2008年以降の軍用通信衛星に関する報道

           
年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2025.02.20
 13:01
Reuters 通信

(Yahoo)

イタリア、マスク氏のスターリンクに代わる国産システム開発目指す <2503-02016>
 ウルソ伊企業相が19日、米実業家イーロン・マスク氏が手掛けるStar Linkに代わるシステムの構築を目指した政府通信用の低軌道衛星を独自に開発する意向を示した。 開発時程や開発に参加する企業名は明らかにしなかったが、イタリア宇宙機関が実現可能性調査を進めるという。
 メローニ伊首相は以前、危険な地域で活動する政府関係者に暗号化通信サービスを提供するため、Star Linkの利用を検討していると述べていた。 マスク氏はメローニ首相と親しく、1月にイタリアにサービスを提供する用意があると述べていた。
 これに対てし野党は猛反発し、トランプ米政権に参加する外国人起業家と国家安全保障に関わる契約を結ぶのは賢明ではないと主張していた。
 ウルソ企業相は下院で「独自に開発する国の低軌道衛星システムの創設について作業を進めている。 国内の大手企業が関与する」とし、マスク氏など他の外国事業者のシステムに代わる競争力のある選択肢になるとの認識を示した。
 Star Linkはマスク氏が率いる宇宙企業Space Xの衛星通信サービスで、関係筋は、イタリア政府が同社と€1.5B($1.57B)規模の5ヵ年契約を締結することを検討していると述べていた。
2024.09.04
 16:02
Breaking Defense SDA demos laser links crucial for future SATCOM, missile tracking network <2410-090407>
 米宇宙開発庁 (
SDA) のトゥーニア局長が4日、同庁が衛星をリンクする光通信端末の能力を成功裏に実証したと発表した。 この能力は、低軌道 (LEO) 間のデータ転送およびミサイル警告/追跡衛星用に計画されたネットワーク網にとって中核であると認めている。
 トゥーニア局長は年次国防記者会見で、今日まで我々はレーザー通信を実証していなかったが、今回そのネットワークを形成することができたと述べた。
 軌道上での実証には、ドイツの企業TESATによって構築されたレーザー光端末が含まれ、Space Xによって構築され、SDAの最初の実験的な衛星群であるTrangent 0の一部として2023年打ち上げられた4つのミサイル警告/追跡衛星のうちの2基を打ち上げたと説明した。
2024.06.23 Stars & Stripes SpaceX successful with booster replacement on Starlink mission <2407-062314>
 SpaceX社が6月23日に、6月にミッションを終えるStarlink衛星の後継となる22基をFalcon 9で打ち上げた。
 Starlink衛星は現在6,00基以上が軌道上に置かれている。
2024.04.11
 03:47
Military Times Hundreds of satellites to give military faster tactical comms and data <2405-041102>
 低軌道に何百もの小型衛星を拡散する宇宙に焦点を当てた計画は、海兵隊に現場でのより明確な通信とより高速なデータ転送をもたらすことを目的としている。
 国防総省
SDAは、すでに27基の低軌道衛星を打ち上げ、拡散型宇宙アーキテクチャプログラムの試験と性能確認を行っていると、SDAのトゥルニア局長が4月8日に海軍連盟の海空宇宙会議で述べた。
 低軌道衛星は地球上空約1,200哩を周回しているが、2024年後半には、低軌道衛星の第2陣が軌道に乗る予定だという。 中軌道衛星はGPSを利用して、地球から約12,550哩上空に配置されている。
 2025年末までに、このプログラムでは160基の衛星を軌道に乗せる予定で、その大半は地球をカバーして地域間の接続を構築し、その内20基以上はミサイル警戒専用少数の衛星はミサイル管制に特化されている。
 海兵隊やその他の軍は、何十年にもわたって衛星通信に依存してきましたが、低軌道衛星の進歩により、帯域幅が広くなり遅延が減ったため、多くのデータをより速く送信できるようになった。
2024.03.01
 17:45
UchuBiz

(Yahoo)

