2005年以前の対空レーザ兵器に関する記事

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2005.12.12 Inside the Army Solid-State Lasers to be valuable asset in defeating Cruise Missile <0603-121201>
 米陸軍 SMDC 司令官は12月8日の陸軍年次ミサイル防衛シンポジュームで、巡航ミサイルと UAV に対し車載 SSL (Solid State Laser) が KEW より有効な兵器となると述べた。
 DoD はFY-06に100kW SSL 技術開発に数百万ドルを要求しており、陸軍はFY-06〜07に SSL 兵器システム 実験に$22Mを要求している。 また、ACTD としてはFY-06〜11に高出力レーザ技術検証として$120Mを充当し、 100kW級 SSL を FCSで採用することをめざしている。
2005.11.17 Inside the Pentagon Free-Electron Laser may be operational by 2020 for Shipboard defense <0602-111701>
 ONR は DD(X) や CVN-21 級空母に、ミサイル対処用 FEL (Free-Electron Laser) を2020年 までに搭載できるとの見通しを明らかにした。
 計画は1996年に開始され、これまでに$50Mを投入、FY-06には$14Mが予算化されており、昨年夏に10kWの IR 発振に成 功し、今後5年以内に100kW、その後3〜5年で1MWの出力が可能になるとしてい る。
 FEL は自由電子が電磁界で発振する際に発生する光子を利用するもので、波長の正確な制御ができ、有効放射 距離を数百bから数`まで出力を制御することにより、ミサイルから小型ボートまで対処することができる。
2005.11.03 Inside the Pentagon Directed-Enargy protection policy sent to senior service officials <0524-110303>
 米空軍は米軍機に対するレーザー等による DEW 攻撃を予測し、次世代航空機搭乗員の防護 に関する指針の作成作業を進めている。
 指針では DEW の現状と将来予測、これに対する各種航空機の防護手段及び方策等を明らかにし、具体的な研究開発の資とする。
2005.06.15 Jane's Defence Weekly US Army moves ahead on laser weapons <0513-061503>
 米陸軍 SMDC が5月末に、車載又は UAV搭載用の100kWレーザに関する RfP を発簡した。 100kWレーザの装備 化時期は不明である。 一方で今年初めに THEL 計画の中止を決め、試作機は イラクで使用することにした。
 これに対して Northrop Grumman社と United Defense社が共同で、FCS 用車両と類似の車両に100kW固体 発振レーザを搭載する自走式防空システム TALON(右図)の開発を行う。 TALON は RAM (Rockets, Artillery, Mortars) 弾及び UAV に対処するシステムとなる。
 技術的課題はハイブリッド動力車とレーザのパワーマネージメント、及び熱対策である。
2005.06.13 Aviation Week & ST Lights, laser, combat <0513-061310>
 Raytheon社は SSL(Solid State Laser) の出力4kWの試験を昨年成功させ、この夏に25kWの 試験を予定している。
 DoD は10月に高品質ビームの100kw SSL を開発する JHPSSL (Joint High-Power Solid State Laser) の企業 選定を予定しており、Raytheon社の他、Northrop Grumman社、Textron社及び Lawrence Livermore 国立研究所が受注競争を繰り広げてい る。
 DoD は地上配置型、車載型及び DD(X) への搭載等幅広い用途を検討している。
2005.05.11 Jane's Defence Weekly US Army consider move of prototype laser to Iraq <0511-051104>
 米陸軍はイラクにおける迫撃砲やロケット砲攻撃に対処するため、THEL イラクで 使用する方向で Northrop Grumman社に検討を依頼している。
 同社は有毒排気ガスの毒性を弱める混合剤の設計を済ませており、またイスラエル製のレーダや FCS を使用し ない方法を検討している。
 米陸軍は移動型 THEL である MTHEL を、FY-04に$52M、FY-05に$44Mをかけて開発してきたが、FY-06 には予算要求を行っていない。 Northrop Grumman社によると、陸軍は既に MTHEL には関心が無く、C-130 やト ラックで運搬できる可動型 THEL の検討を進めている。
 同社は昨年 HELRAM (High Energy Laser for Rocket, Artillery and Mortar) を提案したが、HELRAM は更に Next-Generation THEL に発展している。 Next-Generation THEL は HELRAM が標準コンテナ2個で構成されて いたのが3個になり、より強力になっている。
2005.05.09 Inside the Army Army looks to develop 100 kw Solid State Laser for ground vehicles <0514-050901>
 米陸軍はFY-06予算に、車載用100kW SSL (Solid State Laser) のシステム設計経費$22Mを要求している。
 これは車載 SSL 開発計画 Joint High Power SSL Phase U の一環で、陸軍は他にFY-06〜FY-11の ACTD に$120Mを計上している。
 100kW SSL の RfP は近日中に発簡される模様であるが、Northrop Grumman社と United Defense社は共同で、 FCS 車両に類似した車両に100kW SSL を搭載する自走防空システム TALON (Tactical Laser Operational Needs) の開発を提案しており、予算が得られれば5年以内に開発できるとしている。
2005.05.02 Aviation Week & ST Over the horizon <0510-050209>
 Boeing社はレーザ兵器の射程を延伸するミラー中継システムの自社開発を進めている。 システムは弾道ミサ イル及び地上移動目標に対処する ABL ATL のレーザ照射を、気球、UAV 又は宇宙衛星に装備するミラーにより距離の大幅な延伸を行う。 因みに ABL の有効距離は200kmである。
 技術的課題は高出力レーザを反射するミラーコーティグと追随照射の継続性にあり、同社は初歩的なハードウ ェアー試験を今年、追随試験を来年に計画している。 試作システムによる試験計画は未だない。
 MDA は現在のところ公式には ABL 計画とリンクする意向はないが、類似システムの対衛星兵器である Space-based Direct Enargy 計画にはFY-06要求として$260Mを計上するとみられる。
2005.05 International Defense Review A mockup of the programme extension Tactical Laser Oprational Needs <0510-050010>

 Talon (Tactical Laser Operational Needs) は、化学レーザを用いた THEL に代わる固体レーザ装置で、システム全体が UD社が開発中のハイブリッド車である FCS-W に組み込まれる。

2005.01.05 Jane's Defence Weekly Israel deploys THEL radar to counter Qassams <0502-010509>

 イスラエルは、WSMR で行われていた THEL の性能確認試験終了に伴い、THEL 用レーダをガザ地区に 近い Sderot に移し、Qassams ロケット弾の早期警戒用に使用しようとしている。 イスラエルはこのレーダ を Ma'amin 警報システムに組み入れ、Qassams の弾着20秒前までに警報を発する。

2004.12.15 Jane's Defence Weekly Northrop, United Defense team on laser <0501-121506>
