Low-Cost Interceptor (LCI) に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2005.08.10 Jane's Defence Weekly US company sees gap in defences <0517-081002>
 米本土の沖合から Scud 級弾道弾や GPS 誘導 CM の攻撃を受ける危険に対処するため、Lockheed Martin社が 新提案を行った。
 これは HAA や新たに開発する PCL (Passive Coherent Location) システムで 目標を発見し、Patriot と SM-3 で対処するものである。
 PCL は FM 放送電波の擾乱から低空進入目標を発見しようとするもので、TV 放送の電波も 利用可能である。 同社は既に実運用状態を想定した実験を行っている。
 一方陸軍は8月3日に、Miltec社と行っている LCI が既に短射程での実射を行ったことを明らかにした。  これはフルサイズの LCI による初めての発射試験である。
【註:】
 PCL とほぼ同じ考え方で携帯電話の電波を利用した低空進入目標の早期警戒システムが、英国などで研究されている。
(携帯電話レーダ関連記事 IDR 2002.09)
2005.08.03 Miltec社 HP The Low Cost Interceptor (LCI) SHOTL (Short HOT Launch) Test <0499-080301>
 Miltec社を中心に過去11ヶ月間開発が進められてきた LCI の初の発射試験である SHOTL (Short HOT Launch) が、HAWK の発射機及び発射制御システムを用いて行われた。 LCI は実際の大きさと重量であったが、射場安全のた め推進薬は減じて行われた。
 今後 LCI は、10吋径700-lbで130kmの射程を、7吋径350-lbで30~40kmに変更して続けられる。 LCI は今後 18ヶ月かけて再設計され、3年以内に迎撃試験が計画されている。
2004.12.01 Jane's Defence Weekly Flight test sought for low-cost interceptor <0423-120101>
 米陸軍は LCI の発射試験実施を望んでいる。
 LCI は全長4.5mで、Northrop Grumman社製のアクティブ電波シーカを搭載して150kmの射程を持つ。 専用の発射機はなく、MEADS や PAC-3 の発射機のほか、SLAMRAAM の軌条発射機からも発射可能である。
 現在 Miltec社で民間技術を取り入れた低コストを目指す開発が行われており、3,000発生産で単価$100,000が 目標となっている。
 射撃目標となるのは亜音速、非ステルス巡航ミサイル、UAV のほか、回転翼機と一部の固定翼機などの低烈度脅威目 標で、経空脅威全体の75~80%になると見られている。
2004.12 Jane's Missiles & Rockets LCI nears flight test <0503-120010>
 Miltec社が開発中の LCI 最初の発射試験が2005年夏に行われようとしてい る。 最初の試験はロケットモータを2~3秒間だけ燃焼させる縮射試験になる。
 その後2006年まで一連の発射試験が行われ、2006年8月に CDR が実施される。 これに通過すれば更に試験 が行われ、2008年初めには120km以上の最大射程での性能確認が行われる。
2004.09.27 Aviation Week & ST Cruise Missile Interceptor <0419-092702>
 米陸軍は LCI 開発3段階のうち、第2段階を Miltec社と$50Mで契約した。
 LCI は巡航ミサイルに対処する安価迎撃ミサイルで、単価$100,000以下を目指す。 陸軍は 2005年8月に短燃焼モーターによる機体の発射及び空力性能試験を計画している。
2004.08.23 Aviation Week & ST Cruise control <0416-082303>
 DoD が数年前に描いた10年以内に巡航ミサイル防衛 (CMD) システムを開発は、弾道ミサイル防衛の優先によ り更に遅れることになった。
 DIA は、今後20年以内に中国が数百発、イランが数十発、シリアが少数の LACM を保有するとみている。 更に戦闘機2機分の予算で 40発以上の巡航ミサイルを取得できることから兵器拡散が助長されるとしている。
 軍は CMD の中核に MEADS を位置付けているが、その運用開始は2015年以降となり、更に PAC-3 ミサイルで の迎撃は費用対効果から不適当なことから1発$200,000以下 LCI の開発を進め ている。
 LCI は Ku-band シーカーを搭載、AMRAAM の弾頭を用い、全長15m (49ft)、直径は10in、重量700-lbで、射程は150kmである。
 現在ロケットモーター試験と誘導装置の性能評価試験を終え、短射程モーターによる発射試験を2005年に、フ ル射程の発射試験を2006年に予定している。
【註:】
 全長15m(49ft)は、胴径、重量値との整合性、及び既報データとの比較から、誤りと思われる。 因みに LCI の全長は457cm(180in)と 伝えられている
2003.10.06 Defense News Low Cost Interceptor
= Miltec社、Northrop Grumman社等による LCI の広告 =
2003.08 Jane's Missiles & Rockets Low cost interceptor passes design review  米陸軍が進めている LCI の SMDCO による事前設計審査が終了し、来年計画されてい る本格的な設計審査に向け計画は順調に推移している。
