標的用弾道弾に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2024.09.02 Janes Northrop Grumman touts virtual reality tools in redesign of ICBM target vehicles <2410-090221>
 Northrop Grumman社が8月27日の声明で、米MDA向けICBMの標的機を再設計していると発表した。 これはNorthrop Grumman社が初めて挑む事業で、工場統合と現場運用に仮想現実(VR/AR)技術を使用している。
 ICBM標的機は、MDAが
GMDやAegis BMDなどの米国のBMDSの試験をするために使用していると、Northrop Grumman社の標的担当責任者のハード氏が8月29日に語った。 同社は、IRBMとICBM標的の主契約者であり、これまでに25発を納入していると声明は述べている。
 ハード氏によるとこの事業は、標的弾がしようしているTrident C4の第一段固体ロケットモーターを、LGM-118 PeaaceKeeperICBMで使用されていたSR119固体ロケットモーターに換装することに焦点を当てている。
 声明によると、SR119の初期統合経路探索操作は2024年6月に完了し、再設計されたICBM標的の最終設計審査 (CDR) を8月初旬に完了し、再設計された標的弾は2025年後半に初飛行を行う計画である。
 声明によると、再設計された第一段は、さまざまな高度な長距離BMの脅威を模擬するために、さまざまなフロントエンドと互換性があるという。
2014.12 International Defence Review New targets needed to simulate ICBM threats <1503-120004>
 米
MDA が、射程5,000km~10,000kmを弾道弾を模擬する MBRV 標的の提案を、11月21日 を期限に各社に求めている。
 MBRV は発射体 (LV)、中間飛翔体 (IM)、弾頭放出装置 (PDM)、姿勢制御装置 (ACM)、RV 分離装置 (RVSM) で構成される。
2014.03 International Defence Review L-3 Coleman to develop ballistic missile target <1404-030005>
 米
MDA が Aegis BMD や THAAD 用の MRBM 標的の供給先として L-3 Coleman社を選定した。 6発 発注する当初の額は$73Mであるが、契約には$400M以上のオプションが含まれている。 MDA は、地上又は空中から発射 し、600kg以上を搭載して2,000km飛翔することを求めている。
 同社は空投式短距離標的 SRALT 及び射程延伸型の空投式長距離標的 LRALT を受注し生産 している。
2013.09.11 Jane's Defence Weekly Israel, US conduct first test with Silver Sparrow <1310-091110>
 イスラエルと米国が9月3日、Silver Sparrow 標的の初めての発射試験を地中海上空で行った。 Super Green Pine レーダは Silver Sparrow の 捕捉追随に成功した。
 Silver Sparrow は、Scud-C/D を模擬した Blue Sparrow(右図)より1.88m長く、1,230kg重い。
2013.09.09 Aviation Week & ST Sparrow flies <1311-090903>
 イスラエル MDO が9月3日、米 MDA が協同で模擬弾道弾標的 Silver Sparrow の発射試 験を行った。 Silver Sparrow は全長8.4m、重量3tで、射程1,500kmの Shahab 3 を模擬する。 大気圏突入後には弾頭とロケッ トブースタを切り離す
 この試験は黒海沿岸の Armavir に設置されたロシアのレーダが捕捉していた。
2013.09.04 Yahoo JNN ニュース

「イスラエル、地中海でミサイル迎撃実験を実施」

<1310-090401>
 シリア情勢が緊迫する中、イスラエル国防省が3日、地中海で迎撃試験を行ったと発表した。 イスラエル国防省によると 、実験は地中海で米国と協力して行われ、迎撃システムは正常に作動したという。
 イスラエルは当初、この実験を行ったことを発表していなかったが、ロシアの InterFax などが、地中海中部から東に向けて、ミサイルのような 2発の飛行物体が飛んだことを、ロシア軍のレーダが探知したと報じていた。
【註】
 地中海中部から東に向けて飛行したことから、イスラエルの Black/Blue/Silver Sparrow 空中発射標的弾のいずれかと思われる。  Scud を模擬する前2者に対し Shahab を模擬する Silver Arrow の初めての発射試験は年内に行われると報じられていた。
【関連記事:1309-080005 (JMR 2013.08)】
 飛翔体が2発発射されたということから、迎撃システムの訓練等のため、従来の Blue Arrow を連射したとも考えられる。
2013.08 Jane's Missiles & Rockets Rafael prepares for first Silver Arrow flight <1309-080005>
 Rafael社が年内に Silver Arrow 空中発射弾道弾標的の発射試験を行う。 Silver Arrow はこのシリーズ三世代目で、Arrow 3 迎撃試験の標的として使用される。
 ・Black Arrow :Scud B を模擬、全長4.5m、重量1,275kg
 ・Blue Arrow  :Scud C/D 弾頭分離型弾を模擬、全長6.51m、重量1,900kg
 ・Siver Arrow :Shahab を模擬、全長8.39m、重量3,130kg
 米国の空中発射型中距離弾道弾標的 eMRBM は初期弾道から模擬できる利点があるが、発射航空機の初速を利用できない ことから非効率で、価格も Silver Arrow の五倍もする。
【 eMRBM 関連記事:1308-070010 (JMR 2013.07)】
2013.07 Jane's Missiles & Rockets Lockheed Martin and the MDA demonstrate air-launch of the eMRBM target <1308-070010>
 米 MDA と Lockheed Martin社が、射程を延伸した空中発射型中距離弾道弾標的 eMRBM の 空投試験に成功した。 実大ではあるが推進しない eMRBM は、パレットに固定されて高度25,000ftで C-17 からパラシュートで引かれて投下され、パレットから切り離され た。
 eMRBM の推進飛行試験は今年後半に開始される。
2012.11 Jane's Missiles & Rockets PAC-3 test triggers UFO reports <1211-110012>
 9月13日に WSMR で行われた PAC-3 の射撃で、New Mexico 州の Fort Wingate から発射された Juno 標的が UFO と間違われ、遙かに離れた Denver、Los Angeles、Las Vegas、Salt Lake City などから電話が寄せられた。
2012.10.25 Defense News Italy plans to use Aster against ballistic missiles <1211-102503>
 SAMP/T イタリア陸軍が、射程1,300kmまでの SRBM/MRBM 迎撃能力を獲得した。
 伊陸軍は5個中隊の SAMP/T を装備する計画で、既に2個中隊の配備を終え、残りの3個中隊も2013年中に配備される。 SAMP/T を装備する第4防 空連隊は年内に IOC となり、2013年中に FOC となる。
 SAMP/T を装備する仏空軍は、2010年と2011年に BMD 能力の検証を終えているが、伊陸軍は3月に、仏空軍が Black Sparrow を標的とした BMD 迎 撃試験に参加している。
【註】
 SAMP/T の迎撃試験に使用した Black Sparrow 標的とは、
【 Black Sparrow 関連記事:JDW 2000.08.09
2012.09.03 Aviation Week & ST One shot <1210-090307>
 米陸軍が PAC-3 や THAAD 用の SRBM 標的として、価格が Patriot の1/3 Economical Target を検討している。 Economical Target は不要となったロケットを転用する。
2012.08.20 Aviation Week % ST Big trial <1210-082004>
 米 MDA が今年秋に、ほぼ同時に来襲する5目標を、PAC-3、THAAD、SM-3 ⅠA で撃墜する大規模な 演習 FTI-01 を実施する。
 使用される標的は、空中発射型中距離標的Aegis 用短距離標的 (ARAV-B)、及び外国製の 洋上発射短距離標的と、CM 2発である。
2012.05.02 Jane's Defence Weekly Rafael develops new target for Arrow tests <1206-050210>
 Rafael社が、Arrow-3 の迎撃試験に使用する Silver Sparrow 標的の開発を完了した。
 Silver Sparrow は Arrow-2 の試験に使用している Blue Sparrow より2m長い8.39mであること以外、詳細は公表されていない。
【 Blue Sparrow 関連資料:1203-021002 (MDA HP 2012.02.10)】
2012.04 Jane' Missiles & Rockets US Army successfully flies new ballistic missile target <1207-040011>
 米陸軍が2月15日、戦域規模の TBM を模した新型の標的用弾道弾 ET-1 の発射試験に成功し た。
 ET-1は Patriot を元にした標的弾 PAT に代わって、主として PAC-3 の標的として使用される安価標的 弾で、レール発射式の採用などよにり単価を$500,000に抑えている。
2011.09.19 Aviation Week & ST Target of praise <1110-091910>
= 米国の標的弾不具合対策に関する記事 =
 
