2006年の注目される軍事技術に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2006.12.20 Jane's Defence Weekly USMC seeks radar to detect IEDS <0702-122005>
 米海兵隊は地中透過レーダを Cougar 耐地雷車に搭載して、準埋設地雷や IED の探査 に使う計画で IfP を発簡した。
 このシステムはイラクに駐留する多国籍軍の経路啓開チームに装備され、地中46cmまでに埋設された準埋設地 雷や IED の探査に使用される。
2006.12.04 Defense News US scientists train bees ti sniff out explosives <0703-120404>
 Los Alamos 米国立研究所では、ミツバチの嗅覚を利用した TNT、C4、TATP (triacetone triperoxide) とい った爆発物検知の実験を DARPA の資金援助を受け行っている。
 実験は50匹のミツバチに砂糖水を吸わせた3秒後に爆発物の蒸気を嗅がせ、30分経過時点でハチを放すと確実 に嗅がせた物質を探し当てた。 これはパブロフの原理を応用した技術で、2時間の訓練で48時間程度の持続探知 が可能であり、防虫剤、ローション、モーターオイル等があっても特定の爆発物を嗅ぎ分けることがわかった。
 実験は今後野外で実戦環境下を模擬して進められる。
2006.11.23 Inside the Pentagon Air Chief approves plan for new Cyberspace Command <0702-112302>
 米空軍参謀長は、軍が計画中の作戦戦闘に人口知能を応用する Cyberspace Command の創設について承認した。
2006.10.30 Aviation Week & ST Smart and flexible <0622-103010>
 米軍では航空機等のステルス化設計に伴い、コンフォーマル通信アンテナを装備する機種が増加しており、 現在、F-35 JSF、 AIM-120D AMRAAM の双方向通信アンテナ、JASSM GPS アンテナ(右図)、海軍の DD(X) 及び海兵隊の新型水陸 両用戦闘車に採用されている。
 また、Ball Aerospace、Lockheed Martin等各企業は、通信用とレーダ用を統合した艦載及び有無人機搭載の コンフォーマルアンテナの開発をめざしているが実現には多くの技術課題が残されている。
2006.10.30 Aviation Week & ST Conformal consensus <0622-103009>
 英国防省は有無人機搭載のコンフォーマルレーダに関心を示しており、2005年に発簡した DIS (Defense Industrial Strategy) では 主要な開発項目にあげている。 英国は小型 UAV に搭載するコンフォーマル SAR の研究に予算を充当してお り、2年以内に試作品の試験を行う計画である。
 また、AAM への搭載を検討中であるが、同様の研究を米空軍が1990年代からコンフォーマルアレーシーカ技 術としてを行っている。
2006.10.30 Aviation Week & ST Learning curve <0622-103008>
 EADS社は最近、UAV に装着する二次元曲面 AESA アンテナアレーの試験研究を開始した。 設計の細部は明ら かにされていないが、スキンアンテナの構造研究用とみられる実験回路(右図)が公開された。
 同社では回路に用いる新素材 GaN の研究を同時に進めており、スキンアンテナの実用化を2012〜2015年と見 積もっている。
 GaN は従来使用している GaAs に比し使用できる周波数領域が広く、電子攻撃にも強いため、送信機の高出力アンプや受信機の低雑音 アンプへの使用が期待されている。
2006.10.30 Aviation Week & ST Array of hope <0622-103007>
 DARPA が HAA に取り付ける、フットボール場規模の大型軽量コンフォーマルアレー アンテナの研究を Raytheon社に$8Mで発注している。
 現在の技術目標は厚さ0.4〜2吋、重さは1平方呎あたり約8-lbで、機体全面に取り付けた アンテナの総重量は約2tになり、UHF 及び X-band の AESA レーダは約400浬を覆域とする。
 同社は一次元型アレーの実験を年末に予定し、更に高度な二次元曲面アレーは5年以内に実現できるとしてい る。
 UAV 搭載用コンフォーマルアレーアンテナも現在研究実験段階にあり、3年後には一部実用化が可能と見積もられている。
2006.10.30 Aviation Week & ST Sensors vs. airframes <0622-103006>
 欧米の軍用機用センサは、搭載型からコンフォーマルアレーを用いた Smart Skin に替わっていくと予測され 、研究開発は今後10年以内に通信、目標捜索、電子妨害及び DEW として、多くの有無人機に採用されるとみられる。 F-22 には AESA レーダの補完用に2基の小型コンフォーマルアレーが既に使用されている。
 UAV の分野では、大型 UCAV への装備化と共に安価な偵察監視用 UAV の機体全体を Smart Skin 化する研究が進められており、既存の 戦闘機等にも Smart Skin 技術を採用し延命を図っていくものと予測される。
2006.09.29 Yahoo 韓国中央日報記事

「知能型警戒ロボット開発、・・・」

<0619-092901>
 韓国で知能型監視警戒ロボットが開発され、早ければ来年から休戦ラインなどに試験的に 配置される見込みだ。 高さ1mのこのロボットは、3基のカメラなどで4km(夜間2km)以内の動く物体をすべて自動探知でき、最 前方哨所 (GOP) で警戒兵の代わりをする。
 特に2km(夜間1km)以内では形状認識装置が移動物体の類型と特徴を分析し、人、動物、木、車両などを正 確に見分ける。 異常物体が10m以内に近づくと敵かどうかを確認することができる。 ロボットは K-3 機関 銃や非殺傷ゴム弾銃を装着して敵を制圧できる機能まで備えている。
2006.02.27 Inside the Navy ONR seeks posting device that works in CPS-Denied environments <0608-022703>
 米海軍 ONR は衛星信号が制限を受け、GPS が有効に作動しない市街地や洞窟内等の環境で、 部隊の位置と動きを把握できる技術を民間に求めている。
 RfI では3月30日を期限として、GPS なしで小型かつ軽量、無充電で8時間以上作動し、画像表示を軍用無線機で送達できる装備品の開 発技術を求めており、価格は1セットあたり$2,000以下としている。
2006.01 National Defense Laser-based sensor will sniff out chemicals on the move <0603-010005>
 米陸軍は次世代化学物質検知装置 JCSD (Joint Contaminated Surface Detector) の研究を ACTD で行ってい る。
 ACTD は総額$47.5Mで、偵察用車両に搭載して高速移動間に化学物質を検知、警告する紫外線レーザを用いたシステムの技術検証と、既 存の生化学、核物質検知器を Packbot と Talon UGV に搭載する研究の二項目からなる。
 JCSD は現在、時速45kmで走行する車両から液体及び固体両方の物質検知を行い2秒以内に警報を発することが確認され、検知できる化 学剤は20種類、有毒化学物質30種類である。
 野外試験は4月〜5月に予定され、実用型システムの試験は2007年に計画されている。 試作中の JCSD 及び Packbot UGV システム は7月からイラクでの実地試験を予定している。
2006.01 National Defense TSA, Army test bomb detector <0603-010001>
 米輸送安全局 (TSA) は陸軍と共同で、金属製容器内の爆発物、生化学物質、麻薬等を検知するセンサーシステムの開発を行っている。
 中性子を利用しガンマー線放出を探知するセンサーは CarBomb Finder と呼ばれ、 陸軍が開発した SmarTruck UGV (右図) に搭載される。 TSA はこの技術を用いた荷物検査システムの開発を検 討中である。
 開発を行っているのは Irvine社で、陸軍は年内に TAACOM での試験を計画している。