 12月6日に、米陸軍の陸上型対空レーザ装置開発に向け、Northrop Grumman社と United Defnese社が提携すると発表した。
 Northrop Grumman社がレーザ装置、UD社が搭載車両及びハイブリッドエンジンを担当する。
2004.11.03 Jane's Defence Weekly Northrop unveils laser to counter mortar attacks <0421-110301>
 Northrop Grumman社が米陸軍に、対迫レーザ兵器 HELRAM (High Energy Laser for Rocket, Artillery and Mortar) を提案した。 18ヶ月間の契約で取得可能と言う。
 HELRAM は MTHEL と同じ弗化重水素化学レーザで、MTHEL よりやや小型で 出力も小さい。
 FU はビームポインタ車、燃料マガジン車、指揮統制車の3構成品からなり、C-130 での輸送が可能である。  ビームポインタ車及び燃料マガジン車はそれぞれ6m×2.4m×2.4mのコンテナに収納されており、指揮統制車は HMMWV車に搭載される。
 HELRAM は半径1km以内の360゚の中重迫撃砲弾、及び限定的ではあるが砲弾ロケット弾に対して有効で、燃料マ ガジン車の燃料で10〜20ショットが可能である。 また FU は同時に2両の燃料マガジン車を接続できる。
2004.11 International Defense Review MTHEL continues <0421-110011>
 Northrop Grumman社が$333Mで MTHEL 計画を進める。 8月に MTHEL は連続する迫撃砲弾の迎撃に 成功している。
2004.10.06 Jane's Defence Weekly China upgrades Type 63A light tank <0419-100606>
 中国が Type 63A 水陸両用軽戦車に active laser defence system を追加するなどの改良を加えた。  Tpe 63A は Type 63 水陸両用軽戦車の改良型で現在100両を保有していると見られている。
 Type 63A 水陸両用軽戦車に搭載される active laser defence system は、Type 98 主力戦車に搭載されているものと同じで、当初 低出力レーザで目標を捜索し、捕捉すると出力を上げて相手の光学装置を破壊する。
(Type 98 主力戦車に関する記事 JDW 2002.11.06)
2004.10 Jane's Missiles & Rockets THEL downs a mortar salvo <0423-100026>
 8月24日に行われた試験で THEL テストベッドが、単射及び斉射の迫撃砲弾の迎撃 に成功した。
 THEL テストベッドは2000年の試験開始以来、Katyusha ロケット弾、砲弾、大口径無誘導ロケット弾など、約40発の 迎撃に成功している。
2004.09.06 Defense News Laser shoots down mortar rounds <0421-090602>
 米陸軍は8月24日、MTHEL 計画の一環として THEL テストベッドによる迫撃砲弾への実射試験を行い、 単射及び斉射された標的砲弾の全てを破壊した。
 陸軍はイスラエル国防省と共同開発を行っており、2000年以降カチューシャから大型のロケットまでの各種標的を36発以上打ち落とし ている。
2004.09.01 Jane's Defence Weekly Navy directed-energy programme moves on <0417-090105>
 米三軍は指向性エネルギー兵器の実用化を強く望んでいるが、海軍は特に以下の三分野に関心を持っている。
EM gun
 2018年 DD(X) 搭載を目指して開発中で、2005年までに1/8装置と実験設備を完成させ初弾を発射する。 その 後ハワイの PMRF に二分の一モデルを建設し、10年以内に実物大モデルを建設する。
Laser
 7月に海軍は2〜3年後に25kWの FEL を実現する計画を開始し、最終的には兵器として使用可能な100kW (右図 )を目指す。
HPM
 非殺傷性 HPM である ADS の採用を検討している。
2004.09 International Defense Review US Navy demonstrates highest-power free-electron laser <0417-090021>
 米国エネルギー省の研究所が6月に FEL (Free Electron Laser) による10kW IR 光 の発振に成功した。
 FEL は原子から飛び出した自由電子を linear accelerator で加速した後に wiggler に送り込み、電磁界に より電子を振動させる。 この際発生する光子を取り出すもので、発振波長を正確に制御できる特性がある。  米海軍は UV 光の発振にも関心を持っている。
 海軍は今後4年間かけて100kW装置の設計と製造を行う。
2004.08.30 Inside the Army Army's tactical High-Enargy Laser test bed destroys seven motors <0419-083001>
 米陸軍は8月24日、WSMR で THEL 試作装置による中口径迫撃砲弾に対する実 射試験を行い、7発の砲弾を破壊した。 7発のうち3発は斉射であった。
 陸軍はイスラエル国防省と共同で、1990年代中頃から開発を始め、2000年以降カチューシャロケットや砲弾等各種標的への実射を行っ ており、5月には大口径迫撃砲弾に対する試験に成功している。
2004.08.18 Jane's Defence Weekly Laser moves closer to deployment with test success <0415-081815>
 米国エネルギー省の研究所が6月末に、FEL (Free Electron Laser) による10kW IR レーザ 発振に成功した。 2001年11月に達成していた2.1kWを向上させるため電源等の改良を行い、励振機の出力を10MEVから 160MEVへ高めることに成功した。
 従来のレーザ発進装置は使用するガスや結晶などの発信源により決まる特定の波長で発振するが、FEL はリニヤな発 振が可能である。
 米海軍は2015〜2020年にメガワット級の FEL を艦船に搭載する計画である。
2004.08.11 Jane's Defence Weekly Laser reaches milestone <0415-081103>
 米海軍が6月に FEL (Free Electron Laser) を用いて10kWの IR レーザ発振に成功した。
 海軍は2010年代に個艦防衛や防空にメガワット級システムを目指しており、今後4年間かけてその中間となる 100kW FEL を完成させる。
2004.08 International Defense Review Loquid-oxigen HEL <0415-080021>
 MDA と DARPA は協同で、ダイオード励起式液体酸素 HEL (High Energy Laser) の開発契約を Directed Energy Solutions社と行った。  このレーザはアイセーフ波長を使用し、CW からピコ秒までのあらゆるパルス幅のレーザ光を発振できる。  理論上このレーザは COIL やソリッドステートレーザの10倍の性能が実現できる。
 Phase 1 では200MW/cuに耐える鏡を使った空洞で2kWの発振を行う。
2004.08 International Defense Review USAF invests in HPM <0415-080019>
 米空軍研究所が、向こう5年間に$25M〜$50Mをかけて HPM 技術に焦点を当てた DETAR (Directed Energy Technology Applicaations and Research) 計画を進めようとしている。
 この計画は幾つかの分野に分かれており、その中には以下のようなテーマが含まれている。
1GW以上の尖頭出力を数十Hzの周期で発振できる発信源
数MJを実現するパルスパワーシステム
テラワット域での10μs周期の発振
・新たな電源装置
2004.07 International Defense Review MTHEL shows its muscle <0413-070013>
 米陸軍は2004年5月に、MTHEL の実証装置による大型ロケット弾の実弾の破壊に成功した。
 今回の標的は従来より重く高速で、弾道は従来標的の3倍の高度にまで達した。
