2004年の F-35 JSF に関する記事

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2004.12.24 Yahoo 産経新聞記事

F-35 共同開発参加へ ・・・

<0501-122401>
 政府は23日、次世代高性能戦闘機 F-35 の国際共同開発へ参加に向け検討に入った。 開発への 関与が最も低い段階での参加で、シンガポールとイスラエルがこのグループに属し、開発費の出資や技術情報の 提供を行う。
 新防衛計画の大綱にあわせた官房長官談話で政府は、武器輸出三原則を米国とのミサイル防衛に限定して解禁するが、米国との 共同開発等も個別に検討としており、これを適用する考えだ。
 政府は今後、関係省庁間の協議を重ねたうえで、公明党など与党の理解を得たい考えだ。
【註:】
 F-35 JSF の国際共同開発は米国のほか、
 Level 1: 英国、開発経費の 10% を負担
 Level 2: 蘭、伊、開発経費の 5%負担
 Level 3: 豪、加、土、デンマーク、ノルウェー、開発経費の1~2%負担
で行われているが、このほかにイスラエルとシンガポールが SCP (Security Co-operation Participant) とし て$50M程度を負担した準メンバーとなっている。 SCP 参画国は、JSF の要求性能への発言権はない。
2004.12 International Defense Review JSF engine <0423-120002>
 GE/RR チームが JSF 用 F-136 エンジンの、Risk Reduction/Transition Effort を$122Mで受注した。 この 契約は pre-SDD と SDD の橋渡しをするもので、2005年7月に完了する。
2004.11.22 Aviation Week & ST The flight ahead <0422-112202>
 2005年度に予定する QDR (Quadrennial Defense Review) に向けて、DoD と議会の政策論争が始まっている。
 イラクとアフガニスタンでの作戦長期化と現有装備品の更新が今後の焦点であり、中長期的に軍をどのように変換していくかを検討し ていく。
 空軍は既に QDR を多正面から検討を開始しており、旧型の F-15 と F-16 を500~600機程度退役させ、空軍 の組織改編と共に州兵と予備役施設を大幅に削減する意向を示している。
 また、F/A-22 と F-35 の更新機数の見直しや電子戦機、対地支援機仕様の検討も行っている。 これは1機種でどこまで多様な役割を 行えるかを追求するもの。
2004.11.15 Defense News Britain to delay missiles for STOVL JSF <0502-111502>
 英国防省は JSF機の開発経費が高騰しているため、STOVL機に当初搭載を計画していた ASRAAM、AMRAAM 及び PavewayⅣ のうちいずれかの調達を遅らせる方向で検討を進めている。
 これは英会計検査報告書で明らかとなったもので、2004年の開発経費は当初より26%、$687M増加し、今後も高騰が見込まれるため、軍 に再検討を求めている。
 更に将来的に搭載を予定する、Storm Shadow 及び Brimstone 対戦車ミサイルの調達についても遅れることが確実とみられる。
2004.11.11 Inside the Pentagon Air Force mulls internal gun for STOVL JSF <0502-111101>
 米空軍が装備化を計画中の STOVL型 JSF に内装式の機関砲を取り付けることを要望している。
 空軍は昨年の冬から A-10 の後継として対地近接支援用に STOVL型 F-35 を装備する意向を示しており、開発当局に設計の変更を要望 している。
 海兵隊の STOVL は外装式の機関砲が仕様となっており、当局は難色を示している。
2004.11.10 Jane's Defence Weekly Turkey may withdraw from JSF progrmme <0422-111001>
 トルコが F-35 JSF の国際共同開発から離脱しようとしている。 トルコは2013年から100機以上の調達を計 画していた。
 トルコは2002年7月に Level 3 パートナとして計画に参画し、開発費の1~2%の経費を分担するが、それに見合うワークシェアを得られ ないのが離脱の理由である。
