高出力 Laser 技術に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2020.01.15 Jane's Defence Weekly Israel announces laser breakthrough <2003-011511
 イスラエル国防省が1月8日、レーザ技術の開発でブレークスルーがあったと発表した。 イスラエルのレーザ技術開発は同国DDRDがRafael社及びElbit社と提携して行っている。
 開発しているのは電気励起式レーザで、この技術を用いれば高効率にシステムを実現できるという。
2019.12.18 Jane's Defence Weekly Norinco making synthetic diamonds for potectial use in laser-based weapons <2002-121811
 Global Times紙が12月4日、北京で開かれた国際宝石展NORINCO社がレーザ兵器に使用する人工ダイヤを展示したと報じた。
 別のメディアによると同社が展示した人工ダイヤは1~22カラットの各種サイズで、レーザ兵器に使用すると各種波長の光を発することができるという。
2019.05.10 Defense News Rolls-Royce unveils hybrid power system for laser weapons <1906-051004
 Rolls-Royce社でインディアナポリスを拠点とし先進技術を担当しているLiberty Works事業部の責任者が5月10日、同事業部が過去10年近くにわたりレーザ兵器の開発に当たっていることを明らかにした。
 同社が手がけているのは100kW級レーザ兵器で、動力源にはOH-58、Little Bird、AH-6iなどのヘリに広く採用されているM250エンジンを使用している。 M250の出力は300kWであるため、システムは200kWの熱処理が必要になる。
2017.05.09 Defense News Lasers in combat: New Space and Missile Defense commander on what's to come <1706-050901
 新しく米陸軍SMDC司令官になったディッキンソン中将にとって、高出力レーザ兵器 MEHEL対空情報システムIAMDの取り扱いが課題になる。
 現在行われているMFIX 2016で2kWのレーザをHEMTT車に搭載しているMEHEL は、MFIX 2017で5kWのレーザとレーダ等を搭載する計画であるが、陸軍は旅団戦闘団(BCT) が装備するにはHEMTTは大きすぎるとして、FMTV車に100kWのレーザを搭載する案も進めている。
 Patriotが装備化された1982年に装備を開始した現在のAMDに代わる360゚監視可能なIAMDについて、2016年7月の RfI段階で陸軍はレーダを新規開発するのかPatriotレーダを改良するのか決めかねている
2017.04.12 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin seeks to adapt laser system for USN <1706-041207
 Lockheed Martin社が4月3日に行われたNavy Leagueのコンファレンスで、艦載の60kWレーザ兵器 SNLWSへの関心を示した。 同社はDDGへの搭載を提案しており、効率40%以上を実現すれば150kWの電源で済むことから、 DDG-51 Flight ⅡAへの搭載も比較的短期間で可能としている。
 同社は3月にファイバレーザを束ねて60kWを実現した装置を米陸軍SMDCに納入しており、同社によればその変換効 率は45%以上であったと言う。
2016.07 International Defence Review HELS slated for service within five years <1608-070002>
 Rheinmetall社が2020年実用化を目指し高出力レーザ兵器
HELS を開発している。 同社が公表したところによると、30kWのレーザ光は1,000mの距離で20mmに収束する精度を有する。 またこの装置をBoxer 8×8装甲車に取り付け、 2~3秒の照射を1,000回実施する能力を有する。
 レーザ装置には30kW20kWがあるが、BMSの制御により20kWビーム 4本を指向して80kWを実現できるという。
2016.02 International Defence Review AN/SWQ-3 Laser Weapon System <1603-020010>
= AN/SWQ-3 Laser Weapon System を紹介した記事 =
 
SSL-QRCで調達した30kWレーザ兵器AN/SEQ-3 (NX-1) LaWSの配備で得られた経験は、海軍研究本部(ONR)が目指している100kW+LWSD計画に引き継がれる。
2016.02 International Defence Review Northrop Grumman to build on MLD for SSL demonstrator <1603-020001>
 Northrop Grumman社が、米海軍研究本部(
ONR)から受注した艦載レーザ 試作MLDの詳細を明らかにした。 これは三段階からなるLWSD計画の一部をなすもので、同社は 150kWの固体レーザ(SSL)を試作する。
 同社はMLDに、THELJHPSSLで蓄積した精密追随技術と、15kWのネオジウム YAGレーザを使用する。
2015.06 International Defence Review Laser quest: the mirage of HEL <1507-060012>
= レーザ砲の現状に関する5頁の記事 =
LaWS:33kWのファイバレーザ
Iron Beam
THOR:C-IED 用、機銃架に装着
Maritime Lasr Demonstrator (米海軍)
HELMD (米陸軍)
BFU:Rheinmeetall社製20kW、機銃架に装着
