イスラエル USRMD に関する報道

 
年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2024.09.19 Defense Update Rafael Breaks Cover of Iron Dome Mission Modules <2410-091929>
 Rafael Advanced Defense Systems社が、先週オーストラリアで開催されたLand Forces 2024展示会と、今週ワシントンDCで開催されたAir Force Association Air, Space, and Cyber (ASC) イベントで、新しいIron Dome Mission Moduleを展示した。
 
JLTVなどの軽戦術車両に搭載された移動式レーダ10発搭載発射機で構成されるIron Dome Mission Moduleは、各種プラットフォームに統合できるコンパクトで柔軟なシステムで、RAM、UAVなどの経空脅威に迅速に対応できる。
 このモジュールは、固定および移動構成で展開できるため、さまざまな運用ニーズに幅広く対応できる。
 このシステムは、海外に配備された空軍または海兵隊の部隊を不測の事態から保護する戦術的な階層型防空の一部として配備されるように設計されている。
 オーストラリアがクイーンズランド州とノーザンテリトリーに配置する沿岸揚陸群が装備する計画に対応している。
 Iron Domeは、数千発のロケット弾を成功裏に迎撃した実績のあるシステムで、多層防空の主要な構成要素として同盟国に売り込まれている。
2024.04.09
 12:47
SOFREP Israel’s maritime C-Dome downs drone in first operational combat interception <2405-040908>
 イスラエル国防軍が4月8日、Sa'ar 6コルベット艦が装備したIron Domeの海軍型であるC-Domeが紅海での初の実戦でUAVを撃墜した。 C-DomeはSa'ar 6コルベット艦4隻に装備されている。
 Sa'ar 6は、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃を受けて、ガザでの戦争中にガザ沖に配備され、イエメンのフーシ派によるUAVやミサイル攻撃の脅威にさらされていた南部のエイラート沖の紅海に送られた。 報道によると、ここ数週間、イランが支援するイラクの民兵組織も、エイラートを突入攻撃型UAVで威嚇している。
2023.10.12
 17:01
CNN

(Yahoo)

イスラエルが頼る防空ミサイルシステム、ハマス攻撃にも対処 <2311-101221>
 ハマスはイスラエルへの大規模攻撃数千発ものロケット弾を浴びせたが、これを迎撃するのがIron Domeだった。
 Iron Domeは移動式で10個システム編成され、各システムはそれぞれ3~4基の発射基を持ち、防御範囲は最大で155㎢に達する。
 イスラエル軍によると90%を超える命中率を誇るIron Domeは、2023年5月にガザの武装組織イスラム聖戦が仕掛けたロケット弾攻撃では95.6%撃ち落としたという。
2023.05:05Defense Update Rafael's new naval air defense systems combat evolving threats <2306-050517>
 従来の艦載防空システムの役割が主として対艦ミサイル対処であったが、近年では誘導/無誘導ロケット弾、BM、UAVなどへの対処が主となりつつあることから、Rafael社が艦載防空システムとして新たに2種類を採用した。
Iron Beam
 Rafael社は2022年3月にIron Beam
HELの地上試験を完了している。
C-Dome
 Iron Domeの艦載型で、レーダ、BM装置、16発搭載発射機からなる。
2022.12.01
 01.10
DefenseNews Hungary eyes Iron Dome, as new air defense radars are on the way <2301-120102>
 ハンガリーがELMA-2084レーダを含めたIron Domeシステムの導入に関心を持ち、できれば2023年早早にも入手したいとしている。
 ハンガリー国防省によるとノヴァーク大統領とブロヴニツキー国防相は11月初めにテルアビブを訪問した際にIron Domeの展示を視察している。
2022.04.27 Jane's Defence Weekly Israel DDR&D announces successful prototype laser live-fire tests <2207-042706>
 イスラエル国防省の
DDR&Dが4月14日、地上設置型HEL Iron Beamによる最初の実照射試験を実施したと発表した。 主契約社であるRafael社が実施した試験は飛翔中UAV迫撃砲弾ロケット弾ATGMに対して行われた。
 Rafael社はElbit社と共同でIron Beamを開発しているが、Elbit社は2021年6月に航空機に搭載した100kW HELによるUAV撃墜に成功している。
【関連記事:2108-063009 (JDW 2021.06.30)】
2022.04.14
 10:57
Breaking Defense Beyond killing drones, Israeli laser knocks mortars out of the sky: Military <2205-041406>
 イスラエルが最近行われた対空レーザ兵器の試験で、UAVの他、迫撃砲弾ロケット弾撃墜にも成功した。
 イスラエルは近年、イラン製のUAVを用いたヒズボラの攻撃を警戒しており、
C-UAVとしての対空レーザ兵器の開発を進め、2021年にUAVの撃墜に成功していた。 今回の試験ではUAV以外の撃墜能力が実証された。
2022.03.30 Jane's Defence Weekly Israel to award Iron Beam laser system contract to Rafael <2206-033008>
 イスラエルのガンツ国防相が3月17日に
DDR&D所長のローテム准将とRafael社のIron Beam関連施設を視察した後、Iron Beamの開発と生産の予算を大幅増額すると述べた。 ベネット首相は1月1日に、Iron Beamは1年以内にoperationalになると述べている。 また国防省はIron Beamについて2020年1月に技術的なブレークスルーがあったと発表している。
 Rafael社は2014年にIron Beamを公表していた。
【関連記事:1404-021905 (JDW 2014.02.19)】
2022.03.02 Jane's Defence Weekly First Israeli Sa'ar 6 corvette completes C-Dome live-fire test <2206-030203>
 イスラエル国防省が2月21日、4隻建造するSa'ar 6コルベット艦の初号艦Magenで実施されてきたIron Domeの艦載型であるC-Domeの試験を完了したと発表した。
 MagenにはElta社製EL/M-2248 MF-STAR艦載型であるAdirが装備され、C-DomeはMagen
VLSから発射された。
 C-Domeの試験は2016年にSa'ar 5コルベット艦で行われている。
 Magenには40発のC-Domeを装備できるが艦の後部には更に2基のVLSが装備されており、ここには射程70kmTBMを迎撃できるLRADが32発装備できる。
2022.02.02 TBS News

(Yahoo)

