HAA に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2009.05.18 Aviation Week & ST Persistence pays off <0906-051811>
HAA / HALE-D
 DARPA が計画を中止した HAA を陸軍が引き継いだが、Lockheed Martin社で製造中の縮小型実証機 HALE-D は 今年の8月に初飛行する。 HALE-D は搭載能力50-lbで、60,000ftに15日間滞空できる。
Persius ハイブリッド飛行船
 米陸軍が4月下旬に、高度20,000ftで2,500-lbの搭載能力を持つハイブリッド飛行船 LEMVRfI を発簡した。 LEMV は3週間の滞空能力を持つ戦場監視用飛行船の試作機で、18ヶ月以内にアフガンに配備する。
ISIS レーダ飛行船
 米空軍と DARPA は、レーダ飛行船の1/3実証機 ISIS を$400Mで Lockheed Martin社 に発注している。 1年間の滞空能力を持つ ISIS は2012年に初飛行する。
 実用型はフットボール競技場大のアレイレーダを搭載し、70,000ftの一箇所に10年間以上滞空し、CM や UAV を600km、徒歩兵士や車両を300kmの範囲で監視する。
2009.04.06 Aviation Week & ST High hopes <0905-040613>
 Lockheed Martin社が8月に、同社が研究中の飛行船 HALE-D の縮小型実験機による飛行試験を行う。 HALE-D は米陸軍 SMDC が出資している各種高々度飛行隊の一つで、他にはAerovironment社の Global Observer、Aurora社の Orion、Qinetiq社の Zephye などの UAV や、Southwest研究所の HiSentine150 飛行船などが ある。
 Lockheed Martin社は HAA の開発を行っており、2005年に MDA から試作を&149Mで受注したもののFY-08に 計画が中止になり、SMDC に移管された。 HAA が60,000ftに500-lbを搭載して1ヶ月間滞空することが求められたのに対 し、HALE-D50-lb、2週間と規模が小さくなっている。
2008.12 International Defence Review Persistnt surveillance airship prepares for US MDA trials <0901-120026>
 民間で Goodyear社製の Blimp 気球の2倍の大きさである軍用気球 HALE-D2009年9月に初飛 行する。 HALE-D は将来の実用機である HAA の縮小型検証機で、全長73m、容積14,148立米、25kgを搭載して 高度60,000ft15日間滞空できる。
 HAA は2003年に MDA が、プロトタイプの試作を$146Mで Lockheed Martin社に発注した気球で、当初は全長120m、容積が100,000立米で あったが、のちに見直されて150m、140,000立米になった。 しかしながら財政上の理由と技術的問題から計画は中止され、その後陸軍の SMDC により再発注されていた。
2007.02.28 Inside Missile Defense MDA: High Altitude Airship termination plans to be finalized next month <0707-022809>
 MDAは HAA 計画中止を決め、FY-08に予算計上を行わないことを決めた。  来月の最終決定により、計画はFY-07で中止される。 FY-07予算は要求の$40,7Mを大幅に削減され、$18.2Mであった。
2007.02.12 Defense News MDA seeks Aierborne Laser delay, airship termination <0706-021202>
 DoD が議会提出した MDA のFY-08要求は昨年度予算を$300M下回る$8.9Bで、計画では HAA 開発中止KEI 計画の見直し ABL による迎撃試験の延期等が予算削減の理由となっている。
2006.12.06 Inside Missile Defense MDA,Lockheed craft plan to absorb $22.5 billion Airship program hit <0704-120601>
 MDA が ACTD で計画中の HAA のFY-07予算は$40.7Mの要求に対し、$18.2Mしか認められなかったため 、計画の修正に追われている。 HAA 実験機の初飛行は、予定より1年遅れのFY-10 となることが公表されたが、更に1年ずれ込む公算が大となった。
 HAA は全長500呎、直径140呎、搭載重量は400-lbで、高度60,000呎に30日間滞空することが要求されている 。 実用機は更に50~60%大型となり、搭載重量も2,000-lbを目標としている。
