イスラエルの弾道弾に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2023.02.22 Jane's Defence Weekly IAI, BEL to make LORA in India <2304-022207>
 インド国営BEL社がAero India 2023展で、IAI社とインド国内で
LORA SSMを共同生産することを明らかにした。
 LORAは射程90km~430kmで、600kgの侵徹又は破片効果弾頭を搭載する。 初期は弾道飛翔し、のちに追随と迎撃を避ける変則軌道飛翔を行う。CEP=10mの精度を持つ。
 LORAはには艦載型と陸上型があり、陸上型は4発入りキャニスタを車載する。
 発射機4両に16発再装填車4両に16発及び指揮統制通信社で構成される。
2020.06.10 Jane's Defence Weekly IAI tests two LORA ballistic missiles at sea <2008-061010>
 IAI社が6月2日にLORA BM 2発の船上発射試験を実施し、別々の標的に命中させた。
 1発目はLORAの最小射距離である90km、2発目は最大射距離400kmで行われ、商船から発射された。 LORAの発射はいかなる船上からも可能であるという。
 200kgの侵徹または破片効果弾頭を搭載しGPS/INS誘導のLORAはCEP≦10mの精度を持つ。
2020.06.02 Jane's 360 IAI tests two LORA ballistic missiles at sea <2007-060205>
 IAI社が6月2日、LORA TBM 2発の艦上発射試験に成功し、何れも水上の標的に命中したと発表した。 2発はそれぞれLORAの最小射程と最大射程に近い90km400kmで発射された。
 IAI社によるとGPS/INSで誘導されるLORAのCEP10m級という。
2018.02.14 Jane's Defense Weekly Israel negotiating for additional IMI rocket systems <1804-021410>
 IMI社が2月5日、イスラエル国防省と地対地ロケットの生産について交渉中であることを明 らかにした。 イスラエル軍は射程150kmのEXTRA 306mmロケットシステムを装備する複数の中隊を新たに編成するとい う。
 またイスラエル紙が、この中隊は今後射程300kmのロケットを装備すると報じた。 このロケットとはIMI社製で射程300kmの Predator Hawkを指すと見られる。
2017.06.20 Defense Update Israel tests sea-launched LORA missile <1707-062006>
 イスラエルIAI社が、
LORA TBM艦上発射試験に成功した。
 LORAは射程400kmで誤差10m以内の性能を持つ。
艦上発射試験の映像 (YouTube)】
2017.02.21 Defense News Israeli Artillery Corps poised for longer-range, improved precision strikes <1703-022104>
= イスラエル軍の長距離精密打撃砲兵火力の紹介記事 =
Predator Hawk: 全長5m、弾頭重量200kg、射程300km
Extra: 全長4m、弾頭重量120kg、射程150kmCEP<10m
Romach: 射程40kmCEP<10m、最近operational
 ExtraとRomachは共通の発射機Lynxを使用する。
2016.08.10 Yahoo ロイタ通信記事

「ベトナムが南シナ海にロケット弾発射台を配備、「正当な権利」」

<1609-081003>
 複数の欧米の当局者によると、ベトナムが南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)に移動式の ロケット弾発射機をひそかに搬入していた。 ロケット弾はイスラエルから調達した射程150kmのEXTRAとみら れ、同国が実効支配する岩礁など5ヵ所の拠点に船で移送されたた。 発射機は空からは見えないようになっており、ミサイルはまだ搭載され ていないが、2~3日で態勢を整えることが可能という。
 現在の配備地点からは、中国が滑走路などを建設したミスチーフ礁、スービ礁、ファイアリークロス礁が射程圏内に入るため、中国の反発で 緊張が高まる恐れがある。
2016.02.10 Defense Update Rocket systems for coastal defense <1603-021005>
 沿岸及び島嶼防衛システム(
CIDS)としては、従来CMや砲熕兵器が用いられてきたが、最 近では中国のDF-21DやイランのKhalij Farsのような弾道ミサイルも出現している。
