ミサイル関連技術に関する報道

   
年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2024.11.08
 10:08
South China Morning Post Chinese scientists propose ram-rotor detonation engine for hypersonic flight <2412-110805>
 中国の科学者が極超音速飛行用のラムローター爆轟エンジンを開発した。 中国の科学者たちは、連続推力を改善し、始動速度を遅くし、性能を向上させた極超音速エンジンの新しいコンセプトを提案し、ラムジェットをロータリー爆轟エンジンに組み込んだ。
 清華大学の研究者たちは、ラムジェットベースのローターコンプレッサー爆轟エンジンを組み合わせて、推進技術を進歩させると述べている。
 爆轟エンジンは、従来の燃焼の代わりに爆轟波を使用して、熱サイクル効率と推進性能を向上させる。 構造がシンプルで推力重量比が高いため、多くの国で飛行試験に使用されていて、各種の爆轟エンジンが提案されているが、従来の設計にはそれぞれ制限があった。
 斜めの爆轟エンジンは、非常に高い始動速度を必要とし、またロータリー爆轟エンジンは理想的な全圧ゲインを達成しない。
2024.08.19 National Defense Air Force Invests in Hybrid Hypersonic Missile Engine <2409-081919>
 米空軍の技術革新部門であるAFWERXが最近、敵の
A2/ADを突破できると期待されているハイブリッド極超音速ミサイルのSBI研究契約をVaya Space社に発注した。
 同社のファビアンCEOは、Vayaの基幹技術は、高密度ポリエチレンを使用した渦流複合エンジンで、「ミルクジョッキやボトルキャップと同じ物質で、これを燃焼させる」と述べ、「適切な圧力と温度で適切な酸化剤を使用すると良く燃焼する。 つまり、これらの物質は、実際に稼働させるまで保管中で完全に不活性で、何かが故障しても安全で、爆発せずに炎は消える」とている。
 ファビアンCEOは、「ハイブリッドエンジンは通常、非常に非効率的で、燃焼が非常に不安定で、性能が悪い」と述べている。
 ハイブリッドエンジンは、ミサイルをラムジェットで加速し、ある速度に達したときに、ラムジェットとともに残りの飛翔を極超音速で加速するための主要な推進剤源ではなく、燃料発生器として機能し、さらに、ハイブリッドロケットであるため、制御可能でスロットル可能であるため、任意の加速や速度で進むことができ、捕捉されるのを避けたい場合は、速度を上げている間に燃焼を停止できる」という。
 ミサイルの速度と熱特性を制御するこの能力は、ミサイルを「敵のA2/ADシステムにとってはるかに予測しにくくする」という。
 Phase 1のフィージビリティスタディは5月に開始され、Vaya社は提案されたコンセプトを「分析を実行し、それがモデルで機能することを証明し、それを空軍に提示し、Phase 2に移行して実際にエンジンを製造し試験できる設計に変えた。」と言った。
 Phase 2の契約が成立すると、Vaya社は「最悪の場合、4~6ヵ月以内にエンジンをテストスタンドに搭載できる」と彼は付け加えた。
2023.10.03 National Defense MUTANT program altering missiles to boost maneuverability <2311-100316>
 米空軍研究所 (
AFRL) が関節機首技術 (MUTANT) を用いたミサイルの操舵を3年間にわたり研究している。
MISSILE UTILITY TRANSFORMATION VIA ARTICULATED NOSE TECHNOLOGY (AFRL)】
2023.06.08
 10:06
中央日報

(Yahoo)

中国、世界最大「風洞」完工、米国の5倍…「極超音速武器開発に必須」 <2307-060805>
 South China Morning Post (SCMP) が7日、中国が世界最大の極超音速風洞を完成させ、極超音速武器や極超音速航空機の開発などに活用することができるようになったと報じた。
 SCMPによると、中国力学研究所は2日声明で、北京に設置したMach 30の模擬が可能な直径4mの風洞JF-22に対する最終評価を実施したと明らかにした。
【関連記事:2210-090815 (SCMP 2022.09.08)】
 米国は現在、直径0.8mMach 10の風洞を備えている。
2023.05:12DARPA HP New sensors with the HOTS for extreme missions <2306-051215>
 米
DARPA極端な高温環境で使用可能な広帯域、高ダイナミックレンジのセンサHOTSの開発を進めている。  HOTSは次世代タービンエンジンの開発などで800゚Cと言つた高温や高圧環境での使用が考えられている。
2022.03.23 Jane's Defence Weekly Seoul to develop hybrid rocket engines <2206-032309>
 韓国国防省がハイブリッドロケットの開発を開始した。
 ハイブリッドロケットとは固体燃料と液体の推進剤を混合して燃焼させるもので、国防省は各種低軌道衛星の打ち上げに活用し、搭載能力の増大やコスト削減を目指している。
【註】
 ハイブリッドロケットエンジンとは酸化剤を持たない固体燃料を燃焼室に置き、液体の酸化剤で燃焼させる方式で酸化剤の注入を制御することで燃焼の中断、再着火、推力の制御などか可能になる。
 また酸化剤と燃料が別なため、ロケット燃料が爆発する危険が少ない。
2021.12.08 Jane's 360 Nammo readies SFRJ for initial THOR-ER test-firing in 2022 <2201-120806>
 ノルウェーNAMMO社が米海軍及びノルウェー国防省と進めている、米海軍の長距離高速ミサイル (
THOR-ER) に使用する固体燃料ラムジェット (SFRJ) の発射試験が2022年初期にノルウェーのAndøya試射場で行われる。
 THOR-ER開発は米国、ノルウェー、Nammo社が協同で2019年に開始している。
2021.11.08 Aviation Week & ST Franco-British missile technology research furthers future weaponry <2201-110802>
= ミサイル開発における英仏技術協力に関する記事 =
NESSY-Ⅱ
 英仏が進めるMCM-ITP計画で進めている燃料電池、ナトリウムイオン電池、またはその両者を組み合わせた電源開発計画
・Coanda TVC
 仏Roxel社が英S&C Thermofluids社とMCM-ITP計画で開発している機械可動部品を必要としないTVC装置
2021.09.01 Jane's Defence Weekly China's new hypersonic wind tunnel at Huairou expected to be ready for use next year <2111-090102>
 中国国営CCTVが8月22日、北京市懐柔区の中国科学技術大学機械工学研究所に建設されたJF-22超高速風洞2022年には稼働すると報じた。 JF-22は高度40km~100kmを模擬した環境でMach 30までを実現できるという。
 JF-22は2012年以来使用しているMach 9を実現できるJF-12超高速風洞を発展させたものという。
2021.08 Inteanational Defence Review Kratos completes testing on affordable turbine engine for missiles, UAVs <2109-080010>
 Kratos社のタービンエンジン部門KTTが6月28日、UAVや低価格CMに使用する低価格ターボジェットエンジンを公表した。 KTTは1月に米空軍研究所 (
AFRL) から$12.7Mで受注していた。
 同社はまた$8.6Mの別契約で、Group 3 UAVが使用する低価格ターボシャフトエンジンの開発も受注している。
2021.02.03 Jane's Defence Weekly Connecting the dots <2104-020318>
= AI 及び 5G 時代の戦術通信に関する6頁の記事 =
 ・Industry enablers
 ・5G ready?
2021.02 International Defence Review Aerojet Rocketdyne, Northrop Grumman demo large-scale scramhjet technologies <2103-020008>
 米空軍の報道官が2020年12月29日、米空軍の
MSCC計画でNorthrop Grumman社と現在ではLockheed Martin社の一部になっているAerojet Rocketdyne社が試作した大型スクラムジェットエンジンが、推力5,897kgを達成したと発表した。
 米空軍は2019年8月、全長5.5mのAerojet Rocketdyne社のエンジンが5,897kgを30分にわたり達成したと発表している。
2020.12 International Defence Review US Navy, Boeing to co-develop scramjet technology for carrier-based strike weapons <2101-120007>
 米海軍
NAWCWDがBoeing社に、発展型ラムジェット (SPEAR) ASMの共同開発を$30Mで発注した。 SPEAR ASMはF/A-18 Soper HornetCSG装備するもので、Boeing社とNAWCWDは2022年末に発射試験を計画している。
 一方NAWCWDは4月にノルウェーNammo社と米海軍用に、ラムジェット推進長射程高速兵器THOR-ER共同開発を開始している。
【 THOR-ER 関連記事:2007-050405 (AW&ST 2020.05.04)】
2020.12 International Defence Review USAF launches Global Precision Attack Weapon requirement <2101-120005>
 米空軍が将来の空対地武器
GPAWに関する画期的な技術提案を求め10月19日にBAAを発簡した。
 GPAWはF-35やB-21の機内弾庫に搭載でき、コックピットで弾頭の効果、信管の動作、センサの働き、推進装置その他の選択ができ、JADOに適応できることが求められている。
2020.10.26 Aviation Week & ST U.S.Army flexes new land-based anti-ship capabilities <2012-102602>
 米陸軍が開発中のPrSMは2023年に配備されるが、新型の対艦シーカを搭載した対艦型PrSM2021年に試験が開始され2025年には配備される。
 陸軍は2018年にRaytheon-Kogsberg製の陸上発射型NSMで、Kauai島北方63哩の標的船に命中させている。
2020.10.26 Aviation Week & ST DARPA-funded study proposes vision for hypersonic production facility <2012-102601>
 米DARPAが出資する研究開発機構である
ASTROが2年間の研究成果として9月に、数千基のスクラムジェットエンジンを生産できる設備HPAF構想を発表した。
 ただこの施設の能力は米国防総省や防衛企業が必要とするものを超えている可能性がある。
2020.09.14 Aviation Wwwk & ST Rotating detonation engines are an emerging priority for U.S. Air Force <2011-091402>
= 回転爆轟エンジン (RDE) に関する記事 =
 回転爆轟エンジン (
RDE) は逐次回転式に吸気に燃料を噴射して爆轟させるエンジンで、使い捨てに適する超安価ななため、まずは高速CMの推進装置として考えられている。
2020.09 International Defence Review AFRL solicits Technology for Sustained Supersonic Combustion research <2010-090006>
 米空軍研究所 (
AFRL) が新型高速吸気型推進装置の開発を開始した。 開始したのはAFRLが進めているETHOS計画の一環でTSSC計画で、以下の2つの技術分野 (TA) からなる。
 TA1: 吸気型コア測エンジンの開発。
 TA2: 機体と組み合わせた推進装置の開発。
2020.09 International Defence Review Aerojet Rocketdyne progresses propulsion solution for OpFires <2010-090005>
 Aerojet Rocketdyne社
OpFires戦術超高速兵器開発Phase 2でのスクラムジェットエンジンの一連の試験を完了した。 縮小型エンジンを用いた試験Phase 1は2019年末に完了している。
 Phase 1/2は推進装置の開発で、Phase 3ではシステムとしての開発に移る。 DARPAは1月にPhase 3をLockheed Martin社に発注している。 Phase 3の最終設計審査 (CDR) は2021年末に設定されている。
 OpFiresはDARPAと陸軍が計画している二段推進の移動型中距離HBGWで、DARPAは空軍とTBG計画も進めている。
2020.07.30 AFP

(Yahoo)

イラン、「地中深く」から弾道ミサイル発射に成功 「世界初」強調 <2008-073003>
 イラン革命防衛軍 (IRGC) が29日、ペルシャ湾付近の砂漠で実施した演習の最終日に、地下深くからのBM発射に成功したと発表した。 国営TVが報じた空撮映像には、日中の砂漠で爆発が起きて煙と砂塵が巻き起こり、上空に4発の飛翔体が打ち上がる様子が映っている。
 IRGC航空宇宙部隊のハジザデ司令官は国営TVで、地中に埋まったミサイルが突然、地面を突き破り、正確に標的を攻撃すると説明し、世界初だと強調した。
2020.06 International Defence Review US, Norway to continue co-operation on SFRJ technologies under THOR-ER API <2008-060006>
 米国防総省とノルウェー国防省が4月20日、米国の新たなAPI計画の元に両国で固体燃料ラムジェット (SFRJ) エンジンを共同開発すると発表した。
 既に米海軍はノルウェーのNammo社と長射程型戦術高速ラムジェット弾 (THOR-ER) の共同開発を進めている。
 固体ロケット燃料では重量の80%を酸化剤が占めているため、これを外気から取り入れると大幅な推力の向上が見込まれ、射程が400kmを超えるミサイル長距離砲弾への応用が期待されている。 このためBoeing社Phantom WorksはNammo社と共同でSFRJを用いた155mm砲弾の開発を開始している。
2020.05.04 Aviation Week & ST Norwegian-U.S. ramjet tie-up could lead to more-lethal missiles <2007-050405>
 ノルウェー国営兵器メーカのNanmo社米海軍が4月20日、共同でミサイル推進用の固体燃料ラムジェットエンジンTHOR-ER計画を進めていることを公表した。
 固体燃料ロケットの燃料では重量の80%を酸化剤が占めていることから、これを外から取り込めば推力を3~5倍にすることができ、その結果射程を300~500%にすることができる。 またラムジェットをサステナとすればMach 5~6を維持できることになる。
 THOR-ERはAIM-120 AMRAAMやNSM/JSMへの応用が考えられる。
2019.12 International Defence Review MBDA investigates GPS/GNSS-denied navigation under REASON project <2001-120011>
 MBDA社がAirbus社とONERA社の協力の下に将来の長距離CMが使用する衛星通信を使用した航法システムを開発している。 この計画は
REASONと呼ばれ、英仏のMCMITP計画の一翼を成すもので、MBDA社が主導し、Airbus社が試験、ONERA社がシミュレーションを担当する。
 中長距離の飛行段階でCMはIMU補正する追加データを必要とするが、GPS/GNSSが使用できない状況になるとREASONが衛星通信を用いてこれを補正する。
2019.11 International Defence Review Nammo discloses advanced solid-fuel rocket motor development <1912-110006>
 ノルウェーのNammo社が開発している固体燃料ラムジェットエンジン (