2006.12.04 Inside the Army MDA,Lockheed craft plan to absorb $22.5 million Airship program hit <0702-120402>
 HAA 計画は、FY-07要求が$22.5M削減されて$18.2Mとなったことから大幅な計画の見直しを迫られてい る。
 HAA はFY-06にも MDA の$200M削減計画の主要対象とされて予算が削減され、当初予定していたFY-09の初飛行はFY-10 に延期されたが、今回の削減でFY-10の実現も困難な状況となっている。
2006.11.01 Jane's Defence Weekly Plugging the gap <0623-110109>
= 米国の LTA に関する4頁にわたる特集記事 =
HAA
 HAA は、2005年末に Lockheed Martin社がプロトタイプの試作を$149Mで受注した。 プロトタイプの 初飛行は予算削減から1年遅れて2010年に予定されている。 定点に停止させておく技術と HAA の生存性が課題である。
NSMV (Near Space Maneuvering Vehicle)
 Near Space とは、65,000~300,000呎と定義づけられているが、米空軍 Space Battlelab が開発中で 通信中継用の NSMV は100,000呎を飛行する。
Hybrid Airship
 Hybrid Airship は空気より重く、飛行機の原理で離着陸する。 DARPA が2005年8月に開始した453t搭載の巨大 Hybrid Airship 計画 は2006年始めに議会が予算を付けなかった。
JLENS
通信中継気球
 イラクで8月から Space Data社製の気球が通信中継に使用されている。 気球の高度は100,000呎で、通常8~16kmの通達距離である 携帯無線機の通達距離を805kmにまで延ばしている。
Talon Topper
 TENCAP社の Talon Topper は気球に下げられたペイロード搭載グライダで、使い捨ての気球から切り離された後にグライダは帰還し 再利用できる。
2006.09.04 Defense News USAF Mirror Bends Laser around cornar <0620-090403>
 米空軍は宇宙でのレーザ中継装置 ARMS (Aerospace Relay Mirror System) の地上試験に成功した。 ARMS の研究は2年半前に開始され、7月から8月に約30回の低出力レーザを用いた中継に成功した。 中継技術の確立により見通し外の目標や 長距離照射が可能となる。
 システムは2基の高性能望遠鏡とミラー及びコンピュータから構成される。 技術課題は標的に指向したレー ザスポットを如何に継続的に維持するかにあり、将来高度2,000~5,000呎に配置する気球や更に高々度に滞空 する HAA への搭載を研究中である。
2006.08.07 Inside the Army First flight of HAA delayed a year,possibily longer if legislation sticks <0618-080701>
 HAA 2009年に試作機の初飛行をめざし開発を進めているが、予算削減によ り 1年以上遅れて2010年以降となる模様である。
 開発は2005年に$149.2Mの予算で開始したが、FY-06は MDA が一部予算を削減、FY-07要求では上院が$25Mの削減案を提示し、予定通り の開発時程は極めて困難となっている。
2006.07.24 Inside the Army Lawmakers: MDA needs to zero in on near-term Missile Defense assets <0618-072401>
 FY-07上院予算法案は7月20日に可決したが、法案ではミサイル防衛は将来装備の開発よりも、当面の開発試験を着実に行うことが重要 であると提言している。
 この結果、GMD、Aegis、THAAD、、ABL 及び関連試験研究費の予算は増加したが、HAAKEI 及び STS 要求は削減 されている。
2006.05.01 Inside the Army Lawmakers cut all funds for MDA's High-Altitude Airship development <0611-050101>
 米下院の軍事予算小委員会は先週、HAA FY-07要求$41Mを全額削除する提案 を行った。 削減理由は技術の未成熟とされ細部は明らかにされていないが、MDA は飛行船の重量問題と要求性能の下方修正が原因であ るとみている。 HAA は2005年7月に ACTD ではなく通常の開発を行うことが決まったが、FY-06要求では$16Mの要求から$5Mを削減されて いる。
   MDA は搭載重量500-lbの HAA を1機 $50M~$60Mで10機装備する構想だが、約半年に1回、地上整備が必要と なるため、実際は 12~13機が必要となる。