 イスラエルのIMI社がDF-21DやKhalij Farsと同様の構想で、より柔軟性があり安価なCIDSを提案しており、既に ベトナムがKillerシステムとして採用している。 KillerはACCULARファミリの誘導ロケット弾と Orbiter 2 mini UAVを組み合わせたシステムで、80nmの射程と精度10m以内を実現しているという。
【ACCULAR関連記事:1109-072710 (JDW 2011.07.27)】
2016.01.20 Jane's Defence Weekly New guided artillery rocket to enter Israeli service <1603-012009>
 イスラエルIMI社が、M270
MLRSから発射する射程35km、CEP≦10m 、弾頭重量20kgの、GPS誘導ロケット弾Romahを開発した。 Romahの胴径は明らかにされていな いが、仮に160mmとすればM270に12発以上搭載できることになる。
 イスラエルはLAR-160ロケット弾の誘導型で、射程40km、弾頭重量35kgの160mmロケット弾AccuLARや、306mmロケット弾EXTRA を保有している。
2014.12 International Defence Review IMI shows off new lighter, smaller ARS <1503-120002>
 イスラエルの IMI社が、Lynx-Light 砲兵ロケットシステム (
ARS) を発表した。 Linx-Light は現有の Lynx ARS を元にしているが、160mm弾を13発搭載する Lynx ARS が6×6車であるのに対し、160mm弾を4発搭載する Lynx-Light は HMMWV 4×4車搭載である。
 160mm弾は射程が40kmであるが、CEP=10mの ACCULAR 誘導ロケット弾も発射できる。 更にシステムは射程150kmCEP=10mEXTRA 306mmロケットも搭載できるという。
2014.10.06 Aviation Week & ST Deep strike <1412-100607>
 ポーランド陸軍が、中期的に$40Bを投じて WR-300 システムを整備して長距離打撃力を確保する Homar 計画を進めようと している。
 この計画には IAI社が射程300kmの LORA
TBM を提案しているほか、Lockheed Martin社が HIMARSGMLRS、トルコの Rockesan社が T-300J-600T を提案している。
 また IAI社は Harop CM も提案している。
2014.07 Inrternational Defence Review IMI reveals Predator Hawk long-range guided artillery rocket <1408-070005>
 IMI社がカザフスタンで開かれた KADEX 2014 で、Predator Hawk 誘導ロケット弾を公表した。 Predator Hawk は全長5.4m 、胴径370mm、弾頭重量200kgで、射程は250km、GPS/GLONASS で誘導され CEP=10mという。
2014.07 Inrternational Defence Review EXTRA guided rocket offered as a naval weapon <1408-070002>
 IMI社がカザフスタンで開かれた KADEX 2014 で、艦載型
EXTRA 誘導ロケット Trigon を公表した。 Trigon は4発装填のパックを固定発射角で艦上に取り付ける。
 EXTRA は全長4.4m、胴径306mmで、120kgの弾頭を搭載して150kmの射程を有し、精度は CEP=10m という。
2013.07.29 Aviation Week & ST Quiet leap <1309-072902>
 イスラエルが最近(註:7月12日)に行った弾道弾の発射試験は、固体燃料三段推進で、射程5,000km、弾頭重量1,000kgの Jerico Ⅲ と見られる。
 1960年代に射程500kmの Jerico Ⅰ を開発したイスラエルは、1986年に固体燃料二段推進で射程1,500kmの Jerico Ⅱ の発射試験に成功し、その直後に配備を開始したと見られている。
 1988年には三段推進の SLV Shavit 1 で Ofeq-1 衛星を打ち上げ、2007年と2010年には改良型の Shavit 2 で Ofeq-7 と Ofeq-9 を打ち上げて いる。 Jerico Ⅲ は Shavit 2 を元にしていると見られている。
2013.07.12 Defense News Ministry: Israel tests rocket system <1308-071201>
 イスラエルが7月12日、地中海に向けて新型弾道弾の発射試験を行った。 このミサイルは射程5,000kmである Jericho の新型と見られる。
 イスラエルは2008年1月に長距離弾道弾の試験に成功し、その後2011年11月に推進装置の試験を行ったと信じられている。
