その他中近東の巡航ミサイルに関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2022.09.27 Defense Update Houthis a new cruise missile, Quds-3 <2210-092709>
 イエメンのフーシ派がサナアで行った閲兵式で新型のCM、CM、遊弋弾などを公開したが、その中のQuda-3 CMはイラン製のSoumar CMの長射程型とみられる。
 フーシ派はイラン製のSoumarであるターボジェット推進のQuads-1/-2 CMを装備しており、その射程をIranwatch.orgはQuads-1が800km、Quads-2が1,350kmとしている。 Quda-3はQuads-2胴径が太いことから多くの燃料を搭載しているとみられ射程が伸びている模様で、Quads-1の3倍とみられる。
 Soumarは1990年代末にウクライナから入手したソ連製のKh-55を元にしている。
2022.02.09 Jane's Defence Weekly Cruise missile attacks show UAE air-defence deficiencies <2206-020904>
 イエメンのフーシ派が1月17日に長距離CMを用いてアブダビを攻撃したが、改めて低空飛行する脅威への対応の難しさが露呈した。
 フーシ派はMusaffah製油所と国際空港を4発のQuds-2 CMZalfiqar BM 1発攻撃したほか、複数のSamad-3 UAVで重要施設を攻撃したという。 UAEが1月18日に国連安保理に提出した報告によると、2発のCMが空港施設に、1発が南側の工業地帯に着弾したという。
 アブダビは2018年に複数のPantsir-S1を配備し、そのうちの1基をQasr al-Watan首長宮廷の防波堤上に、他の2基を14km南東の人工島に、更に別の2基をAl-Dhafra航空基地に配置していた。 一方2020年にはAl-Dhafra航空基地にあったSkyquard対空機関砲を別の位置に配置した。
 更に低空脅威に備えてMIM-23 HAWKも配置し、CM対処用にAN/MPQ-64 Sentinelレーダも装備していた。
2022.01.26 Jane's Defence Weekly Houthis claim long-range cruise missile attack on UAE <2205-012603>
 イエメンのフーシ派報道官、が1月17日に射程を大幅に伸ばしたQuds-2 CMアブダビのMusaffah製油所を攻撃すると共に、Zulfiqar BMドバイ空港を、Samad-3 UAVで重要施設を攻撃したと発表した。
 フーシ派は2019年7月にQuds CMを公表し、サウジアラビアに対し2019年9月14日などで度々使用してきた。 Qudsの射程について米海軍は2019年末に800kmと推定していたが、フーシ派は2020年11月23日にフーシ派支配地域から1,200km離れたアブダビのMussafahの石油精製施設にQuds-2で攻撃を仕掛けた。
2021.02.22 Jane's 360 IDEX 2021: Edge unveils long-range anti-ship missile <2103-022204>
 UAEのEdgeグループが、アブダビで2月21日~25日に開かれたIDEX 2021にHalcon社が開発中の地対艦ミサイルHAS-250を出品した。 IDEX 2021ではIveco社製Astraトラックに2発のキャニスタを搭載した発射機も展示された。
 HAS-250はUAE海軍向けに開発されておりMach 0.8250kmを飛翔すると言う。 また高度5m以下をシースキミングする性能も持つという。
2019.07.17 Jane's Defence Weekly Yenmeni rebels unveil cruise missile, long-range UAVs <1908-071717>
 イエメンのフーシ派が7月7日、6月12日にサウジアラビアのAbha国際空港を攻撃した地上発射型CM Qudsなどの武器を公開した。
 サウジアラビア軍の広報官はQudsを、イランが2014年に公開したYa Aliであるとしているが、実際にはエンジンの位置が機体上部になっているなど、エンジンが機体内部にあり胴体下に空気取り入れ口を持つYa Aliとは大きく異なっている。 またエンジンをチェコ製のTJ100ターボジェットとしているが、実際にはそのコピーのようである。
 一方Sammad UAVは2018年7月にリヤドの石油精製施設を攻撃したSammad-2と、2018年7~9月にUAEの空港を攻撃した射程の長いSammad-3が公開された。 Sammad-3の翼付け根上部にはコブ状の突起が編める。
2019.07.03 Jane's Defence Weekly Saudi-led coalition identifies Iranian cruise missile used against airport <1908-070311>
 サウジが主導する連合軍が6月24日、サウジ南西部のAbha国際空港が6月12日にイラン製Ya AliがCMで攻撃されたと発表した。 イエメンのフーシ派はその1週間後にAl-Shuqaiqの発電所CMで攻撃したと発表している。
 2014年5月に公開されているYa Aliは射程が700kmと言われ、チェコPBS社製TJ-100ターボジェットで推進する。 同社は5月に、2004年以来900基のTJ100を販売しており、その多くは標的機に使用されているとしている。
2019.06.12 共同通信