2011.07.20 Jane's Defence Weekly MDA conducts successful SRALT flight-test <1109-072006>
 米 MDA が7月11日、8日に SRALT発射試験に成功したと発表した。 SRLAT は太 平洋上で、C-17 の後部扉から投下されて発射した。
 この標的は、2010年に行われた迎撃試験で発射に失敗し、迎撃ミサイルを無駄にしていた。
2011.07.11 MDA HP Short Range Air Launched Target successfully launched <1108-071102>
 米 MDA が7月8日、空投型短距離標的弾 (SRALT) の発射試験に成功した。 SRALT は C-17 の後部貨物扉から投下されたのち発射された。
 SRALT は Camp Penfleton 海兵隊基地の AN/TPS-59 TMDR、Vandenberg AFB の AN/TPY-2 X-band レーダ、Beale AFB の UEWR で追尾され、更に2基の STSS 衛星も取得情報を BMDS に送信した。
2011.06 Jane's Misilles & Rockets GAO sees further risks in missile-defence projects <1107-060009>
 米会計検査院 (GAO) が4月13日に公表した報告書で、MDA が進めている BMD 計画の三点について疑念を表明している。
 一点目GMD についてで、現在配備されている初期型プロトタイプ GBI に代わるべく進めている CE-Ⅱ は、二度とも試験に失敗している。
 二点目Aegis Ashore で、今までの Aegis BMD の試験は 3.6.1 バーションと SM-3 Block ⅠA で行われてのに対し、Aegis Ashore では 4.0.1 及び 5 と Block ⅠB で行われるのに、その性能確認なしで調達を開始しようとしている。
 三点目試験実施についてで、標的の不具合による試験の遅延が2006年以来発生しており、2010年にも続い ている。
2011.01 Jane's Missiles & Rockets Russian units conduct live missile firings <1102-010011>
 極東に駐留するロシア空軍の S-300V (SA-12) の連隊とロシア北部に駐留する連隊 が、訓練射撃で初めて 96M6M Kaban(右図)弾道弾標的2発を撃墜した。 96M6M は射程100~1,000kmを模擬できる。
 ロシア軍の S-300V (SA-12) は、2008年に地上軍から空軍へ移管されている。
2010.11.29 Aviation Week & ST Second act <1101-112908>
 米国防総省の予算削減に主要防衛企業各社が恐々としている中、Kratos社だけはその中に入っていない。 10月に同社は、総額$1.6Bにのぼる MDA の支援契約5社の中に選ばれた。
 記事中の写真は BMD 迎撃試験で、同社製 ARAV 標的が2発打ち上げられた模様。
【註】
 Kratos社製の ARAV 標的は SM-3 の迎撃試験に使用されており、FTM-11 Event 4 (2007.04.26)、FTM-13 (2007.11.06)、FTM-17 (2009.7.30) に使用されている。 2発 が発射されたのは FTM-13 の際である。
MDA Fact Sheet
ARAV 関連サイト
2010.03.29 Aviation Week & ST Kill vehicle <1005-032903>
 米 MDA長官が、粗雑な仕事ぶりからある企業への支出を保留していることを明らかにした。
 この企業は L-3社の子会社である Coleman社のようで、同社は12月に行われた THHAD の試験でも標的弾 を失敗している。
2010.03 Jane's Missiles & Rockets Orbital Sciences wins target contracts <1004-030024>
 Orbital Science社が$10.82Mで Aegis の 16E2 試験に使用する標的の打ち上げを受注した。
 またこれとは別に同社は、Point Mugu 試験場で使用する GQM-163A 標的機の2012年12月までの契約を$10.45Mで受注した。
【 GQM-163A 関連記事:0907-060027 (JMR 2009.06】
2010.02.22 Aviation Week & ST Quality control <1004-022208>
 米国防総省高官が、宇宙航空工業製品の品質低下を嘆いている。 2009年12月に行われた THAAD の試験では C-17 か ら投下発射された標的が、高度20,000ftで燃焼が停止して FU の位置に向かって落下し、目前で海中に落ちた。
 同様の品質問題は GMD や SM-3 でも起きており、7月の SM-3 Block ⅠA の失敗は、生産ラインでの 接合不良によるものであった。 更に GPS などの空軍の衛星においても、品質にかかわる問題が起きている。
2009.12.11 MDA HP Missile defense test conducted <1001-121102>
 PMRF で実施が予定されていた THAAD の迎撃試験は、標的の不具合により実施できなか った。
 標的は計画どおりに C-17 から投下されたが点火せず、THAAD システムは模擬戦闘のみを実施してミサイルは発射しな かった。
2009.09.07 Aviation Week & ST Targeted change <0910-090705>
 Lockheed Martin社が2003年に受注した LV-2 FTF 標的弾の初発射は来月行われ、2012年までに更に4基が調達され るが、MDA はこれに代わる安価標的弾の開発を目指して今月 RfP を発簡する。
 新標的弾は SRBM、MRBM、IRBM、ICBM を模擬する四種類の射程に分かれ、空中、艦上、地上のいずれからも発射可能 である。 更に複雑さから三タイプに分かれ、Type 1 は無誘導Type 2 は各種機動弾道の飛 行が可能で、いずれも SRBM~ICBM の四種類に対応する。 Type 3 は IRBM 及び ICBM 型のみで、極めて高度な飛行をする。
2009.08 Jane's Missiles & Rockets Missile Defense Agency revises missile-target plans <0909-080026>
 米 MDA は、FY08とFY09に使用された迎撃試験用標的弾18発のうち4発が不良であっ たことから、新たな検討を行っている。 STARS 標的弾は2発が失敗したことから今後は使用しない。  残りは外国製の標的弾であった。
 Trident C4 のロケットモータを使用した72吋径 LV-2 標的弾の FTF 計画は2003年12月に 開始されたが、価格高騰と開発遅延により、計画の継続を中止することになった。 LV-2 の品質確認試験は2008年12月に完了したが、環境試験な どの不具合から最初の発射試験はFY09の4/四半期に延期されていた。
2009.06.29 Aviation Week & ST Low-cost target <0908-062912>
 米 MDA では、迎撃試験用標的弾が高価になりすぎているため、新たなアプローチを行おうとしている。 SM-3 や THAAD の単価は$10M程度、GBI の単価は$50Mであるのに対し標的弾は$65Mで、なかには$90Mのもの もある。 この計画は Lockheed Martin社が2003年に受注した FTF の先を目指すもので、RfI には Northrop Grumman、Raytheon、Orbital Science、Lockheed Martin の各社が提案を行っている。
