作戦開始後のイラク情勢に関する資料

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2010.08.19 Yahoo 時事通信記事

「最後の米軍戦闘部隊、イラク撤退=月末に駐留規模5万人へ―大統領計画通り」

<1009-081901>
 イラク駐留米軍の最後の戦闘部隊が現地時間の19日に撤退した。
 戦闘部隊撤退はオバマ大統領が公約にしている、2011年末までのイラク完全撤退の成否を占うもので、2009年1月のオバマ大統領就任時、駐留規模は14万4000人だったが 、戦闘部隊が完全に撤退すれば今月末には駐留規模は5万人になる。
2008.02.27 Jane's Defence Weekly USAF steps up air strike in Iraq <0804-022702>
 イラクで1月に開始された 'Operation Phoenix' で米軍は、過去半年間を上回る量の爆弾を投下している。 例えば 2007年12月に投下したのは24,000-lbであったのに対し、2008年1月には286,000-lbを投下している。
 爆撃は攻撃準備射撃として F-16 及び F/A-18 で行われたが、大規模な爆撃には B-1B が投入された。 使用されているのは主として2,000-lb及び 500-lb JDAM であるが、500-lb JDAM の二次被害低減型も使用されている。
2008.01.16 Jane's Defence Weekly US steps up air strikes against Iraqi insurgents <0802-011604>
 イラク駐留の多国籍軍が1月8日に、バクダッド郊外の武装勢力拠点に対し空爆を含む大規模攻撃を実施した。 'Phantom Phoenix' と名付けら れたこの作戦には B-1B 2機F-16 4機が参加し、40以上の目標に対して38発、計40,000-lb の爆弾を投下した。
 イラクでは2007年中頃以降、Al Anbar 州西部などでテロ事件が目立って減少してきており、米国防長官が1月10日に、同州及びバクダッドの Al Qaeda はかなり掃討されたと述べている。
【註】
 この記事から、空爆の様相が大きく変化していることが読み取れる。
 B-1B 2機と F-16 4機が空爆したのに投弾量が18tとはあまりにも少ない。 また40以上の目標に対して38発というのも今まででは考えられない数である。 更に 38発で18tということは、一発の平均が500kgないことになる。
 このことから爆撃は主として250-lb、500-lbの小型誘導爆弾を使用し、一目標に一発ずつ狙撃的に行われたと見られる。
2007.08 Jane's Missiles & Rockets US Army fires Excalibur shells at insurgents <0717-080024>
 5月5日に米陸軍第1騎兵師団第1旅団の 1-82 野戦砲兵大隊が、バクダッド北方にある武装勢力の隠れ家の攻撃に、 2発 XM892 Excalibur 155mm誘導砲弾を使用した。 2発はいずれも 目標を直撃した。
2007.04 Jane's Missiles & Rockets US helicoptoers downed by MANPADS, say witnesses <0710-040025>
 目撃情報によると、1月20日から2月20日までの1ヶ月間にイラクで墜落した米軍ヘリ8機のうち、少なくとも3機は MANPADS により撃墜された。
 イラクの武装勢力は従来、フセイン政権時代に数千発を入手したと見られる Strela 2M (SA-7b) を使用し ていたが、最近では Strela 3 (SA-14)、Igla-1 (SA-18)、Igla (SA-18) も装備している模様である。
(関連資料 DN 2004.01.26)
2006.06.09 Yahoo 時事通信記事

「精密誘導弾2発でザルカウィ・・・」

<0612-060901>
 イラク駐留多国籍軍報道官が、ザルカウィ容疑者殺害に関して、米空軍 F-16 から精密誘導弾2発で潜伏先を爆撃したことを明らかに した。
 報道によると、2機の F-16 から500-lb爆弾が1つずつ投下され、最初の攻撃ではレーザー 誘導爆弾、2機目の攻撃では GPS 誘導爆弾が使用された。
2005.02.28 Insid the Army Advisory Board : Patriot combat ID flaws in Iraq 'not exactly a surprise' <0507-022802>
 DoD の防衛科学委員会 (DSB) はイラクでの Patriot システムによる3回の友軍誤射に関する分析報告を公表 した。
 報告書では、原因の特定は困難としながらも、以前から指摘されている戦闘識別 (Combat ID) の欠陥が根本的に影響していると結論 付けている。
 Patriot は湾岸戦争以来擬似追随が発生しており、イラクでの2度の誤射では操作員の練度 不足から戦闘機をミサイルと誤認したことが原因となった。
 結論として DSB は、Combat ID の早急な是正、Patriot の性能改善、友軍機の帰還用空中回廊の設定を提言している。
2005.01.03 Aviation Week & ST Big brother <0502-010503>
 米陸軍は、新しい情報支援チーム Tactical Overwatch チームを組織し、イラクに再度派遣する第3歩兵師団 で旅団の情報作戦を支援する。
 Tactical Overwatch チームは約20人の軍人、軍属と契約民間技術者から構成され、24時間態勢で各種情報の収集分析検討を専門的に行 い、旅団に不可欠な情報のみを随時提供する。
 支援チームの構想はイラク戦の当初からあり、ともすればオーバーフロー気味な師団からの情報を精選して旅 団に提供することを目的とする。
 陸軍は2007年までに、更に15〜20人で構成する4個チームを編成する検討を行っている。
2004.08.09 Inside the Army Patriot fratricide incidents spawn FY-03 and FY-04 reprogramming <0417-080901>
 DoD は昨年イラク戦で発生した Patriot による友軍機への誤射を重くみて、約$42MをFY-03及びFY-04の研究開発経費から転用し、電磁 波による障害の除去等システムの改善を行っている。
 軍は誤射原因を依然として明らかにしておらず、改修の細部は不明だが、$42Mのうち$9.3Mは空地通信機器の調達に充てられる。
2004.08 International Defense Review ScanEagle demonstrates persistent ISR coverage <0415-080011>
 Boeing社が開発した ScanEagle UAV が、2003年12月から2004年6月までの間行われた 'Foward Look V' 統合 演習で ISR に真価を発揮した。 特に6月末にカロライナ州で行われた演習で、連日の飛行が可能であったのは ScanEagle だけであった 。
 また海兵隊は、2機の SacnEagle を調達し、イラクで活動中の第1遠征軍に配備した。
【註:】
 Scan Eagle は、全長1.2m、翼端長3mで、高度15,000ftを時速68ktで15時間飛行できる。
2004.07 National Defense Ground attack <0415-070004>
 米空軍はイラクとアフガンでの地上作戦支援を教訓として、CAS (Close Air Support) 作戦の見直しを行って いる。
 見直しは新しい戦法、A/AO-10 の改善、地上 CAS 支援要員の充実等全面的に行われており、CAS に使用する攻撃機には改善型 A/AO-10 の他、Predator をはじめとする UAV の活用、精密誘導爆弾による爆撃機の運用に加え、将来的には F-35 STOVL の採用を検討している。
 2003年にはイラクとアフガンで空、海、海兵隊により10,000ソーテー以上の CAS が行われ、A/AO-10 以外に F-15、F-16、F-18、F-14、AC-130 と攻撃ヘリが使用されている。
2004.05.17 Inside the Army U.K.report blames Patriot system for fratricide in Iraq <0412-051706>
 英国政府はこのほど、昨年3月にイラクで発生した Patriot中隊による英空軍 Tornado機の撃墜事案に関する空軍調査結果を公表した。
報告によるとクウェートに帰還する Tornado機は高度17,938ftで飛行中、IFF の Transponder が正常に作動せず 、応答しなかったことから、中隊は ARM と誤認し、ミサイルを発射し撃墜したとしている。
 空軍は対策として IFF の改善と確実な飛行前点検、地上部隊との空地通信リンクの構成を行うとしているが、Patriot の ARM 認識プ ログラムについても更に改善する必要があると提言している。
2004.05 Jane's Missiles & Rockets US Army ends Patriot performance investigations <0414-050023>
 米陸軍防空学校、陸軍監察官及び中央軍司令部は、イラク戦争における Patriot PAC-2、PAC-3 の性能について別々に分析を行った。
 報告の内容は明らかになっていないが、米海軍の F/A-18 と、英空軍の Tornado の誤撃墜事故、及び米空軍の F-16 が AGM-88 HARM で Patriot FU を誤射した、一連の友軍相撃事故が取り上げられ たと見られている。
 また Patriot 部隊からは TACSAT (Tactical Satellite) 及び Battle Command Brigade and Below の端末数の増加が要望されている 。
 友軍相撃事故とイラクの巡航ミサイルを撃墜できなかった事故があったものの、米陸軍は Patriot の対弾道弾性能に 満足している。 イラク戦争では20発のミサイルが発射され、そのうち9発に対して迎撃が命ぜられて、全弾を破壊した。 残り のミサイルは無人の砂漠に落下した。
2004.04.26 Defense News U.S.Lawmakers want to pay for Iraq war now <0411-042602>
 ブッシュ政権が、イラク戦の所要戦費$50Bを大統領選の後となるFY-05に要求していることについて、下院の共和党議員からは直ちに少 なくとも$20B規模の緊急予算を振り向ける必要があるとして、法案提出の動きをみせている。
2004.04.12 Aviation Week & ST Better intel <0408-041205>
 DoD はイラクとアフガニスタンでの監視能力を強化するため、数週間以内に Global Hawk を中東に再配備す ることを決め、同時に情報の統合一元化を目指す中長期的な軍情報組織の再検討を開始した。
 Global Hawk には新たな機能が付加され、地上部隊は Global Hawk の情報を直接受領可能 となった。
 DoD はイラク戦等の教訓を基に長期的な軍情報組織の大幅な改編を検討している。
2004.03.24 Jane's Defnece Weekly Modified Igla-1 found in Iraq <0407-032402>
 バグダッド近郊で米合同軍が改良型の Igla-1 携帯 SAM を発見した。
 改良型 Igla-1 は先端が赤くコーティングされ IR クラッタ下での目標分別能力が高いと見られている。 ま た電子部品を収納する前部胴体が長く、胴径も僅かに大きい。 
2004.03.01 Defense News Lockheed to make PAC-3 missiles <0406-030105>
 米陸軍はこのほど、総額$505Mで PAC-3 システムの製造を Lockheed Martin社に発注した。
 契約は159発の PAC-3 弾(イラク戦での射耗22発の補充を含む)、6基の ELES (Enhanced Launcher Electronics System) 及び9基の FSC (Fire Solution Computer) の製造で、納期は2006年4月となっている。
2004.02.18 Jane's Defence Weekly Predator was used as armed escort <0404-021806>
 2003年のイラク戦争時に、イラク共和国防衛隊幹部の逃亡を手助けする米軍のヘリが、敵地域に侵入し離脱する際、 MQ-1 Predator が AC-130 の代わりにヘリの同行掩護を行った。
 この新たな役割をやや誇張ではあるが「武装掩護」と呼んでいる。 
2004.02.18 Inside Missile Defense Army air defenders make 'Fixes' to Patriot based on Iraqi freedom <0407-021701>
   米陸軍はイラクでの Patriot による戦闘結果と性能のレビューを終了し、戦訓を基にシステムの改善を積極的に行うことを決めた。
 改善内容は器材、運用ドクトリン、編成組織及び教育訓練の全般にわたり、新規ソフトウェアーの試験も近日中に予定されている。
性能レビューの細部は明らかにされていないが、イラクでは20発が発射され9発が命中、11発が迎撃不成功もし くは交戦範囲外であったとされる。 また、友軍機の誤射に関してはソフトの偶発故障と推測されている。
2004.02.16 Aviation Week & ST On guard <0404-021603>
 米はイラクとアフガニスタンでの情報収集/偵察監視能力を強化するため、空軍予備役と空軍州兵から構成される Predator 部隊を新たに編成した。
 部隊は編成完了後現地に展開する模様だが、空軍は部隊の編成、任務及び展開時期等細部説明を避けている。
2004.02.09 Defense News US specaial operators warmed to technology <0407-020901>
 イラク戦で空軍や海軍の特殊部隊の活動に、UAV が極めて有効であった。
 イラクでは Raven (右図) の様な小型携帯式の UAV が多用されており、正確な敵情把握と兵員の損害極限に効果を発揮している。
 特殊作戦司令部では現在、部隊配備用に3種類の UAV を装備する検討が進めている。
 また、UAV を適切に運用するため、CIA やその他部隊との共同作戦も含め操作訓練の充実強化を図っている。
2004.02.02 Inside the Army Army resetting damaged missile weapon systems returning from Iraq <0404-020201>
 米陸軍はイラクで故障/破損した大量の各種ミサイルシステムを本土に後送し、集中的な修理作業を開始している。
 修理を行っているのは Avenger や Sentinel レーダーを含む17機種の発射機/地上装置、及び7機 種のミサイルで、この中には Patriot、Stinger、Javelin、MLRS、ATACMS が含まれ、地上装置は約3,500アイテム、ミサイルは21,115発 を修理する計画で、修理完了後逐次原隊に戻される。
 故障原因は砂漠の厳しい気象環境に起因する砂や高温に起因するものが主で、当局は湾岸戦争以来の経験を 基に修復作業を進めている。
2004.02 Jane's Missiles & Rockets PGMs boosted RAF effectiveness in Iraq <0408-020001>
 英空軍がイラク戦争で使用した PGM は全体の85%で、1999年のコソボでの25%、1991年の湾岸戦争の18%に比べ 、大幅に比率を上げている。
 少数のクラスタ爆弾を含む、合わせて138発の非誘導爆弾が使用されたが、これらは広域に展開した装甲車両のように、誘導爆弾の使用 に適さない目標に対して使用された。
 Enhanced PaveWay U,V の爆撃照準用に TALD (Thermal Imaging and Airborne Laser Disignation) ポッドを搭載した別の航空機が使用された。 戦闘用には30基の TALD が 使用された。
2004.01.10 Yahoo! News 共同通信記事