中国、初の高軌道ネット衛星を打ち上げ–「一帯一路」主要地域をカバーか <2404-030117>
 中国の国有企業である中国航天科技集団 (
CASC) が現地時間2月29日、長征3号B/G(LM-3B/B、CZ-3B/G)SLVで新たな高軌道インターネット衛星シリーズの第1弾を打ち上げた。
 中国南西部の西昌衛星発射センターから打ち上げられたのは、CASCによれば互聯網高軌衛星01号(高軌道インターネット衛星01号、Weixing Hulianwang Gaogui-01)とされている。CASCによれば、同衛星はCASC傘下の研究機関である中国空間技術研究院 (CASTA) が開発したもので、高軌道は静止軌道(高度36,000km)より高い。
 国営メディアの新華社は2023年11月初の高軌道インターネット衛星が完成し、中国全土と一帯一路構想沿いの主要地域をカバーするために使用されると報じていた。
2023.09.28
 14:30
Forbes

(Yahoo)

スペースXが米宇宙軍と契約、同社初で最大100億円規模 <2310-092806>
 イーロン・マスク氏が率いるSpace X社が、同社初となる米国宇宙軍との契約を今月初めに締結し、同社の衛星通信サービスStarshieldを利用してカスタマイズされた衛星通信を軍に提供する。 契約はSpace X社のStarshieldプログラムの全期間を通して実施される。
 Starshiledは民間向けのStarlinkによく似た小規模バージョンとマスクが位置づけているもので「何千万ものユーザーを扱う必要がなく」、米国政府が所有して管理する。
2023.07.07
 13:00
Bloomberg

(Yahoo)

マスク氏、有事に強いインターネット設備構築目指す台湾に最後通告 <2308-070708>
 台湾のインターネットをほぼ全面的に支えているのは14本の海底ケーブルであるため、台湾が中国と戦争することになれば、これが格好の攻撃目標になるため、台湾政府は域内の通信体制強化を目指し、障害発生時に接続を支援できるような低軌道 (
LEO) 衛星システムを求めて世界各国を訪問している。
 イーロン・マスク氏と同氏のStarLinkシステムはこうした問題に確実に対処できそうだが、中国との深いビジネス上のつながりや中国政府に友好的な発言から、台湾はマスク氏に不信感を抱いていた。
 台湾と米宇宙開発企業Space X社は、2019年に衛星サプライチェーンについて試行的な協議を開始したが、2022年初めに協議での友好的な雰囲気が一変した。
2023.06.02Janes Ukraine to receive Starlink services under US deal <2307-060219>
 米国防総省が6月1日、ウクライナに提供する衛星通信StarlinkをSpaceX社に発注したと発表した。 ただ発注価格や契約の時程などについては発表しなかった。
 SpaceX社はウクライナのフェドロフ副首相の要請を受け2022年2月から衛星画像を提供しておりウクライナにとって“game changer”になっている。
2023.06.02
 06:26
共同通信

(Yahoo)

米国防総省、衛星通信契約 スターリンク、資金拠出 <2307-060207>
 米国防総省が1日、ウクライナの防衛を支える目的で人工衛星を使ったSpace X社のインターネット接続サービスStarlinkと契約したと明らかにした。 Space X社はこれまでもウクライナでサービスを提供してきたが、多大な維持コストを理由に資金拠出を求めていた。
 国防総省は、衛星を使った通信がウクライナの通信ネットワークの中核だと、ウクライナ軍の司令部と前線の間で情報の送受信に利用されるなど、Starlinkが重要な役割を果たしてきたことを踏まえ、通信手段の維持を支援する考えを強調した。
2023.06.01
 16:21
Defense One Pentagon buying Musk's Starlink for Ukraine <2307-060110>
 イーロン・マスク氏と米国防総省の関係はギクシャクしているが、ウクライナでSapce X社の衛星通信が不可欠として、6月1日に同社に衛星通信サービスを発注した。
 現在4,000基の衛星でStarlink網を構成しているSpace X社のマスク氏は、数ヶ月間ウクライナに20,000基の衛星端末を提供してきた。
2023.05.31
 17:16
Sorae

(Yahoo)

