IRIS-T SL に関する報道

 
年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2024.09.06 Janes Luftwaffe's IRIS-T SLM reaches IOC <2410-090614>
 ドイツ空軍のIRIS-T SLM中距離防空システムは、9月4日にドイツ北部のトーデンドルフ訓練場で最初の操作員の訓練を完了し
IOC達した。
 ドイツ政府は9月4日にウェブサイトで、IRIS-SLMはドイツの防空能力のギャップを埋めるとともに、国内および同盟国の防衛に重要な貢献をし、欧州の防空を強化すると述べた。
 式典での発言で、ショルツ首相は、IRIS-Tの調達を「ロシアは長年にわたり、特にミサイルやCMで大規模な軍備増強を行ってきており、プーチン大統領はINF条約のような軍縮条約を破った。 彼はベルリンから530km離れたカリーニングラードまでミサイルを配備した」と述べた。
 IOCは、ドイツ連邦軍装備・情報技術・現職支援局 (BAAINBw) が8月初旬にDiehl社からドイツ空軍初のIRIS-T SLMを受領してから1か月後、ドイツ連邦議会のドイツ連邦軍特別基金の資金提供を受けてから14ヵ月も経たないうちに行われた。
2024.08.08 Janes Germany receives first IRIS-T SLM fire unit <2409-080823>
 ドイツ連邦軍装備・情報技術・現役支援局 (BAAINBw) が8月6日の報道資料で、ドイツ連邦軍初のIRIS-T SLM
FUを8月初旬にDiehl社から受領したと発表した。
 BAAINBwは、2022年2月24日のロシアのウクライナへの全面侵攻後に承認されたドイツ連邦議会特別基金の資金提供を受けて、ドイツ連邦議会の予算委員会が2023年6月にIRIS-T SLM 6個FUの調達を承認したことに注目した。
 各FUは、最大250kmの探知範囲を持つ中距離レーダと、それぞれ40kmの射程を持つ8発のミサイルを搭載した3基の発射機で構成されており、共通の遠隔操作指揮所によって制御されており、BAAINBwはこれにより人件費が削減されると述べている。 BAAINBwによると、このシステムは航空輸送可能な20呎ISO標準コンテナに搭載され、モジュラー設計により迅速な設置が可能である。
 ドイツ連邦軍にシステムを導入するために、その製造企業のDiehl社は、FUがNATO IAMDシステムに統合されるように、システムをNATOインターフェースに適合させる必要がある。
 これらの適応は、BAAINBwによって認定され、運用試験を受けドイツ空軍で2025年末から運用可能になる。
2024.06.10 Janes ILA 2024: Diehl Defence unveils IRIS-T SLX missile system <2407-061015>
 Diehl社が6月5日~9日に開催されたILAベルリン航空展で、IRIS-Tの最新型IRIS-T SLXミサイルの実大モデルを展示し詳細を明らかにした。
 同社によると最大射程は80kmで、シリーズの中で最も長い射程を有する。
 現在、技術準備レベル (TRL) 5または6まで開発されているが、完成は4年後になるという。
 同社によると現在ウクライナで運用されている最大射程40km、最大運用高度20kmのIRIS-T SLMの命中率はほぼ100%だという。
2023.08.17
 23:25
Ukrainska Pravda 2 IRIS-T missile systems have arrived in Ukraine – Zelenskyy <2309-081714>
 ドイツが8月17日にウクライナにIRIT-T発射機2基を追加供与した。
2023.05:21Stars & Stripes Estonia, Latvia plan joint purchase of German medium-range IRIS-T air defense systems <2306-052111>
 エストニアとラトビアの国防省が5月21日、両国がDiehl社製IRIS-T SLM中距離SAMを共同購入すると発表した。
 購入数などは公表されていないが、引き渡しは2024年に開始され2025年にはoperationalになるという。
【註】
 IRIS-T SAMはドイツDiehl社製のIRIS-T IR誘導AAMを地上発射にしたもので、IRIS-T AAMをそのまま地上発射するIRIS-T SLSと、先端形状を空気抵抗の少ない形状にし、固体燃料ブースタ、データリンク、GPSを搭載する垂直発射中距離SAMにしたIRIS-R SL、及び大胴径のロケットモータを取り付け、垂直発射式にしたIRIS-T SLMがある。
 IRIS-T SLMの射程は40kmという。
2019.02.18 Defense News Meet the Falcon, a new short-range air defense system <1903-021807>
 Lockheed Martin社を中心とした企業グループが、アブダビで開かれているIDEX 2019展でFalcon SAMを発表した。 この企業グループはUAEが装備しているHAWKの後継開発のため、Saab社Diehl社と共に2016年に設立された。