「無人偵察機を大量投入 米・・・」

<0401-011001>
 DoD は年明けから始めたイラクとアフガニスタンの駐留米軍交代に合わせ、米兵の犠牲を最小限にとどめる大量の UAV を新たに投入する方針を決めた。
 投入される UAV は Predator、Shadow、Raven などで、現在は陸上要員やヘリコプターなどが行っているゲリラやテロリストの活動地 帯の監視や拠点捜索を、部分的に代替させていくとみられる。
2003.12.22 Aviation Week & ST Parching Patriot  米陸軍は Patriot のイラク戦における問題点と欠点を速やかに改善すると共に MEADS 開発にも反映 する検討を開始している。
 イラク戦では特に友軍相撃巡航ミサイルの迎撃不成功が問題視され、軍は Patriot レーダーの誤作動を防止する電磁遮蔽の改善、IFF 及び通信装置の改善等を今年度直ちに開始する。 また、 厳しい電波環境下での実戦的訓練を採用することを決めている。
 陸軍は既に Patriot ミサイルの MSE (Missile Segment Enhancement) 計画を進めており、2006年に発射試験 、2007年には2回の迎撃試験を予定している。
 MSE 弾は射程が PAC-3 の2倍となり、弾道弾との交戦空域は約50%増加する他、旋回 性を向上させ更にテレメーターシステムの搭載により交戦状況の即時確認ができる。
2003.12.08 Defense News UAVs shifted role in Iraq operations  イラクでの UAV による対地攻撃はアフガン戦争時よりも減少していることが明らかになった。
 アフガン作戦では12機の UAV により115発の Hellfire が発射され、レーザー誘導により525の目標を有人戦 闘機で破壊した。
 これに対してイラクでは、56機の大型 UAV と60機以上の携帯型 UAV を展開したが、Hellfire の発射は62発 、目標の指定は146に過ぎなかった。
 その理由の1つには天候不良にあり、70ktを越える猛烈な砂嵐の環境では UAV の制御が不可能であった。 因みに Predator は8kt以上の横風に耐えることが出来ない。
 また、有人機による熾烈な爆撃による効果が大であり、UAV には要人やミサイル発射機の偵察/索敵といった本来の任務が優先された。
2003.11.26 Inside Missile Defense Army to send flying sensor aerostats to Iraq for force protection  米陸軍はこのほど、イラクにゲリラ等の進入を監視する部隊防護用係留気球16セットを送ることを決め準備を 開始した。
 これは3月のアフガンへの配備に続く2度目となり、FY-04補正予算から$38.3Mを拠出、陸軍は経費受領後120日 以内にイラクに気球システムを展開する。
 システムは EO/IR センサーにより12kmの範囲まで全周監視が可能とされる。
2003.11.24 Defense News U.S.Patriot friendly-fire investigation complete  米中央軍司令部はイラクでの Patriot による友軍誤射の調査結果を11月中旬に DoD に報告した。
 報告の詳細は明らかにされていないが、3月23日の英空軍 Tornado と4月2日の米海軍 F/A-18 への誤射は、いずれもシステムの識別に 問題があり、戦闘機を敵ミサイルと間違えたものとしている。
 なお、陸軍は第32 AMDC がイラク戦での Patriot の交戦状況に関する報告を10月初めに行っている他、近日中にイラク戦での Patriot システムの性能発揮についての報告を公表する。
2003.11.17 Aviation Week & ST Dial-in for dollars  イラクでの米軍の動向をみる限り、対テロ戦の準備も作戦構想も確立されていないと軍事専門家はみている。
 特に焦点となっているのは、テロリストが携帯電話を主要な通信手段として行動していることから、これに対する通信妨害である。
 現在、イラクには少数の車載通信妨害システムが展開しているが、安全上にも問題があり Predator B による通信妨害が最適手段とみられる。
2003.11.10 Space News Pentagon releases candid glimpse of missile defense during Iraq war  イラクでの Patriot 中隊の戦闘について初めて公式の報告文書がフォートブリスの第32AAMDC (Army Air and Missile Defense Command) から発簡された。
 報告によると、陸軍は開戦までに PAC-3、PAC-2 及び GEM を1,069発を準備、最初のイラクミサイルの探知は 2003年3月20日午後12時24分で迎撃に成功した。
   イラクは全部で23発の弾道/巡航ミサイルを発射し、このうち9発の迎撃に成功して いる。
 破壊したのは Ababi-100、Al Samoud 及び CSSC-3 で、23発のうち1発は発射直後に自爆、4発は Patriot 中隊の射程外、残りの9発は 交戦できずに荒地に着弾した。
2003.11.03 Defense News U.S.to send more UAVs to Iraq,Afganistan  DoD はこのほど、現地指揮官の要請に応じて数百機の小型 UAV をイラクとアフガニスタンへ 送ることを決めた。
 軍は現在10機種の UAV を展開しているが、現地指揮官は小部隊の偵察監視用の増加配備を要求しており、陸軍は185 機の Raven と11機の Shadow 200 TUAV を新たに調達する。
 空軍は特殊部隊用に陸軍の Raven を調達する模様で、更に近年監視用として運用中の小型 UAV Desert Hawk を発煙弾投下用に改修し 運用する検討を行っている。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets Iraq planned 1,000km-range missiles
= 米イラク調査団が報告した各種戦略兵器開発状況に関する記事 =
 イラクが北朝鮮の支援を受け、中国製 HY-2 対艦巡航ミサイルを改造した2種類の対地攻撃 巡航ミサイルを開発していた。
Al Faw
 射程を HY-2 の100kmから150〜180kmに延伸した対地巡航ミサイルで10発を製造した。 内2発がイラク戦争で発射され1発がクウェート に着弾した。
Jenin
 HY-2 の液体ロケットエンジンを、Mi-8 ヘリの TV-2-117 または Mi-17 ヘリの TV-3-117 タービンエンジンに換装した、 射程1,000kmの対地巡航ミサイルである。
2003.10.27 Defense News Global Hawk files with EADS sensor  RQ-4A Global Hawk による試験飛行が10月15日に独海軍で行わ れ、成功裡に終了した。
 この試験目的は独国防省に高々度、長滞空偵察機能を展示し、技術性能を確証するもので、UAV には EADS社製電子情報センサーを搭載 した。
 試験の成功により Euro HAWK の開発製造が一歩前進したとみられる。
2003.10.27 Aviation Week & ST Second look  UAV の戦場における有効性が世界的に認知され、UAV 市場が活気を呈している。
 AAI社の Shadow 200 はイラクで第2歩兵師団が運用しているが、第4師団も2個システムの緊急調達を求めてい る。 更に韓国は最近 Shadow 200 の飛行試験を行い、非武装地域の監視に使用するものとみられる。 4機の機体と地上装置及び発射機 からなる1個システムの価格は約$800M。
 また、大型の Shadow 600 が来年イラクに派遣されるポーランド師団の偵察監視用に導入されることが決まっ ている。
 現在、AAI社はイスラエルの IAI社と仏の Sagem社と提携し国際市場への大型機の売り込みを図っており、タイやフィリピン等からも引 き合いがきている。
2003.10.06 Space News U.S.expects review to back-up Patriot success claims in Iraq  Patriot システムのイラク戦での成果の詳細が近日中に公表されるものとみられる。
 イラクに展開した Patriot には最新型のテレメーターとデータ記録装置が取り付けられ、8mmテープに記録した迎撃状況とレーダー及 び射統システムの作動状況は、ミサイル発射後数時間以内に衛星を通じて逐一米国内に送られていた。
 イラクでは Patriot で対ミサイル射撃を9回行い、全て迎撃に成功したと公表されているが、GEM 弾か PAC-3 かは不明。 展開した 12個 Patriot 中隊のうち、PAC-3 は4個中隊であった。
2003.09.29 Defense News Light and cheap  米海軍の Silver Fox と海兵隊の Dragon Eye 小型軽量 UAV がイラクで初めて実戦運用さ れた。
 Dragon Eye は第1海兵師団に20機と地上装置10セットが送られ、主として作戦成果の確認に使用され た。 通常1個システムは3機の UAV と1基の地上装置からなり価格は$120,000、将来的には300システムを導入する計画。
 Silver Fox は市販のラップトップコンピュータを地上装置として使用し、各種カメラを搭載する。  イラクには12機が送られ、海軍特殊作戦での偵察監視用に運用された。 価格は約$20,000とされるが、イラク戦では搭載装備を特殊な ものに代えたため、$40,000程度となった。
2003.09.22 Defense News USAF back to strength in March,General says  9月中旬、ワシントンで空軍の合同会議が行われ、その一環として各国の司令官約100名が参加するセミナーが催され た。
 その席で、米空軍 Hornburg司令官がイラク戦以降の空軍の精密誘導兵器の補充と装備品の維持整備は来年3月までに完了するとの見通 しを明らかにした。
 また、Textron社がイラク戦で初めて使用され成果があった GBU-105 SFW (Sensor Fused Weapon) の 1,000-lb級を研究していることを明らかにした。
2003.09.22 Aviation Week & ST Iraq-bound  米陸軍はイラク派遣部隊の偵察監視用として小型 UAV Raven(右図)5個システムを30日以 内に101空挺師団に配備する。
 Raven は翼端長4.5ft、重量4.5-lbの小型 UAV で、電池により80分、6mile飛行できる。 システムは2機の機体と17-lbの地上装置から なり、前方及び側方の偵察監視が可能とされる。
 陸軍は更に10個システムをイラクに送る意向で、軍全体で105システム以上を導入したいとしている。