2006.02 Jane's Missiles & Rockets MDA awards airship contract <0605-020006>
 Lockheed Martin社が MDA から$149.22Mで受注した HAA の試作を続けている。 試作 HAA は非拘束飛 行船で、滞空高度を1ヶ月間遊弋できる。
2006.01.11 Jane's Defence Weekly Funding cut may delay airship <0603-011103>
 Lockhhed Martin社が開発中の HAA は、議会が国年度予算を$16Mから$11Mに削減したため、当初予定し ていた試験開始が2008年から2009年に延期されそうになっている。 これに伴い IOC も2011年 に伸びそうである。
 HAA は常時10基が米国上空の18,000mに滞空して、空域、沿岸域、内陸国境の監視を 行うため、12~13基が調達されると見られている。
 HAA の全長は131mで最小限90日、できれば180日滞空する能力が求められている。 プロトタイプのペイロードは230kgであるが、実用 型では1,800kgとなる。
2005.12.19 Aviatopn Week & ST Lockheed Martin plans to build <0602-121901>
 Lockheed Martin社は全長400呎、直径140呎の HAA 試作機の開発を計画中であり、MDA は$149.2Mで近日 中に契約を締結する。
 試作機は搭載重量500-lb、高度60,000呎にほぼ静止して約1ヶ月滞空できる。 動力 には太陽電池を用い3.5kWを供給し、電動モータにより直径25呎の4基のプロペラを用いて22ktで移動し、静止状 態を維持することができる。 機体には構造材を用いず(註:軟式飛行船ということか?)、気球素材は軽量で高い強度を持つラミネ ートが使用される。
   試作機の初飛行は2009年に予定し、2010年~2011年に各種試験を行う。
 実用機は高度65,000呎、出力10kw以上でレーダ、IR 及び EO センサを搭載し、180日以上 滞空する。
2005.10.31 Inside the Navy DoD appeals cuts for High Altitude Airship in House authorization bill <0524-103108>
 DoD は10月12日、FY-06 HAA 開発予算の復活を求める文書を下院に提出した。  DoD は$22Mを要求しているが、下院は$16.8Mを削減する方針である。 上院は全額要求を認めている。
2005.10.31 Inside the Army DoD: Capability of High Altitude Airship reduced,due to weight issues <0524-103106>
 DoD は HAA 開発での重量超過の問題を解決するため、能力が若干低下するこ とを明らかにした。
 これは FY-06予算法案の復活に向けた議会報告であるが、MDA は HAA が目標とする、高度 65,000-ft、搭載重量500-lbは変わっていな いと異議を唱えている。
 HAA は6月に ACTD から4年間の開発試作に変更となったが、下院はFY-06予算から$16.8Mを削減している。  10月15日に予定していた Lockheed Martin社との$180Mの契約は11月まで延期されている。
2005.08.10 Jane's Defence Weekly Lockheed wins DoD contract for massive airship <0517-081003>
 米 DoD は HAA 開発を Phase 3 に進める決定を行い、10月に Lockheed Martin 社と4年間$137Mの契約を行うと7月26日に発表した。 Phase 3 では全長131m、最大胴径45.75mで、 10.3万立米のヘリウムを充填する試作機を製造する。
 試作機は227kgのペイロードに3kWの電力を供給しつつ、18,300mの上空に1ヶ月滞空できる。 1ヶ月間の滞空試験は 2008年の中頃に行われる。
 ペイロードとしては EO/IR カメラ、レーダ及び、数百㌔の捕捉距離を持つ別のセンサを搭載する。
2005.08.01 Inside the Army MDA to award $180 million contract for High Altitude Airship prototype <0518-080102>
 MDA は ACTD から除外した HAA の開発試作を Lockheed Martin社に$180Mで発注する。 契約は10月15 日を予定している。
 試作機には搭載重量500-lb、高度60,000ftで35日間滞空する能力が求められ、開発は ACTD での成果を活用し 、2008年の飛行試験開始をめざし進められるが、技術課題として、飛行船の軽量化、動力及び燃料等の搭載、機 体強度等が残されている。
