イランの巡航ミサイルに関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2023.12.29 Janes Very-long-range anti-ship missile enters service with Iranian navy <2401-122912>
 イラン海軍が12月14日にコナラク海軍基地で行った式典で、ソビエトのKh-55を元にした射程が1,000km以上と言うTalaiyeh長距離対艦ミサイルとその発射機を展示した。
 Talaiyehは2020年8月に公開されたAbu Mahdiと同型と見られ、Abu Mahdiは2023年7月からイラン海軍とイスラム革命防衛軍海軍 (IRGCN) に配備されている。
2023.08.09
 23:29
ロイタ通信

(Yahoo)

イラン、超音速巡航ミサイル技術を保有=タスニム通信 <2309-080924>
 イラン政権に近いTasnim通信が9日、イランが超音速CMを製造する技術を持っていると報じた。
 Tasnim通信によると、超音速CMは現在試験中で、イランの防衛計画は新たな段階に入るとした。
2020.09.02 Jane's Defence Weekly Analysis: Iran unveils ballistic, cruise missiles <2010-090229>
 イランが防衛企業の日と定めた8月21日、1月3日の米軍による攻撃で死亡した2名の名を冠した新型ミサイル2種類を公表した。
Shahed Haj Qasem BM
 元Qods部隊司令官Qasem Soleimani少将の名を冠した射程1,400kmのBMで、全長11m、重量7t、弾頭重量500kgで、大気圏にMach 12で再突入し、Mach 5で着弾するという。
Shahed Abu Mahdi CM
 Qasem Soleimani少将と共に死亡したイラクの親イラン武装勢力司令官の名を冠したCMで、イラン国防相によると従来のイランのCMの3倍の射程を有するというが、どの様にして目標情報を得るかは明らかにしていない。 2019年2月に公表されたHoveizehの射程は1,350kmと言う。
2020.08.20 ロイタ通信

(Yahoo)

イランがミサイルを公開、巡航ミサイルの射程1000キロ <2009-082002>
 イランが20日にBMと新型のCMを公開した。 ハタミ国防軍需相は、BMの射程は1,400kmCMは1,000kmと説明した。 BMは空爆で死亡したQads部隊司令官の名を取りSoleimani、CMはシーア派武装組織副司令官の名からMuhandesと命名された。
 ロウハニ大統領は「ミサイル、特にCMはわが国にとって非常に重要であり、2年足らずで射程を300kmから1,000kmに伸ばしたのは大きな成果だ」と述べた。
2020.06.18 Defense News Iran test fires cruise missiles resistant to 'electronic war,' says naval chief <2007-061811>
 イラン国営IRNA通信が6月18日、イラン海軍オマーン湾で行った演習で
ASCM発射試験を行い、ミサイルは280km離れた標的ブイに直撃したと報じた。  発射されたミサイルは2種類で、1発は車両から、1発は艦上から発射された。
 今回の発射は5月にホルムズ海峡付近で実施した試験で洋上標的と謝ってイラン艦を誤射し、19名が死亡、15名が負傷した事故以来である。
2020.06.18 AFP=時事

(Yahoo)