2004.10.13 Jane's Defence Weekly Happily ever after? <0420-101308>
= F-35 JSF 開発の現状と問題点に関する記事 =
・F-35B STOVL の重量超過対策は、機内弾庫の縮小で解決したため、2,000-lb爆弾を搭載できなくなった。
・空軍が F-35B を CAS 用に数百機採用するために、各種改造を求めている。
ステルス性の追求と抵抗の低減の間にトレードオフが生じ、いまだに風洞試験を繰り返している。
2004.10.04 Aviation Week & ST Back in the box <0419-100406>
 米空軍が CAS 任務のため F-35B JSF を設計変更する検討を行っていることに対し 、DoD と議会の開発計画担当者は否定的な見解を非公式に明らかにした。
 空軍は海兵隊が装備する STOVL 型の F-35B を改修し、砲の機内装備、融通性のある空中給油システムの採用 、F-35C 並みの主翼の大型化等を検討しているが、先日行われた JSF 計画の見直し会議で、価格の高騰と計画 の遅延をもたらす変更はふさわしくないとし、空軍の要求を援助しないことを示唆した。
2004.09.27 Aviation Week & ST Forget vertical <0419-092704>
 米空軍が数100機の F-35B STOVL JSF を、A-10 の後継として陸軍と海兵隊の CAS 任務用に装備すると発表し たことで様々な議論が行われている。
 F-35B 装備化にあたり空軍が仕様変更の可能性を検討しているのは、25mm砲の機内装備、空中給油機能、主翼の大型化による搭載燃料 の増加、及び短距離離発着機能の強化で、垂直離陸機能は削除するとしている。
 これらの変更が軽易な設計変更で可能なものか、CTOL、CV、STOVL に次ぐ第四の機種となるのか、開発取得経 費と国際共同開発への影響は?といった議論が行われている。
2004.09.22 Jane's Defence Weekly Answers found to F-35 weight problem <0418-092202>
 F-35B STOVL JSF の重量超過問題は、吸気排気口の形状変更によるエンジンの効率化と、1,224kgの重量軽減 により解決できる見通しとなってきた。 但し、F-35A CTOL 及び F-35C CV が、機内弾庫に2発ずつの AMRAAM と2,0000-lb JDAM を搭載するのに対し、F-35B は2発ずつの AMRAAM と1,000-lb JDAM を搭載することになる。
 機体の軽量化は、翼桁間隔を詰めることにより外板を薄くしたり、垂直尾翼を小型化したりすることにより達成する。
 一方空軍は2月に、CAS 用として数百機規模で F-35B も装備することになったと発表した。 ただ、現在の F-35B は外装ポッドとして でなければ砲を搭載できず、給油方式もドローク式であるため、空軍は搭載燃料を700-lb減らして砲を機内装備 すると共に、給油方式をブーム式に変えようとしている。
2004.09.20 Inside the Navy JSF program will seek to adjust STOVL designs to reduce weight <0421-092003>
 JSF 計画当局はトレードオフスタディにより、STOVL機を2,700-lb軽減できることを示唆した。 しかしなが ら細部の設計変更については明らかにされていない。
 当局はこれまでの発表で、エンジンの改善効率化と機内弾庫の縮小等により約1,100-lbの軽減が可能としてい た。
 この結果、約3,000-lbとされた重量超過問題はほぼ解決に向かうこととなる。
2004.09.20 Aviation Week & ST Low down <0418-092001>
 米空軍はイラクとアフガニスタンの戦訓から、陸軍及び海兵隊の近接航空支援用に STOVL 型 F-35B JSF を数百機程 度調達することを検討している。
 空軍は F-35B を CAS 任務に適応する様に、砲の機内装備や空中給油機能等更に仕様を変更することを求めているが、開発当局は難色 を示している。
 調達の最終決定は2006年以降になるものとみられる。
2004.09.13 Inside the Navy JSF program negotiating for production-sustainment agreement <0421-091306>
 米国の JSF 計画当局は、共同開発国 (英、伊、蘭、加、豪、トルコ、デンマーク、ノルウェー) 8ヶ国と製造価格等についての MoU を 、2006年12月の調印を目途に調整が進められる。