2005.06.27 Inside the Army MDA: High Altitude Airship project falls outside ACTD time frame <0515-062701>
 MDA は、HAA 計画をFY-03の ACTD から除外することを決めた。
 ACTD による技術開発は通常3~5年で実用化に移行するが、HAA は昨年秋の CDR 及びその他の技術審査の結果、重量 軽減等の各種課題が残り更に数年を要するため ACTD から外し、2008年の飛行試験を目指し開発を進め る。
2004.12.22 Jane's Defence Weekly US Army calls for use of airship in 'near space' <0502-122209>
 米陸軍は HAA を 'near space' で運用することを考えている。 near space とは、最も高空を飛行す る航空機より20km高い高度で、最も低い軌道を周回する衛星より100km低い高度を指す 。
 陸軍は特に、将来の UEx(師団級部隊)用通信中継に、現在考えている ER/MP UAV よりも有用と考えている。  FCS では HAA に通信中継の center tier を担当させ、upper tier を衛星、lower tier を地上中継局 に担当させたいとしている。
 米陸軍はイラクにおいて、第101空挺師団の通信中継を、AN/PSC-5C HF/UHF/SATCOM を RQ-4A Global Hawk に搭載 して行っている。
2004.09.15 Jane's Defence Weekly Lofty goals <0418-091506>
 HAA は65,000ft付近に滞空して EO/IR センサで数百㌔遠方の弾道弾発射を捕 捉する。 またレーダを搭載し、巡航ミサイルを始めとする低空飛行目標を捕捉する。 更に陸上及び空中から 発射されるレーザ光を反射中継するミラーを取り付け、DEW の射程延伸を行う。
 現在 Lockheed Martin社を中心に、2006年の初飛行を目指したプロトタイプ機の開発が進められている。 プロトタイプ機は3kWの電源 と227kg (500-lb)のペイロードを搭載し、1ヶ月の滞空が可能になる。
 より大型の実用機の開発は2010年代に行われ、4,000-lbの搭載能力と1年以上の滞空能力が求められている。
2004.08 International Defense Review High-altitude air ship <0415-080001>
 MDA は HAA の軍用としての活用法についての RfI を発簡した。
 HAA の試験は2006年中頃に開始されるが、HAA は225kgのペイロード3kWの電力を供給し、高度63,000ftに7日間滞空する。
2004.06.28 Aviation Week & ST Climpsing the future <0413-062811>
 MDA は8月に HAA 、9月に MKV の CDR (Critical Design Review) を計 画している。
 HAA は数年以内に飛行試験を行う計画だが、技術課題は飛行船の軽量化にあり、素材の選定が焦点となってい る。 また電源は燃料電池が望まれるが軽量化のため再充電型リチウム電池が候補となっている。
 MKV は2006年から空中試験を予定しているが、技術課題は KV を目標に誘導する DACS (Divert Attitude Control System) を液体燃料にするか固体燃料にするかにある。 KV の仕様が決定すれば開発の焦点は搭載す るプラットフォームに移行する。
 MDA はこの他に、雲を通してミサイルの発射炎を探知するセンサー、Ladar 及び長波長 IR センサー等の研究を検討している。
2004.03 International Defense Review Airship come to the fore <0405-030021>
= HAA 計画の紹介記事 =
 HAA は、全長約150m、胴径約50m、容積は約150,000立米の大きさで、高度65,000ftに滞空する。 HAA のプロトタイプと実用型の性能は以下の通りである。
┏━━━━━┳━━━━━━┳━━━━━━┓
┃     ┃プロトタイプ┃ 実 用 型 ┃
┣━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━┫
┃ 電源能力 ┃  10kW  ┃  75kW  ┃
┃ペイロード┃ 1,800kg  ┃ 5,500kg  ┃
┃ 滞空能力 ┃  1ヶ月 ┃ 1年以上 ┃
┗━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━┛
 HAA の電源は機体に張られた太陽電池と、再生型燃料電池により供給される。 燃料電池は Proton Energy Systems社が開発を担当し、燃料としては同社製 HIPRESS ソリッドステートスタックにより、高圧の水素と酸素が供給される。