2004.06.07 Aviation Week & ST Battlefield laser weapons <0411-060704>
 DoD の HEL-JTO (High Enargy Laser Joint Technology Office) は戦術レーザー兵器開発に向け、25kwの SSL (Solid State Laser) システム3基の試験を年内に計画している。
 HEL-JTO は DoD、陸軍、空軍が共同でレーザー兵器を開発するため2001年8月に創設した開発室で、現在 J-HPSSL (Joint High Power Solid State Laser) 計画を進めている。
 J-HPSSL計画では、今年12月までに出力25kwの実験を開始し、2006年までに100kwの出力実験を行う予定で、 C-130等の航空機及び艦船への搭載、FCS への適用の他、衛星によるミラー中継での巡航ミサイル撃破(右図) 等の実現の可能性を追求する。
2004.05.31 Defense News Contract to improve ABL <0412-053102>
 MDA は5月27日、ABL 初号機の機能増強のための改善を、$400,000で Boeing社 と契約したことを発表した。 この契約は実質的には$500M以上の規模とされる。
 GAO は5月19日、ABL の経費が1996年の$1Bから現在は2倍に超過し、更に$431M〜$943Mの超過が予測されると の報告書を明らかにしている。
2004.05.24 Defense News Laser weapon research <0412-052401>
 ラムズフェルド国防長官は、10月までに各軍が行っているレーザー兵器開発を統合する計画を作成するよう DoD に命じた。 この内容は2006年の戦略計画指針に反映される。
 現在空軍は ABL を、陸軍はイスラエルと共同で MTHEL を開発してい るが、DoD はミラー中継技術を用いた統合戦闘構想を検討している。
 空軍は科学技術計画の一環として ARMS (Aerospace Relay Mirror System) の研究を進めており、高度66,000ft に揚げた HAA (High Altitude Airship) に ARMS を搭載した実験を、2007〜2008年に行う意向を持っている。
 ARMS の技術課題は小型軽量化にあり、試作品は重量5,000-lb、高さ14ftもあり、HAA に搭載するには更に 1,000-lb減らす必要がある。
 また、MTHEL は5月4日に WSMR で砲弾の撃破に成功したが、試作品は余りにも大きく移動型の実用化には至っていない。
2004.05.12 Jane's Defence Weekly Laser downs rocket in test <0409-051202>
 5月4日に MTHEL テストベッドが大口径ロケット弾の撃墜に成功した。
 Northrop Grumman社によると、標的は2000年から撃墜しているカチューシャロケット弾や砲弾よりも高速かつ 重く、撃墜が困難な目標である。
 (註:試験対象は北朝鮮が装備する240mmロケット弾JMR 2002.08 )ではないか。)
2004.05.05 Jane's Defence Weekly Mobile laser tracks large-calibre rocket <0409-050503>
 4月29日に米陸軍とイスラエルが、THEL/ACTD の捕捉追随ソフトを改修した MTHEL テストベッドで、 大口径ロケット弾の捕捉追随試験を実施した。
 MTHEL THEL を1/4に小型化するもので、2007年にプロ トタイプを完成させる。
2004.04.26 Space News U.S.Army reviews options for Directed Enargy technology <0411-042607>
 米陸軍は DE (Directed Enargy) 技術のミサイル防衛や宇宙での適用等について、9月末を目途に新しいロードマップの策定作業を行っ ている。
2004.02.23 Aviation Week & ST Army 'ray guns' <0405-022308>
 米陸軍は Humbee 搭載の100kW SSHCL (Solid-State Heat-Capacity Laser) 開発の準備を進めている。
 昨年陸軍は平均出力16kWw以上の照射に成功、2005年には25kWの実験を計画、2007年頃に車 載用100kWの実験機完成を目指している。
 Humbee 搭載レーザーシステムは対地ロケット、砲迫弾、ミサイルに対処する他、地雷除去にも適用できる。
 陸軍は以下の利点から、局地防空に極めて有効な兵器となるとしている。
・迅速な展開:C-130 から卸下後、直ちに戦闘姿勢に移行可能
・早い発射間隔:車両エンジンで充電する高出力リチウムイオン電池の採用により連続パルス発射が可能。
・費用対効果:照射1回に要する車両エンジンの燃料1リットル
 右下図は対戦車ミサイルの信管に対する効果のシミュレーション
(関連記事 IDR 2003.02)
2004.02.02 Aviation Week & ST Securing the edges <0403-020203>
 米国土安全省と民間空港代表者は、旅客機を携帯 SAM から防護する方策として、航空機搭載の自己防御装置を中心に検討していたが、 最近になって地上設置型装置による防護策が浮上している。
 地上設置型は現在開発中の THEL をベースとして重弗化レーザを使用する HORNET (Hazardous Ordinance Engagement Toolkit) システムで、旅客機への負担はなくなるが現実的にはや や先の導入となる。
 この他に、地上監視レーダーを飛行場に設置して、不審者や車両の進入を防ぐことが検討され、主要空港で試験が行われている。
 また、空軍も最近300基の3脚設置型監視レーダーを購入し飛行場周辺の警戒強化を図っている。
 国土安全省は2月、BAE System社、Northrop Grumman社、及び United Airlines社グループと契約し、レーザー及び航空機用使い捨て IR ジャマーの試験を計画している。
2004.02 Jane's Missiles & Rockets Northrop Grumman funded for high-energy laser work <0408-020007>
 Northrop Grumman社は、MTHEL 開発に関する現在の契約に追加する契約を、$15Mで受注した。 この 追加契約は2004年中頃終了する。
2003.11.05 Jane's Defence Weekly US Army eyes defence against a mix of threats  米陸軍が検討中の防空構想では、交戦空域を3分割している。
MEADS 空域
 特に弾道弾対処
EAADS Outer Tier (40km以内)
 EAADS Block 1 の Outer Tier は、SLAMRAAM に決定。
EAADS Inner Tier (10km以内)
 主として RAM 脅威(Rockets, Artillery and Mortar)に対処するもので、DEW が万能ではないため、 ガン、安価ミサイル、DEW を併用する。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets Norhrop Grumman MTHEL design approved  MTHEL 開発の業者選定は競争方式を取らずに、THEL を開発した TRW社を吸収した Northrop Grumman社を指名することが2003年6月に決まった。
 MTHEL は THEL と異なり実運用を前提としたシステムで、FY-07に試作機による実迎撃試験が行われる。
2003.10.15 Jane's Defence Weekly Laser to be tested agaist motor rounds  米陸軍は近く WSMR で、MTHEL による迫撃砲弾に対する試験 を開始する。
 また、今年初めにアフガンに送られ使用された Zeus レーザ地雷原処理装置が、再び南西アジアに送られた。
2003.10 International Defense Review MTHEL selection  米陸軍とイスラエル国防省は、MTHEL の開発に Northrop Grumman社を指名した。 この契約は2007年に終了する。
 同社(Northrop Grumman社に買収されるまでは TRW社)は、MTHEL テストベッドを製造し、カチューシャロケット弾28発、砲弾5発の迎 撃実績を持っている。