 FalconシステムはLockheed Martin社製SkyKeerer C2システム1両、Saab社製Giraffe 4A AESAレーダ1両、Diehl社製地上発射型IRIS-Tを発射する垂直発射機3両で構成される。
 地上発射用に改良されたIRIS-Tの射程は40kmという。
2019.02.18 Jane's 360 Lockheed Martin-led team unveils new Falcon mobile air defence solution <1903-021806>
 2016年に設立されたLockheed Martin社を中心とした企業グループが2月18日、アブダビで開かれているIDEX展でFalcon中短距離SAMを発表した。
 FalconシステムはLockheed Martin社製SkyKeerer C2/BMシステムとSaab社製Giraffe 4A AESAレーダでDiehl社製IRIS-T-SLMを垂直発射機から発射する。
 IRIS-T-SLMはIRIS-T AAMの地上発射型IRIS-T-SLの中距離型で、データリンクで目標に接近しIRシーカで終末誘導を行う。
2016.11 Internstional Defence Review Diehl's IRIS-T-SLS shown with Polish SA-8 system <1612-110008>
 ドイツDiehl社とポーランドのWZU社が共同で、ポーランド陸軍が装備しているソ連製9M33BM2/ OSA-P (SA-8)にIRIS-T-SLSを搭載する改良を行った。
 この改良ではNATOの標準
IFFであるMk ⅫA Mode 5及びMode Sと、新型の長距離IRセンサやディジタル式探知捕 捉追随表示装置などが採用されている。
2014.07.07 Aviation Week & ST Net effects <1409-070702>
= 最新の陸上型 SAM を紹介した記事 =
SPYDER
IRIS-T SL/SLS
 IRIS-T SLS を採用するある国は、オーストラリアの CEA社が Anzac級フリゲート艦の改良用に開発した CEAFAR4面固定 にしたレーダで射撃することを検討しており、既に2面レーダを用いた射撃試験に成功している。
【 CEAFAR/IRIS-T 関連記事:1404-030007 (IDR 2014.03)】
FLAADS-L CAMM
2014.03 International Defence Review IRIS-T SLM demonstrated in full-system firing trial <1404-030007>
 Diehl社が1月中旬に南アフリカの射場で、IRIS-T SLM の発射試験を行った。 この試験には16ヵ国からの視察があった。
 試験では CEA社製 CEAFAR レーダのほか、Terma社製 BMD-Flex C3 装置と Oerlikon社製 Skymaster
BM 装置を組み合わ せた指揮装置 (TOC) を使用した。
 IRIS-T SLM は IRIS-T AAM に大胴径のロケットモータを取り付け、垂直発射式にした SAM で、ミサイルは終末段階でノーズコーンをはずし IR シーカを用いて誘導する。
【註】
 CEAFAR レーダはオーストラリア CEA社製で艦載の6面式の E/F-band アクティブフェーズドアレイレーダで、今まで陸上型は報じられていなかったが、かつて Diehl社が IRIS-T SLM 用に6面 3D レーダを提案していたことから、これが CEAFAR の陸上型であったとみられる。
【 CEAFAR 関連記事:0901-120033 (IDR 2009.12)】
【 Diehl社提案 3D レーダ関連記事:1211-100025 (JMR 2012.10)】
2014.01 International Defencd Review IRIS-T SL missile tested in South Africa <1402-010009>
 Diehl社が11月4日と8日に、南アの Overberg試射場で、合わせて2発の IRIS-T SL SAM の発射試験を行い、いずれも標的に直撃 した。 そのうち一回は射距離が20kmを越えた。
2013.02 Jane's Missiles & Rockets IRIS-T SL tested against a drone target <1303-020010>
 12月上旬に Diehl社製 IRIS-T SL の発射試験が行われ、標的機に命中した。
 IRIS-T AAM の陸上発射型である IRIS-T SL は、空気抵抗低減のため先端に被帽がかぶせられており、目標から決められた距離まで接近すると、こ れが外される。
2012.10 Jane's Missiles & Rockets Diehl BGT plans sic-faced radar for Iris-T SLM system <1211-100025>