 FTF では Lockheed Martin社が既に LV-2 を納入している。 右図は LV-2 の輸送方法等の検証に使われる pathfinder で、形状重量などは LV-2 と同じに作られているが、電子装置、燃料などは搭載していない。
2009.06 Jane's Missiles & Rockets MDA target completes second rocket motor test in California <0907-060006>
 米 MDA が4月2日、LV-2 標的弾道弾用ロケットエンジンの地上燃焼試験を行い成功した。 今回の試験は1月22日 に続く二回目である。
 LV-2 は第一段と第二段に、除籍された Trident C4 のエンジンを使用した IRBM を模擬する標的弾で、今年後半から 試験に使用される。
2009.04.16 MDA Link Second successful rocket motor test of new target <0905-041604>
 米 MDA が4月2日に、新型標的弾である LV-2 用ロケットモータの地上燃焼試験を実 施し成功した。 今回の試験は1月22日に続く二回目である。
 LV-2 は二段推進で、コスト削減から2005年に退役を開始した Trident C4 の一、二段目ロケットを転用している。
2009.03 Jane's Missiles & Rockets MDA test-fires motor of future strategic target <0904-030014>
 米 MDA が1月22日に、LV-2 新型標的弾用推進装置の試験を行い成功した。 LV-2 は MDA が Lockheed Martin社と 開発中の Flexible Targets Family を構成する二段推進の中長距離標的弾で、一、二段とも2005年に退役した Trident C4 SLBM のロケットモータを使用する。
2009.01.23 MDA Link Successful rocket motor test of the Missile Defense Agency's newest target <0902-012302>
 米 MDA が、今年後半から BMDS の迎撃試験で中長距離標的として使用する LV-2 の、 第一段ロケットモータの燃焼試験に成功した。 LV-2 は FTF の一部となる標的弾で、2005年に退役した Trident C4 の第一段と第二段ロケットモータを使用する二段推進標的弾である。
2008.10 Jane's Missiles & Rockets Lockheed Martin reports 12 successful target launches <0811-100023>
 Lockheed Martin社は2005年以来、MDA の Target and Countermeasure 契約により12発の標的弾を打ち上げ成功 している。 これらの標的弾は陸上のほか洋上、空中発射も行われた。 2008年に行われた2回の試験は、6月5日に実施された Aegis FTM-1 で は洋上発射、6月25日の THAAD FTT-06 では空中発射された。
 この契約では次世代標的弾である Flexible Target Family の開発も行われている。
2008.09.22 Aviation Week & ST Bad target <0811-092204>
 米 MDA が先週 THAAD の迎撃試験で、THAAD の発射直前に標的弾の不具合より標的弾が 迎撃予定空域に到達しないことが判明したため試験を中止した。
 この試験では、単一標的弾に対し2発の THAAD を発射する予定であった。
2008.04.23 Jane's Defence Weekly Israel launches latest ballistic missile target <0806-042312>
 イスラエルが4月15日に Blue Sparrow の発射試験に成功した。 Blue Sparrow は今まで使用してきた Black Sparrow の後継として、今年後半 から行われる 'Super-Arrow' と呼ばれる Arrow 3 の試験に使用されるほか、数百kmの射程を持つミサ イルとしても使用できる。
 Blue Sparrow は F-15D から発射されたのち加速して高々度(高度は非公開)に達したのち、弾頭を分離し、更に countermeasure を放出する。 Blue Sparrow の全長は Black Sparrow より80cm長い。
2007.12.03 Aviation Week & ST Reality check <0801-120307>
 米国は BMD の迎撃試験に使用する標的のコスト低減を図るため、新型の標的シリーズ FTF (Flexible Target Family) を開発しており、FTF を使用した初の迎撃試験が2008年秋に Aegis BMD で行われる。 最初の FTF 標的は LV-2 と呼 ばれ、 Trident C4 の一段目と二段目が使用される。 空投発射される LV-2 は、二段推進ながら従来の地上発射型三段 推進標的と同様に実際に近い各種弾道を模擬できる。
 米国は弾道弾にバルーンや金属シートなどの各種対抗手段が搭載されることを懸念しているが、実弾頭と対抗手段の温度差 の識別が有効な対応策になると見ている。
2007.09 Jane's Missiles & Rockets Rafael's Black Sparrow turns blue <0720-090001>
 Rafael社が AGM-142 を元にした標的ミサイルである Black Sparrow に代わる Blue Sparrow を開発した。
 Black Sparrow が Scud 級弾道弾を模擬したのに対し、より大型の Blue Sparrow はブースト後に 三軸の姿勢制御が行えるため、弾道飛行のほかにバレルロールなどの RV の機動を模擬できる。
2007.06.06 Jane's Defence Weekly US missile-defence system experiences test setback <0713-060607>
 MDA は5月25日に GBI による迎撃試験を計画していたが、標的ミサイルが不具合からコースを外れたため、 試験は中止された。 この試験は2007年中頃に再行される。
 試験はアラスカの Kodiak から発射された標的を Vandenburg AFB から発射した GBI で迎撃する計画であったが、標的ミサイルが 不具合により、想定した防護範囲1,000k㎡まで到達できなくなった。
【註:】
 防護範囲が1,000k㎡であると言うことは、防護範囲が円形であれは、半径18kmと言うことになる。 これは 試験のためで、実際の防護範囲はもっと広いとしても、GBI の防護範囲は意外と狭いと見られる。
2007.05.31 Inside the Pentagon Missile Defense test failure now pegged to SLBM target components <0713-053103>
 MDA は5月25日に行った GMDS 発射試験が失敗したことを明らかにした。 発表によると、Kodiak 基地から 発射した Polaris 用ロケットを用いた STARS (Strategic Targets System) の不具 合により所要高度に達せず、GBI の打ち上げを中止した。
 MDA はロケットモータを主に不具合原因の調査中であり、夏までに試験を再行する意向である。
2007.05.28 Defense News US intercept test fails <0713-052803>
 5月25日に行った GMDS の迎撃試験は、Kodeac から打ち上げた三段式標的ミサイルが所定の高度に達せず、迎撃ミサイルを発射 せずに終了し失敗に終わった。 MDA は夏までに再試験を予定する。
2007.05.26 Yahoo 毎日新聞記事