SFRJ) をロンドンで開かれたDSEI 2019展で公表した。 SFRJはラムジェットモードになるとMach 3.5~5で飛行する。 同展で同社はSFRJ SAMを展示した。
 同社は米海軍研究所 (NRL) と共同で155mm 52/58口径砲用ラムジェット推進弾HE-ExRを開発しており、52口径砲では無誘導で100km誘導装置付きで150kmの射程を持ち、2Q/2020年に初めての発射試験を実施する。
【 HE-ExR 関連記事:1902-120004 (IDR 2018.12)】
2019.09.30 Aviation Week & ST Competition heats up new class of small, disposable jet engines <1911-093001>
 米国ではUAVなどに搭載する小型で安価なジェットエンジンが各社で開発されている。
 Kratos社は推力が100~200-lbの小型ターボジェットエンジンを開発している。 米空軍は群集団UAV用に100~200-lbのエンジンを検討している。 また同社は1,000~2,000-lbのターボファンエンジンの開発も行っている。
 Pratt & Whitney社の試作部門であるGator事業所TJ150ターボジェットの新型を開発している。 またP&W社は米空軍の核CM
LRSO 用のエンジンとしてFJ700を提案しKratos社と競っている。 P&W社は900~3,000-lbのPW600も開発している。
2019.09.18 Jane's Defence Weekly Nammon applies its ramjet technology to ground- and air-launched missiles <1911-091803>
 Boeing社と共同でラムジェット推進の155mm噴進弾ExRを開発しているノルウェーのNammon社が、この技術をSAMやAAMなどのミサイルに応用した提案を行っている。
 2018 Eurosatoryで155mmラムジェット噴進弾を発表した同社はDSEI 2019でSAM応用した実大模型を展示した。 同社によるとミサイルで70~80%を占めているロケットモータの80%は酸化剤で、これを空気から取り入れれば射程は2~5倍伸びる。
2019.02 International Defence Review DARPA pursues materials, architecture to cool hypersonic vehicle <1903-020003>
 米DARPAがMach 5以上での高温に耐えられる材料や冷却技術
MACHの研究を行っている。
 研究は既に完成している技術の応用と、将来技術の2分野についてパッシブ及びアクティブ材料や冷却方式に及んでいる。
2018.10 International Defence Review JHU/APL completes first year of BOLT hypersonic boundary layer research <1811-100010>
 Johns Hopkins大学の応用物理学研究所が、3年間計画している超高速飛翔体の境界層遷移 (
BOLT) 研究の1年目を完了した。
 BOLTはMach 5~7の超高速で飛翔する機体表面近くに薄く発生する境界層の遷移を解き明かすもので、コンピュータによる解析と風洞実験を通して行われる。
2018.07 International Defence Review DARPA developing lower-cost, generic seeker for precision-guided weapons <1808-070007>
 米DARPAが各種空投武器に採用可能な安価シーカ
SECTRの開発を進めている。 SECTRの 量産価格は$20,000が目標で、最終的には$10,000を目指している。
 DARPAはまずASMへの採用を目標としているが、その先はSSMでの使用も視野に入れている。
2018.06 International Defence Review AFRL, HRL investigate additive manufacturing for hypersonic flight structures <1807-060005>
 米空軍研究所 (
AFRL) がMach 5を越える超高速飛翔体に使うSiOC(註:炭素添加酸 化シリコン)の試験をHRL研究所と行っている。
2018.05.21 Aviation Week & ST Modular low-cost seeker addresses GPS denial <1807-052101>
 米DARPAと空軍研究所 (
AFRL) が進めているGPSが使用できない状況でも使用できる超安価 ミサイルSECTR計画で$13.1M契約の第二段階にBAE Systems社が選定された。 18ヶ月間の第一段階で 同社と基礎撃ってきたLockheed Martin社は脱落した。 DARPAは2019年7月に計画を完了する計画である。
 SECTRはGPSが使用できない環境で画像誘導するミサイルで自動目標認識 (ATR) 機能 も求められており、BAE Systems社は米空軍、海軍のほか特殊部隊からの要求も見込んでいる。
2018.04.12 Jane's 360 Boeing makes investment in UK's Reaction Engines <1805-041210>
 Boeing社のHorizonX部門が、英Oxfordshine社が開発している
SABREエンジンで中心となっているReaction Engine社へ投資したことを発表 した。
 SABREエンジンはジェットとロケットを組み合わせジェット推進ではMach 5、超高速飛行と宇宙空間では ロケットモードでMach 25を実現するもので、Reaction Engine社は超軽量熱交換器を担当している。
2018.02 International Defence Review MBDA researching materials for high-speed missiles <1804-020010>
 MBDA社が将来の超音速及び超高速兵器に使用する高温に耐える素材の研究を進めており、 その詳細を公表した。
 (以下、高温素材に関する説明)
2018.01 International Defence Review MBDA stuides passive radar location technique undeer PAMIR Ⅱ study <1802-010004>
 MBDA社がBirmingham大学と共同でバイスタティックシーカ
PAMIR Ⅱの初期段階実験を行っている。 これは 英仏が共同開発しているASCM FCASWの要素技術研究MCM-IPTの一部を成すもので、GPSなどの測位衛星、 Iridiumなどの通信衛星、InmarsatなどのL-band衛星をイルミネータ(IOO)として使用する。
 目標にはRCS<1,000㎡の船艇を考えている。
2017.11 International Defence Review AIS unveils new MEMS IMU technologies <1712-110005>

 AIS社がMEMS 2個を組み込んだ超小型IMUを開発した。 新型IMUは従来からのSiMU02 IMUに搭載して、INSシステムやミサイルの誘導装置に活用できる。
 SilMU02 IMUは容積65.5㎤、重量210g以下で、20,000gの衝撃に耐えることができる。

2017.05 International Defence Review USN reveals solid-fuel ramjet testing to meet strike needs <1707-050005>
 米海軍がA2/AD脅威に対抗するため固体燃料ラムジェットエンジンの開発を行っており、 2016年に最初の飛行試験が行われたと、海軍航空戦センタ兵器部(
NAWCWD)が隔月発行する Naval Aviation Newsが明らかにした。
 今後は戦術使用に適するように開発を進め、加速には切り離し式ブースタではなく、燃焼室内蔵を目指している。
2016.04.25 Aviation Week & ST Microscale nav <1606-042505>
 Northrop Grumman社が米
DARPAからMEMSセンサを用いたIMUの開発を受注してい る。 IMUとしてはリングレーザジャイロ(RLG)や光ファイバ干渉計ジャイロ (iFOG)のほかMEMSセンサも使われているが、MEMSの10mドリフト精度は現在、RLGやiFOGが180秒 であるのに対し30秒でしかない。 IMUを航法装置に使用しようとすると0.01゚/hのドリフトが求められるのに対し、MEMSのドリフトは 10゚/hと大きい。
 DARPAのPrigm:Ngimu計画では0.01゚/hのMEMSセンサと、従来より3~4桁上を目指している。
2015.09.28 Aviation Week & ST High Mach <1511-092802>
 Rolls-Royce社が米空軍研究所 (
AFRL) と開発している Mach 3.2超音速長距離 CM 用エンジン STELR の地上試験が10月にも開始される。 STELR は米 DARPA が計画を中止した超音速ミサイル実験 機計画 RATTLRS 用に開発した HISTED エンジン YJ102R を元に新規開発した物で ある。
 Mach 3.2 のエンジンでは、空気取り入れ口の温度が800゚Fにまで上昇する。
2015.09 International Defence Review Special delivery: exploiting the network for smarter weapons <1510-090011>
= Net Work化されたミサイルに関する5頁の記事 =
 
2015.07 International Defence Review MBDA unveils FlexiS fully modular missile concept <1508-070006>
 MBDA社がパリ航空ショーで、CVW102 FlexiS 完全モジュラ式空中発射ミサイルを公表した。 FlexiS には胴径が180mm、350mm、450mmの 3タイプがある。
 180mm型には全長1.8m型3m型があり、5機種がある。 1.8m型は AAM 及び
ATM などの ASM、3m型には長距離 AAM などがある。
2015.06.24 Jane's Defence Weekly MBDA unveils CVW102 FlexiS missile concept <1508-062402>
 MBDA社が6月15日にパリ航空ショーで、CVW102 FlexiS ASM を公表した。 FlexiS には胴径180mm、350m、450mと異なる胴 径の三種類があり、全長は180mmが1.8mまたは3m、350mmが3.5m、450mmが5.5mになっている。
2015.06 International Defence Review Raytheon pursues tactical hypersonics <1507-060001>
 Raytheon社が4月下旬に、
TBG の開発継続を DARPA から$20Mで受注したと発表した。
 TBG は DARPA と空軍が開発を進めている戦術用の超高速滑空弾で、高度200,000ftに打ち上げられてから 再突入し、大気圏上層部で跳躍滑空して、Mach 5 以上での飛行を目指している。
 技術的課題は空力摩擦に対する耐熱性と、機動性の確保にある。
2013.11 Jane's Missiles & Rockets Lightweight solutions offered for inertially-guided weapons <1312-110022>
 MBDA社と UTC社が共同で、
MEMS 技術を使った超小型 IMU 装置 Titan を開発している。  Titan は0.1゚/hrの精度を持つ200gの装置で、5V電源を使用し消費電力は3.75W以下であるという。
2013.07 Jane's Missiles & Rockets MBDA missiles could be offered for LM vertical-launch systems <1308-070003>
 MBDA社と Lockheed Martin社が、Mk 41 VLS から MBDA社製ミサイルを発射する技術協力で合意した。
 最初に Mk 41 から発射されるのは CAMM AAM/SAM 共用ミサイルを元にした Sea Cepteor で、2013年後半にも発射 試験が行われる。
2013.07 Jane's Missiles & Rockets Polarimetric sensors paromise improved target recognition <1308-070002>
 MBDA社が、二波長偏向 IR センサの開発を進めている。 このセンサは中波長 IR と長波長 IR を組み合わせたもので、目標認 識に有効であるという。
2012.12 Jane's Missiles & Rockets JABMM emerges from the shadows <1301-120017>
 Boeing社が10月22日に米陸軍協会 (AUSA) の総会で、自社経費で開発しているジェットエンジン推進の多目的ミサイル JABMM を公表した。
 JABMM には亜音速型超音速型があり、対地攻撃防空に使用できるとい う。
2012.11.05 Aviation Week& ST Keeping cool <1212-110509>
 Orbital Technologies社(Orbitec社が)開発した自己冷却式燃焼室を持つ渦流エンジン (Vortex Engine) の飛行試験が先月行 われた。
 このエンジンは燃焼室の内側を燃料と酸化剤の渦で囲み、燃焼した高温ガスを外壁に当てないことにより、燃焼室壁を薄くでき、軽量化が図れる。
【註】
 従来の液体燃料エンジンでも、燃料と酸化剤を用いた噴射ノズルの冷却は行われていたが、ノズルの外側に燃料や酸化剤の通る管を配置したもので、燃焼室内で外壁の 冷却を行うとする発想は初めてと思われる。
2011.08 Jane's Missiles & Rockets Russia's AGAT institute exoplpres active phased-array concepts for future seekers <1110-080007>
 ロシア AGAT社はアクティブフェーズドアレイアンテナの研究を続けているが、まだ商品化の段階ではない。 代わって同社はパリ航空展に以下のようなミサイルシーカ を出展した。
9B-1103M-200PS
 アクティブ/パッシブホーミング両用シーカで、遠距離をパッシブで捕捉する。
9B-1103M-200PA
 アクティブホーミング用 Ku-band スロッテッドアレイの表面にセミアクティブホーミング用の小さなダイポールアン テナを配している。
9B-1103M-150MM
 アクティブミリ波シーカ
2011.06.13 Aviation Week & ST Conventional contest <1107-061305>
 米空軍が進めている、大気圏の上縁をスキップしながら1時間に数千哩飛行し、目標に超高速で突入する 通常弾頭全地球即時打撃システム (CPGS) は、各社から提出された RfI の回答に基 づき来週にも見直しが行われる。 この計画を支える DARPA/Lockheed Martin社の HTV-2 は、2010年4月に 打ち上げられたが失敗した。 見直しでは1980年代に、以前の Boeing社が行った AMaRV に似た機体が対抗馬になると見られる。
 通常弾頭の遠距離打撃システムは、2008年に通常弾頭型 Trident Ⅱ計画が頓挫して以降、空軍の通常弾頭打撃システム (CSM) に焦点が移っていた。
【関連記事:1010-090012 (IDR 2010.09)】
2011.06.13 Aviation Week & ST Fast forward <1107-061304>
 再使用可能で Mach 7+ の超高速飛翔体の推進装置に、Aerojet社が TriJet 構想を提案している。
【関連記事:1107-060607 (AW&ST 2011.06.06)】
 超高速飛行には scramjet を使用するが、その始動速度まで加速するのに X-51A ではロケットブースタを使用している。 しかしな がら滑走路から離着陸するのにこれは不向きであるためタービンエンジンを使用したいが、音速突破や、Scramjet 始動速度への加速に障壁がある。
 タービンエンジンと scramjet を組み合わせた TBCC は装置が大きく、更に燃料のスペースを必要とするのに対し、ロケットと組み合わ せた RBCC は燃料効率が悪い。 TriJet は両者を組み合わせて T/RBCC とし、以下の三つのモードで運転する。
 ・Mach 2.5: turbine engine
 ・Mach ~4+: ejector ramjet
 ・Mach 3.5~7: dual-mode ramjet
2011.05.02 Aviation Week & ST Speed trial <1106-050207>