 JSF は米が2,443機、共同国が合計700~800機を調達する見込みだが、これ以外に2,000機程度を FMS で輸出する計画がある。 輸出先 としてスペイン海軍には事前説明を終え、ポーランド、ギリシャ、クウェート、韓国及び日本を潜在的導入国と してあげている。
2004.09.06 Aviation Week & ST F-35 wing assembly <0417-090612>
 Lockheed Matin社は F-35 CTOL 初号機の主翼組み立てを開始した。 作業は10月一杯で終了し、 2005年1月頃には機体への取り付けを予定している。
 一方、BAE System社は、先週から英国内の工場で機体後部の製造を開始、Northrop Grumman社も機体中央部分の製造を開始している。 CTOL初号機の初飛行は2006年に計画されている。
2004.09.06 Aviation Week & ST Optimized plan <0417-090605>
 F-35 JSF STOVL機の約3,000-lbの重量超過について、開発当局は試作初号機の 設計を変更して飛行試験を行うことを決め、DoD はこれを了承した。
 試作機 B1 は内部弾倉を、1,000-lb爆弾2発の搭載が可能な14in短縮した設計で、約 2,700-lbの軽量化を図るもので、残りの13機は従来の設計で試作し、初号機での成果を反映させるとしている。
 正式には10月の審査会で決定するが、組立は2005年末に開始し、2007年に初飛行を 行う予定である。
2004.09.01 Jane's Defence Weekly Australian air force chief defends JSF choise <0417-090108>
 オーストラリア政府が出資している研究機関である戦略研究所が、「JSF が最良なのか」との報告書を出したのに対して、空軍参謀長 が12ページに及ぶ異例の反論書を公表した。
2004.08.02 Aviation Week & ST JSF quandary <0415-080203>
 英国防省は F-35B JSF の導入を2012年~2015年に計画しているが、独自の維持整備と改善を容易にするため、技術移管に関する協定の 改定を米に強く要求している。
 英はこの改定により JSF だけでなく他の米との共同開発においても企業間の共同が簡素化されるとし、年内にも実現したい意向だが、 米政府はこれに難色を示している。
2004.07.26 Inside the Navy DoD,Lockheed officials say F-35 STOVL weight problems resolved <0418-072603>
 STOVL 型 F-35 の重量超過について、DoD と Lockheed Martin社は、問題の解決に大きく近づいたとして楽観的な見 通しを明らかにした。
 開発当局は約1年を費やして2,400-lbの低減を目指していたが、機体構造の再検討と、スラスト機構の改良により2,500-lbの低減が可能 となるとの見解を示した。
 細部検討は8月中旬に明らかにされる。
2004.07.14 Jane's Defence Weekly Revised JSF approved <0414-071405>
 米国防総省は6月下旬に F-35 JSF の開発スケジュールの見直しを行った。 その結果初飛行は2005年末から 2006年中頃に延期になり、部隊への配備も少なくとも1年は遅れることになる。
 延期の目的は重量超過の解決などのため、十分な時間をかけることにあり、特に STOVL型の重量軽減が重視さ れている。
2004.06.28 Aviation Week & ST JSF worries <0413-062804>
 Pratt&Whitney社は、F-35 STOVL用試作エンジンに欠陥が発見されたため、試験を中止している。
 これは F-135エンジンの低圧タービンの第2段に腐食が発見されたもので、同社は設計の見直し等は行わず、エンジン内部のコーティ ング等を行ったうえ、7月初めから試験を再開する予定。
 一方、Lockheed Martin社は STOVL機の重量超過問題を解決するため、開発管理の充実強化を図っている。
2004.06.14 Aviation Week & ST Stretched-out <0412-061401>
 DoD は F-35 JSF の重量超過を解決するため、要求と装備化時期の見直しを検討しており、今週中に新たな時程の是非について会議を 予定している。
