2005年の F-35 JSF に関する記事

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2005.12.15 Inside the Pentagon JSF partners in final round of negotiations <0603-121505>
 JSF 計画に参加する9ヶ国は先週から製造機数、導入時期、技術供与等に関する MoU 締結に向け、最終協議に入った。
 共同開発は米、英、伊、蘭、加、トルコ、豪、デンマーク、ノルウェーで、SDD 段階の開発経費配分は既に終了している。
2005.12.14 Jane's Defence Weekly Landing gear installation puts F-35 JSF on track for 2006 first flight <0601-121406>
 量産型 F-35 JSF の組立は順調にすすでおり、電気システム、燃料システム、炭素樹脂製翼面の取り付けに続いて、 11月中旬に脚が取り付けられた。 エンジンの取り付けは2006年始めに予定されている。
 F-35 の単価が2001年時点の$5Mが$10Mに上昇したことについて Lockheed Martin社のスポークスマンは、物 価上昇と要求性能等の引き上げによると説明している。
2005.12.12 Aviation Week & ST F-135 firsts <0524-121201>
 Pratt & Whitney社は JSF F-35 初号機用の F-135 エンジンを完成させ、今月末に Lockheed Martin社 Fortworth工場に納入され、2006年当初に機体に組み込まれる。
 初号機の初飛行は2006年3/四期に予定されている。
2005.12.07 Jane's Defence Weekly Technology audit: Rolls-Royce

 → High Mach number R&D

<0524-120710>
 Rolls-Royce社は F-35B STOVL JSF のエンジン開発で、P&W社の下請けとして LiftFan、排気口に取り付けら れる三段継ぎ手部、左右の翼に取り付けられる Roll Post を担当(右図)している。
 俗称 Liberty Works である在米 Rolls-Royce North Arerican Technology社は、Mach 3~4を目指す RATTLRS に開発に大きく関与している。
2005.12.05 Defense News QDR will hold line on F/A-22, F-35: analyst <0601-120504>
 来年2月に発簡される QDR で、次世代戦闘機導入総数の問題はめまぐるしく議論されたが、最終的には当初の案である F/A-22 180機、JSF 2,500機に落ち着くとみられている。
 これは米国内軍事専門家の多くが予測しているもので、F/A-22 の製造は生産ラインを維持するため、JSF の製造が開始されるまで月産 1.4機の割合で行われるとみられる。
 しかしながら実際の製造は、議会の厳しい予算削減方針から DoD の計画通りには進まないというのが大方の予測でもある。
2005.12.05 Defense News Britain's plan B? <0601-120503>
 英国防省は STOVL型 JSF を150機以上装備する計画であったが、この数ヶ月行っていた米国との技術移管 に関する協議が不調に終わったことから、代替案 Plan B の検討を開始したことを示唆した。
 当局は Plan B の内容を明らかにしていないが、代案には BAE社が検討している海軍仕様 Eurofighter Typhoon、Dassault Rafale 及 び F/A-18 が候補にあがっているとみられる。
2005.12.05 Aviation Week & ST Delayed impact <0524-120503>
 英国防省が JCA (Joint Combat Aircraft) の FOC (Full Operational Capabiluty) 時期を、当初の2017年から2021年に延期した。
 細部は今月末に明らかにされるが、対象機種である F-35 の初号機取得を2014年、IOC を2016年に予定する。  この結果、GR9 Harrier の退役時期は当初から4年遅れの2019年となる。 また、空軍の GR4 Tornado の退役時期も5年延長され、 2025年とした。
 英国は150機の JCA を装備する計画であるが、国防省はこれまで、当初80機を装備するとし、全体数を明らか にしていない。 また、現時点で公式には F-35B の採用を明言していない。
2005.12.05 Aviation Week & ST Lockheed Martin Aeronautics Co. has installed ・・ <0524-120502>
 Lockheed Martin社は、2006年8月に初飛行を予定する JSF F-35A 初号機の垂直安定翼の取り付けを行ってい る。
 また、水平安定翼は LMAC Fort Worth 工場に到着しており、今月から取り付けを開始し、エンジンは来年1月から組 み込みを予定している。