 また、現在イラクで運用中の Shadow 200 及び Hunter の故障や墜落に伴う補充を計画しているが予算上の問題から具体化していない。 
2003.09.15 Aviation Week & ST Small drones mature
= 米軍小型 UAV の現状と開発動向に関する記事 =
 米特殊作戦司令部では2機の UAV と14-lbの地上装置からなる Pointer システム60セットを 導入、特殊作戦チームがアフガンとイラクで前線での偵察監視用に使用し大きな効果をあげている。
 米陸軍は Pointer を小型化した Raven UAV の導入を検討している。 Raven は IR センサーとカラー TV カ メラ及び電池を使用者が軽易に交換でき、試験用に10機が製造されている。
 海兵隊と海軍は重量5-lb、翼端長45inの Dragon Eye の開発を進めている。 Dragon Eye は電池により1時間 、偵察距離6mileで、地上装置の重量は14-lbとされ、GPS により誘導される。
 DARPA はこれまで、MAV (Micro Air Vehicles) と OAV (Organic Air Vehicle) の 研究を進めてきたが、MAV の基礎研究は既に終了し、OAV に関しても来年以降見直される模様で、現在 WASP の 研究開発に重点を置いている。 WASP はリチウム電池を使用し、滞空時間は約1時間40分、前線の兵士が容易に操作できることが要求さ れている。
 空軍研究所は回転翼型の SkyTote の研究を開始している。 SkyTote は港湾や基地の監視に使用するもので、 全長5〜6ft、年末にも最初の試験飛行を予定している。
2003.09.08 Aviation Week & ST War from 60,000ft
= UAVによる偵察監視の現状とすう勢 =
 Global Hawk で TST (Time-Sensitive Targets) を偵察監視し、速やかに攻撃する戦法 はアフガニスタン戦争で初めて具体化され、イラク戦で確立された。
 DoD は今後、UAV のステルス化を図り、敵地に24時間常時滞空させ移動目標等を捕捉すると共に、 JSTARS や F-15E 等の戦闘機との連携運用を図ることを検討している。
 イラク戦ではセンサーとして改善型の IR/EO 及び SAR を搭載し成果を得たが、現在数百種類の周波数を同時に分析する Hyper- spectral センサーや車両の塗装を分析する機器等の装備の開発が進められている。
 右図はアフガンで AC-130 がトラボラの洞窟群を高度15,000ftから攻撃する状況を Global Hawk が高度60,000ftから 広域 IR センサーで捉えたもので、洞窟の入り口、爆撃状況、人員が確認できる。
2003.09.01 Defense News U.S. Air Force reveals Iraq air war tactics  米空軍はイラク戦で使用した新しいハイテク技術等について明らかにした。
Global Hawk
 作戦間4機で収集した画像は4,800件で、航空偵察の3%にすぎないが、50基の SAM 発射機、約300台の戦車(イラク保有の40%)の破壊等 に貢献した。
 運用要員は約100名で、その内30名程度は米国本土で資料の分析評価を行った。
 Global Hawk の価格は現在、$70Mと見積もられているが、2007年の量産開始時には$50Mまで低減できるものと 当局はみている。
B-2 Spirit
 作戦間、24回にわたり16時間の爆撃を2〜3機編隊で行った。 外国の基地から発進するのは初めてで、最初の10日間はほぼ毎日運用さ れた。 また、9機が米本土から直接攻撃に参加している。
 作戦開始の数ヶ月前に陸軍の PRC-117 衛星通信無線機の取付けを行い、通信リンクの強化を図っている。
F-117 Nighthawk
 開戦当初、バグダッドの空爆を実施、開戦前に2ヶ所の爆弾倉から同時に投下できる様に改善を行った。
大量破壊兵器の捜索
 米軍は航空機による生化学兵器の捜索をいくつかの方法で行った。その細部は明らかにされていないが、1つの手段として堅牢な金属製 の棒を投射し貯蔵施設やコンテナーに穴を開ける方法を用いたとされる。
2003.09 International Defense Review First production Global Hawk rolls out  RQ-4A Global Hawk の量産1号機がロールアウトした。
 イラク戦争では1機の Global Hawk が15ミッションで4,800枚のイメージを取り込んだが、高々度偵察などは一部で、55%は time- sensitive-target の捕捉であった。 その結果300両の戦車が破壊された。 
2003.09 軍事研究 数字で見るイラク戦争航空戦の評価分析
= JMR 7月号とほぼ同じ内容の記事 =
2003.08.11 Aviation Week & ST Underground air force  米国のイラク査察チームは7月、バグダッド西方の軍用飛行場でイラク空軍が隠したとみられる対地 攻撃機 Su-25 と偵察用 MiG-25数機を発掘した。
 航空機はいずれも主翼が取り外され、主要な部分をプラスチックコーティングし、偽装網で覆った状態で埋められていた。
 保存状態は良好で整備すれば使用可能な状態とされる。
 Scud ミサイルや大量破壊兵器は依然発見されていないが、国防長官は今回の発掘から必ず見つけることができるとの見解を述べた。
2003.08.04 Defense News U.K.Strike Chief notes UAV's shortcomings  イラク戦に参加した英空軍の司令官が、UAV のかかえるいくつかの問題点について指摘した。
@ 連合軍の情報共有が不充分で、英軍戦闘地域で米軍の UAV が掴んだ画像情報は英軍に伝達されなかった。 今後連合軍相互の インターオペラビリティの構築を進める必要がある。
A UCAV の自律戦闘機能は無差別攻撃につながる恐れがあり、人道的にも操作員の判断機能を付加する 必要がある。
B 戦闘画像が DoD に直接伝送された時、指揮系統を超越した指令が行われたのは適切でない。
C 荒天時における陸軍 Phoenix UAV による偵察監視はほとんど不可能であった。
2003.08 National Defense Desert setting tough on Combat ID systems  イラク戦で米陸軍と海兵隊は、地上部隊の人員車両の敵味方識別に4種類の識別装置を使用 したが、砂漠での厳しい環境下で友軍相撃が多発したため、軍は識別装置の改善を早急に進める。
 現在、英、独、加、豪及び仏と CCID (Colition Combat Identification) に関する研究が進められているが、この内の1つである ミリ波を使用した全天候型車両識別装置 BTID (Battlefield Target ID Device) の試験は既に開始されており 、GPS を用いた RBCI (Radio Based Combat ID) と共に2005年の実用化を促進する。 
2003.08 Jane's Missiles & Rockets RAF deploys Tonado 'Wild Weasels'  英空軍が要撃機型の Tornado F.3 の何機かを、ALARM (Air-Launched ARM) 2発を搭載する 'Wild Weasel' 機に改装 し、ドイツで行われた 'Elite' 電子戦演習に参加させた。 新しい機体は EF.3 と呼ばれる。
 ALARM 搭載の Tornado は、2000年に開発されたのちコスト削減のため中止されていたが、イラク戦争をきっかけに再開され、英空軍は 何機かの ALARM 搭載 Tornado を参戦させた。 但しこれらは EF.3 型ではない。
 EF.3 は2発の ALARM と4発の ASRAAM に加えて、RHWS (Radar Homing and Warning System) を搭載して敵の レーダを捕捉評定すると共に、JTIDS や Link-16 を使い他の航空機からの情報を受領して交戦できる。
2003.08 Jane's Missiles & Rockets RAF weapons used in 'Telic'
= イラク戦争で英空軍の行った空爆についての記事 =
 Storm Shadow は Tornado GR.4 の翼下パイロン吊り下げがまだ確認されていないため、胴 体下のパイロンに1発を吊り下げて使用された。
 攻撃後の戦果確認の写真の中には、2発が弾着したのに穴が1個しかないものがあり、その精度が立証された。
  ┏━━━━━━━━━━━┳━━━┓
  ┃Storm Shadow     ┃  27┃
  ┃Enhanced Paveway U/V┃  360┃
  ┃Paveway U/V     ┃  255┃
  ┃AGM-65 Maverick    ┃  30┃
  ┃  そ  の  他  ┃  130┃
  ┣━━━━━━━━━━━╋━━━┫
  ┃  合     計  ┃  802┃
  ┗━━━━━━━━━━━┻━━━┛ 
2003.08 Jane's Missiles & Rockets HIMARS used in action in Iraq  イラク戦争で米特殊部隊が、HIMARS (High Mobility Artillery Rocket System) を初めて実戦使 用した。
 詳細は公表されていないが、プロトタイプ発射機 3基を装備する小隊が Fort Bragg の3-27FA大隊に編成されており、この部隊がイラ ク西部に展開した。
 HIMARS は現在 LRIP 段階で運用開始はFY-05に予定されており、陸軍は888基、海兵隊は45基の調達を計画している。
2003.08 Jane's Missiles & Rockets Iraqi Seersucker attacks boost US cruise missile defence plans  イラク戦争で、対艦巡航ミサイル基地は事前に空爆と特殊部隊により破壊したと考えていたが、残存していた CSSC-3 対艦ミサイルが地上攻撃に使用されたことで、米国防総省は衝撃を受けている。
3月20日に最初の1発がクウェート北部の米海兵隊司令部近くに落ちた。
3月28日2発の CSSC-3 がクウェートに停泊中の艦船に向け発射され、1発がレーダアンテナにホーミングし、他の 1発が海岸近くのショッピングセンタに落下した。
3月31日2発がそれぞれ港湾と近くの部隊に落下した。
 この攻撃で負傷者や軍事施設に被害はなかったが、いずれの場合も要撃されなかったことに衝撃を受けている。
 (註:CSSC-3 はソ連製 SS-N-2A スティックスのデッドコピーである HY-2 (C-201: 陸上発射型は CSSC-2 シルクワーム) 対艦ミサ イルの改良型)
