Hyper Soar に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2005.06.15 Jane's Defence Weekly Soaring ambitions <0513-061512>
= 将来の航空打撃システムに関する8ページにわたる特集記事 =
 昨年米空軍が、2015~2020年の間に運用を開始する LRS (Long range Strike) の RfI を発簡した。 英空軍はそれ以前に FOAS 計画を開始している。
FALCON 計画 (Force Application and Launch from CONUS)
 DARPA の FALCON 計画 HyperSoar 計画と統合され、3,050m滑走路から離陸して高度 130,000ftで Mach 10 まで加速したのちに、大気圏上端をスキップしながら遠距離までペイロードを運ぶ計画で ある。
 FALCON 計画でペイロードとなる HCV (Hypersonic Cruise Vehicle) は、12,000-lbのペイロードを 積み、9,000nmを飛翔する。 FALCON HCV は重量208,600kgで、90分以内に米本土から地球上のいかなる地域に も運搬する。
 SLV/CAV は FALCON 計画の一部をなすもので、SLV (Small Launch Vehicle) を用いて CAV (Common Aero Vehicle) を打ち上げる。 SLV/CAV は飛翔距離800nmで2010年 には実現可能である。 ECAV (Evolved CAV) は CAV より運動能力が高められ、3,000nmを飛翔 する。
NASP (National AeroSpace Plane)
 NASA、DoD、民間企業が共同する計画で X-30 と呼ばれる。
HyFly (Hypersonic Flight)
 米海軍と DARPA の計画で、Mach 6.0 で600nm飛行する。
RATTLRS
RATTLRS の概要
次期爆撃機
 次世代輸送機 M-X に提案している MAC を元にした BMACK BWB 機、B-1B のエンジンを更新するB-1R、4発エンジンを双発にし搭載能力を半分、航続距離を2/3にした half-size B-2、F/A-22 派生のFB-22YF-23 の爆撃機型である RTAS (Rapid Theater Attack System) などが提案されている。
C-130J Arsenel Ship
 パレットに搭載した巡航ミサイルを、安全空域で遊弋する C-130 から投下発射するシステム。
JUCAS
JUCAS の概要
Neuron
 Dassault社を中心に進められている欧州の UCAV 計画
FOAS (Future Od\ffensive Air System)
Scalp EG/Storm Shadow、Scalp Naval
Scalp EG/Storm Shadow の概要」、「Scalp Naval の概要
 Epochs 1~3 の改善計画があり、ネットワーク対応が強化される。
2004.07 軍事研究 謎のロシア軍超ハイテク戦略ミサイル <0411-070001>
= ロシアの「新型長距離ミサイル」についての解説記事 =
 イズベスチヤが、2月18日にロシア軍大演習で「新型核ミサイル」の実験に成功したとして、その飛翔経路図を掲載した。
 この図などから、ロシアの新型ミサイルとしては、以下の3つが可能性として考えられる。
① X-90 AS-19 KOALA
 イズベスチヤは、新型ミサイルは超音速で高々度を飛ぶ X-90 ミサイル又は X-101 ミサイルであると報じている。
② ゼンガー型宇宙無人爆撃機
 第2次大戦中にドイツでゼンガーが研究をしていた超長距離爆撃機構想で、戦後ソ連が強い関心を持っていた。
③ スキッププレーン
 2002年8月に DARPA が発表した HSSP (Hyper Soar Skip Plane) と同じ原理の航空機で、ゼ ンガー構想と異なり飛行高度は大気圏(80,000mまで)となる。
2003.07.01 ロイター

  Yahoo

米国防総省、2時間以内に全地球規模の爆撃できるミサイル開発へ  米国防総省は今後20年間で、米国本土から2時間以内に、地球のあらゆる場所を爆撃できる ミサイルを開発する意向。
 このミサイルは、「ハイパーソニック・クルーズ・ビークル」と呼ばれ、Mack 5 以上で飛行でき、9,000mile 前後離れた場所にある目標を、攻撃する能力をもつようになるという。 開発は2025年ごろまでに完了 の予定。

 (註:Yahoo記事の元となった Reuters の記 事には HyFly計画と同じスクラムジェットエンジンの図が載っているがミサ イルとの記述はなく、『12,000-lbの爆弾又はミサイルを搭載して通常の滑走路から離陸できる』とあることから、Hypersonic Cruise Vehicle は無人の爆撃機であると見られる。 尚、2時間以内に地球上のあらゆる場所に到達という要求は、 2002年9月に RFI が出された Hyper Soarと同じであることから、Hypersonic Cruise Vehicle とは HyperSoar の可能性がある。)

2003.01.15 Jane's Defence Weekly Beyond stealth?
= ステルスの限界と、その対抗策に関する記事 =
 バイスタティック/マルチスタティックレーダ、低周波レーダ、EO センサ、IR ディテクタ及び航空機が作る空気の渦を検知すること などにより、ステルス機が探知されるようになってきた。
 航空機は、これに対抗するため、超高空、超高速の領域で活動しようとしている。
 F/A-22 は高度50,000ftの成層圏下層部を、アフタバーナなしで Mach 1.7 で超音速巡航し、 SDB を8目標に投下することができる。
 ロシアの S-400 Triumf は120,000ftの最大射高を持つ。 これからは成層圏上層 から中間圏下層の高度60,000ft~200,000ftが焦点になる。
 高速の点では DARPA が開発中の QSP (Quiet Supersonic Platform) は Mach 4.0 で飛行し、 Hypersoar 高度100,000ft~210,000ftを Mach 10 でスキップ飛行する。
2002.11 International Defense Review DARPA eyes hypersonic vehicle  DARPA が HyperSoar の RPI を発簡した。
 HyperSoar は水素を燃料とする combined-cycle エンジンにより Mach 10 での飛行を行い、米国を基地にし て地球上のどこへでも飛べる飛行体で、大気圏外を加速上昇、惰性飛行を繰り返しながら飛行する。
2002.09.09 Aviation Week & ST DARPA contemplates Hypersonic Spaceplane demo  DARPA はこの数年ローレンス リバモア国立研究所が研究を進めていた超音速航空機 HyperSoar の開発移行について 慎重に検討している。
 HyperSoar は大気圏内を高度 115,000~200,000ft、Mach 10 で Skip 飛行する有人機で、 世界中のどこへでも 2時間以内に到達できる。 爆撃機として使用した場合、搭載量は約 100,000lb、 航続距離は 6,200mi と推定されている。
 DARPA は飛行間の制御等技術課題の検討を進めており早い時期に適用する技術を確定、試験機による実験に着手するものとみられてい る。