2011年 NATO のリビア空爆作戦に関する資料

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要             旨
2012.06 Jane's Missiles & Rockets US details TLAM use against Libya <1207-060016>
 米海軍が4月17日、2011年にリビアで使用した Tomahawk LACM (TLAM) が230発であったこ とを明らかにした。 そのうち英海軍と米海軍の内訳は公開されなかったが、米海軍はリビア戦の射耗補填分として211発を 要求している。
2012.04.25 Jane's Defence Weekly Over 2,000 Tomahawks fired in anger <1206-042503>
 Tomahawk が今までに、実戦で2,000発以上、運用試験で500発発射されたことを Raytheon社が明ら かにした。 2,000発目は2011年にリビアで発射された。
2012.02.15 Defense News NATO to spend 3 billion Euros on Global Hawk program <1203-021506>
 NATO が2月15日、リビア戦の教訓から AGS 計画で最終合意したと発表した。 これによ り NATO は Global Hawk 5機をEUR1Bで購入し、今後20年間にEUR2Bかけてシシリー島の基地で運用する。 計画に参加 しているのは NATO 加盟28ヶ国中13ヶ国であるが、今後英仏なと他の加盟国も加入すると見られる。
 リビア戦で NATO は、空爆戦果の確認などで米国の UAV に大きく依存していた。
2012.01.18 Jane's Defence Weekly RN Libya report calls for new land-attack options <1203-011801>
 英海軍はリビアでの戦訓から対地精密打撃能力の不足を感じ、艦載型 GMLRS の様な火力の必要性を報告してい る。 2000年代中頃にドイツは M-270 MLRS を元にした MARS の艦載型を明らかにしたが、この計画は棚上げされている。
 また戦訓では艦載型 UAV による ISR の必要性も強調されている。
2012.01.09 Aviation Week & ST Joint problems <1203-010910>
 NATO 主導で行われた対リビア作戦では、米国と同盟国の間から種々の不満が聞こえている。
 特に問題なのが、作戦初期に米海軍が Air Tasking Order との調整なしにミサイルを発射したことである。 また情報の共 有も問題であった。
2012.01.09 Aviation Week & ST Growler debut <1203-010909>
 EA-18G Growlerリビア紛争に初めて参戦した。
 米国の国防費削減のなかで次世代の長距離爆撃機 (LRS) は生き残ったが、次世代 ECM 機 である NGJ は LSR を支援する必須のシステムである。
2011.11.28 Aviation Week & ST Libya lessons <1201-112806>

= リビア戦での戦訓に関する記事 =
 
2011.11.09 Jane's Defence Weekly RAF heralds combat firsts during Libyan ops <1201-110901>
= リビア作戦における英空軍の活動に関する記事 =
 英空軍は10月31日に全部隊を撤収させた。 作戦には Tornado GR.4 と Typhoon FGR.4 のほか、 E-3D AEW&C機、Sentinel R.1 ASTOR、VC10 及び Tristar 空中給油機が参戦した。
 3月19日には Storm Shadow を搭載した Tornado GR.4 が、VC10 及び Tristar の支援を受けながら、Norfolk の基地から 3,000哩を往復し、Storm Shadow 8発をリビア軍の指揮通信中枢に向けて発射した。
2011.11.02 Jane's Defence Weekly UK Apache, Storm Shadow strikes during Libyan operations detailed <1112-110204>
 英陸軍はリビア戦に5機Apache AH.1 を投入し、107目標に対して AGM-114 Hellfire 99発、CRV-7 ロケット16発で攻撃を行った。
 一方英空軍は、主として8月22日のトリポリ陥落後に Storm Shadow 60発以上を使用した。 また伊 空軍も Storm Shadow、仏空軍は SCALP を使用した。
2011.10.20 読売新聞

インターネット

NATO 空爆出撃9600回、反カダフィ派支援 <1111-102002>
 20日にカダフィ氏が死亡したと発表されたことで、3月末から続けられてきた NATO の軍事作戦は終結に大きく近づ いた。 NATO のラスムセン事務総長は再三、作戦を継続する必要がなくなれば直ちに作戦を終わらせると強調してきた。
 8月23日のカダフィ政権崩壊後も続けてきた軍事作戦は、1949年の NATO 創設後初めて英仏など欧州諸国が主導する形で実施され、反カダフィ派の地上部隊を空爆で支援 してきた。 英仏軍が主導した NATO による空爆は、出撃回数が9,600回を超えた。
2011.10.03 読売新聞