 F-35B は BAE社が12月から垂直及び水平安定翼の製造を開始し、LMAC Palmadale 工場で機体中央部の作業が開始される。
2005.11.28 Defense News UK drops JSF weapons upgrade, reduces programs <0602-112801>
 英国防省が JSF 搭載用兵器の改善を含む主要20項目の見直しもしくは計画の削除を行っていたことが明らかとなった。
 これは NAO (National Audit Office) が11月25日に公表した報告書でわかったもので、2005年3月までに総額$1.73Bを削減している。
 削減計画で最も大きいのは JSF で、2022年まで計画していた Block Ⅳ 計画は £659Mを削減している。
当局は細部を明らかにしていないが、Storm Shadow、SPEAR 等があがっているとみられる。 また、将来搭載するとみられている Meteor も対象となる模様である。
 JSF 以外では駆逐艦 Type45 の能力見直しによる価格削減、Eurofighter Typhoon 用 Meteor の数量削減等があがっている。
2005.11.14 Aviation Week & ST Fighter fights <0523-111402>
 米空軍は、F/A-22 の製造をFY-12まで継続し、現在予定している調達機数179機を275機に増 加する代わりに F-35 の装備機数を減らす提案を DoD に行っている。 また、これまで計画していた F-35 STOVL の装備を断念し全て CTOL 型とすることも明らかにした。
 QDR 作業では F-35 の3機種のうち STOVL の採用を中止する検討も行われているとみられ、11月21日の DoD による QDR 中間報告で明らかとなる計画指針が注目される。
2005.11.09 Jane's Defence Weekly JSF fights back in Turkey procument <0523-110902>
 Lockheed Martin社がトルコに F-35 JSF 製造で$5B相当のワークシェアを配分することに同意した。 これはトルコが購入する予定の 120機調達価格$10Bの半分に相当する。 これは Eurofighter社が Typhoon を売り込んでいるのに対する対抗措 置である。
 トルコをはじめ F-35 JSF 開発に参画している各国は、2006年12月までに調達機数と入手時期を最終決定する 。
2005.11.07 Defense News Israel experts urge slow,steady move to UCAVs <0601-110703>
 ラムズフェルド国防長官とイスラエル国防相は11月4日に会談したが、JSF 開発に関する制裁の可否について は明らかにされていない。
 イスラエルは独自仕様の JSF を100機装備する計画であるが、軍関係者からは最悪のケースを想定し UCAV の 開発に着手すべきとの意見がでている。
2005.11.03 Inside the Pentagon DoD asks appropriations conferees to restore full FY-06 JSH request <0524-110301>
 DoD は FY-06 の JSF 予算について、下院が上院の予算削減案に同意しないよう強く求めている。
 下院は海空軍の開発予算総額$4.8Bを満額承認しているが、上院は$270Mの削減を決 めており、近日中に両院総会で予算額が決定される。
2005.11.02 Jane's Defence Weekly UK confident of JSF transfers <0522-110214>
 英国は F-35 に関する米国からの技術移転を楽観しているが、米国の QDR で調達機数が削減されることを懸念している。
 英国軍需相が F-35 STOVL の最大の技術的リスクは重量超過の問題で、いずれ解決するであろうが、飛ぶまで分からないと発言してい る。
2005.11 National Defense Strike Fighter engine team gains assist <0522-110003>
 GE/Rolls-Royce の JSF エンジンチームが、F-35 用デジタル電子制御装置の製造企業に BAE System社を選定した。 同社は2030年ま でに制御装置を5,000セット以上製造する計画である。
 F-35 は次世代戦闘機として数年以内に装備化され、F-16、AV-8B Harrier、A-10 及び F/A-18 の後継に予定され、英空軍も採用を決め ている。
2005.10.31 Aviation Week & ST High stakes <0522-103106>
 英空軍の JCA (Joint Combat Aircraft) として80~150機装備する JSF の維持整備について、今月初め米国 DoD の調達兵站担当次官が英国防省を訪問し協議を開始した。
 英国内では JSF の技術開示、維持整備及び独自の改善等について不安を持っており、協議に主導性を発揮す る方針である。 JSF の調達契約は製造機の初飛行に先立ち、2006年末に予定され、維持整備についても同時期までに決定する。
