PAC-3 MSE に関する報道

     
年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2025.01.20
 17:15
RBC Ukraine Why Patriot and SAMP-T will not be able to intercept Oreshnik: Explanation from Defense Express <2502-012007>
 PatriotとSAMP-Tは、ウクライナで優れた性能を発揮し、各種目標を成功裏に迎撃したが、
Defense Express紙によると、ロシアのOreshnikには太刀打ちできないことが証明される可能性があるという。
 メディアが述べているように、各防空システムには特定の目的があり、PAC-3とSAMP-Tは、最大1,000kmの射程を持つTBMに対抗するように設計されているため、Oreshnikを迎撃することができない。
 Defense Expressは、MRBM/IRBMの弾道が100kmを超える高度であり、大気圏への突入速度は、IRBMで3~4km/s、ICBMで5~7km/sである。 PAC-3やSAMP-Tは、大気圏内を飛翔する弾頭を目標にすることができるが、その真の有効性には疑問が残っている。
 現在、これらの防空システムの主な問題は、Oreshnikが複数の個別誘導弾頭をを持っていることで、Oreshnikは最大6個の弾頭とおとりの弾頭を搭載するのに対し、PatriotとSAMP-Tが同時に交戦できる目標数は限られており、Oreshnikの弾頭をすべて一度に迎撃することはできない。
 Defense Expressは、IRBMを迎撃するように設計されているTHAADでさえ、同時に交戦できる目標の数にはまだ制限があり、そのような任務には苦労するだろうと考えている。
 したがって、このようなミサイルを迎撃する最も効果的な方法は、複数弾頭の分離が始まる前にミサイルを破壊することである。 この機能は、Aegisを装備した艦艇が装備しているSM-3、または固定式陸上型であるAegis Ashoreでのみ可能である。
2024.08.06
 22:41
Defense News Boeing on track to break PAC-3 Missile seeker annual production record <2409-080616>
 米国で2024年にPatriotミサイルの生産を増やすために、Boeing社は8月6日に年間のシーカー生産数の記録を更新すると発表した。 Patriotミサイル・ファミリーの最もハイエンドな派生型であるPAC-3
MSEミサイルの生産は、全速力で進んでいるという。
 Boeing社は声明で、「2024年上半期に、この計画は以前の3ヵ月および6ヵ月のPAC-3シーカ生産記録を上回った」と述べた。 「この計画は2024年末までに年間シーカー生産記録を20%以上更新するペースで進んでいる」という。
2024.05.21
 05:54
Defense News PAC-3 MSE launched from virtual Aegis ship hits cruise missile target <2406-052104>
 Lockheed Martin社が5月20日の声明で、Aegis Weapon Systemを想定したMK-70コンテナ発射装置からから発射されたPAC-3 MSEミサイルが、米陸海軍と提携してLockheed Martin社が実施した実射でCMを模擬した標的に命中したことを明らかにした。
 この試験は、2017年に開始されたLockheed Martin社の取り組みの集大成であり、米海軍が通常長期間と多額の経費がかかるミサイル開発を回避して米海軍のミサイル防衛能力の向上を追求する。
2024.01.19
 07:00
Defense News Lockheed to test Patriot and Aegis integration in live-fire test <2402-011908>
 Lockheed Martin社が今春、PAC-3 MSEをAegis Weapon Systemに統合する試験を実施する。 ただこの取り組みには実射試験は含まれていない
 PAC-3 MSEは高度な脅威や極超音速兵器に対する戦闘で実証された兵器であり、海軍の現有能力をを確実に補完するという。
 米MDAはPAC-3 MSEをAegis Ashoreに統合するために、早い段階で同社に少額の資金を提供していた。 ルーマニアとポーランドに配備されたAegis Ashoreは、まだ
FOCには達していない
2023.08.09
 00:01
Defense News US Army plans to grow Patriot missile defense force <2309-080901>
 米陸軍
SMDC司令官のカーブラー中将がSMDシンポジウムで8月8日、Patriot部隊の増強を明らかにした。
 陸軍はPatriotを現在15個大隊保有しているが、議会はFY23 NDAAで陸軍に対し、Patriot部隊増強について報告するよう求め、更に1個大隊分の予算を配分していた。
2023.05:14
 20:29
朝日新聞

(Yahoo)