 Diehl BGT社が、Iris-T SLM 用の6面 3D レーダを提案している。 この独特な形状はミサイルのため高レートでの目標情報 取得を実現するためである。
 システムは ISO 標準20ftパレット上にくみ上げられ、MAN社製 SX-45 4軸トラックに搭載されている。 前後の2面は固定で、移動間は残りの4面 が側面が平坦になるように移動する。
2011.04 Jane's Missiles & Rockets Diel BGT Defence vertically launches two IRIS-T SL missiles <1106-050001>
 Diehl BGT社が2010年12月7日と8日に、IRIS-T SL の制御飛翔試験 (CRF) を実施し成功した。 いずれの試験でも 垂直発射が行われた。 2009年10月に行われた無誘導弾道発射試験では、高発射角で発射された。
 IRIS-T SL は IRIS-T AAM の誘導部に、胴径を広げたロケットモータと翼が取り付けられ、発射初期にシーカを保護するオジ ャイブ形状のノーズコーンが取り付けられている。 発射機は Unimog 5000 二軸小型トラックに搭載されている。
2010.06.07 Aviation Week & ST Target refinement <1007-060711>
 財政事情の厳しいなか、ドイツは複数の防空能力向上計画を開始しようとしている。
SysFla
 二種類の装備からなるが、Rheinmetall社が開発した NBS Flak (Mantis) 砲が対砲迫弾用に使用される。
LFG NG(右図)
 計画はまだ構想段階で、開発に4~5年を要することから、装備化は2016年頃になる。 LFN NG は胴径110mm、発射重量28kg 弾頭重量2.5kgで、Mach 2.2 で飛行し、10kmの射程を有する。
IRIS-T SL
 IRIS-T 格闘戦 AAM の地上発射型で、MEADS の補完としても使用される。 IRIS-T を ASM として使用する検討も行 われている。
2010.04 International Defence Review Patriot games: Raytheon tries to woo MEADS partners with integrated solution <1005-040030>
 MEADS は今年8月にシステムとしての最終設計審査 (CDR) が予定され、2012年に発射試験 が開始されるなど、計画が順調に進められているが、2009年3月には米国の会計検査院 (GAO) が、主要6技術のうち4技術が量産に移行できる状 態になっていないと指摘したほか、ドイツの野党自由民主党が MEADS 計画からの撤退を要求しているなど、計画の先行きが不透明である。
 この様な情勢から Raytheon社は昨年、'An Effective, Affordable and Rapidly Fielded Alternative Solution to AMD Requirement' と題する「白書」を関係三ヶ国に配布して、MEADS の代替案を提案している。
 この提案は MEADS の技術を取り入れた Patriot の段階的な改良計画で、360゚レーダや統合型指揮装置 (IBCS) が 採用される。 2012年の初期段階では GEM-T弾、PAC-3弾、SLAMRAAM が発射でき、2015年の最終段階ではドイツ が要求している IRIS-T SL(右図)も発射できるようにする。
2009.12 Jane's Missiles & Rockets IRIS-T SL makes its first flight <1002-120004>
 Diehl社が10月9日に南アの射場で IRIS-T SL の発射試験に成功した。 この試験は初めての発射試験で、無誘導弾が弾道飛行 したが、車載の発射機が使用された。
 IRIS-T SL はドイツがMEADS の補完弾に考えている SAM で、IRIS-T AAM を元にしてロケットモータの径を大き くすると共に、GPS を用いた誘導装置やデータリンクを付加している。
2009.11.09 Aviation Week & ST Finding its legs <0912-110902>

 Diehl社が IRIS-T SL の発射試験を南アの試射場で開始した。
 IRIS-T SL は IRIS-T AAM を元にした IR 誘導ミサイルで、新開発のロケットモータ先端覆い が取り付けられている。
 ドイツは MEADS の補完用として購入を開始している。

2009.11.04 Jane's Defence Weekly Surface-launched IRIS-T completes first flight-test <0912-110406>
 Diehl社が10月9日に南アの試射場で、IRIS-T SL初めての発射試験弾道飛行を行い成功 した。 試験では発射機からの安全な発射が確認された。
 IRIS-T SL は IRIS-T AAM のロケットモータを改良し、データリンクと GPS を用いた航法装置を取り付けた射程30kmの中距離 SAM で、MEADS の PAC-3 補完用ミサイルを目指している。