イスラエル最新鋭レーザー防空システム 1年以内に試験運用開始か <2203-020207>
 イスラエルのメディアが、ベネット首相レーザーを使った防空システムLaser Wall試験運用1年以内に開始できるという見通しを示したと報じた。
 開発が最終段階に入っているとみられるLaser Wallは、昨年行われた実証実験で1km先を飛行するUAV100%の確率で撃墜したという。
 イスラエル国防省は、今後100kWのレーザーを目指し、迎撃有効距離を20kmまで広げる計画で、近隣の友好国への輸出も検討している。
【関連記事:2108-063009 (JDW 2021.06.30)】
2022.02.01 Stars & Stripes Israeli prime minister says Iron Dome too pricey, lasers next for defense <2203-020113>
 イスラエルのベネット首相が2月1日にテルアビブ大学国家安全保障研究所で講演し、10年前に配備したIron Domeはガザからのロケット弾を90%の確率で撃墜しているが高価すぎるため、レーザ兵器のロールアウトを急いでいると述べた。
【註】
 イスラエルでは2012年の時点でIron DomeやDavid's Slingsの後継はレーザ兵器と見ていた。
【関連記事:1302-121702 (AW&ST 2012.12.17)】
 また2014年にはIron Domeを開発生産しているRael社が、ソリッドステートレーザを使用し2kmの有効射程を持つIron Beamを発表している。
【関連記事:1404-021905 (JDW 2014.02.19)】
2021.11.03 Jane's Defence Weekly Israeli Navy's Reshef class to carry C-Dome <2201-110304>
 イスラエル海軍がSa'ar 4.5 Niritコルベット艦の後継として詳細設計を開始しているReshef級Iron Domeの艦載型であるC-Domeを装備する。
 一番艦となるReshefの設計には2年かかり、建造には更に2~4年かかると見られる。
【 C-Dome 関連記事:1607-052513 (JDW 2016.05.25)】
2021.05.26 Jane's Defence Weekly Iron Dome systains interception rate <2107-052608>
 イスラエル軍が5月20日、5月10日以来の10日間でガザから4,070発のロケット弾が発射され、これををIron Domeが約90%の確率で撃墜したと発表した。 2014年の49日間戦争では4,500発が発射されたという。
 Iron Domekの撃墜数については公表しなかったが、発射したロケット弾のうち610発が失敗ガザ内地区に落下したという。
 ハマスの武闘部門は、イラン製Ababil-2の粗製型であるShihabを装備していることを明らかにしている。
2021.05.21 Breaking Defense US talks with Israel about buying more Iron Dome systems <2106-052107>
 5月20日にガザ地区から発射されたロケット弾の迎撃でIron Domeが多大な成果を上げたことから、米国陸軍が装備するIron Domeを増強しようとイスラエルとの交渉を進めている。 またバイデン大統領は20日、イスラエルの射耗補填に米国が協力すると述べている。
 ガザからイスラエルに向け発射されたロケット弾は3,000発で、そのうち1,500発が人の居住する地域落下したが、イスラエル軍は1,428発を迎撃し、撃墜確率は95%であった。
2021.05.21 Breaking Defense Army: Proposals for cruise missile killer due June 4 <2106-052106>
 米陸軍が5月21日午後、
IFPCの機種選定のためのshoot-offが完了したことを明らかにした。
 Shoot-offでは2社が提案したシステムについて4月下旬と5月上旬にそれぞれ3回ずつ実射を実施した。
2021.05.17 Defense News Iron Dome intercepts drone during combat for first time, says Israeli military <2106-051703>
 ハマスは5月10日までに約3,000発のロケット弾を発射したが、その多くはガザから飛び出したものの故障などにより原野に着弾している。 イスラエル空軍のIron Domeはこのうち脅威と見なした1,000発と交戦し90%の確率でこれを撃墜している。
 Iron Domeはまた17日に初めてUAVを撃墜して以来、F-16がAAMで撃墜できなかったUAVを撃墜している。  
2021.05 International Defence Review Born of necessity: TheIron Dome Weapon System extends its reach <2107-050013>
= Iron Dome に関する6頁の記事 =
 ・The system
 ・Offshoots
 ・The US dynamic
2021.03.16 Stars & Stripes Israel announces upgrade of Iron Dome rocket defense system <2104-031605>
 イスラエル国防省が3月16日、能力向上型Iron Domeの配備を完了したと発表した。 能力向上型Iron Domeは一連の試験でロケットやミサイルの斉射及び多数機来襲するUAVの撃墜にも成功しているという。
 イスラエルは10年前にIron Domeを配備して以来、今までに2,500発程のロケット弾を撃墜している。
2021.02 International Defence Review IMDO, MDA conduct integrated Iron Dome, David's Sling live-fire tests <2103-020002>
 イスラエル
IMDOと米MDAが2020年11月~12月上旬に、Iron Dome SRBMDDavid's Sling Weapon System (DSWS) による、連携した迎撃試験を地中海で実施した。
 Iron DomeのTamir迎撃弾とDSWSのStunner中距離迎撃弾は艦上に設置された発射機から同一または別々の目標に向け発射された。
 DSWSのStunnerは段階的にソフトウェアの更新が行われる計画で、既にBlock ⅠとBlock Ⅱは採用され、近くBlock Ⅲも採用される計画である。
2020.01.22 Jane's Defence Weekly Israel tests advanced Iron Dome <2003-012209>
 イスラエル国防省が1月12日、改良型Iron Domeの一連の試験を成功裏に完了したと発表した。 改良型はBMだけでなくCMやUAVのような低空飛行体も撃墜できるという。
 国防省によるとIron Domeは2,000発以上を実戦使用したという。
2020.01.13 Jane's 360 Israel tests advanced Iron Dome <>2002-011302>
 イスラエル国防省が1月12日、一連の改良型Iron Domeの試験が成功裏に終了したと発表した。
 国防省は改良の内容を明らかにしていない。
2020.01.08 Defense Update Lifting the veil of Israel's classified laser weapon 9rogram <16.pdf>2002-010816>
 イスラエル国防省が1月8日、レーザ兵器を開発中であることを公表した。
 システムには地上設置型、車載型、航空機搭載型があり、地上設置型と車載型は
C-RAMに用いられる。
 航空機搭載型はHALEまたはMALE UAVに搭載して、雲上で飛来するロケット等を撃墜する。
2019.10.11 Marine Times Marine Corps successfully tests and integrates new system to 'counter emerging threats' <1911-101107>
 米海兵隊が8月に
G/ATORを用いたIron Domeの実射試験に成功した。 海兵隊は運用秘を理由に試験について公表していないが、試験ではIron Doem、G/ATORと航空指揮統制装置CAC2Sが用いられた。
 米軍でSkyHunterと呼ばれているIron Domeは今までに90%以上の撃墜率1,500目標以上を撃墜している。
2019.09.25 Jane's Defence Weekly USMC says it can integrate Iron Dome with G/ATOR <1911-092505>
 米海兵隊が現有のAN/TPS-80
G/ATORレーダ及び航空指揮統制システムCAC2Sを用いたIron Domeの射撃検証を8月に実施した。
 実射を含む試験は4ヶ月半にわたって行われた。
2019.09.16 Inside Defense Marine Corps 'successfully' demos Iron Dome integration with G/ATOR, CAC2S <1910-091608>
 米海兵隊が8月、イスラエル製Iron Domeと海兵隊が装備しているAN/TPS-80
G/ATOR) レーダ及びCommon Aviation Command and Control System (CAC2S) の連接試験に成功した。
2019.08.21 Jane's Defence Weekly USMC to demo G/ATOR with Iron Dome <1910-082103>
 米海兵隊の報道官が8月12日、海兵隊がAN/TPS-80
G/ATORレーダとIron Domeを組み合わせ試験を準備中であることを明らかにした。
 陸軍は2月にIFPC暫定装備としてIron Dome 2個中隊の導入を決めている。
2019.08.13 Inside Defensw Marine Corps weighing feasibility of integrating G/ATOR with Iron Dome <1909-081302>
 米海兵隊がイスラエルのIron DomeとAN/TPS-80 G/ATORレーダを組み合わせ
C-UAVとして使用する検討しており、シミュレーションを行った。
2019.08.06 Inside Defense U.S., Israel readying contract for Iron Dome purchase <1909-080613>
 米政府とイスラエル政府間のIron Dome 2個中隊売買契約が、2ヶ月遅れでまとまりつつある。
 米陸軍の
CMD計画責任者のウォーシン大佐によると、Iron Domeは2020年10月1日に米陸軍で運用を開始する。
2019.05.15 Jane's Defence Weekly IDF says Iron Dome performed well during 48-hour fight <1907-051510>
 イスラエル軍によると、5月4~5日にガザ地区からイスラエルに向けて発射されたロケット弾に対し、Iron Domeは86%の撃墜率という成果を上げた。
 この48時間に発射されたロケット弾は690発で、Iron Domeはそのうち240発を撃墜した。  この間イスラエル市民3名が死亡し、130名が負傷した。 この他にこの戦闘でガザとの境界線近くで車両が
ATGMの攻撃を受け1人が死亡している。
 2014年7~8月の戦闘では50日間に4,500発のロケット弾が撃ち込まれもIron Domeがそのうち692発を撃墜したが5名が死亡している。
2019.05.09 Jane's 360 IDF reports good Iron Dome performance <1906-050907>
 イスラエル軍が5月8日、パレスチナ武装勢力が5月4~5日に行ったロケット弾攻撃Iron Domeが撃墜率86%を記録したと発表した。
 この攻撃では48時間に690発のロケット弾が発射され、Iron Domeはそのうち240発を撃墜したが、6名が死亡し130名以上が負傷した。 4番目の死者はガザとの境界近くで
ATGMにより車両が攻撃されたことによる。
2019.05.04 Stars & Stripes More than 200 rockets fired into Israel from Gaza; Israel responds, killing 3 <1906-050402>
 ガザ地区の武装勢力が4日、イスラエル南部に対し250発以上のロケット弾を撃ち込んだ。 数十発はIron Domeが撃墜したが80台の女性1人が重傷を負い、50台の男性も負傷し手当を受けた。
 これを受けてイスラエル軍は空爆と砲撃で報復し、パレスチナ側の発表によると女性と子供を含む少なくとも4名が死亡した。
2019.04.23 Inside Defense Army seeks OK to reprogram $115M to jump-start Iron Dome acquisition <1905-042304>
 米国防総省がイスラエルからIron Dome 2個中隊分を購入し2020年
IOCとする計画で、FY18に$63.5M、FY19に$52.1Mを要求してきたが、これを他からの予算流用で$437Mにする要求を議会に対し行おうとしている。
2018.11.21 Jane's Defence Weekly Israeli officials satisfied with performance of Iron Dome dueing latest escalation <1901-112102>
 11月12~13日にガザからイスラエルに向け460発の107mm及び122mmロケット弾と迫撃砲弾が撃ち込まれたが、Iron Dome中隊がそのうちの100発以上を撃墜した。 発射されたロケット弾等の大部分は人のいない方向に向かったためIron Dome中隊が対応することがなかったが、それでも西岸地区から働きに来たパレスチナ人1名が死亡し、その他50名ほどが負傷した。
 ロケット弾等を発射したハマス、パレスチナ聖戦機構及びその他勢力はIron Domeの迎撃能力を飽和させることを目論んだが、結果的に失敗に終わった。
2018.11.15 Jane's 360 IDF satisfied with Iron Dome’s performance during latest escalation <1812-111504>
 11月12~13日の24時間ガザからイスラエル南方に約460発の107mm/122mmロケット弾が撃ち込まれたが、そのうち100発以上Iron Domeが撃墜したと、イスラエル軍当局者がIron Domeの性能に満足を示した。
2018.10.17 Jane's Defence Weekly IDF reports second Iron Dome misfire <1812-101706>
 イスラエル軍が10月11日、Iron Dome数発誤警報 (False Alarm) により発射されたと発表した。 誤警報の原因は明らかにされていない。
 Iron Domeの誤発射は3月に次いで2度目である。
2018.06.20 Inside Defense Senate wants Army plan to assess, experiment with Israeli-developed Iron Dome <1807-062007>
 米上院軍事委員会がFY19国防権限法草案の上院版に、陸軍にイスラエル製Iron Domeの試験 を行うことを求めている。
2017.11.27 Defense News Israel declares operational capability for sea-based Iron Dome <1712-112705>
 イスラエルが27日、Iron DomeをSa'sr-5級コルベット艦に搭載した18ヶ月に及ぶ試験を完了 した。 イスラエルは現在ドイツで建造中のSa'ar-6級コルベット艦に計画の二倍数を装備する。
 艦載したIron DomeはC-Domeと呼ばれ、低空域目標のみならず
P-800 Yakhont超音速 ASCMにも対処するという。 Iron Domeは2011年以来1,700発以上の迎撃に成功している。
2017.09.08 Defense News Iron Dome poised for first US-based intercept test in SHORAD demo <1710-090803>
 米陸軍が4日~16日に
SHORADの評価試験を実施するが、イスラエルはIron Domeをもって 初の迎撃試験に臨む。
 この試験にはBoeing社がGD社と共同でAvengerの改良型であるMSL Dtrykerで参加する。
【 MSL Stryker 関連記事:1709-080907 (DN 2017.08.09)】
2017.06.07 Jane's Defence Weekly Saar 4.5 upgrade: Israel looks to technologically aligned fleet <1707-060711>
 イスラエル洋上ガス田に対する脅威が、ロシア製
YakhontやUAV、イラン製誘導ロケット弾などと増大するのに伴い、イスラエル海軍はSaar 4.5 Hetz級コルベット艦に次ぐ Saar 5級を装備しており、更にSaar 6級4隻も2019年から装備する。
ELM-2258 ALPHAレーダ及びBarak 1/8
 Saar 4.5級全10隻とSaar 5級の最初の2隻に装備
ELM-2248 MF-STARレーダ及びC-Domeの装備
 C-DomeはIron Domeの艦載型で、2016年にSaar 5級3番艦Lahavのヘリ甲板からの発射試験に成功。
 Saar 5級の一部ととSaar 6級に装備。 Saar 4.5級には搭載不能。
2017.03.27 Defense News Israel Navy to double Iron Dome defenses on new surface ships <1704-032702>
 現在ドイツで建造されているイスラエル海軍の新型コルベット艦Sa'ar-6には、当初計画の二倍になる 20発のIron Dome迎撃弾Tamirが搭載される。
 Sa'ar-6にはIron Domeと共にBarak-8も装備されるが、高価なBarak-8は
P-800 Yakhont超音速 ASCMなどに対処し、Iron Domeは沿岸から発射されるロケット弾に対抗する。
 Iron DomeとBarak-8には、いずれもELM-2248 Adir MFRが使われる。
2016.09.18 NHKニュース イスラエル シリアからの砲弾を迎撃システムで破壊 <1610-091801>
 イスラエル軍の発表によると、イスラエル軍が17日にシリアから発射された迫撃砲によるものと見られる砲弾2発をIron Domeで破壊した。
 イスラエルが占領するゴラン高原には12日と13日にシリアからの砲弾が相次いで着弾していて、市民に被害がでるおそれもあることから、イスラエル当局は警戒を強 めている。 シリアでは政府軍と反政府勢力が今月12日から停戦に入っているものの散発的な衝突は起きており、今回破壊された砲弾もこうした戦闘の流れ弾だと見ら れる。
2016.08.08 Defense News Pentagon eyes US Iron Dome to defend forward-based forces <1609-080804>
 Rafael社とRaytheon社が、実戦での実績があるIron Dome前方展開する米軍の防護用として売り込んでいる。
 Raytheon社は米国型Tamir迎撃弾にSky Hunterという商品名付けており、既に米陸軍の
IFPCInc2-Iとして MMLからの発射に成功している。
2016.06.14 Defense News Still no sales for Israel's Iron Dome <1607-061403>
 2011年に配備されて以来、1,500発以上を撃墜し90%近い撃墜成果を上げているIron Domeは、極東や湾岸諸国からの引き合いがあるものの、 輸出成約には至っていない
 一方でイスラエルはIron Domeを艦載のEL/M-2048 Adirレーダと組み合わせたC-Comeの発射試験を4月に実施しており、Rafael社とRaytheon社は、 米陸軍の
MML発射機からTamir迎撃弾を発射するシステムをSky Hunterとして売り込もうとしている。
2016.05.25 Jane's Defence Weely Israeli Navy announces successful C-Dome tests <1607-052513>
 イスラエル海軍当局者が5月18日、既にSa'arコルベット艦へのC-Domeの搭載を開始している と述べた。 Sa'ar 5は2月17日に、C-Domeを用いたGradを模した複数標的の撃墜に成功しているが、今後4年間で4隻のSa'ar 6 級がイスラエルに届くことになっている。
 イスラエルはC-DomeをSa'arコルベット艦に装備し、海上の天然ガス施設の防備にあたらせる計画である。 C-DomeのTamir迎撃弾はSa'arが装 備しているBarak 8 SAMよりはるかに安価であるという。
2016.05.18 Defense News Israel claims intercept success with Sea-Based Iron Dome <1606-051802>
 イスラエルが18日、2週間前に艦載型Iron Domeによる迎撃試験に成功したと発表した。 試 験はELM-2248 Adirレーダを装備したSa'ar 5級コルベット艦で行われた。 当局は標的について明らかにしていないが、 消息筋によると標的は122mm型のGradであった模様である。
 イスラエルは艦載型Iron Domeを、Sa'ar 5より大型のSa'ar 6にBarak-8と合わせて装備する計画で、Barak-8がシースキミングCMに対抗するのに 対し、Iron Domeは海岸から不意に攻撃してくるロケット弾に対処するという。