【関連記事:0803-012301 (JDW 2008.01.23)】
 一方イスラエルは200発と推定される核弾頭を保有していると見られている。
2012.05 Jane's Missiles & Rockets Israel eyes air-launched EXTRA <1206-050003>
 イスラエルの報道によると、IAI社が空中発射型 EXTRA を計画している。 EXTRA は射程150kmの 306mm SRBM で、120kgの弾頭を搭載して CEP=10m であるが、空中発射型は全長4.3m、発射重量500kgで、100kgの弾頭 を搭載する。
2011.11.07 Aviation Week & ST Deter or destroy? <1201-110703>
 イスラエルが11月2日、射程4,000kmの IRBM Jericho Ⅲ の発射試験を行った。 Jericho Ⅲ は Palmahim AFB から 地中海に向けて発射された。 Jericho Ⅲ の前回の発射試験は2008年に行われている。 米英の専門家は Jericho Ⅲ の射程は6,500kmまでに伸 びているとしている。
 イスラエル空軍は同日、サルディニア(註:イタリア半島西方の島)において、F-16C/D 14 機、KC-707 空中給油機3機、G550 Eitan AEW&C機1機による、長距離機動演習を行ったと発表 した。
2011.11.02 Yahoo 時事通信記事

「弾道ミサイル発射実験=イラン攻撃説も浮上―イスラエル」

<1112-110203>
 イスラエルのメディアによると、イスラエル軍が2日、同国中部で弾道ミサイルの発射試験を行った。 国防省はロケ ット推進システムの実験を行ったとする声明を発表したが、射程距離など詳細については説明していない。
 今回の実験を前に、イスラエルでは核開発を続けるイランへの攻撃の可能性が取り沙汰され始めた。
2011.07.27 Jane's Defence Weekly Israel issues rocket RfI to bolster ground forces <1109-072710>
 イスラエル軍が6月、砲兵部隊が装備する精密誘導ロケットRfI を発簡した。 RfP は2012年初期に発簡される予定になっている。 RfI の宛先は Elbit、Rafal、IAI、IMI の各社になっている。
 候補機種の一つには IMI社の160mm GPS 誘導ロケット弾 Accular が挙がっている。 Accular の射程は40kmで、精度は CEP=10m である。
【 Accular 関連記事:1010-070001 (JMR 2010.07)】
 IMI社はまた、射程150km、弾頭重量120kg、CEP=10m の300mmロケット弾 Extended Range Rocket も開発している。
【 Extra 関連記事:0513-061507 (JDW 2005.06.15)】
 これら以外の候補には IAI社の Jumper がある。 Jumper は1.4m×1.4mの発射機に8発が装填される62kgのミサイルである。
【 Jumper 関連記事:1009-080010 (JMR 2010.08)】
2010.08 Jane's Missiles & Rockets Israel Aerospace Infustries offers 'smart' 122mm roccket and 2-D artillery fuze <1009-080010>
 IAI社が Eurosatory 2010 防衛博に誘導ロケット弾 Strike と経路修正信管 Top Gun を出品した。
Strike(右図の白色部)
 122mmロケット弾の弾頭とロケットモータの間に装着する GPS/INS 誘導装置で、CEP が10m以内になる。 ロケットモータの燃焼終了後に manoeuvring section と呼ばれる弾頭部と誘導が火薬で切り離される。
 イスラエルは122mmロケット弾を装備していにいことから、輸出用と見られる。
Jumper
 全長1.8m、胴径150mm、発射重量63kgで、20kgの弾頭を搭載し最大射程50kmの性能を持つ。
【 Jumper 関連記事:0911-100004 (JMR 2009.10)】
Top Gun
 155mm砲弾に取り付ける 2D 経路修正信管で、弾着精度は CEP=20mである。
2010.07 Jane's Missiles & Rockets Israel Military Inductries exhibits reborn Accular guided rocket <1010-070001>
 IMI社が LAR 160mmロケット弾に、GPS/INS 誘導装置を取り付けた射程40kmの誘導ロケット 弾 Accular を開発した。
 Accular に使用されている GPS/INS 誘導装置は、Raytheon社と共同開発した DMMM 120mm迫弾用誘導装置と似ている。