2009.11 Jane's Missiles & Rockets NAMEADSMA raises RfP in prparation for Iris-T integration <0912-110017>
 NATO で MEADS を所管している NAMEADSSMA が、MEADS低層用として IRIS-T を組み合わせる RfP  MEADS は主要構成品の最終設計審査 (CDR) を7月に完了し、システムとしての CDR を2010年8月に受ける。  LRIP は2012年頃に予定されているが、一部構成品の量産は間もなく開始される。
 2012年には WSMR で発射試験が開始され20発の発射が計画されているが、7回目の試験は Kwajalein島で行われる。 米陸軍は2014年末の IOC を目指している。
 MEADS は安全性の理由から、完全な垂直発射ではなく準垂直発射方式になる。
2009.02.11 Jane's Defence Weekly German government seeks integration of IRIS-T SL with MEADS <0904-021109>
 ドイツが MEADS の補助ミサイルIRIS-T SL を採用する考えで、MEADS International に対し要求を提出した。
 MEADS の開発は2008年2月にシステムレベルの事前設計審査 (PDR) を終えており、最終設計審査 CDR を2009年、最初の発射試験を2011年に計画している。
【 IRIS-T SL 関連記事:0717-080010 (JMR 2007.08)】
2008.04.09 Jane's Defence Weekly Diehl test fires land-based IRIS-T air defence missile <0806-040907>
 Diehl BGT社が4月3日に南アの射場で、IRIS-T SLS (Surface Launch Standard) 短距離 SAM の発射試験を行い、標的となった EADS社製 3 Sigma Iris Jet を直撃した。 目標の捕捉追随は Saab社製 Giraffe AMB レーダが行い、10km以上遠方で捕捉した。
 IRIS-T AAM はオーストリア、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スペインが既に採用し、ノルウェーとスウェーデンも発注しているが、IRIS-T SLS を発注しているのは ドイツだけである。 ドイツは2007年5月11日に$166Mで発注している。
【註】
 既報【 0712-052312 (JDW 2007.05.23)】では、ドイツが採用を決めたのは固体燃料ブースタを取り付け、データ リンク、GPS を搭載する IRIS-T SL 中距離 SAM で、AAM を改造せずにそのまま SAM として使用する IRIS-T SLS ではないとされていた。
2007.08 Jane's Missiles & Rockets MEADS enters system-level proliminary design review <0717-080010>
 MEADS システムレベルでの事前設計審査が開始されており10月20まで続けられ る。 この審査が終わると開発は基本設計から詳細設計に移行する。 CDR は2009年9月 に計画されており、2011年から2013年にかけて9回の試験が行われ 28発が発射される。
 MEADS には当初低価格型 PAC-3 弾が使用される計画であったが、現在では MSE 型 PAC-3 に変わっている。  射程が50%延伸し、BM や CM 迎撃能力が向上する PAC-3 MSE の最初の発射試験は5月に行われたが 失敗した。 次回の試験は2008年1/四半期に計画されている。
 ドイツは MEADS の補完用ミサイルに IRIS-T SL(右図)を決め、5月11日に$166Mの開発契約を行った。  IRIS-T SL は lower-tier ミサイルとして航空機、ヘリ、UAV のほか、戦術 ASM、低空飛行 CM、誘導爆弾の迎撃に当たる。  Diehl社は IRIS-T SL を MEADS 補完用以外にも考えている。
2007.07 Jane's Missiles & Rockets Germany opts for surface-launched IRIS-T to complement army's MEADS <0716-070020>
JDW 2007.05.23 と同一記事)
2007.05.28 Defense News 2nd MEADS missile back on track <0713-052808>
 ドイツ議会は MEADS の補完用ミサイルとして IRIS-T SL を総額$166Mで Diehl BGT Defense社に発注することを承認した。
 議会は当初、1月に補完ミサイルの採用を承認するはずであったが、2月初旬に米国側から開発予算の削減問題が提示され、承認を延期 していた。 米国側は、計画に大きな修正と経費の大幅削減はないと説明したが、米国内の予算問題は未だ不透明 である。