STOVL:
 試作機の初飛行を2007年中盤に、IOCは2013年に予定。(計画より3年遅れ)
 STOVL型は現在2,400-lbの重量超過で、更にトレードオフを実施する。
CTOL:
 試作機の初飛行を2006年末に、IOCは2013年に予定。(計画より2年遅れ)
C V:
 計画より2年遅れで2013年の運用開始を予定。
2004.06.07 Inside the Navy Pentagon planning to accelerate production of STOVL JSF prototype <0414-060710>
 DoD は6月末に予定する DAB (Defense Acquisition Board) で、JSF計画の STOVL機試作を早める決定を行う ものとみられる。
 これは、現在の開発時程を変更して先行して STOVL 機を試作し試験を行うもので、空軍長官の強い働きかけ があったものとされる。 空軍は最近になって、CTOL型に加え STOVL型を装備する方針を示している。
 現在 JSF計画には遅れが生じており、CTOL型の初飛行は2005年末から2006年夏に、 STOVL型は1年遅れの2007年夏に変更されている。
2004.05.31 Aviation Week & ST Jelling the jam <0411-053106>
 AESAレーダーは F-15C、F/A-18E/F の他 に、F/A-22 及び F-35 に搭載 を予定し、巡航ミサイル防衛の中核となるが、同時に敵の次世代高性能 SAM システムに対し電子妨害を行うこ とができる。
 しかしながらレーダーの妨害能力は妨害距離、地域及び範囲に制限を受けるため、改良型レーダー警戒受信 機 ALR-69等による慎重な管理運用が必要となる。
2004.05.17 Inside the Navy Senate Panel seeks Defense Science Board review of F-35 JSF <0412-051703>
 米上院軍事委員会は DoD に対し、国防科学委員会で F-35 JSF の重量超過に関する調査を行い議会に報告することを求めた。 報告内 容はFY-06予算作業に反映される。
 議会はまた、FY-05の JSF 予算に$15Mを追加し、機体重量に関連する STOVL型のリフトファンシステムの徹底した技術調査を行うこと を提案している。
2004.05.05 Jane's Defence Weekly JSF partners are 'on track' for long-term boom <0409-050501>
= JSF の国際共同開発の進行状態に関する記事 =
 JDF の開発は、11年間の SDD が3年経過した段階であるが、国際協力はノルウェーのケースを除き順調に進ん でいる。
 ノルウェーは、相応のワークシェアが得られておらず、国防白書で取り上げるなど、国内で問題になっている。
2004.05 International Defense Review JSF security technology costs up to US$1bn <0409-050001>
 JSF はアメリカにとって初のステルス機の輸出となるが、共同開発国に輸出される JSF は概観は同じで あるが、米国向けの機体よりステルス性能が劣ることが明らかになった。 JSF の開発費が$1B近くも超過して いる原因はステルス技術の保全に関する部分が多い。
 JSF は他のステルス機同様に、アクティブジャマや牽引式デコイを装備せず、ステルスモードの場合には AAM を高オフボアサイトで使用できない
2004.04.26 Defense News STOVL engine for JSF begins tests <0411-042606>
 JSF が搭載する F-135 エンジンの STOL機用試験機 FX-641 の試験が Pratt&Whitney/Rolls-Royce により、 予定よりも速く開始されている。
 試験は垂直離陸時のエンジン作動状況の確認とリフトファンと主エンジンとの関連効果を焦点に5月いっぱいの予定で進められている。
2004.04.26 Aviation Week & ST What's inside <0409-042605>
 JSF 開発当局は内部弾倉に4発の SDB を搭載する設計を変更し、 搭載数を増やす検討を行っている。
 検討は SDB のみに限定せず、更に小型の兵器の開発導入を視野にいれ行われているが、これは内部弾倉の大型化が機体設計に及ぼす影 響が大きいことに起因する。