2003.08 International Defense Review US field artillery demonstrates flexible fires in Iraq  1991年の湾岸戦争で米軍は32発の ATACMS Block 1 弾を使用したが、今回のイ ラク戦争では最初の5日間で126発、合わせて450発の各種 ATACMS が使用された。
 これらには Block 1 のほか、長射程型 Block 1BAT 搭載の Block 2、Quick Reaction 単弾頭弾型が含まれる。
2003.07.10 Inside the Pentagon MDA reviewing Patriot performance,meshing systems,official says  MDA はイラク戦での Patriot の弾道ミサイル対処に関する性能評価についての報告を待っている。
 陸軍は間もなくイラク戦での PAC-2 と PAC-3 の性能評価を終えるが、Patriot の実戦運用は今回が初めてであり英軍機の誤射を含め 、MDAは更なる改善の可否を検討する。
2003.07.07 Inside the Navy Aegis performance in war could spur Naval missile defense efforts  米海軍はイラク戦で10隻の Aegis艦をペルシャ湾に配置していたが、Aegis システムはイラクがクウェートに向けて 発射した11発の弾道ミサイルのすべてを捕捉追随し、陸軍の Patriot部隊に早期警戒情報として Link-16 により伝達していた。
 海軍はミサイル発射直後から目標を捕捉しており、独自のミサイル迎撃機能を持っていれば Patriot よりも 早く正確にミサイルを迎撃できるとしミサイル防衛機能の早期取得を議会に働きかけていくとしている。
2003.07 Jane's Missiles & Rockets 68% of munitions used on Iraq were guided, says US Air Force
= イラク戦において米、英、豪軍の行った空爆に関する各種データ =
  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  ┃    弾      種    ┃使 用 弾 数┃
  ┣━┯━━━━━┯━━━━━━━━╋━━━┯━━━┫
  ┃ │     │BGM-109 Tomahawk┃  802│   ┃
  ┃誘│巡航ミサイル │AGM-86C/D ALCM ┃  153│   ┃
  ┃ ├─────┼────────╂───┤   ┃
  ┃導│     │AGM-154 JSOW  ┃  253│   ┃
  ┃ │ASM  │Hellfire/Maveric┃ 1,480│   ┃
  ┃弾├─────┼────────╂───┤   ┃
  ┃ │ARM  │AGM-88 HARM   ┃  408│   ┃
  ┠─┼─────┼────────╂───┤   ┃
  ┃ │     │GBU-10     ┃  236│   ┃
  ┃ │PaveWay 2 │GBU-12     ┃ 7,114│   ┃
  ┃ │     │GBU-16     ┃ 1,233│19,269┃
  ┃誘├─────┼────────╂───┤   ┃
  ┃ │PaveWay 3 │EGBU-27     ┃  98│   ┃
  ┃導├─────┼────────╂───┤   ┃
  ┃ │     │GBU-31     ┃ 5,086│   ┃
  ┃爆│JDAM   │GBU-32     ┃  768│   ┃
  ┃ │     │GBU-35     ┃  675│   ┃
  ┃弾├─────┼────────╂───┤   ┃
  ┃ │     │CBU-103     ┃  818│   ┃
  ┃ │WCMD   │CBU-105     ┃  88│   ┃
  ┣━┷━━━━━┷━━━━━━━━╋━━━┷━━━┫
  ┃  非 誘 導 爆 弾       ┃     9,127┃
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━┛
 AGM-130, SLAM-ER, EGBU-27 以外の Pave Way Vなどは少 量しか使われなかった。 GBU-28 は1発だけ、GBU-37 は13発 使われた。 
2003.07 Jane's Missiles & Rockets JASSM made ready for Iraq, but not used  イラク戦争では B-52H が AGM-158 JASSM 発射用に改造され16発の JASSM と共に 待機していたが実際には使用されなかった。 代わって153発の AGM-86C CALCM が使 用された。
 2002年の失敗以来中断していた JASSM の発射試験の再開が4月1日に承認され、再開最初の JASSM は200mileを飛行し て、標的の1m以内に着弾し試験は成功した。
 しかしながら同一ソティーで発射された2発目は燃料系の故障からエンジンに点火せず、3発目はミサイルが発射機上でハングアップし たため延期された。
 空軍は2003年11月の full-rate 生産開始を予定している。 
2003.07 Jane's Missiles & Rockets B-52H to have enhanced PGM capability  イラク戦争で米空軍は B-52H に Predator からの映像受信装置を取り付け、PGM の投下を可能にした。 この成功を うけ空軍は更なる発展計画を検討している。
 Weapons Integration Next Generation 計画には、B-52H からの 200-lb SDB AGM-158 JASSM 、GPS/INS 誘導の WCMDMALD などの投下が含まれている。 
2003.07 Jane's Missiles & Rockets CBU-107 Passive-Attack Weapon rushed into action in Iraq
(前半は CBU-107 に関する JDW 2003.05.14 と同一内容)
 米空軍はイラク戦争で58発の CBU-107 PAW を使用した。
 Lockheed Martin社は PAW と同じ考え方の地雷原処理弾を提案している。
 この弾は全長100〜150mm、胴径15cmの弾体に、全長100mm、径0.88mmのフレシェット弾を200発ずつ5層、計1,000発収納し、航空機のほ か MLRS, ATACMS, 5in又は155mm砲から発射する。
 GPS で誘導されて地雷原上空に達した処理弾はロケットモータに点火して回転を与えると共に760m/sに再加速してフレシェット弾を放 出する。
2003.07 International Defense Review USMC deploy mini-UAV in Iraq  米海兵隊はイラクで、Dragon Eye と共に Silver Fox mini UAV を活用した。
 Silver Fox は全長1.8m、翼端長2.5m、重量8.6kgで、分解するとゴルフバッグのりやや大きなケースに収納される。
 動力には模型飛行機用のエンジンを使用し、70ktで4〜6時間飛行できるが、エンジンをより燃料効率の良い 重質燃料エンジンに変えれば16〜24時間飛行できる。
 着陸は胴体着陸を行うため再飛行にはプラスチック製のプロペラを交換しなければならないが、その単価は$1.25である。
 現在は手作りのため単価が$12,000するが、量産に入れば$5,000にまで下がると見られている。 
2003.07 軍事研究 電磁パルス爆弾:Eボム
= EMP と、Eボム、Bボムについて =
核爆発と EMP
 (過去の核実験における EMP について記述)
 電磁パルスの立ち上がりが数ナノ秒と、誘導雷極めて短く、従来の雷対策は EMP に対して無効である。
非核 EMP
磁束圧縮とEボム(電磁パルス爆弾)
 (磁束圧縮型電磁パルス弾の原理について記述)
 コイルに流された電流と出力電流の比(電流増幅率)は60にもなる。
EMP 対策
Bボム(ブラックアウト爆弾) 
2003.06.26 Inside the Pentagon Marine Corps eyes Army Stryker for future LAV  米海兵隊は次期 LAV (Light Amored Vehicle) の開発を進めるにあたり陸軍の Stryker車両をモデルとすることを検 討している。
 海兵隊の要求に対し Stryker には重量(19ton)を含めいくつかの改修が必要だが、イラク戦での Stryker の活躍 を海兵隊は高く評価している。
2003.06.26 Inside the Pentagon Marine Division praises P-3C surveillance capabilities  米第1海兵師団はイラク戦での海軍 P-3C の情報収集能力を高く評価し、将来的にも情報収集機による海兵隊支援を引 き続き行うよう海軍に求めている。
2003.06.23 Defense News Kuwaiti,U.S.Patriots found success against Iraqi missiles  クウェートによると、イラク戦でクウェートと米陸軍の Patriot 中隊は、イラクから飛来した12発 の戦術弾道ミサイルのうち9発の迎撃に成功した。
 ほとんどのミサイルは Al-Samoud-2 で、クウェート軍は PAC-2 及び GEM で2発を迎撃、残りの 7発は米軍が迎撃し、2発は PAC-3 で迎撃した。
 5月に行われた中東 6ヶ国で構成する湾岸諸国会議では 2003年末までに多国間防空システム の最終要求事項を決定するが、クウェートとサウジアラビアは既に Patriot を配備しており、残りの 4ヶ国も Patriot に関心を 示している。 最大の競争相手はロシアの S-300 となる模様。
2006.06.16 Defense News Bomber aircraft earn renewed respect  米空軍の大型爆撃機はアフガニスタンとイラクでの目覚しい活躍により、これまでの部隊縮小や機数削減から一転し 、新たな改善と更新が検討されている。
 イラク作戦での B-1、B-2 等重爆撃機の出撃は、3月19日から5月1日の間で約555出撃であった。 これは空軍の全出 撃数32,850の約1.7%にすぎないが投弾量は全体の37%を上回っている。
 また、爆弾の種類も通常爆弾から JDAM をはじめとする精密誘導爆弾が主体となり攻撃効果は飛躍的 に向上している。
2003.06.16 Inside the Army Hunter,Shadow UAVs continue joint operation missions in Iraq  イラクに展開している Hunter 2個隊と Shadow 2個小隊は偵察監視活動に多大な成果をあげ たが、戦闘終了後も引き続き統合作戦を支援するため駐留している。
 Hunter 部隊は、作戦で16機のうち3機を失ったものの、6月7日までに合計1477.5時間、302ソーティを、 Shadow 小隊は769.2時間、193ソーティを記録し、陸軍のみならず海兵隊と空軍にも情報を提供してきた。
