「射程距離5000キロのステルスミサイル、ロシアが IS に34発爆撃」
Kh-101は Tu-95MS16 の4ヶ所のパイロンに2発ずつ計8発搭載
されている。 形状は Kh-55/555より細長く、ステルス性を高めるため三角形の断面
をしており、先端は掻き切ったようになっている。 Kh-101 は Kh-55 の後継になると見られる。
Kh-555は2004年に配備されたと見られる。 写真は Tu-95MS
の機内弾庫に搭載されるところである。 Tu-95MS には翼下パイロンに10発、機内弾庫に6発が搭載できるが、Tu-95MS が最大飛距離
を飛ぶ場合の搭載は機内弾庫の6発のみになる。
2023.07.21
01:48Ukrinform
ウクライナ空軍、ロシア軍使用のミサイル「オニクス」が撃墜困難な理由を説明
<2308-072103>
ウクライナ空軍司令部報道官が20日にTV番組で、ロシア軍がウクライナ南部攻撃にて使用しているOnix CMは高速かつ低空で飛来するため、ウクライナの保有する防空システムでは撃墜が困難だと発言した。
同報道官はOnixについて、対艦用でMach 2.6で飛翔し、高高度を飛翔後目標に突入する際には高度10m~15mを飛翔するため、現在ウクライナにある防空システムでは撃墜することはまず不可能だと述べた。
更にKh-555はもう製造していないのが明らかだが、Kh-101は月産100発の割で製造している。 Kh-22は古いソ連製のミサイルもあるが250発は保有していた。 だが既に150発を射耗したと述べた。
【註】
P-800 Onixはラムジェット推進の超音速対艦CMで、NATOコードではSS-N-26/SSC-5と呼ばれている。 また輸出仕様は Yakhont、陸上発射型はBastion、空対艦型はKh-61と呼ばれ、Bastionは北方領土への配備も報じられている。
また、Yakhontをインドと共同生産しているのがBrahMosと呼ばれ、フィリピンも採用を決めている。
2016.11.23
Jane's Defence Weekly
Russia ramps uu Syria strikes
<1701-112301>
シリアにおけるロシアの空爆が、11月15日以降Kalibr艦載CM、Bastion-P
対艦ミサイル、Su-33艦載機を投入し激しさを増している。 特にSu-33はロシアにとって初めての空母からの出撃で、TVのニュースで
は胴体下パイロンにFAB-500M-54汎用爆弾を搭載しているのが報じられた。 ただ11月14日に初めて空母Kuznetsovからシリアに向け発
進したものの地中海で墜落事故を起こしたMiG-29KRについては空爆に参加した形跡がない。
17日にはTu-95がロシア北部の基地から11,000kmを飛行してCM攻撃を行ったが、TASS通信によると少なくともその内の1機はKh-101搭載用に改造
されたTu-95MSMであったという。
2016.04.20
Jane's Defence Weekly
Modernised Russian strategic bombers to debut in Moscow Victory Day parade
<1606-042005>
ロシア空軍が5月9日に行われる戦勝記念日行事に、改良型爆撃機を参加させる計画で、4月13日に行われた予行では、改良型Tu-160M1 1機と、機
外にKh-101/102を装備した改良型Tu-95MS 3機が飛行した。
それぞれの改良型Tu-95MSは、7.5mのKh-101/102を搭載できるようにした機内弾庫に8発、
翼下に4発を搭載する。
2015.11.25
Jane's Defence Weekly
Russia launches long-range air sorties into Syria
<1601-112501>
ロシア国防省が11月17日、シリアで CM による大規模攻撃を行ったと発表した。 第一波は4,510km離れた北オセチア
(註:ロシア領)から飛来した Tu-22M3 が Raqqa と Deir-ez-Zor に対し OFAB-250-270 通常爆弾を投下し、第二波では
6,566km離れた Saratov から飛来した Tu-95MS と Tu-160 が、それぞれ Kh-555 (AS-15) と
Kh-101 ALCM を合わせて34発を14目標に対し発射した。
この日は現地にいる部隊も加わり、206目標に対し127ソティーの攻撃が行われた。 ロシアはシリア介入以来の48日間に、4,111目標に対して
2,289ソティーの攻撃を行っている。
2015.11.24
Yahoo
中央日報記事
<1512-112402>
ロシアが17日に ISIL の根拠地ラッカを空爆する際に最高の武器を動員した事実が明らかになった。
Tu-160 5機、Tu-95M 6機、Tu-22M3 14機など戦略爆撃機25機を動員し、
Kh-101 CM 34発を発射した。 Tu-160 と Kh-101 の実戦使用は初めてである。
Kh-101 は射程5,000kmの最新型ステルス CM で、CEP は9.1mにすぎず超精密打撃が可能である。
2015.11.17
Military Times
Putin: Russian ship to cooperate with France in Syria
<1512-111704>
プーチン大統領が17日、地中海にいる巡洋艦 Moskva に対し、シリアでの作戦で仏軍
と共同せよと命じた。 また国防相は、ロシア艦が ISIL の拠点である Aleppo と、Nusra 戦線の拠