インターネット

携行型地対空ミサイル5千発、リビアで行方不明 <1111-100303>
 リビアの反カダフィ派組織『国民評議会』の国防担当幹部が1日、カダフィ前政権が保有していた MANPADS5,000発 が行方不明になり、国際テロ組織の手にわたった可能性があることを明らかにした。
 行方不明となっているのは SA-7 で、カダフィ政権は約2万発保有し、西部ジンタンなどに保管していた。 このうちの14,000発以上は今回のカ ダフィ派と反カダフィ派の戦闘で使用されたり、反カダフィ派が破壊するか使用不能にしたという。
2011.09.21 Jane's Defence Weekly UK to buy at least 500 Paveway Ws to restock after Libya <1111-092105>
 英国防省が Raytheon社と、リビア戦における射耗補填分として、Paveway W 500発以上の購 入交渉を行っている。 また、これと合わせて Brimstone (DMB) ミサイルも調達され、その数は 200発と推測される。
 しかしながら Storm Shadow CM は数度にわたり使用されたが、追加調達される話はない
2011.08.24 Jane's Defence Weekly UAV shot down by Ghadaffi forces, says NANAIR <1110-082405>
 米海軍の MQ-8B Fire Scout が6月21日、リビアでカダフィ政府軍に撃墜された
 米海軍の高官によると Fire Scout は小火器弾ではなく、もっと大型の武器で撃墜された模様である。
2011.08.17 Yahoo 毎日新聞記事

「カダフィ大佐の部隊、スカッドミサイル発射」

<1109-081703>
 AP通信が米国防総省関係者の話として、内戦状態にあるリビアで、カダフィ大佐の部隊が14日、Scud を発射したと報 じた。 Scud は反体制派が最近進出した東部の要衝で石油積み出し港マルサエルブレガから80km離れた地点に着弾したが、死傷者や施設への損害は無かったという。
 米シンクタンクによると、リビアは Scud B(射程300km)と Scud C(同500km)を保有していたが、3月に始まった NATO の空爆で多数が破壊されている。
2011.06.29 Jane's Defence Weekly NATO: Fire Scout lost over Libya <1109-062914>
 6月21日リビアで、米海軍のフリゲート艦 Halyburton から発進したと見られる MQ-8B Fire Scout が消息を絶った。 これがリビア作戦 'Operation Unified Protector' における、初の航空機 の損害となった。
2011.06.29 Jane's Defence Weekly RAF highlights Typhoon's role over Libya <1109-062905>
 英空軍がパリ航空展で、Typhoon の国連安保理決議1973号に基づくリビアでの活躍をアピー ルした。 リビアに派遣された Typhoon は6機で、イタリア南部の基地から毎月84時間出撃し、総出撃時間は1,500時間 に達した。
 当初の任務は空対空戦闘であったが、その後主に空対地戦闘になった。
2011.06.27 Aviation Week & ST Unmanned Scout down <1108-062702>
 米海軍の MQ-8 Fire Scout が6月21日、リビアで墜落した。
 当時 Fire Scout は高度5,000〜7,000ftから情報を送信中で、制御装置にも異常が見られないことから、撃墜された模様である。
2011.05.24 産経新聞
インターネット
フランスが攻撃ヘリ投入 手詰まり状態打破へ <1106-052401>
 フランスのジュペ外相が23日、NATO が進める対リビア作戦の手詰まり状態を打破するため、フランス軍の攻撃ヘリコプタを 投入することを明らかにした。
2011.05.11 Jane's Defence Weekly Typhoons conduct self-targeting Paveway attacks <1107-051101>
 英空軍の Typhoon がリビアで、Enhanced Paveway UGPS 誘導で投下した。 これが Typhoon による初の self-targeting 投弾になる。
 Typhoon には self-designation 投弾能力もあるが、まだ使われてはいない。
2011.05 Jane's Misilles & Rockets SCALP cruise missile used in combat <1107-050003>
 フランス海空軍が3月23〜24日、リビア空爆初めて SCALP CM を使用した。 攻撃には仏本土から飛来した Mirage 2000D 2機、Rafale 2機と、リビア沖合の空母 Charles de Gaulle を発進した Rafale 2機 が参加した。
 目標となったのは海岸から250km奥にある Al Jufra 空軍基地で、2010年7月20日に撮影された衛星画像には Tu-22 7機MiG-25 12機、その他に各種輸送機が写っている。/td>
2011.05 Jane's Misilles & Rockets Air strikes target Libyan defences <1107-050001>
= リビア空爆の推移に関する3頁の記事 =
Tomahawk の攻撃
 英海軍の Trafalgar級潜水艦1隻と、米海軍の DDG、SSN、SSGN から、3月19日に112発、翌日までに計124発Tomahawk 及び Tactical Tomahawk が発射された。 Tomahawk は22目標に対し発射され、初弾 は現地時間21:00に、約1時間を飛翔して着弾した。
制空戦闘
 最初の攻撃でリビアのレーダは全て沈黙し、3月24日に練習機と軽攻撃機が離陸したものの、着陸したところを Rafale が投下した AASM で 破壊された。
対地戦闘
 B-2 3機JDAM 45発を Ghardabiya 空軍基地に投下した。 同基地には80基の航空機用強化シェ ルタがあり、16基ずつ4ヵ所及び8基ずつ2ヵ所に分散していたが、B-2 はそのうち3ヵ所を破壊し、残りは Tomahawk で破壊した。
 3月19、20日の両日、英空軍が3機の Tonado GR.4 で Storm Shadow CM を発射した。
電子戦
 米空軍の F-15E、F-16CJ 及び海兵隊の AV-8B の攻撃には、海軍の EA-18G Growler が同行掩護した。
2011.04.18 Aviation Week & ST Typhoon strikes <1105-041803>
 Typhoon が4月12日にリビアで、初の対地攻撃を行った。
 この攻撃で Typhoon は Tornado と共に出撃し、Typhoon は Enhanced Paveway U、Tornado は Paveway W を投下し た。
2011.04.04 Aviation Week & ST Moving target <1105-040403>
 NATO のリビア作戦が、NATO AGS 計画を僅かながら前進させようとしている。 リビアで NATO は、米空軍の E-8C JSTARS と英空軍の Sentinel R1 の情報に頼っているのが現状である。
2011.04.04 Aviation Week & ST Choke hold <1105-040402>
= リビア空爆に関する記事 =
 