2008.03 Jane's Missiles & Rockets Israel carries out two-stage ballistic missile launch <0804-030010>
 1月18日にイスラエルがミサイルの発射試験を行った。 ミサイルの種類は明らかにされていないが、現地では Jerico 3 と報じられている。
Jerico 1
 全長13.4m、発射重量6,700kg、弾頭重量450kg、射程500km、CEP=1km
Jerico 2
 固体燃料二段推進、射程1,500km以上
Jerico 3
 固体燃料三段、全長15.5m、胴経1.56m、発射重量29,000kg、
 弾頭重量1,000~1,300kg、射程4,800~6,500km
 MIRV 弾頭との見方もある
2008.01.23 Jane's Defence Weekly Israel launches leap in IRBM capabilities <0803-012301>
 イスラエルが1月17日に新型ミサイルの発射試験を行った。 このミサイルは Jericho 2 の長距離型で、射程4,000kmの Jericho 3 と見られる。
 イスラエルは1960年代にフランスの支援を受けてミサイルの開発を始め、射程500kmの Jericho 1 を完成させた。 1970年代末には 射程1,500kmの Jericho 2 の開発を始め、1986年に最初の発射試験を行った。 Jericho 2 は1990年に実運用に入った。 Ofeq シリーズの偵察 衛星を打ち上げた Shavit SLV は Jericho 2 を元にしている。
2008.01.18 Yahoo 毎日新聞記事

「イスラエル、ミサイル実験成・・・」

<0802-011801>
 イスラエル国防省が17日、ミサイル発射実験に成功したと発表した。 詳細は不明だが、長距離ミサイルの発射実験だったとみられている。
 軍事専門家の間では Jericho 3 (射程4,800km)などの発射実験だったとみられている。
2007.09 Jane's Missiles & Rockets IMI suggests long-range rockets for IDF <0719-090020>
 イスラエルの IMI社がイスラエル軍に対し、従来の砲熕兵器に取って代わる新しいシステムを提案している。 システムは2006年 のレバノン侵攻作戦で MLRS の高精度化に使用された TCS (Trajectory Correction System) の技術を用いた 、射程200kmまでの各種ロケット弾を発射する多弾種発射機で、IAI社の EXTRA 長 距離ロケット弾も発射できる。
( TCS 関連記事 JMR 2007.07)
( EXTRA 関連記事 JMR 2005.08)
 多弾種を発射できることから、移動中の装甲車両からバンカ内の敵など各種目標 に対して使用できる。
2007.08 Jane's Missiles & Rockets IMI unveils Lynx multiple lauch system <0717-080017>
 イスラエルの IMI社が、各種 SSM の発射が可能Lynx 多連装発射機を一年間で 開発した。 Lynx は殆どの 8x8 ロングホイールベース車に搭載でき、以下のような122mmから300mmまでのロケット弾を搭載できる。
  ・122mmロシア製 Grad(射程20km)20発搭載ポッド
  ・160mm IMI社製 AccLAR-160(射程45km)13発搭載ポッド
  ・220mm 誘導/無誘導弾(射程45km)12発搭載ポッド
  ・200mm EXTRA(射程120~150km)4発搭載ポッド
 EXTRA の初発射試験は5月1日に行われた。
( EXTRA に関する記事 JDW 2005.06.15)
2007.07 Jane's Missiles & Rockets IMI reveals Israel used TCS in Lebanon <0716-070024>
 IMI社が2006年のレバノン侵攻でイスラエル軍砲兵部隊が TCS (Trajectory Correction System) 付き MLRS を使用し、40~50mと野戦砲並の精度を達成したことを明らかにした。
 TCS は経路修正信号を地上の追随レーダから送信し、弾の先端部に取り付けられた2個のガ スジェネレータノズルで経路を修正するシステムで、GPS/INS 誘導の GMLRS より費用対効果 で優れるという。
 またこの戦いで空軍は、同社製の Delilah ミサイルを使用した。
( TCS 関連記事 JMR 2004.01)
( Delilah 関連記事 JDW 2006.11.15)
2007.06.27 Jane's Defence Weekly IMI unveils Lynx multiple launch rocket system <0714-062707>