イラン海軍、新型巡行ミサイルの発射実験 <2007-061809>
 イラン海軍が18日、短距離および長距離新型CM発射試験を行ったと発表し、オマーン湾で行われた試射の画像をウェブサイトに掲載した。 画像には艦艇や車両の後方部からミサイルが発射される様子や、沖合の船が爆発する様子が写っていた。
 イランでは5月10日のミサイル試験で同国艦が誤射されて19名が死亡する事故が起きており、同様の軍事演習はそれ以来初となる。
2020.05.20 Jane's Defence Weekly Irannian support vessel crippled in missile test <2007-052007>
 イラン海軍が5月10日にJask沖のオマーン湾で訓練中に、ASCM誤って支援船Konarak当たり、19名が死亡し、15名が負傷した。
 支援船Konarakは全長47mで排水量420tである。
2019.09.04 Jane's Defence Weekly Iran unveils Mobin UAV <1910-090409>
 イランのIAIO社が、8月27日から9月1日までモスクワ近郊で開かれたMAKS 2019展に初公開のUAV Mobinを出品した。 パンフレットにはMobinをCMと記載していたが、同社の代表はこれは誤りでMobinは多用途UAVでパラシュートで回収されると訂正した。
 Mobinは翼端長3m、重量670kgであるが
RCS≦0.1㎡のステルス性を持ち、120kgの搭載能力がある。 イラン製のToloo-4ターボジェットで推進し、最高速度は900km/h、上昇限度45,000ft、高度10mを飛行した場合の滞空能力45分の性能を持つ。 誘導はTERCOMDSMACの複合で行う。
【註】
 翼端長が3mとUAVにしては極端に短いことから、滞空性能を犠牲にしても高い運動性能を追求しているようで、TERCOM/DSMAC誘導であることや滞空能力45分を高度10mで飛行した場合としていることなどから、Mobinはパンフレットにあったとおり、超低空進入が可能なCMと見るべきと思われる。
2019.01.13 Jane's Defence Weekly Iran unveils new long-range cruise missile <1904-021304>
 イランが2月2日にテヘランでHoveizeh長距離
GLCM初めて公式に公開した。
 ハタミ国防相によるとHoveizehは2015年3月に公開されたSoumarの改良型であるという。 Soumarは見るからにソ連製Kh-55のコピーであった。
 Hoveizehの射程は1,350km以上で、ハタミ国防相によると発射試験では1,200kmを飛翔している。
2018.04.18 Defense News Mysterious Iranian missile on display in Army Day parade <1805-041807>
 イランが18日に行った陸軍記念日の観閲式で、未だ公開されたことのない
ALCMを登場させた。  CSISのミサイル専門家は、このALCMはEOまたはTV方式のシーカーを持つと見ている。
 式典でローハニ大統領は、イランは他国の支援なしで必要な兵器を製造できると断言したが、式典には低空目標やUAV対処用のSAMであるKamin-2の発展型 も登場した。
2017.04.26 Jane's Defence Weekly Iran unveils range of military products <1706-042611>
 イランが4月18日の陸軍記念日でNasir
ASCMMohajer-6 UAVなどを公表した。
 Nasirの第一印象は、中国のC-704をコピーした射程38kmのNasr短距離対艦ミサイルと似ているが空気取り入れ 口を持つことから、ブースタ発信ターボジェット推進のようで、ロケットエンジンのNasr/C-704より長射程と見られる。 その意味では射 程140kmのC-705に近いがC-705は2枚の翼を持つのに対しNasirは4枚のフィンを持っている。
2017.02.02 Yahoo 時事通信記事

「イランが巡航ミサイル試射か=核弾頭搭載可能とも―独紙」

<-020202>
 ドイツのウェルト紙が情報機関筋の話として2日、イランが国内で製造したCMの発射試験初め て成功したと報じた。
 同紙によると、CMの試射が行われたのは1月29日で、飛距離は600kmであったが、射程は2,000~3,000kmに及ぶ可能性があるという。
2016.10.16 Yahoo 時事通信記事

「米艦に再びミサイル=『必要な措置』警告―イエメン沖」

<1-101602>
 米国防総省当局者が15日、イエメン沖の紅海で複数の米艦艇に向けてミサイルが発射されたことを明らかにした。  艦艇や乗組員に被害はなかったが、当局者は脅威に対してすべての必要な措置を取ると警告した。
 イエメン沖の紅海では9日と12日にも米艦に対するミサイル攻撃があり、12日には報復措置としてフーシ派支配地域のレーダ施設3ヵ所を攻撃 したが、米政府高官は攻撃は自衛措置でありイエメン内戦に加わるつもりはないと強調している。
2016.10.13 Defense Update US Navy retaliates in Yemen, following attacks on US vessels <1611-101313>
 イエメンのフーシ派と見られる武装勢力による艦船へのミサイル攻撃は、2015年10月のサウジ艦船 2隻を破壊した時に始まり、2016年10月2日にはUAEに貸し出されていた米海軍の双胴型高速輸送艦HSV 2 Swift を破壊している。 この攻撃にはイランがフーシ派に供与したC-802沿岸配備型
ASCMが用いられたと見られ る。
 現在米海軍はこの海域に、Bab el Mandeb海峡国際航路を通過する船舶を護衛するため、 空母Dwight D. Eisenhower打撃群に属するDDG 87 MasonとDDG 94 Nitze駆 逐艦2隻ほか、この海域での特殊部隊の活動を支援するためLaWSを装備したAFSB Ponceを配置している。
2016.10.13 Yahoo 毎日新聞記事

「イエメン沖ミサイル フーシ側は攻撃への関与否定」

<1611-101307>
 イエメン沖の紅海で米海軍駆逐艦がミサイル攻撃を受けた事件で、首都サヌアや紅海沿岸を実効支配するイスラム 教シーア派武装組織フーシは13日、攻撃への関与を否定し、根拠のない非難に基づき、イエメンへの攻撃を正当化す るのが目的だと主張した。
 ロイタ通信によると、フーシは数日前の米艦攻撃への関与も否定している。
2016.10.13 Yahoo 時事通信記事