2003.12 International Defense Review DARPA eyes lightweight antenna for high-altitude airships  DARPA が HAA に搭載するレーダ ISIS (Integrated System Is Structure) に ついて、1年間の概念設計を予算化することを計画している。
 ISIS は X-band、VHF の2周波レーダとなる模様で、円形 (circular) の ESA アンテナは機体構造とのコンフ ォーマル化が図られる。 アンテナ重量は他のエアボーンアンテナに比べて折り畳み展張機能や電波遮蔽機能が不要で、発射時の耐久性 も要求されないため、1/10程度に抑えられると見られている。 
2003.12 International Defense Review Lockheed Martin to demonstrate High Altitude Airship  MDA が Lockheed Martin社と$40Mで HAA の RRE (risk-reduction effort) Phase 2 契約を行った。 契約期間は2003年10月から2004年6月までである。
 Phase 3 は2004年6月~2006年7月の間$50Mで予定され、この間にプロトタイプ機の 試作が行われる。  ついで2006年8月~2008年7月の間に$9Mで Phase 4 が計画されている。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets Lockheed Martin wins airship competition  Lockheed Martin社が$40Mの契約で HAA の設計、開発を行う。
 2004年の中頃に予定されている設計審査に通れば、同社は$59Mの追加契約を受けてプロトタイプを製造し、2006年中 頃に30日間の飛行評価を WSMR 上空で行う。
2003.10.15 Inside Missile Defense Cruise missile threat concerns Northcom commander Eberhart  米 NOTHCOM 司令官 Eberhart中将は、このほど軍と国土保全省による巡航ミサイル対処についての対策が不充 分であるとの見解を述べた。
 同司令官は弾道ミサイルと異なり、巡航ミサイルが比較的安価で入手し易く大量に使用され、 発射地点の特定が困難なことを指摘し、早急に巡航ミサイル防衛戦略を確立する必要性を強調した。
 巡航ミサイル対処に関する計画はいくつか行われており、最も進んでいるのは捜索監視用 HAA の ACTD で、2005年に試作機の飛行試験を予定している。
2003.10.08 Jane's Defnce Weekly Lockheed Martin wins airship competition  9月29日、米空軍の HAA (High-Altitude Airship) 計画に Lockheed Martin社が指名された。
 HAA は4,000-lb (1,814kg) のペイロードを搭載して65,000ftの高度を長期間遊弋し 、弾道弾やその他の経空脅威の監視にあたる。
 船体の全長は152.4m、胴径は48.8mで、1,500万立米のヘリウムガスが充填される。
 船体に張られた薄膜太陽電池の電力で船体の両側に2機ずつの電動モータが取り付けられた駆動すると共に、 10kWの余剰電力は搭載装備の電源として使用される。
2003.10.06 Space News Lockheed Martin wins Airship contract  Lockheed Martin社が$40Mで HAA の開発を MDA から受注した。 試作機の納入は 2006年を予定している。
 HAA は全長152m、直径は49m、ミサイル防衛に必要な各種センサーを搭載し、高度20,000mを飛行する監視用飛行船。
2003.10.06 Aviation Week & ST Surging aloft  MDA は高々度長時間滞空の大型飛行船の開発に Lockheed Martin社を選定した。
 MDA は広域にわたる継続的な監視を少ない費用で行うには衛星や UAV よりも飛行船が有効との結論に達し、 2006年までに試験用小型飛行船を建造し、各種試験を行った後2008年までに導入の可否を決定する。
 構想では飛行船の全長は500ft、直径は160ftで、搭載重量は4,000-lb。 4基の10kW 電動装置で2枚羽のプロペラ等を作動する。
 移動速度は70ktで、高度65,000ftを当初30日間、最終的には1年間滞空させることを狙っている。
 搭載するセンサーは未定だが、弾道弾を追随するレーザーレーダーや ABL の射程を延伸するリレーミラ ー等が候補となっており、センサーは直径1,200kmの空域をカバーできる。