2005.10.31 Aviation Week & ST Puts and takes <0522-103102>
 米議会の上下院予算委員会はFY-06国防予算法案の最終決定に向け両院協議会を近日中に開催する。 主要な項目で削減対象となってい るのは宇宙関連事業で、J-UCAS 及び JSF も削減対象となっている。
Space Radar: $225.8M要求に対し両院とも$125.8Mの削減
TCS: $835.8M要求に対し下院が$399M、上院が$250Mの削減
SBIRS-High: $756M要求に対し、上院が$100Mの削減
JSF: $5.02B要求に対し、下院が$152.4M、上院が$270Mの削減
J-UCAS: $350.1M要求に対し、上院が$200Mの削減
2005.10.24 Defense News Time is short for Israeli input in JSF design <0524-102404>
 イスラエル国防省は米国の F-35 共同開発への参加制限が続けば、将来戦闘機の導入に代案を検討せざるを 得ないとの考えを明らかにした。
 米国はイスラエルの最新軍事技術が中国に流出しているとして、4月に開発参加を制限したため、同国は独自仕様 の設計に必要な技術資料の入手が不可能となっている。 このため F-15I の追加装備や Eurofighter Typhoon の導入、UCAV の 早期開発等を模索している。
 同国空軍は、国産兵器や電子戦機器等を搭載した初号機を2015年頃に受領し、合わ せて100機を装備する計画であった。
2005.10.24 Defense News Privately,U.K.officials worry about JSF <0524-102403>
 英国防省は次期空母に搭載する F-35B STOVL の動向を懸念しており、DoD が来年2月に公表する QDR で計画 を変更しないよう、近日中に高官レベルの協議を行う意向を示した。
 JSF 計画は米軍の調達機数の削減、開発期間の延長、開発機種の一部中止が DoD 内部で検討されており、$2Bの開発経費を分担し、 F-35B を海軍の JCA (Joint Combat Aircraft) に選定した英国の防衛装備構想に極めて深刻な影響を及ぼす。
2005.10.19 Jane's Defence Weekly Australia's JSF plans inadequate, says report <0521-101902>
 豪空軍は100機の F-35 JSF を装備する計画であるが、予算の制約から75~80機になる見込 みである。 これに対してオーストラリアのシンクタンクである Kokoda 基金が、130機が必要であると の報告を行った。
 豪政府が考える海外での大規模作戦と中規模作戦それぞれ一正面ずつに対応できる能力を満足するためには、3個飛行隊では足りず、最 小限4個飛行隊(100機)が必要で、自国の防空を考えると5個飛行隊(130機)が必要であるとしている。
2005.10.03 Inside the Navy Joint Strike Fighter program faces cuts in FY-06 budget process <0522-100305>
 米議会はFY-06予算法案最終決定にあたり、JSF 調達予算の減額を提言している。 減額は約$270Mで、議会は その理由として、4月に行われた CDR で STOL 型 JSF が150-lbの重量超過している問題の未解決を挙げている。
 CDR は来年に再度予定されている。
2005.09.22 Inside the Pentagon For High-Tech Joint Strike Fighter,getting software right is key <0521-092201>
 F-35 初号機の飛行制御及び表示機器に用いる約210万コードの S/W の試験が現在 Lockheed Martin社で行わ れている。
 JSF は S/W を極めて多用する戦闘機で、600万コードが必要とされ、これは F/A-22 の2.5 倍に相当する。   S/W 開発で不具合が生じた場合には JSF の開発時程に大きく影響するため、同社では慎重に作業を進めている。
2005.09.19 Aviation Week & ST Fit check <0519-091903>
 英国防省は次期空母 CV(F) に搭載する JCA (Joint Combat Aircraft) の最終機種決定を数 ヶ月以内に行うものとみられる。 国防省は最近、次期空母の設計に関する約3ヶ月の検討を終了したが、この中では F-35B STOVL の検討も含まれている。
 英国は F-35B の導入に積極的ではあるが、兵器搭載量や航続距離等いくつかの点で決定を保留しており、こ れら要求を満たす F-35C CV をオプションとして検討を進めていた。
 CV(F) の建造は2006年3月から開始され、計画では2012年に初号艦、2015年に2番艦が就航予定だが、企業筋は初号艦 の就航は2014年以降となることを示唆している。 また、JCA の導入も当初の2012年から2014年に変更されている。
