2008年以降の JTRS に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2012.12 International Defence Review Nett Warrior fielding proceeds into testing <1301-120006>
 米陸軍が Nett Warrior 個人装着状況把握装置の公式な試験を開始する。 しかしながら Nett Warrior は、小隊長用無線 機 AN/PRC-152A 及び 中隊用 AN/PRC-117G と共に、既にアフガンで使用されている。
 Nett Wattior はスマートフォンのインターフェスを使用するもので、JTRS の歩兵用通信機 AN/PRC-154 を経由する。
2012.03 International Defence Review US maps GMR lessons for JTRS <1205-030028>
 米国が車載通信装置 GMR計画中止を決めたことから、次世代戦術通信システムである JTRS見直しを迫られている。
 GMR の計画中止は、陸軍の次世代兵器システム FCS計画中止により、所要数が80,000から 11,000に減ったことによる。
2012.01 International Defence Review AMF JTRS set for testing <1203-010003>
 Lockheed Martin社が、AMF JTRSU-2 に搭載する試験を行う。 この試験では、 既に計画中止が決まっている GMR の後継が採用する WNW との互換性が検証される。
 米国防総省が2011年10月に GMR の計画中止を決めたため、米陸軍は Mid-tier Networking Vehicular Radio 計画を推進している。
2011.04 International Defence Review MIDS JTRS enters build <1107-040006>
 Data Link Solutions社が$8.2Mで、MIDS JTRS の小規模生産を受注した。
 MIDS JTRS は4チャネルのソフトウェア制御端末で、Link 16 とも連接できる。
2011.01 International Defence Review US Army to test JTRS backbone radio alternative <1102-010028>
 米陸軍が JTRSGMR に代わる Raytheon社の MAINGATE バックボーン 無線機を、2011年1/四半期にアフガン駐留部隊に装備する計画である。
 MAINGATE は低周波数域 (UHF/L-band) の二帯域無線機で、GMR の WNW 全帯域はカバーしていないが、単価が $60,000と安価である。
2009.01 International Defence Review Boeing team offers up reduced cost JTRS Ground Mobile Radio <0902-010008>
 Boeing社チームが、JTRS地上用移動無線機 GMR の低価格、小型版である GMR Lite を提唱している。
 GMR Lite は4チャネルであるの GMR を2チャネルに組み直したものであるが、Boeing社によると、それでも Tier 0 要 求の99%を満たすという。
 GMR は2004年以来、初期試作機 Pre-EDM が121基作られ、そのうち71基が FCS に使用されており、2009年には 244基が試作されることになっている。
2008.09 International Defence Review GD and ITT join for JTRS/SINCGARS interoparability work <0810-090038>
 GD社と ITT社が、現在250,000台装備されている ITT社製 SINCGARS ASIP VHF 車載無線機に付加し、JTRSSRW 方式通信が使用できるようにする付加装置 SFF-S を生産する。 GD社は JTRS のハンドヘルド型である HMS の主契約社で、HMS には SFF 型もある。
2008.04.09 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin wins SDD deal for JTRS AMF design <0806-040904>
 米空軍が3月28日に、JTRS AMF (Airborne, Maritime and Fixed-site) の SDD を、$766Mで Lockheed Martin社に発注した。 AMF は JTRS を構成する5つの ACAT (Acquisition Category) の1つで、ヘリ、固定翼機、潜水艦、水上艦及び固定基地 など、160以上のプラットフォームに搭載され、航空機搭載の小型通信機型と、艦船及び固定基地用の大型通信機型があ る。
 小型は Wideband Networking Waveform, Soldier Radio Waveform, NATO Link 16/Tactical Digital Information Link J, MOUS (Mobile User Objective System) を サポートし、大型は MUOS と従来の UHF 衛星通信をサポートする。
2008.04.07 Aviation Week & ST JTRS for aircaft and ships <0805-040706>