 当局は今月初め、機体を除くレーダーや E/Oセンサー等主要な構成品の CDR (Critical Design Review) を終了し、いずれも設計に問 題がないことを確認したが、機体重量の削減に関しては引き続き検討が行われている。
2004.04.26 Aviation Week & ST Building block <0409-042604>
 ノルウェーでは JSF のワークシェアーが充分に獲得できなかったことに工業界と議会が強い不満を示しており、議会は JSF からの撤 退を含めた次期戦闘機の導入見直しを検討している。
 ノルウェーは現有48機の F-16 後継に10機の JSF を導入する方針で、2002年に Level 3 の共同国として開発に参加しているが、国内 企業のワークシェアーはほとんど得られない状況にある。
 議会は Eurofighter Typhoon への変更も検討しており、Lockheed Martin社は別途共同事業の立上げ等説得策の提案を行うものとみら れる。
2004.04.19 Inside the Navy Lockheed adds design team to reduce weight on Joint Strike Fighter <0411-041902>
 Lockheed Martin社は最近問題となっている JSF の重量超過に起因する計画時程の遅延と価 格高騰に対処するため、新たに設計チームを編成した。
 チームは搭載器材を含む機体全体での重量低減をめざし設計の見直しを行い、10ヶ月以内に結論を出すとしている。
 現在、CTOVL型と CV型は約1,400-lb、STOVL型は約3,000-lbの重量超過となっており、初飛行は2005年から2006年に延 期され、開発経費は$7Bまで高騰している。
2004.04.19 Aviation Week & ST 'Tool time' for F-35 <0408-041902>
 Lockheed Martin社は F-35 の生産態勢に関する計画の具体化と、2005年の初号機製造に向け、機体の重量軽 減に努力を傾注していることを明らかにした。
 同社は受注から納入までの期間目標を、7ヶ月を構成品取得に、5ヶ月を組み立てとする1年としており、これは F-16 の3年を大幅に短 縮している。
 工場施設はコストと時間短縮のため、大規模な自動化を進め、機体アッセンブリーも F/A-22 の約20%、240点に削減される。
 なお、CTOL機の初飛行は2006年8月を予定し、SDD段階が順調に進展すれば2007年に LRIP が開始され、2014年までには日産1機の製造態勢を目指す計画となっている。
2004.04.19 Aviation Week & ST Quick start <0408-041901>
 Pratt&Whiteney社は F-35 の STOVL推進システムの試験を4月14日から7月末までの予定で開始した。 試験は SDD段階における初めて の試験で、FX-641エンジンとリフトシステムについてその性能と運用性を確認する。
 なお、実機用リフトシステムは2005年2/四期に納入を予定している。
2004.04.12 Aviation Week & ST USAF quandary <0408-041202>
 米空軍の主要な事業計画である Boeing 767 空中給油機、F/A-22 及び F-35 JSF は、いずれも問題点を抱え論争の種となっている。
 空軍はこのほど、給油機の代表候補であった KC-767 の導入を白紙に戻し、広く提案を求めることを決めた。  これは議会からの強い反対意見によるもので、Boeing社は 7E7 や新規設計の翼一体型機を提案するものとみられる。
 F/A-22 は価格の高騰が懸念されているが、今年度は22機を製造、来年度は24機を要求し、 年間32機製造の目指している。
 F-35 は重量超過問題が最大のネックとなっており、9~10ヶ月以内に設計の見直し が行われる他、輸出ライセンスと技術移管を巡って欧州諸国と論争が続いている。
2004.04.07 Jane's Defence Weekly JSF/Typhoon delays hit RAF modernisation plan <0407-040710>
 Eurofighter Typhoon と Lockheed Martin の F-35 JSF の開発遅れが、英空軍の将来構想に影響を与えている。
 F-35B の IOC は米海兵隊で2012年となるため、英空軍では2013年となり、当初計画の2012年より既に1年遅れ ている。