 IMI社が、Lynx 装輪式多連装ロケットを開発した。 Lynx はロシア製の122mm Grad を20発 、IMI社製で射程45kmの160mm LAR/AccuLAR を13発 (Light Artillery Rocket/Accurate LAR)、射程 120~150kmの EXTRA を4発、射程250kmの Delilah-GL CM を2発搭載できる。
( EXTRA に関する記事 JDW 2005.06.15)
( Delilah-GL に関する記事 JMR 2004.08)
 これと合わせて IAI/IMI社は、160mmの LAR/AccuLAR、227mmの MLRS その他のロケット弾に装着可能な TCS (Trajectory Correction System) も開発している。 TCS を装着すると CEP を10mにすることができる。
2007.01.31 Jane's Defence Weekly Israel to launch interim satellite with new SLV <0704-013113>
 イスラエルが新型の SLV を開発した。 今まで使用してきた Shavit(右図)は 6回の Ofeq 偵察衛星打ち上げで3回しか成功していない。 新型 SLV の打ち上げ能力は Shavit が300kg (西向き打ち上げ)であったのに対し、東向き打ち上げで500kg、西向き打ち上げで350kgと見られている。
 イスラエルの偵察衛星は1995年に初めて Ofeq 3 の打ち上げに成功したが、1998年に Ofeq 4 に失敗、2002年に Ofeq 5 に成功、2004年に Ofeq 6 に失敗してい る。 2008年に完成する Ofeq 7 は新型 SLV で打ち上げられることになるが、その前に Ofeq 6.5 とも言うべき偵察衛星が別の会社で組み立てられている。
2006.08 Jane's Missiles & Rockets LORA reveals hidden strengths at Eurosatory <0617-080016>
 IAI社が6月の12~16日にパリで開かれた Eurosatory 防衛博で LORA (Long-Range Artillery) を公表した。  LORA は全長は5m、胴径61cm、重量は弾頭の種類により1.6~1.8tで280kmの射程を有する。 弾頭としては 400kgの単弾頭または600kgの侵撤弾頭を搭載する。
 LORA は発射直後に発射位置を秘匿するため予め設定されたマヌーバを行うと共に、 再突入時には垂直ダイブのためのマヌーバも行う。 これにより建築物等の陰になる目標を攻撃できると共に、 GPS の高度誤差を低減することが出来る。 弾着時の速度は Mach 3 で、精度は C/A コードの GPS を使用して いるのに CEP=10m である。
2006.06.14 Jane's Defence Weekly IAI reveals LORA <0613-061408>
 IAI社が6月12~16日にパリで開かれた展示会に LORA (Long-Range Artillery) SSM を初めて展示した。  LORA は射程250kmで400kg又は600kgの弾頭を搭載し、GPS 誘導で CEP=5m の精度を 持つ。 ミサイルは装輪自走の4発搭載発射機に搭載され、停止後10秒以内に発射できる。
 2004年3月に発射試験に成功して以来、同社はイスラエル軍のほかインドやトルコに売り込みを図っているが、まだ購入決定は行われ ていない。
 LORA には洋上発射型も開発されている。
(関連記事 DN 2005.09.12)
2005.11.23 Jane's Defence Weekly Israel to launch recon satellite from India <0523-112302>
 イスラエルは Shavit Ⅱ SLV (Satellite Launch Vehicle) の度重なる打ち上げ失敗 ら、次期偵察衛星の打ち上げはインドの Polar SLV を使用することにした。 2006年後半に打ち上げ予定の重 量260kgの SAR 画像収集衛星 TecSAR は、インドの ISRO (Indian Space Research Organization) の 発射基地から民間衛星として打ち上げられる。
 Jericho-2 IRBM を改造した Shavit SLV は、Ofeq 偵察衛星の6回の打ち上げで3回失敗 している。 イスラエルは7月に新型 SLV の発射試験に成功したと発表したが、詳細は明らかになって いない。
2005.09.12 Defense News Israel seeks to extend precise ground strike <0521-091203>
 イスラエルは陸上発射型の対地攻撃用精密誘導兵器の開発を積極的に進めており、昨年来新たに開発している システムの概要が明らかにされている。