 Lockheed Martin社が米空軍から、航空機及び艦艇搭載用 JTRS 通信機の開発を$766.2Mで受注した。
 同社は、各種ヘリ、Class 4 UAV 及び C-130 などに搭載する小型システムを42モデル試作する。
2008.01.14 Aviation Week & ST Radio signals <0803-011401>
 Boeing社が地上移動型 JTRS の試作品 (EDM: Engineering Design Model) の生産を開始した。 EDM は今年行 われる試験に供される。
 公式な試験は今年後半に行われ、CDR (Critical Design Review) は2008年2/四半期に行われる。
2007.11.14 Jane's Defence Weekly A lack of JTRS terminales may impact MUOS <0724-111401>
 携帯電話基地局36,000km上空に設置する様な計画である MUOS (Mobile User Objective System) は最初の衛星が2010年に運用可能になるが、一連の衛星を軌道に乗せても JTRS 端末がないため、それを活用することができない状況になっている。
 MUOS 用端末となる JTRS Cluster 5 は、今は HMS と呼ばれている。
2007.08.29 Inside Missile Defense MEADS will use interim solution in place of JTRS during development <0720-082901>
 MEADS 開発当局は、開発が遅れている JTRS の開発段階での採用を見送るこ とを明らかにした。 結果として開発段階では既存の通信装置を中継ぎとして使用するが、共同開発国の独、伊はいずれの通信システム も採用が可能となる。
 MEADS は現在8年間の開発を実施中で、6月26日にシステム事前設計審査が開始され、10月22日~24日に審査結果の要約会議をが行われ る。
2007.08.23 Inside the Pentagon MEADS to use interim radio <0719-082301>
 MEADS 開発当局は、JTRS の開発が遅れているため、暫定的な措置として今後4年間の 開発中は既存の無線機を使用することを明らかにした。
2007.06.25 Inside the Army DoD awards multibillion-dollar hand-held JTRS radio contracts <0716-062503>
 DoD が携帯型 JTRS を Thales Com社及び Harris社に同時発注した。 契約は4年で、Thales社が$3.5B、 Harris社が$2.7Bで受注した。
 Harris社は JTRS に承認された Falcon Ⅲ AN/PNC-52 無線機を、Thales社は AN/PRC-148 無線機をそれぞれ製造する。
2007.01.31 Jane's Defence Weekly DoD official urges rethink on Link 16 <0704-013107>
 米国防総省高官が、JTRS の様な全く新しい通信システムを開発するより、Link 16 を発展させる方が良いと主張しており、Rockwell Collins社や Link 16 を開発した BAE社に検討を求めている。
 BAE社は Link 16 で DSL (Digital Subscription Line) の様な広帯域ネットワークを行う Flexible Access Secure Transfer と呼ばれるシステムを提案している。
2007.01.22 Inside the Navy DoD shifts $578 million from Army,USAF accounts to Navy for JTRS <0705-012203>
 DoD はFY-08要求の提出にあたり、JTRS 開発の陸空軍分$578.3Mを海軍に移管 することを決めた。
 JTRS は多くの問題点が指摘され計画が遅延し、昨年7月に海軍主導の見直しが行われた。 陸軍は$293.6Mを 、空軍は$284.7Mをそれぞれ海軍に移管する。 DoD は更に、JPEO の編成に伴う要員確保に要する$12.5Mを海軍に追加充当している。
2007.01.15 Inside the Army< Hand-held radio prototype demonstrates video transmission <0705-011503>
 JTRS 携帯無線機である HMS (Handheld Manpack Small) 試作品の試験が 11月に行われ、ビデオ画像の伝送に成功した。
 なお、陸軍の WIN-T (Warfighter Information Network-Tactical) と JTRS 及び FCS の同期試験は未実施 である。
2006.10.25 Jane's Defence Weekly Restructured US JTRS remains a challenge, says GAO <0622-102501>
 JTRS 計画は見直しされたが、修正された計画に対しても GAO は、装備化後におけるネットワークの 運用方法が明確でないとしている。
2006.10.25 Jane's Defence Weekly Boeing completes AMF JTRS review <0622-102501>