「イエメンでレーダー施設空爆=駆逐艦攻撃への報復―米軍」

<1611-101305>
 米国防総省報道官が12日、イエメン西部のイスラム教シーア派系武装組織フーシ派支配地域レーダ施設3ヵ所を空爆 し破壊したと発表した。
 2015年にイエメン内戦が激化して以降、米軍フーシ派を空爆するのはめてである。
2016.10.13 Yahoo 時事通信記事

「米駆逐艦にまた攻撃=『適切な手段で対処』と警告―イエメン沖」

<1611-101302>
 米国防総省報道官が12日、イエメン沖の紅海で同日、米駆逐艦に向けて少なくとも1発のミサイル が発射されたと明らかにした。 西部ホデイダ近郊のイスラム教シーア派系武装組織「フーシ派」支配地域から発射されたとみられるという。 イエメン沖では 9日にもフーシ派支配地域から紅海上の米駆逐艦に向けてミサイル2発が発射された。 ロイタ通信によると、駆逐艦は自衛措置として一斉射撃 を行ったが、ミサイルは同艦に届かず、乗組員にも被害はなかった。
 クック報道官は、適切な時に、適切な手段で対処すると警告し、フーシ派への報復攻撃を示唆した。
2016.10.12 Jane's Defence Weekly UAE's Swift likely hit by C-801 missile <1611-101213>
 UAEが10月5日、同国の高速輸送艦Swiftが4日前に攻撃を受け大破した画像を公開 した。 沈没はしなかった。 Al-Masirah TVの映像には、夜間にミサイルが陸上から発射され、ブースタが切り離された場面が写っていた。
 専門家はこのミサイルを、中国製C-802をイランで生産したNoorと見ている。
2016.10.11 Stars & Stripes Pentagon won’t rule out Iranian source for missiles in failed attack on US ships <1611-101104>
 米国防総省の報道官が11日、イエメン沖の紅海で9日に米艦船を攻撃したミサイルは、イラン製であること 可能性を排除できないと述べた。
 
ASCM 2発の攻撃を受けたのは駆逐艦Masonと前方洋上基地艦(AFSB) Ponceで、1発目の接近 を感知した艦長はcountermeasureの発射を命じた。 その1時間後に2発目が飛来したが、対応処置を執る前に海没した。
2016.10.11 Yahoo 時事通信記事