2016.04.27 Jane's Defence Weekly US Army trials Israel's 'Iron Dome' interceptor <1606-042702>
 Rafael社が4月20日、米陸軍がIron Domeシステムの迎撃弾であるTamir
MML発射機から 発射し、標的機の迎撃に成功したと発表した。
 TamirはIron Domeの配備が開始された2011年以来、ガザ地区から発射されたロケット弾1,500発以上を撃墜しており、迎撃成 功率は90%という。
2016.04.25 Defense News HASC would boost Israeli missile defense systems by $200 million <1605-042505>
 オバマ政権のFY17国防予算要求で下院軍事委員会が、イスラエルのBMDSの調達費につい て、政権が要求した$42MのIron DomeのTamir迎撃弾について$62MDavid's Slingでは$37.21 Mの要求に対し$150MArrow 3では$55.8M要求に対して$120Mと、併せて $200Mを増額する模様である。
2015.12 International Defence Review Rafael refines Iron Beam ahead of procument decision <1601-120001>
 Rafael社が10月20日、Iron Beam
HEL C-RAM 兵器の開発を続行しつつ、イスラエル国 防省からの発注に期待していることを明らかにした。
 RAM や UAV を2kmで撃墜する Iron Beam について国防省は、Iron Dome、David's Sling、Arrow 3 からなる多層防衛システムでの位置づけを決めかねているという。
 Iron Beam は2014年のシンガポール航空展で初披露された数kWの固体発振 HEL 装置2基からなる兵器で、中隊はレー ダ、指揮装置各1基と、複数の HEL 装置からなる。
【関連記事:1404-021905 (JDW 2014.02.19)】
2015.08.17 Aviation Week & ST Market boost <1510-081712>
= イスラエルの陸上防空システムに関する記事 =
 Rafael社の陸上防空システム (
GBAD) Spyder継続的に改良されており、最近では I-Derby ER も発射するようになっている。 I-Derby は艦載型の Barak-8 や David's Sling の技術が採用されており、従来の EO 方式の信管に えて、搭載レーダにその機能を持たせている。
 Iron Dome は射程が40kmから70~80kmの飛翔体に対応するシステムであるが、これを射程150kmの飛翔体 対応できる改良が進められており、陸上だけでなく艦載システムとすることも目指している。
2015.07.15 Jane's Defence Weekly Israeli personnel start treining on David's Sling <1508-071511>
 イスラエル国防省が6月29日、David's Sling の要員訓練が既に開始されていると発表した。 訓練期間は6ヶ月という。  同省によると来月実施される最終試験終了後直ちに operational になるという。 4月1日に Sparrow 標的を撃墜した際に国防相は、operational は2016年と言っていた。
 一方7月2日には国防省が、Iron Dome の改良が行われていることを明らかにした。 これにより Iron Dome は能力が向上するとしながらも、改良 の詳細は明らかにしていない。
2014.11.17 Defense News UAV-killing Iron Dome eyed as cheaper option to Patriot <1412-111701>
 Patriot弾が$2M程であるのに対し、Iron Dome システムの迎撃弾である Tamir弾は、価格が公表されていないが$100,000程度 と推測されることから、イスラエルでは UAV などの 無人目標に対しては Patriot に代えて Tamir を使用しようとする動き がある。
2014.11 International Defence Review Raytheon to co-produce Iron Dome missile hardware <1412-110007>
 Rafael社が Raytheon社に、
Iron Dome システムの Tamir 迎撃弾の生産を$149.3Mで発注 した。 これは2011年に両社が交わした共同生産の合意に基づく。  米国はFY11以来、Iron Dome の開発に$900M近くを出資しているが、米国側にその技術権がないとの不満が、米国内で出ていた。
2014.10.27 Defense News Israeli firm adapts Iron Dome for intercepts at sea <1411-102705>
 Rafael社が、10月27日~11月1日にパリで開かれる Euronaval展で、艦載型
Iron Dome である C-Dome を発表する。 C-Dome はまだ開発初期段階であるが、10発程度を甲板下の垂直発射機に装備し、哨戒艦、コルベット艦、その他の小型艦に対する飽和攻撃に対処する。
 一方 Iron Dome は、2011年の配備開始以来1,200発以上の迎撃を行い、この夏の"50日間戦争"では90%の撃墜率を示した。
2014.09.01 Aviation Week & ST Under cover <1411-090101>
 今回の戦闘でヒズボラと
PIJ は、50日間に4,594発のロケット弾又は迫撃砲弾を発射した。 これに対しイスラエルは Iron Dome735発を撃墜し、撃ち漏らしたのは70発だけで撃墜率は90%近かった。  このため、ヒズボラと PIJ の攻撃でイスラエルでは13名の死者が出たが、Iron Dome の掩護域では死者が出なかった
 ヒズボラと PIJ は9,000発とみられるロケット弾等を保有しているが、その大部分は107mm弾で、射程 45kmの122mm弾は1,000発、75kmの M75 8吋弾は200発に過ぎない。 そのほかに射程100kmのシリア製302mm弾も数十 発保有している模様である。
2014.07.30 Jane's Defence Weekly Rocket attacks down after Israeli ground ops <1409-073001>
 イスラエル国防省が、Operation Protective Edge で地上作戦を開始して1週間で、ロケット弾攻撃が若干減少したことを明 らかにした。 地上作戦開始前には1日平均140発であったのが、開始後は110発になったという。
 Protective Edge作戦開始以降17日間に発射されたロケット弾は2,300発以上であるが、イスラエルに着弾したのはそのうち75% 程度で、残りは Iron Dome に撃墜されたか、イスラエルには到達されなかったという。
2014.07.23 Jane's Defence Weekly IDF releases Iron Dome interception rate <1409-072311>
 イスラエルが、今回の Protective Edge作戦における Iron Dome撃墜率86%と公表した。
 同国の報道によると2012年11月の Pillar of Defence作戦における撃墜率は84%であり、今回は若干向上しているという。
2014.07.23 Defense News Pentagon supports emergency $225M for Israel's Iron Dome <1408-072309>
 米国防長官が22日に議会に対し、Iron Dome 生産加速の経費$225Mの追加を要請した。
 米政府はFY15国防予算で Iron Dome 計画経費として$176Mを要求しているが、上下両院の委員会はその二倍 にあたる$351Mを配当している。
2014.07.21 Aviation Week & ST Under fire <1409-072106>
 イスラエルは Protective Edge作戦に8番目の Iron Dome 中隊を参戦させている。 この作戦を通じた Iron Dome の 撃墜率は90%近くになっている。
 2012年の Pillar of Defense 作戦時にハマスは、 Iron Dome に対し16~20発の弾幕射撃を行ったが、Iron Dome は撃墜に成功 したため、今回の戦闘では50発程度の弾幕射撃を行ったが、やはり Iron Dome は任務を達成した。 しかも 7~70km射程の
RAM に対抗すべく設計された Iron Dome は、それ以上の射程のロケット弾をも撃墜 した。
2014.07.12 Defense News Israel readies first US co-production order for Iron Dome <1408-071207>
 7番目となる Iron Dome中隊が先週、テルアビブに向けガザから発射されたロケット弾 5発を撃墜し実戦デビューした。 7月7日に開始された Operation Protective Edge では、100発を撃墜しており、Iron Dome の 撃墜率は90%と見られている。
 8番目の中隊器材を生産中の Rafel社は Tamir 迎撃弾の追加生産も急いでおり、近く Raytheon社との共同生産契約も行う。 Raytheon社は Tamir弾の部品生産を行うことになる。
2014.03.08 MDA HP United States and Israel sign Agreement on Iron Dome Weapon System <1404-030808>
 イスラエルと米国が3月5日、
Iron Dome 計画に対する$429Mにのぼる米国の財政支援 を継続すると共に、両国における共同生産を推進する合意を行った。
2014.02.19 Jane's Defence Weekly Rafael launched Iron Beam <1404-021905>
 Rafael社がシンガポール航空展で2月11日、Iron Beam
HEL C-RAM システムを公表した。  但しシステムはまだ開発途上にあるという。 Iron Beam は数kWソリッドステートレーザ2基同時に 照射し、2kmの有効射程を持つが、現在同社は数十kWを開発中で、将来は数百kWを目指しているという。
 Iron Beam中隊はレーダ、指揮装置、及びレーザ装置2基から構成され、各構成品はそれぞれ各種 ISO 標準コンテナに収納され、車 載移動可能である。
2014.02.03 Aviation Week & ST Expanding the umbrella <1404-020305>
 Rafael社が2月に開かれたシンガポール航空展でレーザ兵器 Iron Beam を初めて明らかにした。 Iron Beam は Iron Dome C-RAM システムを補完す るもので、Iron Dome と組み合わせて Iron Shield C-RAM システムを構成する。
 同社は6月に開かれる Eurosatory 展で公式に公表するという。
2014.01.09 Defense News Rafael, Raytheon expand active defense alliance <1402-010903>
 Raytheon社とイスラエルの Rafael社が、Iron Dome と Stunner の共同生産を通じて 協力関係を強める。 Iron Dome の迎撃弾である Tamir ミサイルの共同生産では、来月にも米
MDA とイスラエル国防省が最終合意する見 込みである。
 両社は更に、Patriot の地上装置で Stunner を発射する計画も推進している。 Stunner の価格は PAC-3弾の 半分以下で、PAC-3 MSE弾の1/4以下であるという。
2013.11 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome deployed near Jerusalem <1312-110017>
 イスラエルが9月に Iron Dome をエルサレム西部に配置した。 イスラエル北部には既に2個中隊 が配備されており、4番目の中隊も8月からテルアビブに配置されている。
2013.10 Jane's Missiles & Rockets Reservists to operate sixth Iron Dome battery <1311-100004>
 Iron Dome を装備するイスラエル軍の予備役中隊が9月に発足する。 更に来年には 複数予備役 Iron Dome 中隊と、これらを指揮する予備役大隊本部も 編成される。
 イスラエルは既に10個中隊の Iron Dome を発注5個中隊の Iron Dome を 編成しているが、現在の計画では12個中隊が編成され、その半分が予備役になる。
2013.10 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome in action once more <1311-100002>
 イスラエル南部のエイラートに配備された Iron Dome 中隊が、8月13日に同市に向け発射された数発の Grad の1発を 1発で撃墜した。
 8月22日にはレバノン南部から4発のロケット弾が打ち込まれ、そのうち1発を Iron Dome で撃墜 したが、2発が居住地域に落下した。
2013.09.09 Aviation Week & ST Shielding civilians <1311-090902>
 米国のシリア空爆が遅れているが、イスラエルは6番目の Iron Dome 中隊を配備すると共に、7番目の中隊も編成できる 状態にある。 また予備役1,000名を招集したが、その殆どが防空部隊要員であった。
 シリアは保有する Scud の半分を内戦で射耗したと見られるが、それでも Scud B/C/D 合わせ て500発は保有している模様である。 その他にイラン製 Fateh-110 の模造で射程300km、弾頭重量500kgの M600 も保有しており、更に射程150kmの302mmロケット弾も数万発持っている。
2013.09.09 Yahoo 時事通信記事
「首都近郊に防衛システム=イスラエル」
<1310-090902>
 イスラエルが、首都エルサレムの西方に Iron Dome を配備したと、目撃した AFP通信記者が8日に伝えた。
2013.08.14 Jane's Defence Weekly On full alert <1310-081407>
= 中東情勢の急変とイスラエル軍に関する6頁の記事 =
 米国防安全保障協力局 (DSCA) が2012年12月10日、イスラエルに INS/GPS 誘導爆弾10,350発を売却 すると議会に通とした。 内訳は GBU-31 5,175発、GBU-38 1,725発、GBU-39 3,450発で、 イスラエルはこの他に BLU-113/A を GB にした5,000-lb爆弾 GBU-28 も保有している。  イスラエルは更に、GBU-28 を追加購入するほか、30,000-lb GB である GBU-57 MOP の購入も希望している。
 ミサイル防衛では、 'Pillar of Defence' 作戦間に、ガザから1,500発のロケット弾が打ち込まれ、大半は居住地域外に落下したが、Iron Dome で 426発を撃墜し、撃墜率は84%にのぼった。 しかしながら81発は撃ち漏らした。 2012年11月には David's Sling(右図)が初めての迎撃に成功して いる。
 Arrow 2 は、イスラエル北部と南部に配備された2個中隊の続く三番目の中隊が中部に配備された。
2013.08 Jane's Missiles & Rockets Raytheon wants to build Iron Dome missiles <1309-080008>
 Raytheon社はイスラエルの Iron Dome 開発に協力しているが、David's Sling システムでは Stunner ミサイルの生産を行っているのに Tamir ミサイルの生産は行っていない。 このため同社は Tamir の 共同生産を希望している。
 Iron Dome については米議会下院軍事委員会が、米国はFY11以来$900M近くを出資しているのに、その技術について何の権限も 有していないと問題視している。
2013.07.19 Defense News Israel deploys Iron Dome near Red Sea resort <1308-071901>
 エジプト陸軍が、本日 Iron Dome 1個中隊を紅海沿岸のエイラートに配備したと 発表した。 シナイ半島からのロケット弾攻撃に対処するためと見られる。
 シナイ半島からのエイラートに対するロケット弾攻撃は過去に行われており、4月には市街が攻撃されたほか、7月4日にも同市北部が攻撃され、 翌日に破片が発見されている。
【註】
 エイラートへの Iron Dome の配備は、2012年7月にも行われている。
【関連記事:1208-071202 (Defense News 2012.07.12)】
 この際も今回同様に、陸軍が配備したと報じられた。 ガザ周辺に配備されている Iron Dome は空軍が装備している。
2013.05 Jane's Missiles & Rockets Israel MoD responds to Iron Dome sceptics <1306-050006>
 (既報【1304-032012 (JDW 2013.03.20)】と同内容の記事)
2013.05 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome units will become targets in any future conflict <1306-050003>
 イスラエル防空部隊の司令官が、これからは Iron Dome 部隊が敵の攻撃目標になると述べた。
2013.04.17 Defense News Pentagon requests more funding for Israel's Iron Dome <1305-041703>
 米国で国防費が削減されるなか、国防総省FY14でイスラエルの Iron Dome $220.3Mを要求する。 更に米 MDAFY15で、イスラエルの BMD $175.9Mを要求する。
 米国は既に Iron Dome の開発と生産に、FY11に$204MFY12に$70Mを支出しているが、米議会下院で多数を占めている共 和党は、2012年3月に Iron Dome 向けに$680Mの支出を要求していた。
2013.04 Jane's Missiles & Rockets Three Iron Dome units deployed to northern Israel <1305-040002>
 イスラエルのメディアが2月5日、北部のハイファガリラヤIron Dome 3個中隊が配備されたと報じた。 またガリラヤには Patriot も配備された。
 イスラエル北部は、1月30日にイスラエルがシリアを空爆して以来、緊張が高まっていた。
2013.03.20 Jane's Defence Weekly Israeli MoD responds to Iron Dome scepticism <1304-032012>
 イスラエル紙 Haaretz が、同国国防省が2012年11月の Operation Pillar of Defence における Iron Dome の戦果とし て発表した内容に疑問があるとする3人の科学者の意見を掲載した。
 これに対し国防省は、全く根拠がない話と強く否定した。
2013.03 Jane's Missiles & Rockts Iron Dome faces new threats <1304-030003>
 イスラエルの報道によると、シリアとレバノンからのロケット弾攻撃に対処するため、少なくとも1個中隊の Iron Dome Haifa に展開した。
 また1月13日の報道によると、イスラエルは対処可能脅威の幅掩護覆域を広げた改良型 の開発を完了した。 標的には射程75kmの Fajr 5 より大型のものが使用された。
【註】
 従来 Iron Dome は、射程4~70kmのロケット弾に対処可能とされていた。
2013.02.25 Aviation Week & ST Pillar of deterrence <1304-022503>
 イスラエルが昨年11月14日から21日まで行った "Operation Pillar of Defense" はハマスの指揮官殺害を契機にしたもので、Iron Dome が戦 果を収めた。
 イスラエルにとってもう一つとの懸念は、シリアの Buk-M (SA-17) がレバノンのヒズボラに渡ることで、そうなれば イスラエルはレバノン南部での航空優勢を維持できなくなる。 この目的でイスラエル空軍は1月30日、ヒズボラに向け Buk-M を運搬しようとしていたシリアの車列を空襲した。
 同様の事例は、レバノンに展開したシリアの SA-6 を空襲した事案が1982年にも起きている。
2013.02.07 Defense News Air chief: India will not buy Iron Dome <1303-020703>
 インド空軍司令官が Aero India 2013 航空展で、Iron Dome はインド軍に不向きであると発言した。 インドとイスラエルは2年以上にわたっ て Iron Dome と David's Sling の導入交渉を行ってきた。
 印国防省筋によると、David's Sling の導入も難しい状況である。
2013.02 Jane's Missiles & Rockets Gaza conflict could show shape of wars to come <1303-020021>