 ドイツが、2005年に Mach 6 を記録した Shefex-1 に続く Mach 11Shefex-2 を 、9月12日にノルウェーの Andoya 打ち上げ場から打ち上げる。 Shefex-2 は400kgで、高度200kmまで打ち上げられて降下する100~20kmで、温 度が2,000゚Cに達すると見られている。
【関連記事:1007-052401 (AW&ST 2010.05.24)】
 Shefex-2 に続く計画は衛星軌道に近い飛行をする Mach 24Shefex-3 を2016年に、更に衛星軌道の飛行も可能な Shefex-4/REX を2020年に打ち上げる。
【 REX 関連記事:1003-020114 (AW&ST 2010.02.01)】
2011.01.26 Jane's Defence Weekly Hypersonic boom <1103-012608>
= 米国が進めている超高速飛翔体計画に関する4頁の記事 =
 米軍の研究開発が、イラクやアフガンでの COIN 戦に傾注し、超高速飛翔体に対する研究が遅遅としていること に対して、国防総省内外から批判が出ているが、Boeing、Lockheed Martin、Northrop Grumman、Raytheon、Aerojet、P&W Rocketdyne など米国の主要軍事産業が参加した 超高速飛翔体研究推進の業界団体である HIT が2009年3月に設立されている。
 HIT は、2019年までに超高速の実用兵器と、再使用可能な試験機を開発することを目標にし ている。
X-51A WaveRider
HTV-2
X-37B OTV-1
2011.01.26 Jane's Defence Weekly USAH unveils hypersonic technology plan <1103-012603>
 米空軍が1月18日、超高速飛翔体開発のロードマップを作成したことを明らかにした。 この計画では、 短期的には高速飛翔武器の発射試験を2016年に開始し、中期的には Mach 4+ の 再使用可能な航空機(註:HSRFRV)を開発するとしている。
 HSRFRV は2年前に DARPA が計画を中止した Blackswift を再立ち上げするもので、タービン /スクラムジェットを使用する。 この計画には Boeing社と P&W-Rocketdyne社が共同チーム HIT を設立して、2019年までに実験機 の初飛行を行うとしている。
2010.10.14 DARPA Newsroom Sniper teams to increase accuracy with guided rounds <1011-101402>
 米 DARPA が、狙撃用 .50 銃弾を誘導弾化する EXACTO 計画を進めている。  EXACTO でも狙撃手チームは、現在同様に狙撃手と監視手の2名で構成され、基本的に同じ要領で運用される。
 計画は HITL 試験を含む第一段階を完了し、DARPA は Teledyne社に対し、システムを試作する 第二段階への移行を指示した。
2010.09 Jane's Missiles & Rockets Security issues ground AGAT naxt-generation seekers in Russia <1010-090026>
 ロシアの Almaz-Antey社に属する AGAT社が Fanborough 航空ショーに4種類の新型 AAM 用レーダシーカを出展しようとしたが、ロシア政府の許可が下りず実現しなか った。 4種類のシーカは以下の通りである。
・アクティブ/セミアクティブ両用の135mm径:捕捉距離5~7km
・アクティブ/パッシブ両用の135mm径:捕捉距離20km
 AESA アンテナの周辺に7個のパッシブアンテナ
・280mm径の長距離用:捕捉距離70km
・280mm径のミリ波:捕捉距離10~13km
2010.06.02 Jane's Defence Weekly MEMS technology could transform accuracy of Chinese missiles <1007-060205>
 今月中国で開かれた防衛電子展 (CIDEX) に出展した数少ない海外企業の1社であるノルウェーの Sensonor社が、中国とロシア の軍事市場MEMS 技術を用いた一連の製品を売り込もうとしている。
 その一例が MEMS ジャイロで、単結晶シリコンを用いた同社の STIM202 Buteerfly は55gで、従来のファイバジャイロやリングレーザジャイロ に代わってミサイルの精度向上を図ることができる。
2010.05.24 Aviation Week & ST Sharp edges <1007-052401>
 ドイツが超高速風洞で、アクティブ冷却式セラミックタイルを使用して熱に対処する宇宙帰還機 SHEFEX-Ⅱ の耐熱試験を実施している。
 試験では数ミリ秒間にわたり、高度35kmを12,000km/hで飛行する超高速環境を実現している。 この際発生する温度は1,400゚C に達する。
2010.02.01 Aviation Week & ST Gaining the edge <1003-020114>
 ドイツ宇宙航空センタ (DLR) がセラミックと effusion による熱防護システムを用いたリフトボディ機体の再突入機 ( RV) である REX を研究している。 REX は全長11ft、翼端長7ftで、欧州の Vega ロケットで打ち上げられる。
 REX を有人 RV として用いると、従来のカプセル式では4~8gかかっていた再突入時の加速度を1.5gに抑えることができるようになる。
2010.01 Jane's Missiles & Rockets Aerojet experimental scramjet shows core burning capability <1002-010043>
 Aerojet社が米空軍研究所 (AFRL) から受注した、'core burning' による熱管理技術を 用いたスクラムジェットの研究を行っている。
 Core burning は燃焼炎をスクラムジェット面から離れた場所に発生させるもので、熱管理が容易になることからより高速が出せると共に 燃料を節減できる。 この技術により、現在実験室レベルであるスクラムジェットを将来の長射程ミサイル超高速軍用機の動力に使用できるようになる。
2010.01 Jane's Missiles & Rockets ATK to develop propulsion technologies for future missiles <1002-010030>
 米海軍が ATK社に、次世代 AAM 用推進装置の研究を$10Mで発注した。 検討の焦点は AIM-120 AMRAAM 用のロケット モータであるが、他の AAM への応用も考えている。 同社は AMRAAM、AIM-9X など米国製 AAM のロケットモータを独占的に手がけている。
 検討の目指すのは射程延伸と TOF の短縮及び運動性の向上であり、このため急速燃焼推進の開発や噴射ノズル の熱溶解低減などが検討される。
2009.10 Jane's Missiles & Rockets Lockheed Martin unveils new gimbal-eliminating strap-down SAL seeker <0911-100023>
 Lockhhed Martin社がストラップダウン式の SAL シーカの特許を取得した。  このシーカにはマイクロレンズが配列されており、従来の工法では製造できないため製造にはレーザライタが用いら れる。
2009.08 Jane's Missiles & Rockets Agat plans phased-array missile seekers <0909-080022>
 ロシアの AGAT社が、電子走査アンテナ技術を用いたミサイルシーカを開発している。 同社はパッシブ、アクティブ 両方のフェーズドアレイ技術について研究している。
 9B-1103M シーカは150mm、200mm、350mmが既に開発されている。
2009.06.01 Aviation Week & ST DARPA hard <0907-060110>
= DARPA のFY109予算要求と航空関係研究命題 =
 米 DARPA のFY10予算要求は、わずか$3.25M増であるが、FY09で$87.6Mであった航空関連 予算が$338Mに増額されている。
Rapid Eye
 ロケットで1~2時間以内に打ち上げられる HALE UAV
Vulture
 太陽電池電源で成層圏に5年以上滞空する UAVで、まず3ヶ月の滞空を確認し、次いで完全搭載状態で1年間滞空させる。
ISIS (Integrated Sensor Is Structure)
 10年間滞空可能な成層圏飛行船で、当初は1年間の滞空を目指す。
LRASM
 長距離対艦ミサイル
Vulcan
 ターボジェットと CVC エンジンを組み合わせ、静止状態から Mach 4 以上まで加速する。
MoTr
 ターボジェットと ramjet/scramjet を組み合わせ、Mach 6 を目指す。
T3 (Tripe Target Terminator)
 航空機から発射される高速長射程ミサイルで、対航空機、対 CM、対防空システムの三用途
Transformer Vehicle
 'Flying Jeep' と呼ばれる路上走行車両で、1~4名を乗せて1~2時間飛行できる。
Autonomous Aerial Refueling
 Global Hawk に自動で UAV 同士の空中給油を行う。
Adaptive Morphing Super-Maneuver Aircraft
 機体形状を変化させることにより、低速遊弋で索敵し、高速で攻撃する。
2009.06 Jane's Missiles & Rockets GE studies afterburning turbine engines for missile applications <0907-060025>
 GE社が Mach 3~3.5 を要求される高速ミサイル用に使用するアフタバーナ付きエンジンの 特許を取得した。
 同社によると、この種エンジンにアフタバーナを搭載する場合には、コスト、熱管理、構造の単純化が課題になる。
2009.06 Jane's Missiles & Rockets USAF tests ramjet/scramjet hypersonic engine <0907-060011>
 米 DARPA が進めている ramjet/scramjet 両用エンジン FaCET 計画の試作エン ジンが、4月9日に初めて地上施設における試験に成功した。
 FaCET エンジンは ramjet モードでMach 4 まで加速し、その後 scramjet モードに遷移して Mach 6 で運転するもの で、最大の課題は遷移に伴う気流の制御にある。
2009.05.11 Aviation Week & ST Facet force <0906-051115>
 米 DARPAFACET 計画で PWR-9221FJ ramjet/scramjet 複合モードエンジンの 開発を行ってきた P&W Rocketdyne社は、5月6日時点で10回の Mach 4 の全行程推進試験に成功するなど、予想以上の成果をおさめたため、燃料冷却式複 合モードエンジンの事前設計に取りかかった。
 複合モードエンジンは元々、計画中止になった HTV-3X/Blackswift 用に開発が進められていたエンジンで、ターボジェットと同型の空気取り入 れ口をもち、ターボジェットを用いて滑走路から離着陸する Mach 6 級飛行体に搭載する際使用可能なエンジンを目指し ている。 X-51 WaveRider に搭載する SJX61 エンジンは空気取り入れ口が二次元で、起動にエチレンを使用するのに対し、このエンジン は 3D 空気取り入れ口を持ち、JP-7 だけを燃料とする。
【 Blackswift 関連記事:0804-031008 (AW&ST 2008.03.10)】
2009.03 Jane's Missiles & Rockets Leaked documents uncover origin of Iran's Hoot missile <0904-030017>
 イランの Hoot ミサイルとロシアの VA-111 Shkval ミサイルの関係が、FAS の入手した 極秘書類により明らかになった。 イランは Hoot が Shkval の派生型であることを否定してきたが、革命防衛隊の頭書のあるこの文書には、2004年2月に行われた Shkval 発射試験の経過がロシア語で書かれている部分がある。
 それによると発射2秒後に Shkval は水中に入り、水中を10.45kmにわたり、105.5秒間96m/s で進んだ。
【関連記事:0608-040303 (読売新聞 2006.04.03)】
2009.03 Jane's Missiles & Rockets FACET scramjet unit begins initial intake flow test programme <0904-030013>
 米 DARPA が Lockheed Martin社を主契約社に進めている FACET 計画のうち、scramjet 部分の試験が開始 されている。 Scramjet は、タービンエンジンと ramjet/scramjet エンジンを組み合わせた TBCC エンジンの一部となり、 タービンエンジンで加速したのち、ramjet/scramjet により Mach 4~6で飛行するエンジンで、将来の航空機や CM への 応用が考えられている。
 供試品は P&W Rocketdyne社の PWR9220 を70%に縮小したエンジンと、Loxkheed Martin社設計の吸気口及び LM、P&W社共同設計の排気口で構成 されている。
2009.02.02 Aviation Week & ST Solid power <0903-020210>
 スクラムジェットの燃料には、今まで液体又は気体の水素などが使用されてきたが、ローマ大学が固体の 水素化リチウム (LiH: Lithium Hydride) がスクラムジェットの燃料に有望としたため注目されている。 LiH による燃料の固体化で 体積が14.3%と、燃料密度を高くすることができる。
( LiH についての WHO/IPCS/ILO の国際科学物質安全性カード
2009.02 Jane's Missiles & Rockets MBDA plans 'buildign block' approach for future missiles <0903-020030>
 MBDA社が、今後開発するミサイルが30%の部品を共有するという全社的な計画 Generic Missile Architecture (GMA) を進めている。
 実際にこの計画は、Aspide、Aster、CAAMFASGW(H)、Fire Shadow などで進められている。
2009.02 Jane's Missiles & Rockets Russian company tests its upgraded R95-300 mini turbofan engine <0903-020022>
 ロシアの Aero-engine社と Soyuz社が12月2日に、R95-300 ミニターボファンエンジンの改良 に成功したと発表した。 この改良により R95-300 は小型軽量で同じ出力を得られるようになり、射程130kmのミサイルの射程を200kmに伸ばすことができるようになると いう。 ロシアは CM 用エンジンを国産化しようとしている。
 R95-300 はウクライナの Motor Sich社製で、Kh-55 シリーズの CM に使用されている。 また、ターボジェット型の R95 は Kh-55M (AS-15)、Kh-59M (AS-13)、3M54E/3M54E1 (SS-N-27) などに使用されている。
2009.01.12 Aviation Week & ST Pulse power <0902-011209>
 DARPA が、ラムジェットエンジンに代わってスクラムジェットエンジンの始動速度である Mach 4+に加速するエンジンを開発する Vulcan 計画を進めている。 この計画はパルス又は連続爆轟の CVC エン ジンの可能性を初めて検証するもので、GE社が一歩先を行っている。
 計画では2013~2014年に実物大の地上試験を行って各種吸気口及び排気口形状について試験を行う。
2008.11 Jane's Missiles & Rockets MBDA and Roxel launch new hypersonic test bench <0901-110025>
 MBDA社と Roxel社が9月26日に、超高速試験設備を建設したと発表した。 新施設は METHYLE と呼ばれ Mach 7.5 を数分間持続 でき、大型模型や試作品を入れることができる大きさがある。
 MBDA社は、Mach 5 または Mach 8 で飛行する将来の民間機構想 LAPCAT にこの施設を使用する計画である。
2008.10.20 Aviation Week & ST Getting a boost <0812-102007>