 Boeing社が10月16日に、AMF JTRS (Airbone Maritime/Fixed-Station JTRS) の事前設計審査を 終了した。 この審査で同社はプロトタイプ機による音声及び WNW (Wideband Networking Waveform) による 通信を展示した。
 米空軍は2007年の初期に、設計試作の契約を予定している。
2006.08.31 Inside the Pentagon OSD allows services to spend $6.9 billion on interim JTRS ideas <06-083102>
 DoD は大幅に遅れている次世代戦術無線システム JTRS の緩和措置として中継ぎ無線機の導入を含む、 8年間$6.9Bの予算を承認した。
2006.08,14 Inside the Army Krieg approves measure to streamline management of JTRS program <0618-081402>
 DoD の調達担当次官が5月上旬に公表した JTRS 計画の全面見直しに伴う管 理基準を8月2日に承認した。
 内容には調達管理、技術管理及び予算管理等の基準が定められているが、細部は現段階では明らかにされていない。
2006.06.07 Jane's Defence Weekly US radio strategy forcuses on into assurance <0613-060704>
 JTRS の調達戦略の見直し結果が5月上旬に公表されたが、その中で強調されているのが ' Information Assurance' (IA) である。
(関連記事 JDW 2006.05.01)
2006.05.10 Jane's Defence Weekly New Joint Tactical Radio System strategy revealed <0611-051004>
 2005年1月に JTRS 計画の主契約社である Boeing社が、装置及び電波形式の開発コストが$500M超過す ると発表したことから計画の全面見直しが行われていたが、3月31日に計画修正の文書が発簡され、5月3日にに その概要が明らかになった。
 これによると、2005年7月に$6Bと見積もられた開発経費は$4Bに削減され、Increment 1 で計画されていた32種類の電波形式は9種類に、26種類計画されていた無線機は13種類へと規模が縮小 される。
 また、従来 Cluster と呼ばれていた名称は Domain に変更され、
Ground Domain: 従来の Cluster 1 及び Cluster 5
Special Radio: Cluster 2
 (JTRS EMBITR: Enhanced Multi-Band Intra-Team Radio)
Air Domain: AMF Cluster 3, 4
 (MIDS JTRS も含む)
2006.05.08 Inside the Army< Reorganization pushes up JTRS development price tag by $1.7 billion <0611-050804>
 昨年以来行われていた JTRS 計画の全面的な見直しの概要が5月3日に明ら かにされ、開発経費は昨年7月に見積った$6Bより少ないものの、当初計画の$2.2Bより$1.7B多い$4Bとなっている。
 計画見直しにより陸軍関連の Cluster 1 は GMR (Ground Mobile Radio) 計画に、Cluster 5 は HMS (Handheld and Manpack and Small form fit) 計画にそれぞれ名称が変更されている。
 HMS は FCS 及び GSS (Ground Soldier System) に対応する携帯無線機で、ミサイル、UGS (Unattended Ground Sensor)、UAV にも搭載可能であり、FY-09の LRIP を予定する。 また、地上及び航空機用の GMR の LRIP はFY-10を予定している。
2006.04.13 Inside the Pentagon Krieg approves plan for incremantal JTRS program <0611-041301>
 DoD の調達担当次官は4月5日、下院軍事委員会の公聴会で、JTRS 計画変更を承認 したことを明らかにした。
 計画の変更は昨年8月から11月の DAB の検討に基づくもので、要求性能の見直しと早期配備をねらいとする。
2006.04 International Defense Review Raytheon and ITT collaborate over interim solution to US Army's JTRS requirements <0609-040007>
 JTRS 計画が遅れており、部隊レベルへの装備が2009年以降になると見られることから、ITT社と Raytheon社が共同で暫定装備となる Microlight 3G と SINCGARS ASIP-E を提案している。
SINCGARS ASIP-E
 ITT社が生産し既に35万台が装備されている SINCGARS に付加装置 ASIP-E を取り付けるもので、SINCGARS の 改造は ASIP-E を取り付け用フックの付加だけである。
 ITT社は JTRS 規格の SRW (Soldier Radio Waveform) を開発しているが、ASIP-E の付加により SRW の使用 が可能になる。
Microlight 3G (M3G)