= ガザでの戦闘が、今後戦場様相を変えるとする記事 =
 
2013.01.30 Jane's Defence Weekly Israel to roll out new Iron Dome missile <1303-013012>
 イスラエルが近く、改良型 Tamir弾を採用した Iron Dome を装備する。 イスラエル空軍によると、改良型 Tamir は 長射程で、1月21日に試験を完了している。
 また、ミサイル探知装置も99%の捕捉能力に改良された。
2013.01 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome coungers rocket onslaught <1302-010008>
 イスラエルが11月17日、5番目の Iron Dome中隊を、計画を2ヶ月早めてテルアビブ近郊に配置した。 中隊は 展開から数時間後には最初の迎撃を行った。 5番目の中隊が装備する Iron Dome は改良型で、2012年4月に試験を完了し 、2013年1月に配備される計画であったが、11月16日朝に繰り上げて配備されることが決まった。
 11月21日の停戦後 Izz al-Din al-Qassam は、今回長射程ロケット弾12発(ガザ製の M-75×6、イラン製の Fajr-5×6)を含む1,573発を発射したと発表したが、イスラ エル国防省は発射されたのは1,506発で、421発を迎撃し、58発が市街地に落下したと発表している。
2012.11.28 Jane's Defence Weekly Iron Dome raises game for 'Pillar of Defence' <1301-112801>
 イスラエル軍が、11月14日から8日間続いた 'Operation Pillar of Defence' で、ハマスの発射した約1,500発のロケット弾のうち 426発を Iron Dome で撃墜し、81発の撃墜に失敗したことを明らかにした。 撃墜率は 84%で、これに対してハマスのロケット弾が人口密集地へ飛来した確率は7%以下であった。
 イスラエルによると、ハマスは240mmの Fajr-3 と333mmの Fajr-5 を合わせて24発保有していたが、18発は地上で破壊 され、6発がイスラエルに向け発射された。 ハマスはまた Fajr-5 に似た射程75kmM-75 と称するロケット弾を自身で 製造し発射していた。
2012.11.26 Aviation Week & ST Israel's upper hand <1301-112601>
= Iron Dome の戦果に関する記事 =
 Iron Dome は元々ロケット砲弾に対抗するように設計されたが、Rafael社によると、155mm砲弾、誘導爆弾、精密誘導弾、短距離 SAM に対しても 有効であるという。
 また、イスラエル国防省は射程を70kmとしているが、イスラエルや米国の専門家はそれ以上と見ている。
2012.11.23 Yahoo ロイタ通信記事

「ガザ地区からのロケット弾、迎撃費用は20億円以上=イスラエル」

<1212-112301>
 イスラエルが22日、ガザからのロケット弾攻撃を Iron Dome で迎撃する8日間続いた戦闘に要した費用が $25M~$30Mに上ったと発表した。
 イスラエル軍によると、8日間の戦闘では、ガザから発射されたロケット弾約1,500発のうち人口集中地域を狙ったロケット弾のみを Iron Dome の迎撃の対象としたため、 迎撃したのは421発で、撃墜率は90%だという。
2012.11.22 Yahoo 朝鮮日報記事

「ミサイル迎撃にイスラエル製兵器、『高過ぎ』と慎重論」

<1212-112203>
 韓国軍合同参謀本部が Iron Dome の導入について、迎撃成功率は高いが高額である上、ロケット弾 や砲弾が数百発飛来した場合の迎撃には限界があるとして、慎重な立場を示している。 Iron Dome は1個 FU が$50Mで、迎撃弾も$50,000を超えるのに対し、ロケット弾や砲弾は1発数万円と価格差が大きい。 このため、合同参謀本部は機関砲を用いた C-RAM の導入も 検討しているという。
 首都圏を脅かす北朝鮮の長射程砲は、170m自走砲、240mm MRL の二種類で、1時間に最大で1万発を発射できると推定されている。
2012.11.21 Yahoo 読売新聞記事

『アイアン・ドーム』ロケット弾9割撃ち落とす

<1212-112101>
 イスラエルは14日の空爆開始以降、パレスチナ武装組織がガザから撃ち込まれたロケット弾のうち、人口密集地域に飛来 した87%を撃墜した。 18日にテルアビブに向けて発射されたロケット弾も迎撃され市街地への着弾は回避された。
 イスラエル軍によると、今回の空爆開始後にガザから発射されたロケット弾は1,160発で、このうち約670発がイスラエル領に到達したが、360発を撃墜 した。 但し、迎撃のため発射したミサイルの数は明らかにされていない。
2012.11.20 Yahoo 朝鮮日報記事

「イスラエル、韓国にミサイル迎撃システム売り込み」

<1212-112001>
 イスラエルの経済紙が18日、イスラエルが韓国に対し Iron Dome を売り込んでいると報じた。 同紙によると、 イスラエルは大宇造船海洋の哨戒艦4隻を$400Mで購入する交渉を進めており、交渉が妥結した場合 には、相互購入するという条件で韓国側に Iron Dome の購入を求めるという。
 同紙は、今回の哨戒艦の契約がまとまった場合、韓国側 Iron Dome 購入の提案を受け入れるだろうと報じた。
2012.11.19 Yahoo 韓国中央日報記事

「 245発を迎撃したイスラエルの『アイアンドーム』…韓国と比較すると」

<1212-111902>
 イスラエルが14日、ハマスとの交戦が始まって以来 Iron Dome の迎撃率が90%に達したことを明らかにした。  17日までにガザ地区から発射され たロケット弾等は737発で、 このうち492発がイスラエル領内に落ち、245発が迎撃された。
 イスラエルは、2011年4月に初めて実戦配備された当時、成功率を70%程度と予想したが、今回の実戦で90%以上を迎撃したことで、Iron Dome に対する国際的需要が増え ると考えられる。 韓国も類似のシステム導入を検討している。
2012.11.16 Defense News Israel's Iron Dome plays growing role in Gaza conflict <1212-111606>
 今回のガザ紛争でイスラエルは500箇所以上を空爆したが、これに対してはマスは500発以上のロケット弾 をイスラエル領内に向けて発射した。 このうち327発がイスラエル南部に着弾し、184発が Iron Dome により撃墜さ れた。
 イスラエルは同国南部に4個中隊の Iron Dome を配備しているが、同国国防省は16日、5番目の中隊が予定を2ヶ月繰り上げて17日に 任務に就くと発表した。
(発射された Iron Dome )
2012.10.08 Aviation Week & ST Fragile Dome <1211-100807>
 Iron Dome は2011年の配備以来、ロケット弾約100発を迎撃しており、迎撃成功率は80~90% になっている。 現在は同国南部に4個中隊が配備されているが、2013年には更に2個中隊が加わる。
 問題は迎撃弾の数で、イスラエルは当面 Tamir の生産能力を二倍に増やす計画であるが、米国会議員は国防総省に対し Tamir を米 国内でも生産するよう働きかけている。
2012.08 Jane's Missiles & Rockets Israel to expand and upgrade Iron Dome <1209-080009>
 イスラエルの Iron Dome4個中隊が配備され、更に2個中隊が配備準備中であるが、同 国空軍はその改良型である Block 2 及び Block 3 を計画している。 Block 2 は2013年の8月末頃をめざ して開発されているが、その技術は可能になり次第採用される。
 Block 3 では C&C の改善が図られる。
2012.07.12 Defense News Israel deploys Iron Dome on Egypt border <1208-071202>
 イスラエルが7月12日、紅海に面したリゾート地エイラートに陸軍が Iron Dome を配備したと発表した。 Iron Dome は7月 9日から配備されているという。
 エイラートにはエジプト領のシナイ半島から、4月5日に1発、6月17日に2発のロケット弾が撃ち込まれている。
【註】
 今までガザ隣接地域に配備されていた Iron Dome は空軍の所属であることから、エイラートに陸軍が配備したというのは誤報である可能性が高い。
2012.05.16 Jane's Defence Weekly House appropriators seek to add FY13 funeing <1207-051603>
 米議会下院が、国防総省 (DoD) 要求に $3.1Bを追加したFY13国防予算の歳出委員会軍事小委員会案を承認した。 案の総額は$102.5Bで、FY12よ り$2.1B少ないものの、 DoD 要求より$875M多くなっている。
 案では DDG-51 級駆逐艦3隻を含む11隻の艦船建造に$15.2B、 F-35 29機に$5.2Bなどが割り当てられているほか、イスラ エルとの共同計画に$948.7Mが配当されている。 そのうち $680Mは Iron Dome の経費である。
2012.05.15 Defense News U.S. House lawmakers boost Israeli weapon funding by almost $1B <1206-051504>
 米議会下院歳出委員会軍事小委員会が、国防総省が要求したイスラエルの軍事援助$99.8Mに$849Mを追加 する決定を行い、5月17日に開かれる歳出委員会の全体会議に提出する。 内訳では Iron Dome に$680MArrow に$34MDavid's Sling に$111Mが主となっている。
 また小委員会は研究開発費について、国防総省の要求に$576M追加して$70Bにしている。 但し MEADS についてはこれ以上の支出を止めるよう勧告している。
2012.05 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome downs more than 50 rockets <1206-050009>
 3月9日にイスラエル空軍がガザでイスラム勢力の2名を殺害したのに対応して、172発のロケット弾がイスラエル領内に撃ち込まれ、 Iron Dome がそのうち56発を撃墜した。 撃墜率は82%であった。
 撃ち込まれたロケット弾のうち50発は射程が20km以上であった。
2012.04.09 Aviation Week & ST Shielding an alliance <1205-040209>
 米国はFY11でイスラエルの Iron Dome に$204Mを支出したが、この額は4個中隊の新設に十分な額であった。 イスラ エルはFY13に Iron Dime 増強分の全額を米国に払わせようとしている。
 オバマ政権はFY13でイスラエルの軍事援助に$3.1Bを要求しており、そのうちイスラエルと MDABMD 共同開発 にFY12より$6M少ない$99.8Mが配分されている。
2012.04.04 Jane's Defence Weekly Israel plans to boost defences <1205-040406>
 米国防総省が3月27日、イスラエルの Iron Dome を追加購入援助するための支出を議会に求めると発表した。 イス ラエル当局者は援助額を、少なくとも2011年の$205M以上と述べた。
 イスラエルはレバノン南部とガザ地区からの攻撃対処に13個中隊が必要としている。
2012.03.27 Defense News Pentagon seeks to fund additional Iron Dome systems for Israel <1204-032703>
 米国防総省が3月27日、イスラエルの Iron Dome 計画への追加支出を議会に追加要求 していることを明らかにした。
 米国は今までに Iron Dome 計画に対して$205Mの支援を行っている。
2012.03.21 Jane's Defence Weekly Software upgrade improves Iron Dome strike rate <1205-032105>
 3月9日にイスラエル空軍が行った空爆に対して、13日の停戦までの4日間に200発以上のロケット弾が撃ち込まれたが、展開した Iron Dome 3個中隊が、掩護空域に飛来した71発中56発を撃墜した。 この交戦で の撃墜率は79%で、2011年の75%より向上したのはソフトの改善による。
 Rafael社は既に四番目の中隊器材を納入しており、この中隊は4月中に operational になる。
2012.03.19 Defense News Iron Dome Kills 80% of Targeted Rockets <1204-031903>
 3月9日にイスラエル空軍が行ったガザ地区への空爆に対抗して、250発以上のロケット弾がイスラエル領内に撃ち込まれた。 ガザから40km以内 にはイスラエルの人口の1/6にあたる100万人以上が生活している。
 これに対してイスラエルは Iron Dome で対抗して75交戦を行い、60発の Grad級ロケ ット弾を撃墜した。 撃墜率は80%近くであった。
 イスラエルは4番目の Iron Dome 中隊の編成を準備している。
2012.03.13 産経新聞