2015.04.27 Aviation Week & ST Ready to fire <1506-042706>
 米海軍研究本部 (
ONR) が、DDG-51級駆逐艦に装備して、UAV や小型艇に対処する出力150kWの高出力 レーザ (HEL) 計画を進めており、2018年には退役したのち試験艦として使用されている Spruance級駆逐艦 Paul Foster に搭載し ての試験を行う。
 この計画に GA-ASI社は第三世代 HEL (Gen 3 HEL) で望もうとしている。 Gen 3 HEL は 75kWのユニットを組み合わせて150~300kWを実現仕様とするもので、国防総省や他の各社がダイオードレーザから、より効率の高い ファイバレーザに移行しようとしているなか、ダイオードレーザでファイバレーザと変わらない高効率を実現してい るとしている。
2015.04 International Defence Review Lockheed Matin to test ATHENA laser weapon against moving targets in 2015 <1506-040004>
 Lockheed Martin社が、出力30kWのレーザ兵器
ATHENA1哩 遠方の小型車走行不能にする試験に成功した。 同社は更に試験を重ね、2015年内に移動目標 の破壊を計画している。 ATHENA は出力10kWのファイバレーザを複数束ねたもので、陸軍が進めている60kWの HELMD の成果が反映されている。
 レーザ兵器大開口の望遠鏡状装置を持つことから、ISR としての役割も期待されている。
2015.04 International Defence Review Pheinmetall explres naval HEL <1506-040001>
 Pheinmetall社が2014年に、高出力レーザ (
HEL) の洋上試験に成功した。 この際はレーザ装置は 陸上に置かれ、1km先の洋上標的を照射したが、装置を洋上に置く試験も2年以内に実施される。
 Rheinmetall社の HEL は、出力10kWのファイバレーザを複数束ねたもので、代表的なものは AGTK社製 Boxer車に搭載した20kWの装置がある。 また Skyshield 35mm防空システムの砲塔に組み込んだ 30kWの装置も考えられている。
 現在は最大50kWであるが、同社は100kWの車載型を目指している。
【 Rheinmetall社10kWレーザ兵器の記事:1504-031111 (JDW 2015.03.11)】
【モジュラ型ファイバレーザの記事:0902-011217 (AW&ST 2009.01.12)】
2015.03.11 Jane's Defence Weekly UK to build and test laser weapon demonstrator <1504-031111>
 英国防省が高出力レーザ兵器能力検証試作 (
LEDW CD) の競争を開始することを明らかにした。
 LEDW は何に搭載するものなのかなどは明らかにされていない。
2015.02.16 Aviation Week & ST Big zapper <1504-021601>
 GA社が、米海軍が艦載した初のレーザ兵器
LaWS の三倍に当たる150kWの出力を持つ第三世代レーザ 装置の実験室試験を完了した。 この装置は3分間の充電で10回の発振が可能であるという。 ただこのシステムには、まだ正式な呼称はない。
 このシステムは重量3,000-lbで、搭載能力3,500-lbの Avenger UAV に搭載でき、AAM を破壊することができるという。
2015.02.12 Defense News US Army developing missile defense dashboard <1503-021204>
 移動型高出力レーザ兵器の検証機
HELMD の開発を続けている米陸軍 SMDC は、 2013年に10kWのレーザで UAV の撃墜に成功したが、この出力を50~100kWに上げて RAM 対処兵器にしようとしている 。 また20km先の路側帯爆弾を無力化する EMP 兵器の試験にも成功した。
 しかしながら、既存の Patriot、SLAMRAAM、JLENS、THAAD や MEADS などと統合して運用するシステムに欠けるため、防空/ ミサイル防衛統合戦闘指揮装置 IBCS の開発を急いでいる。
2014.06 Inrternational Defence Review Aculight ramps up the power for laser weapons <1408-060003>
 米陸軍
SMDC が進めている移動型高出力レーザ実験計画 (HEL MD) 計画で Lockheed Martin社がファイバレーザ60kWを達成し、100kWの達成が見えてきた。 同社は 2kWのレーザを合成して60kWを達成した。
 C-RAM システムを目指す HEL MD では50kWを目指しており、2017年に試験が計画されている。
2014.03.06 DARPA HP Excalibur prototype extends reach of high-energy lasers <1404-030602>
 米
DARPA が、10cm径のファイバレーザ21本を束ねた、光学フェーズドアレイ (OPA) 方式の実験装置 Excalibur を開発した。 Excalibur は7本ずつのクラスタ3個で構成され、大気擾乱による影響 を補正して、7km先でほぼ完璧なビームを照射した。 大気擾乱補正には超高速最適制御アルゴリズムが使用された。
 DARPA は3年以内に100kWを実現する計画で、将来は数百kWを、従来の装置より1/10の重さで実現する計画である。
2014.02 International Defence Review HEL MD project completes testing with 10kW laser <1403-020001>
 米陸軍と Boering社が2013年11月18日~12月10日に、移動型高出力レーザ実験装置 (
HEL-MD) の実験を行い、迫撃砲弾と UAV の迎撃に成功した。 試験では90発以上の迫撃砲弾と数機の UAV が標的として使用された。