2003.10.01 Inside Missile Defense MDA awards Lockheed $40 Million High Altitude Airship Contract  MDA はこのほど、$40Mで高々度飛行船 (HAA) の設計試作と Risk Reduction 段階の主契約企業に Lockheed Martin社 を選定した。
 HAA は今年中に ACTD 段階の研究を終了し、2004年から次段階に移行、2006年に試作飛行船を完成させ、2008 年7月まで運用評価試験を行う計画となっている。
 HAA は全長約500ft、直径160ftで出力は10kw。 高度65,000ftで約1ヶ月運用し、センサー等の搭載重量は 4,000-lbが要求されている。
2003.10 International Defense Review US Air Force to test airbone relay  米空軍研究所の Directed Energy Directorate が、3年間に$30Mかけて飛行船を用いたレーザの中継研究を計画して いる。
 計画では、MDA の Pacific Test Range 上空65,000ftに HAA (High Altitude Airship) に反射板を搭載して 滞空させ、マウイ島からの約500Wのレーザ光を反射させて、弾道弾要撃試験 (IFT: Integrated Flight Test) における標的機の精密追随 を行う。
 今回の計画では低出力レーザを使うが、実験は高出力レーザを中継しての迎撃の可能性の検証にもなる。
2003.07.30 Jane's Defence Weekly DoD eyes laser relay mirror trial on airship  MDA の計画している HAA (High Altitude Airship) と、空軍の ARMS (Aerospace Relay Mirror System) を結びつけ 、ARMS を HAA に吊り下げて ABL MTHEL のビームを中継して、これ ら兵器の有効範囲を画期的に拡大することが検討されている。
 HAA は2006年末頃からの試験飛行が計画されている飛行船で、高度65,000ft付近で遊弋 する事が考えられている。
 当初の ARMS は実験用の縮小型で、受信用と送信用にそれぞれ75cm径の望遠鏡を取り付け、500Wで陸上からのレーザ光を反射させる実 験が行われる。 ARMS は上方への中継を考え機体による遮蔽を避けられるように50m下に吊り下げられる。
2003.04.02 Jane's Defence Weekly US missile agency poised to launch airship programme  MDA は2~3週間以内に HAA (High-Altitude Airship) 計画をまとめる。
 HAA計画は4~5年の計画で、2006年中頃にプロトタイプを飛行させ、米本土及び西海岸沖合で性能確認をしたいとしている。
 HAA は BMD 用の EO センサを搭載して65,000ft~70,000ftの成層圏に、実運用型で は1年間滞空し、弾道弾を数百海里遠方から捕捉しようするもので、レーダの搭載、反 射鏡としての利用や武器の搭載も検討される。
 これとは別に MDA は、 RQ-4A Global Hawk RQ-1A Predator に BMD センサを搭載する事も検討している。
2003.03.31 Inside the Army MDA establishing multi-contract agreement for High Altitude Airship  MDA は HAA (High Altitude Airship) の開発に向け、4月までに Lockheed Martin、Boeing 及び Aeros の 3社と契 約を行うべく調整を進めている。
 飛行船は無人で高度72,000-ftを1年以上飛行する設計で、搭載重量は 4,000-lbとされ、2004年夏には最終契 約1社に絞り込まれる。
 計画では 3年間の開発で FY-05末~FY-06 初頭に飛行試験を行う予定となっており少なくと も4機を導入する模様。
 HAA は FY-03 の ACTD リストに挙げられ、OSD、MDA、NORAD 及び陸軍が共同で予算を出しており、試験終了後の開発は陸軍が管轄する 。
2002.12 International Defense Review Airship: once again the way of the future?  MDA は HAA (High Altitude Airship) の RFP を2003年1月に発簡し、2004年の第2四半期に 契約する予定である。
 Lockheed Martin社は、全長147m、胴径45m、体積150,000立米の HAA の提案を行っており、ペイロードは1,800kg で高度70,000ftに1ヶ月間滞空する能力を有する。
 機体に取り付けられたフレキシブル太陽電池は、変換効率9.7%で、合計1MWの電力を供給する。 この電力で 当初は15kW、その後65kWのペイロードを搭載する。
 定点から1kmの範囲で高度70,000ftに滞空し、センサのフットプリントは1,200km、全米を10機でカバーする。