「ミサイル防衛迎撃実験、不・・・」

<0711-052602>
 米 MDA は25日、BMD の迎撃実験で標的ミサイルの発射に失敗し、GBI を発射せず に実験を中止した。
 実験では、アラスカ州から打ち上げた標的ミサイルを Vandenburg AFB から発射した GBI で迎撃するはずだ ったが、標的ミサイルが脅威とみなされる高度まで到達しなかった。 実験は今夏中に再び行う予定である。
2007.02.28 Inside Missile Defense Missile Defense Agency releases low-cost targets draft RfP <0707-022810>
 MDA は2月、LCAT (Low Cost Assessment Targets) の RfP 素案を発簡した。 成案は4月に発簡を予定する。
 LCAT は射程1,30kmから3,000kmの安価な標的ロケットファミリで、各種ミサイル開発に必要な実射試験に使 用する。 MDA はFY-08に$161Mを要求している。
2007.01.08 Aviation Week & ST The US Missile Defrense Agency plans to reschedule ・・・ <0703-010802>
 MDA は12月7日の Aegis BMD 試験中止に伴う再試験を今春に予定している。 試験中止は人為的ミスによる 装置の不適切なセッティングが原因であった。
 次回試験の標的には、これまで SRBM を模擬して使用していた TTV (Target Test Vehicles) に代えて、 ARAV (Aegis Readiness Assessment Vehicle) が用いられる。
 また、日本の最初の発射試験は2007年末に計画されている。
2006.12 Jane's Missiles & Rockets Missile Defense Agency plays down failure of Hera target <0703-120020>
 2006年9月13日に THAAD の発射試験で生起した Hera 標的ミサイルの故障について、MDA 及び Coleman社な どで構成する MDA 標的機チームは、事態を重要視していない。 MDA は2000年1月以来86発 の同種標的機を使用しているが、今までに故障を起こしたのは2001年の一件だけであった。
 Hera は退役した Minuteman Ⅱ ICBM の第二段、第三段ロケットを流用した標的機で、故障を起こした Hera のロケットは40年経った ものであった。
 9月13日の試験で THAAD は発射されておらず、ミサイルは今後の試験で再使用する。
2006.09.18 Inside the Army THAAD Flight Test halted at White Sands after target malfunction <0621-091801>
 9月13日に予定していた THAAD の FT-04 は標的の Hera が故障したため中止にな った。 試験は兵員による初めての迎撃試験であった。
 Hera は13日午前4時30分に WSMR から発射されたが約2分後に異常が見つかり指令爆破された。 THAAD は標 的発射後5分30秒で発射する計画であったが爆破と同時に中止となった。 現在データ分析が行われており、原因の究明と再試験の予定 が検討されている。
 WSMR での試験はあと2回予定され、 FT-04 の再行の後、2007年1月に行われる低空迎撃性能を確認する FT-05 からは、ハワイの PMRF で更に厳しいシナリオでの発射試験を行う。
2006.09.15 MDA HP Missle Defense Agency Targets Program <0619-091502>
 9月13日の THAAD 迎撃試験で標的ミサイルが故障し指令爆破されたが、2000年1月以来 MDA は86基の標的ミサイルを 発射しているが過去に問題があったのは、2001年に標的ミサイルのみの発射試験において通信の異常で失敗した一件のみである。
 今回使われた Hera は、退役した Minuteman Ⅱ の第二段、第三段を利用したもので、 製造後約40年経過しているがその信頼性は高く、MDA は今後の迎撃試験計画の実施に影響ない としている。
2006.09.13 MDA HP Target missile malfunction halts THAAD flight test in New Mexico <0618-091303>
 9月13日に THAAD の発射試験が WSMR で行われたが、標的となった Hera が発射2分後に安全係により指令爆破されたため、 試験は THAAD が発射されることなく中断された。
2006.09.04 Inside the Army Defense Department reports successful Missile Defense tests <0620-090410>
 DoD は9月1日の GMD 及び8月31日の PAC-3 による迎撃試験がいずれも成功したと発表した。 PAC-3 の迎撃 試験は PAAT を標的とし2発を連射し、迎撃に成功しシステムは全て正常に作動した。
 GMD の迎撃試験は BMDS/GMD の総合的なシステム性能及び機能の確認を主たる目的とし、Beale AFB の UEWR の捕捉能力の検証も行われた。 アラスカ Kodiak 基地から標的を打ち上げた数分後に迎撃ミサイルを Vandenberg AFB から発射し迎撃 に成功した。
2006.06 Jane's Missiles & Rockets US tests missile-defence sensors <0615-060018>
 BMDS のレーダやセンサの試験のため、4月13日と28日に Orbital Sciences社製 SR19 標的ミサイルが PMRF から打ち上げられた。 同社は2005年11月の SMD 試験用に MRT-1 (Medium Range Target-1) も打ち上げている。
 一方 ATK社は GBI 用 Boost Vehicle-Plus ブースタの第二段及び第三段となる固体燃料の Orbus 1A 2基を納入した。 同社は第一段の GEM-40VN も生産している。 Orbus 1A は2006年末までに16基が納入される。
2006.05.04 Inside the Pentagon MDA officials tout two successful countermeasures Flight Tests <0611-050404>
 MDA は4月13日及び28日に、ハワイの PMRF で CMCP (Critical Measurements and Countermeasure Program) の一環である発射試験を 行い、いずれも成功した。 細部は明らかにされていないが、発射試験では SR-19 に擬似弾頭、複合妨害装置、センサ等を搭載し、 BMDS の設計開発と改良に必要な各種データを測定した。
 CIA と DIA は、北鮮の ICBM には初歩的な Countermeasure が搭載されているとみており、MDA は3月 初めに議会で、対妨害対策に関する所要の試験が行われていることを明らかにしている。
2006.05 Jane's Missiles & Rockets Russia modifies S-300 missiles as targets <0611-050020>
 ロシアが、S-300 (SA-10) の初期生産型で既に現役を退いている 5V55R S-300PT を、2007年から 標的機に改修する計画である。
 この標的機は弾道弾及び他の高速飛行体を模擬でき、S-400 Triumf の訓練用に使用する。 また、S-300 の訓練用として輸出も検討している。
2005.10.24 Aviation Week & ST New path to space? <0522-102407>
 DARPA は9月29日に Falcon SLV 計画の一環として、C-17 から Quick Reach Ⅰ 実 物大ダミーの投下試験を行い各種データを収集した。
 Quick Reach Ⅰ は HMX社を主幹とする数社の企業共同体 AirLaunch が設計開発する、全長65ft、直径97in、重量72,000-lbで、推進に はプロパンと液体酸素を用い搭載重量は1,000-lbである。
 C-17 による投下試験は今回、高度8,500ftから50,000-lbで投下したが、2006年には高度33,000ftから 72,000-lbのダミー投下試験を予定している。
 Falcon SLV 計画は7月に事前設計段階を終了し、細部設計段階を2006年秋まで行い、2007年1/四期以降に発射試験 を予定している。
「標的用弾道弾の現況」 空中発射標的用弾道弾
2005.06.27 Aviation Week & ST Air launch tech test <0514-062704>
 t/Space社は宇宙船の空中発射技術を検証するため、5月から6月にかけて3回の投下試験を行った。
 試験は4人乗りの宇宙船を打ち上げる Quick Reach Ⅱ 構想の一環として行っているもので、試験には四分の一モデルの供試体を使用し Orbital Science社の Proteus 機から投下、安全性確認等に良好な成果を得た。
 宇宙船の空中発射は地上発射よりも安価で安全性に優れるとされ、投下からロケットの点火、垂直姿勢の保持には落下傘を用いロケッ トの回転を防止する。
2005.04.08 MDA