2003.09 International Defense Review Mobile THEL prototype  米陸軍 SMDC が、2007年取得を目指した Mobile THEL の RFI を発簡した。
 MTHEL は100kW以上の出力を持つ弗化重水素化学レーザを使用するもので、1基の射撃統制センサと BM ネット ワークで6個 FU を統制する。
2003.08.25 Defense News Ground-based Laser shows promise for Missile Defense  米陸軍とイスラエル国防省が共同で研究を進めている車載型 MTHEL には$500Mが投じ られているが、軍は研究が着実に進展しており、ミサイル防衛の手段として有効との見通しを明らかにした。
 2000年6月以来、WSMR で行われた THEL による迎撃試験で、25発のカチューシャ ロケットと5発の155mm砲弾を破壊している。 当局は射程とレーザー出力を明らかにしていないが、射 程は20〜40km、出力は30MW以下と推定されている。
 MTHEL は車載に必要な小型軽量化が最重要課題とされるが、当局は2007年〜2009年に試作1号機の製造を目標 に、60名の研究員をフル稼動して研究を進めている。
2003.08.25 Inside the Army Army,Israel pick Northlop Grumman for High-Enargy Laser  米陸軍とイスラエル国防省は MTHEL の Design concept 段階に、 THEL に引き続き Northlop Grumman社を選定した。 これで MTHEL は ACTD 段階を終了し、秋には管轄が Space, Air and Missile の計画局に移行する。
 当初の試験では28発のカチューシャロケットと5発の砲弾の撃破に成功しているが、開発段階では各装置の画 期的な小型軽量化が求められる。
2003.07.30 Jane's Defence Weekly New high-energy concept aims to counter man-portable missile threat  軍民飛行場に離発着する航空機に対する小型 SAM に対抗するため、Northrop Grumman社が Laser DEW の HORNET (Hazardous Ordnance Engagement Toolkit) を発表した。
 HORNET は MTHEL 開発の副産物で、MTHEL 同様にメガワット級の弗化重水素レーザ を使用する。 システムは固定して運用されるが、車両に搭載されていて移動が可能である。
 1個システムの HORNET で2〜3発の斉射に対抗できるため、1又は複数のシステムで1ヶ所の空港を掩護できる。
2003.07.28 Inside the Army Army,Israel reviewing industry proposals to downsize mobile THEL  米陸軍とイスラエル軍は、先月各企業が提出した MTHEL の小型化に関する提案内 容の検討を開始した。
 MTHEL の ACTD がこの夏に終了するに伴い、当局は開発段階への移行を準備中で、管轄も SMDC から陸軍の Air, Space and Missile Defence 計画局に移り、2007年におけるフルスケール試作品の完成を目指す。
 ACTD 段階の契約は Northlop Grumman社だが開発段階の競争入札等、契約形態は未定となっている。
2003.07.17 Inside the Pentagon Senate committee adds $90 million for Arrow missile defense production  米上院の予算委員会は、FY-04国防予算の米、イスラエル共同 Arrow 計画に、要 求より$90M以上多い$156Mを充当する案を提出した。 ただし上院全体としては慎重な意見が多数を占めている。
 また、同じくイスラエルとの共同開発である THEL の予算についても、要求額より$20M多い$65.5Mを 提案している。
2003.07.02 Jane's Defence Weekly US Navy reveals laser concepts  米海軍は LCS の様な小型艦船に搭載する自衛用レーザ砲として、EMHEL (Expendable Modular High Energy Laser) という SSL (Solid-State Laser) を検討している。
 EMHEL は短パルスで10KJの出力を持つモジュールを多数束ねるもので、1個のモジュールは長さが1m、重さが 2kg程度であり、1m3に120モジュールの実装が可能である。
 開発担当者によると、厚さ15cmの鋼板に1秒以内で穴を開けられる。
2003.07 International Defense Review High-power laser illuminator development  米空軍が、General Atomics、Northrop Grumman、Textron の3社に、それぞれ $500,000で4ヶ月間にわたる、SILL ( Strategic Illuminator Laser) の技術的なアプローチ案の分析と、概念設計の実施契約を結んだ。
 SILL は固体レーザにより4kWの高品質ビームを実現しようというもので、その技術 は ABL SBL での応用が考えられている。
2003.07 International Defense Review HPM testing  米海軍は HPM (High Power Microwave) 素子の比較試験への参加機関を募っている。 試験は2004年の第4四半期に計 画されている。
 この試験では DoD の進めている HPM弾への可能性を評価する。
2003.06.09 Defense News US Navy imagines electric-powered future  米海軍は将来 DD(X) に装備する構想で、射程200nm、初速 Mach 7 以上の電磁砲(右図上) と、CIWS に代わるレーザー砲の研究開発を進めている。
 電磁砲は毎分6〜12発を発射するため15〜30MWを必要とするが、DD(X) はこれを可能 とする電力を供給することが出来る。 ちなみに Arleigh Burke 級駆逐艦では 約4MWが限界とされる。
 4月下旬に英国で行われたスケールモデルの基礎試験で電磁砲は、初速 2,500/sec、射程1kmを記録している。(右図下)
 FY-04 以降予算が充当されれば海軍は 2015〜2018年に装備化が可能とみており、DD(X) と CVN-21 空母に搭 載する意向を持っている。
 レーザー砲の研究は構想段階で、開発の具体化は 2〜3年先となる模様で、レーザー出力としては7MW級を狙っている。
2003.03.19 Jane's Defence Weekly US laser project moves to next phase  米陸軍は MTHEL 計画の推進を SMDC へ移した。 陸軍は2000年 代後半での実用化を目指している。
2003.03.19 Jane's Defence Weekly US directed-energy weapons under study
= DEW の兵器としての利点を解説する記事 =
 一例として DEW (Directed-Energy Weapon) は、安価巡航ミサイルの拡散に対抗する、比較 的安価なシステムとなり得る。
2003.03.10 Defense News US Army moves ahead on laser weapon  米陸軍は 2004年から $500M を投じて10t車搭載 MTHEL 開発に着手する提案を行っている。
 MTHEL は対地ロケット及び砲迫弾を標的とする100kw級のシステムで、レーダー、追 随装置及び重水素弗化化学レーザー装置から構成される。
 軍は 6年後の実用化を目指し、Objective Force への導入を目指す。
 ACTD ではこれまでに試験用 THEL により WSMR で 26発のカチューシャロケットの撃墜に成功してお り、4年間で車載化を実現させる。
 なお、小型で安全性の高いソリッドステートレーザーの開発も計画中で、概ね 8年で実用化できると軍当局はみている。
2003.02 Jane's Missiles & Rockets MTHEL to be tested against a larger range of targets  WSMR における MTHEL テストベッドによる試験は、12月9日に飛 翔中の152mm砲弾の撃破に成功した。 固定状態の152mm砲弾の破壊試験は11月5日から行われていた。