インターネット

ロケット弾迎撃が威力 イスラエル、成功率85% <1204-031301>
 イスラエルの Iron Dome が、9~12日にガザの武装勢力が発射したとロケット弾を撃墜率 85.7%で迎撃した。
 同国軍によると、9~12日にガザから発射されたロケット弾のうち、市街地などへの着弾が予想された63発に対し迎撃ミサイルを発射し、 54発の迎撃に成功した。
【註】
 Iron Dome は1目標に1発発射するのではないことから、8507%は SSKP ではない。 2011年における Iron Dome の撃墜率は70%であった。
【関連記事:1203-011111 (JDW 2012.01.11)】
2012.03 Jane's Missiles & Rockets Israel missile threat 'exaggerated', says stydy <1205-030004>
 イスラエル軍は2017年時点での弾道弾脅威を、短距離12,000発、中距離3,000発、長距離600発の、計15,600発と見積もっ ており、そのうち1,600発は精度数百㍍、800発は精度数十㍍と見積もっている。 これに対してイスラエルのシンクタンクは、過大評価と論じてい る。
 イスラエル空軍は現在3個中隊Iron Dome を保有していて、四番目の中隊も編成を 完結したと見られる。 イスラエルは2013年中頃までに9個中隊を整備する計画である。 現在、Iron Dome の迎撃弾 Tamir は単価 $50,000であるが、同空軍が計画している BMDS の整備には$4Bかかると見積もられている。
2012.02.19 Defense News Tel Aviv to get missile interceptor system: Army <1203-021901>
 イスラエル軍の報道官が2月19日、Iron Dome 中隊がテルアビブ地区に20日に配置されると発表した。 この配置が、 イラン核施設に対する攻撃の準備ではないかとの疑念に対し、イスラエルはこれを否定している。
2012.02 Jane's Missiles & Rockets ... as fouth Iron Dome battery readies for deployment <1203-020010>
 イスラエルは四番目の Iron Dome中隊を、2011年末か2012年の第一週に発足させる。 この中隊の配置 先は同国北部の Haifa で、石油精製施設や港湾の防護に当たる。
 これに加えてイスラエル国防省は3個中隊分の予算を確保しており、最終的には12個中隊を北部及び南部の国境に配置 する計画である。
2012.02 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome intercepts rocket fired from Gaza ... <1203-020009>
 イスラエル空軍の Iron Dome中隊が12月9日、ガザから飛来した射程40kmの Grad 122mmロケット弾1発を迎撃した。
【それ以前の Iron Dome の戦果に関する記事:1203-011111 (JDW 2012.01.11)】
2012.01.11 Jane's Defence Weekly Iron Dome hits 70% of militant rockets, says IAF <1203-011111>
 2011年に Iron Dome は、47発のロケット弾と交戦して33発の迎撃に成功し、迎撃確率は70%であった。  その内訳は以下の通りである。
  ・ 4月: 10発に対し 8発
  ・ 8月: 28発に対し22発
  ・10月:  9発に対し 3発
 イスラエルは2012年の1/四半期に4番目の中隊を、恐らく北部の Hafa に配置する計画である。
2011.11.09 Jane's Defence Weekly Iron Dome attracts international interest <1201-110909>
 イスラエルの Iron Dome各国が関心を示している。 米陸軍は Rafael社に 対し RfI を発簡しており、韓国も導入の可能性が高い。 Iron Dome 中隊の価格は$50Mと見られ、それに1発 $50,000の Tamir 迎撃弾が加算される。
 イスラエルは既に3個中隊を配備しており、2012年末までに更に6個中隊が配備される。
2011.10 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome successfully intercepts Gaza rockets <1111-100012>
= 8月18日~22日のロケット弾攻撃と Iron Dome の交戦に関する記事 =
 4月の一回目に続いて、Iron Dome 1個中隊二度目の戦闘展開を行い、Gaza からのロケット弾を迎撃した。
 8月18日~22日の間には、160発近くのロケット弾が発射され、そのうち120発がイスラエル領内に落下した。
2011.09 International Defence Review Israel's Iron Dome <1111-090012>
 Rafael社が、米国の EAPS C-RAM計画に、Iron Dome を提案している。
 Iron Dome は4月7日の Katyusha 迎撃以来、6月下旬までに8回の迎撃を行っている。
 Iron Dome の性能について詳細は公表されていないが、射程は2~40kmと見られている。
2011.08.29 Aviation Week & ST Battle scarred <1110-082907>
 8月18日から4日間、Gaza から 122mm Grad と 115mm Qassam が、イスラエルに向けて合わせて129発発射された。 こ のうち27発が Beersheba 及び Ashkelon に展開する Iron Dome中隊の掩護範囲に飛来 した。 この戦闘で Iron Dome は30交戦行ったが、6交戦に失敗し、市民に死傷者を出した。 戦闘では、目標 迎撃に失敗した場合、この目標に2発を発射したが、これも失敗した。
 失敗の原因は主として操作ミスであったが、Tamir 迎撃弾の不備もあった。
2011.08.24 Jane's Defence Weekly Rafael, Raytheon team to pitch Iron Dome to US <1110-082404>
 Raytheon社が8月16日、同社が Rafael社と共同で米政府に Iron Dome の売り込みを行うことを明らかに した。 米陸軍は Iron Dome と似た脅威に対処する EAPS 計画を進めていて Lockheed Martin社と Northrop grumman社が競っているが、 EAPS は Iron Dome より低空、近距離での迎撃を目指している。
 Rafael社と Raytheon社は共同で、2012年末までに IOCS となる David's Sling システムに使用する射程170kmの Stunner の開発を行っている。
2011.06.27 Aviation Week & ST Expanded umbrella <1108-062703>
Iron Dome
 イスラエル軍の見積もりによると、Iron Dome でイスラエル全土を防護するには15個中隊が必要である が、1個中隊には$50Mかかるため同国単独の予算では実現できない。 価格低減のためには海外市場の開発が必須で、既にシンガ ポールが配備しているほか、韓国と米国も有力な市場と見られている。
David's Sling
 最初の迎撃試験は来年早々に行われ、予算が継続されれは2012年後半には IOC になる。
MIC4AD
 ミサイル防衛と防空の一元統制を目指して、Rafael社が MIC4AD システムを開発している。
2011.06 Jane's Misilles & Rockets Iron Dome engages nine rockets fires against Israel from Gaza <1107-060001>
= Iron Dome の初戦果の詳細 =
1. Iron Dome 中隊の展開
 3月27日、初めての中隊が Beersheba 近郊に展開
 4月4日、二番目の中隊が Ashkelon に展開したと発表
2. 4月7日の初戦果
 4月7日、パレスチナ側が AT-14 でスクールバスを襲撃、イスラエル空軍がガザに報復空爆、これに対しパレスチナからロケット弾8発を発射
 Ashkelon 中隊が1発を撃墜
3. 8~9日の戦果
 8日に19発、9日に26発のロケット弾を発射
 両日で Beersheba 中隊が2発Ashkelon中隊が4発を撃墜。
2011.05 Jane's Misilles & Rockets South Korea plans to invest in counter MRL <1107-050008>
 韓国国防相が3月9日に明らかにした防衛力再編計画 (Defense Reform Plan 307) では、三本の柱 の一つに、北朝鮮からのロケット弾対処が挙げられている。 韓国軍は北朝鮮からのロケット砲及び長距離砲の70%を破壊したいとして 、JDAM の備蓄増強や、F-4 及び F-5 の更新を2016年に開始するほか、Saab社製 Arther 対砲レーダのライセンス生産と配備、や2015年を目処に米国から UAV を購入す る計画である。
 更に、ソウルの人口密集地帯を護るためイスラエルから Iron Dome を購入したいとしており、3月15日 のイスラエル紙は、既に交渉が開始されていると報じている。
2011.05 Jane's Misilles & Rockets Israel deploys Iron Dome system <1107-050004>
 イスラエル軍参謀総長が3月25日、ガザ地区からのロケット弾攻撃に対抗するため、11月27日にネゲブの Beersheba市近郊に Iron Dome配備したと発表した。
 この配備は実用試験が目的で恒久的な配備ではないが、数週間は続けられると述べた。
2011.04.18 Aviation Week & ST Battle tested <1105-041811>
 イスラエルが4月9日、ガザ地区から Ashkelon に向けて発射された GradIron Dome で撃墜し た。 イスラエル空軍はハマスとの緊張が高まったことで Iron Dome中隊を Beeersheba と Ashkelon に展開していた。
 Iron Dome は現在2個中隊しかないが、最近の見積もりでは最低限13個中隊が必要と見積もられている。
2011.04.13 Jane's Defence Weekly Israel plans to buy four more Iron Domes <1107-041309>
 イスラエル国防相が4月3日、Iron Dome 4個中隊分を$205Mで追加購入すると発表した。中隊はレーダと 射統装置各1基及び20発搭載発射機3基からなる。 正式な契約は米政府からの分担金が送金されてからで、実戦配備は2013年 になる。
 一方4月7日に Iron Dome 中隊がガザから発射された Katyusha ロケットの迎撃に成功した。 中隊は Katyusha に対し Tamir 迎撃弾を2発発射したが、1発目が目標を破壊した。 この中隊は4月4日に Ashkelon に配置されていた。
2011.04.11 Aviation Week & ST Iron Dome inaugurated <1105-041104>
 イスラエル軍が、4月7日に Iron Domeガザから発射されたロケット弾を撃ち落としたと発表した。
2011.04.08 Yahoo 時事通信記事

ミサイル防衛、迎撃に初成功=ガザのロケット弾に対処―イスラエル軍

<1105-040801>
 イスラエル軍は7日、Iron Domeガザから発射されたロケット弾を撃ち落としたと発表した。  実戦での迎撃は初めてで、ガザ地区の北方約15kmのアシュケロンに向けて発射されたロケット弾を迎撃した。
 ガザ地区からは同日、45発以上の迫撃砲弾やロケット弾が同国南部に撃ち込まれた。
2011.03.28 Yahoo 毎日新聞記事

「イスラエル、ミサイル防衛システムを初配備」

<1104-032801>
 イスラエル軍が27日、Iron dome を南部の中心都市ベルシェバ周辺に配備した。 稼働するまでには数日 かかるという。
 この1週間、パレスチナ自治区からハマスの指揮権が及ばない武装勢力による、イスラエル領への攻撃が激化していたのを受けた措置と見られる。
2011.02.28 Aviation Week & ST Tit for tat <1104-022801>
 イスラエルが2月22日、Arrow の迎撃試験に成功した。 この結果 Arrow は過去18回行われた迎撃試験で 15回成功したことになる。 試験には米 MDA が開発した標的が使用された。 この標的はデコイ を放出しながら機動できる IRBM を模擬したものと見られる。 Arrow は新たな脅威に対応するためソフトが 改善された Block 4 で、発射機と Green Pine レーダは60哩離隔して配置された。
 また、Arrow-2 より高々度、遠距離で迎撃できる Arrow-3 の発射試験は、今年後半に開始される。
 一方 Iron Dome の最終試験は2月15~17日に行われて完了し、間もなく operational になる。
 これに対するイランは、対艦型 Ftech-110 を開発し、ペルシャ湾で行われた試験の模様を TV で公開した。 先端が 丸い対艦型 Fatech-110 は、標的船に直撃した。
2011.02.16 Jane's Defence Weekly IAF prepares for attack with 'Brain' upgrade <1103-021609>
 イスラエル空軍はミサイル防衛用として、Arrow-2 システムの Super Green レーダと Iron Dome SRBMDS 用の EL/M-2112 MMR を装備し、これらを Brain と呼ばれるインターフェスで接続している。  Brain は2008年10月以来イスラエルに展開している AN/TPY-2 FBX-T とも連接していて、米国の衛星情報からイ ランが発射した弾道弾の警報を弾着の7分前に入手できるようになっている。
 同空軍は現在、ミサイルによる更なる大規模、継続的な攻撃に備えて Brain の能力向上を行っている。
2011.02.14 Aviaation Week & ST Deployment debate <1103-021404>
 イスラエルは Iron Dome の配備を開始するが、その配備計画が政治問題化している。 市民はガザに近 い人口密集地域への配備を望んでいるのに対し、空軍は空軍基地内に配備し、有事にのみ使用 することを考えている。
 レバノン、シリア、ガザ、イランからイスラエルを狙う弾道弾が10万発と見られるのに対し、イスラエルの四層 BMD システムの配備速度が遅遅としていることによる。
2011.02.09 Jane's Defence Weekly Israel to purchase second Iron Dome defence system <1103-020913>
 イスラエルが間もなく、Iron Dome二次生産を発注する。 二次生産契約は米国のFY11予算成立を待っ ているため遅れていた。
 一次生産の2個中隊分は2010年後半に納入され、最終発射試験を待って2月下旬に IOC に なる。 Rafael社は、イスラエルの防衛には数十個中隊の Iron Dome が必要と見ている。
2011.02 International Defence Review Israel's Iron Dome woes <1103-020020>
 イスラエルが12月下旬に計画していた Iron Dome最終試験を、予期せぬ故障のため 中止した。
 Iron Dome は2010年7月に行われた Rafael社の試験で Quassam や Grad を模擬した標的の撃墜に成功しているが、同国空軍は2011年2月に 独自の試験を計画している。
2011.01.12 Jane's Defence Weekly Israel cancels final test of Iron Dome system <1102-011204>
 イスラエル空軍が12月26日に予定していた Iron Dome最終試験を、器材の不具合 により中止した。 これは2010年夏に予定されていた IOC二度目の延期になる。
 空軍によると今回の試験は2月末まで行われる。
2011.01 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome system to be based in central Israel <1102-010013>
 イスラエル国防省は数ヶ月に及ぶ検討の結果、Iron Dome配備先を国土中央の空軍基地とし、レバノン やガザとの境界に速やかに展開することにした。
【関連記事:1101-120024 (JMR 2010.12)】
2010.12 Jane's Missiles & Rockets Israel prepares for Iron Dome deployment <1101-120024>
 イスラエルが11月にも最初の Iron Dome 2個中隊を配備するが、イスラエル軍参謀長が9月21日に、最 初の部隊は当初計画と異なりレバノン国境に配備することを明らかにした。 9月27日の現地紙は、ガザ近郊で展開の 準備をしていた部隊が撤収したと報じた。
2010.11.01 Aviation Week & ST Security blanket <1012-110105>
= イスラエルの多層防空網に関する記事 =
Arrow 3
 高度120km以上での迎撃
Arrow 2
David's Sling(右図)
 弾頭重量1,000-lb以上のロケット弾のほか、UAV、GB、ヘリ、CM にも対処可能で、迎撃弾 Stunner は EO/MMW レーダの複合シーカで誘導され る。 Stunner はブースタなしで70kmの射程であるが、ブースタを取り付けて射程を伸ばすこ ともできる。
 各 David's Sling 部隊は、16発を保有する FU 4個で構成される。
Iron Dome
 年内に2個中隊が編成される。 各中隊は20発搭載発射機3~4基を装備し、 120k㎡の掩護が可能である。 都市防護のほか、機動部隊防護用の車載型も考えられている。
Spyder
 David's Sling と Iron Dome の間隙となる20~50kmの防空を担当する。
Barak 8
 中長距離のミサイル防衛を担当し、GB、GM のほか、高速 CM やシースキミング ASCM も撃墜できる。
2010.10 International Defence Review Israel Defence Force deplys Raz radar on northern border <1011-100020>
 イスラエルが EL/M-2084 MMR北部国境に配備した。 EL/M-2084 は Raz とも呼ばれ、Iron Dome や Magic Wand (Stunner) システムでも使用さ れる。
 Raz は120゚のセクタモード360゚の回転モードを持ち、砲弾を100km、ミサイルや航空機を 350kmで捕捉できる。
2010.09 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome passes development tests <1010-090022>
 イスラエル国防省は、Iron Dome の最終試験成功を受け、最初の2個中隊を11月にも発足させ、空軍に 新偏される大隊に編入する。 Iron Dome 1個中隊には中規模な都市を防護する能力があり、国防省は 15~20個中隊を整備する計画であるが、1個中隊には$21Mかかるため予算の目処はついていない。
 Iron Dome の最終試験では多目標同時交戦能力が確認され、数十発が使用されたと見られている。
2001.08.04 Jane's Defence Weekly Iron Dome to deploy in November <1009-080411>
 イスラエル軍が7月20日、最初の Iron Dome11月までに配備されることを明らかにした。
 Iron Dome は7月中旬に各種既存システムと連接した最終的な運用評価試験が行われた。 この試験では多数飛来するシミュレート目標に対す る交戦が行われ、それぞれの目標を撃墜した。
2010.08 Jane's Missiles & Rockets Rafael's Iron Dome makes European debut <1009-080009>
 Rafael社が6月にパリで開かれた Eurosatory 防衛博で、Iron Dome を海外で初めて公開した。
 Iron Dome は、射程70km以下のロケット弾のほか砲迫弾にも対抗でき、更に射程10kmの SHORADS SAM として、対航空機、対ヘリ、対 UAV にも使用できる。
2010.07.26 Aviation Week & ST Iron umbrella <1009-072608>
 イスラエルは7月19日に行われた試験で Iron Dome が有効性を実証したとして、11月にも IOC を宣言するが、配備要領について議論を呼んでいる。 空軍は Hatzor AFB に配置して有事展開を計画しているが、ガザに隣接す る住民は即時展開を要求し計画に反対している。
 また、Iron Dome 中隊は150k㎡を掩護できるものの、北部と南部の掩護には少なくとも20個中隊を要するのに対し、 発注されているのは2個中隊だけである。 米政府は8~9個中隊分として$205Mを議会に要求しているがこの中にミサイル 購入費は含まれておらず、中隊の新設には人員の手当も必要になる。
2010.07.21 Jane's Defence Weekly Israel declares Iron Dome operational <1008-072104>
 Iron Dome 対ロケット弾システムの最終迎撃試験が6月11~14日に行われ、Qassam ロケット弾や Grad型122mm Katyusha 弾の迎撃に成功した。 その後システムは空軍の防空師団へ引き渡された。  二番目の中隊は9月に引き渡される。
 中隊は MMR レーダ1基、指揮装置1基、Tamir 迎撃弾20発搭載発射機3基からなり、 150k㎡を掩護できる。
2010.07.20 Yahoo 時事通信記事