点である Idib に対し CM 攻撃を行ったと述べた。
その数時間前にロシアは、10月31日の旅客機墜落は、テロリストが仕掛けた爆発物に
よることを認めた。
2014.10
International Defence Review
All mossiles great and small: Russia seeks out every niche
<1411-100014>
全長7.5m、重量2,5400kgの亜音速 CM で、通常弾頭型の射程は4,000km、核弾頭型は5,000kmである。 2010年~2011年に
量産を開始したと見られる。
・Tactical Missiles
Kh-SD は Kh-101 と似た形状ではあるが、全長6m、重量1,500kmと小型で射程2,000kmの CM で、2011年に計画中止
となったが、Kh-SD-ON として復活している。
Kh-SD とほぼ同寸の Kh-MT は超音速 CM で射程は1,000kmである。
・Hypersonic Programme
GZ UR は MBDA社と共同研究していた LEA 超高速飛翔体の成果を元にした超高速 CM で、またインドとも
BrahMos-2 超高速 CM の共同開発で合意している。
・Lightweight Missiles
・New Guided Bomb
・Upgraded the Legacy
・Air-to-Air Missiles
・Long Range Engagement
2007.12.03
Aviation Week & ST
Nuclear reaction
<0801-120305>
現在 Tactical Missile Systems 社の一部になっている Raduga社が設計した Kh-101/102 CM は、今のペースで開発が続けられれば
2000年代末には実用化されそうである。 Kh-55 (AS-15) の後継となる Kh-101/102 は機体前部に取り付けられ
た空気取り入れ口に出っ張りがないなどステルス化に重点が置かれ、Kh-55 では胴体後部に吊り下げられていたエンジンが機体内に収納されている。
更に燃料搭載量も増加していることから Kh-101/102 は Kh-55 に比べかなり大型になり、Tu-160 の機内弾庫には12発収納できるものの、Tu-95
では8発がパイロン搭載になる。 射程は Kh-55 の3,000kmから5,000km程度に延伸されている模様で、終末誘導は EO
によると見られている。
【註:】
Kh-101/102 は RCS=0.01㎡ と報 (JMR 2005.02) じられている。
2007.12
Jane's Missile & Rockets
Latest Russian cruise missile details emerge
<0802-120005>
ロシアの最新型 CM である Kh-101 と Kh-555 の写真を入手した。 写真で Kh-101 は Tu-95MS の
翼下パイロン4ヶ所のうち2ヶ所に1発ずつ搭載されている。 Tu-95MS は Kh-55 を翼下に10発機内弾庫に6発、合わせて16発搭載できるが、Kh-55 より細長い
Kh-101 は8発しか搭載できない。
Kh-101 は Saturn社製の TRDD-50 ターボジェットを搭載していると見られ、機体後部に収納されたポッド型のエンジン
は発射時につり下げられる。
2007.10.24
Jane's Defence Weekly
Details emerge of Russia's latest cruise missiles
<0722-102401>
JDW が Kh-101 と Kh-555 の写真を独占入手した。
2007.09.03
Aviation Week & ST
On Japan's doorstep
<0719-090314>
中国は初期型の核兵器を100~200基備え、最近は潜水艦発射の弾道ミサイル用核弾頭の開発を行っているほか、サイバ攻撃や UAV に
よる電子戦攻撃を行う可能性もある。 但し爆撃機や CM 搭載用核弾頭の開発は行っていないもようである。
日本は、中国や北朝鮮による軍事的示威、恫喝に対処する更なる防衛の強化が求められているが、米軍ではロシアの
ステルス型 CM の開発にも懸念を示している。
Kh-102 Raduga ステルス CM の飛行実験は最終段階に入ったとみられる。
電波吸収材を用いたステルス形状の機体は通常弾頭を搭載し Tu-160 や Tu-95 から発射される。 ロシアは更にプ
ラズマ発生型のステルス技術をミサイル用に開発している。
2005.02
Jane's Missiles & Rockets
Russian Air Force deploys non-nuclear cruise missile
<0506-020014>
2004年12月6日にロシアが、空軍が Tu-160、Tu-95 が通常弾頭型戦略巡航ミサイルを装備していると発表した。 これは恐らく
Kh-555 と見られる。
2003年に長距離空軍司令官が射程3,500kmの通常弾頭 CM が長距離空軍に配備されたと発言しており、今回の
発表は空軍の領収試験が終了し、実配備に入ったことを意味すると見られる。
同指令官は Kh-555 を、新型 CM までの暫定と認めているが、新型 CM とは RCS=0.01㎡ の
Kh-101 で、2004年には量産に入った模様である。
この他に複数のロシア紙が、爆撃機は射程1,200kmで515kgのクラスタ弾頭を搭載する CM である