インターネット

MDA successfully conducts air-launched target missile test <0509-040801>
 MDA が4月8日に、Medium Range Target ミサイルの空中発射試験を行い成功した。 試験はハワ イ沖で行われ、C-17A 輸送機からパラシュートで投下された MRT は敵の弾道弾を模擬した弾道を飛翔し、試験 は成功した。
 MRT は空中のほか、地上及び洋上からも発射が可能である。 
2005.01 Jane's Missiles & Rockets Lockheed Martin PAC-3 successfully engages ballistic missile targets <0504-010021>
 11月18日に PAC-3 の DT/OT-12 として、2発の TBM 標的に対して2発ずつの PAC-3 を撃ち込む試験が行われ 成功した。
 標的となったのは PAAT (Patriot-As-A-Target) と MTTV (Maneuvering Tactical Target Vehicle) で、何れも1発目の PAC-3 が迎撃に成功したため2発目は自爆させられた。
 MTTV は Minuteman ICBM のエンジンに Pershing Ⅱ の RV を取り付けた標的機である。 
2004.09 Jane's Missiles & Rockets ICBM hardware to become targets <0421-090005>
 米空軍が Alaska Aerospace Development社などに対して$49.0で RSLP (Rocket System Launch Programme) を発注した。 RSLP は余 剰となり退役した ICBM や民間のロケットを使用し、米国東、西海岸の民間発射施設から発射 する。
 計画は米国だけでなく、外国政府からの受注も見込んでいる。 
2004.05.17 Defense News L-3 Coleman tests new target <0412-051702>
 L-3 Coleman社は5月4日、米空軍と MDA のミサイル防衛システム開発に用いる試験用弾道弾 LRALT 初めての発射試験に成功した。
 LRALT はハワイ沖で C-17輸送機から投下されて点火され、正常に飛行して所望の成果を得た。
2004.05.12 Jane's Defence Weekly Successful test of target missile <0409-051207>

 米空軍が5月3日に、Coleman Aerospace社製の LRALT の発射試験を実施し成功した。

 LRALT は弾道弾を模擬する標的機(註:射程は1,000~ 2,500km、最終的な落下点は600kmから3,500km)で、C-17 から パラシュートで投下され発射する。 

2004.04 Jane's Missiles & Rockets Patriot PAC-3 makes its fourth ripple-fire kill <0408-040021>
 2発の PAC-3 による連射の試験が行われ、標的となった1発の PAAT (Patriot-As-A-Target) を撃墜した。  これで PAC-3 は、発射試験と実戦を合わせて4回の連射に成功したことになる。
 今回の試験ではソフトウェアと地上装置の改良、及び Ka-band シーカ用の米国製 TWT アンプの性能確認も合 わせて実施した。
 Lockheed Martin社はイラク戦での射耗補填を含む PAC-3 弾の生産を、2月に$505Mで受注した。 また同社は$260Mの契約で MSE (Missile Segment Enhancement) 計画を進めている。 
 (註:従来 PAC-3 の TWTA はドイツ製であった)
2004.04 Jane's Missiles & Rockets Chemical doping can create more realistic ballistic-missile targets <0408-040019>
 Northrop Grumman社が、ICBM を模擬する標的機の噴炎に化学剤を添加することにより、実際の ICBM の噴炎を模擬することに成功し た。
 実際の ICBM は推力を高めるため燃料に毒性のある物質を混ぜているが、ICBM を模擬する標的機ではその様な燃料を使用していないた め、一般に噴炎の強度が低い。 
2004.02 Jane's Missile & Rockets Lockheed Martin to provide targets <04007-020002>
 MDA はミサイル防衛試験に使用する標的用弾道弾及び搭載する Countermeasure の設計、開発、製造、試験な ど全般の管理に Lockheed Martin社を選定した。
 契約は2003年12月から2007年12月までの間$210Mであるが、契約には更に10年間延長されるオプションも含ま れており、その場合に契約総額は$4.6Bにのぼると見られる。 
(関連記事 AW&ST 2003.09.01)
2004.01 Jane's Missiles & Rockets Orbital Sciences to develop and test Medium Range Target launch vehicle <0404-010003>
 Orbital Sciences社が MDA から$19Mで、MRT (Medium Range Target) 打ち上げ機を受注した。 MRT は 空中、海上、陸上から発射可能な標的機で、ミサイル防衛システムの要撃、対妨害試験に使用される。
 MRT の空中発射による RRF (Risk Reduction Flight) は、2005年に行われる THAAD 及び Aegis の要撃試験 で行われる。
 Orbital Sciences社は、現在 Aegis の試験に使われている陸上発射標的機 TTV を製造している。 
2003.12.24 Jane's Defence Weekly Arrow 2 test exceeds Israeli expectations  12月16日に11回目の Arrow 2 の発射試験が行われ、迎撃に成功した。 この試験は完全な Arrow システムを用いた6回目の試験であると共に、 ASIP (Arrow System Improvement Program) 計画の一環でもあ った。
 ASIP はイランの Shahab-3 やシリアの Scud D の様な MRBM に対抗する計画で、より高い高度での迎撃が求 められている。
 試験は F-15 から発射された Black Sparrow を標的に行われ(右図)、従来の2倍の高度での迎撃に成功した 。 
2003.12.12 MDA