「ロケット弾迎撃システム配備へ=ハマス・ヒズボラの攻撃に対応―イスラエル」

<1008-072002>
 イスラエル国防省が19日、Iron Dome ロケット弾迎撃システムを11月にも配備することを明らかにした。  ガザ境界とレバノン国境に配備される予定である。
【註】
 Iron Dome は今まで、7月までにガザ近くとレバノン国境近くに配置された最初の2個中隊の IOC を宣言すると伝えられていたので、IOC が 延期になったのか。
【関連記事:1006-050503 (JDW 2010.05.05)】
2010.07 Jane's Missiles & Rockets Israel concern grows over Hizbullah rocket arsenal <1010-070010>

= イスラエルのミサイル脅威と防衛の必要性に関する記事 =

 右図は Iron Dome の20発(註:記事中12発搭載とあるのは20発の誤り)搭載発射機と迎撃弾(註:Tamir )。
2010.06.23 Jane's Defence Weekly Iron Dome makes global deut <1008-062601>
 イスラエル Rafael社がパリで開かれた Eurosatory 2010展で、イスラエル外で初めて Iron Dome発射機を展 示した。 発射機は20発を搭載し、異なる目標と同時に交戦できる。
 Iron Dome を装備する最初の中隊は数週間以内に 'operational' になるという。
 Rafael社は同展に Spyder も展示した。 Spyder はイスラエル軍の要求で作られ、射程20kmの Spyder-SR と射程50km、射高1,600mの Spyder-MR があるが、同国軍からの発注はまだない。
2010.05.05 Jane's Defence Weekly IDF aims to achieve initial Iron Dome capability by June <1006-050503>
 イスラエル軍が、来週行われる Iron Dome 発射試験最後となる1発の結果を見て、7月までにガザ近くと レバノン国境近くに配置された最初の2個中隊IOC を宣言する計画である。 イスラエル空軍は南北国境の防備に 、合わせて15個中隊が必要と見積もっている。
 Iron Dome 中隊は MMR 1基、FCC 1基、20発搭載発射機3両で構成され、射程15kmの ロケット弾に対し150k㎡を掩護できる。
 1月に行われた試験は Qassam と Katyusha の斉射に対し行われ迎撃に成功した。 Iron Dome の迎撃成功率は90%で ある。
2010.04 Jane's Missiles & Rockets Israel to begin Iron Dome deployment <1005-040015>
 2009年に創隊された Iron Dome を装備するイスラエル空軍の大隊は、既に Iron Dome の器材を使用した 訓練を行っており、最初の中隊は3月に迎撃弾を受領し、5月に運用を開始する。 但し少なくとも当初は、今まで報じら れてきたように Sderot などに固定的に配備されるのではなく、基地内に駐屯する。
 Iron Dome 大隊には2012年までに$250Mかけて7個中隊が編成される。
2010.03 Jane's Missiles & Rockets Israel's Iron Dome completes final trials <1004-030016>
 イスラエル国防省と Rafael社が1月5日と6日の両日に、Iron Dome最終試験を行い成功した。 この 試験は訓練手順に従ったもので Elta社製 EL/M-2084 レーダや Emperst社製の指揮装置も参加し、初めて複数目標との交戦 が行われ迎撃に成功した。
 この試験をもって Iron Dome の開発段階は終了した。
2010.01.11 Aviation Week & ST Iron Dome scores test success <1002-011107>
 Iron Dome 対ロケット弾システムによる Grad級ロケット弾の斉射に対する迎撃試験が1月5~6日に行われ 成功した。 この試験で開発段階が終了し、システムは数週間以内にイスラエル防空部隊に引き渡される。 最初の中隊 は5月にガザ周辺に展開する。
 一方 Rafael社は Iron Dome の国際市場への売り込みも行っている。
2009.11 Jane's Missiles & Rockets Israeli Iron Dome completes testing <0912-110003>
 Iron Dome ロケット弾迎撃システムの最終試験に成功し、開発が完了した。 最初の 装備は年内に納入され、2010年中頃に運用が開始される。
 Iron Dome の1個隊は20発搭載発射機を6基まで装備できる。 発射機は80゚の固定射角で発射する。
 ガザから発射される Qassam や Grad は精度が悪く、2008年12月~2009年1月のガザ侵攻作戦時には、人口密集地に着弾したのは3%以下であっ た。 このためシステムは掩護地域に着弾しないと予想される目標は無視する。
2009.09.02 Jane's Defence Weekly Israel prepares for Iron Dome deployment <0911-090201>
 イスラエルは、Iron Dome が7月に Grad級ロケット弾3発の迎撃に成功したのを受け、10ヶ月以内に最初の中隊 をガザに近い Sderot 市郊外に配置する。 中隊は既にシミュレータによる訓練を行っており、9月には器材を受領する。 当初中隊には 20発搭載発射機は3基配備される。 イスラエルはガザ及びレバノン国境の防備に13個中隊が必要と見ている。
 Iron Dome はパレスチナの Qassam ロケットからシリア製の B302 302mmロケット弾、イラン製の Fadjr-5 333mmロケットまで、射程70kmまでのロケット弾から 150k㎡を掩護できる。
2009.09 Jane's Missiles & Rockets Israel's Iron Dome downs three Grad-type rockets <0910-090016>
 イスラエルが7月15~16日に、Grad級ロケット弾3発を標的とした Iron Dome の迎撃試験を行い成功した。 Grad 1発 に対する試験は3月に成功しているが、今回の試験は Rafael社製 Tamir 迎撃弾、発射機、EL/M-2084 レーダ、戦闘指揮 装置の全システムを使用した試験であった。 この結果 Iron Dome は2010年前半IOC を 達成できそうである。
 最初の部隊は2010年5月にガザ境界に展開し、その後レバノン国境にも配置される。
2009.08 Jane's Missiles & Rockets Israel adopts low-cost approach to missile defence <0909-080019>
 David's Sling 及び Iron Dome の開発でイスラエルは、従来とは違うアプローチ を求められている。 いずれも低価格至短期間での開発が求められていることから、Mil-spec ではない 民生部品を可能な限り使用している。 この結果 Iron Dome は MANPADS 以下の単価になる代わり、 保管可能期間はわずか15年になった。 Rafael社は、計画はタイトであるが、期限内に達成できる自信があるとしている。
 2010年末か2011年初頭に誘導飛翔試験が行われる David's Sling 用のミサイル Stunner(右図)は、価格が$4Mである PAC-3 弾の1/6以下になる。 Stunner は Rafael社と Raytheon社の共同開発で、Raytheon社が誘導部と ATK社製ブースタ、Rafael社が三パルス 式の主ロケットと二波 IIR シーカを担当する。
2009.07.22 Jane's Defence Weekly Iron Dome test takes out three Grad rockets <0911-072205>
 イスラエルが7月15~16日に Iron Dome の迎撃試験を行い、Grad タイプの標的3発を撃墜した。 試験 には Elta社製 EL/M-2084 レーダと Trest社製の BMC が使用され、レーダは標的弾を発射数秒後に捕捉した。 Iron Dome の迎撃弾 Tamir にはロケット弾や155mm砲弾を破壊できる弾頭が搭載されている。
 IAI社は既に最初の大隊用装備を組み立て中で、最初の中隊は2010年5月にガザ地区周辺に配備される。
2009.07.13 Aviation Week & ST Slings and Arrows <0908-071314>
 イスラエル国有の Rafael社は Iron DomeStunner の開発を行っているが、次世代航空機搭載ミ サイルの開発も続けている。
Iron Dome
 Iron Dome の開発は、ロケットモータの問題や発射機の振動の問題などで若干遅れてはいるが、予定通り2010年 中頃に完了する。
 Rafael社は Iron Dome を従来型空投武器の至近距離迎撃にも使用することを検討している。
David's Sling
 Arrow は現在、1目標に向け2発を発射する方式であるが、David's Sling の装備化後は1目 標に1発として、2回目の交戦は David's Sling に委ねる。 Rafael社によると迎撃弾の Stunner は PAC-3 より射程が長い。
 Stunner は IR/レーダの複合シーカを搭載し、主ロケットは三パルス方式で燃焼する。 このほかに主ロケットより 胴径の太いブースタも取り付けられている。
2009.07 Jane's Missiles & Rockets Effective rocket defence of Israel requires three tiers, IAF commander says <0908-070020>
 イスラエル空軍司令官が、Iron Dome を装備する最初の部隊が2010年に運用を開始するが、多層防護 態勢が整うにはあと4年かかることを明らかにした。
 イスラエルのミサイル及びロケット弾に対する多層防衛は、David's Sling 迎撃弾を用いる Iron Dome システムStunner 迎撃弾を用いる Magic Wand システム、及び Arrow 3 からなる。
2009.06 Jane's Missiles & Rockets Israel declares Phalanx as weapon of choice to counter Hamas rockets <0907-060005>
 バラクイスラエル国防省が4月21日、ガザ地区からのロケット弾攻撃に対処するため Centurion C-RAM を導入 すると発表した。
 Centurion C-RAM のユニット価格は$25Mで、最初のユニットは年内に引き渡される。
【註】
 イスラエル軍は、米国はイラクに12基の Phalanx を配備しているが可動なのは3基だけなどを理由に、Phalanx 導入に消極的であると伝えられていた。
【イスラエルが Centurion を否定した記事:0811-100011 (JMR 2008.10)】
2009.06 Jane's Missiles & Rockets Israel prepares SAM battalion to operate Iron Dome <0907-060003>
 イスラエル空軍が、Iron Dome を装備する大隊の編成準備を進めており、大隊は今年中頃に訓練を開始して年内に運用可能状態になり、 2010年に編成完結式典を行う。 最初の部隊はガザ周辺、続く部隊は同国北部に配置される。
 この大隊は2012~2013年に完成する Stunner ミサイルを使用した Magic Wand システムも装備することになる。
2009.04.15 Jane's Defence Weekly Israel poised to deploy Elta MMR <0906-041511>
 イスラエルは Elta社製 EL/M-2084 MMR レーダの試験運用を、2008年12月~2009年1月にガザ地区で行ったが、結 果が良かったことから最初の5基を7月に配備する。 
 EL/M-2084 は砲弾を100kmで捕捉し、50kmで CEP-125mの精度で算定するアクティブフェーズドアレイレーダで、Rafael社が開発中の Iron Dome でも使用される。 また航空機やミサイルの捕捉も可能で、350kmの捕捉距離と200目標/分の処理能力を持つ。
【関連記事:0714-062704 (JDW 2007.06.27)】
2009.04 International Defence Review Rafael expects that Iron Dome will be ready to field by 2010 <0907-040004>
 2010年までに IOC になる Iron Dome は、今まで Hamas の Qassam ロケット弾対抗と報じられてきたが、Rafael社の担当責任者によると Qassam 対抗ではなく、同国北部に対する Hizbullah による Grad 122mmロケット弾などに対抗するものである。 北 部の都市 Haifa を例に取ると Iron Dome は発射機1基で防護可能であるが、実際には防護効果を高めるため 4~6基が配備されることになる。
 右図は Iron Dome 中隊の模型で、EL/M-2084 MMR(右図右)、指揮統制装置(右図中)、20発 搭載発射機(右図左)からなる。 ミサイルの全長は約3mで直撃を原則とし、初期単価は$30,000~$40,000であ る。
2009.03.30 Aviation Week & ST Fighting under fire <0905-033006>
 Iron Dome は4ヶ月間の試験ののち、2010年に運用が開始される。 中隊は6個FU からなる。
 発射される Tamir ミサイルは直撃が原則であるが、弾頭と近接信管も持ち、もし直撃に失敗 しても相手を無力化させる。 終末誘導は RF シーカを使用し中間誘導は地上からの指令で行う。 シーカは迎撃2秒 前に目を開く。 最終段階の相対速度は800~1,000m/sである。