 LCI の技術検証試験下の初発射試験は2004~2005年に予定されており、その後兵器化の承認と予算が得られれ ば、2010年には運用が開始できる。
 しかしながら LCI には5ヶ年の POM を含む後年経費計画は全くなく、計画継続は議会の追加支出のみが頼り になっている。
 計画の主契約社は Miltec社で、今年後半に試射が予定されているブースタの担当は Atlantic Research社、 Ladar (Laser Radar) シーカは Northrop Grumman社が担当する。
2003.01.13 Inside the Army Low-cost interceptor to provide inexpensive alternative to PAC-3  米陸軍は PAC-3 を補足する LCI 導入方針の検討を進めており、その 単価 $100,000 程度を見積もっている。
 LCI 構成品の 80%には既存のミサイル技術を活用し、PAC-3 に近い設計となるとされ、発射に関しても Patriot と MEADS の発射機を併用する検討が行われている。
 現在、BlockⅠとして MERLIN (Multi-service Extended Range Low-Cost Interceptor) 計画を進めており 、速やかな導入に向け FY-03 以降の開発が促進される模様。
 なお、プライムは Miltec Corp で、シーカー担当のサブコンに Northlop Grumman 社が指名されている。
2002.10 Jane's Missiles & Rockets US Army to choose booster for anti-cruise-missile SAM  米陸軍は今年末にも LCI 用のブースタを決定する。
 LCI は当初 AMRAAM の SAM 型として計画されたが、その後 Patriot 及び MEADS の補完兵器にエスカレートし、要求される 最大射程も150kmまで拡大した。
 現在の計画では最初の発射試験が2004年に行われ、2010年に配備が開始される。
2002.09.04 Jane's Defence Weekly US Army eyes low-cost cruise missile killer  米陸軍が CM, UAV 対処用の安価 SAM LCI (Low-Cost Interceptor) を計画している。
 システムは COTS 品及び既存システムからの転用により、開発リスク及びコストの低減を図り、単価を $100,000 に抑え、10年以内の装備化を可能にする。
 BAT のシーカを改良した Northrop Grumman社製のアクティブシーカを使う。
 射程は150kmで、味方航空機の飛行を妨害しないように、高度70,000~80,000ftを飛行 する。
 発射試験を FY-05 に開始したいとしており、早ければ FY-07~08 に LRIP が可能 である。
2002.06.17 Inside the Army Army pursuing low-cost interceptors for less sophisticated threats  米陸軍は UAV、ヘリ、巡航ミサイル対処用の長射程低価格 SAM LCI (Low-cost interceptor) の開発を計画している。
 LCI は既存ミサイル技術と構成品の転用により開発リスクと価格低減を図り、1発 10万ドルを目指す。
これまで、SMDC は MERLIN (Multiservice Extended Range Low-Cost Interceptor) 研究を、DARPA は LCCMD 研究をそれぞれ行っていたが昨年陸軍がこれらを採用し、開発を進め、Objective Force に 適用する。
 今後約1年の設計検討が行われ、FY-05~06 に発射試験を行う模様。 システムは PAC-3 に極めて似たもの となると当局者はみている。
2001.09 International Defense Review Cruise control  単純で安価な兵器である巡航ミサイル (CM) や UAV は、典型的な 'asymmetric threat' である。

= 対 CM 兵器開発状況に関する記事 =
 ・ JLENS
 ・ LCCMD
 ・ Mali
 ・ LCI (Low Cost Interceptor) :
      実装備ではない研究システム
 ・ MERLIN (Multi-sevice Extended Range Low-Cost Interceptor) :
      実装備に近い開発システム
2001.01.31 Jane's Defence Weekly US Army to study low-cost cruise missile defence interceptor  米陸軍 SMDC (Space and Missile Defense Command) は、巡航ミサイル要撃用の安価システム LCCMD (Low Cost Cruise Missile Defense) の開発を計画している。
 システムのスタディは FY-01 中に終了し、技術実証インタセプタの実発射試験を FY-04 に行う。
 インタセプタとしては、MALD にシーカを付けたものが考えられている。 MALD に取り付け るシーカとして以下の3方式が検討されている。
 ・Micro-electromechanical switched (MEMS) electronically steered array
 ・Laser radar (LADAR)
 ・Noise-correlation radar
 この中で MEMS が最も有力とされているが、信頼性の低さが問題になっている。
 LCCMD は PAC-3 と整合性があり、PAC-3 の発射機から発射できることを考えている。
 SMDC が考えているインタセプタの単価は $10万である。