 試験に使用された HEL-MD は Oshkosh社製 HEMTT A4 に Enahnced Multimode Radar と10kWのソリッドステートレーザ を搭載したもので、最近行われた試験では50kWが使われ、最終的には100kWに強化される。
2013.12.23 Aviation Week & ST <1402-122302>
 2022年までに100kWの車載高出力レーザを目指す
HEL-MD 計画で、2017年に実証試験を計画している Boeing社は、 10kWの試作装置で60mm迫弾の迎撃に成功したが、陸軍は10kWでは軍用にならないとしている。
 これに対し国防総省の RELI 計画に参加している Lockheed Martin社は8月に陸軍へ60kWのレーザを$23.8Mで受注した。  この計画では Northrop Grumman社が2009年に100kWを達成している。 RELI計画はFY16に HEL-MD計画と統合されるという。
2013.10 International Defence Review Solid-state lasers advance towards the battlefield <1311-100019>
 Boeing社が8月に、ダイオード励起式の薄板レーザ (TDL) を用いて30kW の発振に成功した。 これは国防総省の高出力レーザ計画 RELI に基づくもので、RELI にはこの他に JHPSSL 計画や HELLADS 計画が進められている。
 RELI の目標出力は25kWとそれほど高くはないが高い出力効率が求められている。 HPSSL は2009年に出力100kWを達成したが効率は 20%であったのに対し、計画当局は30%を要求している。
【註】
 TDL は右図のような原理のレーザで、発振する薄板を冷却するヒートシンクに取り付け、これを外部から励起する構造になっている。
 これにより発振体の発熱によるレンズ効果で発振効率が落ちる固体発振レーザ (SSL) 独特欠点を補う。
【参考文献:JENOPTIK 資料
【参考文献:電気通信大学資料
2012.05.13 Defense News U.S. Army pushing laser-based defenses <1206-051301>
HEL MD
 米陸軍の移動型高出力レーザ実験装置 (HEL MD) は、Oshkosh社製 HEMTT A4 に固体レーザ を搭載した C-RAM システムで、Boeing社が試作した低出力レーザ型は2011年夏に納入され、秋冬に試験が行われている。
 高出力型の契約は今年の夏か秋に行われ、2013年に野外試験が開始される。
AI3
 Sidewinder、Avenger、SDB-Ⅱ などの技術を元にした迎撃弾 Accelerated Improve Interceptor Initiative (AI3) 計画は、 Raytheon社が$79.2Mで受注し、18ヶ月間行われる。
【註】
 Raytheon社が3月5日に受注したと発表した契約は、AI3 計画のうち AI3 Battle Element と呼ばれる部分で、発射機や指揮統制装置は官給される。
Start Up Tucson AI3 関連記事】
 開発期間が極端に短いことなど記事からすると、AI3 は Sidewinder に SDB-Ⅱ に採用された三モードシーカを取り付け、Avenger 発射機から発射 する、Iron Dome もどきのシステムと推測される。
2011.03 International Defence Review France develops maritime laser weapon roadmap <1104-030028>
 フランスは主として非対称脅威から防護する艦載レーザ兵器を考えており、2010年11月に担当会社として DCNS社のグループを指定した。
計画は以下の三段階からなる。
第一段階:洋上試験用の10kWファイバレーザ
第二段階5~10kmの小型舟艇、UAV 対抗用の100~150kW
第三段階10~15km有効な300kW
2011.03 International Defence Review Rays of light: can shipborne laser weapons deliver? <1104-030026>
= 米海軍の艦載レーザ砲の開発史と今後の展望に関する6頁の記事 =
MIRACL
 米海軍は当初、炭酸ガス GDL を検討し、のちに弗化重水素レーザ MIRACL に移るが、いずれも個艦防衛には適さないとの結論に至った。
MLD
 2008年に計画が開始された MLD は、ネオジウム・イットリウム・アルミニウム・ガーネット固体レーザを使用する 個艦防衛システムで、1,000mの範囲を防護する。 計画は2009年7月に Northrop Grumman社に発注され、2009年末に同社施設で試験されたのち、2010年11月に艦載試験を行 う計画であったが、聴きの不具合で遅れている。
LaWS
 Mk 15 Mod 41 Phalanx に60kWのファイバレーザを取り付けるもので、2009年と2010年に UAV の撃墜に成功している。
FEL 兵器
 2020年代の装備化を目指す100kW FEL を開発する計画で、Phase Ⅰ では2010年9月に Boeing社が選定され、2011年12月に最終設計審査 (CDR) が行われる。 Phase Ⅱ では3年間かけて試作及び実験室での試験が行われ、 Phase Ⅲ では2015年頃に洋上試験が行われる。
2010.11.03 Jane's Defence Weekly France develops naval laser weapon <1012-110305>
 フランスが2011年に高出力レーザの効果試験を洋上で行う。 試験に用いるのは 10kW500kWレーザで、低出力可視光レーザは敵を眩惑させ、高出力非可視光レーザは破壊を目的にしている。
2010.10 International Defence Review US MDA renews interest in ALTB project <1011-100014>
