する155mm及び105mm砲弾を精密誘導化する PGKs (Precision Guidance Kits) 計画の次の段階に ATK社及び BAE社を選定し、Raytheon社が脱落した。 SDD では50,000発を $150M~$200Mで生産する計画である。
 PGKs は三段階からなる計画で、
・第一段階:155mm砲用、CEP=350m~50mを目標
・第二段階:105mm砲用
・第三段階:155mm砲用、CEP=10mを目標
 Raytheon社が2004年以来 JCM、PGMM (Precision Guided Motar Munition)、APKWS などの陸軍の計画でことごとく受注を逃しているのに対して、ATK社は Raytheon社が独占している陸軍の Excalibur や海軍の ERGM に食い込もうとしている。
2005.07 International Defense Review NLOS-C reaches a munitons milestone with 1,000 firings <0514-070001>
 UD社は FCS の主力間接照準火器となる NLOS-C (NLOS-cannon) の CTD (Concept Technology Demonstrator) 砲の射撃を、既に1,000発以上行っている。 NLOS-C CTD はBAE社製 M777 155mm 39口径牽引砲の M776 砲部を、20t級の装軌車に乗せているが、実際の NLOS-C では口径比を38にすると共に薬室容積を減じることにより、 砲を680kg軽量化する。
 このため M549A1 RAP 弾を用いた最大射程は、M776 が30kmであるのに対して24kmと 短くなる。
(その他 NLOS-C の細部に関する記載)
 UD社はまた、米陸軍の PGK (Precisopn Guided Kit) の候補である CCF (Course Corrected Fuse) 弾の試験を、2005年始めから実施している。 CCF は155mm及び105mm砲に用いられ、CEP を30 ~50mにしようとするもので、最近 M109A6 Paladin HSP によって行われた射撃では、14.5km飛翔して誤差は50m以内であった。
 CCF は発射初期には補助空気ブレーキ、中期には4枚翼スピンブレーキ、終末は2弁の空気ブ レーキで弾道の補正を行う。