 Raytheon社は EPLRS 端末で Tactical Intrernet 接続及び FBCB2 (Force XXI Battle Command Brigade anf Below) 接続を行う Microlight を14,000台納入しており、Microlight 2G は Land Warrior に採用され500台が発注されている。 Microlight 3G は従来の EPLRS に加えて SRW を付加 するもので Land Warrior とも USB 1.1 を介して接続できる。
2006.03.13 Inside the Army FCS spin-out one technologies to use fututre,current networks <0608-031302>
 2008年に運用開始を予定する第一段階の FCS では、最新ネットワーク技術の適用は50%以下であり、引き続 き既存のネットワークに頼ることとなる。
 FCS ネットワークはコンピュータ、JTRS、戦闘指揮機能、ネットワーク管理機能などから構成される が、JTRS と WIN-T は開発が遅延しており、2008年時点では無人地上センサ及び IMS (Intelligent Munition System) には FCS ネットワークが用いられるが、NLOS-LS既存のネットワー クを使用することになり、PAM の機能である飛行間のデータ更新機 能に制限を受けることになる。
 PAM は目標を自動捜索し、射程は500m~40km、命中精度は0.5m以内で、 CLU に15発を搭載できる。
2006.02.22 Jane's Defence Weekly Boeing delivers Cluster 1 radios <0606-022210>
 Boeing社が BAE社、Rockwell Collins社、Northrop Grumman社と開発していた JTRS Cluster 1 最初の7基を納入した。
 Cluster 1 は米陸軍の FCS 用として2006年中に50基が納入される。
【註:】
 JTRS Cluster 1 は大幅な開発費超過や重量増加などから、DoD が陸軍に開発の停止を命じていた。
(関連記事 IDR 2005.11)
2006.02.20 Inside the Army Joint Tactical Radios to roll out in increments,Industry official say <0607-022002>
 JTRS 調達決定は昨年11月の DAB レビューで保留 されたままとなっており、計画の見直しに関しても、入手容易で適切な装備を導入するとした要求内容が依然明らかにされていないため 、Cluster 1 を担当する Boeng社は今後の動向を測りかねている。
2006.02 International Defense Review US goverment certifies Cluster 2 JTRS <0604-020008>
 Thales社が1月5日に、JEM と呼ばれる Cluster 2 JTRS MBITR (Multiband Inter/ Intra Team Radio) が米政府の SCA (Software Communications Architecture) の承認を受けたと発表した。  JEM では SCA に加えて Type 1 プログラマブル暗号も実現している。
 JEM は既に実戦で使用されている特殊部隊の AN/PRC-148のスパイラル改善で採用されると共に、 Harris社が自社開発した AN/PRC-152 ハンドヘルド無線機の対抗馬にもなる。
2006.01.05 Inside the Pentagon Appropriation conferees chop $334 million from JTRS development <0604-010505>
 米議会はFY-06の JTRS 予算から$334Mの大幅な削減を行った。 JTRS は FY-08の装備化をめざしているが、特に陸軍車両、航空機用の Cluster Ⅰ が遅れており、DoD は現在計画の再 検討を行っている。
2005.12.26 Inside the Army Future Combat System platforms atop JTRS priorities list <0604-122601>
 遅れている JTRS 計画の見直しが運用要求書の修正を含め行われており、統合参謀本部は第一段階で 開発する装備の優先順位リストを公表した。
 優先順位のトップは Cluster Ⅴ として開発中の SRW (Soldier Radio Waveform) で、FCS の構成品である IMS (Intelligent Munition System)、 UGS (Unattended Ground Sensors)、NLOS-LS の CLU 及び Class Ⅰ UAV に装備する。 これらの装備はFY-08に装備化を計画中である。
2005.12.07 Jane's Defence Weekly USAF bridges the information gap <0524-120711>
 米空軍は、2000年代末までに戦闘機や攻撃機の JTRS までの繋ぎとして情報共有能力を高める計画を 進めている。
 356機保有する A-10 のうち40機には SADL (Situational Awareness Data Link) を搭載する。 SADL は既 に空軍州兵の F-16 Block 30 に搭載されており、陸軍の E-PLRS と情報を共有できる。