(Yahoo)

サウジ空港を攻撃、26人負傷 イエメンの親イラン組織 <1907-061205>
 国営サウジ通信が、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が12日未明にサウジアラビア南西部のアブハ空港を攻撃し市民26人が負傷したと報じた。 サウジの発表によるとミサイルが空港の到着ロビーを直撃し、負傷者にはサウジ人のほか外国人や子どもも含まれる。
 フーシ派系メディアは、CMによる攻撃が狙い通りに行われたとのフーシ派側の主張を伝えた。
2017.12.03 Yahoo 時事通信記事

「建設中の原発にミサイル? =シーア派組織主張、政府は否定―UAE」

<1801-120303>
 イエメンのイスラム教シーア派系武装組織フーシ派が3日、UAE西部で建設中の バラカ原子力発電所に向けてCMを発射し目標に命中させたと主張した。
 これについてUAE政府は国営通信を通じ、ミサイル発射の情報は虚偽と否定している。
2017.11.15 Jane's Defence Weekly Yemeni rebels unveil anti-ship missiles <1801-111512>
 イエメンの武装組織が11月6日、Al-Mandab 1と名付けた
ASCMを公表した。 公 表された4発の写真からAl-Mandab 1は、明らかに中国製のC-801と同じもののようである。
 C-801は射程42kmで、イエメン海軍が3隻保有しているType 021高速艇用に導入していることが知られている。
2016.10.13 Defense Update US Navy retaliates in Yemen, following attacks on US vessels <1611-101313>
 イエメンのフーシ派と見られる武装勢力による艦船へのミサイル攻撃は、2015年10月のサウジ艦船 2隻を破壊した時に始まり、2016年10月2日にはUAEに貸し出されていた米海軍の双胴型高速輸送艦HSV 2 Swift を破壊している。 この攻撃にはイランがフーシ派に供与したC-802沿岸配備型
ASCMが用いられたと見られ る。
 現在米海軍はこの海域に、Bab el Mandeb海峡国際航路を通過する船舶を護衛するため、 空母Dwight D. Eisenhower打撃群に属するDDG 87 MasonとDDG 94 Nitze駆 逐艦2隻ほか、この海域での特殊部隊の活動を支援するためLaWSを装備したAFSB Ponceを配置している。
2016.10.11 Stars & Stripes Pentagon won’t rule out Iranian source for missiles in failed attack on US ships <1611-101104>
 米国防総省の報道官が11日、イエメン沖の紅海で9日に米艦船を攻撃したミサイルは、イラン製であること 可能性を排除できないと述べた。
 