スペースX、スターリンク衛星の打ち上げに成功。総数は4521機に <2306-053114>
 SpaceX社が日本時間5月31日、Falcon-9でStarlink衛星52基を軌道に投入した。
 Starlink衛星は、SpaceX社のインターネットサービスStarlinkで用いられる通信衛星で、同社は、高度や傾斜角が異なるShell-1~Shell-8に分類された軌道へ、最大42,000基の衛星投入を計画している。
 今回の投入で軌道上にある衛星の総数は試作機を含み4,521基になった。
2023.05.23
 00:00
日経新聞 The Economist: スターリンク、中国の脅威に <2306-052301>
 中国人民解放軍の機関紙解放軍報Starlinkを警戒せよと呼びかけている。 多数の小型衛星で通信網をつくるメガコンステレーションと呼ばれるStarlinkは、既存のインフラに頼らず広帯域のインターネット接続を提供するサービスで、米民間宇宙企業のSpaceX社が運営している。 解放軍報は、米政府当局が確実にこれを利用していると警告している。
 2022年のロシアによる侵攻後、ウクライナでStarlinkの提供が始まると、Starlinkはウクライナにとって戦争遂行に欠かせない存在となっていて、衛星通信のおかげで兵士たちは連絡を取り合い、攻撃目標を特定し、世界に向けて動画をアップロードすることができる。 しかも妨害を受けにくい。
 解放軍報はSpaceX社に助けを求めたのがウクライナであるのに、同社を覇権主義に取りつかれた米国に加担していると非難した。
2023.05.17 Jane's Defence Weekly Raytheon and CesiumAstro provide AESA Payload for PWSA <2307-051702>
 Raytheon社CesiumAstrod社と米
SDAが開発しているPWSAを構成するTracking Layer LEO衛星に搭載するAESA方式のRF通信装置Vireoを開発している。
 PWSAのTracking Layerでは従来の既存のSATCOM LOS通信に代えてLEO衛星と衛星通信を構成する。
AESA通信装置はRaytheon社が受注したTracking Layer衛星の5号機に搭載される。 Raytheon社は当初打ち上げられたT1TL衛星28機に追加される7機を3月に受注している。
2023.04.12
 14:04
Inside Defense SDA issues solicitation notice for Tranche 2 Transport Layer satellites <2305-041210>
 
SDAPWSA Tranche 2 Tranxsport Layer (T2TL) 衛星のRfPを発簡した。
 T2TLは戦闘員に全地球規模で暗号化された通信を提供するもので、国防総省は6本の軌道に12機ずつ、合わせて72基の打ち上げを計画している。
2022.10.06
 15:26
Breaking Defense York scores SDA contract worth up to $200M for experimental communications satellites <2211-100611>
 米
SDAが10月6日、T1TLの試験衛星T1DES 12基と地上装置York社に$200Mで発注したと発表した。 T1DESは低高度軌道でのTACSATCOM及びIBSの試験を行う。
 T1TLは低高度軌道6種類の衛星を500基打ち上げるというSDAのNDSA計画の一環として高速大容量通信を担うもので、将来のJADC2を支えることになる。
 T1DESはLink 16で使用しているUHFやSHFではなく、T1TLが使用するK-bandでの試験を行う。
2021.09.13 DARPA HP Adaptable Optical Communications to Facilitate Future Low-Earth Orbit Networks <2110-091304>
 米DARPAが、官民低軌道における小型衛星群の多用が拡大されると見込まれることから、光を用いた新たな衛星間通信
Space-BACN構想を進めている。
 Space-BACNでは光学衛星間通信仕様OISLが採用される。
2020.05.06 Breaking Defense Esper orders SDA to link C2 networks for all-domain ops <2006-050609>
 エスパー米国防長官が各軍に対し、SDAが開発している全ドメインの指揮統制装置を連接するデータ伝送衛星との連接を命じた。
 データ伝送衛星では統合全ドメイン指揮統制 (JADC2) の実現を目指していて、対象となるのは空軍のABMS陸軍のTITAN、海軍のNIFC-CAなどである。
【註】
 データ伝送衛星はSDAが進めている多層からなる衛星群HBTSSで伝送層 (Transport Layer) を担当する衛星群である。
【 Transport Layer 関連記事:2006-050503 (C4ISR 2020.05.05)】
2017.03.29 Jane's Defence Weekly View from above <1705-032915>
= 軍事衛星に関する5頁の記事 =
 