「米駆逐艦にミサイル攻撃=イエメン沖」

<1611-101101>
 米国防総省が10日、イエメン沖の紅海で9日に米駆逐艦に向けてミサイル2発が発射された ことを明らかにした。 2発とも海中に落下したため負傷者はおらず、駆逐艦に被害もなかった。
 国防総省は、首都サヌアを実効支配するイスラム教シーア派系武装組織フーシ派の支配地域から発射されたとみている。
2016.10.10 Military Times Missiles fired from rebel-held Yemen land near U.S. destroyer Mason <1611-101004>
 米海軍が10日、イエメンのシーア派武装組織Houthisの支配地域から発射されたミサイル2発が、米海軍 駆逐艦Masonの近傍に落下したと発表した。 当時Masonは紅海の入り口であるマンダブ海峡北方の公海上 にいた。 ミサイルは同日19:00頃に1発、その1時間以内に更に1発が発射された。
 これら2発はMason狙ったものか否かは明らかでないが、1発目の弾着後Masonは、搭載している防護システムを稼働させたと いう。
2015.05.13 Jane's Defence Weekly Iranian Soumar long-rage cruise missile teat site identified <1507-051301>
 イランが3月に公表した Soumar CM の発射試験は、発射試験の TV 映像や衛星画像から Qom市近郊であることが判明した。
 Soumar はソ連の Kh-55
のコピーと見られる。 イランは2001年にウクライナから、Kh-55 を6発入手している。
2015.05 International Defence Review IRGC takes control of Qader cruise missile production line <1506-050007>
 イラン国防相が3月4日、量産型 Qader
ASCM 初の納入式典が行われたことを明らかにした。
 Qader は射程300kmであるが、従来の発射機から発射できる。 艦載のほか、沿岸防備用として も使われる。
2015.03.25 Jane's Defence Weekly Iranian cruise missile unveilling raises questions about range <1505-032506>
 イランが3月8日に
LACM Soumar を公表した際、その射程については発表されなかったが、 この CM がソ連の Kh-55 のコピーと見られることから、射程は2,500kmと報じられた。
 しかしながらイランが Kh-55 に搭載している R95-300 ターボファンエンジンと同程度のエンジンを作れる可能性は低いことから、射程は2,500kmはない と思われる。
 イランが2001年に、Kh-55 12発をウクライナから非合法に入手したことは、2005年にウクライナ政府が認めている。
2015.03.18 Jane's Defense Weekly Iran reveals new Soumar 3,000km range ground-launched cruise missile <1504-031815>
 イラン国防省が、陸上発射型巡航ミサイル Soumar を公表した。 射程は 3,000kmと言われ、1980年~1988年のイラン・イラク戦争時には使用されている。 当時、射程は2,500kmであったが、コンフォーマル増槽を 取り付け3,000kmに伸ばしたという。
 イランはロシア製の Kh-55 を12発入手しているが、空中発射型の Kh-55 に対し Soumar は陸上発射型であるため、ブー スタが取り付けられている。
2014.10 International Defence Review Iran plans to double the range of its Ghader anti-ship missile <1411-100005>
 イランが近く、射程を延伸した Ghader
ASCMSayad-3 長距離 SAM の発射試験を行う。
 Ghader は Noor (C-802) を発展させた射程300kmの ASCM であるが、発射試験が来年に予定されている改良型は、射程が Ghader の二倍Moqtader と呼ばれる。
 同じく来年発射試験が行われる Sayad-3 は、米国の SM-1 を元にした Sayad-2 の改良型と見られる。
【註】
 SM-1 はドーサルフィンであるのに対し、Sayad-3 は画像からすると弾尾に4枚翼を持っており、空力特性は全く別と思われる。
2014.02 International Defence Review Iran tests air-launched cruise missile <1403-020008>
 イランが実施中の演習で12月21日、Ghader CM を戦闘機から発射した。 2012年8月に初公開され た Ghader は、艦載型と沿岸配備型が報じられていたが、空中発射型は初めて報じられた。
 Ghader は中国製 C-802 のイラン型であるが、全長を C-802 より18~20cm延ばして燃料搭載量を増やし、射程を C-802 の120kmから 200kmに延ばしている。
2013.11 Jane's Missiles & Rockets Iran unveils air-launched missiles <1312-110021>
 イランの国営 TV が9月25日、二種類の空対艦ミサイルを量産していると報じた。
Qader
 射程200kmで、中国の C-803 を国産した Nour の改良型と見られる。
Nabr
 明らかに中国の C-704 の国産型と見られる。
2013.10.02 Jane's Defence Weekly Iran unveils air-launched missiles <1311-100210>