Ramam TCS (Trajectory Corrected System)
 MLRS に搭載する昼夜間戦闘可能な精密誘導装置で、射程45km以上の同時12目標の攻撃を可能とする。
LORA (Long Range Artillery)
 IAI社が艦載用として開発中の一段式固形燃料の弾道ミサイルで、射程は200km以上、GPS/INS を搭載し、 CEP は5m以内、全重量1,230kg、弾頭は570kgである。 米国の ATACMS 及びロシアの SS-26 Iskander に酷似する。
 LORA はこの3年間に4回の実射試験に成功しており、実用型の射程は300km以上をめざす。 陸上発射型への適 用が可能で、現在、インドへの輸出が検討されている。
EXTRA (Extended Range Artillery)
 米国の MLRS、ロシアの Smerch 及び中国の WS1B に似た射程130km以上の陸上/海上発射型ミサイルで、 GPS/INS を搭載し、CEP は10m以内、全重量450kg、弾頭は125kgである。 陸上型は 4発を車載または地上設置する。
2005.08 Jane's Missiles & Rockets Israei team offers an Extra artillery rocket <0516-080005>
 IAI社と IMI社が射程150kmの Extra (Extended-Range Aetillery Rocket) の開発で提携した。 Extra は全 長4m、発射重量450kgで、120kgの弾頭搭載能力がある。 誘導は GPS/INS で行われ、弾頭のオプションとして400発の対装甲対人子弾も ある。
 IAI社は射程280kmの LORA も開発しているが、Extra はそれより小型で、MLRS 発射機に4発搭載できる。
 最近の試験で LORA は CEP≦10m の精度を記録している。
( Extra 関連記事 JDW 2005.06.15)
( LORA 関連記事 JDW 2005.05.18)
2005.07.20 Jane's Defence Weekly Isael tests new launch vehicle <0516-072008>
 イスラエルが7月12日に、IAI社製の新型打ち上げ機 (LV) の発射試験を行った。 この新型 LV は今まで使用 していた打ち上げ能力300kgの Shavit より打ち上げ能力が高い。
 Shavit は今まで6基の Ofeq 偵察衛星の打ち上げを行ったが、成功率は50%であった。 イスラエルは2004年 9月に Ofeq 6 の打ち上げに失敗したため既存の Ofeq 5 の耐用命数切れが迫り、Ofeq 7 を完成させようと急いでいる。
 Shavit は射程1,400kmの IRBM である Jericho 2 の派生型と報じられているが、イスラエルは 射程3,000kmの Jericho 3 を開発中とも伝えられている。
 また IAI社は Shavit より打ち上げ能力の高い Shavit の商用型である NEXT を開発している。
2005.06.15 Jane's Defence Weekly IAI, IMI display jointly developed minition <0513-061507>
 イスラエルの IAI社が EXTRA (Extended range Artillery) を公表した。 EXTRA は米陸軍の ATACMS に似たミサイルで、全長3.97m、胴径30cm、発射重量450kg、ペイ ロード125kg、最大射程130km以上、CEP≦10mの性能諸元を持つ。 弾頭には HE 又は 子弾が搭載できる。 誘導は GPS/INS で、gas generator thruster で操縦される。
 EXTRA には LORA (Long-Range Artillery) の技術が活用されている。
( LORA に関する記事 JDW 2005.05.18)
 IAI社によると発射試験は2006年の2/四半期に行われる。
2005.05.18 Jane's Defence Weekly LORA goes on display, data revealed <0511-051806>
 イスラエルの IAI社は、トルコ国防相の視察(右図)に引き続き LORA (Long Range Artillery) の詳細を明 らかにした。 LORA にはインドが購入意欲を見せている。
 LORA の射程は30~200kmで、精度は射距離に関係なく CEP≦10m であり、  440~600kgの弾頭を搭載する。
 移動式の発射機には4発が搭載でき、IAI社によると10秒以内に発射できる。
 LORA は洋上発射も可能で、2004年3月に地中海で発射試験が行われている。
2004.10 Jane's Missiles & Rockets Ramam guided MLRS round operational in Israel <0423-100009>