 旧型の空軍作戦機で広く使われている 1553 databus は Extended 1553 DataBus に改修され、 伝送速度が200倍に向上する。
 このほか Link 16 が F-15、F/A-22 が搭載される。
2005.12.07 Jane's Defence Weekly US Army readies JTRS substitiute <0524-120706>
 米陸軍は JTRS 計画の遅延に対処するため、代替 となるヘリ搭載無線機 Alt Comms 計画を開始した。
 計画は二段階からなり、第一段階では Raytheon社製 AN/ARC-231 Skyfire を66基調達して AH-64D BlockⅢ 及び UH-60M に搭載する。
 第二段階では AH-64D BlockⅢ、UH-60M、CH-47F に搭載する MARS (Multi-mode Aviation Radio Suite) を 競争契約で調達する。
2005.11.28 Inside the Army DAB review seeks affordable,early-release option for JTRS's future <0603-112802>
 11月22日に行われた防衛調達会議で、JTRS 代替案が審議され、 取得の容易性と早期装備化を優先して3つの案が検討された。 次回審議は12月中に予定されている。
 一方、議会は最近、価格高騰や計画の遅れから、陸軍が主導する Cluster 1 の開発中止を検討していること を示唆した。
2005.11.24 Inside the Pentagon DoD Officials to consider three options for moving with JTRS <0603-112404>
 DoD は今週から JTRS の計画遅延を修復するため、3つの代替案に関する協議 を開始する。 代替案の細部は未だ明らかにされていない。
2005.11.03 Inside the Pentagon Army moves forward with 'Alt Comms' package in lieu of JTRS <0524-110302>
 米陸軍は遅延している JTRS Cluster 1 に代わる代替通信システム をヘリ部隊に装備するため、現在機種選定作業を行っている。
 Cluster 1 は Black Hawk、Longbow Apache、Chinook に搭載を予定するが、開発の中断により2014年まで通信ギャップが生じるのが 理由である。
2005.11 International Defense Review Future in doubt as stormy waters threaten to scatter JTRS convoy <0523-110010>
= JTRS 事業の現状に関する6ページの特集記事 =
 JTRS の開発は現在麻痺状態にあり、新開発線表も保留状態にある。 本来は 2006年のできるだけ早い時期に装備化されるはずであった。
Cluster 1
 Boeing社が担当していた Cluster 1 は、2005年1月に大幅な開発費超過を起こすことが明らかになった。 更に重量増加などから DoD は陸軍に Cluster 1 開発の停止を命じた。
Cluster 2
 Cluster 2 JEM
A M F
Cluster 5
MIDS JTRS
 MIDS JTRS の国際共同開発は、Link 16 MIDS Low Volume Terminal への ECP として進められており、現在詳細設計段階 (Phase 2B) にある。
MicroLight
 Cluster 5 の完成を待たずに、下車兵士用 Land Warrior 用として採用される Raytheon社製 UHF 無線 機で、重量0.5kg、送信出力1W、伝送速度0.5Mbps、通達距離5kmで、Land Warrior 用帯域が420~450MHzである のに対して30~512MHzの帯域幅を持つ。
Soldier Radio
JITR (JTRS Intra/Inter Team Radio)
 Cluster 2 JEM の対抗機種。
2005.10.31 Defense News JTRS: Impossible dream,or just an expensive one ? <0524-103103>
 多くの問題を抱え中断している JTRS 開発存続の可否は、11月21日に予定されてる DAB (Defense Acquisition Board) で決定する。
 専門家の多くは JTRS 計画が物理的に不可能であるとし、総額$6.8Bと見積もられる経費も極めて高額である と指摘している。
2005.10.12 Jane's Defence Weekly Weight issues bear down on JTRS <0521-101203>
 米陸軍が FCS で装備する JTRS Cluster 1 無線機は、航空機 搭載には重すぎため航空機搭載分の調達を中止し、代わりに海空軍の航空機搭載型である Lockheed Martin社製 AMF を搭載する方向で再検討されている。
 JTRS Cluster 1 は Boeing社が担当し、車載用10,000基、航空機搭載用2,500基の調達が考えられていたが、52kgと予想していた重量が 66kgになってしまった。
2005.10.10 Inside the Army Aviation variant of JTRS Cluster one could be scrapped,Officials say <0523-101002>