 陸軍は 3番目の Hunter 部隊を 2004年1月までに独駐留の第5軍に編成すべく準備を進めている。
2003.06.11 Jane's Defence Weekly USAF eyes upgrade for surveillance aircraft  今回のイラク戦争で米空軍は、保有する15機の E-8C JSTARS のうち少なくとも 7機を使用した。 JSTARS のプロトタイプは湾岸戦争で初めて使用されたが、本格的に運用されたのは今回が初めてである。
 イラク戦争で JSTARS は、目標の発見のみならず、識別にも効果を発揮した。 Northrop Grumman社は、更にレーダ の解像度を上げるアルゴリズムを試験中である。
 空軍は搭載通信システムを更新して、Link 16 を用いて F-15E にデータを伝送する Block 30 を、2005年に 完成させようとしている。 
2003.06.09 Aviation Week & ST New tactics  米空軍はイラク戦で衛星と精密誘導兵器を組み合わせ B-1B、B-2 及び B-52 による爆撃を効果的に行った。
 米軍の秘密衛星は常時イラクの戦略目標を捜索、情報は適時に爆撃機に通信衛星によりもたらされた。 また、GPS/JDAM による標的の 破壊は特定の建物の 4階から 7階といった極めて制限された標的の攻撃を可能にした。
 衛星での標的確認から爆撃機による攻撃までの所要時間は湾岸戦争時には概ね 1日を要した。 アフガニスタ ン戦ではこれが45分に短縮され、イラク戦では 11分であった。
 軍は今後 1分以内を目標に技術革新を図るとしている。
2003.06 Jane's Missiles & Rockets Themobaric-warhead Helfire used in Iraq  米海兵隊はイラク戦争において AGM-114 Hellfire のサーモバリック弾頭型である AGM-114N を AH-1W に搭載して開戦初日から使用した。
 AGM-114N は主としてバンカーの攻撃に使用し、一緒に搭載された破片榴弾弾頭の AGM-114M が主として都市 部の戦闘に使用された。 
2003.06 Jane's Missiles & Rockets USAF plans to procure and upgrade more Textron Sensor Fuzed Weapons  米空軍はイラクで成果のあった SFW の追加発注を行っている 。
 イラクで使用されたのはアクティブレーザセンサを取り付けた P3I 型で、赤外線を発しない目標も攻撃でき ると共に、各子弾と一体化した16個の KE (Kinetic Energy) 弾片による破片効果も期待できる。
 初めての SFW の使用は4月2日に6発の CBU-105 WCMD にそれぞれ10発ずつ収納され投下された。  10発の SFW はそれぞれ4個の子弾を放出する。
 Textron社は BAT より安価を武器に ATACMS GMLRS の弾頭と しても売り込んでいるが、DoD にその計画はない。 
2003.05.21 Jane's Defence Wekkly US used thermobaric Hellfire in Iraq  ラムズフェルド米国防長官が5月14日に議会で、イラク戦争において初めてサーモバリック弾頭を装 備した AGM-114N Hellfire を使用したことを明らかにした。
 AGM-114N は炸薬として、BLU-118/B と同じ PBX IH-135 を使用している。 
2003.05.19 Inside the Army Patriot funding boost would include improvements to friendly fire  米下院軍事委員会は FY-04 の PAC-2 改善予算として $10M を追加することを提案している。
 これはイラク戦で Patriot による3度の友軍誤射が発生したことに対する措置で、改善内容には IFF 能力向上が含まれている。
 なお軍による原因調査は継続中だが、人為ミスよりもソフトウェアーの欠陥の可能性が高いとみられる。
2003.05.19 Aviation Week & ST Rocky road  米空軍は巡航ミサイル AGM-158 JASSM の運用評価試験 (OT) でいくつかの失敗が あったにも拘わらず、B-52 への搭載と量産への移行を進めている。
 JASSM には多くの問題点が明らかになっており、特に開発最終段階と OT の当初に発生した、不発射と搭載機からの投弾の失敗は量産 決定の障害になるものとして調査が進められている。
量産決定は 9月に予定され、当局は OT の終了する 8月までに導入の可否を決めるが、空軍は イラク戦で AGM-86 CALCM を153発発射したため保有数が大幅に減少したこともあり、 JASSM の導入を急ぐ構えをみせている。
2003.05.12 Inside the Navy House will boost TacTom budget,if 2nd supplemental does not  米下院の軍事小委員会は FY-04 の第2次予算法案に Tactical Tomahawk 補充予算として $376M の追加を提案している。
 また、同委員会は 海軍の ONR が開発した Affordable Weapon 巡航ミサイルの導入に関しても $178M の追加予算を提案している。
 海軍関係者の話では、イラク戦で保有する Tomahawk の3分の1 を射耗しているとみられる。
2003.05.12 Defense News UK weapons debut in Iraq  英軍はイラク戦で多くの最新兵器を初めて使用し、その総額は$798.7Mに及ぶことを明らかにした。
 対地攻撃ミサイルは Storm Shadow を GR4 Tornado に塔載し初めて実戦使用した他、MBDA 製 ALARM (Air-Launched ARM) を F3 に搭載し使用した。
 地上部隊用装備では、携帯型地雷除去装置 (Giant Viper System)、移動兵器評定システム (ARTHUR:ARTillery HUnting Radar)、砂漠 走行用に改造した軽量戦闘車両、ヘルメット装着型暗視システム等が初めて使用された。 
2003.05.12 Aviation Week & ST The Intel battle
= イラク戦における米空軍の情報作戦に関する記事 =
 米空軍は情報作戦を航空作戦命令と統合して行った。 特にサウジアラビアの作戦センターは、460件以上の移動目標と 41件の重要目標 を発見、数分以内に攻撃部隊に通報し成果を得ている。
 E-8C Joint-Stars は砂嵐の間も目標レーダー情報を収集し、作戦センターに伝達している。
 Global Hawk による情報収集は全収集飛行の 3%にすぎないが、13個の SAM 中隊陣地、50 基の SAM 発射機、300基のミサイルキャニスター及び 70台のミサイル運搬車及び 300両の戦車を発見した。
 無人機 Firebee も今回の作戦でイラクの SAM レーダーを妨害するチャフ散布機として活用された。 作戦当 初攻撃機はこのチャフ回廊を経て進入し、Tomahawk もこのチャフ回廊を活用している。
2003.05 Jane's Missiles & Rockets ATACMS QRU successfully flight-tested  米陸軍は2月に侵撤単弾頭型 ATACMS Block 1A 2発の 発射試験に成功し、3月にはイラク戦争に投入された。 イラクでは第3歩兵師団がバグダッド南部の 共和国防衛隊に対して多数の ATACMS を使用した。
 QRU (Quick Reaction Unitary) と呼ばれる侵撤単弾頭型 ATACMS 開発は、1999年のコソボ紛争の戦訓を受け て2000年12月に Quick-Reaction Program として開始され、2001年4月に初発射試験が行われている。
 弾頭には SLAM で使用している WAU-23/B が搭載され、2002年6月に44発、その後更に24発が発注され 2004年に生産を終了する。 
2003.05 Jane's Missiles & Rockets Tomcat gets JDAM ahead of schedule  イラク戦争で F-14D が初めて JDAM を投下した。
 2003年1月31日に海軍は F-14D の改造とソフトウェアの更新を完成して2月2日に空母へ送り込み、2日後に作業を開始して17日間で完了 した。 F-14D による最初の JDAM 投下は3月1日に行われた。 
2003.05 Jane's Missiles & Rockets Coalition makes massive use of guided munitions
= イラク戦争で使用された各種 PGM の紹介 =
 イラク戦争で投下された PGM は、4月7日時点までで18,000発以上で全体の70%になる。 特に 開戦後の4日間では全体の90%が PGM であった。
 主として使用されたのは GBU-31, GBU-32 などの JDAM であったが、バグダッド地域の爆撃には、よ り精度の高いレーザ誘導爆弾が使用された。
 開戦初日の3月19日に F-117 が4発の EGBU-27 を投下したが、これが EGBU-27 の初めての実戦使用となった。
 3月28日には B-2 から2発の 4,700-lb EGBU-37 が初めて投下された。
 英空軍は Storm Shadow 巡航ミサイルを30発以上使用した。
 4月3日にバグダッド南の共和国防衛隊機甲部隊に対して B-52H が6発の CBU-105 WCMD を投下したが 、この WCMD は JDAM 並の GPS/INS 誘導にしたものであった。
 Tomahawk BlockVC 740発使用された結果、備蓄 は1,150〜1,350発になってしまった。
 米軍はこの戦いに多数の UAV を投入したが、その中には Tactical Air-Launched Decoy や、開戦初日にバグダッドに チャフを散布した MGM-34 Firebee が含まれる。 
 (註:EGBU-27 とは、 BLU-109 侵撤爆弾 Pave Way V レーザ誘導装置を取り付けた GBU-24 を F-117 用に改造した GBU-27 に GPS 誘導装置を付加した Enhanced型。 EGBU-37 は、5,000-lb BLU-113 "Bunker Buster" に Enhanced Pave Way を取り付け F-15E 用に開発された GBU-28 を、 B-2 に搭載できるように改造した侵撤爆弾)
2003.05 軍事研究 対イラク戦争に間に合った「衝撃の畏怖」の超兵器 MOAB
 BLU-82 の投下高度は、MC-130 の機体を守るため6,000ft以上となっていることから、MOAB の最低投下高度は3,000m 位と見られる。