ロシア軍、大半が訓練不足の予備役兵 作戦は歩兵中心か 英国分析 <2306-051408>
 英国防省が14日、ウクライナで戦うロシア軍部隊について、大半が訓練不足の動員された予備役兵で、旧式装備への依存度がますます高まっているとの分析を公表した。
 また、多くの部隊が深刻な戦力不足に陥っており、単純な歩兵中心の戦闘になっているとも指摘した。
 同省の分析によると、ロシア軍は侵攻の長期化により訓練不足の部隊に取って代わられ、航空作戦を自由に展開できない状態との見方も示した。
2023.05:10
 13:22
Inside Defense After Patriot downs Russian missile, MDA wants to 'build out' counter-hypersonic capability <2306-051014>
 ウクライナでPatriotが極超音速兵器を撃墜したのを受け、MDAが陸軍にPatriotの改良を共同で行う呼びかけを行った。
 MDA長官のヒル海軍中将は今まで対極超音速兵器にSM-6を使おうとしていた
2023.05:06Stars & Stripes Ukraine downs Russian hypersonic missile with US Patriot <2306-050610>
 ウクライナ空軍が5月6日に、ロシアがMiG-31Kから発射した極超音速ミサイルKh-47 Kinzhalを4日にPatriotがキーウ上空で撃墜したと発表した。 これはPatrio初の戦果発表で、ウクライナ軍が゛初めて極超音速ミサイルを撃墜した発表でもある。
 Kh-47 KinzhalはMach10の速度で射程は2,000kmという。
2023.05.03 Jane's Defence Weekly Lockheed slates more flight-testing for PAC-3 and Aegis <2307-050302>
 Lockheed Martin社がAegis AshoreでのPAC-3の使用を念頭に2024年始めにAegis Combat SystemによるPAC-3の発射試験
WSMRで実施する。  PAC-3をSM-6の補完として使用しようというもので、PAC-3とMk 41 VLSとの整合が確認される。
2020.10.16 Inside Defense Lockheed drafting proposal for sea-based PAC-3 to counter hypersonic threats <2011-101612>
 Lockheed Martin社が9月に米MDAに、超高速兵器の終末迎撃用としてPAC-3 MSE弾の艦載型である"Sea-Based Terminal Future Interceptor"を提案している。
2020.10.07 Inside Defense Russia reports successful test launch of hypersonic missile <2011-100706>
 米MDAが1月から8月の間に米BMDSの欧州配備 (EPAA) 第3段階となるPatriotとTHAADの連接試験を3回実施した。
 GTI-20 Sprint 1は米中央軍と在欧米軍の指揮下に行われた。
【註】
 MDAは2010年2月にBallistic Missile Defense Reviewで、EPAA Phase 3ではSM-3 Block ⅡAと陸上型 SM-3でIRBMまでに対処するとしていた。
2020.10.01 MDA HP Missile Defense Agency and U.S. Army Test Interoperability of THAAD and Patriot Missile Defense Systems <2011-100111>
 米MDA、陸軍ミサイル宇宙開発室、陸軍
SMDCが、2月20日と10月1日にTHAADとPatriotによる迎撃試験FTP-27を実施した。 10月1日の試験ではTHAADのAN/TPY-2レーダが捕捉した目標情報で発射したPAC-3 MSEBlack Dagger標的の撃墜に成功した。
 2月20日の試験ではPAC-3 MSE弾の発射までは成功したがBlack Dagger標的の撃墜はできなかった。
2020.10.01 Defense News MDA and Army see successful Patriot and THAAD test after failure <2011-100110>
 米MDAと陸軍が10月1日に
WSMRで、THAADのAN/TPY-2レーダが捕捉した目標情報PAC-3 MSE弾を発射し、Black Dagger標的を撃墜する試験に成功した。 この試験は2月ににも行われたが、その際には目標を迎撃できなかった。
 この試験でTPY-2とPAC-3 MSE弾は陸軍の対空指揮統制システムIBCSに適合することも実証された。
 PAC-3は昨年、低価格仕様弾PAC-3であるPAC-3 CRIを用いた航空機標的の迎撃試験で、今まで最大射距離での撃墜に成功している。
2019.11.20 Jane's Defence Weekly Germany boosts investment in Bunderswehr equipment <2001-112007>