2009.03.30 Aviation Week & ST Reaching for the stars <0905-033011>

 米国防総省は、1基数千億円かかる大型軍事衛星の時代は終わるであろうと見ている。 9月に打ち上げられる TacSat-4450kgに搭載される COMMxは、UHF 10チャネルが可能で、数千億円かかる次世代軍用 UHF 通信衛星 MUOS の初期型と同程度の能力を持つ。
 1990年代に発想された SBIRS ミサイル早期警戒衛星は$11Bもする。

2008.06.11 Jane's Defence Weekly DoD's UAV push may drive satellite market <0808-061108>
 2~3年前まで米国防総省は軍用通信衛星の必要性を強調してきたが、UAV の多用化傾向から衛星通信需要が高まってき たのを受け、民間通信衛星の利用を主張し始めて来た。 国防総省の固定地上局における衛星通信は、既に80%で民間通信衛星を利用しているとい う。
2008.03.05 Jane's Defence Wekly US DARPA studies flexible satellite architecture <0804-030503>
 DARPA が従来の衛星に代わる System F6 計画を進めようとしており、2月26日に Phase 1 として総額$38Mの契約を、Boeing、Lockheed Martin 、Northrop Grumman、Orbital Science の4社と行った。
 System F6 は Future, Fast, Flexible, Fractionated, Free-Flying Spacecraft United by Information Exchange で、Phase 1 ではいかにし て各モジュールを Self-Forming Wireless Network で接続するかの検討を行う。
2007.11.14 Jane's Defence Weekly A lack of JTRS terminales may impact MUOS <0724-111401>
 携帯電話基地局36,000km上空に設置する様な計画である MUOS (Mobile User Objective System) は最初の衛星が2010年に運用可能になるが、一連の衛星を軌道に乗せても JTRS 端末がないため、それを活用することができない状況になっている。
 MUOS 用端末となる JTRS Cluster 5 は、今は HMS と呼ばれている。
2007.09.17 Defense News China heightens Pacific challenge to US forces <0720-091716>
 中国軍は、近年米軍のアジア太平洋における活動を抑止する目的で、衛星やレーザを用いた精密誘導兵器を部隊に装備しているが、 2010年には衛星通信による C4ISR が確立すると予測される。 中国は現在4基の北斗 測位衛星を運用中であると共に、情報ネットワーク衛星である NavSat を20基打ち上げる計画である。
 陸戦兵器では、新型の短距離 SSM である射程260kmの B-611M 及び150kmの P-12 はいずれも GPS/INS を使用し CEP<50mである。 空軍もレーザと衛星誘導技術を用いた兵器を開発しており 、投弾距離45kmの450kg滑空誘導爆弾 LS-6、500kgセミアクティブ誘導爆弾は JH-7A に搭載される。
 また、2006年上海航空展及び今年のパリ航空ショーには暗剣ステルス型 UCAV の模型が展示された。
2007.04.02 Aviation Week & ST Tracking forces <0708-040206>
 アフガニスタンに展開する NATO 軍は、これまでのイラク派遣の米軍と同様に友軍の状況把握に問題を抱えている。 アフガンには 39の友軍部隊が行動しているが、刻々変化する状況をまとめるシステムはなく、現地指揮官も他部隊の状況確 認に時間を要している。
 イラクでは7個部隊の現況を共通画像として、必要に応じ指揮官が確認できるよう Blue Force Tracker が開発され使用されている。
2007.03.05 Defense News USAF to upgrade satcom jamming <0708-030503>
 米空軍は2004年から運用している衛星通信妨害システム CCS (Counter Communication System) の改善を検 討している。 CCS は地上から通信衛星を妨害するシステムで、FY-08に$76.3M、FY-09に$133.5Mを要求 しているが、FY-08に改善型である CCS Block 20 の研究として$5Mを要求している。
 妨害システムの機能については明らかにされておらず、空軍の Block 20 採用可否も未定である。
2007.02.19 Aviation Week & ST Catching up, perHAPS <0705-021906>
= 欧州における通信衛星の研究開発状況に関する記事 =