 米陸軍が車両及びヘリ装備用として装備を予定していた JTRS Cluster 1 無線機は、要求よ りも大きすぎ重量も超過しためヘリ搭載を中止し、代わりに海空軍の航空機搭載用である AMF に変 更する検討が行われている。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly JTRS to participate in FCS exercises <0518-082407>
 2006年に実施される JEFX 2006 演習に供するため、40セットの試作品を2005年12月2006年1月に納入することになっていた JTRS Cluster 1 通信機は、米陸軍から計画の停止を命じられていた が、同演習で空軍が使用することになった。
 JTRS Cluster 1 は車両及びヘリに搭載される通信機で、その計画遅延 FCS 計画に深刻な影響を及ぼすと見られている。
2005.06.29 Jane's Defence Weekly FCS planners opt for heavier vehicles <0514-062901>
 米陸軍は FCS で NLOS-C などに使用される車両 MGV の重量を、当初計画の17tから 22tに引き上げたいと DoD に求めている。 22t は C-130 の輸送限界を500kg超過する。
 17tの計画では弾薬、燃料、追加装甲を別送し現地で搭載することになっていたが、追加装備の輸送には MGV 3両あたり1機の C-130 が 必要となる上、現地組立に4~6時間を要すると見積もられることによる。 これに対して DoD は当初計画通りを指示 する見込みである。
 一方 JTRS は、FCS により適合させるように、計画の再構築中である。
 2006年に FCS の各種構成品を試験する 'Experiment 1.1' が行われる。 この試験には無人地上センサ、 NLOS-LS、Intelligent Munition Syatem、Class Ⅰ UAV などが試験される。 Boeing社による Class Ⅱ,Ⅲ UAV の機種決定は3ヶ月以内に行われる。
2005.06.13 Inside the Army House appropriations cuts $340 million from Joint Tactical Radio <0515-061303>
 米下院予算委員会は JTRS 計画中断と見直しを理由に、FY-06の JTRS 予算 $340Mを削除した。 FY-05では既に$82.1Mを予算化している。
 陸軍は1月に Cluster 1 の作業を中止し、Cluster 5 の開発を4月以降中断している が、DoD は8月の防衛調達会議 (DAB) までを目途に計画の大幅な見直しを行っている。
 計画の問題は単に技術的なものだけでなく、Cluster 1 のソフトウェアパッケージ開発が進んでいないことも影響しており、下院は FCS への適用を含む計画見直しの詳細な報告を求めている。
2005.06 National Defense Battle field communications <0515-060005>
 米陸軍は昨年末に JTRS Cluster 1 開発中断を決めたが、4月25日にその理 由書を Boeing社に伝達した。
 中断の理由は、要求性能を満たす技術的裏付けが不十分なためとされ、十分な対応が行われなければ、既に2年 の遅れている計画を中止する可能性を示唆している。
2005.06 National Defense Army's Future Combat Systems could see international partners <0515-060001>
 米陸軍の FCS は諸外国への輸出を考慮していないが、将来車両について関心を示している国がある。 このため陸軍は 国際共同開発について検討を進めている。 
 今年中にイギリス及びオーストラリアと技術提携に関する合意文書を締結する模様で、シンガポールとは合意文書を昨年締結している。
 FCS 計画は現在、技術的、時程的な問題に直面しており、特に C-130 による空輸要求に反する重量超過と、 ネットワーク通信の中核となる JTRS の計画見直しが大きな課題となっている。
2005.04.25 Inside the Army Radio,network issues prompt development of FCS contingency plans <0514-042502>
 米陸軍 FCS 開発当局は、FY-08に装備化を予定する FCS Spiral 1 に採用を予 定していた JTRS Cluster 5 の開発が間に合わない公算が大きいため代替え手段の検討を開始 した。
 結果として、FY-09から LRIP を予定する NLOS-LS のネットワークについては当初の能力が限定 されることとなる。
2005.03 National Defense Army halts multibillion-dollar radio program <0507-030022>
 米陸軍は1月、暗号化及び技術的問題が発生したとして JTRS Cluster 1 の開発に関する作業を少なく とも6週間中断すると企業に通達した。
 陸軍は細部説明を避けているが、企業筋は NSA (National Security Agency) による保全審査で欠陥が指摘 され、代案を検討中のためと推測している。 問題を是正しても具体化のため Cluster 1 の開発は2年以上遅れ るものと推測される。