 ドイツ国会が11月7日、€560M ($618M) にのぼるドイツ軍の装備品調達計画を承認した。 その中で大きな額を占めているのがPAC-3
MSE50発の購入費で€292.5Mになっている。
 この他にNATO初動対処部隊 (VJTF) に差し出している独陸軍が装備する指揮統制端末装置2,200キットの調達費€115.7Mなどがある。
2019.07.24 Jane's Defence Weekly Netherlands receives first upgraded Patriot <1909-072409>
 オランダ国防省が7月15日、同国が4個システムの改良を計画しているPatriot最初の1個システムを13日に受領したと発表した。
 オランダは2022年までで4個システム全ての改良を完了し、2040年まで装備するという。
2018.07.26 Defense News Patriot missile breaks its own distance record to defeat threat target in test <1808-072602>
 Lockheed Martin社によると、26日に
WSMRで実施した射撃でPAC-3 MSE弾が、過去最長の距離で CM標的を撃墜した。
2018.04.06 MDA HP Missile Defense Agency and U.S. Army Test Interoperability of THAAD and PATRIOT Missile Defense Systems <1805-040608>
 米MDAと陸軍が
WSMRで6日、THAADとPatriotによるSRBMを模擬したLynxミサイルの捕捉追随試験 FTX-35を実施し、両者の共同運用を検証することに成功した。
 改善型ソフトウェアであるTHAAD 3.0を実装したTHAADはAN/TPY-2で目標を発見追随し、一方のPatriotも目標の追随を行い、両者はデータリンク でデータを共有した。
2017.11.29 Defense News Complex PAC-3 missile test paves way for full-rate production decision <1712-112913>
 Lockheed Martin社が28日、PAC-3弾5発
TBM標的4発を撃墜する試験に成功した と発表した。 試験に使われたのはPAC-3低価格弾(CRI)4発とMSE弾1発で、MSE弾の迎撃成功は2016年夏以 来である。
 PAC-3 MSEは2パルスロケットモータや大型翼の採用により射程を二倍にしたほか、BM やCMに対する性能を向上さてせいている。
2017.10 International Defence Review Lockheed Marin progresses concept studies for PAC-3 MSE derivatives <1712-100005>
 Lockheed Martin社が自社経費で、PAC-3
MSE弾を元に、航空機搭載、艦載、地上発射 に使用する直撃弾の研究を行っている。
 同社が進めているCUDAは、全長0.76mのMHTKから全長5.8mのPAC-3 MSEの覆域カバーするもので、 全長は1.8m (6ft)になる。
【註】
 CUDAはF-22の機内弾庫搭載が可能な直撃型ミサイルで、
Cuda について報じた Web Site
Cuda について報じた Web Site
2016.07.08 Defense News PAC-3 MSE missile intercepts target in last test in series <1608-070804>
 PAC-3
MSE弾の発射試験が8日にWSMRで行われ、航空機を模した標的を撃墜した。
 この試験は配備後に行われた試験PDB-8の最後のものであると同時に、米陸軍による初めての発 射試験であった。
2016.03.30 Jane's Defence Weekly US Army PDBB-8 Patriot defence system tested with dual missiles <1605-033006>
 米陸軍がPAC-3
MSE弾とGEM-T弾を組み合わせPatriot PDB-8システムによる弾道弾迎撃試験に成功した。
 PDB-8システムはMSE弾とGEM-T弾を目標に応じて使い分けるシステムで、操作卓を近代化すると共に、信頼性が40%向上した処理装置と、新型のレーダ信号処理装置を 採用している。
2015.12.16 Defense Newss Omnibus '16: land-based missile procurement gets plus up <1601-121604>
 米議会が15日に公表した$573BのFY16国防予算で、陸上発射ミサイルの購入費が増額されている。 PAC-3
MSE は政府要求の$415Mに$100Mが追加された。 これは政府予算案と一緒に提出された、各軍等が要求したものの政府 案では計上されなかったリストを元にしたものである。
 MDA では CKV に$20Mが配当され、次世代型 DACS の開発に$10Mが配当されている。