インターネット

Aegis missile defense flight test successful  SMD の FM-6 が11日に行われ、Lake Erie から発射された SM-3 が Kauai島から発射された中距 離標的ミサイル Aries の要撃に成功した。
 試験では Kauai島近海に配置された駆逐艦 Russell が最初に Aries を捕捉し、その諸元を沖合の Lake Erie に送った。
 Aries 発射の約2分後に Lake Erie が SM-3 を発射し、発射後約2分でこれを要撃 した。 要撃高度は137km相対速度は3.7km/sであった。
 FM-6 は短距離弾道弾の要撃を目指す Block 2004 で計画されている6回の発射試験の4回目で、複雑で実戦的 な目標に対する developmental flight test の3回目になる。 
2003.11.24 Inside the Army Officials: recent setback to have little impact on THAAD schedule  米陸軍の THAAD 開発計画について MDA は、2004年中盤以降に予定する発射試験が数ヶ月遅れるも のの、2005年の迎撃試験は予定通り行えるとの見通しを明らかにした。
 これは9月と10月に起こった Pratt&Whiteney のロケットモーター工場での事故の影響について見解を明らかにしたもので、2004年に WSMR で予定している2回の発射試験は遅れるが、2005年末の迎撃試験は標的に Hera を使用し計画通り行うとの意向を示した。 
 なお、MDA は LRIP 開始時期を決めておらず、2005年の迎撃試験の成果をみて決定するものとみられる。
2003.09.01 Aviation Week & ST Targeting targets  米国 MDA は弾道ミサイル標的と Countermeasure プロジェクトの管理をより効果的に行うため、契約を1社に絞り込 むことを決めた。
 MDA はこれまで開発計画に応じ標的を求めていたが、今後は1社が全ての標的と Countermeasure を開発製造することとなる。
 現在、Lockheed Martin、Northlop Grumman 及び Raytheon の3社が名乗りをあげており、先月末にそれぞれ提案書を提出している。  企業への指名は10月を予定、契約期間は当初4年間とされる。
2003.09 Jane's Missiles & Rockets Lockheed Martin bid for MDA target and coutermeasures programme  MDA が TCPC (Target and Countermeasure Prime Contract) の RFP を発簡し、数ヶ月以内にミサイル防衛試験用標 的機の設計、開発、試作、試験等を担当する一社を指名する。
 Lockheed Martin社が名乗りを上げている。 
2003.08.14 Inside the Pentagon MDA contractors submit targets and countermeasures bids  MDA は弾道ミサイル防衛計画の標的及び妨害対処に関する企業選定を終了し、8月13日にプライムを発表する。 候補 企業は Lockheed Martin をはじめ4社が挙がっている。 
 同計画の RFP は7月14日に発簡され、期間は4年で、年間$400M~$500Mの予算が見込まれる。
2003.06.19 BMDO web site Aegis ballistic missile defense flight test conducted  SMD の SM-3 発射試験が18日に行われ、弾頭の切り離しには成功したが、Aries 標的ミ サイルの要撃に失敗した。
 試験はハワイ・カウアイ島にある太平洋ミサイル試験場で行われ、SM-3 は巡洋艦 Lake Erie から発射された。
 今回の試験(註:FM-5)は Aries 標的に対する4回目の要撃試験で、過去3回ではいずれも 要撃に成功している。 
2002.10.15 共同通信
 産経新聞

インターネット

米、ミサイル迎撃に成功  米国防総省は14日にミサイル迎撃実験を太平洋上空で同日行い成功したと発表した。  今回初めてイージス艦を太平洋上に配備しデータを収集した。
 実験ではバンデンバーグ空軍基地から標的のミニットマン2を発射、約20分後、約7,800km離れたクエゼリン島から迎撃ミサイルを撃 ち、ハワイ上空約230kmの大気圏外で撃ち落とした。 
2002.08.19 Inside the Army Army plans to test Scud missiles at White Sands Missile Range  米陸軍の SMDC は、Scud やこれと同様のミサイルをニューメキシコの WSMR で行われる各種発射試験の標的として使 用することを計画している。
 このため、事前準備として液体燃料を使用するミサイルが周辺環境に与える影響の調査を SMDC 独自に行っており、その結果について 9月9日に公表を予定している。
2002.06.26 Jane's Defence Weekly Rafael reveals new version of target-missile for BMD tests  イスラエルの Rafael社が、Arrow 2 の発射試験における標的ミサイルである ERBS (Extended-Range Black Saprrow) を明らかにした。
 ERBS は、射程1,300kmであるイランの Shahab-3 等の MRBM 対処能力を評価するため、2003年に米国で行われ る Arrow 2 の発射試験に使用される予定で、MRBM の弾道だけでなく、サーマルイメージや RCS も模擬できる 。
2002.06 Jane's Missiles & Rockets TRW to develop liquid-propellant booster  TRW社は、将来、ミサイル防衛システムの試験に使用する液体推進標的の、開発を$29Mで受注した。 開発期間は5年 間である。 
2002.05.30 MDA Home Page Patriot Missile Test  5月30日に米陸軍は PAC-3 OT-2 発射試験クウェゼリン島の施 設で実施した。
 今回の試験は1発の弾道弾目標に対する2発の連射で、目標にはミニットマン ICBM のブースタに取り付けた切り離し式の RV が用いら れた。 試験の目的は、高速、低 RCS 目標をデブリから識別して要撃することにあった。
 試験では PAC-3 弾が目標に当たったが、試験目的を満足せず、更に2発目の PAC-3 は発射 できなかった。 
2002.05 Jane's Missiles & Rockets Patriot PAC-3 downs targets  PAC-3 の IOT&E 間に行われる4回の発射試験中、2回目の試験 が行われ、試験目的の全てを達成はしなかったものの、ミサイルは目標に命中した。
 今回の試験では TBM を模した Hera と、航空機を模した MQM-107 が標的として使われ、TBM 攻撃と連携した航空攻 撃を想定した。
 Hera は非分離型が Fort Wingate N.M. から南東に発射され、最高高度114km、射距離318kmを 361秒間飛行し た。
 地上装置はそれぞれの目標に最適なミサイルとして、Hera には PAC-3 弾を、MQM-107 には PAC-2 弾を選択し発射した。

= 2月16日に行われた第1回目の試験 OT-3 について =
 1発の PAC-3弾が模擬巡航ミサイルに対し、2発の PAC-2 弾が QF-4 無人 Phantom 戦闘機と標的機に向けられたが、QF-4 のみが撃墜さ れた。
 PAC-3 弾の失敗原因は、地上装置からのキューイングの精度が悪かったことによる。
 PAC-2 弾の失敗は、要撃最終段階でのレーダ不具合による。 
2002.05 Jane's Missiles & Rockets Lockheed Martin to study target vehicle for ABM trials  Lockheed Martin社は、米陸軍 SMDC (Space and Missile Defense Command) との契約で、BMD テスト用の次世代標的 用弾道弾 ETDS (Enhanced Target Delivery System) の開発を行っている。
 ETDS は従来より大型で複雑なペイロードの運搬が可能で、陸海空のプラットフォームから発射できることを目指している。 
2002.05 Jane's Missiles & Rockets US demonstrates another ICBM 'kill'  3月15日に GMD の6回目の要撃試験である IFT-8 (Integrated Flight Test-8) が行われ、通算4回目となる要撃成功を収めた。
 IFT-8 では初めて複数デコイ対処が検証されたため、3個のバルーンデコイが RV と共に標的ミサイルから放 出された。 
2002.04.29 Inside the Army Third IOT&E test yields one PAC-3 intercept, one failed missile launch  4月25日、ニューメキシコ WSMR で行われた第3回 PAC-3 IOT&E 試験では、1発は目標を要撃 したものの、2発目の発射に失敗した。
 現在原因の分析を行っており、5月に予定している 4回目の最終試験の実施はこの結果により決定される。
 今回の IOT&E は 2発の PAC-3ミサイルによる対弾道ミサイル同時交戦性/撃墜能力の確認を目標とし、目標には Storm Ⅱ 弾道弾と PAAT (Patriot-as-a-Target) を使用していた。
2002.04.25 MDA Link Patriot Missile Test  米陸軍は4月25日に WSMR で PAC-3 の OT/DT-4 を実施した。
 この試験は、戦術状況下における同時多目標交戦能力を検証するもので、1発目の PAC-3 を Storm II 目標へ、2発目を標的用にした Patriot ミサイル (PAAT) へ向かわせるはずであったが、1発目の PAC-3 は不発射になり、PAAT の要撃にのみ成功した。 
2002.03.16 ロイター