 イランの TV が9月26日、2種類の空中発射対艦ミサイルを公表した。
Qader
 射程200kmのシースキミングミサイルで、既存地対地ミサイルの空中発射型である。
Nasr
 射程35kmで、既存 Nasr の改良型である Nasr-2 と見られる。
2012.09.19 Jane's Defence Weekly Iran announces longrange cruise missile project <1211-091912>
 イランの副国防相が9月9日、射程2,000kmの CM である Meshkat を開発しており、近く公表す ることを明らかにした。 この CM は、空中、地上、洋上いずれからでも発射可能であるという。 イランの長距離 CM 開発は、2005年にウクライナから Kh-55 12発を入手した時から懸念されていた。
 イランは今まで、2010年9月に公表した射程500kmの武装 UAV である Karrar を保有していた。 Karrar は Microturbo 社製 TRI-60 を国産したターボジェットエンジンで推進し、227kgの弾頭を搭載する。
2012.02.15 Jane's Defence Weekly Iran rolls out Zafar anti-ship missiles <1204-021503>
 イランZafar 短距離 ASCM の量産を開始したと発表した。 Zafar は海軍の小型高速艇に装備 される。
 Jane's社の専門家は、イランの報道から Zafar について、イランが Kosar と言う名称で陸上に配備している中国の C-701AR改良したものと見ている。
2012.02.04 Defense News Iran says it's mass producing anti-ship cruise missile <1203-020401>
 イラン国営テレビが2月4日、Zafar 短距離 ASCM の量産が開始されたと報じた。 Zafar は高速艇やその他小型艇に搭載可能で、中小型艦艇を精密打撃できるという。
 イランは革命防衛隊の指揮下に高速艇隊を保有していて、ペルシャ湾内で米国や同盟国の艦船に対してしばしば挑発行為 を行っている。
2012.01.11 Jane's Defence Weekly Iran flexes sea denial muscles <1203-011110>
 イランが12月24日~1月3日に、ホルムズ海峡の脅威を誇示する演習 'Velayat 90' を実施した。 この演習では Qader 及び Nasr 沿岸配備型対艦ミサイルの射撃も行われた。
Qader: 中国製 C-802 のイラン向け改良型で射程200km。
Nasr : 中国製 C-704 のイラン向けで射程35km。
2011.10 Jane's Missiles & Rockets Iran unveils its latest development of C-802 <1111-100010>
 イランが8月23日、中国製の C-802改良した対艦ミサイル Ghader を公表した。 Ghader は C-802 の固定翼前方胴体を延長して燃料搭載量を増し、射程を200kmにしている。
 イランはまた、Microturbo社製 TR 60-2 のデッドコピーである Toloo 4 エンジンも改良している。
2011.02 International Defence Review Iranian coastal defence <1103-020018>
 イランの海洋工業機構 (MIO) が1月上旬に、新型沿岸防護システムを同国海軍に正式に納 入した。
 システムには数種類の発射機があり、中距離及び長距離の CM を発射する。 コンテナの形状からミサイルは中国製の YJ-81 (C-801) と見られるが、イランは射程の長い YJ-82 (C-802) も保有している。
2011.02 Jane's Missiles & Rockets Iranian Navy receives new coast-defence missile systems <1103-020001>
 イラン海軍が沿岸防備用対艦ミサイルを受領する式典が1月3日に行われた。 発射機は6輪の装輪車に3発が搭載され たもので、ミサイルはキャニスタの形状から中国製で射程40kmの YJ-81 (C-801) をイランで生産した Karus の様であ る。
 イランは C-801 の固体ロケットをターボジェットに代えた射程120kmTodar も国産しており、国内開発したレーダ シーカを搭載したものを Noor と呼んでいる。 Noor については C-082 の改良型である C-803 であるとの報道もある。
2010.05 Jane's Missiles & Rockets Nasr-1 is Iran's latest Chinese dragon <1006-050004>
 イランが3月7日、Nasr-1 対艦ミサイルの量産を開始したと発表した。 Nasar-1 は 中国が C-704 を元に開発しイランに移管したミサイルである。
 中国はかねてからイランに対艦ミサイルを供給しており、1990年代初期には C-801 (YJ-8) 及び C-802 (YJ-82) を、その後は軽量短射程型の C-701 をイランの Kosar として供給している。
2010.03.15 Aviation Week & ST Tehran's missile ties <1005-031504>
 イランのメディアが今月上旬に、Nasr 1 対艦ミサイル(右図)が量産に入ったと報じたが、 Nasr 1 は明らかに中国の C-704 と同じものである。
 イランの戦術ミサイルに対する中国の支援はかねてから行われており、C-701 は Kasar として既にイラン軍が装備し ている。
2010.03.08 Yahoo 産経新聞記事