2015.12.10 Military Times White Sands Missile Range test missile streaks across Southwest <1601-121006>
 
WSMR の北西215哩にあるニューメキシコ州の古い補給廠から WSMR に向けて発射された Juno 標的ミサイルが、螺旋 状に落下する様子が245哩離れたフェニックスからも目撃された。
 WSMR によると Patriot により撃墜されたもので、1発目が撃墜したのち、2発目は自爆させられたという。
2015.12.10 Defense News PAC-3 MSE missile now three-for-three in tests since November <1601-121005>
 PAC-3
MSE の発射試験が10日に行われ、11月12日、19日に引き続き三回目の迎撃に成功した。  今回の試験では航空機標的を、11月19日の試験では古くなった Patriot を標的に改造した PAAT が用いられた。
 今回の試験はFY19での IOC が予定されている Northrop Grumma社製の指揮装置 IBCS の 試験を兼ねて行われた。
2015.12.02 Jane's Defence Weekly PAC-3 scores two successful tests in November <1601-120213>
 PAC-3 が11月12日と19日の2度、発射試験に成功した。 この試験では Northrop Grumman社の 指揮装置
IBCS の試験も行われると共に、初めて Sentinel レーダも連接された。
 12日の試験では MQM-107 が模擬 CM 標的として使用され、19日の試験では古くなった Patriot が標的になった。
【註】
 この試験は PAC-3 MSE 弾の試験で、19日に使用された標的は PAAT であった。
2015.08.05 Jane's Defence Weekly US approves larger PAC-3 to Saudi Arabia <1509-080507>
 米国防安全保障協力局 (
DSCA) が7月29日、サウジアラビアに PAC-3 を輸出する二度目の通告を公表した。
 米国は2014年10月にサウジに対し、PAC-3弾202発と、PAC-2 仕様を PAC-3 仕様に改修する36個キットを$1.75Bで輸出して いるが、今回は PAC-3 CRI弾600発で、総額は$5.4Bにのぼると見られる。
2015.04.21 Military Times Poland to build missile defense with U.S. <1505-042102>
 ポーランド国防省が21日、Wisla 計画の名のもとに進めている中距離 SAM 整備計画は、機種と して Patriot の採用を決めたと発表した。 ポーランドは2025年までに8個
FU の Patriot を 整備する計画で、そのうちの3個 FU は、契約調印後3年以内に取得したいとしている。
 生産にはポーランドの企業があたる。
2013.08 Jane's Missiles & Rockets Three PAC-3 MSE missiles engage threats <1309-080010>
 PAC-3 MSE弾の迎撃試験が WSMR で行われ成功した。
 試験では1発の TBM 標的に対し2発の MSE弾が斉射され、一発目が標的を撃墜したため二発目は指令爆破された。  三発目は CM を模した BQM-74 を撃墜した。
【註】
 記事では2発を斉射 (salvo) としているが、二発目を指令爆破する時間の余裕があることから、射撃は連射 (ripple) で行われたと見られる。
2013.06 Jane's Missiles & Rockets PAC-3 destroys TBM target <1307-060017>
 PAC-3 による TBM 標的に対する試験が4月12日に WSMR で行われ、迎撃に成功した。 Raytheon社によると 迎撃が難しい標的であった。
 この試験は今年後半に計画されている PAC-3 MSE弾の発射試験に向けたリスク低減活動であった。
2013.02 Jane's Missiles & Rockets PAC-3 salvo fired against TBM target <1303-020019>
 MEADS 発射試験の7日後に、PAC-3 MSE 弾2発の連射試験が行われた。
 一発目が TBM 標的を撃墜したため、二発目は計画どおり爆破された。
2011.05 Jane's Misilles & Rockets PAC-3 MSE makes successful intecept <1107-050006>
 PAC-3 MSE の発射試験が3月2日に行われ、Orbital Sciences社製の弾道弾標的 PTV の迎撃に成功した。  PAC-3 MSE の迎撃成功は二度目である。
 PTV は Fort Wingate Launch Complex-96 から WSMR を南に向け発射された。
2011.04 International Defence Review PAC-3 MSE ripple fire success <1107-040010>