  ロケット弾
   発射
  5秒   5秒      10秒        約30秒
   ┣━━━╋━━━╋━━━━━━╋━━━・・・・・・・・╋━━┫
       発見  追随     発射     シーカ 迎撃
                          ON
2009.03.27 Yahoo CNN 記事
「ロケット弾迎撃のミサイル・システム開発、成功と、イスラエル」
<0904-032702>
 イスラエル国防省は27日、レバノンやガザから撃ち込まれるロケット弾や砲弾を阻止する Iron Dome の開発に成功したと述べた。
 Iron Dome はロケット弾を使った実験にも成功したとしている。
2009.03.18 Jane's Defence Weekly The case for short-range missile defence grows <0905-031813>
= イスラエルの対ロケット弾戦闘 =
= ガザ侵攻作戦と2006年のレバノン侵攻作戦の比較 =
 2006年にイスラエルはヒズボラからのロケット弾攻撃に備えて、複数に PAC-2 中隊を北部に展開させたが、飛来したのは PAC-2 では撃てない Grad などの短距離ミサイルであった。 この経験から射程70km以下のロケット弾に対抗する Iron Dome の開発を開始した。
2009.03 Jane's Missiles & Rockets Israel sticks with Iron Dome plan despite increased rocket attacks <0904-030003>
 イスラエルの Iron Dome の開発は順調に進んでおり、数ヶ月以内に最初の迎撃試験を実施し、2010年 初期に配備される。
 これと共にパッシブ防護システムである Color Red システムの改良も進み、従来8~9kmであった弾着予想点の精度が3km になってきた。
2008.10 Jane's Missiles & Rockets US commits increased aid for Israeli missile defence <0811-100011>
 米国とイスラエルから正式の発表がないが、イスラエルの報道によると米国が Arrow 3 の開発に$750Mを支出するなどの支 援を行う模様である。 Arrow 3 はイランからの Shahab を Arrow 2 の二倍になる500km遠方で撃墜できる。 Arrow 3 では新型の Black Pine レーダと新型弾を開発するため、計画総額は$1.5Bにのぼる。
 米国は FBX-T レーダをネゲブ砂漠南部に展開すると共に、DSP 早期警戒衛星の地上受信装置である JTAGSイスラエルに提供する。
 一方 Iron Dome の二回目の発射試験が7月に行われたが、配備時期は当初計画の2010年から遅れて2011~2012年以降 になりそうである。 Iron Dome の開発遅れにもかかわらず軍は Phalanx 導入に消極的である。 米国はイラクに12基の Phalanx を配備して いるが、可動なのは3基だけという。 更にイスラエルが Sederot 市を護るだけでも12基必要で、Ashqelon の発電所を護ろうとすると更に4~5 基が必要になると見られている。
 Rafael社は Iron Dome の開発と平行してソリッドステートレーザの開発も進めている。
2008.08 Jane's Missiles & Rockets Rafael shows Iron Dome and Stunner missiles <0809-080018>
 6月にパリで開かれた Eurosatory 防衛展で Rafael社が Iron Dome 及び Stunner の実大模型を公開した。
Iron Dome(右図上)
 同社製 Derby AAM とよく似た形状で、Derby 同様に4枚の操舵カナード翼の直後に、Derby ではロール安定用に使用されているの同じ一対 の小型翼を持っている。
 Iron Dome はレーダシーカを搭載し、有効射程は4~17kmで、2010年1/四半期に配備が 開始される。 Iron Dome の発射機は20発を搭載し、1基で1都市の防護が可能である。 Iron Dome 中隊は1基の BMC と1ないし複数の発射機を装備する。
Stunner(右図下)
 David's Sling BMD システムに使用する Stunner は2モードシーカと多パルスロケットモータを搭載して高運動性能を実現すると共に、 発射後の目標変換を可能にしている。 最大射程は180kmである。 中隊は1基の BMC と4個の FU で構成されるが、FU を6個にまで増やすことができる。 Rafel社は、米陸軍がレーダを換えた David's Sling を採用する見込みと考えている。
Spyder-EX
 Python 5 AAM と Derby AAM を地上発射にした最大射程15kmの Spyder-SR は2ヶ国で採用され、そのうちの1ヶ国には既 に配備されているが、ミサイルにブースタを取り付けて射程を50kmにまで延伸する Spyder-MR の開発も行 われている。 Rafael社は将来、ブースタをはずした Stunner を搭載した Spyder-MR を上回る性能の Spyder-EX を考えている。
2008.07 International Defence Review Volatility in the Middle East drives Israeli defence industry innovation <0808-070014>
= イスラエルの軍事産業に関する9頁にわたる特集記事 =
 イスラエル最大の軍事産業である IAI社は15,500名の従業員を擁し、2006年に$2.7B、2007年に$3.3Bを売り上げ、その80%を輸出している。 IAI社の5つの事業部のうち レーダや電子装置を扱っているのが IAI Elta Systems社で、次のような新製品を開発している。
EL/M-2080S Super Green Pine:(右図上)
 Arrow システムの EL/M-2080 Green Pine L-band レーダを改良した Arrow 3 用のレーダで、アクティブモジュールが高出力化されている。
EL/2080 AAR:(右図下)
 100kmの捕捉距離を持ち、50km遠方で CEP=150mの精度で発射位置を標定できる EL/2080 S-band AAR開発の最終段階 にある。
その他各種
【註:】
 Elta EL/M-2084 AAR は、イスラエルの USRMD である Iron Dome のセンサとしても使われている。
【関連記事:0805-032601 (JDW 2008.03.26)】
2008.06.23 Aviation Week & ST Dual-defene <0808-062309>
 イスラエルで、対ロケット弾システムである長距離用の David's Sling と短距離用の Iron Dome の開発が進められている。
David's Sling
 David's Sling の迎撃弾である Stunner は固体燃料ロケットと3パルスモータの本体の二段推進で、イルカ型弾首には IR シーカとその後方にレーダシーカが取り付けられており、IR シーカは終末誘導に使用される。  SLAMRAAM の補完用として米陸軍への導入の可能性もあり、そのほかに20ヶ国程度が 導入の可能性のある国と考えられている。
 David's Sling の標準編成は、レーダ、指揮装置、及び16発搭載発射機4両であるが、Stunner のブースタをはずして SPYDER-LR に搭載することも考えられており、その場合でも最大射程は180kmになる。 ブースタ付きでは300kmである。
Iron Dome
 レーダシーカを装備し最大射程が70kmである Iron Dome は、David's Sling に先立つ2011~2012年に装備化される。
2008.05 Jane's Missiles & Rockets Iron Dome advances to meet Quassm threat <0806-050007>
(半分は JDW 2008.03.26 と同文の記事)
 今回の試験は 'flight out test' と呼ばれる発射機からミサイルを射出する試験で、オートパイロットや誘導装置は使用していない模様である。
(既報に加えて Sky Guard THEL が不採用になった理由について既述)
 THEL は最適な気象条件で35%の撃墜確率であった。 しかも THEL が使える気象条件は70%でしかなかった。 ガザの気象を考えれば、一年の 35%でだけ使用でき、しかも撃墜確率は35%でしかない。
2008.04.02 Jane's Defence Weekly Israel reaffirms decision to reject THEL system <0806-040205>
 イスラエル国防省は、ガザ地区から発射されるロケット弾攻撃に対して THEL は有効ではないとする先の決定 を再確認した。 3月21日にイスラエルは THEL が展開している WSMR に調査団を送ったが、この結論に達した。
 THEL は Nautilus 計画を引き継いで、現在 Northrop Grumman社の一部になっている TRW社が開発を行い、1996年には初めての試験が行われた が、18tの大きさから機動可能な MTHEL の開発を開始したものの2005年に計画が中止になった。
 その後 Northrop Grumman社は、移動型の SkyGuard をイスラエルに提案し、それまでのつなぎとして試作 THEL を使用することを提案したが、 移送に18ヶ月と$180Mを要することからイスラエルは提案を受け入れなかった。
2008.03.26 Jane's Defence Weekly Israel completes first launch of Iron Dome interceptor <0805-032601>
 イスラエルが3月9日に Iron Dome 対ロケットシステムの発射試験に成功した。 Iron Dome は、射程が4~70kmのロケ ット弾に対抗するシステムで、迎撃弾である Tamir胴経160mm全長3m 重量90kgのミサイルで、極めて高度な近接信管と弾頭を搭載する。 開発の重点はコスト低減で、現在の単価は$45,000 である。
 Iron Dome の中隊は EL/M-2084 MMR (Multi-Mission Radar) と指揮装置及び、20発搭載発射機3基で構成される。 発射機はゴミ運搬トラック で運搬できる。 過去の経験から、発射されたロケット弾の75%が目標からはずれていることが分かっているため、EL-M-2084 レーダは援護対象に着弾し そうなものを選別して迎撃する。 中隊の援護域は射程15kmのロケット弾に対して150k㎡で、援護確率は90%であ る。
 Iron Dome は2009年初期の IOC が見込まれている。
2008.03 Jane's Missiles & Rockets Israel releases more details on anti-rocket programmes <0804-030002>
 1月22日にイスラエル首相が Rafael社を視察した際、Stunner の実大模型が展示された。 外観では2007年 10月の AUSA で展示された模型に比べブースタの径が細くなっている。 AUSA で展示された際のブースタは本体の二倍の径であったが、 今回は30%太いだけであった。
 本体は2パルスロケットを使用し、弾首の形状から最先端にセミアクティブレーダシーカ 、その後方に IR シーカが取り付けられている模様である。 弾尾には二列近接して十字翼が取り付け られており、ケーブルダクトがそこまで伸びている。 
 イラン製 Fajr や Zelzal など、射程が40~250kmのロケット弾に対抗する Magic Wand システムが使用する 迎撃弾の名称は、当初米国名が Stunner でイスラエル名が David's Sling であったが、今ではイスラエル国防省も Stunner と呼んでいる。
 一方 Qassam、Grad、Katyusha など、射程4~70kmのロケット弾に対抗する Iron Dome はレーザ誘導方式で 90kgの迎撃弾を使用し、車載発射機に20発を搭載する。 運用開始は2010年初期とさ れているが、国防省はできるだけ早く、少しでも多くを装備したい考えである。
2008.01.02 Jane's Defence Weekly Barak seeks to revisit Skyguard, Steel Curtain <0802-010207>
 イスラエルは2007年2月に、射程4km~40kmのロケット弾に対抗する USRBMD として Rafael社の Iron Dome を選定したが、Barak 国防相が選定に漏れた以下のシステムの再検討を要求した。
【 Iron Dome 選定関連記事:0705-020704 (JDW 2007.02.07)】
Skyguard HEL
 Iron Dome の単価が$35,000であるのに対し Quassam は$200と経済的に合わない。 これに対して Skyguard の 一照射は$2,000という。 開発費も Iron Dome の$214Mに対し THEL の無毒な移動型を開発しても$180Mで済む。 更に IOC も Iron Dome の2010年に対し、18ヶ月で開発できるという。
Steel Curtain
 イスラエルが、4~40kmのロケット弾に対し$300,000の Stunner ミサイルを使用する David's Sling システム、射 程4km~40kmに対しては Iron Dome の二系列で臨もうとしているのに対し、IAI社は Arrow の技術を転用した5~250km対処の Steel Curtain を提案している。 単価は$100,000という。
2008.01 International Defnce Review Israel develops comprehensive defences against varied missile, rocket threats <0803-010014>
= イスラエルのミサイル防衛に関する5頁にわたる特集記事 =
 イスラエルは弾道弾脅威を以下の四種類に分類している。
 ・第一種:射程20km以下、107mm Katyusha 及び Quassam
 ・第二種:射程40km程度、122mm Grad
 ・第三種:射程50~250km、Fajr-3/-5、Raad、Khaibar 1、Zelzal 2、
              Fateh-110、SS-21
 ・第四種:Scud B/C/D、Shahab-3
 イスラエルは現有の Arrow 2 及び PAC-2 に Arrow 3、David's Sling(右図 Stunner 迎撃弾)、Iron Cap を加えた5層防護を整備しようとし ている。 Arrow 3 用に Green Pine を改良した Great Pine レーダは既に完成している。
 Iron Cap の中隊は、レーダ1基、指揮装置1基、20発搭載発射機6基を持ち、人口密集地一ヶ所 をロケット弾の斉射から防護できる。
2007.12.03 Aviation Week & ST End-to-end protection <0801-120310>
 イスラエルの近距離 BMD としては Iron Dome と David's Sling の二つの計画が進められている。
Iron Dome
 70kmから発射され300m/sで飛行する砲弾やロケット弾を迎撃するミサイルで、1個 中隊は6個 FU からなる。 各 FU は多連装 Tamir 迎撃ミサイル発射機と MFR を装備し、目標発射後5秒で捕捉して更 に5秒後に追随を確立し、目標発射から15秒で迎撃ミサイルを発射する。 Tamir は RF シーカを有し、発射後20秒、迎 撃2秒前に RF シーカが目を開く。 2009~2010年装備化を目指している。