 2005年12月に欧州宇宙局(ESA)で開催した大臣級のサミットで、通信衛星技術の研究開発に$715Mを拠出することが決まり、各国は衛星 計画を推進している。
Hylas (Highly Adaptable Satellite)
 英国が開発中の2KW、2.3t級衛星で、6基の Ku-band 送受信機を備える。 2008年打ち上げを予定する。
Small GEO
 ESA とドイツが開発中の3KW、1~2t級衛星で、2010年の打ち上げをめざし年末までに搭載機器を決定する。
AlphaBus
 ESA とフランス CNES が開発中の12~18kwの大型衛星で、2011年に打ち上げる。
HAPS (High Altitude Platform Stations)
 フランス Onera社が研究中の衛星通信の中継装置で、オリンピック等で通信所要が過重となった場合 HALE UAVまたは飛行船 を使用して中継する。 2011年までに試験飛行を行う。
2007.02 Jane's Missiles & Rockets USAF selects Rockwell Collins for MMP Upgrade <0708-020020>
 Rockwell Collins社が米空軍 Minuteman 発射司令センタから、Milstar AEHF (Advanced Extremelt High Frequency) 衛星と端末操作員を結ぶ通信の改良 MMP Upgrade (Minuteman Modernization Program Upgrade) を受注した。
 同社は MEECN (Minimum Essential Emergrency Communication Network) 計画に当初から参画している。
2006.08.02 Jane's Defence Weekly US military commanders seek low-cost satellite capability to aid missions <0617-080205>
 MIT が$17Mの契約で、ミサイルの発射検知、陸上通信、艦船追尾などに使用する安価な小型衛星の検討を行っ ている。 計画名は ORS (Operationally Responsive Space) で、衛星の寿命は約1年 と考えている。
2006.06.28 Jane's Defence Weekly UK considers NMT purchase <0614-062809>
 英国が加、蘭と提携して、現有 MILSTAR に代わる AEHF (Advanced EHF) 通信衛星計画に参入しようとしてい る。 英国は米国の NMT (Navy Multiband Terminals) に参画する共に Raytheon社から SMART-T (Secure Mobile Anti-jam Reliable Tactical Terminal) を AEHF の地上端末として購入する。
( SMART-T 関連記事 IDR 2005.05)
 米海軍は$1.47B~$1.66Bをかけて、2010年までに400基の NMT を調達し、艦船に搭載されている端末装置とア ンテナを換装しようとしている。 これによりデータのスループットが四倍になると共に、搭載スペースが少な くできる。
 NMT は EHF、AEHF GBS (Global Broarcast System)、X-band、Ka-band、及び海軍の FORCEnet をサポートする。
2005.12.26 Inside the Navy Defense appropriators agree to fully fund Navy Satellite system <0604-122602>
 米上下院は海軍の MUOS (Mobile User Objective System) 衛星のFY-06要求である$470M全額を最終的に承認 した。 MUOS の打ち上げはFY-09に計画されている。
 MUOS は海軍の UHFFS の後継として2004年から開発中の狭帯域通信衛星で、5年以内の更新を予定していた。
2005.05 International Defense Review SMART-T test <0510-050008>
 Raytheon社が3月23日に発表したところによると、同社が開発している SMART-T (Secure Mobile Anti-jam ReliableTerminal-Tactical) は AEHF (Advanced Extremely High Frequency) 衛星から XDR をダウンロードする、初の企業開発地上端末になる。
(関連記事 IDR 2005.03)
2005.03.21 Aviation Week & ST Tug of war <0507-032111>
 DoD が2013年に打ち上げを目指す、空軍主導の衛星通信システム TSAT のFY-06 要求では議会との厳しい議論が予想される。
 TSAT は現在開発中の WGS と AEHF システムの後継に位置づけられる高速レーザリンクと インターネットプロトコルを用いたシステムだが、技術的成熟度に問題があるとしてFY-05では要求の$774.8Mから$300Mを削減さ れている。