2011.04.01 Yahoo 時事通信記事

「航空機205機、艦船21隻=リビア軍事作戦−NATO 」

<1105-040101>
 NATO が31日、国連安保理決議に基づくリビア軍事行動指揮権が全て NATO に継承された同日時点で、米英仏など NATO 加盟14ヵ国から戦闘機などの航空機計205機、艦船計21隻が作戦に貢献していることを 明らかにした。
2011.03.31 Yahoo 時事通信記事

「米空軍、AC130 を投入=リビア空爆」

<1104-033101>
 米軍筋によると、リビア軍は部隊の移動を小規模なグループに分散化し空爆を回避する戦術を取っており、米空軍は 新たに地上の目標を精密攻撃する AC-130 を投入した。
2011.03.26 Yahoo 読売新聞記事

「対リビア作戦、指揮権を NATO に完全移譲か」

<1104-032601>
 ヘイグ英外相が25日、NATO がリビア上空の飛行禁止空域監視だけでなく、多国籍軍全体の指揮権 を米軍から数日中に引き継ぐことになるとの見通しを明らかにした。
 NATO の報道官も同様の見解を示したが、NATO 全28加盟国による最終決定は27日に行われる見通しである。
2011.03.25 Yahoo 時事通信記事

「対リビア軍事作戦10ヵ国参加=航空機350機、艦船38隻」

<1104-032501>
 米国防総省が24日、対リビアの軍事作戦には中東のカタールを含め10ヵ国が参加し、リビア上空に設定された 飛行禁止空域での任務には少なくとも米英仏、スペイン、イタリア、カナダなど8ヵ国が参加していることを明らかにし た。
 多国籍軍は航空機350機以上、艦船38隻(米軍12隻)を投入している。
2011.03.24 Yahoo 毎日新聞記事

「リビア 政府空軍力が大幅低下 多国籍軍の攻撃が効果」

<1104-032401>
 多国籍軍のリビア政府軍に対する空爆は23日に5日目を迎え、カダフィ大佐率いる政府軍側の空軍力が大幅に低下して いる模様で、仏英米を中心とする多国籍軍の空爆が一定の効果を上げているとみられる。 英空軍高官は23日、事実上、政府軍の空軍は戦力としてはもはや存在していない と述べ、多国籍軍の攻撃が奏功しているとの認 識を示した。
 一方で政府軍は地上部隊による市民攻撃を強めており、戦況の先行きはなお不透明な情勢にある。
2011.03.21 Yahoo 日本テレビ記事

「リビア軍事作戦 米軍爆撃機が空爆に初参加」

<1104-032102>

 アメリカ国防総省によると、20日の攻撃には米空軍の B-2 も初めて参加し、カダフィ政権側の防空施設に加えて、リビア東部ベンガジ近郊に 展開する地上軍などに対しても攻撃を行ったという。 マレン統合参謀本部議長は、すでにリビア上空の制空権を確保したとの認識を示した。
 また、カタールの軍用機もまもなく作戦に加わる。

2011.03.21 朝日新聞

インターネット

米艦から巡航ミサイル124発 リビアの軍事施設を攻撃 <1104-032101>
 19日午後にサルコジ仏大統領が軍事介入の開始を宣言した後、オバマ米大統領も訪問先のブラジリアで、米軍に限定的な軍事 行動の開始を許可したと発表し、地中海上の米艦船から20ヵ所以上のリビア軍事施設に向けて Tomahawk 124発を撃ち込むなど軍事作戦を 本格化させた。
 攻撃は、リビア上空の飛行禁止空域を確保するため、リビア政府軍の防空網を破壊するのが目的である。
2011.03.20 朝日新聞

