2008年以降の SPYDER-MR に関する報道

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2023.01.04 Defense Update Rafael enhances SPYDER with counter-ballistic missile capability <2302-010405>
 Rafael社がSpider SAMにCounter-
TBM (CTBM) 能力を持たせたと発表した。
 David's SlingやIron Domeを生産している同社はその成果を生かしてソフトとハードを改修し、射程40kmのI-Derby ERを元にした射程80kmのDERBY-LR弾は、迎撃高度50,000~60,000ft、最大射程80kmの性能を持つ。
【註】
 Spider SAMは、Spyder は Python 5 IIR AAM又は、Derby ARH AAMを4発搭載するMFU (MissileFiring Unit) とCCU (Command-and-Control Unit) で構成され、CCU は IAI/Elta社製 EL/M-2106 ATAR 3-D レーダと連接するシステムとして開発された。
【関連記事:0513-062208 (JMR 2004.04)】
2022.12.25 Jane's Defence Weekly Rafael's SPYDER gets capability to intercept tactical ballisticv missiles <2303-122503>
 イスラエルRafael社が1月3日、SPYDERに
TBM性能を持たせたCounter-TBM SPYDERを発表した。 能力向上はeffector(註:弾頭部)の改良で行われた。
 SPYDERはPython AAM and/or I-Derby AAMをSAMしたものだが、以下の3タイプがある。
 ・SPYDER SR: 標準型
 ・SPYDER MR: ミサイルにブースタ取り付けたもの
 ・SPYDER LR: 長射程型のI-Derby ERにブースタ取り付けたもの
2021.03.10 Jane's Defence Weekly Rafael completes development I-Derby ER groud-launched variant <2105-031003>
 Rafael社が2月25日、陸上発射型I-Derby ER AAMの開発を完了したと発表した。 陸上発射型I-Derby ERは同社製のPython短距離AAMと共にSPYDER SAMシステムで使用される。
 2015年に公表されたI-Derbyは前身となったDerbyと同型同寸であるがソフトウェア制御のレーダシーカと2パルスロケットを搭載し、AAMとして使用すれば100kmの射程を持つ。
 SPYDERで使用すると射程が40kmブースタを取り付けると80kmになり、既にSpyderを装備しているジョージア、インド、シンガポールを初め2019年1月に発注したフィリピン、2020年9月に商談に入っているチェコにとっても魅力となる。
【註】
 1998年に運用が開始された射程50kmのRafael社製Derbyレーダ誘導AAMは、2015年にソフトウェア制御のレーダシーカを搭載したI-Derbyが発表され、同時に2パルスロケットを採用して射程を100kmまで伸ばしたI-Derby ERを公表している。
ダービー (ミサイル) (Wikipedia)】
2020.10.07 Jane's Defence Weekly Czech MoD selects Rafael's SPYDER air defence system <2012-100705>
 チェコ国防省が9月25日、イスラエル政府とRafael社製SPYDER防空システムの購入交渉に入ったことを明らかにした。
 SPYDERはSurface-to-air PYthon and DERbyシステムで、Python 5二波長
IIR誘導ミサイルとI-Derbyアクティブレーダ誘導BVRAAMを発射できる。 SPYDERには2パルスロケットを採用したI-Derby ER搭載型もあるがチェコが採用するのはI-Derby型の様である。
2018.07.18 Jane's Defence Weekly RSAF's SPYDER air defence system attains FOC status <1809-071809>
 シンガポール国防省が7月4日に声明で、同国のSPYDER SAMが
FOCになった発表した。
 SPYDERはRapierの後継として採用したもので、これにより操作員がRapierの15名から4名に削減できた。
2016.04.06 Jane's Defence Weekly Indian Army opts for Israeli Spyder over indigenous SAM system <1605-040615>
 インド陸軍がイスラエルのSpyder
SHORADの採用を決めた模様である。
 印陸軍は2011年初めに国産のAkash 2,000発を$2.12Bで発注し2015年5月に公式に装備したが、Akashは陸軍の 運用要求を満たしていないという。 Akashは空軍も採用している。
2015.08.17 Aviation Week & ST Market boost <1510-081712>
= イスラエルの陸上防空システムに関する記事 =
 Rafael社の陸上防空システム (
GBAD) Spyder継続的に改良されており、最近では I-Derby ER も発射するようになっている。 I-Derby は艦載型の Barak-8 や David's Sling の技術が採用されており、従来の EO 方式の信管に えて、搭載レーダにその機能を持たせている。