David's Sling
 迫撃砲弾をレーザで迎撃しようとするシステムで、Raytheon社と Rafael社が協同で進めている。 イスラエルは Northrop Grumman社が提案し た Nautilus ではなく、固体発振レーザを追求している。
2007.10 Jane's Missiles & Rockets Israeli anti-rocket defence system hits funding problems <0721-100014>
 Rafael社が開発中の Kipat Barzel (Iron Dome) が資金問題に遭 遇している。 開発には2年間に$300Mが必要とされ、既に$40Mが投入され今後2~3ヶ月間に$80Mが必要となるが、イスラエル内 閣は7月に軍の追加支出要求を認めなかった
 Qassam ロケットの脅威にさらされている Ashkelon 出身の公衆安全相はレーザ DEW をロケット弾対策に再 検討することを求めているため、国防省はレーザ DEW を Kipat Barzel システムに取り込む検討を行っている。 また Rafael社と Raytheon社は、Phalanx 20mm砲を対ロケット用に提案している。
 Kipat Barzel は Kela David (David's Sling) KE ロケット弾を Elta社製の捕捉 レーダと組み合わせるものである。
2007.07.11 Jane's Defence Weekly Tier pressure <0715-071107>
= イスラエルの対ロケット弾戦に関するに関する6頁にわたる特集記事 =
Arrow
 米国とイスラエルは今年2月に、ASIP (Arrow System Improvement Program) を5年間延長し2013年までとすることを決めた。
 両国は Arrow 2 の能力を向上させた Arrow 3 の検討も ASIP の一環として行っている。 このため MDA に 対し THAAD や SM-3 の資料提供を求めている。
SRBMD
 70~400km射程の脅威に対処する Stunner は、Python 5 二波 IIR AAM にブースタ を取り付けたもので重量100kg、平均速度1,000m/sで迎撃距離は250kmを超える。
USRBMD
 4~70km射程の脅威に対処する Iron Cap は Hotzetz を迎撃弾にし、 EL/M-2084 MMR (Multi Mission Radar) で管制する。
 中隊は20発搭載発射機6基を持ち、1個中隊で Haifa 程度の広さ掩護対象を護れる。
2007.02.07 Jane's Defence Weekly Israel selects anti-rocket system <0705-020704>
 イスラエル国防省は、射程2~40kmのロケット弾に対抗するシステム(註:USRBMD )に Rafael社が提案 する Kippart Barzel (Iron Dome) を選定した。 これにより同国は、射程200km以 上の弾道弾に対抗する Arrow、40~200kmに対抗する Stunner とともに、三層の防護体制を構築することにな る。 射程2~250kmの脅威に一機種で対抗する IAI社提案の Hotzetz は脱落した。
 Iron Dome は Rafael社の単価$40,000の安価ミサイルと、Elta社の対砲迫レーダで構成され、Rafael社によ ると30ヶ月で運用が開始できる。
 一方 Rafael社と Raytheon社が共同開発する Stunner SRBMD は単価$300,000で、2011年 の運用開始を目指している。
2007.02 Jane's Missiles & Rockets Israel funds development of Rafel anti-Quassam system <0708-020007>
 イスラエル国防省が Rafael社に Kela David 対ロケットシステムの開発を発注し、2007年に数百万ドルを 支出した。 Kela David は単価が$30,000以下の安価ミサイルと Elta社製対砲迫レーダで構成され、受注後 18ヶ月で運用を開始できる。
 この計画には当初13システムが提案されたが Northrop Grummn社が提案した Skyguard HEL は真っ先に脱落 し、IMI社が提案した Magen Kassum 160mmロケット弾や Lockheed Martin社が提案した Skyshield も脱落した。 機種選定末期に IAI 社が射程5~1,000kmのミサイルやロケット弾に対抗する Arrow を小型化した Hotzetz を提案したがこれも選考されなかった。
2007.01.22 Defense News Israel likely to select Rafael system to provide short-range rocket defense <0704-012212>
 イスラエル国防省は短距離ロケット防衛システムの機種選定委員会を開催し、Rafael社が提案する Iron Cap システムを選定した。
 イスラエルは射程5km~40km以遠の Quassam や Katyusha ロケット等に対処するため、約2年前から USRMD (Ultra Short Range Missile Defense) 計画を検討しており、Skyguard、Skysheld など12以上の提案から国産のシステムを選定した。
 Iron Cap システムは既存のミサイルを基にした安価ミサイルで、見積価格は$50,000、開発には2年間$60Mを 計上する。
2007.01.10 Jane's Defence Weekly Rafael set to develop anti-Qassam system <0703-011009>
 イスラエル国防省は機種選定後18ヶ月での運用開始を目指す短距離ロケット対処システムの開発に2007年に 数億円を準備しているが、既に13件の提案がなされている。 このうち Northrop Grumman社の提案する Skyguard HEL、IMI社の Magen Kassum、Lockheed Martin社の Skyshield は今のとこ ろ候補から外れ、Rafael社の提案が最有力視されている。
( Skyguard 関連記事 JDW 2006.09.06)
( Magen Kassum 関連記事 JDW 2006.10.11)
( Skyshield 関連記事 JDW 2006.12.06)
 Rafael社の提案は Kela David と呼ばれる Rafael社製の既存ミサイルを元にした安価ミサイルで、 Elta社製レーダと組み合わさて使用する。 単価は$30,000以下である。 同社は SRBMD 計画として 40km~200kmの長距離ロケットに対抗する Stunner の開発も受注している。
( Stunner 関連記事 JDW 2006.06.14)
 これに対して IAI社が射程5km~1,500kmの敵に対抗する mini ARROW を新たに提案した。 mini ARROW の要撃高度は0km~20kmで、 Scud や Shahab にも対抗できる。 単価は$80,000 である。
2007.01.01 Defense News Israel eyes 'One-Size-Fits-All' missile defense concept <0703-010101>
 イスラエル IAI社は射程5kmの Qassam ロケットから1,500kmの Shihab 級ミサイルに対処できる「One-Size-Fits-All 」ミサイル Hotzets (Separator) の開発を提案している。
 Hotzets は重量200-lb以下で、中隊規模のシステムは20発搭載の車載発射機3両、 及び指揮統制戦闘管理システムからなり、既存レーダまたは今後開発するレーダのいずれでも利用できる。
 ミサイルの単価は$80,000で、3年以内に装備化が可能とされ、Arrow との共同運用 を提案している。
 国防省は既に1年前から SRBMD と更に短射程の USRMD の開発を進めており、同社 の提案は2つの計画を統合するものとして注目されている。
2006.12.06 Jane's Defence Weekly Skyshield tried against Qassam <0701-120601>
 Lockheed Martin社が Katyusha 及び Qassam に対処するため Oerikon社製 Skyshield 35mm砲システムを改良している。 実験室段階の試験では Katyusha 及び模造 Qassam の対処に成功している。
 Skyshield は35mm回転弾倉砲2門、捜索及び追随レーダからなる無人センサ装置及び、2名の操作員による指 揮装置からなり、AHEAD 弾は152個の旋回安定式タングステン弾を放出する。 Lockheed Martin社は AHEAD 弾 の弾体を同社製の材料に代え撃墜効果の向上を図ろうとしている。
( Skyshield AHEAD 関連記事 JMR 2003.07)
 イスラエル国防省は Skyshield のほかに IMI社提案の Magen Kassum 及び Northrop Grumman社提案の Skyguard HEL を検討しており、年内に機種選定が行われる予定である。
( Magen Kassum 関連記事 JDW 2006.10.11)
2006.12 Jane's Missiles & Rockets Israel studies shields <0703-120023>
 イスラエル国防省は Hizbullah との34日間の戦いの経験から、短距離ロケットに対抗するシステムの開発を検討している。
 これに対して Rafael社が David's Shield(註:Kela David )、IMI社が Magic Shield (註:Magen Kassum )システムを提案して競っているが、イスラエル国防省は Rafael社システムを 主に考えている模様である。
2006.12 International Defence Review Elbit submits three-tier counter-rocket system <0624-120002>
 イスラエルの Elbit社が、Quassam や Katyusha ロケット弾攻撃から防護する三層防護システム CRS (Counter Rocket System) 計画を推進している。
 CRS の第一層は対砲迫レーダと IMI社が開発した TCS (Trajectory Correction System) 搭載の多連装ロケットから成り、来襲する敵のロケット弾を多連装ロケット弾の 近接信管付き弾頭で破壊する。
 第二層は第一層と同じ組み合わせで、敵の発射機を破壊する。 第三層は主要建造物の屋根に装甲を施すことで防護しようと いうものである。
( TCS 関連記事 JMR 2004.01)
【註:】
 TBM やロケット弾を TBM やロケット弾で迎撃しようとする試みは、イランでも行われていることが報じられている。
(関連記事 時事通信 2006.11.27)
2006.11.29 Jane's Defence Weekly Israel seeks solution to Qassam threat <0624-112901>
 イスラエル国防省が Qassam ロケットなどから防護するシステムを開発する緊急要求を準備中である。 イスラエルが検討しているのは 以下の四つの選択肢である。
 ① AAM を元にした迎撃ミサイル Stunner(Rafael社案)
 ② 160mmロケット弾を元にした Magen Kassum(IMI社案)
 ③ Skyguaed HEL(Northrop Grumman社案)
 ④ Skyshield などの高発射速度砲
( Magen Kassum 関連記事 JDW 2006.10.11)
( Stunner 関連記事 JDW 2006.06.14)
2006.11 Jane's Missiles & Rockets Israel focuses on anti-rocket defence <0624-110003>
 Hizbullah によるロケット弾攻撃に対して、イスラエルでは対抗システムの議論が盛んになっている。 Northrop Grumman社は2004年 に棚上げになった MTHEL を小型化した Skyguard システムをイスラエルに売 り込もうとしたが、イスラエル国防省は高価すぎると結論づけた。
 これに代わる案の一つに陸上型 Phalanx も挙がっている。
 イスラエル国内でレーザ砲を開発しようとの動きもあるが、$1.25Bかかると見られている。
2006.10.11 Jane's Defence Weekly IMI develops rocket-interceptor <0621-101113>
 イスラエルの IMI社が、新しい原理に基づくロケット弾迎撃システムを開発しており、既にイスラエル国防 省に説明している。 このシステムは Magen Kassum (Magic Shield) と呼ばれ、射程9kmの Quassam から、射 程200kmの Zelzal までのあらゆるロケット弾に対抗できる。
 Magen Kassum は、同社製 AccuLAR (Accurate Light Artillery Rocket) に経路修正装置を付けたもので シーカは持たない。 既存のセンサ情報で要撃点に向け発射され、自爆してロケット 弾を破壊または無能化する。 開発には2年を要する。
2006.09.06 Jane's Defence Weekly Israel revives plan for anti-rocket laser system <0619-090610>
 イスラエルが、最近のロケット弾攻撃の状況からレーザシステムを復活させる計画である。 Northrop Grumman社は既に THEL の派生 型である Skyguard システムの売り込みを行っている。
( Skyguard 関連記事 AW&ST 2006.08.07)
 イスラエル対ロケット弾攻撃用に Stunner SRBMD システムの開発を2007年初期に開始しようとしているが、 7月12日から8月14日の間にイスラエルに撃ち込まれたロケット弾は4,228発で、その大部分は 射程20~25kmの122mm Katyusha で、大型弾は250発に過ぎなかった。 これらを$300,000~$400,000の Stunner で迎撃するのは現実的ではない。
( Stunner 関連記事 JDW 2006.06.14)
 これに対し Skyguard の開発は$200Mと見積もられ、イスラエル北部の掩護に必要となる15基程度を整備しても $600Mに過ぎない。 今年1月に米国が THEL 計画を中止した理由は機動性の欠如であったが、イスラエルの都市防空に 機動性は不要である。
2006.06.19 Defense News Rocket attack may spur Israeli intercept effort <0617-061904>
 イスラエルはパレスチナ側からの頻繁なロケット攻撃に対処するため、国防省は RfI を発簡し、検討作業を開始している。
 候補の一つは Northrop Grumman社の SkyGuard システムで、米国と共同開発した THEL の技術を用いている 。 SkyGuard は小型化により車両による輸送が可能であり、ロケット、迫撃砲をレーザ照射により破壊する。
 イスラエルによると、ロケット弾で最も多量に使用されているのは手製の Qassm で、6月中旬には 5日間で100発以上が撃ち込まれている。