2007.05.23 Jane's Defence Weekly Germany buys IRIS-T SL to assist MEADS <0712-052312>
 ドイツ政府は、陸軍が装備する MEADS 補完用 SAM としての IRIS-T SL を Diehl BGT Defence社に発注した。 この結果陸軍の IRIS-T SL と空軍の IRIS-T SLS 計画が、陸軍の将来計画であ る SysFla に統合される可能性が強くなってきた。
IRIS-T SL(右図)
 IRIS-T AAM を元に空気抵抗の少ない先端形状に変え、固体燃料ブースタを取り付 け、データリンク、GPS を搭載する垂直発射中距離 SAM にしている。
IRIS-T SLS
 IRIS-T AAM を改造せずにそのまま SAM として使用するもので、LAU-7 発射機4基を車載して射撃する。
2007.05.21 Aviation Week & ST MEADS adjunct <0711-052102>
 ドイツ国防省は MEADS の補助ミサイルとして、短距離 AAM である IRIS-T の地上発射型 である IRIS-TSL (SL:Surface Launch) の開発を $167Mで Diehl BGT Defense社に発注した。  MEADS のミサイルは弾道ミサイル対処用の PAC-3 が主であるが高価なため、ドイツは安価な IRIS-TSL との併用する方針である。
 IRIS-TSL はロケットモータ、GPS、データリンク及び発射後のデータ更新等が改良され、低空接近する航空機、UAV、巡航ミサイル等 に対処する。
2007.05 Jane's Missiles & Rockets Lower-tier MEADS contract award nears <0713-050005a>
 ドイツが MEADS システムで Lower-Tier として採用する IRIS-T SL の契約は、1月の予定が遅れているものの間もなく行われる模様である。 IRIS-T SL には AAM 弾をそのまま使う案もある が、MEADS では太い胴径のロケットモータを使用する案になる。
<0713-050005b>
 一方 MEADS の開発は、C-130 に車両ごと搭載できるとの要求の達成が、現状では達成でき ていない。 捜索レーダは十分な捕捉距離を確保するには開口面積が必要で、容積と重量の増加が避け られない。 このため、性能を下げないで要求を満足するためには機構部の重量低減が課題になる。
2007.03.12 Aviation Week & ST Mature market <0707-031208>

 先月 UAE で Idex 防衛展示会が開催され、欧米企業は開発中の装備を含む防空システム等の積極的な売り込みを行った。 GCC 加盟 の湾岸諸国はミサイル防衛の強化方針を固めており、極めて大きな市場となりつつある。

 LockMart社は THAAD 及び PAC-3/MSE の複合配備を最適とする提案(右図上は上から THAAD、PAC-3 MSE、 PAC-3)、Raytheon社は Patriot、Hawk XX1 及び SLAMRAAM を提案して いる。

 一方ドイツの Diehl BGT社は Iris-T SL (右図下) を、フランスの Thales/MBDA社は SAMP-T 及び VT1 を提案している。

2006.01.09 Aviation Week & ST Shield expansion <0602-010905>
 仏国防省は MICA AAM を VL 型短射程 SAM として採用することを決め、MBDA社と2年間のシステム開発契約を 締結した。
 VL MICA は空軍の Cetac 防空システム及び陸軍の Martha と共に運用される計画だが、同社は併行して海軍艦艇搭載用の開発を進めて おり中東をはじめとする市場拡大をめざしている。
 開発では垂直発射試験を11発の IR 及びレーダ誘導ミサイルで行い、最終的に4発の迎撃試験を計画している。
 システムには全周交戦性が要求されており、射撃用レーダは EADS社の TRML3D、Ericsson社の 100 AMB、Thales社の RAC 3D が候補とされ、発射機には4発搭載の5t車を予 定する。
(関連記事 JMR 2002.03)
 AAM の SAM への転用はノルウェーや米国等の各国で行われており、ドイツも IRIS-T の地上発射型を開発す る計画であるが、2006年予算では承認が見送られている。 開発の可否は2006年中頃に決定するとみられる。
2005.09.26 Defense News German navy pursues sub-launched misssile <0522-092604>
 独海軍は、対潜ヘリや水上目標に対して潜水艦から発射する IDAS (Interactive Defense & Attack System) ミサイルの研究を行っている。
 IDAS は2002年に中止された光ファイバー誘導ミサイル Triton 開発に代わるミサイルで、射程は15km。  IRIS-T AAM の IIR シーカを搭載し、魚雷発射管から発射する。