2005.09.19 Aviation Week & ST Dollars and sense <0519-091902>
 DoD は来年度予算及び QDR 策定に向けた検討作業を進めているが、JSF の所要見積もりはその他の航空機事業に大きな影響を及 ぼすとみられる。
 全般的に JSF の装備数は削減されるとみられるが、空軍が CTOL 型よりも33%以上高価な STOVL 型を多数装備することに固執した場合、F/A-22、C-5、C-17 及び UCAV 開発等主要計画への影響は極めて大きく、機数の 削減と計画中止も予想される。
2005.09.14 Jane's Defence Weekly F-35B Joint Strike Fighter modifications <0519-091413>
 元々 F-35B はポッド収納の GAU-12 25mm 4銃身ガトリング砲を胴体下に搭載する予定であったが、米空軍は F-35B STOVL 型 JSF に、砲の機内搭載を強く要求している。 現在の案では F-35A 同様の要領で GAU-12 を 搭載する案が有力であるが、この場合給弾機構が異なるため保有弾数がポッド式の220発に対して180発に減ってしまう。 更に 燃料搭載量が800-lb少なくなり、機体の重心位置が若干変化する懸念もある。
 この案に対して空軍は携行弾数を倍にする要求をしている。
2005.09.14 Jane's Defence Weekly JSF redefines close-air suport <0519-091412>
 F-35 JSF は A-10 にも匹敵するその高い CAS 能力が期待されている。
 F-35 は25mmの GAU-12 ガトリング砲を装備し、機内に8発の SDB と2発の自衛 戦闘用ミサイルを搭載できるほか、ステルス性が要求されない状況下では機外搭載を含めて24発の SDB を搭載 できる。
 更に F-35 は最新の targeting pod やスタンドオフミサイル等を装備するため、従来の CAS 機より高々度、遠距離 からの攻撃が可能になる。 F-35 の EO targeting システムは3,000mの高度と16km の離隔距離から、目標のピンポイント照準ができる。
2005.09.14 Jane's Defence Weekly Singaporean air force selects F-15 over Rafale <0519-091401>
 シンガポールの次期戦闘機は F-15T に決まった。 但し、A-4SU Skyhawk の後継として 20機予定されているのに対し、F-15T の発注数は8機で、残る12機は F-35 JSF 又は UAV になる可能性 がある。
 シンガポールは Security Co-operation Participant として F-35 JSF の開発に参画しているが、JSF が配 備可能になるのは10年以上先になる。
 10年後にシンガポールは F-5S の後継も必要とするが、こちらは JSF になると見られる。
2005.08.31 Inside Missile Defense Lockheed Martin looks to place Directed-Enargy Weapon on JSF by 2020 <0521-083101>
 Lockheed Martin社は JSF F-35B STOVL に SSL (Solid State Laser) 兵器を搭載する自社研究を、 2020年の実用化を目途に行っている。
 同社では戦闘機自体の SAM 防護と艦隊の限定 BMD を目的とする、DEW 搭載機種を LSF (Laser Strike Fighter) と名付け研究を行っており当面、出力100kW有効距離5~20kmの SSL 搭載をめざす。
 搭載 SSL は重量5,000-lb、容積100立方吋程度とされ、電力供給にはリフトファンゼネレータを使用する検討が行われている。
 SSL の開発は、今年中に25kW出力が可能となるとみられ、2007年~2008年には100kW出力が期待されている。
2005.08.25 Inside the Pentagon England-ordared Fighter review will help shape FY-07 budget plan <0521-082501>
 England米国防次官は、F/A-22 及び F-35 を含む全ての戦闘機計画の見直しを指示している。
 見直しは DoD の効率的な戦闘機導入がねらいで、FY-07予算及び 08-POM に合わせ、来年8月までに3回に分け報告を求めている。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly UK voices fears on JSF technology transfer <0518-082416>
 J-35 JSF の共同開発で、米国からの技術開示が全体の10%足らずであるとして危機感を持つ英国は、7月25日 から4日間、議会の代表団を米国に派遣し議会関係者と面談し、この問題を話し合った。