インターネット

英海軍の潜水艦もミサイル発射 リビア軍施設へ <1104-032003>
 英国防省が、英海軍の潜水艦が19日、リビアの軍施設へミサイルを発射したことを明らかにした。 地中海の米軍艦 船からのミサイルと合わせて計110発以上が発射されたとされる。
 キャメロン首相は、英空軍機がリビア領空内に入り、作戦を実行していることを明らかにした。
2011.03.20 Yahoo 毎日新聞記事

「リビア、米英軍も参戦 艦船からトマホーク110発猛射」

<1104-032002>
 米国防総省が19日午後、米英両軍がリビアのカダフィ政権軍に対する攻撃を開始し、リビア沖の地中海に展開する米英 両軍の艦船から Tomahawk 110発が発射されたと発表した。
 米国防総省によると、ミサイル攻撃は主にリビア西部の20ヵ所に向けて実施された。攻撃対象の多くは SAM 陣地などで、飛行禁止空域確保のためリビア上空を飛行する 多国籍軍機への驚異を取り除く狙いがあるという。 ロイタ通信は、軍事作戦には米英のほかにフランス、カナダ、イタリアも参加していると報 じた。
2011.03.20 Yahoo 読売新聞記事

リビアに軍事介入、仏軍がカダフィ派へ攻撃開始

<1104-032001>
 フランス国防省報道官が19日夜(日本時間20日未明)、仏軍の戦闘機がリビア領空からカダフィ派の車両を攻撃したと 述べた。
 これに先立ち、米英仏と EU 、アラブ連盟、アフリカ連合、国連は同日、パリのエリゼ宮で緊急の首脳級協議を行い、カダフィ氏が国民に対す る武力行使をただちにやめなければ空爆に踏み切る方針を確認した。
2011.03.19 Yahoo 時事通信記事

「ノルウェー、デンマークも参加へ」

<1104-031902>
 ノルウェーのストルテンベルグ首相が19日、リビア上空の飛行禁止区域設定を履行する作戦に加わるため、F-16 6機を派遣 することを明らかにした。
 一方、デンマーク国防省によれば、同国は F-16 4機をはじめ計7機を送るという
2011.03.19 Yahoo 産経新聞記事

「カダフィ大佐、停戦表明後にベンガジ空爆」

<1104-031901>
 リビアでは、カダフィ大佐側の即時停戦発表後の18日夜から19日にかけ、反体制派の拠点ベンガジや北西部の第三の都 市ミスラタなどで、カダフィ側部隊による攻撃が続いた。
 AFP 通信などによると、ベンガジ南郊では19日朝、少なくとも2回の空爆があり、反体制派はカダフィ氏側の戦闘機1機を撃墜した。 カダフィ氏側の地上部隊の一部が ベンガジから数十`の地点にまで接近しているとの情報もある。
2011.03.19 朝日新聞

インターネット

英首相、空軍にリビア出撃準備命令 安保理決議受け <1104-031902>
 国連安全保障理事会によるリビア上空の飛行禁止空域設定の決議を受け、キャメロン英首相が18日、英空軍に出撃準備を命 じた。 仏政府も同日、数時間以内にも軍事行動を開始する可能性を示唆した。
 英首相は同日朝に緊急閣議を開いたのち下院で演説し、Tornado 戦闘機などに出撃準備をさせていると語った。 英国と共に飛行禁止空域の設定に積極的なフランスも 同日、サルコジ大統領が首相、国防相、軍首脳らと緊急会合を開いた。 仏政府報道官は、リビアへの限定的空爆が数時間以内 にも行われる見通しと述べた。
2011.03.19 Searchina カダフィ政権に最後通告、米英仏、奪回地撤収も要求 <1104-031901>
 フランス大統領府が18日、リビアのカダフィ政権に対し米英両政府と共同で、即時停戦や武力で奪回した都市からの 撤収、反体制派の本拠地ベンガジへの進撃中止などを要求した。
 声明は、カダフィ政権が対リビア国連安全保障理事会決議に違反すれば、軍事力行使で履行を強制するとしており、事実上の最後通告である。
2011.03.18 Yahoo ロイタ通信記事
「安保理がリビアの飛行禁止区域設定、市民保護に『あらゆる措置』」
<1104-031801>
 国連安全保障理事会が17日、リビア上空の飛行禁止区域を設定し、市民を守るために『あらゆる必要な措置』を講じ ることを承認した。
 あらゆる必要な措置とは、軍事行動も含むことを示す。