 米 MDAABL 計画は、2009年にゲーツ国防長官が計画を縮小し、 FY11予算にも僅か$99Mしか配分されていないが、MDA は計画続行に意欲を示している。
 ゲーツ長官などが、ABL が敵の弾道弾をブースト段階で迎撃するためには敵領空内に入って照射しなければならない事を問題にしていることから、その 有効距離が計画継続の鍵となる。
 また ABL を実用機とするためには機体の小型化が必須であるが、固体レーザは発熱が課題で小型化は難しい。 こ の問題を解決する方策の一つとして固体/ガスハイブリッドレーザが考案されている。
2010.08.16 Aviation Week & ST Lethal light <1009-081607>
 米国防総省の高出力固体レーザ (JHPSSL) 計画では Northrop Grumman社が実験室で100kW以上を達成したが、 電気から光への変換効率が20%弱と悪いため電源と冷却装置が大きくなり、兵器への応用段階にはない。
 このため変換効率30%以上を目指す RELI 計画が始められていて、GA、Lockheed Martin、Raytheon、Northrop Grummanの4社が受注している。
(以下各社の取り組みについて記述)
2010.05 International Defence Review High energy laser demonstration <1008-050012>
 米陸軍が進めている C-RAM 用車載高出力レーザ技術立証機 (HEL-TD) は2008年に Beoing社が受注し、 2009年7月に最終設計審査 (CDR) を終え、目下組み立て中である。 HEL-TD は数百kWの固体レーザ (SSL) をビーム制御装置 (BCS) などと共に Oshkosh社製の重装輪者 HEMTTに搭載 する。
 数Wの低出力模擬レーザを用いた実目標に対する BCS の試験はFY11に行われる。
2010.03.22 Aviation Week & ST Laser weapon designed <1005-032201>
 Boeing社が昨年4月に米海軍研究本部 (ONR) から$6.9Mで受注した高出力自由電子レーザ ( FEL) 開発の事前設計審査 (PDR) が完了した。
 実験装置を建設するか以内の決定はこの夏に行われ、最終契約額は$169Mにのぼる。
【註】
 FEL とは、高速の自由電子ビームwiggler と呼ばれる交互磁界を通過させて、運動エネル ギーを電磁波に変換するもので、ある特定の磁界交互周期により電子ビームに直角な方向に電磁波を発生する。
【出典:0907-060034 (IDR 2009.06)】
2010.03.08 Aviation Week & ST Laser on lethal <1004-030807>
 米国防総省の JHPSSL 計画の元で Northrop Grumman社が試作した 105kWSSL が、WSMR にある HELSTF に搬入され、1年以内に飛翔目標に対する照射試験が行 われる。
 HELSTF は1985年に MIRACL レーザの試験用に作られ、その後2000年代初めに THEL の試験に使用され、  今回 SSL の試験用に改良された。 THEL は弾道弾迎撃に十分な数百kWの出力があったが、化学レーザで排気に毒性があり発振回数も制限されていた。
2010.02.22 Aviation Week & ST Northrop laser heads for tests <1004-022206>
 Northrop Grumman社が開発した100kW級レーザが WSMR に設置された陸軍の HELSTF に搬入され、THEL の追随ポインタ装置と結合されて、迫撃砲弾などの撃墜試験が行われる。
 その後、Boeing社が陸軍の HELTD C-RAM 装置用に開発している車載のビーム制御装置と 結合される。
2010.02.22 Aviation Week & ST Beams to 100-kW level <1004-022205>
 米陸軍主導の JHPSSL 計画の Phase 3 で、Textron社が平均出力100kWを達成した。 同社は 15kWの板状レーザ6本の合成で100kWを達成した。
【関連記事:0912-101404(JDW 2009.10.14)】
 一方 Northrop Grumman社は2009年3月に15kWレーザ7本の合成で100kWを達成している。
【関連記事:0905-032301 (AW&ST 2009.03.23)】
2009.10.14 Jane's Defence Weekly Textron prepares to demonstrate 'Thin Zag' laser <0912-101404>
 米陸軍が100kW出力を目指して進めている高出力固体レーザ計画 (J-HPSSL) で、Textron社が ' Thin Zag' レーザを用いた100kW発振の実証試練を準備している。 同社は社内室で数分間の100kW発振を行う。 同社によるとこのレーザ で航空機等を2~5kmで撃墜でき、3~5秒間照射すれば砲弾等も破壊できる。 一方競争相手の Northrop Grumman社は、今年2月に100kW発振を達成している。
 J-HPSSL 計画は、2015年に試作品を完成させる C-RAM 用車載固体発振レーザ計画である HEL-TD とも連携 している。 HEL-TD は2,000-lb以下の装置になる。 更に DARPA が進めている液体 HEL である HEL-LADS とも同じ土俵に立っている。
2009.06 International Defence Review ONR embarks on two-pronged path to FEL <0907-060034>
 米海軍研究本部 (ONR) が Boeing社と Raytheon社に対し、それぞれ$6.9Mで FEL の開発契約を行った。  これは ONR が進める Roadmap for Scaleable FEL Weaspon Capability 計画の Phase 1A で、12ヶ月かけて 100kWテストベッドの事前設計を行う。 続く Phase 1B では100kWテストベッドの設計と CDR を行い、 MW級兵器への道筋を示す。