 イスラエルの IMI社が10年かけて開発した Ramam 誘導装置付き MLRS が、レバノン国境のイスラエル陸軍で 運用が開始された。 最初の大隊レベルでの実射訓練は7月29日に行われた。
 Ramam MLRS は、発射後のミサイルを対砲レーダで追随弾道修正指令を送信するこ とで、CEP を2mとしている。 各中隊は同時に8発を連射又は斉射弾が可能である。
(関連記事 JDW 2004.08.25)
2004.09.15 Jane's Defence Weekly Ofeq 6 setback for Israeli surveillance <0418-091503>
 イスラエルが9月6日に、偵察衛星 Ofeq 6 の打ち上げに失敗した。 Ofeq 6 は2002年に打ち上げられた写真 偵察衛星 Ofeq 5 の性能を若干向上させた300kgの偵察衛星で、1mの分解能を持つ。 尚、Ofeq 5 の寿命は2006年まである。
 イスラエルは1988年の Ofeq 1 以来、一連の偵察衛星を打ち上げている。
 Dfeq 6 の打ち上げに使われたのは、3段式固体燃料ロケットの Shavit で、今回は第三段目の故障で失敗した 。 Ofeq 6 は、二段目までで260kmの高度に達したのち、1,500km離れた地中海に落下した。
2004.09.08 Jane's Defence Weekly India and Israel mull missile technology co-operation <0417-090802>
 インドはイスラエルと行う長距離ミサイル開発の話し合いを保留している。 インドの DRDO (Defnce Research and Development Organisation) 総裁が、共同開発はセンサとファイバジャイロに限られると発言している。
 インドは今年初めにイスラエルから Barak SAM を$58Mで購入する契約を行ったが、インドは現在長射程型 Barak や艦上発射型 LORA に関心を持っているようである。
【註:】
 LORA (long-range artillery) はイスラエルの IAI社が開発中ミサイルで、現在開発されているのは、固体燃料で570kgの弾頭を搭載す る射程200kmのものであるが、インドは弾頭を500kgにして射程を300kmにする型を望んでいる。
 インドは36システムのインド型 LORA の装備を希望している。
2004.08.25 Jane's Defence Weekly Test success for Israeli rocket guidance system <0416-082505>
 イスラエルの IMI社が10年間と$250Mかけて MLRS 用に開発してきた TCS (Trajectory Correction System) の試験が8月10日に行われ成功した。 試験で TCS弾は33km飛翔し、CEP=0 で全弾が標 的に命中した。
 この試験成功を受けイスラエル軍は、通常の MLRS弾との換装を開始する。
 TCS は地上型設置型の位置標定システムを使用して、ロケット弾で安価にミサイルの精度を実現しようとするもので、ロケット弾の単 価が$40,000であるのに対して、取り付けられる TCS の装置は$30,000である。
 TCS は更に、IMI社製で射程45kmの LAR-160 や射程80kmの MAR-350 ロケットを始め、各種ロケット弾に取り付け可能 で、同社は輸出にも意欲を持っている。
2004.04 Jane's Missiles & Rockets Israel Aircraft Industries tests LORA rocket <0410-040016>
 イスラエルの IAI社が3月1日に、射程200kmの固体燃料ロケット LORA の発射試験に成功した。 LORA は 570kgの弾頭を搭載し、艦船及び車両から発射できる。
 LORA に対してインドが強い関心を示しており、弾頭を小型化して射程を延ばした長距離型 LORA を33基購入 したい意向であると伝えられている。
2001.06 Jane's Missiles & Rockets Israel's 'triad' could deter TBM attacks
= イスラエルのミサイル防衛に関する記事 =
 積極防衛、消極防衛に続くイスラエルミサイル防衛の第3の方策は、航空機、弾道弾、潜水艦発射 CM による反攻である。
 1991年の湾岸戦争の6週間にイスラエルに撃ち込まれた SCUD は39発であったが、現在潜在 敵国が保有する TBM は 700発に達する。
 イスラエルが保有する Jericho は、敵の TBM を攻撃する十分な精度を有するが、軍関係者は「別の目的に使用 する」と言っていることから、Jericho は核ミサイルと見られている。
 対 TBM 反攻装備として、イスラエルはドイツから導入した Dolphin級潜水艦を保有しており、ここから CM が発射されるようであ る。