 2003年には計画が陸軍 SMDC (Space and Air Defense Command) から PEO AMD (Program Executive Office for Air and Missile Defense) に移管されて続けられる。
2003.02 International Defense Review Higher power from commercial lasers  MDA からの契約で2社が民間用レーザの出力向上を目指している。 用途としては通信、レーザレーダ、対 IR 妨害、 化学剤検知、DEW 等である。
 Digital Optics Technology社は、20以上のレーザ発振を結合して単一ビームを構成 する研究を行っている。 これにより100kWの実現を目指す。
 Maxion Technologies社は半導体レーザを使用して3.5μm帯の IR レーザを目指し ている。
2003.02 International Defense Review Solid-state laser breal out of the lab  米陸軍は 100kW Yb:YAG (ytterbium: yttrium aluminum garnet) レーザを使用する 対空レーザ兵器 SSHCL (Solid State Heat Capacity Laser: 右図) を、FY-07 を目指して開発している。
 SSHCL は EAAD (Enhanced Area Air Defense) の要求に合致し、RAM (Rockets, Artillery projectiles and Mortors)、UAV、巡航ミサ イルを撃墜しようとするものである。
 1995年12月に1.4kWの発振をしてから逐次出力を挙げ、今年4月には15kW、2004年暮には25kW、1年後に60kW、 2006年末には100kWを実現する計画である。
2003.02 International Defense Review Rheinmetall sets out its energy weapons stall  Reinmetall社が MEL (Medium-Energy Laser) と HPM (High-Power Microwave) 兵器の開発を進めている。
 コンパクトな MEL を、戦車や対空兵器の砲塔に補助武装として搭載することが検討されている。

 ロシアとの共同研究で、155mm砲弾に使う1GW 単パルス UWB (Ultra-Wide-Band) HPM (右図上)が研究されており、2004年には試験が行われる。

 Weasel 装甲車に搭載する HPM (右図下)は、市街戦での活用が考えられている。 700MW 1,000pps の発振装置は2002年中に作動を始める。
 ソリッドステートによる 120MW 10,000pps MPM (Medium-Power Microwave) も今 年中に製造される。

2002.12.25 Inside Missile Defense Air Force research LAB kicks off joint Solid-State Laser initiative  米空軍研究所 (AFRL) はこのほど、UAV や戦闘機搭載用の SSL (Solid-State Laser) に関する基礎研究について、総 額 $38M で Raytheon及び TRW社と契約した。
 計画は2004年末を目途に2段階に区分され、第1段階は14ヶ月で10kwレーザーの試験を、第2 段階では25kwレーザーの試験を完了する。
 AFRL は最終目標として小型航空機に搭載可能な100kw級を目指している。
 なお、Raytheon 社は2.65kw、TRW 社は5.4kwのSSL出力装置をそれぞれ社内開発している。
2002.12.16 Inside the Army Army official outline air and missile defense role in Objective Force  米陸軍当局は先日行われた宇宙/ミサイル防衛シンポジュームで Objective Force の 防空能力の概要について明らかにした。
 これによると、防空/対ミサイル(AMD) は現状とほぼ同一の要領で行われ、旅団レベル部隊は独自の発射システムを保有せず、限定し た AMD 能力として NLOS-Cannon を使用する。
 Objective Force の AMD 部隊には EAADS を装備し戦域防空システムの MEADS との共同運用を計画している。 戦場には MEADS を C-130 3機で、EAADS を1機で輸送し空域をカバーできるとされる。
 EAADS は将来 SLAMRAAM に替え KE 兵器を導入すると共に MTHEL を混合装備する計画。
2002.12.12 Inside the Pentagon Revised US Munitions List includes new category for Directed Energy  米国務省は最近、重要軍事技術の輸出を規定する U.S Munitions List の改訂を行い、DEW (Direct Enargy Weapon) を新たに加えた。
 国務省は4年間にわたり同リストの見直しを行っていたが、最近の技術的進展を考慮し新たなカテゴリーとして追加した。
 DEW には高出力レーザー、高出力 RF 兵器が含まれる。
2002.12.11 Inside Missile Defense Navy envisions surface combatants with powerful laser guns  米海軍は FEL (Free-Electoron Laser) 技術を用いた艦船搭載用の 100kW 級レーザー砲の研究をエネルギー省 Thomas Jefferson 研究所と合同で進めている。
 同研究所は昨年、2.2kW の出力を得ており、近い内に 10kW 以上の出力が期待されている。 海軍は 3年以内 に 100kW 級の開発を行う意向を示しており、4〜5年後には兵器システムとしての開発、10年 以内の DD(X) への搭載をねらっている。
2002.12 Jane's Missiles & Rockets High-energy laser hits artillery projectile in flight  MTHEL 開発の為のテストベッドが、WSMR で飛翔中の砲弾の破壊 に成功した。
 MTHEL の元になった THEL は、2000年〜2001年に行われた試験で、Katyushaロケット25発の撃破に成 功している。
2002.12 National Defense Tactical Laser weapons still many years away  DoD は来年から 2年間の計画で $49M 以上を投じ、将来戦闘機、海軍艦艇及び陸軍車両に搭載する 高出力ソリッドステートレーザーの研究を行う。
 ソリッドステートレーザーの出力は現在、25kW 級の開発が行われているが、戦術兵器としては最小限100kWが必要 とされ、実現には5〜10年を要するとみられている。
 高出力レーザーの技術的課題は出力損失の低減と冷却にあり、特に現状の技術では 100kW の出力を出すために 900kW の損失があるとされる。
2002.11.14 Inside the Pentagon MDA's laser program focuses on a few key technologies  MDA 当局は LTP (Laser Technology Program) において 7〜8件のレーザー技術に注目し研究を進めることを明らかに した。
 これは設計チームによる大規模な試験計画から将来の宇宙レーザー計画に適用する技術の研究開発に方針を変更するもので、構成技術 には数100km 以遠から対象脅威を識別する Strategic Illuminator や 中継用の光学装置及びレーザー検知性能向上研究等があげられて いる。
2002.11 Jane's Missiles & Rockets MTHEL development to accelerate  米陸軍は MTHEL 追加予算を組み、開 発の促進を図る計画である。
 THEL は既にイスラエルに送られて試験が継続されているはずであるが、依然として WSMR 内の施設で MTHEL 開発に利用されている。
 THEL は今までに25発の122mm Katyusha ロケットを破壊したが、現在は固定された砲弾の破壊試験が行われて いる。
 陸軍は MTHEL に加えて固体レーザ兵器の開発を行っている。 25kWの試験は2004年末までに行われ、2007〜2008年に は100kWの試験が計画されている。
2002.10.30 Jane's Defence Weekly The 'Standard' response
= 米海軍のミサイル防衛計画の現状に関する記事 =