ASCM 2発の攻撃を受けたのは駆逐艦Masonと前方洋上基地艦(AFSB) Ponceで、1発目の接近 を感知した艦長はcountermeasureの発射を命じた。 その1時間後に2発目が飛来したが、対応処置を執る前に海没した。
2013.05.01 Jane's Defence Weekly UAE lines up additional F-16s <1306-050106>
 米国防省筋が4月19日、UAEF-16 Block 60 25機を発注したことを明らかにした。 同国は 既に81機の F-16E/F を装備しているが、Mirage 2000-9RAD 40機も装備していて、その後継を巡り欧州と米国が受注合戦を行っている。
 欧州は戦闘機と合わせて射程650kmの Storm Shadow/Scalp EG CM の売却を持ちかけているのに対し、米国は射程370kmの AGM-158 JASSM の売却を提案している。
 ところで UAE の Black Shaheen(Black Shaheen=Storm Shadow )は500kgの搭載能力と300km の射程を有すると見られている。
2006.09 Jane's Missiles & Rockets Ground-launched C802 missile hits Israeli Warship <0618-090011>
 7月14日にレバノン沖16kmで行動中のイスラエル海軍 Eilat (Saar 5) 級コルベット艦 Hanit が対艦 ミサイルの攻撃を受けた。 第一報 (毎日 2006.07.15) では爆薬を搭載した UAV が突入したと伝えられていた。 二発目の対艦ミサイルは沖合60kmを航行中のカンボジア船籍の商船に命 中した。
 使用されたのは、ロケット推進の YJ-82 (C802) 輸出仕様としてター ボジェットに代えた中国製で、中国名 YJ-85 と見られる。 図の中国製自走発射機は C802 3発の搭 載が可能である。
 イランは Noor と言う名称で C802 のライセンス生産を行っており、C802 の射程が120kmであるのに対して Noor の射程は200kmになっている。
2006.07.17 Yahoo 読売新聞記事

ヒズボラにイランがミサイル・・・」

<0615-071701>
 ヒズボラが16日、ハイファを攻撃した際に、イラン製 Raad ミサイルを使ったとの 声明を発表した。 同ミサイルはこれまで対イスラエル攻撃に使われたカチューシャロケット砲より射程が長く、命中精度も高い。
 イスラエル軍によると、Raad は射程40km以上で、ハイファでは一部が列車の操車場に着弾した。
【註:】
 イランの Raad とは Silkworm の機体にターボジェットエンジンを搭載して射程を350km以上に延伸したアク ティブレーダーシーカーと500kgの通常弾頭を装備する対艦巡航ミサイルで、適当な終末誘導装置を取り付けれ ば陸上攻撃用にも改修が可能であると言われている。 射程40kmとしたイスラエル軍見解の意味は不明。
 もしヒズボラがこの Raad を発射したのが事実とすれば、非正規軍が巡航ミサイルを使用した初のケースとな る。
( Raad 関連記事 JMR 2004.03)
2006.03.01 Jane's Defence Weekly Turkey cancels LOROP, Harpy <0606-030107>
 トルコが RF-4E に搭載用に計画していたイスラエル Elop EO社製の LOROP (Long Range Oblique Photography) の 調達を中止した。 理由は高々度偵察能力が要求を満足しないことにある。 また2個中隊分24機を調達する計 画であった IAI社製の Harpy Ⅱ の調達も中止した。 新任の空軍司令官が必要ないとしたことによる。
 一方、$1Bの計画である長距離要域防空システム計画は継続しており、PAC-3、S-300、 HQ-9 (FD-2000)、ASTER 30 などが候補になっている。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets Iraq planned 1,000km-range missiles
= 米イラク調査団が報告した各種戦略兵器開発状況に関する記事 =
 イラクが北朝鮮の支援を受け、中国製 HY-2 対艦巡航ミサイルを改造した2種類の対地攻撃 巡航ミサイルを開発していた。
Al Faw
 射程を HY-2 の100kmから150~180kmに延伸した対地巡航ミサイルで10発を製造した。 内2発がイラク戦争で発射され1発がクウェート に着弾した。
Jenin
 HY-2 の液体ロケットエンジンを、Mi-8 ヘリの TV-2-117 または Mi-17 ヘリの TV-3-117 タービンエンジンに換装した、 射程1,000kmの対地巡航ミサイルである。
2001.04.23 Inside the Army Analyst warns of increasing foreign interest in cruise missiles  米国の民間研究所「Institude for Foreign Policy Analysis」の分析専門家は諸外国の巡航ミ サイルに関する現状について、対艦用から対地攻撃用への転換が進んでいるが、米国はこれに対し 全く無防備に近く、早急な対応が必要であると警告した。
 巡航ミサイルは現在、少なくとも 81ヶ国が75種類 80,000発を保有し、90% が対艦用であるが、近い将来 少なくともロシア、中国、インド及びイラクを含む 9~10ヶ国が射程 100~1,000km の対地攻撃用への変換 を行うと分析している。