Big BLU
 弾体はコバルト合金製で、外観は EGBU-28 バンカーバスタを二周り大きくした様な形状、 貫通力は30mと言われている。
 Big BLU は弾庫の大きい B-2 が1発だけを搭載して投下する。

HPM
 GBU-31 2,000-lb JDAM の弾体に組み込まれ、4〜20GHzのマイクロ波を発生し、半径200m以 内の電子機器を無力化する。 マイクロ波発生はヘりカル FCG (Flux Compression Generator) が使用 されている。

2003.04.30 Inside Missile Defense Most intercept of Iraqi rockets were by older Patriot missiles  クウェート駐在の陸軍第32防空旅団は、米陸軍とクウェートの Patriot によるミサイルの迎撃成功 は9発で、このうち6発は GEM 弾によることを明らかにした。
 残りの2発は PAC-31発は GEM+による迎撃で、特に PAC-3 は保有数が少ないため 使用を控えていることも明らかにしている。
 イラクが発射したのは 射程90mile の Al-Samoud と Ababil-100 地対地ロケットで、唯一 Patriot が交戦できずクウェート市街地に 着弾したのは 1,000-lb 弾頭を搭載する Silkworm もしくは Seersucker と推定される対艦巡航ミサイルであった。
2003.04.30 Jane's Defence Weekly What went right?
= 主として戦略、戦術的観点からのイラク戦争結果の分析 =
・空中センサによる情報の活用について
・航空火力の活躍について。 
2003.04.28 Aviation Week & ST Precision Guidance  英空軍はイラク戦での精密誘導兵器による攻撃成果を基に、備蓄量の増強と将来的に必要とする空対地攻撃兵器の検 討を開始した。
 今回の作戦で、英空軍は Storm Shadow 巡航ミサイルと Maverick を初めて使用している。  また、多数の Enhanced PavewayU GPS/レーザー誘導爆弾を使用し、僅かながら Enhanced PavewayV も使用している。
 英空軍は波及被害を極限する PGB 2,000〜3,000発の導入を計画し、選定機種は PavewayW とJDAM のどちらかになるが、イラク戦での 成果が大きく影響するものとみられる。
 英軍は今回の作戦に最大 45,000人の兵員と航空機 100機、回転翼機 70機を投入し、空軍は連合軍の1日あたり 1,200ソーティに及ぶ 航空攻撃の 10% を実施、攻撃兵器の 90% が精密誘導兵器であった。
2003.04.28 Aviation Week & ST Spying Resistance  米海兵隊はイラク戦争に Pioneer UAV 8機を装備する2個部隊を派遣し第1海兵師団のクウェ ートからバグダッドへの侵攻を支援させた。
 Pioneer には昼間用カラーTV と夜間捜索用の改善型前方監視 IR 映像装置が新しく搭載され、極めて有効な情報をリアルタイムで師団 にもたらした。
 Pioneer は当初、クウェートから発進し主として砲兵部隊の索敵を行ったが、師団の前進に合わせ前進しイラク軍の移動情報を逐一師 団に伝達した。 なお、市街地戦では情報収集に制約を受けている。
 作戦間の運用は 1ソーティあたり約4.5〜5時間で、着地失敗による損傷と低空砲火等による損失は僅かであっ た。
2003.04.28 Aviation Week & ST Baghdad confidential
= イラク戦における米空軍活動状況 =
 Air National Guard の F-16 24機はヨルダン西部の基地からイラク Scud 発射機の制圧と地上部隊の H-1〜H-3 飛行場制圧支援及びバ クダッドの攻撃を行い、出撃回数は 700ソーティにのぼった。 また、ヨルダンから救難ヘリが運用されその後 H-1 に移動し、活動を継 続している。 なお、ヨルダン政府は公式には米軍の活動支援を否定している。
 作戦の終始を通じて Global Hawk UAV が索敵に運用され、映 像情報はサウジアラビアの共同航空作戦センターに送られ、15分以内に攻撃を行うことができた。
 B-1 による出撃は全ソーティの 2% にすぎないが、投下した JDAM の50%は B-1 に よる。 また、高々度爆撃は1日に 6〜7ソーティであったが、4月8日以降は 2ソーティに減っている。
2003.04.26 毎日新聞

  Yahoo

米英軍がイラク攻撃で約1,500発のクラスター爆弾を使用  マイヤーズ米統合参謀本部議長は25日、米英軍がイラク攻撃でクラスター爆弾約1,500発を 使用したことを明らかにした。
 議長は、大半は攻撃目標に向け正確に落とされたが、26発が民間人地区から約5.5km以内に着弾した。 うち 親爆弾1発が不発弾による市民への2次被害をもたらしたと報告した。
2003.04.24 Inside the Pentagon Patriot may mistake aircraft for missile combat's electronic glut  クウェートの米陸軍第 32防空司令部の Bromberg 准将は、度重なる Patriot 中隊の友軍誤射について言及し、戦場 における電子信号の過多が Patriot システムに何らかの影響を及ぼした可能性があると述べた。
 軍は現在、調査チームを編成し人為ミスと IFF 等の技術的故障もしくは欠陥の両面から調べているが、結論は未だでていない。
 Patriot 中隊は、3月23日に英空軍 Tarnado をクウェート国境付近で撃墜、2日後にはナジャフ南方で F-16 に対しレーダー追尾したた め HARM によりレーダーを破壊されている。 また、4月2日のカルバラ近郊での F/A-18 の墜落も Patriot によるものと見られている。 
2003.04.24 Inside the Pentagon Most intercepts of Iraqi rockets were by older Patriot missiles  クウェートに展開する陸軍第 32防空司令部によると、3月20日から13日間にイラクから発射された 弾道ミサイル9発の迎撃に PAC-3 ミサイルは 2発しか使用されていない。
 イラクからクウェートに対して行われた地対地ミサイルによる攻撃は、射程 90km以下の Al-Samoud と Ababi-100 で、9発の迎撃のう ち6発が PAC-2 GEM、1発が GEM+で残りの 2発が PAC-3 であった。
 PAC-3 が発射されたのは開戦初日の 3月20日と 4月1日の各1発で、DoD も今回の戦争で PAC-3 ミサイルの保有数が少 ないことを認めている。 
2003.04.21 Aviation Week & ST Harrier's new tools  イラク戦で英空軍は GR7 Harrier にいくつかの装備や兵器を初めて使用している。
 Harrier は新たに装備化した GPS 誘導の Enhanced PavewayU の他、Marberick の IR シーカー を標的の発見追随に活用している。 英空軍は現在、高度 10,000-ft から発見追随が可能な Targeting pod の導入を検討しているが、 Harrier にその機能はない。
 この他、今月に入り、GR3 Jaguar に装備している 低-中高度偵察ポッドを Harrier 用に改修し搭載を開始した。
2003.04.21 Aviation Week & ST Battling for Baghdad  4月7日、バグダッドの対地攻撃を行っていた A-10 のうち3機がイラク対空砲火により被弾し 1機が墜落、2機がイラク 南部の飛行場に緊急着陸した。
 生還した2機は、油圧系統に損害を受け、ほとんど制御できない状況であった。 損傷状況からは高射砲によるものではなく、ミサイル による被弾とみられるが、パイロットはミサイルの発射を確認していない。 
2003.04.21 Aviation Week & ST Out of sight  イラクの自由作戦における米空軍の働きは顕著であったにも拘わらず、陸軍や海兵隊の目に見える活躍の影にまわり 、湾岸戦争に比べ極めて地味な行動と評価されているため、空軍は議会や世論が空軍の活躍を至当に評価せず、今後の予算作業に影響を 及ぼすことを懸念している。
 湾岸戦争との大きな相違は従軍記者の存在で、陸軍や海兵隊は地上部隊に同行しその活動を逐次放送したが、空軍は空母や基地で取材 させたためアピール度は低く空軍当局も PR 不足を認めている。
2003.04.15 読売新聞

