ロシアの超高速巡航ミサイルに関する報道

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2020.10.07 Defense Update Russia confirms Tsirkon hypersonic missile test <2011-100707>
 ゲラシコフ露軍参謀総長が10月7日にプーチン大統領に、6日に白海で行われたフリゲート艦Admiral GorshkovTsirkon (Zircon) 超高速CM最終段階となる性能確認試験成功したと報告した。 この試験でTsirkonは高度28km (91,000ft)、速度Mach 8以上4.5分にわたり450kmを飛行したという。
 Tsirkonはラムジェット推進のP-800 Onyxと異なりスクラムジェットで推進する。 ラムジェットでは亜音速で燃料燃焼させるのに対し、スクラムジェットでは超音速の衝撃波を利用して吸気と燃料の圧縮を行うため速度の制限を受けない。
 今回の試験成功を受け2020年中にProject 885M潜水艦Kazanが発射試験を行う。 Tsirkonは7月に二番艦が就役し2027年までに更に8隻が計画されているProject 22350フリゲート艦が24発ずつ装備するほか、Project 22350Mフリゲート艦も48発ずつ装備し、戦闘巡洋艦Admiral Nakhimov及びPyotr Veliky80発ずつ発射機を備えている。
 更にP-800 Yakhontに地上発射型のBastionができたように地上発射型Tsirkonが登場する可能性もある。
2020.10.07 Defense News Russia reports successful test launch of hypersonic missile <2011-100705>
 プーチン露大統領が10月8日、Zircon超高速CMの発射試験に成功したと述べた。 ゲラシモフ露参謀総長によると試験は7日に行われ、白海でフリゲート艦Admiral Groshkovから発射されたZirconはバレンツ海の標的に命中したと言う。
 Zirconについてプーチン大統領は2019年に、射程は1,000km、速度はMach 9と述べている。
2020.10.07 ロイタ通信

(Yahoo)

ロシア、極超音速ミサイル発射実験に成功 プーチン氏誕生日に公表 <2011-100704>
 ロシアが6日、超高速巡航ミサイルZircon(註:3M22)の発射試験をバレンツ海で成功させた。 ゲラシモフ軍参謀総長がプーチン大統領の68歳の誕生日に当たる7日に大統領に報告した。
 参謀総長によると、Zirconは白海でAdmiral Gorshkov級フリゲート艦から発射された。
【関連記事:2004-030205 (Jane 2020.03.02)】
2017.04.20 Yahoo 聯合ニュース記事