 ドイツの Bayern-Chemie社が、固体燃料と液体燃料の利点を合わせたジェル燃料ロケットモータを開発していて、初めての発射試験を来年実施 する。 試験に使われるロケットは、全長1.85m、胴径13cm、重量40kgで、Mach 2.5 程度の速度で10km 程度を飛行する。
 ジェル燃料ロケットは酸化剤と燃料の2液式で、ピストンにより燃焼室に送られるが、液体燃料より安全なため 戦場での使用に適している。
2008.09 Jane's Missiles & Rockets KBM design bureau develops SAM upgrades <0810-090006>
 KBM 設計局が、小型の SAM を改良して、レーダやレーザ捕捉されにくくする技術を開発中である。 ただし、まだ実用化の段階ではない。
2008.08.11 Aviation Week & ST Vulcan's forge <0809-081109>
 米 DARPA超高速機に搭載する画期的なエンジンを開発する Vulcan 計画の提案を受け付けようとしている。 Vulcan エンジンは通常サイズのタービンエンジンに間歇又は連続爆燃エンジンを組み合わせる ものである。 爆燃エンジンは、従来のタービンエンジンが燃焼圧を一定にする方式であるのに対し燃焼容量を一定にする方式であることから、 定燃焼容量 (CVC) エンジンとも呼ばれる。 CVC エンジンはエンジン内圧力が高くなることから効 率が良いのが特徴で、DARPA では最大30~35%の燃費改善を期待している。
 Vulcan はタービンエンジンの高速限界である Mach 4+ 以下で始動することから、開発中の超高速 CM である HCV に考えられている。 開発は四段階で行われ、第一段階となる概念設計段階は今年11月から2009年中頃まで行われる。 最終となる 第四段階では、2012年後半から2013にエンジンを試作し、2014年に試験が行われる。
2008.08.06 Jane's Defence Weekly US seeks to protect air-launched weapons against laser defences <0809-080605>
 米国とイスラエルが防空用にレーザ兵器を開発しているのと同様に中国とロシアも防空用レーザ兵器を開発している。 特に 中国は防空用 HEL 技術主要国になっている。 一方ロシアでは Almaz Antey社が移動型の防空レーザシステ ムを開発しており、いずれも精密誘導爆弾やミサイルから重要拠点を防護しようとしている。
 米国では Raytheon社が LADS を用いた迫撃砲弾迎撃試験を2008年4/四半期に開始するほか、 DARPA と GA社が液体レーザ HELLADS を作戦機に搭載し、ミサイル、ロケット、迫撃砲弾、SAM、AAM を撃墜 しようとしている。
 この様な状況から米空軍は、レーザ兵器の攻撃に耐える空投武器の研究を進めている。 これは空投武器にコーティング を施すことでレーザの破壊効果を起こらせるもので、最小限5秒間の耐レーザ時間を狙っている。
2008.08 Jane's Missiles & Rockets IAI exhibits network-centric laser-guided warfare concept <0809-080029>
 IAI社が新しいネットワーク型レーザ誘導方式を公表した。 従来、音声で行われていた射撃要求をディジタル化し、 前線で LTD の引き金を引くと、タクシーを呼ぶようにいずれかの SAL 弾が飛来する。  このために同社は、従来2.5kgで有効距離5~6kmあった LTD を、有効距離を2km以下にすることにより重量を1kgにして、価格も$20,000~$30,000にしようとしている。
 この方式に対応可能な武器は Nimrod シリーズのミサイル、LAHAT ミサイル Griffin-3 LGBFireBall 120mm誘導迫撃砲弾などである。
 Nimrod の最新型 Nimdod-3 は弾頭重量50kg、射程50kmで、LAHAT は250mmの装甲貫徹能力がある。 現在開発中の FireBall の射程は従来の120mm迫の二倍となる15kmである。
2008.08 International Defence Review French Army redraes MPM programme <0809-080003>
 フランス陸軍が、155mm野砲弾、120mm迫撃砲弾、120mm戦車砲弾、68mm対地ロケット弾共用SAL 誘導装置で ある MPM の開発で MBDA社と Nexter社を競わせようとしている。
 MPM 計画には Nexter社が開発中の MAPCOR 155mm SAL 誘導野砲弾及び Polynege 120mm 誘導戦車砲弾も含まれる 。 Polynege は同社が仏国防省との契約で開発しており、2007年11月と2008年3月に誘導発射試験を行っている。
2008.06.27 MDA Link Missile Defense Data Collection Experiment Successfully Completed <0807-062701>
 MDA が26日に、将来迎撃ミサイル用 KV に搭載するセンサの飛行試験 NGSP-01 を Blach Brant ⅩⅠロケットに搭載して NASA の施設で行った。
 ロケットには IR、可視光、その他の各種供試品が搭載され、試験は成功した。
2008.06.25 Jane's Defence Weekly Microturbo diaplays TR-3 turbojet engine <0808-062506>
 フランスの Microturbo社が、UAV やミサイル用の TR-3 ターボジェットを公表した。 TR-3 は全長330mm、最大胴経130mm、重量4kgで、30daN の推力を持ち、最大速度 Mach 0.8 に対応できる100,000rpmの回転数で、高度30,000ftまで使用可能である。
2008.06.18 Jane's Defence Weekly IAI promotes laser-guoded NCW concept <0808-061809>
 IAI社が、多数装備されているレーザ照準器と各種レーザ誘導ミサイルをネットワーク化する方式を提案しようとしている。 システムは現有の C4I システムを基礎にしている。
 このシステムを利用して射撃する一例は IMI社製160mmロケット弾をGPS/SALH 誘導化した、射程50km、弾頭重量50kgの Nimrod-3 対戦車/対人ミサイルで、前線の目標指定に従って安全な後方から射撃ができる。 同社はこのほかに、GPS 誘導で射程15kmの FireBall 120mm 迫撃砲弾や、射程26kmのレーザ誘導 Nimrod 対戦車/対人ミサイルの改良型も開発している。 更に射程8kmの LAHAT の新型も開発している。
2008.06.02 Aviation Week & ST Brains and brawn <0807-060214>
 AESA レーダは非常に高価であるため、より安価な AFR が考案されている。 AFR は 大型反射板と、目標側に設置された小型反射板の間に小型の AESA を配置して走査ビームを小型 反射板にあて、更に大型反射板で反射させる方式である。
 レーダ偵察衛星 SBR は低高度軌道用で100㎡、中高度軌道用で1,000㎡のアンテナを必要とするが、100㎡アンテナの場合 AESA から直接 送受信する従来型の DRA の場合$1.4Bかかるものが、AFR では$75Mで済む。
2008.06.02 Aviation Week & ST Sensory input <0807-060212>
= 米国の軍用 IR FPA に関する記事 =
 Lockheed Martin社が MKV に提案している MKV-L で、子弾を放出し制御する母機に搭載するセンサで、Raytheon社が 提案している MKV-R の子弾が搭載する 256x256 ピクセル FPA より大型の 512x512 の FPA を 使用しようとしている。
 一方米空軍は SBIRS次の弾道弾早期警戒衛星用に 2,000x2,000 FPA を開発して いる。 これにより従来の機械走査部位をなくすことができるようになる。
2008.05 Jane's Missiles & Rockets Rafael offers wide-angle nose dome for IR-guided missiles <0806-050019>
 Rafael社が、機軸に対し90゚以上の指向が可能な IR 用レドームを試作した。 素材にはサファイアを使用し、高い空力圧力と高温に耐えること ができる。
 将来の高運動性、高ボアサイトミサイルに適している。
2008.04.21 Aviation Week & ST Microturbo expands <0805-0402101>
 Safran社が UAV やミサイルに使用する Microturbo シリーズに、推力67-lbTR-3 を加え た。
 TR-3 は全長330mm、重量4kgで、高度30,000ftを Mach 0.8 で飛行するのに適している。
2008.03.24 Aviation Week & ST Sea launch orbits DirecTV 11 <0805-032405>
 Sea Launch社が3月19日に、同社の Odyssey 打ち上げ船から Zenit-3SL ロケットを発射し、DirecTV 11 放送衛星を、 静止軌道への遷移軌道に打ち上げた。
2008.03.24 Aviation Week & ST Scramjet ready <0805-032404>
 P&W Rocketdyne社が SJX61-2 エンジンを組み立てている。 SJX61-2 は X-2 とも呼ばれる炭化水素 燃料を用いるスクラムジェットエンジンで、X-51A WaveRider に搭載して Mach 4.5~ 6.0+ を実現する。
 X-51A の発射試験は2009年に開始され、2009年に4回計画されている。 いずれも B-52 からロケットエンジンで発進 しスクラムジェットの始動速度まで加速する。
2008.02.18 Aviation Week & ST Pulse power <0804-021806>
 米空軍研究所 (AFRL) が PDE (Pulse Detonation Engine) の開発を進めようとしている。 PDE は燃料の爆発燃焼により発生する超音速排気 で推進するエンジンで、構造が簡単なことからミサイルの推進装置に有力視されている。
 AFRL が1月31日に ISS社と行った有人機による飛行試験では、Scaled Composite社保有の Long-EZ のプロペラとエンジンをおろして PDE が取り付けられ、60~ 100ftの水平直進飛行を10秒間行った。 エンジンは自動車用4気筒エンジンを改造したもので80Hzで作動した。 騒音 は排気口付近で195~200dBであったが指向性が強いため操縦席では支障にならなかった。
【註:】
 吸気型の PDE はパルスジェットエンジンと呼ばれてきた。
 単気筒のパルスジェットエンジンは、第二次大戦時にドイツが V-1 ミサイルで使用している。
2008.02 Jane's Missiles & Rockets China reveals HJ-11 ramjet-powered ATGM <0803-020020>
 中国軍の機関誌に、開発中のラムジェット推進対戦車ミサイル HJ-11 (Hong Jian-11: Red Arrow-11) が掲載され た。 HJ-11 は三軍共用の対戦車対物ミサイルで、固定回転翼機、AFV、艦艇から発射される。 空中発射型の場合、全長2.33m、胴経203mm発射重量70kgで速度は Mach 4 である。 AFV、艦艇発射型の場合には後ろにブースタが付く模様なので全長はこ れより長くなる。
 最大射程は AFV、艦艇発射型で15km空中発射型で30kmである。 但しラムジェットエンジンの始動には速度が必要 なため、十分な速度に達しない近距離での交戦には不向きである。
2007.12 Jane's Missile & Rockets US Army proposes use of KE warhead for tactical missiles <0802-120019>
 米陸軍が間接射撃ミサイル用のクラスタ弾頭に代わる新方式ロッド弾頭を開発し特許を取った。
 ロッド方式弾頭は従来も砲弾や直接射撃ミサイル用の弾頭に使用されていたが、ロッドが軽量のため減速が急激なことや分散が大きすぎるため、間接射撃ミサイル用の 弾頭には適さなかった。
 新方式のロッド弾頭は各層毎に4分割されたトレイにロッドを乗せて放出するため分散が少ないく、間接射撃ミサイル用に適している。
2007.11.26 Aviation Week & ST Anglo-French impulse <0724-112606>
 英仏両国は、2006年に軍事技術の共同開発に関する検討委員会を創設し、UCAV 搭載エンジンと MRCM (Multi -Role Combat Missile) の共同開発計画を進めている。 UCAV 搭載エンジンは、Rolls-Royce社とSnecma社が英国の Tranis 実験機で 使用する Ador 951 ターボファンエンジンの対抗機種となる量産型エンジンを共同開発する。
 MRCM は両国が共同研究を開始した地上発射型と空中発射型に分かれる多目的ミサイルで、短距離 (6km)、中距離 (15km)、長距離 (50km) に系列化し、 2014年以降の装備化をめざしている。
 英国はまた CAMM (Common Anti-Air Modular Missile) の開発を計画中で (右図)、この機種もフ ランスとの共同開発を行おうとしている。 CAMM は Rapierと Sea Wolf の後継として2018年頃の装備化をめざし、フランスは Roland 、VL-Mica の後継として期待している。
2007.11 Jane's Missiles & Rockets MBDA targets UK with modular missile <0724-110007>
 英国の次期 SAM 及び AAM に、MBDA社が CAMM (Common Anti-Air Modular Missile) を売り込んでいる。  英国では Rapier が2020年頃、Seawolf が2018年頃に寿命を迎え、2003年に装備 化した ASRAAM も後継機種の検討が必要になっている。 MBDA社では12発の CAMM を4tトラ ックに搭載した想像図を公表すると共に、Sylver VLS セルに搭載する4発入りキャニスタも提案している。
 CAMM は ASRAAM の機体にアクティブ RF シーカを搭載したミサイルで、全長3m、発射重 量100kgである。 ミサイルはガスジェネレータで駆動するピストンにより垂直に発射され、発射後 ノズルを2個ずつ持つスラスタ4基で旋回機動したのちに主ロケットに点火する。
2007.09 International Defence Review Rocket engineers explore burning issues <0719-090010>
= 固体燃料ロケットモータの新技術に関する4頁にわたる特集記事 =
 今のところロケットモータ技術は1970年代中頃から余り進歩していない。
 今後の技術としては2パルスロケットが注目されるが、隔壁の熱遮断性能や重量増加が問題になっている。  米国ではチャンバの内圧を低下させることにより燃焼速度を落とし、再加圧して推力を再 構築する方法が考えられている。
 その他に固体燃料ロケットの性能向上技術には、防衛省の Makoto Kohga が提案する真空乾燥技術を用いた効率的な酸化剤製造法や、 HTPB の AP に代えて ADN (Almmonium Dinitramide) を用いる方法がある。
 液体燃料では AF-315E や NCADE(右図)が採用した HAN (Hydroxylammonium nitrate: NH3OHNO3) 燃料は、従来160~190秒であった液体燃料ロケットの ISP を225~240秒に向上させる。
2007.08 Jane's Missiles & Rockets Fifth-generation Agat radar seekers test fired <0717-080019>
 ロシアの Agat社が、AAM や SAM に搭載するディジタル アクティブレーダシーカを開発している。
 同社はシーカの開発用に2基の HEIL シミュレータを保有しており、シーカは電波暗室に設置された 二軸のマウントに取り付けられる。
2007.07.09 Aviation Week & ST A team of scientists at the US Air Force's ・・・ <0715-070902>
 米空軍 AEDC で、年末に飛行試験を予定している TAPS (Towed Airborne Plume Simulator) の地上性能確認 試験を、高速燃焼施設である High Speed Fan Facility で行っている。
 TAPS は MANPADS に対処する航空機搭載用の早期警戒センサ開発に使用するため、試験機から500~1,000m 曳航してセンサの性能を把握する発射炎のシミュレータで、発射炎の規模は調整が可 能である。