 FEL とは、高速の自由電子ビームwiggler と呼ばれる交互磁界を通過させて、運動エネル ギーを電磁波に変換するもので、ある特定の磁界交互周期により電子ビームに直角な方向に電磁波を発生する。
2009.04.20 Aviatuion Week & ST Fee for free <0905-042003>
 Boeing社と Raytheon社が、米海軍が目指す MW 級艦載レーザ兵器への一歩としての100kW FEL を、それぞれ$7Mで受注した。
 高出力レーザの艦載は、IR波が水蒸気に吸収されるため難しいが、FEL は発生する波長を自由に変えられるため、波長 を大気の窓に合わせることができるので適している。
2009.03.23 Aviation Week & ST Lethal light <0905-032301>
 Northrop Grumman社が実験室レベルで、初めて電気レーザによる100kWを達成した。 試験では0.6秒でフルパワーに 達し、これを5分間持続した。 変換効率は19.3%であった。 これは米陸軍の JHPSSL TDP の一環で、同社では7個のアンプを連結して105.5kWの単一ビームを合成している。 既に装置が THEL 用 に作られた WSMRHELTF に搬入されてビーム制御装置との組み合わせが行われており、 2010年には試験が開始される。
 陸軍の HELTD車載の100kWレーザで RAM の撃墜する兵器 2015年までに完成させる計画である。
2009.01.12 Aviation Week & ST Next light <0902-011217>
DARPA の高出力固体レーザ計画に関する記事 =
Hellads
 LED の発する光をクリスタル等で増幅する従来方式の SSL で、当初150kW級を爆撃機や輸送機 に搭載し、その後改良を加えた100kW級をポッドに収納して F-16、F-18 や大型の UAV に装備する計画である。
RIFL
 RIFLファイバレーザで、計画はまず民間型の150Wで開始し、そののち1kW、3kWへと発展させ、これを50本コヒ ーレント合成して150kWを実現する。 RIFL はその後の Apple 計画への橋渡しになる。
Apple
 Apple 計画は、ファイバレーザを束ねて、AESA レーダ同様に電子的にビームを振る 構想で、Raytheon社は Phase 0 で単管での150Wの発振に成功し、今年末まで続く Phase 1 で7本のレーザ光合成を行っている。 Phase 2 では21本により1kWを実現し、最終的には50㎝四方に10×10のアレイを構成し、200kWを実現する。
Scowl
 Scowl はファイバを使わずに、10~100個の LED アレイから直接ビームを構成しようとする計画である。
2008.12.03 Jane's Defence Weekly Thales aims to develop directed-energy weapon <0901-120305>
 Thales社がフランスの Ecole Polytechnique社と協同で、レーザ DEW の開発を行ってい る。
 開発しているのは陸上及び艦載の対空用で、ミサイル、航空機、UAV を10kmで撃墜する VSHORAD で、COTS 技術を用いて2015年頃の実用化を見込んでいる。
2008.11.17 Aviation Week & ST Solid-state weapon laser debuts <0812-111705>
 Northrop Grumman社が、野戦での使用による振動に耐え得る15kWの固体発振高出力レーザ Firestrike を開発した。 Firestrike 4基を束ねた60kWの装置は、重量が2,500-lbである。
2008.10 Jane's Missiles & Rockets Boeing wins HEL TD Phase Ⅱ contract <0811-100019>
 米陸軍の高出力レーザ技術検証計画 (HEL-TD) の Phase Ⅱ を Boeing社が$36Mで受 注した。 HEL-TD は車載の C-RAM 装置を開発するもので、Phase Ⅱ では HEMTT に、数百kW固体発振レー ザ、ビーム制御装置、電源装置、冷却装置、及び指揮統制装置を搭載する。
 試験発射は2013年に予定され、その後2014年に SDD が開始される。
2008.09.29 Aviation Week & ST Fiber laser funding <0811-092901>
 米 DARPA との契約による高出力ファイバレーザの研究が、Northrop Grumman社と OFS 研究所で行われている。  計画では、現在200Wである出力を当面は1kW最終的には3kWに高める。
 ファイバレーザは他の固体発振レーザより効率がよいため電源を小型化でき、DARPA では5kg/kW以下のシステムを目 指している。
【ファイバレーザの原理】(ウェブサイト から)
 ファイバーの中を光が通りながら増幅と発振をくり返すレーザで、カテゴリ的にはガラスレーザや YAG レーザの仲間に入る。
光増幅:希土類をドープしたファイバーのコア部自体がレーザの媒質となる。 コア径が2~20μ程度と非常に細いため冷却効果が高く、従来のルビーレーザ等がパルス 発振しかできなかったのに対し、連続発振が可能になった。
共振原理:ファイバーの入り口と出口に回折機能をもった特殊な構造のファイバーが設けられていて、これでレーザ共振器を構成している。
2008.08.18 Aviation Week & ST DARPA at 50: Guided by the light <0810-081318>
= 特集「 DARPA 50年の歩み」 =
= 高出力レーザに関する3頁にわたる記事 =
 HELLADS は B-1 の3ヵ所の弾庫に搭載する出力150kWの液体レーザで、重量は5kg/kW以下、容積は3立米以下が 要求されている。 システムは飛翔中の SA-10 級 SAM を同時に2発撃墜することが求められており、リスク低減試験が2009年が行われ、 2012年に航空機に搭載しての試験が行われる。