米国が開発中の軍事通信衛星
┏━━┳━━━━━━┳━━━━━━┳━━━━━━━━━┓
┃名称┃ 主契約社 ┃打ち上げ予定┃  主たる用途  ┃
┣━━╋━━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃  ┃      ┃ 2006年 5月┃DSCSに代わる   ┃
┃WGS ┃ Boeing  ┃ 2006年 9月┃  広帯域サービス┃
┃  ┃      ┃ 2007年 2月┃         ┃
┠──╂──────╂──────╂─────────┨
┃  ┃LockMart  ┃ 2008年 4月┃Milstar の後継とし┃
┃AEHF┃   and  ┃ 2009年 4月┃ て戦略、戦術通信┃
┃  ┃Northrop Gru┃ 2010年 4月┃         ┃
┠──╂──────╂──────╂─────────┨
┃MUOS┃Lockkheed  ┃初回打ち上げ┃UHF 後継衛星として┃
┃  ┃   Martin┃ 2009年  ┃ 海軍用狭帯域通信┃
┠──╂──────╂──────╂─────────┨
┃TSAT┃  競争中  ┃初回打ち上げ┃WGS、AEHF の後継と┃
┃  ┃      ┃ 2013年  ┃   なる戦略通信┃
┗━━┻━━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━━━━┛
  WGS : Wideband Gapfiller Satellites
  AEHF: Advanced Extremely High Frequency
  MOUS: Mobile User Objective System
  TSAT: Transformational Satellite
2005.03.21 Aviation Week & ST Digital disappointment <0507-032110>
= 通信衛星業界の沈滞に関する記事 =
 1990年代に予測された衛星ブームは見込み違いに終わり、低調な需要から衛星業界 は合併、人員削減及び投資の差し控えを余儀なくされている。
 年間65基の衛星を製造する能力を持つ企業もあるが、民間通信衛星の需要は年間15~18基で、軍用衛星は常に議会と軍の論争で安定需 要が見込めない状況にある。
 今後発展を望めるのはデジタル通信衛星をアジア、南米及びアフリカの諸国に売り込むことと関係者はみている。
2005.03 International Defense Review Netherlands looks to join US in Raytheon SMART-T order <0506-030001>
 AEHF (Advanced Extremely high Frequency) 通信衛星の地上局として、米陸軍が Raytheon社に発注している SMART-T (Secure Mobile Anti-jam Reliable Tactical Terminal) 計画に、オランダが参加することになった 。 決定は1月18日に発表された。
 これによりオランダは、米軍の次世代 Milstar 衛星とのリンク機能を外した SMART-T 改造 AEHF 地上局7基を、$31.8Mの FMS で購入 する。
 加、英、蘭の3ヶ国は2002年11月に、2009年から地球規模の軍事衛星通信網を構築する AEHF の開発生産に合意する MoU を締結している。
2004.09.27 Inside the Navy Lockheed Martin wins $2 billion Navy MUOS satellite contract <0422-092704>
 Lockheed Martin社が米海軍の MUOS 衛星 (Mobile User Objective System) 開発に Raytheon社を抑え選定さ れた。
 MUOS は海軍の UHF Follow-On システムの後継となる衛星通信システムで、期間は2011年3月までの6ヵ年、開発経費は総額$2Bとなる。
2004.07.12 Aviation Week & ST Battle-Space <0414-071203>
 第1回 Space Warfare Symposium が開催され、イラク戦に参加した陸海空軍及び海兵隊の6人のパネラーは、作戦の遂行にあたり衛星通 信や GPS 航法装置等宇宙利用システムが極めて有効であったことを発表した。
 反面、移動用の衛星通信用アンテナは大きすぎて、戦闘間は建柱に手間取り実用的でないこと、宇宙関連装置 はより小型軽量化し、信頼性を更に向上させる必要があるといった忌憚のない意見が共通して述べられた。
2003.10.06 Inside the Army Army mulls new approach to accessing commercial satellites  米陸軍は独自の衛星通信網が構築されるまでの間、民間の衛星を現在よりも軽易に部隊が活 用する方策を検討している。