 Iron Dome は射程が40kmから70~80kmの飛翔体に対応するシステムであるが、これを射程150kmの飛翔体 対応できる改良が進められており、陸上だけでなく艦載システムとすることも目指している。
2015.07 International Defence Review Rafael unveils I-Derby ER BVRAAM <1508-070004>
 Rafael社が I-Derby の遠距離型 I-Derby ER を公表した。 高度20,000ftで速度 Mach 0.9 で発射した場合、I-Derby の射程は 62kmであるのに対し I-Derby ER は100kmであるという。
 I-Derby ER は2パルスロケットモータを採用すると共に、シーカを IAI社が開発した
TWT シーカに換装している。
2015.06.24 Jane's Defence Weekly Rafael debuts extended-range I-Derby <1508-062403>
 Rafael社がパリ航空ショーで、2月にインドで発表した I-Derby 短距離 AAM の更に射程延伸型である I-Derby ER を公表した。 I-Derby ER は2パルスロケットを採用し、射程を I-Derby の65kmから100kmへ延伸して いる。
 I-Derby ER は SAM への応用も考えられており、Spyder 短中距離 SAM システムでも使用できる。
2014.07.07 Aviation Week & ST Net effects <1409-070702>
= 最新の陸上型 SAM を紹介した記事 =
SPYDER
IRIS-T SL/SLS
 IRIS-T SLS を採用するある国は、オーストラリアの CEA社が Anzac級フリゲート艦の改良用に開発した CEAFAR4面固定 にしたレーダで射撃することを検討しており、既に2面レーダを用いた射撃試験に成功している。
【 CEAFAR/IRIS-T 関連記事:1404-030007 (IDR 2014.03)】
FLAADS-L CAMM(右図)
2013.07.17 Jane's Defence Weekly Manila sets out ambitious procument plans <1309-071706>
 フィリピン政府が7月7日、2016年までの軍備近代化計画で、24件の事業を進めることを明らかに したが、この中で陸軍が広域防空用の SAMMANPADS を装備することが明らかにされた。
 SAM については詳細が明らかにされていないが、国防省の担当者がイスラエルを訪問し、Rafael社で SR型と MR型の Spider の写真ををとっていた。
【 Spider SR/MR 関連記事:0613-062110 (JDW 2006.06.21)】
2010.10.11 Aviation Week & ST SAM surge <1011-101107>
 インドが、ソ連時代の SA-3 や SA-8 に代わる SAM の整備を積極的に進めている。
Spyder
 印空軍は Spyder MSAM 18システムを IAI/Rafael社に発注しているが、最初の1個システムが来年3月に引き渡される。
Akash(右図)
 開発でトラブルが続いた Akash ではあるが、印空軍が既に発注していた2個中隊分に加えて、ミサイルを125発ずつ装備する 6個中隊分を追加発注した。
 最初の2個中隊分は2011年2月に納入され、同国北東部に配備される。
Maitri SR-SAM
 射程15kmの SR-SAM はフランスとの共同で開発が開始された。
MR-SAM
 射程70kmの MR-SAM は、印 DRDO にとって最も優先度の高い計画で、IAI社と共同で進 められている。 発射機40基を装備する連隊を2個以上編成する計画である。
2009.02 Jane's Missiles & Rockets India orders Spyder missile systems <0903-020025>
 インドが12月17日に、2008年9月1日に Rafael社と Spyder の購入契約を結んでいたことを明らかにした。 契約額は $260Mで、数量は公表されていないが、インドの報道では2011年初めから2013年8月までに18個システムが納入されるというる。
 Spyder には Python 5 IR、Derby RF ミサイルを使用する Spyder-SR と、これらにブースタを取り付けた Spyder-MR があり、どちらを購入するのかは公表されていない が、2006年11月には Spyder-MR を購入すると伝えられている。
【関連記事:0624-110014 (JMR 2006.11)】
2008.08 Jane's Missiles & Rockets Rafael shows Iron Dome and Stunner missiles <0809-080018>
 6月にパリで開かれた Eurosatory 防衛展で Rafael社が Iron Dome 及び Stunner の実大模型を公開した。
Iron Dome(右図上)
 同社製 Derby AAM とよく似た形状で、Derby 同様に4枚の操舵カナード翼の直後に、Derby ではロール安定用に使用されているの同じ一対 の小型翼を持っている。
 Iron Dome はレーダシーカを搭載し、有効射程は4~17kmで、2010年1/四半期に配備が 開始される。 Iron Dome の発射機は20発を搭載し、1基で1都市の防護が可能である。 Iron Dome 中隊は1基の BMC と1ないし複数の発射機を装備する。
Stunner(右図下)
 David's Sling BMD システムに使用する Stunner は2モードシーカと多パルスロケットモータを搭載して高運動性能を実現すると共に、 発射後の目標変換を可能にしている。 最大射程は180kmである。 中隊は1基の BMC と4個の FU で構成されるが、FU を6個にまで増やすことができる。 Rafel社は、米陸軍がレーダを換えた David's Sling を採用する見込みと考えている。