 研究は独軍中央調達局により昨年から開始され、ドイツの Diehl BGM社及び HDW社と、ノルウェーの Kongsberg社が共同チームとして 受注している。
 開発移行は2007年の予定で、ギリシャ、イスラエル、ノルウェー、パキスタン、トルコが関心を示している。
2004.09 Jane's Missiles & Rockets IRIS-T enter definition phase <0421-090009>
 ドイツ政府は、MEADS の補完用ミサイルに、IRIS-T AAM の陸上発射型である IRIS-T SL の採用を決めた。
 IRIS-T-SL は、空気抵抗を低減するノーズコーンを装着し、大型のロケットモータ で推進することにより、最大射程を25km以上にしている。 このため胴径は AAM型の12.7cmが15cmとなり、全 は25cm長く、発射重量は30kg重くなった。 陸上発射型 IRIS-T の発射試験は IRIS-T の試験の一環として既に行われている。
 ミサイルは飛行経路の大部分はノーズコーンを装着して高速を維持し、目標に接近すると分離して IIR ホーミングを行う。 また TVC 機構により目標の直撃に必要な高い運 動能力を持ち、データリンクを搭載して発射後の目標変換が可能になっている。
 発射機及び装填車は Mercedes-Benz社製 Unimog-5000 車に4発入りキャニスタを2個 ずつ搭載してそれぞれ12.5t以下で、A400M 輸送機により2両同時空輸が可能である。
 発射機は2名の操作員により、整地位置に進入後数分以内に、標定同期、発射機の起立、アンテナの延長、 MEADS との通信の確立を行い、射撃準備を完了できる。
 試作は2005年初めに開始され、2008年以降に実射を行い、2009年には LRIP と配備を開始する。
2003.08 Jane's Missiles & Rockets IRIS-T offered as a light SAM  BGT社は MEADS の補完用に IRIS-T AAM の地上発射型を提案している。
 IRIS-T SAM は AAM と同一のミサイルでも、ロケットモータの全長、胴径を大きくしたものでも可能である。  AAM では航空機搭載時の空力加熱に耐えるように鋼製のロケットモータ外殻となっているが、SAM の場合には GFRP でも可能である。
 ロケットモータを大型化した場合の SAM は20km以上の射程と、10,000mの射高を有する。 ミサイルはキャニ スタに収納され、全長3.6m、重量83kgのキャニスタを発射機に6発搭載する。
2002.08 Internqtional Defense Review Ground-launched IRIS-T missile under consideration  BGT社は陸上発射型の IRIS-T AAM を検討している。
 IRIS-T SAM は、AAM の全長及び胴径を増やしたもので、全長は2.939mから3.3139mに、重量は88kgから106kg に増加する。 発射方式は垂直発射で、射程は15+kmになる。
 IRIS-T SAM は MEADS の補助ミサイルになり得る。 MEADS International社によると、ドイツは MEDAS 補助ミサイルとして検討している2機種の一つに IRIS-T SAM を挙げている。
2002.07.29 Defense News Civil slump lowers air show attendance  2002年の Farnborough air show は 50ヶ国から1,200社が参加し、7月22日から 5日間開催されたが臨場人員数は前回 に比べ約45,000人少ない135,000人と比較的に静かなものに終わった。
= IRS-T/GL に関する内容 =
 独の Bodenseewerk 社は IRS-T 空対空ミサイルの地上発射型モデルを初めて展示公開した。
 独は MEADS に PAC-3 と航空機対処用の安価なミサイルを併用する計画で、発射機に6発搭載する IRS-T/GL を第一候補にあげている。
 その他の候補には Raytheon 社の AMRAAM と Mica/Aster 社の ASRAAM の地上発射型があり、機種選定と開発への移行は未定。
2002.06 International Defense Review Diehl unveils anti-terror solutions  ドイツの Diehl社は、ベルリンで行われた ILA 2002ショーに、対テロ用として開発中の各種兵器を公表した。
 OSTALは、AIM-9L を垂直発射で射撃する短距離 SAM であるが、新たに IRIS-T の SAM 化が提案されている。 IRIS-T SAM については12ヶ月以内に装備化可能。
 FLASH 航空機搭載自衛用レーザ装置は、48ヶ月以内に装備化可能
 AWiSS 装甲車両用自衛装置は10~30mの有効範囲で、24ヶ月以内の装備化が可能。
 その他、スーツケース内蔵の HPM (High Power Microwave) 装置や、使い捨て型の EMP 装 置なども公表された。