「新型短距離ミサイル イラン、生産開始 船舶攻撃用か」

<1004-030801>
 イラン国営通信などによると、同国が7日、新型の短距離ミサイル「ナスル-1」の生産を開始した。
 国防軍需相は生産開始の祝典で、同ミサイルは艦船または地上発射だが、将来はヘリコプターや潜水艦からも発射可能に改良され、3,000t級の船舶を 破壊する能力があると説明した。
2009.12.08 Yahoo 産経新聞記事

イラン巡航ミサイル 北朝鮮が開発支援 旧ソ連製入手、分析

<1001-120802>
 北朝鮮イランの巡航ミサイル国産に向けて支援していることを、北朝鮮情勢に詳しい情報 筋が7日に明らかにした。 情報筋によると、イランは2001年に闇の武器商人を通じて、ウクライナが保有していた Kh-55 を12基入手した。
 両国は Kh-55 を模倣した巡航ミサイル数百基を生産することを計画しており、同ミサイルを分解し、性能の把握に努めてきた。 成功すれば 射程を3,500kmまで伸ばした改良型の生産にも着手することになるという。
2007.04.30 Aviation Week & ST Iran showcased its Raad <0711-043002>
 イランはテヘランで行った軍事パレードに、対艦巡航ミサイル Raad を公開した。 Raad は Silkworm の大 規模改善型で、ターボジェットエンジンを搭載し射程は350km、発射段階では固体ロ ケットを使用し、空中でターボジェットに切り替える。
 陸上発射型は2月に試験が確認されたが、空中発射型及び艦船搭載型を開発しているか否かは不明である。
( Raad 関連記事 AW&ST 2004.02.02)
2007.04 Jane's Missiles & Rockets Iran conducts air-defence exercises <0710-040013>
 イラン革命防衛隊が2月7日に防空演習を実施し、1月にロシアが29基購入した Tor-M1 (SA-15) が実射を実 施した。 この演習にはまた SSN4 Raad 地対艦ミサイルも参加した。
 SSN4 Raad は中国製の FL-10 を改良したミサイルで、500kgの弾頭を搭載して350kmの射程 を有する。
( Raad 関連記事 AW&ST 2004.02.02)
2007.02.14 Jane's Defence Weekly Teheran fiers Tor-M1 <0706-021413>
 イラン革命防衛隊が2月7日から2日間の防空演習を行い、Tor-M1 (SA-15) 及び SSN4 Raad 地対艦ミサイルの発射を行った。 $700Mでロシアから購入した29基の Tor-M1 は1月に納入が完了し ている。
 Tor-M1 は40kmの目標捕捉距離と12km以上の射程を有し、48目標の同時処理と2目標への同 時射撃が可能である。 また TBM を終末段階で撃墜する能力も有する。
 SSN4 Raad は500kgの弾頭を有し、今回は沖合300kmの標的に命中した。 Raad は中国製の FL-10 改良型で、イランは2001年に 中国から FL-1 (CSS-N-1 Mod 2) を沿岸防備用に輸入している。
( Raad 関連記事 AW&ST 2004.02.02)
2006.10 Jane's Missiles & Rockets Iran televises navy's Thaqeb anti-ship missile test <0622-100017>
 イランの国営 TV が、8月27日に行われた潜水艦発射対艦ミサイル Thaqeb の発射試 験の模様を報じた。 Thaqeb は長距離高速ミサイルでイランで設計製造されたと言う。
 イラン国産ミサイルの大半は中国製のライセンス生産か中国製を元にしたものであるため、Thaqeb は YJ-1/C801 を魚雷発射管発射に合わせてカプセル化したか、 YJ-82 (又は YJ-8-2) の改良型と見ることができる。 しかしながら8月27日の試験は 1kmの射程で行われ、YJ-1 の最小射程は8km、YJ-82 は15kmであることから、Thaqeb は対戦車 ミサイル又はその技術を用いたミサイルとも見られる。
 いずれにせよね何のために射程1kmの潜水艦発射ミサイルを開発したのかは不明である。
2006.09.11 Aviation Week & ST Missile muscle <0619-091106>
 イランは各種ミサイルの開発と蓄積を着実に進めており、2003年の CIA の報告書では弾道 弾の保有数が中東で最大となっている。 開発と購入には北鮮と中国が関与しているのは確実で、過去 にはパキスタンも関係があったと見られる。
 イランが保有する弾道弾には射程1,200kmの Shahab-3 を数基、数百発の Shahab-1 Shahab-2 、及び Shahab-4 のほか、2005年に発射試験を行った射程2,000kmの Shahab-3ER、北鮮から18発を購入した射程3,500kmの BM-25 がある。
 また戦略 CM では北鮮と共同開発した射程300kmの Raad とウクライナから2001年に 購入した Kh-55 を保有している。
2006.09 Jane's Missiles & Rockets Ground-launched C802 missile hits Israeli Warship <0618-090011>
 7月14日にレバノン沖16kmで行動中のイスラエル海軍 Eilat (Saar 5) 級コルベット艦 Hanit が対艦 ミサイルの攻撃を受けた。 第一報 (毎日 2006.07.15) では爆薬を搭載した UAV が突入したと伝えられていた。 二発目の対艦ミサイルは沖合60kmを航行中のカンボジア船籍の商船に命 中した。
 使用されたのは、ロケット推進の YJ-82 (C802) 輸出仕様としてター ボジェットに代えた中国製で、中国名 YJ-85 と見られる。 右図の中国製自走発射機は C802 3発の搭 載が可能である。
 イランは Noor と言う名称で C802 のライセンス生産を行っており、C802 の射程が120kmであるのに対して Noor の射程は200kmになっている。
2006.07.17 Yahoo 読売新聞記事