「北東アジアで超音速対艦ミサイル開発競争 韓国は20年ごろ配備」

<1705-042001>
 南北朝鮮をはじめとする朝鮮半島周辺の国が超音速対艦ミサイルの開発競争を行なっている。
韓 国
 韓国軍消息筋が20日、韓国がMach 3~4で射程300~500km
ASCM 2020年頃までの配備を目標に開発している。
北朝鮮
 韓国軍当局は北朝鮮も超音速の対艦ミサイルを開発していると分析している。 北朝鮮はミサイル艇に搭載するASCMを開発し、15日に平壌で行われた軍事パレード で公開した。
 一部の専門家は北朝鮮が新しい対艦ミサイルを開発中であり、Scud-ERやNo Dong、北極星もASBMになる可能性があると見ている。 こ れと関連して米国メディアが18日、北朝鮮が空母などに対抗してKN-17を元にした新型ASBMの試射を行なっていると報じた。
ロシア
 ロシアはMach 8で飛行するジルコン対艦ミサイルの試射に成功した。
中 国
 中国も超音速の対艦ミサイルとして使用可能なDF-ZFを2014年1月から2016年4月までに合計7回の試射を実施し、Mach 5~ 10に達したと見られている。
日 本
 日本は超音速のXASM-3の開発をほぼ終え、量産体制に入るとされる。
2014.10 International Defence Review All mossiles great and small: Russia seeks out every niche <1411-100014>
= ロシアのミサイルに関する6頁の記事 =
Kh-101/Kh-102
 全長7.5m、重量2,5400kgの亜音速 CM で、通常弾頭型の射程は4,000km、核弾頭型は5,000kmである。 2010年~2011年に 量産を開始したと見られる。
Tactical Missiles
 Kh-SD は Kh-101 と似た形状ではあるが、全長6m、重量1,500kmと小型で射程2,000kmの CM で、2011年に計画中止 となったが、Kh-SD-ON として復活している。
 Kh-SD とほぼ同寸の Kh-MT超音速 CM で射程は1,000kmである。
Hypersonic Programme
 GZ UR は MBDA社と共同研究していた LEA 超高速飛翔体の成果を元にした超高速 CM で、またインドとも BrahMos-2 超高速 CM の共同開発で合意している。
Lightweight Missiles
New Guided Bomb
Upgraded the Legacy
Air-to-Air Missiles
Long Range Engagement
2013.11 Jane's Missiles & Rockets Russia to arm new bomber with hypersonic ASM <1312-110015>
 ロシアの High-Precision Systems社が、2020年代初期に配備される次世代亜音速爆撃機 PAK-DA が、超高速 ASM を装備 することを明らかにした。 同社によると、この ASM は大気圏内超高速長時間飛行するもの で、現在 Mach 4.5 での飛行試験が行われているという。
2013.05.01 Jane's Defence Weekly Russia to draft hypersinic missile programme <1306-050104>
 ロシア KTRV社幹部が4月23日、2013年中頃までに超高速ミサイル開発計画を策定すると述べた。
 同社はソ連時代から、 Kholod 計画の名の下に S-200 (SA-5) を改良した超高速ミサイルの研究開発を行っており、同社の隷下にある Raduga社が開発していた GELA は、1997年のモスクワ航空展で公開されている。
【 GELA 関連記事:0405-030104 (AW&ST 2004.03.01)】
2013.03 Jane's Missiles & Rockts Russia plans hypersonic test flight <1304-030021>
 イズベスチャ紙が1月14日、ロシアが Mach 5 の超高速ミサイルの飛行試験を7月~8月に実施すると報じた。 2012年9月には副首相が、超 高速技術開発への投資を拡大すると述べている。
【関連記事:1210-090502 (JDW 2012.09.05)】
 同紙は2012年12月22日に、この計画はソ連時代と1990年代に研究が続けられていた Raduga設計局の Kh-90 GELA を継承するものと報じてい る。
【 Kh-90 GELA 関連記事:0405-030104 (AW&ST 2004.03.01)】
2013.01.23 Jane's Defence Weekly Russia working on hypersonic weapon <1302-012313>
 ロシア超高速空投武器の開発を再開しており、パイロンから投下する試験を行っている。 現在は亜音速で2~3kmの飛 翔であるが徐々に速度を上げ、2013年7~8月には Mach 5+ にする計画である。
 ロシアはソ連時代に超高速ミサイルの研究を行ってきたが、兵器開発には至らなかった。
【 Kh-90 GELA 関連記事:0405-030104 (AW&ST 2004.03.01)】
【 3M-25 Meteorit 関連記事:0721-100808 (AW&ST 2007.10.08)】
2005.04 Jane's Missiles & Rockets Russia continues hypersonic work <0511-040009>
 ロシアの報道によると、同国は Topol-M (SS-27) ICBM に搭載する有翼 RV などの 超高速飛翔体の開発を引き続き進めている。
 Hypersonic Sstems Scientific Research Enterprise は1970年代から超高速飛翔体の研究開発を担当しており、1980年代には Ajax 計画に従事した。
 同所によると現在の研究は Ajax の様な水と炭化水素燃料を混合したものではなく、加熱された機体の熱を利用 した発展型の scramjet と MHD 発電を組み合わせたものを指向している。 これによると推力の増大がはかれる だけでなく、発電機の電力を EMP などの兵器としても利用できると言う。
2005.02 Jane's Missiles & Rockets Mobile Topol-M cleared for production <0506-020005>
 ロシアが2004年12月24日に、移動型 Topol-M (SS-27) の最終試験である4回目の発射試験を行い成功した。  この結果移動型 Topol-M は量産と配備が開始される。
 移動型 Topol-M について、かつて米国 UNSCOM の監察官であった Scott Ritter が1月に発行された雑誌で、米国の NMD では迎撃できないと発言した。 理由として、ブースタは固体燃料であるため燃焼時間が短く boost phase での迎撃が困 難であること、レーザ兵器への対抗手段を持っていること、RV の機動性が高く迎撃不可能などを挙げている。
 これに対して MDA は、GMD は北朝鮮やイランの少数の ICBM に対抗するものであり、ロシアや中国の ICBM に対抗するものではない と反論している。
(関連記事 JMR 2005.01)