 これに対して米議会関係者は英国の懸念を知らなかったと驚きを表明した。 またこの問題についてブレア首相とブ ッシュ大統領が接触していたことも明らかになった。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly JSF partners prepare for next MoU talks <0518-082401>
 F-35 JSF の共同開発を行っている9ヶ国は、9月から量産及び維持管理の分担に関する話し合いを開始する。
 最終合意と MoU 締結は2006年中頃と見られる。
2005.08.22 Aviation Week & ST New set of JSF wind tunnel tests begins next month <0517-082202>
 米空軍技術開発センター AEDC は、来月から F-35 JSF の風洞試験を計画している。 試験は流体データ、空気吸入孔の性能、過重圧 力及び飛行安定性の最終確認を目的とし、16ft風洞を使用し来年初めまで行われる。 AEDC は既に4ft風洞で内 部弾倉と主翼パイロンからのミサイル等の離脱性能を確認し、併せて外部燃料槽の離脱性能も確認している。
 JSF の最終設計審査は2006年2月に予定され、初飛行は8月に計画されている。
2005.07.18 Aviation Week & ST Tackling F-35 issues <0515-071804>
 Lockheed Martin社は F-35 JSF の LRIP 以降の製造態勢と時程について、具体的な検討作業を開始した。
 F-35 の初飛行は2006年を予定し、2007年に LRIP に移行するが、同社は1機/日の 組み立てを可能とする流れ作業方式製造ライン CMAL (Continuously Moving Assembly Line) の構築準備を開始した。
 F-35 は中間設計評価を終え、STOVL 機の重量削減要領を承認した。 また、F-35A の機体前部の接合を行い、7月中には電気油圧シス テムの組み込みを開始、8月には垂直水平安定翼と着陸装置の取り付けを計画している。 エンジンの取り付けは年末以 降となる模様である。
2005.07.13 Jane's Defence Weekly Blockages to JSF programme hinder UK defence capabilities <0515-071310>
 米国が F-35 JSF の設計データの開示を制限していることに対して英国は強い不満を 持っており、6月に Armed Forces Minister が JSF の情報開示がなければ英国は JSF 共同開発計画から撤退すること もあり得ると発言した。
 英国は今後の保守や改善のため、開発データやコンピュータコードの開示が不可欠であるとしている。
2005.07.06 Jane's Defence Weekly Production techniques gear F-35 for stealth <0514-070610>
= F-35 のステルス性確保のため、製造段階での努力にする記事 =
 Lockheed Martin社が製造を担当する翼は、最大の複合材料部品で、同社が日本の F-2 開発 過程でその製造技術を習得した。
2005.07.06 Jane's Defence Weekly UK reviews JSF variant choice <0514-070601>
 英国では2006年始めに予定されている将来空母 CVF の Main Gate 決定を目前にして、搭載 機の機種見直しが行われている。
 当初英国は、艦載型と空軍型の JCA (Joint Combat Aircraft) をいずれも STOVL 型の F-35B とする方針で、CVF がカタパルト装着 可能な形になってもその方針は変わらなかったが、F-35B の重量超過問題などから、運用開始が2012年から 2014年に延期されたのが問題となっている。
 このため米海軍が装備する艦載型の F-35C 採用も否定しない方向で再検討に入った。
2005.06.20 Aviation Week & ST Goodbye, waiver <0513-062009>
 F-35 JSF の民間レベルでの秘密技術資料の移管について、米英の折衝は依然として難航している。
 米国では規制緩和のための ITAR (International Traffic in Arms Regulation) の廃棄が議会の反対により困難となり、英国は当分の 間折衝を延期することを決めた。
   企業側は JSF の最終組み立てと点検の英国内での実施が困難であるとして、速やかな復活折衝を求めている。
2005.06 International Defense Review Boeing hedges against JSF delays with stealthier Super Hornet <0512-060005>
 Boeing社は、既に1年遅延している F-35C の開発が更に遅延した場合の対策として、ステルス性を向上させた F/A-18E/F Super Hornet を提案している。 これは社内では Block 3 と呼ばれている。  Block 3 は外観形状を変更せず、ステルス性も JSF 程ではない。