ヒズボラにイランがミサイル・・・」

<0615-071701>
 ヒズボラが16日、ハイファを攻撃した際に、イラン製 Raad ミサイルを使ったとの 声明を発表した。 同ミサイルはこれまで対イスラエル攻撃に使われたカチューシャロケット砲より射程が長く、命中精度も高い。
 イスラエル軍によると、Raad は射程40km以上で、ハイファでは一部が列車の操車場に着弾した。
【註:】
 イランの Raad とは Silkworm の機体にターボジェットエンジンを搭載して射程を350km以上に延伸したアク ティブレーダーシーカーと500kgの通常弾頭を装備する対艦巡航ミサイルで、適当な終末誘導装置を取り付けれ ば陸上攻撃用にも改修が可能であると言われている。 射程40kmとしたイスラエル軍見解の意味は不明。
 もしヒズボラがこの Raad を発射したのが事実とすれば、非正規軍が巡航ミサイルを使用した初のケースとな る。
( Raad 関連記事 JMR 2004.03)
2006.04.12 Jane's Defence Weekly West doubts Iran missile claims <0609-041201>
 イランが3月31日~4月6日に行った 'Holy Prophet' 演習で各種新兵器を公表したが、西側情報筋は内容が誇張されていると見ている。
 イランの TV が複数目標を攻撃できるレーダに写らないミサイル Fajr -3 と公表したのは、Scud-C を改造した Shahab 2 で、Fajr-3 は射程70kmの240mmロケット弾である。
 高速水中ミサイル Hoot と公表されたのは、固体ロケット推進で水中速力100m/s、射程7kmの性能を 持つロシア製 VA-111 Shkal のようで、キルギスタンを経由して入手したものと見られる。
 新型 ASCM として公表された Kosar は中国製の YJ-8 (C-801) で、翌日公 表された射程200kmのレーダに写らないミサイル Noor は、中国製の YJ-82 (C-802) の様である。
2006.04.10 Aviation Week & ST Firing away <0609-041008>
 イランは先週行った軍事演習で、中国の対艦ミサイル C-701 (YJ-7) の陸上発射型 Kosar 3 (右図) の存在を 明らかにした。
 Kosar 3 は中国の援助で、最終組み上げを国内で行っているミリ波誘導のミサイルで、全重量120kg、 弾頭重量25kg射程25kmである。 C-701 の派生型には Kosar のほか、TV 誘導方式 の TL-10A がある。
 また先週には、同じく中国製対艦ミサイル C-802 の派生型 Noor のヘリコプタによる発射試験を行っている 。 Noor はシースキミングの対艦ミサイルで射程は約200kmである。
 演習ではロシアの Shkval に酷似した高速魚雷の試験発射が行われ映像が公開されたが、イランは独自に国内 開発したシステムであると発表している。
2006.04.03 Yahoo 読売新聞記事