 また、別の企業関係者は海空仕様の JTRS Cluster 3、4 は中止され、別途、暗号化が容易な指揮統制無線が 採用されるとみられている。
2004.11.03 Jane's Defence Weekly General Dynamics restarts JTRS work <0421-110303>
 米陸軍は GD社と、2004年7月に一旦停止していた JTRS Cluster 5 契約 を再開した。 JTRS Cluster 5 は各兵種での使用に適したコンパクトな通信装置である。
2004.11 International Defense Review Boeing, Lockheed Martin to proceed with AMF JTRS <0421-110004>
 米空軍が AMF JTRS の pre-SDD に Boeing, Lockheed の2社を競争指名した。 契約期間は15ヶ月 で契約額はそれぞれ$54.6M、$51.4Mとなっている。 2005年11月にはこのうち1社が指名されて full-SDD に移行 する。
 AMF JTRS は海空軍の事業で、固定翼機、ヘリ、UAV、水上艦、潜水艦、陸上基地などに装備され、総額は$1Bと見積もられている。
2004.09.13 Aviation Week & ST Radio connection <0418-091307>
 DoD は JTRS (Joint Tactical Radio System) の構成装置となる AMF (Airborne、Maritime and Fixed station) の競争試作に Boeing、Lockheed Martinの2社を選定した。 期間は15ヶ月、契約額は Boeing社が$54.6M、Lockheed社が $51.3Mで、2006年初めに1社を選定、2009年の装備開始を目指す。
 AMF は JTRS Cluster 3 (Maritime and Fixed station) と Cluster 4 (Airborne) の総称で、海空軍が共同で計画を監理する。 搭載機種は海空軍と海兵隊の他、陸軍の固定翼機、沿岸警備隊、大統領専用機 Air Force One が含まれる。
 なお、陸軍のヘリと車両及び海兵隊車両に搭載する Cluster 1 の開発は Boeing社が2002年に受注し、今年12 月から運用評価を行う予定で、2005年から LRIP を開始する。
 JTRS は WNW (Wideband Networking Waveform) を採用し、2MHz~2GHzで30以上の帯域を使用する新世代ソフ トウェアープログラム無線システムで、導入総額は$1Bに達する。
2004.09.06 Aviation Week & ST Battling for minds <0417-090611>
 米空軍は統合演習 JEFX'04 において、JTRS (Joint Tactical Radio System) など、現在研究開発中の各種情報通信システムの実地実 験を行った。
2004.09 International Defense Review JTRS Cluster 5 acquisition award goes to General Dynamics <0417-090009>
 JTRS (Joint Tactical Radio System) Cluster 5 の SDD に、GD社が選定され$295M の契約が結ばれた。 同社は既に Cluster 2 も受注している。
 JTRS Cluster 5 の量産は、総額$1Bで122,000台が見込まれている。
 Cluster 5 には、ハンドヘルド型、携行型、車載型の3型式があり、合わせて14種類の装置 が考えられているが、いずれもクレジットカード大のコア装置で機能することが求められている。
2004.08 International Defense Review JTRS operation above 2GHz <0415-080017>
 Rockwell Collins社が JTRS/SCA (Joint Tactical Radio System/Software Communications Architectire) 環境で MILSTAR LDR (Low Data Rate) を作動させることに成功した。 この結果 JTRS/SCA が2GHz以上で使え ることが確認された。
2004.08 International Defense Review Battle lines drawn for Cluster 5 <0415-080006>
 2チャンネル方式の携帯型野外通信機 JTRS Clister 5 (Joint Tactical Radio System Clister 5) SDD 担当 を GD/BAE社と Rockwell Collons/Thales社のいずれにするかの決定は7月中頃に発表されるが、これが装備化さ れるのは2007年以降になる。
 このため、Harris社は、自社開発で単チャンネルのソフトウェア制御携帯型通信機 JITR (JTRS Inter/Intra- Team Radio) を自社開発している。
 JITR は Thales社の Clister 2 JEM (JTRS Enhanced MBITR [Multiband Inter/Intra-Team Radio]) に対抗し て進められているもので、周波数帯は JEM と同じ30~512MHzであるが、オプションで1GHzも可能になっている。
(関連記事 IDR 2003.05)