2007.05.09 Jane's Defence Weekly US hypersonic engine test points way ahead <0711-050903>
 米空軍が NASA の風洞を使い、X-51A Waverider に搭載する炭化水素燃料のスクラムジェット エンジンの試験を行い、Mach 5.5 で50秒間作動させた。 これは同種エンジンの最長作動時間である。  X-51A は標準ディーゼル燃料である JP-7 を使用する。
 試験が行われたエンジンには、燃料で壁面を冷却する 'active engine cooling system' が採用されている。
2007.05.07 Aviation Week & ST Toward a practical scramjet <0711-050711>
 PWR (Pratt & Whitney Rocketdyne)社は、NASA Langley 研究センタの高温風洞施設で、X-51A に搭 載する実験用スクラムジェットエンジン X-1 (SJX61-1) の燃焼試験を昨年12月から今年4月に行っており、来 年初めまでに追加試験を予定している。
 X-51A の飛行試験は2009年に4回計画され、B-52 から投下した機体はロケット推進で超音速に加速した後、 試作2号機である X-2 エンジンにより Mach 4.5~6.5 に更に加速し、約5分間の飛行 試験を予定している。 以前に行った技術飛行試験での加速は数秒間であった。
2007.05 Jane's Missiles & Rockets Samsung Techwin displays SS-760K turbojet <0713-050032>
 韓国の Samsung社がアブダビで開かれた IDEX 展で、国内開発対艦ミサイルに使用している SS-760K ターボジェットエンジンを公表した。
 SS-760K は全長138.6cm、胴径45.3cmで、四段のコンプレッサを持つ軸流型ターボ ジェットエンジンである。 排気タービンは単段である。 回転数は29,550rpm、推力は1,050-lbの性能を持ち 、高度35,000ft以下でMach 0.9以下で使用する。
2007.04.16 Aviation Week & ST Alliant Techsystems (ATK) fires a fuel-cooled Thermally-Throated Ramjet (TTRJ) combustor ・・・ <0710-041602>
 ATK社が燃料で冷却するラムジェットである TTRJ (Thermally-Throated Ram-Jet) の燃焼試験を行った。 TTRJ は宇宙発射用として開発中のスクラムジェットエンジン ALRJ-M5 に採用される最新の燃焼技術で、最大 速度 Mach 5 を目指している。
 ALRJ-M5 の作動部位は燃料ポンプのみであるため構造が簡単で技術リスクが低く、攻撃兵器や SLV 用推進装 置として期待されている。
2007.02.12 Aviation Week & ST Sea Launch's Odyssey Launch Platrom ・・・ <0705-021201>
 Sea Launch社の衛星発射台船 Odyssey は、SES New Skies NSS-8 の打ち上げに失敗 した5日後に母港に向け出帆する。
 同社は今回の Zenit-3SL ブースタの爆発原因か確定するまで全ての打ち上げ計画を中断する。 全長436呎 の Odyssey は、北極海掘削台船を改造した台船で、発射時の爆発等に耐える設計がなされており、今回も損害は極めて軽微なものであ った。
2007.02.05 Aviation Week & ST Total loss <0705-020508>
 1月30日午後、オランダ SES社の New skyes NSS-8 衛星打ち上げは、Sea Launch社の Odyssey 洋上衛星発射台 で行われたが、点火直後にロケットが爆発炎上し失敗に終わった。 Odyssey 洋上発射台は全長436呎、幅220呎 で、北海油田の洋上掘削機を改造したもので、2000年3月以降20回の衛星打ち上げに成功している。
 事故原因は調査中であるが、人員に損害がなく、発射台の損傷は軽微であったとみられる。 現在修理方法について SL社、 Arianespace社及び三菱重工の3社で協議が行われている。
2006.11 Jane's Missiles & Rockets Raytheon pioneers 'nozzlette' scheme for air-defence missiles <0624-110018>
 発射直後におけるミサイルの方向変換に、ジェットタブ、ジェットベーン、可動ノズル、液体噴射などの技術が用いられているが、2~ 3秒以内に交戦しようとする将来のシステムには不向きである。 この問題を解決するため Raytheon社が新しい方式を 研究している。
 この方式は nozzlette と呼ばれる固定/可動小型ノズルを多数配置するもので、 例えば固定ノズルを十字に配置した間に可動ノズルを配置する。 この結果ミサイルは推力の損失を抑えて方向変換できる。
2006.06.26 Aviation Week & ST Mighty mite <0614-062601>
 TDI社が開発した小型ターボジェットエンジン TDI-J45 の飛行試験が、空軍の LOCAAS 及び陸軍の LAM により行われいずれも成果を得た。
 AFRL による LOCAAS の試験では、King Air 200 から発射され、40浬以上を約15分間飛行し、地上3ヶ所の目 標を探知した。 また LAM の試験は飛行速度の急加速をねらいに実施した。
2006.05.31 Jane's Defence Weekly Modular wing extends jumpers' travel distance <0612-053114>
 ドイツの ESG社がドイツ陸軍の特殊部隊用に開発している滑空型パラシュートを公表した。 Modular 翼を 取り付けることにより、30,000ftから降下すると200km飛行できる。 また100kgの装備を装 着しても40km飛行できる。 Modular 翼を取り付けない場合には27,000ftから降下して48km飛行する。 同社は2006年末まで試 験を続け、システム全体を2007年中には完成する。
 今後同社は UAV 用の小型ターボジェットを搭載し、高々度からの降下をしなくても長距離滑空できるシステ ムを開発しようとしている。
【註:】
 ESG社のウェブサイトによると、この Modular 翼は翼端長1.8mの カーボンファイバ製で、Gryphon と呼ばれる。 システムは酸素吸入装置から航法装置まで、66個モジュール、18個サブシステムで構成 されている。
2006.04.04 Yahoo 共同通信記事

「ホルムズ海峡で魚雷実験 ・・・」

<0608-040401>
 イラン革命防衛隊海上部隊のデハカニ少将が3日、破壊力の大きな新型魚雷の発射実験をホルムズ海峡で行い 成功したと語った。 イランは3月31日からペルシャ湾岸で大規模な軍事演習を実施しており、新型の多弾頭ミサイルや水中ミサイルの発 射実験に成功したと連日発表して軍事力を誇示している。
 少将によると、この魚雷は大型艦船を沈めることが可能で、深く潜った潜水艦に命中させることもでき、既に量産段 階に入っているという。
2006.04.03 Yahoo 読売新聞記事

「イラン、水中ミサイル発射・・・」

<0608-040303>
 イラン国営テレビは2日、水中ミサイル「フート(クジラ)」の発射実験に成功したと伝えた。 このミサイルは、艦上から発射し魚雷 のように水中を進んで敵の艦船を攻撃する。
 革命防衛隊海上部隊のファタビ副司令官によると、このミサイルは100m/sと世界最速で、仮に ソナーで探知できても回避するのは困難という。 同様のミサイルはロシアが配備している。
2005.11 Jane's Missiles & Rockets Radar MMS studies seekers <0603-110019>
= ロシア Radar MMS社のアクティブレーダシーカ開発状況 =
Kh-31 用シーカ
 ARGS-31M は改良型である Kh-31AM 及び同弾の輸出用である Kh-31AME 用
Club-S,-N 用シーカ
 ARGS-54E、ARGS-54E1、ARGS-14E はそれぞれ Kh-54E、Kh-54E1、Kh-14E 用で同社製
その他のシーカ
 ARGS-35M (Kh-35M 用)、ARGS-59/59EM (Kh-59M2 用)
2005.10 Jane's Missiles & Rockets Boosted penetrator eject from cruise missile fuselage <0521-100039>
 ミサイルの先端から高速ペネトレータを放出する試験を Lockheed Martin社が行い成功した。 これは将来長 距離亜音速巡航ミサイルで HDBT (Hard and Deeply Buried Target) を攻撃するための基礎研究で、ミサイルが先端を 開いてペネトレータを放出し、ブースタで加速した。
 この種の考え方は新しいものではなく、Novator社製 3M54TE/E (SS-N-27) はロケット推進の対艦用高速子弾を放出 する。 また2006年に試験が行われる RATTLRS もディスペンサミサイルである。
2005.10 Jane's Missiles & Rockets Seeker modernises Kh-25MA <0521-100037>
 ロシアの Phazotron社が Kh-25 (AS-10) 用の Ka-band シーカである PSM-E を開発した。 Kh-25 (AS-10) は1970年代中頃に開発された ASM で、指令誘導型 (Kh-25R,-25MR)、SAL 誘導型 (Kh-25L,-25ML)、TV 誘導型 (Kh-25MT)、IR 誘導型 (Kh-25MTP) などと、1999年に輸出用に開発された ARH 誘導型 (Kh-25MA) がある。 今回 PSM-E シーカを搭載した新型は Kh-25MAE と呼ばれる。
 PSM-E にはコントラストモードと、事前に準備したリファレンスと比較するコリレーション モードがあり、装甲車両、砲、駐機中の航空機、ヘリ、SSM/SAM 発射機、レーダ、その他兵站施設等を攻撃できる。 シーカの目 標捕捉距離は、戦車で4km、小建築物で5~8kmである。
2005.10 Jane's Missiles & Rockets JASSM receives JSOW compatibility <0521-100036>
 Lockheed Martin社が AGM-158 JASSM のソフトを変更し、F-16 とのインターフェ ス JSOW 共通化した。
 このソフト改修は小規模であったが、従来は新たに兵器ができるごとに mission planning、built-in test、weapon communication そ の他 operational interface を別々に開発していたのを改善する意義は大きい。
 この結果 F-16 は共通インターフェスで JASSM、JSOW、WCMD の搭載が可能になり、更に2006年に IOC となる WCMD-ER も搭載できるようになる。
2005.10 Jane's Missiles & Rockets Agat displays 9E420 seeker for first time <0521-100018>
 モスクワ近郊の Zhukovsky で開かれた MARKS 2005 展で、Almaz-Anteyグループに属する Agat社が、9M317(註: SA-11)のセミアクティブシーカ 9E420 を公表した。 9E420 は胴径310mm、重量32kgで 8gの旋回目標に対応できる。
 電源活性後14秒で使用可能になり、INS 飛翔で30秒間、間歇指令飛翔で60秒間作動する。 ±50゚Cで使用でき、±35゚Cであれば98%の湿 度にも耐える。
 元々は Buk-M2 Ural 用に開発されたもので、中国とインドに輸出されている Shtil-1(註:艦載 SAM)で も使われている。
2005.09 International Defense Review Thales set to demonstrate DUMAS seeker <0518-090027>
 Thalesグループが DUMAS (Dual Mode Active IR and Imaging Seeker) 1セットを WEAO (Western European Armanent Organigtion) に$7.3Mで納入した。 DUMAS は英仏が共同で進めるミサイルシーカの計画で、英国の SPEAR (Selectable Precision Effects At Range)、フランスの AASM SCALP-EG などへの搭載が検討されている。
( SPEAR に関する記事 AW&ST 2005.06.12)
 DUMAS は IR scanning laser とパッシブ IR センサを搭載してデータを統合し、目標の捕捉、画像化、類別 を行うシーカであり、2007~2008年にヘリ搭載試験が予定されている。
2005.07 National Defense Incoming fire <0516-070002>
= 部隊防護資器材の展示会に関する記事 =
 第5回部隊防護資器材の展示会では、これまでの基地防護主体から戦場での兵員防護に焦点をあてた鋼製シェルタ、防護盾、Talon UGV など多数の資器材を各社が展示、実演した。
鋼製シェルタ(Kontek社)
 コンクリート掩体より75%以上軽量な高さ9.5ft、幅4×4~45-tの鋼製シェルタで、120mm迫撃砲弾に耐える。
防護盾 Modular Armored Security Shields(STS社)
 厚さ3/8吋の鋼製盾で、小火器の連続射撃に耐える。
PVAB (Portable Vehicle Arresting Barrior:GD社)
 45mile/hで走行する5tトラックを投射網で捕捉できる。 設置時間15分以内。
Zx20 Ballistic Camera(Extreme社 )
 M-16 等の小火器の直撃にも耐える戦場監視カメラ。
M-Ⅱ FlashCam(mobilLED社)
 長さ17吋、88,000燭光の強力フラッシュライト。
Talon Direct-Action System
 M-16、M240 機関銃を搭載する無人武装偵察車両で、300~400m離隔して操縦が可能。 コソボ、イラク、アフガン等で不発弾処理に運 用され、20,000回以上の処理実績を持つ。
Segway 2輪移動車
 自動バランス制御の一人乗り電動二輪車で、時速は12.5mile、巡察警戒用として各軍が期待している。
2005.07 National Defense Acoustic Systems enter Homeland Security market <0516-070001>
 ATC社は国内保安市場に、陸海軍や警察が装備している高性能スピーカー LRAD (Long Range Acoustic Device) の売り込みを図っている。
 LRAD はタワー設置型の高性能指向性音響システムで、直径33吋のスピーカーによる通達距離は 500m、現在海軍艦船や陸軍、ニューヨーク市警が運用している。 特に陸軍はイラク派遣の第3歩兵師団に150台装備し、遠距離か らの警告を行うため車両検問所等に配置、自爆攻撃に対処している。
 同社は車両やヘリにも搭載可能な MRAD を重要施設に設置し、監視ビデオと連接して遠隔操作で運用することで警備要員の削減が図れ る他、大規模災害時の一斉放送に効果が発揮できるとしている。
2005.06.27 Aviation Week & ST Air launch tech test <0514-062704>
 t/Space社は宇宙船の空中発射技術を検証するため、5月から6月にかけて3回の投下試験を行った。
 試験は4人乗りの宇宙船を打ち上げる Quick Reach Ⅱ 構想の一環として行っているもので、試験には四分の一モデルの供試体を使用し Orbital Science社の Proteus 機から投下、安全性確認等に良好な成果を得た。
 宇宙船の空中発射は地上発射よりも安価で安全性に優れるとされ、投下からロケットの点火、垂直姿勢の保持には落下傘を用いロケッ トの回転を防止する。
2005.06.08 Jane's Defence Weekly US Air Force eyes flight of ramjet missile <0512-060807>
 米空軍 AFRL が次世代 AAM 用に VFDR (Variale Flow Ducted Racket) エンジンを 開発している。 研究は1986年に開始され、途中中断があったが、1997年に地上燃焼試験を行った。
 飛行試験実施には予算不足であるが、AFRL は2010年頃に飛行試験を実施し、2010年代中頃 か末に次世代 AAM を実現したいとしている。
 VFDR の胴径は7吋で、空気取り入れ口の形状も F/A-22 や F-35 の機内弾庫収納が可能なようになっている。
( AMRAAM の改善に関する記事 JMR 2004.09)
2005.06 Jane's Missiles & Rockets Technologya shows its radome product line <0513-060016>