 SM-2 BlockWA 計画は昨年12月に中止となったが、MDA は SM-3 が近く operational となり、中短距離 TBM に対して限定的な対処能力を保持できると見ている。
 更に本格的な BMD インターセプタは SM-3 の改良型とするか、新たなミサイルとするかについて、MDA はまだ決めていない。
 いずれにせよ膨大な開発費を負担しきれないため、共同研究を進めている日本と共同で SM-3 の改良をしたい としている。
 MDA は GMD 支援用として、洋上 X-band レーダ(右図上)の建造を検討して おり、2006年までには太平洋でミサイル防空試験に使用したいとしている。
 艦載半導体レーザ(右図下)はミサイル防衛にはパワーが不足するが、TRW社は将来の艦船防空に有効である と見ている。
2002.10.03 Inside the Pentagon Navy laser weapon plans surging with focus on 'Free'electrons  米海軍は艦船搭載用に FEL (Free Electron Lasers) を導入する意向で、充分な予算が獲得 できれば 2〜3年後には 100-kW 級の試験が可能なことを明らかにした。
 海軍は Thomas Jefferson National Lab に研究を依頼、同研究所は秋までに 10-kw の出力を得られ、100-kw 級の出力は 2年以内に可 能とされる。 その後は Barking Sands Pacific Missile Test Range に管理を移し海上環境下での試験を行いたいとしている。
 研究総経費は 8年間 $507M。
2002.08.12 Inside the Army RAND report calls for stronger R&D for short-range air defense  米陸軍の RAND (Research and Development) レポートは今後 20年間の経空脅威に対し、短距離防 空に関する研究開発を強力に推進する必要性を軍に求めている。
 報告では中長距離の Patriot や MEADS を引き続き展開すると同時に、CM や UAV、砲迫システムに対処するレーザー 防空兵器及び低空侵入する CM を探知追随する気球や航空機搭載システムの開発推進を提言している。
 同報告書の内容はほぼ FT.Bliss 防空センターの将来計画に一致しており、陸軍では SLAMRAAM を 2007年に展開、2018年までに Stinger ベースの兵器システムを Kinetic エネルギー技術を用いた EAADS (Extended Area Air Defense System) に更新する計画となっている。
2002.08 Jane's Missiles & Rockets MTHEL awaits agreement with Israel  MTHEL 計画今年中に開始されることになり、 2002年に契約、2008年プロトタイプ取得が計画されている。
 米陸軍はイスラエルとの共同研究 THEL 計画には予算上参画していなかったが、MTHEL にはFY-03に $3.5M計上しているのを手始めに、総予算$120Mを見積もっている。
 MTHEL は電源、射撃統制レーダを含む全システムを3両の車両に搭載し、全車C-130での空輸 可能なシステムを考えている。
 これには ABL ATL で培われたレーザ技術の発展が寄与している。
2002.08 Jane's Missiles & Rockets China hopes to counter US ABM defences
= 中国の ICBM 等戦力増強に関する記事 =
 中国は ABM に対抗するため ICBM の増強、複数弾頭化などを図っている。 現在中国は米国まで到達可能な ICBM を20基程度配備して いるが、2005年までには30基、2010年までに60基に増強される。
− その他 BLBM, IRBM, SRBM の増強に関する内容(略) −
 HQ-9 SA-10 と共通の技術を用いたSAM で、高性能航空機、巡 航ミサイル、ASM 及び TBM 要撃能力を持つ。
 また、ロシアと共に対空用の HPM (High-Powered Microwave) 兵器 Ranets-E の開発に関与している模様であ る。 この兵器は精密誘導兵器の誘導を妨害する。
 更に地上設置の HPM を ASAT (Anti-Satelite) 用に使用することも検討されている模様である。
2001.07.01 Aviation Week & ST Threat perception casts doubt on Laser Preject  米国とイスラエルによる MTHEL (Mobile Tactical High-Enargy Laser) の共同開発 は近日中に結論に達する模様だが、両国の対象脅威に関する認識は異なっており、プロジェクトの推進に疑問の 声もあがっている。
 THEL の試験はこれまで WSMR でカチューシャロケットに対し繰り返し発射実験ガ行われているが、装置は大きすぎて機動性をもたせる ため、MTHEL 開発が検討された。
 米軍は MTHEL の目標に射程の短い迫撃砲程度を考えているが、イスラエルはイランの Fajr -3 (射程43km) や Fajr-5 (開発中、射程70km)を想定しており、合意に達するまでには時間を要する模様。
 米軍では MTHEL を C-130 で輸送可能な、レーザー用、探知レーダー用及び燃料用の 3車両構成を考え、2008年の試作機完成を目指し ているが、イスラエルはこの仕様では新型のロケットには対処できないとして難色を示している。
2002.06.03 Inside the Army Army, Israel in negotiations on Mobile Tactical High-Energy Laser  米陸軍は MTHEL 計画の年内契約を目指し、イスラエルとの最終合意に向けて調整を 行っている。
 調整内容は開発実施にあたっての経費分担とシステム要求内容の定義付けで、来月中には合意する模様。
 軍は FY03〜07 に $118.5M を要求中で、2008年にプロトタイプの製造を計画している。
 試作品の価格は $300M〜$600M の間と予測されている。
2002.05.01 Jane's Defence Weekly USN focuses again on directed-energy weapons  米海軍は画期的技術として DEW (Directed-Energy Weapons) の研究開発を再開している。
 米海軍は1970年代初期から DEW の研究を行い、最初のメガワットレーザ MIRACL (Mid-IR Advanced Chemical Laser) を試作したが、その後経費増などで中断していた。
 昨年には NAVSEA (Navy Sea Systems Command) に DEW Program Office が開設された。
2002.02 International Defense Review US Army tests compact high-energy laser  米陸軍は、WSMR で SSHCL (Solid State Heat Capacity Laser) の試験を開始している 。
 SSHCL は、Lawrence Livermore 国立研究所で製作され、2001年8月に陸軍へ引き渡され、翌月から試験に入っている。
 現在の装置はランプ励起式で10〜13kWの出力を20Hzで発振するものであるが、プロトタイプでは HMMWV に搭載する 100kWのダイオード励起式となる。 年末にはこの装置で使用される9基の増幅器のうち3基の試験が始まり、2004年には100kW の全出力による試験、2007年には車両に搭載しての100kW出力試験が行われる。
 SSHCL は攻撃及び防御兵器としての応用が考えられていて、防御用としてはミサイル防衛、防空への利用が 考えられている。
2002.02.04 Inside the Army Army preparing for solid-state laser demonstration next year  米陸軍は 2003年に機動型レーザーシステム開発のキーとなる重要な試験を行うことを明らかにした。
 SMDC 当局によると、試験は今年ソリッドステートレーザーの安定性と高品質レーザービーム生成試験を W.S.M.R で行い、来年は更に 重要な温度管理と電源装置の試験に挑戦する。
 この結果如何でシステムの小型化や戦術的操用性が明らかとなり、実用化に1歩前進する。