= 1990年~2005年の DARPA 史年表 =
2007.11.07 Inside Missile Defense Panel mulls using Lasers against Rockets,Artillery and Motors <0723-110702>
 米陸軍は、開発をめざしている DE-SSL (Directed Enargy Solid State Laser) 構想の細部検討を兵器学会 の科学技術委員会に委託していたが、最近14ヶ月の研究が終了した。
 研究は RAM を迎撃するレーザシステムの SSL 装置、ビーム制御装置、システム設計等に関するもので、現 在秘密に指定された作業を行っており、細部は明らかにされていない。
2007.09.26 Inside Missile Defense USAF to award first laser research program contract in November <0722-092601>
 米空軍 AFRL はレーザ兵器による各種標的の脆弱性とレーザ照射による破壊効果の基礎研究を、今年11月か ら5年間の予定で行う。
 研究では、15kW及び 5kW炭酸ガスレーザと20kWの1.07μm ファイバーレーザを使用し、各種標的の脆弱性評価、レーザ兵器の破壊効 果、高出力レーザの M&S 及び照射実験、標的の光学的信号測定等を行い、取得成果を開発中の ABL と ATL に反映させる。
2007.09.03 Inside the Army Army awards development contracts for Solid-State Laser weapon <0721-090302>
 米陸軍 SMDC は、車載型ソリッドステートレーザ兵器の技術の研究について Northrop Grumman、Boeing の 2社と契約した。 研究はロケット弾及び砲迫弾に対処する車載型 HEL (High Enargy Laser) 開発の第一段階で、3年間の開発には$50Mが充当されるとみられる。
 HEL は THEL の様にフッ化重水素を使用しない利点があるが、最大の技術課題は車載用のビーム制 御サブシステムの開発にある。 ビーム制御システムの事前設計は、2008年夏までに終了する予定で、Boeing社は HEMTT に搭載するシ ステムを開発している。
 第二段階は100kW級の出力を、第三段階では2013年頃に実目標への照射実験を行う。
2007.08.15 Inside Missile Defense Navy will ask industry for idea for electron laser <0719-081501>
 米海軍 ONR は、DDG-1000 などの将来艦船に装備するメガワット級 FEL (Free Electron Laser) の開発提案を企業等に求めている。 海軍公報は11月に発出される予定で、巡航ミサイル、対艦ミサイ ル及び大量の小型艇による攻撃に対処可能な艦船搭載用高出力レーザ兵器の開発をめざしている。
 FEL の出力は現在の技術では艦船搭載用の14kWが最大であり、海軍は先ず艦船搭載用のFY-10に100kW級の試作開始し、 その後1MW級の開発に移行する構想である。
2007.07.02 Inside the Navy Navy seeks to develop Fiber Laser Weapon System in FiscalYear 2008 <0717-070202>
 米海軍は、砲弾から UAV までの脅威から艦艇や部隊を防護するファイバーレーザ兵器 の開発を計画中で、FY-09夏にシステムの照射試験を行う計画である。 現在海軍はレーザの出力とビームの品質改善を目標に LaWS (Laser Weapon System) 研究を行っており、FY-08中頃から開発に移行する。
 最近の試験では、2006年6月に Raytheon社が商用の20kWファイバーレーザを用いて60mm迫 撃砲弾の破壊に成功、所望の距離で砲弾、UAV 及び光学センサの破壊に効果があることを確認している。
 海軍は FY-09夏に飛翔する迫撃砲弾と 光学センサを標的として照射試験を行う。
2007.06.18 Aviation Week & ST Looking at laser <0714-061819>
 Raytheon社は SSL (Solid State Laser) の自社研究を行っており、昨年開発したガム1枚程度の水晶プラナ 導波管により300Wの出力に成功した。 出力そのものは兵器用として不十分であるが、宇宙で使用するレーザ の効率が通常2~3%であるのに対して、15~20%の高い効率を実現している。
 同社は DoD が進める、出力100kWの JHPSSL (Joint High-Power Slid-State-Laser) 計画の企業選定から外 されているが、研究を継続して衛星搭載用 3D レーザレーダ開発の受注を目指している。
2007.01.24 Jane's Defence Weekly Solid-state laser enters production <0704-012405>
 Northrop Grumman社が1月16日に、100kW級 SSL (Solid-State Laser) の製造を開始したと発表した。 こ れは米空軍の JHPSSL (Joint High-Power SSL) 計画の Phase 3 として行われ、2007年に同社の施設に 3kWモジュール40個を設置する。 そのうち8基は予備用で100kWの発振は32個のモジュールの 出力合成で達成する。 JHPSSL Phase 3 の指名に敗れた Raytheon社と Lawrence Livermore 国立研究所は、今後独自に研究を 続行する。
 Northrop Grumman社は、陸軍が2007年契約を予定している RAM (Rockets, Artillery and Motars) を撃墜する車載システムである HEL-TD 計画でも競い合っている。 また同社はイスラエル国防省に SkyGuard シ ステムの説明を再度実施している。