OFAB-500 も搭載できると報じている。 OFAB-500 は完全なミサイルではなく、自由降下爆弾である。
2005.01.10
Aviation Week & ST
Strategic ambitions
<0503-011002>
ロシア空軍は戦略爆撃能力の維持強化の必要性を強く主張している。
空軍は次世代長距離攻撃機の検討を行っているが、将来も Tu-160 Blackjack を戦略空軍の中核に位置付け、
Tu-95MS Bear-H 及び Tu-22M3 Backfire C と共に改善を進めている。
Tu-160 は14機が運用中で、2005年に改善型2機が新たに追加される。
これら爆撃機の搭載武器となる巡航ミサイルの開発も進められている。
Kh-555 は Kh-55 (AS-15) の改善型で通常弾頭を装備し命中精度の向上が図られおり、2年以
内には試験発射を行う模様である。 また Kh-101/102 の新規開発も進められている。 Kh-102
は Kh-101 の核弾頭搭載型である。
2005.01
Jane's Missiles & Rockets
Russia conducts tests of new strategic missile systems
<0504-010007>
プーチン大統領が11月16日に、ロシアが新型の核ミサイルを試験中で2005年にも調達を開始すると発言した。
このミサイルとは有翼高速飛翔体を Topol-M ICBM の弾頭としたシステムか、飛翔
経路や高度を変えられる弾頭を装備した Bulava SLBM と見られている。 Blava は早ければ
2005年末、遅くとも2006年中には配備されると見られている。
2005年中にロシアは、現有の Topol-M 4個連隊に加えて新たに1個連隊を発足させる。 移動型の Topol-M はまだ配備されていない
が、2006年以降には、3~9基/年のペースで配備される。
(既報と同一内容に付き省略)
2003.08.25
Aviation Week & ST
Red star revival
ロシア空軍の戦闘機開発事業は10年間の停滞から抜け出し、先日のモスクワ航空ショウに数機の改善機種が展示され
た。
展示された Su-27SM は現在第2段階の改善が行われ、年末には5機が納入される予定だが、最終的にはロシアの第5世代戦闘機として
2015年までに運用が開始されるものとみられる。
この他、戦略爆撃機 Tupolev Tu-160 と Tu-95 の改善型が今回初めて展示された。
また、Su-32 の試験飛行が2002年に150回行われ、開発継続の可否に関する会議を終え、2010年頃の装備化を狙っている。
一方、巡航ミサイルに関しては Raduga社が Kh-101 と Kh-555 の開発を進めている。 Kh-101 は射程5,000km
のステルス型通常弾頭 CM で、既に導入を開始している模様。 Kh-555 は AS-15 Kent を基
本に核弾頭を通常弾頭に変更した CM で、射程は約3,000km。
両機種とも最終段階に EO 誘導装置を使用しているものとみられる。
2003.05
Jane's Missiles & Rockets
Russia deploys conventional-warhead cruise missile
ロシアの通常弾頭型巡航ミサイルは Kh-555は、2002年秋から遠距
離空軍で運用が開始されている。
Kh-555 は核弾頭装備の Kh-55SM (AS-15B) の改良型で、Kh-101 用に開発した EO ホーミングシーカを搭載し、コンフォーマル式の外
部増槽により射程を Kh-55SM の3,000kmから3,500kmに延伸している。
しかしながら Kh-555 は1980年代から開発中の長距離型 Kh-101が運用開始されるまでの繋ぎであ
る。 Kh-101 はステルス性を考慮した機体で RCS は0.01㎡となっている。
Kh-101 は当初 Tu-95MS に8発、Tu-160 に12発搭載されるが、ゆくゆくは Tu-22M3 や
Su-27 にも搭載される。
Kh-101 は元々プロップファンを搭載する予定であったが問題があり、暫定的に Kh-101 と同様にターボファンエンジンを
胴体下に取り付けている。
┃ ┃ Kh-555 ┃ Kh-101 ┃
┣━━━━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━┫
┃発射重量 (kg) ┃ 約 1,600 ┃2,200~2,400┃
┃全 長 (m) ┃ 約 6 ┃ 7.45 ┃
┃巡航速度 (m/s) ┃ 不 明 ┃ 190~200 ┃
┃最大射程 (km) ┃ 3,500 ┃ 5,000 ┃
┃最大速度 (m/s) ┃ 250 ┃ 250~260 ┃
┗━━━━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━┛
2002.07
Jane's Missiles & Rockets
Russian Air Force plans ALCM upgrades
ロシアはウクライナから移管された核弾頭装備の Kh-55SM を、通常弾頭装備の Kh-55Sh/Kh-555 に改造し、爆撃機部
隊の強化を行う。
一方 Kh-55 の一部は、改良型核弾頭装備 CM の Kh-SD に改造される。
ロシア空軍参謀総長は2000年に、ソ連時代から開発が行われている Kh-101(通常弾頭)/Kh-102(核弾頭)が、2003年に運用開始され
ると発表している。 しかし運用開始はこれより遅れそうである。