 ロシアの Technologiya社が、モスクワで開かれた Technology 21 国際展に、ミサイル(Kh-35, RVV-AE, Kh-31,48N6, 3M-14)用の グラスファイバ及びセラミック製レドームを展示した。
 S-300V (SA-12) 用のレドームは全長1,000mm、胴径4,00mmの石英セラミック製で、 透過率80%以上、測角誤差15分以内の性能を持ち、S-300PM (SA-10) 用 48N6 のレドームは全長 1,200mm、胴径420mmで、透過率75%以上である。
2005.06 Jane's Missiles & Rockets China uses Kh-29T technology for seekers <0513-060005>
 成都に所在する South West Institute of Technical Physics が、Kh-29T ASM 搭載の Tubus-2 シーカを元にした TV シーカの試作品を完成した。 Kh-29T はパイロットが目標をロックすると自動的 に目標を追随する。
 中国は保有する Su-30MKK に Kh-29T を装備しており、各機に6発ずつ搭載 できる。
【註:】
 Kh-29 (AS-14) には Kh-29T のほか、LSAH 誘導の Kh-29L、IIR 誘導の Kh-29D がある。 Kh-29T の主な性能諸元は以下の通りである。
 ・全  長: 3.875m
 ・胴  径: 38cm
 ・発射重量: 680kg
 ・最大速度: 600m/s
 ・最大射程: 8~10km
2005.05 International Defense Review MBDA to develop next-generation munition wings <0510-050001>
 米空軍 AFRL が3月17日に MBDA社の米国子会社である MBDA Missile Systems社に、次世代拡張翼の開発を発 注した。 この事業は ADB (Active Diamond Back) と呼ばれる。
 ADS は MBDA社が開発した Diamond Back 拡張翼のアスペクト比を増大 'samrt' 素材を採用することにより、長時間の滞空と飛行性能の向上を図ろうとするものである。 AFRL は 特にこの新素材を重視しており、可変形状翼を目指そうとしている。
(可変形状翼に関する資料 AW$ST 2004.01.05)
 また ADB 装着弾等の F-35 JSF 機内弾庫搭載も検討される。
2005.03 Jane's Missiles & Rockets Soyuz develops low-cost turbofan for missile applidations <0507-030018>
 ロシアの Soyuz社が、Kh-55 などに搭載されている R95-300 に代わる安価高 性能な新型のターボファンエンジン R125-300 を開発している。
R95TM-300
 R95-300 の改良型で全長850mm、胴径315mm、重量95kg、推力350kg
R125-300
 全長550mm、重量66kg、推力380kg
 ファン一段、圧縮機三段、タービン一段と構造を簡単化して価格を40%低減
R95-300改
 R95-300 のオーバホールに合わせて改良、推力を400~420kgへ増強
2005.02 Jane's Missiles & Rockets Russia's ramjet powerplant design facility closes down <0506-020004>
 ロシア唯一、液体燃料ラムジェットを設計製造していた Plamja-M 設計局が、昨年中に閉鎖されていた。  同社は1978年に設立され、3M-80 Moskit 用の 3D-80、Kh-31 用の 52M、Yakhont/BrahMos 用の 3D-55 などを設計製造してきたが、近年ロシアが新たな ラムジェットの開発を行わないため経営に行き詰まり解散し、極一部のスタッフは NPO Mashinostroyeniya社に移籍した。
 この結果ロシアは、液体燃料ラムジェットの設計能力を失うことになる。 今後 3D-55(右図)の生産は Strela社が担当する。
2005.02 Jane's Missiles & Rockets GNIIP releases information on inertial control systems <0506-020003>
 ロシアの国立機関 GNIIP が、ミサイル搭載用に最近開発した各種 ICS (Inertial Control System) を公表した。
  AB-40E :対艦CM用
  AB-222E :対艦CM用
  BINSU-N :AAM 用、ドリフト<4゚/h、耐±45g
  EMDUS  :SAM 用、ドリフト<10゚/h、耐±100g
  AB-72-2E:AAM 用、ドリフト60m、0.6゚/30s
2004.09 Jane's Missiles & Rockets AGAT defines its technology for next-generation seekers <0421-090019>
 ロシアの AGAT社がここ2年間、完全ディジタル化ミサイルシーカの開発を行っている。
 このシーカはマイクロ波管などの一部アナログ部品を除いて完全にディジタル化されており、受信信号はアンテナ背 面で A/D 変換される。
 一般に数百MHzである IF 周波数は、使用する A/D コンバータの能力で決まる。
2004.08.16 Aviation Week & ST Bigger may be better <0415-081605>
 米空軍研究所は大型のスクラムジェットエンジンの開発を目指し、基礎研究と実験を行っている。
 この計画は Robust Scramjet計画と呼ばれ、エンジンは超音速攻撃機や偵察機、及 び宇宙往還機に使用するもので、開発中の地上試験用スクラムジェットより10倍の大きさのエンジンを 7~8年後に試作する。
 技術課題は大型化に伴うエンジン構造のひずみの是正等多数あるが、その一部は、DARPA の支援を受け行っている SED (Scramjet Engine Demonstrator) 計画で解決できるとされる。
 SED は炭化水素燃料を使用するスクラムジェット SJX61-1 を搭載する実験機 Wave-rider を2008年秋まで に最大速度 Mack6.5~7 で飛行させる計画で、2005年~2006年に地上試験を予定している。
(WaveRider 関連記事 DN 2004.01.26)
2004.08 International Defense Review MEMS-based inertial measurement for miniature munitions <0415-080012>
 NJM (New Jersey Microsystems)社が MEMS技術を用いた IMU (Inertial Measurement Unit) を開発した。  装置はシリコン単結晶から成る各軸2個、計6個のジャイロを内蔵し、価格は$10,000~$15,000になる。
 この IMU は、米海軍が開発中の口径127mmの ERGM や、陸軍が開発中の155mm Excalibur に利用できるほか、口径32mmまでの砲弾や、mini UAV に も使用できる。
 この IMU の精度は0.0017゚/s(10゚/h に相当)で、感度は125μgと ERGM の要求値の1/8 になっている。
 NJM社は2005年4月に131立糎のプロトタイプのデモを行い、9月には65立糎を実現する。  重量は450g以下で消費電力は1Wとなっている。
2004.07 National Defense Air Force seeking funds to connect weapons in flight <0415-070002>
 米空軍は精密誘導兵器に、発射後の標的再指定を可能にするデータリンクの研究を進めている。
 空軍は2年間、$30Mの研究を年末から行う意向で、対象となるのは JASSM、JSOW 及び SDB の3機種とされ、データリンクの使用周波数 帯域、メッセージ移管、プロトコル及び所要ソフトウェアーの開発を行う。
 一方、Lockheed Martin社は独自に SMACM (Surveillance Miniture Attack Cruise Missile) と呼ぶデータリ ンク搭載兵器の開発を3年計画で行っており、全長6ft、重量140-lbの SMACM ミサイルに搭載する20立方インチの小型 Link 16 装置を開発している。
2004.06.28 Defense News Futuristic aircraft technology stretches the term 'winging it' <0415-062801>
 米空軍と DARPA は、UAV や巡航ミサイルに適用する航空機の可変形状翼技術の研究を進めており、2005年に は風洞実験を行う。
 この研究は MAS (Morphing Aircraft Structure)計画と呼ばれ、戦場への接近は翼をたたみ速度を追求し、戦 場地域では翼を広げ滞空能力を向上させる形状可変翼の実現を目指すもので、昨年から研究を開始している。 10年以内に飛行試験を行 い、2030年頃の実用化を目標としている。
 現在保有する B-1 と F-14 は可変翼ではあるが、翼の角度を変化させるもので翼の形状を変える機能はない。
2004.04 Jane's Missiles & Rockets Eagle Eyes seeker guides munition to miving target <0410-040011>
 米陸軍は Eagle Eye IR/MMW 複合シーカの3回目の試験を行い、移動中の多連装ロケット発射機 の捕捉追随、直撃に成功した。
 Eagle Eye は、IR センサと MMW センサを同一視軸に取り付け、装置内でデータ統合を行う胴径14cm、全長 20cmのシーカで、各種小型ミサイルへの搭載が可能である。
2004.04 Jane's Missiles & Rockets Rafael devises seeker cover for high-speed missile <0410-040005>
 Rafael社が、Mach 3 以上で飛翔する EO/IR 等誘導ミサイルのセンサを防護するカバーを考案し、特許を取得している。
 高速で飛翔するミサイルは空力によりセンサカバーを外すのに何らかのアクチュエータを必要とするが、同社は高圧ガスリザボアまた は焦電気素子を利用するメカニズムを考案した。
2004.04 Jane's Missiles & Rockets US Navy funds supersonic missile-guidance study <0410-040003>
 Optics 1社が$25Mで、超音速のミサイル等や航空機の高温環境で使用可能な EO/IR センサを開発する、Topic N99-192 EO/IR Sensor Application on Supersonic Vehicle計画を米海軍から受注し、2009年3月までの期限で 開発を進めている。
2004.03 Jane's Missiles & Rockets Aerojet selected to power Variable Flow Ducted Rocket vehicle <0409-030020>
 AAM への応用を目指す米空軍研究所の VFDR (Variable Flow Ducted Rocket) Flight Vehicle Concepts計画 の主契約社となった Raytheon社が、エンジンの担当に ARC Propulsion社を買収した Aerojet社を指名した。
 ダクテッドロケットエンジンは固体燃料を使い、固体燃料の燃焼で発生する高温フュエルリッチガスをラムジ ェット燃料とするエンジンである。
 米国では今までに GQM-163 Coyote 標的ミサイル用に MARC-R282 可変流量ダクテッドエンジンが、また HARM 用に MARC-R290 可変流量ダクテッドエンジンが作られた実績があ る。
2004.02.23 Defense News NASA seeks hybrid turbine-ramjet <0407-022304>
 NASA は戦闘機、巡航ミサイル及び長距離偵察機にも応用できるハイブリッド turbine-ramjet の開発を5年間 、$55Mの予算で行っている。
 RTA (Revolutionary Turbin Accelerator) と呼ばれるエンジンは、turbine エンジンと ramjet の切り替え使用 により、離陸から8分以内に Mach 4 まで加速することができる。
 技術課題は1,600度を越える高温の耐熱処理で、空気吸入口付近の温度は F/A-22 の8倍 に達する。
 NASA は試験用 RTA-1 エンジンを2006年までに完成させ、飛行試験用 RTA-2 による飛行試 験を2010~2011年に計画している。
2004.01.28 Jane's Defence Weekly Russia reveals details as Hermes missile build nears <0403-012807>
 ロシアの KBP設計局が、最大射程100kmの対戦車ミサイル Hermes の開発を完了し、量産可能な状態になった 。
 Hermes は戦車以外にも陸上の点目標、小型舟艇、低速低空飛行の航空機に対しても射撃が可能で、陸上及び 艦艇、航空機からの発射が可能である。
 Hermes には射程が15km、40km、100kmの3タイプがあり、100kmタイプはブースタが取り付けられる。
 中期誘導は15kmタイプが慣性誘導、40km、100kmタイプが無線指令誘導で、陸上発射機(右図)に取り付けられたレーダがミサイルの 追随と指令電波の発信を行う。
 終末誘導はいずれのタイプもレーザセミアクティブホーミングであるが、パッシブ IR やアクティブレーダシーカも 開発中である。
 Hermes-A はヘリ搭載の射程15km~18kmタイプで、当初は Ka-52 が使用される模様である。 Hermes-K は射 程15kmの小型舟艇搭載型である。
2004.01.05 Aviation Week & ST Taking shape <0401-010507>
 DARPA が形状可変型航空機のプロジェクトを開始して1年になるが、成果は僅かながらあがっており実現に少 し近づいたものとみられる。
 DARPA の援助で研究を行っているのは Lockheed Martin社と NextGen社の2社が UAV モデル、Raytheon社が 巡航ミサイルモデルを担当しており、主として可変翼の概念設計と風洞模型による基本性能確認が行われている 。
 Lockheed Martin社のモデルが折りたたみ方式での可変翼であるのに対し、NextGen社は翼の 伸展張による形状可変を追求している。 また、Raytheon社は CM の翼を望遠鏡の様 に伸長する方式を研究している。
2004.01 Jane's Missiles & Rockets EADS missile reahces Mach 7+ at ground level <0404-010019>
 EADS社が2003年10月に、高速試験用ミサイル HFK E1 で Mach 7+ (2.3km/s) の記録を樹立した。 今までの 記録は2002年に行った同じ試験における Mach 6.6 であった。
2003.12.22 Inside the Army Hypersonic technology could help Army defeat time-critical targets  米陸軍は将来各種ミサイルに Scramjet を採用する意向で、2004年~2009年に$88.7Mを投じエンジンの研究を開始する。
 陸軍が狙っているのは、大量破壊兵器や堅固な掩蔽施設攻撃用の誘導兵器と、TBM 対処用迎撃ミサイルに使用する Mach 15 程度の Scramjet エンジンの開発で、2005年にエンジンの構成技術に関する試験を開始し、2009年には試作品の地上試 験を予定している。
2003.12 International Defense Review Hypersonic missile developments  10月23日に EADS 傘下のドイツ LFK社が Mach 7.0 の高速ロケット HFK-E1 の発射試験を行い、ロケットは発 射後1秒以内に、距離300m以内で Mach 7.0+ に達した。
 LFK社による高速ロケットの試験はドイツ国防省が2004年1月から支出を止めたためこれが最後となるが、同社はこの決定は一時的なも の見ている。
 LFK社では今後 Mach 10 のロケットを計画しており、中短距離 SAM、短距離弾道弾 のブーストフェーズ迎撃機、堅固目標に対する侵撤ミサイルなどへの応用に期待を寄 せている。
2003.11.24 Defense News Little chip,big problems  25セント硬貨とほぼ同じ大きさの Gyrochip QRS11 が米政府の輸出規制品目に指定され大き な問題となっている。