2004.04 International Defense Review JSF gains weight and loses time <0408-040001>
 CTOL型の JSF である F-35A の初飛行は、2005年後半の予定が2006年初めに延期 された。 最も深刻な問題は重量増である。
 CTOL型及び CV型の重量増は630kgで、要求されている航続距離性能を満たしているが、STOVL型の重量増は1,000kgあり、2発の AIM-120 2発の450kg爆弾を搭載して830kmの戦闘行動半 径という要求を満たしていない。
 この結果 critical design review は2004年4月から2005年に延期された。 また、STOVL型の完成を CV型の後回しに して3番目とする計画変更も検討されている。
2004.03.29 Defense News Royal Navy Chief details Carrier plans <0410-04032902>
 英海軍は2012年の初号艦就役を目標に、36機の F-35 STOVL機を搭載する空母を2隻建造することを議会で明ら かにした。 空母は60,000t級で全長は275m、現在、設計の約80%が終了している。
 英海軍はこれまで F-35 STOVL機を150機装備するとしていたが、今回の説明で装備数を半数に抑制したことが 明らかとなった。 軍が150機を装備する可能性は、2017年の Tornado 退役に伴う FOAS に CTOVL機を 採用するか否かにかかっている。
 なお、企業筋は海軍の2012年初号艦就航は実質的に2014年~2016年にずれこむとし、36機の搭載も34機に変更されるとみている。
2004.03.29 Aviation Week & ST Finicky fighters <0407-032902>
 米上下院は F/A-22 F-35 開発遅延と価格の高騰 を懸念している。
 F/A-22 の IOT&E はソフトの問題から繰り返し遅延しているが、4月末からようやく開始されることとなった。 また量産単価の引き下 げ ($110Mを目標) も大きな問題となっている。
 F-35 は3機種とも重量超過が問題となっており、特に STOVL の超過は 3,400-lb に達すると軍事委員会は主 張、当局の2,300-lbまで低減済との意見とは異なっている。
2004.03.24 Jane's Defnece Weekly Frustration mounts among JSF partners <0407-032405>
 JSF の SDD に Level 2 パートナとして参画しているオランダの Thales社は、冷却装置の開発と生産 に$200Mが割り当てられていたが、SDD 開始から2年近く経つ現在、受注したのは Northrop Grumman社からの $200,000だけで、不満が高 まっている。
2004.03.24 Jane's Defnece Weekly Singapore joins JSF programme <0407-032401>
 シンガポールがイスラエルに続くアジアで2番目の国として、F-35 JSF 計画に SCP (Security Co-operation Participant) として正式に参加した。 シンガポールの出資額は$50Mである。
 同国は F-35 を、現有する2個飛行中隊の A-4SU 及び、45機の F-5S/T の後継に考えている。
 一方、米 DoD は、3種類の機体について、抵抗低減、推力向上、重量軽減を目指した計画計画の再構築を行っている。 特に STOVL型 の見直しが焦点で、現在のままでは要求値の450nmの戦闘行動半径達成がぎりぎりである。
 最初に初飛行するのは CTOL型で2006年中頃に計画されており、一番機の組立は既に開始 されていて、2005年4月には完成する。 次いで STOVL型、その後 CV型の初飛行が計画されている。
2004.03.22 Aviation Week & ST Weighty decisions <0407-032202>
 機体の重量超過問題から F-35 開発計画の見直しを検討していた DoD は、開発が遅延する計画案を却下し、試験計画の充実強化を計画 当局に指示した。 修正計画は STOVL型の開発を後回しにする内容であったが、海兵隊と英の強い反対と開発経費の高騰が見積もられ修 正計画は反古となった。
 現在、STOVL型の重量は2,700-lb超過しており、開発当局は数ヶ月以内を目標に削減作業を進めている。
 4月に予定していた CDR (Critical Design Review) は2005年初めに延期されている。 従って2005年10月に予定の CTOL型の初飛行も2006年に延期される。