 Block 2 APG-79 レーダを搭載するため機種形状を変更した F/A-18E/F で、APG-79 レーダの development flight test は今年後半に終了する。 APG-79 は空対空捕捉能力で APG-73 の2~ 3倍、対地マッピングで3倍の精度を持ち、AMRAAM の最新型である AIM-120C7 及び AIM-7D を最大射程で発射でき、GMTI モードで捕捉した地上移動目標を SAR モードマップに重ねて表 示できる。
( AIM-7D に関する記事 JDW 2004.07.14)
( AIM-7D の射程に関する記事 AW&ST 2004.05.17)
2005.06 International Defense Review US Air Force defines STOVL version of Joint Strike Fighter <0512-060004>
 米空軍 ACC (Air Combat Command) が F-35B STOVL JSF に対する要求をまとめる作業を行っており、今年末か来年早々に取りまとめる 。 ACC では、改造は最小限を考えており、設計をやり直すことは考えていないとしている。
 米空軍は F-35B を STOL モード運用する積もりで、VL 能力は求めていない。 代わって "rolling vertical landing" を行おうとしている。
 また空軍は、海兵隊型にはない内装機銃の搭載と "prove-and-drogue" 方式の給油を求めている。
2005.05.30 Aviation Week & ST F-35 takes next step <0512-053006>
 Lockheed Martin社2006年8月の初飛行をめざし、F-35 JSF の主翼と機体の結合に続き、後部機体と尾翼の取り付け を6月以降開始する。
 後部機体と尾翼は BAE社が英国で製造し、今月末に先ず後部機体を米国に輸送し6月から作業を開始し、尾翼は数ヶ月後に同じく米で取 り付けを行う。
 また、F-35B STOVL 機用のエンジン吸気孔の製作も既に Northrop Gramman社の工場で開始しており、Lockheed Martin社は STOVL 機の 重量超過問題は解決し、2010年の IOC に向けた障害はないとしている。
 JSF の12年にわたる SDD では23機を試作し、うち15機が飛行試験に、7機が地上試験に、1機がレーダ信号の 分析に使用される。
 Lockheed Martin社は米英の調達機数を2,593機と見込んでおり、その他にデンマーク、ノルウェー、伊等共同 開発国の調達機数が加わる。
2005.05.09 Defense News Northrop delivers F-35 fuselage <0514-050907>
 Northrop Grumman社は4月23日に、F-35 JSF 初号機の機体中央部を Lockheed Martin社に納入した。 機体は 5月2日までに Fort Worth 工場に移され、最終組み立てを開始する。
2005.05.09 Inside the Navy Defense Aquisition Board meets on F-35 Joint Strike Fighter <0514-050903>
 DoD は国防調達会議を5月5日に実施したが、F-35 JSF に関しては計画の確認のみで、主要なマイルストン決定は次回以降に持ち越され た。
 JSF の CDR は2006年前半に、初飛行は2006年夏以降に計画され、今週初め Northrop Grumman社は機体中央部を Fort Worth に出荷し、 機体前部と翼との結合作業を開始する。
 英国で BAE社が製造する機体後部は今月中に完成し米に輸送、初号機用のエンジンは Pratt&Whitney社から年末までに出荷を予定する 。
2005.05.09 Aviation Week & ST On May 3 Lockheed Martin received <0510-050901>
 Lockheed Martin社は5月3日に F-35 JSF 試作初号機の機体中央部を Northrop Grumman社から受領した。 同社は Fort Worth 工場で 今月から機体中央部と前部及び主翼を組み上げる。
 BAE System社が製造中の機体尾部も今月末までに納入される計画で、初号機の初飛行は2006年1/四期を予定 している。
2005.04.21 Inside the Pentagon JSF program manager wants 300 more pounds off STOVL aircraft <0512-042103>
 JSF 計画当局は STOVL 機の重量を当初見積もりの3,000-lb削減を更に300-lb削減す る意向を明らかにした。
 計画は現在 SDD 段階にあり、先日行われた CDR では目標の30,800-lbから150-lbの超過が判明し、当局は機体全体から300-lbの削減を 行う。
2005.04.17 Yahoo 産経新聞記事

「F-35戦闘機共同開発、イス・・・」

<0509-041701>