2002.01.14 Aviation Week & ST Interest in laser weapon grows among all services  DoD はこのほど、空軍と陸軍がそれぞれ進めている戦術レーザー兵器の研究開発に海軍が新たに 加わることを明らかにした。
 海軍は現在、陸軍の Helstf (High Enargy Laser Systems Test Facility) 施設借用について調整を行 っており、将来的には艦載用レーザー兵器に比較的安全性の高いソリッドステートレーザー技術を適用する意向をもっている。
2001.12.10 Inside the Army Tactical high enargy laser effort faces precarious funding situation  米陸軍は車載型 MTHEL の開発を FY-03〜07 に $118M で計画し、FY-03 に開発予算を計 上することを決定したが、FY-02 の THEL 予算が査定落ちしたことから開発継続の復活折衝を行う。
 下院では $10M の予算が認可されたものの、上院予算委員会は共同開発を行っているイスラエルの動向が不透明とし FY-02 の THEL 予算を削除した。 陸軍 SMDC は事業継続のため、$25M を再度要求する。
2001.12.03 Inside the Army SMDC pushes Tactical High Energy Laser developmental efforts  米陸軍の SMDC は THEL (Tactical High Energy Laser) の試作機開発作業を速やかに完了すると共に、 2002年末までに車載型 THEL の研究開発に着手する。
 THEL 試作機の完成により計画は次の段階に入り、カチューシャやその他短距離ロケットに対する評価試験を行う。
 車載型は、先月 TRW が SETS (System Engineering Trade Study) を受注、研究が開始される。  SMDC では 2008年の実用化を目指し、基本型 1基あたり $300M〜$600M と見積もって いる。
2001.11.08 Inside the Pentagon Defense Department looking for High-Energy Laser research ideas  DoD が昨年設立した JTO (Joint Technology Office) は高出力レーザー技術に関する提案を広く求めている。
 提案期間は 1年間で予算は $1M 、以下の 6項目の提案を求めている。
  ・ビーム制御構成技術
  ・化学レーザー技術
  ・戦術ビーム制御
  ・ソリッドステートレーザー技術
  ・高出力レーザーのモデリング
  ・自由電子レーザー技術
2001.10.17 Inside Missile Defense Science board: 'family' of laser weapons feasible in next 20 years  米国の防衛科学協会 (DSB:Defense Science Board) はこのほど、今後 20年間にわたるレーザー兵器ファミリー化 の可能性に関する見解を発表した。
 同協会は現在行われている ABL、SBL 及び THEL の開発を更に進展させ、将来には 陸軍の Objective Force の中核となる FCS (Future Combat System) 及び HELSTAR (High Enargy Laser System-Tactical Army)、戦闘機への搭載(THEL Fighter)、地上レーザー装置による衛星の制御及び PKF 等の人道支 援用非殺傷レーザー兵器等が実用化するとしている。
2001.10.17 Inside Missile Defense Top defense scientists urge big increase in laser research funding  米国の防衛科学協会は高出力レーザーの軍事利用の潜在的有効性から関連する科学技術研究に十分な予算を充当す ることを求めている。
 DSB (Defense Science Board) はレーザーシステムに関する基本研究プログラムの予算は現状で極めて低く抑えられており、少なく とも年間 $100〜$150M が必要としている。
2001.10.17 Inside Missile Defense Army unveils solid-state laser test bed at White Sands Missile Range  米陸軍は 9月末に HELSTF (High Energy Laser Systems Test Facility) を ローレンス リバモア 国立研究所から WSMR に 移転したことを明らかにした。
 予算状況によるが軍は 2006年からソリッドステート レーザーの技術開発段階に移行する予定であり、来年度は約 $19M を予算化している。
2001.10.03 Jane's Defense Weekly US Army unveils solid-state laser  米陸軍はこのほど、将来戦闘システムに適用する 10kw ソリッドステートテストレーザー装置を WSMR の高出力レ ーザー試験施設で初めて公開した。
2001.09.17 Defense News Israeli military resists additional THEL funding  イスラエル軍当局は、国防省と米 DoD が今年末 MoU 締結を予定している MTHEL に関する4年間 $400M の予算増 額に反対している。
 軍当局は、周辺諸国のロケット攻撃の脅威は現状でも厳しいものであり、機動性よりも安価で多くのシステムを 早急に開発装備すべきと主張している。
2001.09.10 Inside the Army Army officials plan to begin developing mobile tactical laser in FY-02  米陸軍は FY-02 から MTHEL (Mobile Tactical High Enargy Laser)システムの 開発に着手するための予算要求を継続して行っている。
 議会の軍事装備委員会は先週、MTHEL 予算として $10M を認可したが議会承認は得られていない。 陸軍は充分な予算的裏付けが得 られれば、おそくとも 2008年には装備化が可能としている。
 THEL は現在、多くの試験を予定実施中で、MTHEL に関しては開発要領等の検討中といわれている。
2001.08.13 Aviation Week & ST Killing missiles at the speed of light
= 米国の対ミサイル用レーザー兵器開発の現況 =
・米国は20年以上にわたり高出力レーザーの研究を進めてきたが、ようやく推進段階の弾道ミサイル対処に必要な試験を行う段階に 到達した。
・DoD は、推進段階の弾道ミサイル対処可能時間は5分以下と見積もっており、指向性エネルギー兵器の開 発を極めて重視している。
・最も進んでいるのは空軍の ABL(Airborne Laser) で、747-400F 機の換装は現在 80%を終了し、来年早々試験を開始する。
・SBL(Space Based Laser) は 2012年の試験を目標に研究中で、運用は 2018年以降となる模様。
・ABL 及び SBL とは性格が異なるが、陸軍は THEL(Tactical High-Energy Laser) で、極めて難しいといわれるカチューシャロケッ トの迎撃に成功した。
2001.08.09 Inside the Pentagon House authorizers want annual review of all directed-enargy work  米議会はこのほど、DoD の HEL JTO (High-Enargy Laser Joint Technology Office) に 2000年 3月に作成した Directed-enargy 計画の見直しを求めた。
 議会の装備取得委員会は HEL の開発はより幅広く行う必要があるとして、HPM (High-Power Microwave) や RF (Radio Frequency) 兵器を含む技術を取り込むことを求めている。
2001.06.20 Jane's Defence Weekly US Army reviews research for EAAD programme  陸軍は DoD の予算承認がないまま、 EAAD (Enhanced Area Air Defense) 計画の研究を開始 した。
 EAAD は2015年以降の防空を考えるもので、MTHEL (Mobile Tactical High-Energy Laser) や DARPA の Small Low-Cost Interceptor Device も候補になっている。