2004.03.17 Jane's Defence Weekly Early flight tests key ti F-35 development <0406-031701>
 F-35 JSF の開発が難航しており、既に2005年に予定されていた初飛行が2006年の中頃 に延期されている。
 最大の問題点は重量軽減で、特に STOVL型は1,090kgの軽量化が必要で、CTOL型、CV型も635kgの重量軽減が要 求されている。
 SDD で F-35 は22機試作されるが、最初の機体と最終的な機体が同じ物である必要はないことから、メーカの開発責任者は、設計の完 全性を追求するより、一刻も早く初飛行させることが必要と見ている。
2004.03.15 Aviation Week & ST F-35 headed for a mess <0406-031501>
= F-35 JSFの開発管理の不備を批判する元設計従事者の投稿記事 =
 筆者はこの計画が過去20年間で最低の管理であるとし、重量超過と価格高騰になすすべがなく、F-16 と F/A-22 の開発実績と経験が全 くいかされていないとしている。
 また、最良の方策は Lockheed Martin社の設計で、Boeing社のデジタルデータ管理による開発を行うべきであったとしている。
2004.03.03 Jane's Defence Weekly New member poised to join JSF project <0405-030309>
 シンガポールが F-35 JSF 計画に SCP (Security Co-operation Participant) として参加することになり、 30以内に署名が行われる。
 シンガポールは F-35 JSF を、2個飛行中隊の A-4SU 及び45機の F-5S/T の後継に考えている。
2004.03.01 Inside the Navy Overall impact of Air Force interest in F-35 STOVL variant is unclear <0406-030102>
 米空軍が F-35 STOVL を A-10 の後継としたことで、JSF の量産価格は若干下がるものとみられるが、 空軍の STOVL 調達数とこれに伴う CTOL の調達削減等は未定で、JSF 調達の全体像は依然不透明のままとなっている。
 JSF の調達数は、米空軍が CTOL を1,763機、海軍と海兵隊が680機 (内 STOVL 250機を海兵隊)、英空軍が STOVL 150機と計画していた。
 一方、計画当局は STOVL 機の重量超過による開発経費の増加と、併せて開発時程が1年間遅れることを明らか にした。 機体重量は30,000-lbを目標としているが、現在約2,300-lb超過している。
2004.02.23 Aviation Week & ST Flying wish list <0405-022301>
 米空軍は2006年度予算要求準備として、新装備や各種改善等に関する検討作業を行っている。
 検討内容には、要求していた CV 型 F-35A の数を削減し、海兵隊と同じ STOVL 型の F-35B を装備すること や、F/A-22 の爆撃機仕様機 FB-22 の導入、JSF 導入までの中継ぎとしての A-10 の改善、 EB-52 及び E-10A の導入等が含まれている。
 要求事項は5月頃に決定されるものとみられる。
2004.02.18 Jane's Defence Weekly US Air Force to buy STOVL variant of fighter <0404-021802>
 米空軍長官が2月12日に、空軍がFY-06予算要求の中で、STOVL 型の F-35 JSF の装備 と、A-10 の一部能力向上を検討していることを明らかにした。
 空軍は1,760機の CTOL 型の F-35 を調達する計画であったが、アフガン及びイラクでの経験から、前方の未 整備滑走路で使用できる STOVL 型の必要性を認識した。
 A-10 はイラク戦争でその有用性が改めて評価されたのに対して代替となる F-35 の開発が1年遅れであるため 、F-35 までの繋ぎとしてデータリンク搭載を含むアビオニクスの更新、使用可能な精密誘導武器の種類の追加、場合によってはエンジン の換装などの改良が検討されている。
2004.02.16 Defense News USAF wants group of vertical-lift JSFs <0407-021602>