 PAC-3 MSE の迎撃試験が3月2日に行われ、今までで最も困難な標的の迎撃に成功した。 試験では1発の PTV TBM 標的に対し、Patriot の射撃手順に従って2発が連射されたが、1発目で標 的を破壊した。 1年前に行われた前回の試験でも PTV の迎撃に成功している。
 PAC-3 MSE の配備開始は2012年に計画されている。
2011.03.09 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin hits target with PAC-3 MSE <1104-030906>
 Lockheed Martin社が3月2日、PAC-3 MSE 弾の迎撃試験に成功した。 標的について詳細は明らかにされていない が、Orbiral Sciences社に2発発注された PTV 標的弾の2発目である。 Juno と呼ばれる PTV は、 Fort Wingate 発射基地から南方に向け発射された。
【註】
 Fort Wingate は New Mexico州 Gallup 近郊にあり、WSRM からの距離は320~360kmである。
2010.03.31 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin seeks MSE integration <1005-033101>
 Lockheed Martin社が PAC-3 MSE弾の Aegis艦への装備及び空中発射を提案している。
 これについて米空軍は MDA と協議を行っているが、具体的な検証要領についてはまだ決定していない。
2010.02.10 Jane's Defence Weekly PAC-3 and Stunner vie for air-defence supremacy <1003-021006>
 シンガポール航空展で PAC-3 MSE と David's Sling の迎撃弾である Stunner が覇を競っている。
PAC-3 MSE
 PAC-3 MSE は高性能のロケットモータや改良型 Lethality Enhancer、高応答操舵面を持つため、従来の PAC-3 CRI 弾に比べて掩護範囲が画期的に拡大する。 PAC-3 MSE の迎撃試験は2月に開始され、2011年末か2012年初頭の生産開始が計画さ れている。
Stunner
 Rafael社が Raytheon社と共同で開発している Stunner は、PAC-3 同様、TBM、CM、航空機を撃墜できるほかに、C-RAM 性も持つ。 し かも価格は PAC-3 の1/4であるという。
 迎撃試験は年内に開始され、2013年 IOC が計画されている。
2009.10.26 Aviation Week & ST Tenuous team <0912-102607>
= MEADS 計画の財政上の問題に関する記事 =
 米陸軍は48個 FU、ドイツ軍は12個 FU、イタリア軍は12個 FU を MEADS に換装する計画で、 ドイツは更に12個 FU の換装も考えている。
 MEADS が使用する予定の MSE弾は PAC-3 より射程が50%以上伸びるが、今年初めに行われた発射試験では点火装置 の不良から第一段目には点火したものの第二段には点火しなかった。 再設計された当該部品は2ヶ月以内に納入され、来年1月には発射試験が行 われる。 MEADS システムと組み合わせた発射試験は2012年になる。
2008.09.15 Aviation Week & ST Terminal range <0811-091506>
 ロケットモータの径を1.5吋大きくしパルスロケットにして PAC-3 の射程である40~60km二倍 にする MSE は、PAC-3 の4発入りキャニスタに1発が装填される。 迎撃試験は来年2回計画されており、1 回目は来年初めに SRBM に対して行われる。 MSE の装備化は2010~2012年になる。
 Lockheed Martin社は MSE の空中発射型NCADE の対抗馬として、ブースト段階迎撃用に提案している。 空 中発射型は MSE をポッドに収納して翼下に下げ、ポッドを開いて投下したのちに点火する方式である。 また、艦船の弾道弾、CM および 3M54E/E1 の様な高速対艦ミサイル用に使用する艦載型も提案している。
 一方 MEADS はオランダが導入を決め、UAE とポーランドも導入を検討している。
2008.03 Jane's Missiles & Rockets MEADS switches to upgraded version of PAC-3 MSE missile <0804-030009>
 NATO の MEADS 計画管理局が、システムの主ミサイルを PAC-3 MSE 弾に変更する決定を行った。 当初計画 では PAC-3 CRI (Cost Reduction Initiative) 弾を使用することになっていた。 この変更に伴い MEADS 計画管理局は MI (MEADS International) と$66Mの契約を行った。