インターネット

米ミサイル防衛システム、迎撃実験に成功  米国はミサイル防衛システムの迎撃実験を行い、標的の模擬弾頭の破壊に成功した。
 今回は初めて、おとり用の気球が従来の1個から3個に増やされたが、迎撃ミサイルは標的に命中した。  実験コストは$100Mを上回ったという。
 ミサイル迎撃実験は1999年から通算6回目で、成功例としては4回目
2002.01 Jane's Missiles & Rockets Missile interceptor scores third ICBM kill
= GMD IFT-7 のもように関する記事 =
 GMD (Ground Based Midcourse Defense) Segment の IFT-7 (Integrated Flight Test-7)が、2001.12. 03 に行われ成功した。
 今回の試験はこれまでの IFT-3,-4,-5,-6 と基本的に変わりないが、標的機のブースタが Multi-Launch Service Target Program ブースタから、Orbital Sub-Orbital Target Program ブースタに変わった。 模擬弾頭等も 今まで通りであった。
 次回のテスト IFT-8 は、2002年2月に予定されている。 
2001.12.03 Inside the Army Army revises acquisition strategy for strategic missile targets  米陸軍 SMDC は近い将来 BMD 発射試験に使用する目標 (ETDS: Enhanced Target Delivery System) の提案要求を発簡する。
 ETDS は今後脅威となり得るいくつかの大陸間弾道弾を模擬した目標で、各種発射シナリオに応じ陸海空から単一又は複数発射できる ことが要求される。
 契約はシステム設計に必要な概念研究とし4社以内各 $600,000で、現有の Peacekeeper 及び Minuteman システムの活用はできない。
2001.12 Jane's Missiles & Rockets Patriot PAC-3 intercepts cruise missile target  PAC-3 の最後の発射試験が行われ、目標となった 'advanced CM' を模した BQM-74 を撃墜した。 この結果 PAC-3 は10回の目標要撃を行ったことになる。(下表)
┏━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃  Date  ┃       Target      ┃
┣━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃1999.03.15┃TBM               ┃
┃1999.09.16┃TBM               ┃
┃2000.02.05┃TBM               ┃
┃2000.07.22┃low-flying CM          ┃
┃2000.07.28┃low-flying CM          ┃
┃2000.10.14┃TBM               ┃
┃2001.03.31┃TBM (Tactical Ripple Mode)   ┃
┃2001.07.09┃QF-4 (remotely-piloted aircraft)┃
┃2001.10.19┃advanced CM           ┃
┗━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 実験では BQM-74 と BQM-107 に対し同時に射撃が行われ、BQM-74 を PAC-3 が、BQM-107 を PAC-2 が撃墜した。
 ミサイルの単価も $2M を若干上回る程度に抑制でき、海外からの受注があれば、$2M 以 下に抑えられそうである。 
2001.08.29 Jane's Defence Weekly DoD to start BMD countermeasure programme  BMDO は GMDS (Ground-based Missile Defense Segment) の標的用に、現在使用している 直径2.2mのバルーン1個に代わる、対抗手段の開発を来年度から開始する。
 この対抗手段は明らかになっていないが、バルーンの他に成形バルーン、ECM、チャフ、軽量模型などが含 まれるようである。
 BMDO では今後、BPI (Boost Phase Interceptor) や、Terminal Phase System 用の対抗手段も開発すると言っている。 
2001.07.13 Missile Ranger PAC-3 hits jet aircraft target,misses Hera  PAC-3 の 10回目の発射試験が 7月 9日に WSMR で行われ、レーダーへの電子妨害環境下での遠隔操縦無人ジェッ ト機の迎撃に成功したが弾道ミサイルを模擬した Hera ミサイルの迎撃は失敗に終わった。
 PAC-3 ミサイルは目標のジェット機及び Hera のため2発を準備し、ジェット機は長距離、低高度で、Hera は短距離、高々度での 迎撃実射を同時に行った。
 PAC-3 はこれまでに9回の発射試験を行っており、いずれも成功している。
2001.06.06 Jane's Defence Weekly Raytheon, Rafael market missile  Raytheon社とイスラエルの Rafael社は、Black Sparrow 標的ミサイルの米国及びその 他の国への売り込みで提携した。
 Black Sparrow は、空中発射される Scud-B を模した長さ 4.82m、胴径 52.6cm、重量 1,275kg のミサイルで、イスラエル空軍の ARROW ミサイルの標的用に納入されている。
 Blzck Sparrow のトータルコストは $1M 強であるが、Rafael社によれば、調達数量が大量になればコスト は更に大幅に下がるという。
 これに対し Coleman Aerospace社の Short-Range Air-Launched Target や Hera 標的機は、1機当たり $10M する。 
2001.05 Jane's Missiles & Rockets Patriot downs two tactical missiles  BMDO は PAC-3 のリップル射撃に成功した。
 PAC-3 2発は、HERA 標的弾に対し同じ発射機から7秒間隔で発射され、第1発目が螺 旋軌道を描きながら降下してくる弾頭を撃破した。 このため2発目は自爆シークエンスに入った
 同時に行われた試験で PAC-2 は PAAT (Patriot-As-A-Target) を撃墜した。
2000.12 Jane's Missiles & Rockets NMD radar tracks Minuteman RVs  Minuiteman Ⅲを用いた複合目標に対する GBR-P の捕捉識別試験が 9月に実施され成功を収めた。
 目標となったのは、Minuiteman Ⅲから放出された2発の Mk 12 RV、小型固形擬似目標、RCS を RV と同じにした複数の球体、電 波を反射する透明のバルーン、使用済みのブースタ及び第3段ブースタ、デブリスなどであった。
2000.11.01 Inside Missile Defense THAAD radar used to track objects in recent PAC-3 intercept test   PAC-3 要撃試験を利用したTHAAD プロトタイプレーダによる初めてのデータ収集試験が、10月12日に W.S.M.R で行われ十分な成果を得た。
この試験は 8月から行われている EMD フエーズの一環で、 PAC-3 とのリンクはなく、独立して実施し、STORM-Ⅱ 目標の RV (reentry vehicle) 及び高 G 旋回する RV を継続追随した。レーダ設計の最終決定はFY-01に行われる。
2000.11 Jane's Missiles & Rockets Minuteman launches povide NMD test targets  開発中の NMD システム関連の RRF(Risk Reduction Flights) 試験が Vandenberg 空軍基地 から発射した2発の MinutemanⅢ を目標に 9月28日にKwajaleinミサイルテスト射場で行われ、充分な成果を得た。