 F-35 の技術がイスラエルから中国に流出しているとして、米国が国際共同開発へのイスラ エルの参加を制限したことを、米政府高官が15日明かした。
 ここ数ヶ月、米国防総省幹部らはミサイルや軍艦の性能向上用予備部品がイスラエルから中国に流出してい る点も問題にしており、さらに対中軍事技術流出問題が別の技術へも広がる可能性がある。 
2005.04.04 Aviation Week & ST The future stealth <0508-040406>
 米の国防予算は今後20年に大幅な削減が予想されるため、DoD が要求する安価で高性能な UCAV の実現を疑問 視する意見がでている。
 Boeing社は戦闘機、爆撃機、UAV 及び兵器を組み合わせて運用する検討を行う組織を創設し、完全なステル ス性能の追求だけでなく、High-Low Mix 装備、有人機との併用、ミサイル等のステルス化等を総合的に検討している。
 因みに F-35 の RCS は-30dBsm (ゴルフボール程度)、F/A-22 は-40dBsm (ビー玉 程度) である。
2005.04 International Defense Review Laser collaboration <0508-040006>
 BAE社が2月23日に、同社が開発した F-35 JSF に搭載されるレーザ装置を Lockheed Martin社に納入した。 この装置は F-35 の EOTS (Electro Optical Targeting System) の構成品として、目標の精密測距及びレーザ誘導武器用のディジ グネータとして使用される。 
2005.04 International Defense Review Radar control <0508-040005>
 Northrop Grumman社が、同社が開発した F-35 JSF に搭載される AN/APG-81 レーダを Lockheed Martin社に 納入したと3月3日に発表した。 今後 Lockheed Martin社においてレドームを付けての試験が行われる。
 AN/APG-81 はアクティブフェーズドアレイレーダで、空対空、空対地のほか、電子戦装置としても使用され る。 
2005.03.23 Jane's Defence Weekly Canberra stands behind Joint Strike Fighter <0507-032305>
 オーストラリアは F-111 及び F/A-18 の後継として JSF 100機を装備する計画で、国際共同開発に参加して いる。 Hill 国防相は、JSF 以外に候補機はないと発言している。 調達契約は2010年頃になる。
 JSF プロトタイプの製造スケジュールは以下の通りである。
 ・4月:胴体中央部と機首部の結合
 ・6月:後部胴体の結合
 ・9月7日:エンジン搭載
 ・2006年8月:初飛行 
2005.03.16 Jane's Defence Weekly JSF programme ponders regional maintenance <0507-031608>
 Lockheed Martin社は JSF の地域ごとの修理拠点となる 'hub' をヨーロッパとアジアに建設する検討をして いる。 同社の JSF 担当副社長が、共同開発国は2006年12月までに必要とする hub の数と建設する場所を決める必要があるとしている。
 JSF 用 hub の建設にはオーストラリアが関心を示している。 
2005.03.14 Defense News Northrop delivers F-35 radar <0513-031401>
 Northrop Grumman社は先週、F-35 JSF 搭載 AN/APG-81 AESA レーダ1基を Lockeed Martin社に納入した
 レーダは Lockeed Martin社でレドームを付けての試験を行い、試験機による飛行試験は今年の後半に予定さ れている。
 両社はまた、F-35 搭載用の DAS (Distributed Aperture System) 及び EOTS (Electro-optics Targeting System) の共同開発を進めている。 DAS は昼夜間視界の確保と接近する航空機やミサイルの警報機能を、 EOTS は目標の長距離探知と正確なターゲッティング機能を有する。
2005.03.14 Aviation Week & ST Dogged by doubts <0507-031403>
 英政府は、次期空母に搭載する JCA (Joint Combat Aircraft) に予定している STOVL 型 F-35B STOVL型 JSF が、重量超過の問題解決に1年以上を要したことから、開発が遅延することに懸念を示している。
 英国は空母の就役する2012年の取得を計画しているが、納入は2014年12月以降とみられ、その間、Harrier GR7/9 を搭載せざるを得ない状況となる。
2005.03.07 Inside the Navy Northrop delivers first fire-control radar for JSF to Lockheed <0513-030704>
 Northrop Grumman社は先週、F-35 JSF 搭載用の AN/APG-81 AESA レーダ1基を Lockeed Martin社に納入した と発表した。