 MSE (Missile Segment Enhancement) 弾はロケットモータとフィンを大型化(右図)して運動能力を向上させ 、更にソフトと Leathality Enhancer を改良することにより、弾道弾及び巡航ミサイルの迎 撃能力を向上させるもので、射程を最大で50%向上させる。
 しかしながら2007年5月に行われた発射試験は失敗し、次回の試験が2008年の4月か5月に行われる。 弾道弾の迎撃試 験は2008年後半に計画されている。
2007.08 Jane's Missiles & Rockets MEADS enters system-level proliminary design review <0717-080010>
 MEADS システムレベルでの事前設計審査が開始されており10月20まで続けられ る。 この審査が終わると開発は基本設計から詳細設計に移行する。 CDR は2009年9月 に計画されており、2011年から2013年にかけて9回の試験が行われ 28発が発射される。
 MEADS には当初低価格型 PAC-3 弾が使用される計画であったが、現在では MSE 型 PAC-3 に変わっている。  射程が50%延伸し、BM や CM 迎撃能力が向上する PAC-3 MSE の最初の発射試験は5月に行われたが 失敗した。 次回の試験は2008年1/四半期に計画されている。
 ドイツは MEADS の補完用ミサイルに IRIS-T SL(右図)を決め、5月11日に$166Mの開発契約を行った。  IRIS-T SL は lower-tier ミサイルとして航空機、ヘリ、UAV のほか、戦術 ASM、低空飛行 CM、誘導爆弾の迎撃に当たる。  Diehl社は IRIS-T SL を MEADS 補完用以外にも考えている。
2007.03.12 Aviation Week & ST Mature market <0707-031208>

 先月 UAE で Idex 防衛展示会が開催され、欧米企業は開発中の装備を含む防空システム等の積極的な売り込みを行った。 GCC 加盟 の湾岸諸国はミサイル防衛の強化方針を固めており、極めて大きな市場となりつつある。

 LockMart社は THAAD 及び PAC-3/MSE の複合配備を最適とする提案、Raytheon社は Patriot、Hawk XX1 及び SLAMRAAM を提案して いる。

 一方ドイツの Diehl BGT社は Iris-T SLを、フランスの Thales/MBDA社は SAMP-T 及び VT1 を提案している。

2004.08 Jane's Missiles and Rockets US and Euripean MEADS will have different software for the MFCR <0417-080006>
 MEADS の国際開発における技術移転の問題から、MFCR (Multifunction Fire Control Radar: 右図) のソフト ウェアは、欧州諸国と米国は別々に開発することになった。
 SDD の MoU は技術移転に関する付属文書を除いてほぼ完成しており、2004年9月に最終合意に至ると見られる 。 発射機は米国が70゚固定発射角方式を主張していたが、結局6発パックを2個搭載する垂直発射型に決まった。
 MEADS はFY-12を装備化 (ISD: In-Service Date) 年度、FY-14に最初の部隊配備を予定されているが、当該時 点で PAC-3 は装備化後約10年を経過し、改良が予定されているため、米、独、伊、の3ヶ国は改良型である MSE (Missile Segment Enhancement) 弾に関心を持っている。
(MSE 関連記事 JDW 2004.03.10)
 MSE 開発は2003年7月に Lockheed Martin社が受注し、2006年9月に最初の発射試験、2007~ 2008年に迎撃試験が予定されている。
 MSE は2パルス型の大型ロケットモータと大型のフィンを持ち、速度が向上するのに伴い高 度性能が50%向上する。 フィンは折り畳み式のため従来のキャニスタに収納可能で、発射機もそのまま 使える。
2003.12.22 Aviation Week & ST Parching Patriot (#2)  米陸軍は PAC-3 弾の航空機に対する射程を2倍にし、弾道弾との交戦空域は約50%増加 する MSE (Missile Segment Enhancement) 計画を進めており、2006年に発射試験、2007年に 迎撃試験を2回予定している。
 MSE 弾はロケットモータを大型化して2パルスロケットとし、翼を 大型化することにより、終末運動性を向上させている。 翼を大型化しても折り畳み式にすることに より同じキャニスタに収納できる。
 更にテレメータの搭載により交戦状況の確認ができるようになる。
2003.07.21 Defense News PAC-3 to get upgrade  米陸軍はこのほど、PAC-3弾の改善を行うことを決め、総額$260Mで Lockheed Martin社と契約した。
改善は MSE (Missile Segment Enhancement) と呼ばれ、スパイラル方式により51ヶ月の間、軍の要求に基づ き、新たな脅威に対応しうる様に機能強化を図る。
 発射試験は2006年から WSMR で開始される予定となっている。