 このデータは次回のNMDフライトテストに反映される。 実施項目は要撃テストを除き、GBR-P(地上レーダ試作機) による 20目標の分別と要撃テストに使用する 6基の RV のテスト。
2000.09.20 Inside Missile Defense Truax Engineering to develop liquis-fuel TMD target vehicle  Truax Engineering社は、BMDO の要求に基づき再利用可能な弾道ミサイル標的機の開発を、2年間 $6.5Mで受注 した。
 この標的機は2005年から TMD のテストに用いるもので、R/M には液体燃料が使用され、Scud B,C、ノドン、テポドンの飛翔を模 擬できる。
2000.08.09 Jane's Defence Weekly ARROW test changed to simulate attack on Israel  次回のARROWの発射試験は、地中海海岸に発射機を設置し、洋上を飛行するF-15から発射される Black Sparrow を標的にして、陸から海に向かって行われる。
 従来の ARROW の試験は発射機を洋上の船上に設置し、標的機 (HERA) を陸上から発射することにより、海から陸に向かって行わ れた。
 Black Sparrow は AGM-142 ASM をもとにしてイスラエルで開発された標的機であり、SCUD の飛行を模擬 できる。
2000.06.28 Inside Missile Defense Army plans long-range target demo with major TMD event next year  米陸軍SMDC ( Space and Missile Defense Command ) は Coleman Aerospace社で開発中の LRALT ( Long Range Air-Launched Target ) の発射試験スケジュールを見直している。試験は当初今年後半に予定されて いたが見直しにより来年にずれ込むことになった。
 LRALT はTHAAD等TMDの標的に使用するもので、射程は1,000~2,500kmで最終的な落下点は600kmから3,500kmとなる。
2000.06.08 Space& Missile Defense Report Orbital Launches Suborbital NMD training target  Orbital Sciences社は、5月30日に OSP TLV (Orbital/Suborbital Program Target Launch Vehicle) の最初の 発射に成功した。
 OSP TLV は、NMD 試験用に退役した Minuteman Ⅱミサイルのロケットを使用した、安価標的機である。
2000.05.03 Inside Missile Defense PAC-3 interceptor will face cruise missile target in next test  PAC-3の次回DT-7(Deeelopment Test)は、6月に巡航ミサイル標的に対して行われる。
 昨年秋に予定されていたStormを目標としたDT-4は、「クロスポール」の問題により延期され、代わ りにHERAを目標としたDT-5が今年2月に行われた。
 その後陸軍はDT-4を中止して6月に予定されるStormを目標とするDT-6に統合するとしていたが、DT-6を9月に延期し代わって巡 航ミサイルを目標とするDT-7を6月に実施することになった。
2000.05.03 Inside Missile Defense NMD office plans NMD risk-reduction mission as part of target demo  NMD Program Officeはこの春末に行われる新しい標的機の試験を活用して、6月末か7月初めに計画されて いる次回のNMD要撃試験(IFT-5)に備えたシステムの訓練を実施する。
 RRF-8 (Risk-Reduction Flight-8) に利用されるのはOrbital Suborbital Program Target Launch Vehicle で、年末に行われ るIFT-6で使用が予定されているMulti-Service Launch Systemの後継機である。
2000.04 Jane's Missiles & Rockets Thrust-vectoring systems for HERA targets  Aerojet General社は、HERA標的機の第1段に使用しているSR-19ロケットモータのThrust Vector 75基の契約 を、$49.16Mで結んだ。納期は2000.02.18である。
2000.03 Jane's Missiles & Rockets Patriot PAC-3 scores another ballistic-missile kill  2月3日、PAC-3は5回目の発射試験に成功した。試験は発射機をレーダ等から数キロ離隔した場所に設置し 遠隔操作で行われた。
 今回用いられた目標は Miniuteman 2 を改造した Hera で、 約 200mile の距離から発射された。
2000.02 International Defense Review US NMD nears deployment readiness decision  NMDのIFT-5では、標的機が発射後4.5分でデコイ(直径2mのバルーン)を切り離し た。EKVはRV(直径約1m、全長約2m)とブースター及びこのデコイを識別した。
 要撃時点の相対速度は7km/s以上であった。
2000.01.27 Inside the Pentagon Army postpones PAC-3 interecept test because of weather concerns  DT-5テスト(Development Test-5)は1月269日に予定されていたが、強風により中止された。
 DT-4は昨年10月に予定されていたが、ミサイルシーカのソフトウェアに問題が見つかり延期されていた。
 延期されたHeraを目標としたDT-5は、Stormを目標とするDT-4より先に行われる。
2000.01.12 Inside Missile Defense BMDO plans specialized risk deduction mission for NMD radar  BMDOはプロトタイプレーダの性能を分析するため、今年の後半に特別Risk-Reduction Missionを実施する。
 この試験は9月13日に予定され、中部太平洋において空軍のロケットを飛行させて、Raytheon社製GBRの目標分別能力を確認 する。
 ミニットマンⅢは、今まで使用されていたRCT-1(radar credible target-1)より、より複雑なRCT-2を打ち上げ、GBR-Pの目標 分別能力を確認する。RCT-1は1個のRV、2個の小型物体と1個のチャフパックで構成されていたのに対し、RCT-2は16~20個の 目標体で構成される。
1999.12.15 Inside Missile Defense BMDO plans dedicated NMD Risk Reduction Flights from Kodiak Island  BMDOは、レーダに負荷をかける試験を2001年から開始する。
 実験では、まずアラスカ州コーディアック島から標的機STARS(Strategic Target System : 3段ロケット)を南方に向け発射して、 カリフォルニア州ビール空軍基地にある改良型早期警戒レーダで捕捉し、次いで同島からマーシャル諸島クウェゼリン島に向 けて発射したSTARSを、NMDのプロトタイプGBRで捕捉しようとするものである。
 試験の目的は、今までレーダ位置から離れた方向に飛んでくるミサイルを捕捉したことはあるものの、レーダ位置に直進して 来る目標を捕捉していないため、必要なデータの取得と性能の確認をすることにある。
1996.3.11 Aviation Week & ST HERA to challenge THAAD this month  HERAについて
・第1段ロケットはMinuteman 2の第2段
・第2段ロケットはMinuteman 2の第3段
1993.12.13 Aviation Week & ST ERINT hits Storm RV posing as chemical theat  11月30日ホワイトサンズ試射場において、ERINTによるStorm RVの要撃に成功した。
 目標のStorm RVには、化学兵器を模擬して、水を満たした38個の金属製筒状容器が乗せられていた。