 QRS11 は約1,000機の民間ジェット航空機に用いられているが、同時に衛星のアンテナ制御、F/A-22 や HarrierⅡ の飛行制御、 Marverick ミサイルの慣性誘導システム等軍事用に広く使用されているため、輸出規制品目に指定された。
 これにより早くも Boeing社の旅客機2機の納入に遅れが生じており、早期に輸出政策の見直しが迫られている。
2003.11.17 Aviation Week & ST Eyeing the future  独は国内の BGT 及び EADS両社に委託して、Meteor AAM に適用する小型高性能マルチモードシーカ ーの研究を行っている。
 BGT社の開発している IR シーカーは μ-Thos と呼ばれ、超小型機械式視野セレクター によりシーカーの視野角を制御するため、ジンバルが不要となり小型軽量化と信頼性の向上を 図ることができる。
 一方、EADS社が開発しているのはミサイルの先端に取り付ける、小型 T/R モジュール700個からなる Ka-band フェー ズドアレーアンテナで、多目標追随と対妨害性能に優れている。
 企業成果の細部は不明で、独は引き続き研究を進めるとし、兵器開発への適用時期は明らかにされていない。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets Scramjet development contractors chosen  Johns Hopkins 大学などがそれぞれ$49.4Mで、5年間の Robust Scramjet の研究開発を受注した。 この設計結果を反映したコンポー ネントレベルの製作とシミュレーションが実施される。
2003.08 National Defense Army tests scramjet kinetic energy tank rounds  米陸軍 ARDEC はスクラムジェット推進の対戦車用 KE (Kinetic Enargy) 弾の試験を行って いる。
 同研究所は今年4月から7月の間、口径101mmの供試弾により発射試験を4回行い、高度100,000ftの環境を模擬した状況で Mach 7 を記録した。 2005年までには120mm戦車砲からの実射試験を行う予定。
 供試弾は先端に8個のスクラムジェット燃焼チャンバーを持ち、その後端に安定翼を取り付けた構造(右図)で、 最大速度は Mach 5 (sea level)に達する。
陸軍は120mm弾を FCS の戦闘車両に搭載する計画で、実用弾は射程4km、取り扱い操 作が安全かつ容易で20年以上の耐用命数を要求している。
2003.08 Jane's Missiles & Rockets AGAT tests 70km range active-radar seeker  ロシアの AGAT研究所が、SAM や AAM 用のシーカとして、5㎡目標を70km以上で捕捉するア クティブレーダシーカを開発した。
 このシーカは20年前の戦闘機搭載レーダであったものを改良して効率を2.5倍程度引き上げ、同じ送信出力を 維持したもので、胴径は330mmと中距離 SAM に適したサイズになっている。
2003.07 International Defense Review Scramjet research  米空軍研究所が、5年かけて総額$50Mで強力なスクラムジェットの研究を開始する。 最初 の契約は9月に行われる模様である。
 この契約では炭化水素燃料を用いたスクラムジェットの速度限界を Mach 3 から Mach 8 へ引き上げることを 目指す。
2003.06 Jane's Missiles & Rockets Sled payloard sets new Mach 8.5 land speed record  米国は Holloman空軍基地で行った MDA のスレッド試験で、4,913mを6.04秒で走行し、Mach 8.5 の世界記録を樹立し た。 それまでの記録は同基地で1982年に出した Mach 8.1 であった。
 87kgの供試体は4段に組まれた13基のロケットモータで加速され、11,000ftの高速走行はヘリウムを充填した184inのチューブの中で行 われた。
2003.06 Jane's Missiles & Rockets Future cruise missile could have morphing wing structures  Raytheon社は DARPA との$4.1Mの契約で、将来の巡航ミサイルに適用する可変形状機体機 (Morphing Aircraft Structures) 計画を進めている。 計画では2005年始めにもプロトタイプの試験が実施される。
 可変形状機体機は巡航ミサイルが任務、目標その他戦場環境の変化に応じて機体形状を最適状態に変化させる もので、例えば高速で目標地域へ飛行し、そこで滞空策敵し、その後別の空域に移動するためには Mach 0.3~Mach 3.0 への適応が必要になる。
2003.06 Jane's Missiles & Rockets QintetiQ tests electronically scanned seeker antenna  英国 QinetiQ は、将来の SAM や AAM のシーカとなる I-band AESA (Active Electronically Scanned Array) シー カの HWIL (Hard-Ware-In-the-Loop) 試験を実施している。
 最初のプロトタイプはアクティブアレーであったが、胴径80mmm、素子数19の2番目のプロトタイプは、コスト削減のため受信のみのア レーとなっている。
2003.05.12 Aviation Week & ST Record for rocket sled  MDA が 5年にわたり研究を進めている Hypersonic Upgrade Program の一環として、ロケットモータ ーのスレッド試験が 4月29日に Holloman AFB で行われ、Mach 8.41 の世界記録を達成した。
 直径26in、重量192-lbの供試体は4段ロケットで、大気圏を模擬した全長3mile、直径184in のヘリウムを充填した円筒内を、点火後6.04 秒で通過した。
2003.05 International Defense Review Scramjet-powered weapons move a step closer  米陸軍と空軍は、スクラムジェットを用いた高速飛翔体の研究を本格化させようとしている。
 陸軍は2004年から6年かけて Hypersonic Engine Demonstration 計画を開始する。 陸軍は防空/ミサイル防衛用 や、火力支援用の、水素燃料を使用する Mach 10 級のミサイルと、炭化水素燃料を使用した Mach 5.0 ~7.0級の120mm砲用推進弾を考えている。
 一方空軍は、FY-06年かFY-07年に5年がかりの HyTech 飛行試験を開始する。 HyTech は Mach 4.5 で母機か ら切り離され、Mach 6.5~7.0で飛行する炭化水素燃料の気体で、X-43C の RRE (Risk-Reduction Effort) に位 置付けられている。
2003.03.03 Defense News Test bed gives Israel taste of missile attack
= イスラエルにあるミサイル防衛シミュレーター ITB の紹介記事 =
 ITB (Israel Test Bed) は米と共同出資でテルアビブ南方の Tadiran 社に建設した広さ 400㎡のドーム型施設で、1992年に運用を開始 し逐次改良を加えてきた。
 イスラエルは Arrow 部隊の要員に対する射撃手順や戦術判断の訓練の他、Arrow システムの改善に 活用しており、スカッド級のTBM の発射から Arrow やPatriot による迎撃を正確に模擬し、射撃効果を判定することができる。
2003.02 International Defense Review US-Norweian hypervelocity missile addresses multiple requirements  Raytheon社とノルウェーの NAMMO社が、米陸軍の CKEM (Compact Kinetic Energy Missile) 候補としての HATM (Hypervelocity Anti-Tank Missile) の試射を2002年暮に実施し、 Mach 6.6 を目指した。 8月に行われた初発射試験に引き続く試験である。
 HATM は TOW の射撃統制に使用されている ITAS (Improved Target Acquision System) に IR 及び MMW の センサを取り付けた射統装置で射撃される。
 Northrop Grumman社は CKEM 用に弾着エネルギーが HATM の10MJに対して30MJのシステムを提案し ている。
2003.01.30 Wired News

インターネット

米海軍、ミサイルの破壊力を強化   新型ミサイル弾頭開発は、米海軍研究局 (ONR) の Reactive Materials Enhanced Warhead Program の一環として進められている。
 新型弾頭はプラスチックの中に金属粉末を埋め込んだフラグメントでできており、このフラグメントが 目標の内部からガスと圧力を発するため、内部から破壊できる。
 これまでの実験によると、新設計の弾頭では、致命半径が既存弾頭の2倍になっており、致命半径をさらに拡 大する研究にが進められている。 ONR によると500%の向上が目標である。
 この弾頭は、HARM、AMRAAM、Sidewinder、RAM などに搭載できる。
2003.01.27 Inside the Army Army,industry maturing compact Kinetic Enargy missile technology  米陸軍は FCS 車両に適合する、軽量小型の対戦車用高速ミサイル CKEM (Compact Kinetic Energy Missile) の研究開発を進めている。
 CKEM は FCS の軽装甲車両に搭載する直接照準の対戦車システムで、サイズと重量は現在開発中の LOSAT (Line-of-Sight Anti-Tank) システムの半分。
 現在 Raytheon社はじめ 4社で行っている研究は間もなく 2社に絞り込み 30ヶ月の ATD 段階に移行、FY-06から開発を開始して FY-08 の LRIP、FY-10 の IOC を目指す。
 なお、Lockheed Martin 社が開発中の LOSAT は陸軍の軽歩兵部隊に装備を予定している。
2003.01 International Defense Review Canada develops technologies for hypervelocity missile  カナダでは20t級戦闘車に搭載する Mach 6~7 の対戦車 HVM である HEMi (High-Energy Missile:右図) の開発を行っている。
 HEMi の諸元等は以下の通りである。
  ・外観形状: 120mm APFSDS 弾と同径、同寸
  ・発射重量: 23kg(外殻重量 3kg)
  ・飛翔方式: 2段、14kgの推進薬と、4kgのペネトレータ
  ・誘導方式: レーザビーム乗り、誘導装置は2kg
  ・有効射程: 400~5,000m、飛翔時間は2.5秒以内
 開発は3段階で行われ、project definition phase に次ぐ Phase 1 ではフィジカルシミュレーションを行い2005年3月に終了、並行し て2004年6月から2007年4月に行われる Phase 2 では、LAV Ⅲ 軽装甲車からの実射が計画されている。
2002.10.21 Aviation Week & ST Russians eye plasma fields to cut cruise missile RCS  ロシアのミサイル設計局は高々度巡航ミサイルの RCS を減少する方策として、プラズマ磁界を適用 する研究を行っている。
 プラズマは高周波エネルギーと影響し合いこれを吸収する性質を持っており、ステルス性を向上する。
 所要のプラズマを発生させるには低高度では極めて大きな出力源を要するため、高度 20,000m 以上の高速巡航ミサイ ルへの適用を検討している。
 ロシア国防省もまた、巡航ミサイルのレドーム内にプラズマ発生装置を取り付け、プラズマ磁界でミサイルを覆う構想研究を行ってい る。
2002.10.07 Inside the Navy Navy considers DTRA's supersonic cruise missile as ALAM candidate  米海軍は DTRA (Defense Thraet Reduction Agency) が計画している超音速巡航ミサイルの 開発に注目し、将来 DD(X) に搭載を予定する ALAM (Advanced Land Attack Missile) の候補として検討を進めている。
 DTRA は FY-04 の ACTD に Mach 5 を越える超音速巡航ミサイルを提案する計画で、その経費は $100Mを越え る規模となる。
 海軍は正式には ACTD に共同参加することを表明していないが、提案内容の細部について DTRA と作業を進めている。
2002.10 Jane's Missiles & Rockets Raytheon fires a Compact Kinetic Energy Missile  Raytheon社を中心とするチームが、HATM BTV (Hypervelocity Anti-Tank Missile Ballistic Test Missile) の試験を実施し成功した。
 HATM は米陸軍が計画している CKEM (Compact Kinetic Energy Missile) で採用する技術を検証するための ミサイルで、胴径、全長が TOW ミサイルと同じ寸法で射程は約5kmであるが、Mach 6.0 の超 高速飛翔をする。
2002.09 Jane's Missiles & Rockets AGAT studies longer-range seekers  ロシアの AGAT Seeker Design Bureau が、アクティブレーダシーカの重量が30%増加するが、捕捉 距離を2~2.5倍に延伸する技術を開発した。
 この技術を使えば、現在 R-27A (AA-10) に使われている350mm径の 9B-1103Mの捕捉距離が40kmから90kmに伸 びることになる。
 この捕捉距離延伸は 'new radio-location signals' 及び 'new forms of digital signal processing' によ ると見られている。
2002.09 Jane's Missiles & Rockets Variable-thrust motor makes 50sec burn  Aerojet社が、可変推力固体ロケットモータの試験に成功した。
 可変推力固体ロケットモータは、誘導装置の制御でロケットモータの推力を変化させるもので、最大射程を延ばしたり、近距離目標に 対して飛翔速度を上げたりすることができる。
 計画は米陸海軍及び DARPA の元に、Aerojet社が Raytheon社と協同で実施していて、陸軍が計画している Common Modular Missile 及び NetFires の PAM (Precision Attack Missile) で実用化される可能 性がある。
2002.09 Jane's Missiles & Rockets UK systems house displays 'droop snoot' missile concept  英国の Sula Systems社が、英国防省から受注した将来 MANPAD ミサイルの研究を完了した。
 それによるとミサイルに操舵翼はなく、機首を最大4゚曲げることにより25gを得る構造になっている。 また弾頭はなく 'hittile' 原 理に依存している模様である。
2002.08 Internqtional Defense Review Leclerc prepared for future conflicts  Leclerc社が、研究中の Leclerc 2015 計画を明らかにした。 2005年実用化を目指して いる。
 この計画の主たるものは、NLOS 目標を発見するため mini UAV を搭載するもので、発見した NLOS 目標に対 しては CGN-3D self-forging 弾頭付きの弾で交戦する。
 この他にアクティブ防御用として、向かってくるミサイルに対して PAMPE (Riposte Anti-Missile Par Eclats) 弾を発射する SPATEM 発射システムを各コーナーに備える。
 また、パッシブ防御用としては、屋上付加装甲に加えてミリ波デコイ及びミリ波チャフ弾 を発射する Galix 発射システムを装備する。
2002.08 Jane's Missiles & Rockets MBDA France to test supersonic, hypersonic powerplants
= フランスで開発中の超高速ミサイル用エンジンの概要紹介記事 =
Vesta
 戦略 ASM ASMP-A 用のインテグラルロケットラムジェット。 9月に初飛行予定。 Mach 3。