Spyder-EX
 Python 5 AAM と Derby AAM を地上発射にした最大射程15kmの Spyder-SR は2ヶ国で採用され、そのうちの1ヶ国には既 に配備されているが、ミサイルにブースタを取り付けて射程を50kmにまで延伸する Spyder-MR の開発も行 われている。 Rafael社は将来、ブースタをはずした Stunner を搭載した Spyder-MR を上回る性能の Spyder-EX を考えている。
2007.09.03 Defense News India's purchase of anti-air missiles faces scrutiny <0720-090304>
 インド政府の監査機関である CVC (Central Vigilance Commission) は、空軍の Spyder LLQRM (Low Level Quick Reaction Missiles) の機種選定に不正があった可能性があるとして調査を行っている。 国防省当局 は機種選定の見直しの可能性を示唆している。
 Spyder はインド空軍が100基装備しているロシア製 OSA の後継となるもので、装備化が中止された Trishul の代替として、今年初め Rafale社が MBDA社など数社との競争を制し、18基を総額$325Mで受注する計画であった。
2007.02.21 Jane's Defence Weekly Rafael closes in on Indian joint venture <0707-022111>

 イスラエルの Rafael社はインドへの売り込みに共同企業体を設立しようと、提携相手を求めており、選定 作業は終盤を迎えている。
 Rafael社は現在、Popeye の派生型である Crystal Maze を供給しており、Spyder SAM の契約も大詰めを迎えている。

2006.11 Jane's Missiles & Rockets Indian Army eyes Israeli SPYDER MR missile system <0624-110014>
 インドが Rafael-IAI 製 SPYDER-MR (Surface-launched Python and Derby-Medium Range) の採用を決めた。  採用理由の一つは、SPYDER-MR が SRBM に対処する能力があることである。
( SPYDER-MR 関連記事 JDW 2006.06.21)
 SPYDER-MR はブースタ付きPython 5 二波長 IIR AAM 及び Derby ARH AAM を発射し、最大射程は35km以上射高は16km以上である。  射撃統制は Barak SAM 用に開発したソフトを採用している。
 インドは SPYDER-MR を、Osa-AKM (SA-8) 及び Strela-10M (SA-13) の後継とするが、一部の旧装備も対固定翼機用として引き続き装 備する。
2006.08 Jane's Missiles & Rockets Israel boosts SPYDER range to 35+ km <0617-080023>
 Rafael社と IAI社が SPYDER-MR を開発している。 SPYDER-SR をブースタで長射程化 したもので35km以上の射程を有する。 ミサイルは50km飛翔した後も12gの旋回能力を残している。 右図上は SPYDER-MR から発射されるブースタ付き Derby、下は Python 5 である。
 ブースタを使用することによる各種安全対策が検討されたが、結局発射機を85゚に傾けて発射し、200mx200mのブースタ 落下区域を設定することになった。
 標準的な SPYDER-MR 中隊は1基の指揮統制装置、1基のレーダ、6基の発射装置 (MFU) で構成される。 MFU は8発の ミサイルを搭載できる。
2006.06.21 Jane's Defence Weekly Rafael expands SPYDER capabilities <0613-062110>
 Rafael社と IAI社が共同で SPYDER (Surface-to-air Python and Derby) ファミリに SPYDER-MR を開発し ている。 SPYDER-MR はブースタ付きの Derby ARH AAM と Python-5 IIR AAM を8発発射機に搭載し、 射程35+km、射高20~16,000m、運動性能12gを実現している。 SPYDER-SR は搭載弾数4発で、射程15km、射高 20~9,000mであった。
( SPYDER-SR 関連記事 JDW 2005.06.22)
 SPYDER-MR 中隊は指揮統制装置、レーダ装置、及び6両の発射装置からなり、レーダ装置には捜索距離100kmの Elta MF-STAR を用い る。 発射機は切り離されるブースタの落下に対する安全から、85-゚で発射する。
(関連記事 AW&ST 2006.04.03)
2006.06 Jane's Missiles & Rockets Indian SAM decision may influence other procuments <0615-060031>
 インドが検討している S-125 (SA-3) の後継となる SAM は、Rafael/IAI の Spyder MR と MBDA社の VL MICA が有力であるが、5月~6月に最終決定する。 この決定は シンガポールが IHAWK 及び Rapier Blindfire の後継決定にも影響を与えそうである。 この他にシンガポールは RBS-70 の 後継も検討中で、更に同国海軍が陸上発射型 Aster を検討していると見られる。