2006.12 Jane's Missiles & Rockets SILL sets standard for output power <0703-120021>
 Northrop Grumman社がダイオード励起式固体レーザである SILL (Strategic Illuminator Laser) による数kWの発振に成功した。 SILL は高品位ビームを5kHzで5分間 継続発振した。
 Northrop Grumman社は2004年に SILL の Risk Reduction 及び設計、実証契約である Phase 2 を MDA から受注し、次いで2005年に 装置を試作する Phase 3 契約を受注していた。
2006.11.20 Defense News New record for FEL <0703-112003>
 米エネルギー省 Jefferson Lab で研究中の FEL (Free-Electron Laser) が世界で初めて初めて、 14.2kWの発振に成功した。 発振は波長は1.61μの IR であった。
 米海軍研究所はレーザ兵器の艦船搭載に大きく前進したとして、期待を高めている。
2006.10.09 Inside the Army After delay,Army moving forward with High-Enargy Laser development <0624-100909>
 米陸軍は今年の夏から中断している、HELTD (High Enargy Laser Technology Demonstrator) の RfP 概案を 今月中に発簡する準備を進めている。 最終的な RfP 発簡時期は概案発簡から34日以内とみられる。
 HELTD は高出力 SSL を用いた、CM 及び RAM (Rocket、Artillery、Motor) を迎撃 するシステムの実験機で、2008年度に企業数社を選定し三段階に区分した開発を進める方針である。
2006.07.31 Inside the Army DoD Gen: Army revisiting decision to delay 100kw solid-state laser <0618-073101>
 米陸軍 SMDC は100kw級 SSL の基礎研究である HELTD (High Enargy Laser Technology Demonstrator) の計画見直しを行っており、計画開始時期は1年遅れの2007年7月以降となる。 見 直しの理由は公表されていない。
 計画では2013年度末までに試作実験機による照射試験を行い、引き続き SDD に移行する予定であった。
2006.02.06 Inside the Army Laser demonstrator may support future Army acquisition program <0605-020603>
 米陸軍 SMDC は100kw級固体発振レーザである HELTD (High Energy Laser Technology Demonstrator) の提案を、2月25日を期限に求めている。
 HELTD は RAM、精密誘導兵器、UAV 等の各種脅威に対し有効なレーザ技術を確立することを目的とし、2013年度に照 射実験を行う計画である。
 試作品は技術検証のみを目的とするが、高出力レーザ、ビーム制御、温度管理、指揮統制及び電源の各サブシステムから構成され、車 載方式についても検証する。
2006.01.16 Defense News High-power lasers to join US arsenal <0603-011618>
 Northrop Grumman社は、JHPSSL (Joint High Power Solid-State Laser) Phase 3 を、3年間$56.7Mで受注した。
 研究は CM、ロケット/砲弾、UAV 等への対処をねらいとする各種プラットフォーム搭載の 100kW級 SSL 兵器の開発で、陸軍 SMDC、海軍 ONR、空軍研究所が研究に参画している。
 計画は Phase 2 を終了した段階にあり、2005年に27kW以上の発振に成功し総放射時間は350秒であった。
   Phase 3 では出力100kWを目標とし、4~5年後の実用化をめざす。
2005.11.17 Inside the Pentagon Free-Electron Laser may be operational by 2020 for Shipboard defense <0602-111701>
 ONR は DD(X) や CVN-21 級空母に、ミサイル対処用 FEL (Free-Electron Laser) を2020年 までに搭載できるとの見通しを明らかにした。
 計画は1996年に開始され、これまでに$50Mを投入、FY-06には$14Mが予算化されており、昨年夏に10kWの IR 発振に成 功し、今後5年以内に100kW、その後3~5年で1MWの出力が可能になるとしてい る。
 FEL は自由電子が電磁界で発振する際に発生する光子を利用するもので、波長の正確な制御ができ、有効放射 距離を数百㍍から数㌔まで出力を制御することにより、ミサイルから小型ボートまで対処することができる。
2005.06.13 Aviation Week & ST Lights, laser, combat <0513-061310>
 Raytheon社は SSL(Solid State Laser) の出力4kWの試験を昨年成功させ、この夏に25kWの 試験を予定している。
 DoD は10月に高品質ビームの100kw SSL を開発する JHPSSL (Joint High-Power Solid State Laser) の企業 選定を予定しており、Raytheon社の他、Northrop Grumman社、Textron社及び Lawrence Livermore 国立研究所が受注競争を繰り広げてい る。
 DoD は地上配置型、車載型及び DD(X) への搭載等幅広い用途を検討している。