「ウクライナ配備の核弾頭250・・・」

<0608-040302>
 ロシアの著名な軍事専門家が、ソ連崩壊直後までウクライナに配備されていた核弾頭250発が行方不明になっている問題について、一部 が搭載用の巡航ミサイルとともにイランへ密売された疑いを提起した。
 更に、昨年ウクライナの検事総長が、旧ソ連製巡航ミサイル Kh-55 18発が2001年にイランと中国へ密売されたことを指摘し、同ミサイ ルが専用核弾頭とともにイランへ流れた疑惑を提起している。
2005.05 Jane's Missiles & Rockets Ukraine investigates supply of missile to China and Iran <0511-050016>
 3月18日にウクライナの検事総長が、4年前に18発の Kh-55 (AS-15) ALCM が不法にイランと中国 に輸出されていたことを認めた。
 ウクライナは1,000発以上の Kh-55 を保有していたが、発射母機となる使用可能な Tu-95 や Tu-160 がないた めロシアへ返還されたが、その数は明らかでない。
 Kh-55 の輸出はウクライナも1998年に加盟した MTCR (Missile Technology Control Regime) で厳しく制限されている。 
2005.02.02 Jane's Defence Weekly Iranian turbojet advances to detailed design stage <0504-020211>
 イランの TEM社が、超音速ミサイル用のターボジェットエンジン (Tolloue 5 と仮称) を開発している。 Tolloue 5 は基本設計を終了し、詳細設計に移行する段階にあり、2~3年後には初 飛行する。
 TEM社は現在 Noor (C-802) 用でフランスの Microturbo社製 TRI 60-2 のコピーである Tolloue 4 (右図)を量産中で、既に約100基を生産している。
 Tolloue 5 がどのミサイルに搭載されるかは明らかでないが、C-803 (YH-83) 超音速ミ サイルの可能性がある。
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┃     ┃ 圧縮比 ┃ 推 力 ┃  RPM ┃実用高度┃
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┃Tolloue 4 ┃ 1: 3.75┃ 370kg ┃ 29,500 ┃ 3,000m ┃
┃Tolloue 5 ┃ 1: 4.3 ┃ 450kg ┃ 27,300 ┃11,000m ┃
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2004.03 Jane's Missiles & Rockets Iran's Raad cruise missile enters production <0409-030006>
 イランが Raad 巡航ミサイルの開発を始めている。 Raad は中国の HY-4 に良く似た機体であるが、公開された後方から写した写真では後部胴体が延長されていることが分か り、前部胴体も延長されている可能性がある。 このことから Raad の射程についてイランのマスコミは150km と伝えているが、専門家は HY-4 の約3倍となる400kmはあると見ている。
 またイランの放送が Noor 対艦ミサイルの DM-3b シーカの生産を開始したと伝えている。 Noor は射程150km でジェット推進する中国製 C-802 のコピーで、中国の技術協力で開発した。 
2004.02.25 Jane's Defence Weekly Iran ready to field maritime cruise missile <0405-022507>
= イランの Ra'ad 巡航ミサイルに関する記事 =
 イランは弾道弾の Shahab と、巡航ミサイルの Ra'ad の2本建てでの、戦略ミサイル体制を考えている模様である。
 HY-2 (CSSC-3) をターボジェット化したイランの Ra'ad は目下試験中であるが、既に量産も開始されている。 イランは恐らく 300発程度の HY-2 を保有している。
 Ra'ad は HY-2 の胴体を延長してエンジンを搭載しているが、イランは1990年代に UAV 用として Tolloe 4 ターボジ ェットエンジンを開発した実績がある。
 シーカにはアクティブレーダホーミング方式が考えられるが、イランは Ra'ad と一緒に Noor 対艦ミサイル(中国の YJ-82 (C-802) のインド型)用に DM-3b アクティブレーダシーカを開発 したことを公表している。 但し Ra'ad と DM-3b の関係については明らかにされていない。
 Ra'ad の開発への北朝鮮の関与を指摘する専門家もいるが、イランはミサイルに関して中国との結びつきが強く、北 朝鮮関与の可能性は低い。 
2004.02.23 Aviation Week & ST Iranian lightweight <0405-022304>
 イランは今月初め、対艦ミサイル Kosar の生産を開始したことを国営イラン放送を通じて公表した。
 Kosar は中国が開発した対艦ミサイル PL-8 とほぼ同一の設計とみられ、製造試験を公開したことから精密兵 器の独自開発意図が鮮明となった。
 Kosar は全長2.5m、直径18cm、重量105kg、最大射程15kmで誘導は TV 又は IR を使用している模様で、機体中央部に4枚の十字翼、後 端に4枚の尾翼を持ち安定性と旋回性に優れるとされる。 PL-8と異なるのは弾頭の大型化のみとされる。
 イランはこの他にも北鮮の協力を得て Silkworm を改修した対艦巡航ミサイル Raad の開発を公表しているが、更に中国の PL-9 に相当する射程27km以上のレーダー誘導対艦ミサイル Nasr の製造 作業を進めている。
2004.02.02 Aviation Week & ST Iranian cruise effort <0403-020202>
 イランは Silkworm の機体にターボジェットエンジンを搭載して射程を延伸した巡航ミサイ ル Raad を開発し製造に入った。
 Raad は対艦用で、国産開発のターボファンジェットエンジンを搭載し射程350km以上 、アクティブレーダーシーカーと500kgの通常弾頭を装備する。 また、艦船若しくは陸上のどちらからも発射可能で、適当な終末誘導装 置を取り付ければ陸上攻撃用にも改修が可能である。
 Raad の装備によりイランのスタンドオフ対艦攻撃能力は飛躍的に向上するとみられ、開発には北鮮の技術協力 が確実視されている。 北鮮は2003年に Silkworm の機体を用いた対艦巡航ミサイルの試験を日本海で行っており、イランの計画と連携 したものとみられている。
( 関連記事 JMR 2003/11 )
2003.11 Jane's Missiles & Rockets Iraq planned 1,000km-range missiles
= 米イラク調査団が報告した各種戦略兵器開発状況に関する記事 =
 イラクが北朝鮮の支援を受け、中国製 HY-2 対艦巡航ミサイルを改造した2種類の対地攻撃 巡航ミサイルを開発していた。
Al Faw
 射程を HY-2 の100kmから150~180kmに延伸した対地巡航ミサイルで10発を製造した。 内2発がイラク戦争で発射され1発がクウェート に着弾した。
Jenin
 HY-2 の液体ロケットエンジンを、Mi-8 ヘリの TV-2-117 または Mi-17 ヘリの TV-3-117 タービンエンジンに換装した、 射程1,000kmの対地巡航ミサイルである。
2001.05.28 Defense News Faster, craftier Cruise Missiles Bode Ⅲ for US ships  海軍の作戦遂行にあたり、対艦巡航ミサイルの脅威が質的量的に益々増大している。
 この10年間に対艦 CM の技術と拡散が進んでおり、中国、イラン、ロシアの輸出は引き続き輸出を行っている。
また中国、イランと北鮮では新しい CM の開発を行っていることが確認されている。
中 国C802 の改善型、射程 110mi以上を開発中
イラン:中国製 Silk-worm を射程 280miに改良中
北 鮮Silk-worm の射程を 200miに改良

 これに対し米海軍は、対応策として以下の項目を挙げている。
・対艦巡航ミサイル防衛の関する研究開発の優先順位を最優先する
・長射程ミサイル検知に必要な航空機搭載センサーの開発推進
・海軍、海兵隊と BMDO が密接に共同して統合交戦情報を相互配分
・航空機搭載の CM 等小型移動目標捜索レーダーを開発
・海軍と海兵隊による次期低高度 Weapon システムと多目的レーダーシステムの開発支援