 マレーシアとパキスタンも中距離 SAM を検討しているが、前者はロシア製、後者は中国製になる模様である 。
( Spyder MR 関連記事 JDW 2006.06.21)
2006.05.29 Defense News Insia buys Israeli missile <0615-052906>
 イスラエルの Rafael社がインド空軍から2年間、総額$325Mで Spyder を受注した。 数量は明らかにされて いない。
( SPYDER 関連記事 JDW 2005.06.22)
 同社はまた、フランスの MBDA社をおさえ、インドの対戦車ミサイル Nag 用にシーカを供給する契約を締結した。
2006.04.03 Aviation Week & ST Air defense overhaul <0609-040305>
 インドとシンガポールは SAM システムの更新を計画しており、欧米及びロシアの企業は各種 SAM システムの売り込み競争を行ってい る。
インド
 現在運用中のロシア製 SA-GOA の後継を計画中で、数週間以内に機種決定を予定している。 Rafael社は Spyder SR(右図)を、MBDA社は VL-Mica を提案している。
 Spyder SR は射程15kmで、Python 5 IIR AAM と Derby レーダ誘導 AAM を発射でき、迎撃高度は20~9,000mである。 同社はまた、 垂直発射型でブースタにより>射程を35kmに延伸する Spyder MR の開発を進めている。
シンガポール
 空軍は改良ホーク6個 FU と RBS-70 Rapier 1個 FU を運用中であるが、維持経費の増大と部隊の強いシステム更新要求から10年以内に 更新する計画を進めている。
 改良ホーク後継には PAC-3、SAMP-T、VL-Mica、Spyder MR が、Rapier 後継には SLAMRAAM 、Mistral 2、Igla-S がそれぞれ受注競争に参加するとみられる。
2005.06.22 Janre's Defence Weekly Rafael's Spyder comes out in the open <0513-062208>
 2005 Paris 航空ショーに Rafael社が Spyder を展示した。
 Spyder は Python 5 IIR AAM 又は、Derby ARH AAM を4発搭載する MFU (Missile Firing Unit) と CCU (Command-and-Control Unit) で構成され、CCU は IAI/Elta社製 EL/M-2106 ATAR 3-D レーダと連接する。 MFU は無線データリンクで CCU と結ばれ、最大10kmの離隔が可能である。
 Rafael社は2月に、2発の迎撃試験に成功したと発表しているが、今は RCS=2㎡の標的機を用いた、高度20m ~9km、距離700m~15kmで の試験を数回予定している。
(関連記事 JMR 2004.04)
2004.04 Jane's Missiles & Rockets Israel offers Spyder SAM system to India <0410-040008>
 インドで行われた展示会にイスラエルが Spyder-SR 防空システムを展示した。 Spyder は Python 2波長 IIR AAM と、Derby ARH AAM を4発発射機に載せてもので、Derby SAM は40km、Python 5 SAM は20kmの射程を持つ。
 いずれのミサイルも SAM 用に改造されており、Derby には Barak SAM 用に開発されたブースタが取り付けら れている。
 Spyder中隊は6個の発射隊と CCU (Command and Control Unit) 隊で構成され、CCU隊は Elta社製の EL/M 2106 ATAR D-band 3D レーダ を装備する。
2004.02.23 Aviation Week & ST The place to be <0405-022307>
 インドは軍の近代化を推進しており、2004年度の国防予算は12%増となる。
 武器供給及び技術協力の相手はロシアが依然第1位を保持しているが、これに次ぎイスラエルが進出してきた。 また、南アフリカ、英 、仏及び米が新装備の売り込みと技術協力に関係を強化する意欲を示している。
 短距離防空システムとして同国は Pechora の後継にイスラエルの Spyder-SR (右図) 導入を検討している。  Spyder-SR は射程1km~15km、Python の2波長 IR/画像シーカを搭載している。
 また、国境監視用にイスラエルから100機以上の UAV を購入、5年以内に更に200機以上を導入するとみられる 。 特に Elbit System社の携行型偵察機 Skylark に関心を示している。
2004.01.21 Jane's Defence Weekly Rafael, IAI unveil surface-to-air missile combo <0402-012107>
 イスラエルの Rafael社と IAI社が協同で AAM を車載した SPYDER SAM システムを提案している。
 SPYDER (Surface-to-air PYthon and DERby) は Derby アクティブレーダ AAM と Python IIR AAM を6×6トラックから撃つもので、射程は1~15km、射高は20~9,000mとなる。
 標準的な SPYDER 中隊は、4発のミサイルを搭載する MFU (Missile Firing Unit) 6基と、Elta社製 EL/M 2106 ATAR 3-D 捜索レーダを 搭載して6×6トラックに積載される CCU (Command and Control Unit) からなる。