インターネット

GPS 利用の精密誘導兵器が8〜9割、イラク側を圧倒  米軍が使用した精密誘導兵器は、湾岸戦争では爆弾全体の約7.5%、コソボ空爆では約3分の1、一昨年のアフガン戦争 では約6割であるのに対し、今回は8〜9割に達する。
 イラク戦争では、14日までに1万8,000発以上の精密誘導兵器が使われ、爆弾の総量は湾岸戦争の20万発よりか なり抑えられたことになる。
 今回、イラク側にも GPS 信号を妨害する試みがあった。 
2003.04.14 Inside the Navy Marines receive new Silver Fox UAV for surveillance missions in Iraq  3月下旬、Silver Fox UAV 4機がイラクに展開中の海兵隊 TMEF に配備され、1月に配備さ れた携帯型 UAV Dragon Eye と連携して偵察監視を行う。
 Silver Fox は翼端長8ft、全長6ft、重量20-lb で翼は脱着式、HUMVEE に搭載し、簡易発射装置から打ち上げられる。
 滞空時間は 4〜5時間で、高度 1,000ftから各種カメラと化学剤検知センサーで監視活動を行い、データを瞬時に地上のラップトップコ ンピュータに送ることができる。 
2003.04.14 Inside the Army On Recon mission over Bagdad,Hunter UAV lost to hostile fire  米軍制圧前のバグダッド上空で偵察を行っていた米陸軍の Hunter UAV 1機が 4月7日に撃墜された。
 UAV は機体の氷結を避けるため通常より低高度で飛行していたところを対空火器により撃墜された。 機体は回収されていないが、軍 は搭載していた偵察監視システムに軍事秘密はないとしている。
 陸軍は現在、約40機の Hunter を保有しており、今週初めにイラクに送られた。
 なお、より小型の Shadow UAV が最近イラクに送られ、間もなく運用を開始する。
2003.04.14 Inside the Army Kadish:US forces saving PAC-3 missiles for more pressing threats  MDA の Kadish 長官は イラク戦での弾道ミサイル対処で PAC-3 ミサイルによる交戦が少ないのは、 Scud級ミサイルによる今後の攻撃を予測し、PAC-3 の使用を控えているためと上院に説明した。
 イラクはこれまでに Ababil-100 や Al Samoud 200 等の短距離ミサイルを 24発以上発射、この迎撃に 使用した PAC-3 はわずかに4発で、残りは全て PAC-2 GEM か GEM+ であった。
 同長官はまた、3月20日現在、軍が保有する PAC-3 ミサイルは約50発に過ぎないことも明らかにしている。
2003.04.14 Aviation Week & ST Woes encumber helo ops  イラク戦における砂嵐と気温の上昇は米海兵隊のヘリコプターの維持整備 に大きな障害となっている。
 海兵隊はイラク戦に CH-53 と CH-46 を輸送用に運用しているが、CH-53 のエンジンは 12年を経過しており、砂嵐での飛行はその後 30時間の整備を必要としている。 ちなみに作戦当初のエンジン交換率は 1,000 飛行時間あたり 6.7基に及んでいる。
 砂嵐はまた、回転翼の損傷を多発するため、エッジにテープを貼ったりポリウレタンを塗布する作業が増加している。
 気温の上昇はこれまでさほどの影響を与えていないが、5月に入れば著しく上がるとみられ、各種航空機器の故障は更に増えるものと懸 念されている。
2003.04.14 Aviation Week & ST Cobras in urban combat
= 市街地戦における戦闘ヘリ Cobra の運用に関する記事 =
 バクダッド攻撃に向けて米海兵隊の AH-1W Cobra 飛行隊はイラク侵攻当初からの戦訓を基に新たな戦術を採用している。
 1つはイラク対空砲火を避けるため、Hellfire や TOW ミサイルをホバリングせず移動しながら発射する戦法 で、陸軍の Apache ヘリより損害が少ないのはこの戦法が有効なことを示している。
 2つ目は使用兵器を市街地用に変更したことで、Hellfire は遅延信管を付けた侵徹破片効果弾頭仕様と、サーモバリッ ク弾頭装着の2種を用いている。
 これ以外にも対戦車仕様の Hellfire 及びフレシェットロケット弾も使用している。
2003.04.14 Aviation Week & ST B-1 strike on Saddam
= B-1による最初のイラク首脳部攻撃作戦に関する記事 =
 オマーンから出撃した B-1 は命令受領から 12分後にイラク首脳部が会議中とされるバクダッドの住居地区を爆撃した。
 使用したのは GBU-31 JDAM 4発で、2発は侵徹型、2発は 25msecの遅延信管付であった。
 目標となったのはバクダッド居住区域の 2ヶ所で、約 100ft 離れた地点に正確に投下、建物は完全に破壊され深さ10〜20ft、広さ150〜 200×100ft の痕跡が確認された。
2003.04.14 Aviation Week & ST Lessons Emerge
= 米海兵隊の航空作戦状況に関する記事 =
 イラク攻撃に参加した第3海兵航空団 (3MAW) は厳しい燃料制限を克服し、作戦を遂行している。
 作戦地域における給油機 KC-135 はわずか 24機であり、陸空及び海兵隊全軍の燃料を補給するには問題が多く 、空中給油はほとんどできない状況にある。
 3MAW は給油可能な前進基地を設営すると共に、偵察と攻撃を併用した航空機運用や 1機の索敵地域を 30×30mileに限定した短時間の対 地攻撃等を行い、燃料不足を克服した。
 また、敵師団の前進阻止に重点を置き CAS を努めて減らしたことは燃料不足対処に大きな効果があったとされている。
2003.04.14 Aviation Week & ST Beyond Baghdad
= 地上部隊のバクダッド侵攻に伴う航空攻撃様相に関する記事 =
 先週から航空作戦は市街戦の近接航空支援が主体となっており、空軍は50機以上の A-10 を 投入している。
 A-10 の主要火器は 30mm機関砲だが、IR誘導の AGM-65G2 Marvericks もしばしば使用している。
 なお、A-10 はこれまでに 1機が地上対空砲火により撃墜され、2機が被弾している。
 海軍と海兵隊は AV-8B Harrier や F/A-18 に搭載した JDAM や GPS 誘導爆弾で主要施設の攻撃を行っ ており、空軍は F-15E を前進基地に移動させ運用を開始した。
2003.04.14 共同通信

インターネット

イラク全土を掌握 開戦から26日、終結へ  イラク戦争で米中央軍報道官は14日、フセイン大統領の出身地で最後の拠点、北部ティクリット攻略をめぐる作戦に ついて、統制の取れた攻撃部隊としてのイラク軍は終わったようだと述べ、ティクリット制圧を宣言した。
 米英軍はこれで全土を掌握、開戦から26日目で戦争は終結に向かう。
2003.04.11 産経新聞

インターネット

MOAB 爆弾配備と CNN  CNN TV が10日、米軍が新型爆弾 MOAB を湾岸地域に配備したと伝えた。
 イラク戦争はバグダッド陥落で、北部にいるイラク軍残存勢力の掃討作戦が中心になっているが、米中央軍のレニュアート少将は同日 の会見で、われわれはいつでも適当な時期に使うことができると述べ、同爆弾の使用の可能性を排除しなかった。 
2003.04.09 Jane's Defence Weekly Grounded: why Iraq's air force won't fight  イラクは開戦時に、130機程度の作戦機を含む300機程度の空軍機と、65機程度の戦闘ヘリを含む230機程度の陸軍ヘリ を保有していた。
 作戦機としては、MiG-23, MiG-25, MiG-29 などの要撃機が39機、MiG-21, Mirage F1 など 防空戦闘機が50機、Su-22, Su-24, Su-25 などの攻撃機が35機含まれていた。
 これらの作戦機をイラクは、例えば MiG-23 を空軍基地近隣の共同墓地内に隠すなどしている。
 しかしながら、イラク空軍は陸軍に比べて戦意が低く、1991年の湾岸戦争時も空軍機がイラ ンに逃げ出し、イランに拿捕されている。 
2003.04.09 Jane's Defence Weekly US marines roll out new systems for Baghdad ops
= 海兵隊第1遠征軍がイラクで使用した新兵器 =
PRR
 英 Marconi社製の PRR (Personal Role Radio) が5,000台以上装備され、主として13名編成の歩兵分隊内の通信 に使用された。
Thermobalic SMAW
 Talley社は、肩撃ち式の SMAW (Shoulder-launched Multipurpose Assault Weapon) 用のサーモバリック弾頭を2,000発生産し、そのう ち1,000発がイラクへ送られた。 SMAW 用のサーモバリック弾頭は、他のサーモバリック弾頭の様に熱効果に 期待すると言うより、衝撃波効果が大きく、密閉された室内や、二階建ての建物内に有効である。
Dragon Eye
 10個システム(20機の機体と10基の地上装置)の Dragon Eye UAV が持ち込まれた。 海兵隊では2006年までに311システムを装備する 意向である。
その他 Low Tec 兵器
 穿孔装置、鏡、ケブラ製袖付き手袋、潜望鏡などの Low Tec 新兵器が活躍した。 
2003.04.09 読売新聞

インターネット

首都完全制圧へ、四方から包囲網  イラクの首都バグダッドのチグリス川西岸をほぼ掌握した米軍地上部隊は、9日朝までに、同川東岸にも部隊を大規模 展開させ、首都完全制圧に向け四方から包囲網を狭めている。
 マクリスタル米統合参謀本部作戦副部長は8日、開戦以来米軍の戦闘機・爆撃機が延べ3万回以上出撃、2万発以上の爆 弾を投下し、うち70〜80%が精密誘導爆弾だったことを明らかにした。
 91年の湾岸戦争では、米軍が使用した爆弾は20万発、うち精密誘導爆弾は4%程度だった。 
2003.04.08 時事通信

インターネット

湾岸兵力34万人以上=イラク領内に12万5,000人  マイヤーズ米統合参謀本部議長は7日、ペルシャ湾岸に展開中の米英軍は34万人以上で、 イラク領内には12万5,000人以上の兵力が投入されていることを明らかにした。 
2003.04.07 Defense News New questions surround Patriot missile system  米英軍当局は Raytheon 技術者とイラク戦での Patriot システムによる友軍誤射原因の調査を進めている。
 Patriot はこれまでに 米軍が少なくとも 3発の PAC-3 を、クウェート軍が 21発の PAC-2 GEM を発射し、 Ababil-100 及び Al Samoud-2 短距離ミサイル計 8発の迎撃に成功している。
 反面、3月24日には英空軍の Tornado を撃墜した。英軍機への誤射については IFF 装置の故障の公算が高いとしている。
 30日には米空軍のF-15をロックオンしたため逆にARM でレーダーを破壊されている。 また4月2日には米海軍の F/A-18C がカルバラか ら帰投中に墜落し、中央軍は Patriot による誤射の可能性を示唆している。
 地上からの攻撃を避けるためパイロットが IFF を切っていたため撃墜された可能性も否定できないとされている。 
2003.04.07 Aviation Week & ST Unfriendly fire  イラク南部で作戦中の英軍の装甲戦闘車両縦隊を米の A-10 が銃撃し5名が死傷したが、各車両には戦闘識別システム が装備されており、装置の速やかな改善が望まれている。
 合同作戦車両にはサーマルイメージと IR 放射装置からなる識別システムが装備されているが、今回の誤射は A-10 のパイロットが 2度も接近していることから英軍車両の形状に不慣れで、かつ装置を余り信頼していなかったためと推測される。
 湾岸戦争でも友軍相撃が多発したことから、米、英、独、仏の4ヶ国は1997年に ミリ波を用いた識別システム BTID (Battlefield Target Identification) 導入に合意、英は2001年に試作品の試験を行ったが、システムの実用 化は早くとも2006年頃とされる。
 米もまた、CCID (Coalition Combat Identification) を ACTD で研究しており、両国は2005年に共同試験を 計画している。
2003.04.07 Aviation Week & ST Scud busting a success
= スカッドの破壊に成功した F-15E 搭乗員のインタビュー記事 =
 WS O(Weapon Systems Officer) Mary Melfi 大尉の塔乗する F-15E は、イラクが保有を否定するスカッド攻撃の任務 を受領し、開戦直後にレーザー誘導爆弾による破壊に成功した。
 2機編隊の F-15E は攻撃の終始を通じ多数のイラク側対空砲火に曝され、頭上で炸裂するものもあったが、ジンキン グにより目標に接近した。
 F-15E は開戦以来数百の地上標的に夜間攻撃を行い爆弾を投下している。
2003.04.07 Aviation Week & ST Uptown, Downtown  DoD はバクダッド市内にある情報省の衛星アンテナを攻撃する Predator の映像をこのほど公表した。
 ビデオによると攻撃は Hellfire を搭載した Predator を含む 4〜5機の UAV で行われており、市内中心部の偵察と並行して攻撃が行 われた模様。
 イラクでの Predator の役割はスカッド発射機や地対地ロケット等移動目標の偵察監視と攻撃とされ、最初の標的は 対空砲であった。
2003.04.07 Aviation Week & ST Opening night in Baghdad
= 大統領宮殿を爆撃した F-117 パイロットのインタビュー記事 =
 開戦直後にバクダッドの大統領宮殿を爆撃したのは 2機編隊の F-117 であった。 F-117 は 2発の EGBU-27 をそれぞれ搭載し、20日午前5時30分に 4発を投下した。 投下地点は宮殿ではなく建物から約100〜200ft 離れ た空き地で地下にある堅固な構築物であった。
 爆撃後の航空写真では投下した爆弾による 50ft間隔の 4角形の破裂痕が確認された。
 (註:EGBU-27 とは、GBU-27 Pave Way V に GPS 誘導を付加したもので、F-117 専用の 爆弾であり、GBU-27 の本体は BLU-109 2,000-lb 侵撤爆弾である。)
2003.04.07 読売新聞