2003.05 International Defense Review Future tactical comms: redefing the box
= 米軍の新通信、ネットワークシステム JTRS に関する記事 =
 米軍の次世代統合通信システム JTRS (Joint Tactical Radio System) は、2MHz~2GHzの広帯域にわたるマルチ帯域、マルチモード、 ソフトウェア制御型通信システムで、5つの Cluster からなる。
Cluster 1
 車載用3チャンネル型と、ヘリ搭載用4チャンネル型があり、10,000台の装備が予定されている。
Cluster 2
 個人携帯型で、特殊部隊用の Block 1 と、一般用の Blocl 2 がある。 Cluster 2 用に SLICE (Soldier Level Integrated Communication Enviroment) 計画の元に、各種小型端末が開発されている。
Cluster 3
 固定施設用及び艦船搭載用。
Cluster 4
 固定翼機用。
Cluster 5 (Cluster X)
 陸軍の FCS 及び OFW 用のシステムで、携行型から残置型センサ (UGS: Unattended Ground Sensor)、IMG (Intelligent Munitions Systems)、GRUAV (Gun Launched UAV)、 NetFires までが連接される。
2002.08 Signal Joint Tactical Radio System underway
= 統合戦術無線システムに関する記事 =
 DoD が10年間にわたり研究を続けていた JTRS (Joint Tactical Radio System) はいよいよ開発段階に入る こととなった。
 JTRS は米軍が進めているネットワークを中核とする戦闘能力保持の最終目標として全軍に装備する計画だが 、今回の開発は Cluster 1 の名称で、Boeing チームが受注、陸軍、海兵隊、空軍の地上車両及び陸軍のヘリコプターに先ず装備する計 画。
 開発経費は$475M、約10,000セットを導入するもので、2004年夏の運用試験、2005年の LRIP を目指す。
 将来的には100,000セットの受注が見込まれている。
 JTRS には24波の帯域が用いられ、そのうち23波は通常の地上/空地通信だが、残りの1波には独特の WNW ( Wideband Networking Waveform) を使用、音声だけでなくビデオや情報信号も送ることができる。
 なお、WNW の実用化は 2010年~2015年頃と予想される。
2002.05.13 Inside the Army Army clears Joint Tactical Radio System for initial production phase  JTR (Joint Tactical Radio System) の導入に関する陸軍のレビューがこのほど終了し、初期製造段階の予算化がほ ぼ確定した。
 JTR は無線のソフトウエアープログラム化とインターオペラビリテイ 化を系列的に行うもので、その採用により現在軍が保有する約 75万セットの無線機を 26万セット以下に削減することが出来る。
 初期製造段階 ClusterⅠは Boeing社と Raytheon 社のチームが受注競争を行っており、総経費は $2B と見積もられている。
2002.04.15 Aviation Week & ST 'Jitters' radio to provide stealth communications links  米空軍は極めて秘匿性の高い無線通信リンク「Jitters(Joint Tactical Radio System)」 の開発を急いでいる。
 この装置は DoD が進めている次世代高性能輸送機や各種偵察機、戦闘機及び攻撃ヘリコプターに適用するもので、汎用技術による構成 品とソフトウェアーからなり低価格性を追求している。
   計画は4段階に分かれ、5月には第1段階、44ヶ月の契約を予定しているが、航空機搭載用として問題は広帯域アンテナが大きすぎること で小型化が課題となっている。
2002.03 International Defese Review JTRS Cluster 1 contractor decision due  米陸軍が中心に開発が進められている JTRS (Joint Tactical Radio System) Cluster 1 の開発担当の決定は3月1日に行われることになっている。 Cluster 1 には、Raytheon社を中心とするチームと、Boeing社が率いるチー ムが競っている。
 Cluster 1 は車載システムで、陸軍の部隊と、空軍の Tactical Air Control班が使用する。
 Cluster 2 は、艦載用になるか、ハンドヘルド型になるか、まだ決まっていない。
 Cluster 4 は、航空機搭載型になる。
2002.02.18 Defense News Better tactical radios a joint effort for Japan, US  日米両国は軍用戦術無線機の改良を目指し、5年間の共同研究開発に着手する。
 共同開発に関する MoU は 2月中にも締結される模様で、両国は相互にデータ交換及び技術開示を行い、その 成果を装備化につなげたいとしている。
 日本側は米国が開発中の Joint Tactical Radio System に注目し、米側は日本の通信ネットワーク技術に期 待をよせており、成功すれば両国の共同作戦におけるインターオペラビリティは飛躍的に向上する。