2004.09.01 Jane's Defence Weekly Navy directed-energy programme moves on <0417-090105>
 米三軍は指向性エネルギー兵器の実用化を強く望んでいるが、海軍は特に以下の三分野に関心を持っている。
EM gun
 2018年 DD(X) 搭載を目指して開発中で、2005年までに1/8装置と実験設備を完成させ初弾を発射する。 その 後ハワイの PMRF に二分の一モデルを建設し、10年以内に実物大モデルを建設する。
Laser
 7月に海軍は2~3年後に25kWの FEL を実現する計画を開始し、最終的には兵器として使用可能な100kW (右図 )を目指す。
HPM
 非殺傷性 HPM である ADS の採用を検討している。
2004.09 International Defense Review US Navy demonstrates highest-power free-electron laser <0417-090021>
 米国エネルギー省の研究所が6月に FEL (Free Electron Laser) による10kW IR 光 の発振に成功した。
 FEL は原子から飛び出した自由電子を linear accelerator で加速した後に wiggler に送り込み、電磁界に より電子を振動させる。 この際発生する光子を取り出すもので、発振波長を正確に制御できる特性がある。  米海軍は UV 光の発振にも関心を持っている。
 海軍は今後4年間かけて100kW装置の設計と製造を行う。
2004.08.18 Jane's Defence Weekly Laser moves closer to deployment with test success <0415-081815>
 米国エネルギー省の研究所が6月末に、FEL (Free Electron Laser) による10kW IR レーザ 発振に成功した。 2001年11月に達成していた2.1kWを向上させるため電源等の改良を行い、励振機の出力を10MEVから 160MEVへ高めることに成功した。
 従来のレーザ発進装置は使用するガスや結晶などの発信源により決まる特定の波長で発振するが、FEL はリニヤな発 振が可能である。
 米海軍は2015~2020年にメガワット級の FEL を艦船に搭載する計画である。
2004.08.11 Jane's Defence Weekly Laser reaches milestone <0415-081103>
 米海軍が6月に FEL (Free Electron Laser) を用いて10kWの IR レーザ発振に成功した。
 海軍は2010年代に個艦防衛や防空にメガワット級システムを目指しており、今後4年間かけてその中間となる 100kW FEL を完成させる。
2004.08 International Defense Review Loquid-oxigen HEL <0415-080021>
 MDA と DARPA は協同で、ダイオード励起式液体酸素 HEL (High Energy Laser) の開発契約を Directed Energy Solutions社と行った。  このレーザはアイセーフ波長を使用し、CW からピコ秒までのあらゆるパルス幅のレーザ光を発振できる。  理論上このレーザは COIL やソリッドステートレーザの10倍の性能が実現できる。
 Phase 1 では200MW/c㎡に耐える鏡を使った空洞で2kWの発振を行う。
2004.08 International Defense Review USAF invests in HPM <0415-080019>
 米空軍研究所が、向こう5年間に$25M~$50Mをかけて HPM 技術に焦点を当てた DETAR (Directed Energy Technology Applicaations and Research) 計画を進めようとしている。
 この計画は幾つかの分野に分かれており、その中には以下のようなテーマが含まれている。
1GW以上の尖頭出力を数十Hzの周期で発振できる発信源
数MJを実現するパルスパワーシステム
テラワット域での10μs周期の発振
・新たな電源装置
2004.06.07 Aviation Week & ST Battlefield laser weapons <0411-060704>
 DoD の HEL-JTO (High Enargy Laser Joint Technology Office) は戦術レーザー兵器開発に向け、25kwの SSL (Solid State Laser) システム3基の試験を年内に計画している。
 HEL-JTO は DoD、陸軍、空軍が共同でレーザー兵器を開発するため2001年8月に創設した開発室で、現在 J-HPSSL (Joint High Power Solid State Laser) 計画を進めている。
 J-HPSSL計画では、今年12月までに出力25kwの実験を開始し、2006年までに100kwの出力実験を行う予定で、 C-130等の航空機及び艦船への搭載、FCS への適用の他、衛星によるミラー中継での巡航ミサイル撃破 等の実現の可能性を追求する。
2004.02.23 Aviation Week & ST Army 'ray guns' <0405-022308>
 米陸軍は Humbee 搭載の100kW SSHCL (Solid-State Heat-Capacity Laser) 開発の準備を進めている。
 昨年陸軍は平均出力16kWw以上の照射に成功、2005年には25kWの実験を計画、2007年頃に車 載用100kWの実験機完成を目指している。
 Humbee 搭載レーザーシステムは対地ロケット、砲迫弾、ミサイルに対処する他、地雷除去にも適用できる。
 陸軍は以下の利点から、局地防空に極めて有効な兵器となるとしている。
・迅速な展開:C-130 から卸下後、直ちに戦闘姿勢に移行可能
・早い発射間隔:車両エンジンで充電する高出力リチウムイオン電池の採用により連続パルス発射が可能。
・費用対効果:照射1回に要する車両エンジンの燃料1リットル
 右下図は対戦車ミサイルの信管に対する効果のシミュレーション
(関連記事 IDR 2003.02)