 米国空軍長官は2月12日、空軍協会が主催する第20回空中戦シンポジュームで STOVL型 F-35 対地攻撃用に調達することを明らかにした。 調達機数は未定である。
 空軍はこれまで1,700機の CTOL型を導入する計画であり、STOVL型は海兵隊と英海軍が採用を予定していた。
2004.02.16 Aviation Week & ST JSF sensor fusion <0404-021602>
 JSF 搭載の各種センサ開発は現在リスク低減に向け順調に進んでおり、今年半ばから B737-300 試験 機と BAC-111 による本格的試験と F-35 への組み込みが開始される。
= F-35 に搭載されるセンサ =
  ・AN/APG-81 AESA レーダ
  ・EW/ECM システム
  ・EO Targeting システム
  ・通信、航行、識別システム
  ・EODAS (Electro-Optical Distributed Apature System)
 搭載センサは F-35 各バージョンに90%以上共通化される。 実機による飛行試験は2005年に実施する計画だが、4月の CTOL 型 CDR の結果次第では、初飛行が2005年から2006年に変更されると憶測されている。
2004.02.09 Aviation Week & ST Weighty choice <0404-020901>
 英国防省は、共同開発中の STOVL 型 JSF 重量超過とこれに伴う米側の開発計画 見直しに懸念を示し、導入の再検討を行っている。
 STOVL 型 F-35B は、英海軍の次期空母搭載用として80~85機を導入する計画だが、現在開発は約1年遅れてお り、重量超過が最大の原因とされる。
 計画当局は代替案として米海軍仕様の CV 型 F-35C の採用を検討しているとされるが、DoD は STOVL 型150機の導入計画に変更がない ことを強調している。
 また、米海兵隊も STOVL 型採用に変化はないとし、重量問題は開発初期に充分予期しうることで、計画の中止はないとしている。
2004.02.02 Aviation Week & ST Testing F-35 HMD <0403-020207>
 LMAC社 (Lockheed Martin Aeronautics Co.) が、F-35 JSF パイロット用の HMD ( Helmet-Mounted Display) の機能試験を、曲芸用の複葉機 Pitts S2B で行った。
 今回の試験は HMD の CDR (Critical Design Review) に向けた準備の一環で、同社は先週までに成果をまとめている。
 但し、試験用ヘルメットは本体のみで未だ完全な機能を有していないが、試験は高 G 旋回時の特性を確認するのが目的で、装着性、重 量、視点等の確認も含まれている。
 試験は品質向上を目指し、今年の中頃まで続けられる。
2004.01.26 Aviation Week & ST Watch list <0402-012602>
 FY-05国防予算案の議会提出は来週にも行われる予定だが、議会側は既に予算攻防の論点となる問題点の抽出を非公式に終えており、そ の筆頭に JSF 開発があがっている。
 議会側はこの数年来の開発導入予算の超過を問題視しているが、JSF 開発では特に予算よりも STOVL 機の重量オーバ ーを問題視している。
 この他、V-22 の283%にのぼる予算超過、F/A-22 の278機調達経費$70.5B (1992年の見積では648機で $75.5B) 等があリ、BMD や FCS といった大型プロジェクトにも経費増額を認めない姿勢を強めている。
 また、DoD の Spiral 開発の効果にも疑問を呈している。
2004.01.12 Aviation Week & ST Cost growth, or not? <0401-011203>
 DoD のFY-05国防予算計画は、JSF の2009年までの導入機数を当初の160機から90機に 減らし、研究開発予算を当初より$5.1B多い$40.5Bとする提案を行っており、DoD の会計検査官はこれを承認している。
 理由は明らかにされていないが、1つには J-UCAS に代表される UCAV の台頭と、開発計画の遅れ及び経費高 騰にあるとみられている。
 計画当局と Lockheed Martin社は4月に予定する設計レビューに変化はなく、2005年10月予定の初飛行にも影響のないことを強調してい る。
 なお、当局は70機は後ろ倒しによるもので JSF の総機数2,443機は維持できるものと期待を寄せている。