 陸軍の作戦戦闘用高速衛星通信システム TCS (Transformation Communication System) は、2011年の運用開 始を目標に研究が行われているが、それまでの作戦通信需要を民間衛星で補うのがその狙い。
 イラク戦で陸軍は通信量の約80%を民間衛星に頼っており、経費は国防省全体で$300M、陸軍は$178Mを負担している。
2003.05 International Defense Review US eyes 'transformational' communications  米空軍は、5基の TSAT (Transformational Satellite) 衛星と関連通信設備を提案している。
 TSAT は静止衛星軌道にある Advanced EHF 衛星など合わせて14基の衛星や極軌道にある APS 衛星と補完しながら統合通信を実現する。
 最初の2基の TSAT は2基の APS 衛星と共に2009年に打ちあげられる。
 TSAT は以下の3種類の地上装置と共に運用される。
XDR+ (eXtended Data Rate+) : EHF (44~20GHz)
   1Mbps (uplink), 48Mbps (downlink) 30cn antenna(陸)
   16/192Mbps 60cm antenna(航空機)
   8/192Mbps 1.2m antenna(艦船)
X-XDR+ : X-band (8~7GHz)
   5/120Mbps 60cm antenna(陸)
   30/60Mbps 1.2m antenna(艦船)
Ka-XDR+ : Ka-band (20~30GHz)
   13/192Mbps 60cmantenna(陸)
   320/384Mbps 1.2m antenna(Global Hawk)
2003.05 Signal Linking warriors across land and sea  米海兵隊は間もなく、イリジューム衛星66基を活用する新しい通信ネット ワークシステム ETCS (Expeditionary Tactical Communication System) を部隊に配備する。
 海兵隊の新たなドクトリン STOM (Ship to Objective Maneuver) では、上陸部隊は母船から 200mile 以上離隔して作戦を行うため、 このシステムは司令部と部隊間の見通し外通信能力の強化が必要となった。
 2004年秋に予定している STOM 検証演習で、実戦を模擬した状況下での運用評価試験が行われる計画となっている。
2002.03 Signal Technology empowers information operations in Afghanistan
= アフガン戦争における作戦情報ネットワーク構成に関する記事 =
 Enduring Freedom 作戦で衛星通信とネットワーク通信網は顕著な発達をみた。 初めての中央集権ネットワークによるこの作戦では 参加部隊全ての司令部まで情報と指令が伝達されることが要求された。
 CENTCOM は最新技術を駆使し、ホワイトハウスから末端の部隊まで通信ネットワークを構成、迅速なC4IR の遂行を図った。
 衛星は軍事用のみならず民間衛星を活用、この際、特に情報保全は重要な課題であった。 この他、ネットワーク構成が大規模なこと から広帯域にわたる通信周波数の配当も難しい問題であった。
2002.03.06 Jane's Defence Weekly US Navy narrowband satellite project set for next phase  米海軍は、2~3週以内に、MUOS (Multi User Objective System) 開発の次段階の見積要 求を行うと見られる。
 MUOS は、現有の UFO (UHF Follow-On) 音声通話衛星通信の後継となる衛星通信で、UFO の約8倍の伝送量を持つと共に、同時多所通話 が可能になる。
 計画には、Boeing, Lockheed Martin, Raytheon, Spectrum Astro の4社が名乗りを上げているが、7月には CAD (Component Advanced Development) に進む2社が選定され、その後実際に衛星を製造する1社が選定される。
 海軍はFy-08に最初の衛星を打ち上げ、FY-13での運用開始を目指している。
2001.11.28 Jane's Defence Weekly USAF awards $2.7 billion for SDD of Advanced EHF  米空軍は、11月19日に、Lockheed Martin社、TRW社のチームとの間で、Advanced EHF (Extremely High Frequency) 衛星通信システムの SDD (System Development and Demonstration) Phase の契約を、 $2.7Bで行った。
 Advanced EHF は、現用の Milster 軍事通信衛星に代わるもので、高い秘匿性と広帯域通信により、リアルタイム で動画、地図、及び目標の位置情報を送ることができる。
 Advanced EHF の打ち上げは、2006年に予定されている。