2002.11.11 Aviation Week & ST Interest balloons in military blimps  米軍ではこの数ヶ月、気球もしくは飛行船の軍事利用に注目が集まっており、いくつかの試験が予定されている。
 対テロ戦で、国境沿いや港湾の監視を強化する他、機雷検知や対潜水艦戦に長時間滞空し各種センサーを搭載できる気球の開発が海軍 、MDA 及び陸軍で見直されている。
 海軍は先週末から Skyship 600 による飛行試験を数ヶ月の予定で実施している。 この飛行船は機雷や潜水 艦を探知する高性能センサーの試験を行うもので、2004年には2週間以上滞空し、速度 80-kt 程度で航行できる搭載量 20~30tのシステムを試験用に開発したいとしている。
 一方、MDA は北米司令部のバックアップを受け、高度 70,000-ft、約1ヶ月滞空の搭載量 4,000-lb程度の飛行 船開発を計画、先月企業説明を行っており、2005年頃の実用化を狙っている。
2002.10.28 Inside the Army MDA holds industry day for high altitude airship demonstrator  MDA は 10月23日、Ft.Belvoir で高々度飛行船計画への参画について企業説明会を開催した。
 この計画は FY-03 ACTD リストの 3番目に位置し、弾道ミサイルや巡航ミサイルの発射情報を早期に地上防空システムに伝達する飛行 船を研究開発するもので、MDA の他 陸軍及び NORAD が関心を示している。
 MDA は飛行船の基本要求として高度 70,000-ft で 30日間の滞空能力、4,000-lb の搭載能力を説明会で強調 した。 企業選定は今後 3回の技術会同を行った後、来年 3月に予定されている。
2002.09.16 Inside the Army MDA's high-altitude airship demonstrator to have multiple missioms  MDA は FY-03 ACTD で承認された本土ミサイル防衛用高々度飛行船の研究を進める準備を 行っている。
 試作機は高度約72,00ft に 1年間滞空する無人飛行船で、既存技術を適用しミサイル防衛用の仕様で製造され る。
 研究期間は3年、経費は $50~$100M とされ初飛行を 2006年初頭に予定している。
 ACTD 終了後管理は陸軍に移管されるが、NORAD も導入を検討しており、搭載センサー等のサブシステムについては使用目的に応じ柔軟 に対応できるよう研究は進められる。
2002.06 International Defense Review Airship for EMD ?  米 MDA は企業に、BMD の一環として成層圏に滞空する飛行船に関する提案を求めている。
 この飛行船には、監視、追随、識別のためのセンサを搭載するほか、武器も載せることも考えられる。
2002.01.23 Inside Missile Defense MDA wants to explore using airships as missile defense platforms  MDA はこのほど、ミサイル防衛用に使用する飛行船に関する調査研究を StratCom International 社に指名した。
飛行船は監視用及び地上レーザー装置の中継用ミラー設置等に使用するもので、既存技術では困難との結果が出た場合は 別途 MDA で研 究を行うとされている。
2001.06.18 Defence News BMDO studies airship as missile defence option  BMDO はミサイル防衛用としての無人飛行船若しくは気球の研究を Stratcom International 社と共同で実施して いる。
 研究項目は「Boost Phase Intercept Deterrent Operational Vehicle」の設計コンセプトで、期間は2 年間、契約額は $2M 。
 航空機より安価で軽量の無人飛行船は、衛星の代わりとして高度 70,000ft、搭載量 4,000lb で、近い将来に戦域レベルで運用する ことを目的に研究が行われる。
2001.05.16 Jane's Defence Weekly NORAD eyes high-altitude airships for surveillance  NORAD (北米防空司令部) は北アメリカ周辺の監視と、低空から進入する巡航ミサイル 等に対する早期警戒用に、高々度飛行船の運用を検討している。
 NORAD は5年間にわたる計画を進めており、$65M の予算で2002年から 2機の飛行船で試験を開始、2004年に初飛行を行う予定。
 この飛行船はヘリウムを充填、全長152m、搭載重量2,040kg、65kWの電源を持ち、高度 70,000~80,000ftで1年間の継続飛行が可能とされ、1機で 400nmを監視、12機で北米全域をカバーす ることが出来る。