 レーダは Lockeed Martin社でレドームを付けての試験を行い、試験機による飛行試験は今年の後半に予定さ れている。
 AN/APG-81 は空対空、空対地の他、電子戦機能を有し、全天候下での目標捕捉と空対地自動標的キューイング を行うことができる。
2005.03.07 Aviation Week & ST The power of versatility <0506-030705>
 F-35 JSF 用に GE/Rolls-Royce が試作する2基の F-136 エンジンが試験段階に入った。
 CV 及び CTO L用エンジンの地上試験は先週から開始されており、STOVL 用のエンジンの屋外燃焼試験は5月からを予定している。
 JSF 用エンジンは Pratt&Whitney社が F-135 を試作しており、Lot 1~3 75機分の製造が決まっている。
 F-136 は SDD の Phase Ⅲ 段階にあり、次期 SDD 最終段階に15基を試作する計画で、Pratt&Whitney社とのエンジン 機種選定は2008年に予定され、装備品の製造は2010年から開始される。
2005.03 International Defense Review Joint Strike Fighter -
weathering the storm as competitions circle
<0506-030021>
= F-35 開発の現状と今後に関する7ページにわたる特集記事 =
 F-35A(右図上左)は現在主要構成品の組立中で、今年中頃から全体組立が始まり、 年末までには組立を完了して、各種装置の搭載が可能な状態になる。 但し1号機は量産型とは異なっており、mission equipment は搭載されない試験用機体である。 初飛行は約9ヶ月遅れの2006年8月になる。
 STOVL 型の F-35B(右図上右)は1年半遅れの2007年3/四半期に初飛行する。 艦載型で翼面席の大 きな F-35C(右図下)は2年遅れで2007年始めに初飛行の予定である。
 このため IOC も当初計画より1年以上遅れ、米海兵隊が2012年、米海空軍が2013年 、英国が2014年、その他の諸国が2015年以降となる。
 F-35 搭載エンジンでは、ロータとブレードが一体となる 'blisk' (blade and disk) 構造がとられている。 主エンジンの F-136 は F/A-22 搭載の F-119 を基に開発され、今までで最強の戦闘機エンジンになっている。 
2005.02.28 Aviation Week & ST F-136 STOVL engine in test <0506-022803>
 JSF STOVL 機用の GE/Rolls-Royce 製 F-136 エンジンの初号機の試験が、オハイオ州の GE 工場で開始され ている。
 F-136 は Rolls-Royce 製リフトファンと接続され、各種機械的作動及び制御機能の試験評価を、5月まで約300時間実施する。
2005.01.17 Aviation Week & ST F-35 on schedule <0503-011706>
 F-35 JSF の開発は計画時程どおり進んでおり、初号機の機体と翼の接合は6月に行われる。
 現在、2月を目途に機体と翼への燃料タンクや電子機器等サブシステムの組み込みを準備中で、引き続き行う接合には新たに導入した レーザによる接合確認システムと自動ドリリング機を用い、6月から一体化が開始される。
 初号機の完成は2005年末を予定、初飛行は2006年に行われる。
2005.01.17 Aviation Week & ST Hot and cool <0503-011704>
 Pratt & Whitney社は F-35 JSF の主エンジン F-135 の改善を進めており、推力をこれまでより10%向上させ ることが可能となった。
 また、JSF 計画当局は Rolls-Royce製 Lift-fan の推力も、ギアボックスの材質強化と設計変更によりシャフ トのトルクを10%程度向上させることを検討している。
 これにより STOVL機の低速旋回能力と兵器搭載能力を向上させることが可能となるほか、アフガンのような高地での離発着を容易にす ることができる。
 エンジン出力の向上は海兵隊の要求を充分に満たすと共に、空軍が計画している CAS 専用の STOVL機についても良好な機能改善となり 得る。
2005.01.03 Aviation Week & ST EA-35 assessment <0502-010506>
 米海兵隊は EA-6B Plowler の後継機種とするため、STOVL JSF機を電子戦機 に改装する研究を計画している。
 海兵隊は EA-6B を少なくとも2015年まで就役させる意向で、既に F/A-18 を EA-18 Growler へ改装する計画 を開始しているが、この研究は EA-18 後の装備化をふまえたもの。
 EA-JSF (Electroric Attack-Joint Strike Fighter) 研究は $1M 程度を投じて1年程度の期間実施され、 単座仕様の STOVL機で電子攻撃を行うための搭載機器や操法等について問題点を明らかにする。