インターネット

米英の「友軍攻撃」死亡、戦死者の1割  イラク戦争では開戦以来、米英軍の間で味方を誤って攻撃する友軍攻撃が頻発しており、それ による戦死者は米英軍合わせた戦死者全体の1割に上っている。
 1991年の湾岸戦争では、米軍の戦死者148人のうち24%にあたる36人が友軍攻撃の犠牲者だった。 
2003.04.02 Jane's Defence Weekly Shock and awe?
= イラク航空戦 'Shock and Awe' の第1週速報 =
 3月24日の時点で、投下された爆弾等の80%が精密誘導爆弾であった。 これに対して湾岸戦争では10%以下で あった。
 3月22日には MQ-1 が、イラクの ZSU-23-4 SPAAG を発見し撃破し た。
2003.04.02 Jane's Defence Weekly Israeli-made decoy system angers Baghdad  イラクの TV が、米英軍がイスラエル製のミサイルを使っているとして、"TAAS JERUSALEM" の印字がある機体の破片 を放映した。
 これは米海軍がイスラエルから購入した IMI社製の空中発射デコイ TALD (Tactical Air-Launched Decoy:右 図) で、ルーネベルグレンズを搭載して RCS を拡大したり、レーダリピータやチャフディス ペンサを搭載できる。
 TALD は今までに米海軍が6,000機程度購入しており、1991年の 'Desert Storm' や、コソボでの 'Allied Force' 作戦で使用されている。 
2003.04.02 Jane's Defence Weekly Storm Shadow, Marverick debut for UK  イラク戦争の3月21日から22日において、英空軍は Storm Shadow 空中発 射巡航ミサイルを初めて使用した。 3月27日までに11発の Storm Shadow が使用された。
 Storm Shadow は BROACH 弾頭を搭載して250km以上飛行する。 
2003.03.31 Inside the Navy Navy officials warn Congress of urgent Tomahawk shortfalls  米海軍はイラク戦での Tomahawk の使用量が予想を大きく上回り、 備蓄が極めて不足していることを議会に報告した。
 DoD もこれを懸念しており、海軍はまだ装備化していない Tactical Tomahawk の量産を促 進する検討を行っている。
 量産開始は2004年を予定しているが、海軍では努めて早く製造を開始したい意向で、Raytheon社と月産製造数を38発から50発に増加す る検討を進めている。
 なお、Tac Tom の見積もり価格は予定価格の$569,000を大きく超過し $1M を越えるとの声もあり、導入を進 めるうえでの不安材料となっている。
2003.03.31 Inside the Army Ft.Bliss team deployed to investigate Patriot friendly fire incidents  クウェート国境付近で、Patriot 中隊が誤って英空軍の Tornado 戦闘機を撃墜した事故について、AMC は Ft.Bliss の防空センターから直ちに調査チームを現地に派遣し原因の追求を開始した。
 また、陸軍は空軍の F-16 を Patriot レーダーが捕捉追随し、逆に攻撃を受けてレーダーを破壊された件についても別途調査を開始し た。 なお、中央軍司令部は先週 Patriot 交戦規定の見直しを行っていることを明らかにしている。
 今回の事故原因として、連合作戦の不備、人為的ミス、環境状況及び電気的故障が考えられ、Tornado のケースでは IFF が故障した公 算が高いとされている。
2003.03.31 Aviation Week & ST Guerrilla war  イラク軍や民兵によるゲリラ的な攻撃に米軍は手を焼いており、航空戦略の見直しも検討している。
 地上攻撃に関しては移動する民間車両や民間人に対し敵対行動をとるまでは行わないことを原則とし、使用武器も JDAM の使用を制限、攻撃へりによる目視攻撃を増やす方針。
 なお、数週間でイラク軍が使用した対空兵器は S-60、KS-12、KS-19 といった旧式の対空火器と SA-7 から SA-18 級の携帯SAMが確認 されている。
2003.03.31 Aviation Week & ST Not so fast  バクダッドへの攻撃が予定より1週間遅れているのは作戦当初における航空戦力の運用に問題があったと米空軍関係者 が指摘した。
@ 作戦開始から数日間陸軍と海兵隊の地上攻撃に CAS (Close Air Suport) を全く行わなかったこと。 陸軍は進撃速度を優先 し、自軍の攻撃へりを運用した攻撃を行ったが、共和国防衛隊の戦力を減殺するにはいたらなかった。
 その後、CAS の要請を行い、敵は防勢に転移していった。
A 作戦開始、フセインとバース党を空爆目標としたこと。
 指揮機関と精強な共和国防衛隊を当初の目標としなかったことで数日間のロスを生じた。 開戦時の出撃は144ソーティで23日には 2,000ソーティ以上に増加、このうち900ソーティが攻撃任務であった。
B クウェートから250mileにわたる補給兵站線の確保に時間を要したこと。
 空軍は当初戦略目標を重視し、共和国防衛隊に対する主要な攻撃は開戦1週間後に開始された。 開戦直後から集結する敵戦力の減殺 を図れば進軍は更に迅速なものとなった。
2003.03.26 Jane's Defence Weekly The intelligence war
= イラク戦争を支援する SIGINT 機の状況に関する記事 =
 RC-135V/W 'Rivet Joint' 7機以上
 U-2S 2機以上
 Nimrod R1
 EP-3E
 Cobra Ball V
 そのほか、EC-130E 'Rivet Rider', EC-130J, EC-130H 'Compass Call', F-16CJ/DJ 'Wild Weasel', EA-6B 'Prowler', NKC-135 'Big Crow' などの状況について。 
2003.03.25 毎日新聞

インターネット

米、イラク戦費調達で9兆円の補正予算提案へ  ブッシュ米大統領は24日、イラク戦争の戦費調達のため総額747億ドル(約9兆円)の補正予算 編成を米議会指導部に求めた。 予算の具体的な内訳は、国防総省関連の追加予算が630億ドルと大半を 占めている。
 また、イラク側の油田破壊に備えて、25億ドル分の油田の修復費も盛り込んでいる。 
2003.03.24 Aviation Week & ST Battering Iraq  イラク侵攻に伴い、米第3海兵航空団 (MAW) はバスラ周辺で地上部隊の支援作戦を行っている。
 戦闘初日の攻撃目標は移動する車両や数ヶ所の軍事施設で、約5,000名の海兵隊員を支援するため2,000-lb JDAM やレーザー誘導爆弾、CBU-99 クラスター爆弾等を搭載した F/A-18 Nite Hawk と AV-8B Harrier が出撃した。
 また、夜間攻撃に多くの照明弾が使われた模様。
 なお、空軍と海軍支援戦闘機は主として戦略目標と陸軍の作戦を支援している。
2003.03.24 Inside the Army PAC-3 , enhanced PAC-2 engage Iraq missiles in first combat use  クウェートに配備した Patriot部隊は先週、PAC-3 と PAC-2 GEM+ による初めての対ミサイル交戦 を行い、イラクミサイル2発の迎撃に成功した。
 MDA は PAC-3 の現有総数が 50発程度でしかなく、速やかな増産が急務と している。 なお、PAC-3 の IOT&E は現在も実施中で、イラク戦の影響で5月予定のリップル射撃試験は 8月に 延期されている。
2003.03.24 Aviation Week & ST Battlefield buzz  米空軍は、イラク攻撃において UAV による通信妨害と欺偏を計画している。
 空軍は EC-130 による通信妨害任務を補足するため、小型で出力の小さい妨害装置を搭載す る UAV を対象施設近傍まで接近させ妨害を行うことを示唆した。
 該当機種は明らかにされていないが、Predator A が候補になっていると推測される。
 現在、約90機の UAV が運用されており、その内訳は Global Hawk 4機、Predator B 2機、Predator A 50機と、その他小型短距離機種とされる。
 今後 UAV による電子妨害は主として従前の通信妨害に加え、地上の指揮統制システムや防空部隊に対するコンピュータネットワークへ の妨害が多用される。
2003.03.24 Aviation Week & ST War  3月20日の開戦直後、クウェートに配備した Patriot中隊は、GEM 弾でイラクの TBM 1〜2発の迎撃 に成功したが、PAC-3ミサイルの展開は遅れている。
 現在 Patriot中隊の6基の発射機のうち、PAC-3用は1基しかない。 軍はイラクが保有する Scud C、Frog-7、 Al Samous 及び Al Hussein には GEM と GEM+ で充分対処できるとしているが、PAC-3の早急な導入が望まれる。
 なお、イラクの TBM 発射から迎撃に要する対応時間は2分とされ、湾岸戦争時の10〜12分を 大幅に短縮している。 発射情報は IR 検知衛星 DSP から JTAG (Joint Tactical Air-to-Ground System) を通じ中隊に伝達さ れる。 陸軍はクウェートに1個システムを展開している。
2003.03.24 Aviation Week & ST Offensive gathers Speed  イラク攻撃は 3月20日早朝開始され、フセイン大統領とバース党指導者を目標とする限定的な空爆がバクダッドに行 われた。
 バクダッドへの空爆は2機の F-117 に搭載した2,000-lb爆弾計4発と、艦船4隻と潜水艦2隻から発射された約40発の Tomahawk により行われ、爆撃対象にはラジオ、テレビ及び税関施設も含まれていた。
 バスラ地区への空爆は144ソーティで、主としてクウェートの基地から発進し、GPS 誘導爆弾が多用された。
 なお、戦果確認と目標位置評定に3基の最新型 KH-11 衛星と2〜3基の Lacrosse 衛星を運用中で、戦場を 2〜3時間に1回の割で確認している。