Rascal
 対レーダ、対地、対艦ミサイル用の液体燃料ラムジェット。 低空で Mach 2 ~ 2.5、高度20,000mで Mach 3.2 ~ 3.7。
ramjet/scrajet Rascal
 ASMP-A 後継戦略 ASM 用のエンジン。 scramjet モードで Mach 6 以上。 高々度超高速偵察用 UAV への応用も検討中。
PREPHA
 水素燃料デュアルモードスクラムジェット
Chamois
 Mach 6.5 のスクラムジェット。 地上試験を実施済み。
WRR (Wide-Range Ramjet)
 低速ではケロシン、高速では水素を燃料。 Mach 2 ~ 12。
Promethee
 Mach 2 ~ 8 の炭化水素燃料 fully-variable ラムジェット。 テスト機は全長 5m~6m。
MARS
 Mach 4 で飛行する空中発射ミサイル。 陸上発射 UAV としても検討中。 全長 5m~6m。
2002.07 International Defense Review Motor developments for SRAAMst  独の Bayern-Chemie/Protac社は、新型ダブルパルス固体ロケットモータの初期試験として の、5回の飛行試験を完了した。
 鋼鉄製のケースに充填された推進薬は、アルミ製のダイヤ不ラムとそれを支える鋼鉄製の枠で仕切られている。
 1次燃焼と2次燃焼の燃焼時間間隔は 1秒~30秒の間可変で、1次燃焼と2次燃焼の推力配分 は 2:1 が理想的であるという。
2002.06.24 Aviation Week & ST Subscale engine tests cruicial to X-43C  X-43C のサブスケールモデル MFPD (Multimodule Flowpath Propulsion Demonstrator) の製作が Allied Aerospace の GASL 工場で始められた。
 MFPD は 2/3 スケールモデル で 2003年秋から NASA の8ft 高温トンネルでの基本性能確認試験に使用される。
 X-43C は重量 5,000lb、全長 16.5ft で、NASA と空軍は 2006年後半に飛行試験を計画している。
 試験は B-52 から X-43C を発射、ロケットブースターでスクラムジェット作動速度まで加速、その後約 4分 間実際にエンジンを作動し、最大速度 Mach 5~Mach 7 を確認する。
 MFPD の他に NASA では実際の X-43C 用エンジンの試験を 2005年に計画している。
2002.06.24 Aviation Week & ST Flight-weight scramjet readied for tests  世界で始めての Flight-weight スクラムジェットエンジンの地上試験用動力部が 完成し、7月初めから試験が開始される。
 これは米空軍の HyTECH (Hypersonic Technology) プロジェクトが行っている軽量超音速スクラムジェット に関する計画の一環で、NASA が共同参加、設計を Pratt&Whitney 社が担当している。
 地上試験用動力部 GDE-1 はニッケル合金製で重量 200lb以下、燃料に JP-7 を使用するが、性能確認用エンジンは重量 2,000lb、燃料 に水素か炭化水素燃料を使用する。
 現在の構想では最大速度 Mach 5 を目指し、ミサイル、航空機及び宇宙船に適用する計画で、NASA は X-43C への搭載試験を 2006年以降に行う意向を持っている。
2002.06.24 Aviation Week & ST Component tests aid scramjet development  米空軍の HyTECH (Hypersonic Technology) プロジェクトが進めているスクラムジェットエンジンの各種構成品のリ スク低減試験及び評価は Pratt&Whitney 社と軍研究所で数年来行われてきたが、このほど全ての試験を終え、GDE-1 (Ground Demonstrator Engine-1) による地上試験に来月移行する。
 試験はその後、GDE-2 による試験を 2003年末に計画している。
2002.06 Jane's Missiles & Rockets 'Smart' scanning proposed for laser beam-riding missiles  MBDA社は、レーザビーム乗り誘導方式のミサイルの誘導で、相手の LWR (Laser Warning Receiver) による探知を避 けるため、新しいレーザ照射方式を考案した。
 この方式は、ミサイルの位置を検出して、レーザ照射をミサイル近傍の狭い空域に限ることにより、目標へのレーザ照射をできるだけ 少なくしようとするものである。
2002.06 Jane's Missiles & Rockets USAF proposes liquid/solid mix for rocket propellants  米空軍は、液体燃料ロケットと固体燃料ロケットのそれぞれの欠点を補う推進薬の計画を進めている。
 この方式は、液体酸化剤にペレット状の燃料を混合し、単一のタンクに収納するもので、2液方式の液体燃料 エンジンより装置の簡略化が可能で、爆発時の安全性などの固体燃料の欠点をカバーでき、更に高い ISP が期待できる。
 酸化剤としては過酸化水素水の他各種 hydroxyl ammoniu や nitrates、dinitromide、nitroformate が考えられている。
 燃料には、PVA (polyacrylamide) 、PAM (polyacrylamide) その他各種の交叉結合水酸化ポリマーが考えられている。
2002.06 Jane's Missiles & Rockets SAT to develop supersonic missile powerplant  SAT社は HSAD (High Speed Anti-Radiation Demonstration) 用の推進装置となる、 Ducted Rocket Ramjet を用いた新しい Integral Nozzleless Rocket の前部胴体部 分の試作を、$10Mで海軍から受注した。
 納期は2005年9月である。
2002.04 Interantional Defense Review Air-breathing rocket for hypersonic vehicles  NASA は Air-breathing 方式の新型超音速ロケットエンジンを 6年間、約$140M を投じて開発する。
 計画は3段階に分かれ、第1段階のシステム概念設計とサブシステムの試験は今年11月に終了する。 第2段階は 2006年以降地上エンジ ン試験、最終段階の飛行試験は2009年頃を予定。
 このロケットエンジンは軍事、民事両方に使用する予定で、長さ 9m、直径 4.2m、速度 Mach 10
 発射後、Mach 2 に達した時点で大気中の酸素で水素燃料を燃やし、Mach 10 に加速した後は通常のロケット 推力により大気圏外を飛行する。
2002.02 International Defense Review French ramjet is cleared for flight  MBDA社が地上試験を行ってきた VESTA (Vecteur a Statoreacteur) ラムジェットは、 昨年11月に地上試験を成功裏に終了したのを受け、2002年中頃から飛行試験に入る。
 VESTA の最初の利用は、核弾頭装備の ASMPA (Air-Sol Moyenne Portee Ameliore) で、2003~2004年に陸上発射試験、2005~2006年 に空中発射試験が予定されている。
2002.01 International Defense Review USAF eyes next-generation SAR seeker  米空軍は、将来の ASM シーカ用として WASSAR (Wide Area Search Sythetic Aperture Radar) の研究開発に関する契約を $3.15M で行おうとしている。
 WASSAR は SAR モードで広範囲の目標捜索識別を行った後に、リアルビームモードに切り 替えて移動目標の追随、終末誘導を行う。
 WASSAR の主な諸元は以下の通りである。
  ・周波数帯域:5~35GHz
  ・送信出力:10~20W
  ・アレイアンテナ直径:7.5~17.8cm
  ・捕捉距離:8~12km
  ・解像度:0.1m~1m
  ・フレームタイム:約2Hz
 広域捜査は、高度3,000m、距離6~9.2km、飛行速度200m/sで、ビーム幅10゚スクイント角7~56゚で行われ、1×1.15kmの楕円内を捜索 する。 更に、24.5秒かけて49方位をドゥエルさせれば、7×7kmの捜索が可能になる。
2001.12 International Defense Review Canada revitalizes defense research and development  カナダは 2000年7月、国防省に DRDC (Defense Research and Development Canada) を設立し、防衛装備に関する 技術研究と開発を強化している。
 DRDC は 1200名のスタッフからなる国内最大の研究機関で年間 $107M の予算を使用している。 研究開発と試験は指揮統制/情報シ ステム、地上、海上、航空及び人間工学等全般にわたる。
 HEMi (High Energy Missile) は、FY-01~02に試験が予定されている、現有の 120mm APFSDS 弾と同径、同重量の飛翔体で、高速化 により飛翔時間を短くし、400~5,000m以内の重装甲車両の撃破を目指すものである。
 HEMi は最大速度 2,200m/sで飛翔し 10gでの旋回が可能で、1,000mmの装甲を打ち 抜く。
2001.10.31 Jane's Defence Weekly Radar imaging ALG system nears production  BAE社は、視界ゼロ、雲高ゼロでも着陸を可能にする、ミリ波レーダを用いた ALG (Autonomous Landig Guidance) システムを開発し、近く量産に移行する。
 ALG システムでは、視界ゼロでも、アクティブミリ波レーダにより、10Hzのレートで更新するテレビ画像並の白黒 画面を表示する。
2001.10 Jane's Missiles & Rockets DARPA tests a Mach 7 scramjet  DARPA がスクラムジェットの初の発射試験に成功した。
 実験の飛行体は10cm径で、エンジンの作動速度に達するのに、40m長の砲身を用いて 10,000gで加速し、Mach 7.1 を達成した。
 その後スクラムジェットエンジンを作動させ、80mを30msec間飛行させた。
2001.08.27 Aviation Week & ST Gun-launched projectile reaches hypersonic free flight  DARPA と Gasl 社はこのほど大砲から発射するスクラムジェット推進超音速ミサイルの小型模型による発射試験を 空軍の技術開発センターで行った。
 今回の試験には 直径4インチ、チタニウム製の 1/5 スケールモデルが使用され、エチレン燃料のスクラムジェッ トにより260フィートを25ミリ秒で飛行した。
2001.08.08 Jane's Defnce Weekly UK unveils hypersonic experiment  英国は2000年代の中頃に初飛行せさたいとするサブスケールの極超音速飛行体を作成するため、極超音速試験計画 の立ち上げを検討している。
 SHyFE (Sustained Hypersonic Flight Experiment) は、1.5m 長、30kg 重のラムジェット推進飛行体で 、Mach 5 以上での飛行を目指している。 構造を複雑にしないため Scramjet は使用しない。
2001.07.25 Inside Missile Defense SMDC acquisition chief envisions fewer,more capable systems  SMDC はこのほど、陸軍のミサイル防衛に関する将来方向についての見解を明らかにした。
 これによると、より少ない防衛システムで各種脅威に効果的に対処することを目指し、事業計画の統合削減を行う。
 今後重点的に研究開発を進める技術は以下のとおり。
・低価格/長距離巡航ミサイル:1発 $10,000以下、距離150~200km
・スクラムジェット技術:ミサイル防衛用超音速ミサイル推進装置
・長時間対空無人機技術:JLENS (Joint Land Attack Elevated Netted Sensor)
・機動戦術レーザー技術:MTHEL (イスラエルと共同開発)
2001.06.20 Jane's Defence Weekly Stealth Europe:
欧州各国のステルス技術開発状況
 1980年代後半に出現した F-117 や B-2 といったステルス機に代表される LO (Low Observable) 技術は米国の独壇場であったが、 欧州諸国の企業は着々と技術を蓄積し、今後 10年以内にステルス機を共同実用化する準備を行っている。
BAE (英)
 英国は米国とのステルス技術に関する協定を締結しているため、米国技術を他国にリリース出来ないことから、独自のステルス開発 、米国との JSF に関する研究開発及び他国とのステルス以外の共同研究を別々に実施している。
Dassault Rafale (仏)
 独自に行った巡航ミサイル MBDA Storm Shadow の LO 設計は米国が最大限の評価をし ている。 また、最近無人試作機 Aeronaf Varidation Experimentale の縮尺モデルを公表した。
Daimler Chrysler Aerospace(独)
 ステルス開発計画 TDEFS (Technology Demonstrator for Enhancement and Future System) を実施して おり、形状技術および電波吸収体技術を継続して研究開発中。
EADS' Military Aircraft(独)
 TDEFS を適用した Mako 軽戦闘機/訓練機プロジェクトを実施中の他、現在、Dassault、BAE、Saab (スエーデン)と ETAP (Europian Technology Aquisition Programme) と呼ばれるステルス試作機の共同開発に向け、数ヶ月以内にMoU締結 を準備中で伊とスペインが更に加わる予定。
2001.05.07 Aviation Week & ST Rafael unveils versatile‘Derby’beyond-visual-range missile  イスラエルの Rafael 社はこのほど、輸出用空対空ミサイル‘Derby’の概要について初めて明 らかにした。
 Derby は 1980年代始めから開発が行われ、Rafael 社の Python 3 及び Python 4 の技術を適用している。
 現在、空軍が F-16 によるフライトテストを実施中で、F-5 や Mirage にも搭載が可能とされる。
= 主要機能諸元 =
 ・全天候、look down/shoot down 能力
 ・目視/目視圏外射程交戦能力
   ミサイルシーカー は レーダー 及び パイロット の ヘルメットサイト に スレーブ して追随
 ・ECCM モード:
 ・運用モード:
   lock on after launch (目視圏外射程交戦時)
   lock on before launch (短距離交戦時)
 ・主要諸元:全長 362cm、直径 16cm、重量 118kg
2001.03.29 Inside the Pentagon Lyles spotlights seeker, wing techs for near-term munitions benefit  米空軍 Materiel Command の Lyles 中将は、Air Armament Summit で、近い将来の兵器に必要な重要技術として シーカーと翼に関する技術に注目していると述べた。
 このなかで同中将は、シーカーに関しては微弱な熱源を探知する毒蛇を例にあげ、生物工学を研究し応用することを、翼に関する 技術については現在試験中の Diamond Back 翼を JDAM (Joint Direct Attack Munition) の改善に適用した結果、スタンドオフ距離 が 8マイルから 24マイルに延伸したことを挙げている。
2001.03.19 Space News Surrey developing Steam-Powered Thruster  DoD は宇宙空間移動用の蒸気による推進装置に注目、少なくとも1社の衛星製造企業がこのシステムを研究構築している。
 作動原理は噴射ノズルから蒸気をスラストとして放出させるものであり、極めて低価格のシステムが最大 の利点である。
 米空軍の計画に基ずき Surrey Satellite Technology 社が蒸気スラスターの研究開発を行っている。
 DARPA は今後、同システムの設計研究に $10M を充当し、2段階の研究を2年半にわたり行う予定。