 EAAD が防護しようとしているものには、ロケット砲弾や砲迫弾も含まれている。
 現在関心が持たれている技術には、レーザ高電力マイクロ波 電磁砲HVR (Hyper-Velocity Rocket)、高初速砲などがある。
2001.04.09 Defense News US Navy seeks larger share of antimissile funds  海軍は DoD のミサイル防衛予算により多くのシェアを獲得するため、世界的規模のミサイル防衛ネットワーク推 進に関する提案を行っている。
 これはブッシュ政権のミサイル防衛重視政策に対応するもので、近い将来のミサイル防衛オプションとして現在開発中の Area and Theater Wide を基礎とした3つの計画を提案している。
 ・Enhanced Theater Wide Contingency
    2005年までに $1.4B〜$1.8B
 ・Enhanced Theater Wide Tactical
    2008年までに $3.5B〜$4.5B
 ・Navy Regional Defence
    9年間で $8B〜$105B
2001.03.28 Jane's Defence Weekly Boeing considers feasibility of plasma-based weapons  Boeing社の Phantom工場は、将来の極超音速航空機用のプラズマ砲の可能性を検討して いる。
 同社は、Mack 8.0 で飛行する機体の周りに自然に発生するプラズマの一部を取り出し、これをプラズマ 砲に利用する可能性の実証を目指している。
 自然発生プラズマの利用法には、取り出したプラズマでレーザを励起し、レーザ砲として使う方法と、 プラズマを強い磁界で対空、対地用の'弾丸'にする方法の2種類の方法が考えられている。
 プラズマ砲弾については、1990年代に 'Shiva Star'計画があり、1995年には 3,000 km/secを実現している。
 この計画は20世紀末までに 10,000km/sec(光速の 3%)達成を目指していたが、1990年代後半に中止になった。
米空軍の 'Shiva Star' に関する資料
2001.03.28 Jane's Defence Weekly US boost for directed-energy  米陸軍 SMDC と、エネルギー省国家核安全管理本部は、 3月16日に指向性エネルギー兵器開発の本格的な協力を行 う MoU に署名した。
2001.03 International Defence Revew US co-ordinates work on HEL weapons  DoD は 高エネルギーレーザー (HEL) プログラムに関する研究開発、予算化を統合技術局 (JTO) に一本化する。
 JTO は HEL の調査研究、計画の事業化及び企業振興を担任し、FY-01 には民間企業及び大学の基礎調査に $1.9M以上、応用調査研 究に $10M を予算化する予定。
2001.01.01 Aviation Week & ST Army advances tactical lasers  陸軍は THEL (Tactical High Enargy Laser) による目標迎撃試験の成功を基に新しい戦術レ ーザ ATL (Advanced Tactical Laser) の開発に動き出す。
 ATL は車載化を目指す THEL と異なり、空軍の ABL (Airbone Laser) と同様の技術を用い、CV-22、CH-47等のヘリコプターと CH-130 輸送機に搭載する。
 基本構想ではヨー化酸素化学レーザ (Coil) を用い、出力 50〜75kw、射程は数km とされている。
2000.11.09 Inside the Pentagon Navy focusing on develoing laser for next-generation destroyer  米海軍は、最近の陸軍と空軍のレーザ兵器研究の進展成果を踏まえ、この数年中断していた次世代駆逐艦 DD-21 へのレーザ兵器搭載の実現性について、FY-02 以降年間 $2M の予算で研究を再開する。
 研究内容は主として巡航ミサイルに対処するためのレサリテイ、損害のメカニズム、レーザの海上伝播の状況等について。
2000.10 Jane's Missiles & Rockets THEL kills a two-rocket salvo  W.S.M.R で 8月28日以来行われている THEL の第2次発射試験で、 6月17日の単一目標の要撃成功に引続き、距 離16q 、速度330m/sec で発射されたソ連製 122o ロケットの同時2目標要撃に成功した。発射試験は今後も予定されており、FY-01 に米国は $15M を、イスラエルは $7M をそれぞれ予算化している。
2000.10.30 Defense News Successful THEL tests raise warning flag for US Arsenal  Kosovo での Operation Allied Force 作戦で、精密誘導爆弾が多大な成果を上げたのにかかわらず、米国の自 由落下型の PGM や地上攻撃用のミサイルの装備化に危険信号がともっている。
 この夏米国とイスラエルは THEL によるカチューシャロケット弾の要撃に成功した。 しかしながら中露も THEL と同じようなレーザ兵器の開発ができ、これが第3世界に輸出される可能性がある。
 カチューシャは Mach 3 で飛行するのに対し、JASSM (Joint Air-to-Surface Standoff Missile) は、180 nm を 22分で飛行する。(註:Mach 0.74 相当) 米国はレーザ兵器に対抗するため、超音速、 超低空巡航ミサイルを速やかに開発する必要がある。
 ロシアのシースキミング、ラムジェット推進対艦ミサイルの AS-17 (Kh-31) は、30ftの高度を Mach 2.7 で回避行動をしながら飛行することができる。 1997年に行われた実射展示では、 米海軍はもしこれを撃墜しようとしてもできなかった
 中国はロシア製の SS-N-22 Sunburn を装備しようとしている。 SS-N-22 は Mach 2.5 で飛行する巡航ミサイルである。 これらのミサイルであれば THEL タイプの兵器を回避できる可能性がある。
2000.10.30 Aviation Week & ST Directed-Energy threat inches forward  DoD の指向性エネルギー兵器に関する展望について、戦術的な使用は今後10年間は予想されない。
 RF 兵器の効果は以前から重視されていて、議会は FY-01 の国防予算項目に EMP の脅威評価を要求している。
 至近距離の目つぶし用レーザ兵器は既に実用化されており、ロシアは連隊に装備している。 また中国 は輸出を計画している。
2000.10.25 Jane's Defence Weekly US Army aiming to set new THEL variant in motion  米陸軍は、現在の THEL が運用環境にそぐわないことから、移動型の開発を希望している。
 陸軍 SMDC 司令官は、THEL はデリケートで多大の整備所要をすることから、運用にはふさわしくないと言っている。 陸軍は THEL の小型軽量化を図り、軍の車両に搭載可能なものにしたいとしている。
 陸軍は、長期的には半導体レーザに関心を示しており、WSMR に 10kw の半導体レーザを設置しようとして いる。 SMDC 司令官によると、これは HELSTAR (High-Energy Laser System Tactical Army) の一環で、 最終的には HMMWV に搭載する 100kw の半導体レーザの、FY-05 〜 FY-06 での実現を目指している。
2000.10.23 Inside the Army Army and Israel want mobile version of High Energy Laser  陸軍とイスラエルは THEL システムに運用の柔軟性を持たせるため、機動型 THEL(MTHEL) の開発をのぞんでいる。
 開発目的は2つあり、1つはイスラエルの緩衝地帯からの本年5月の撤退によるレバノン領内からのロケット攻 撃脅威の増大、もう1つの目的はは固定サイト型は脆弱で作戦上の使用に適さないとしていることによる。
MTHEL の試作は現在未承認であるが、SMDC によると、MTHEL のシステム研究は FY-01 の THEL 予算 $15M の一部 ($5M) 以下で行 われる模様。陸軍は、MTHEL 試作1セットの開発経費を $300M 以下で検討している。
2000.10.05 Sacse & Missile Defence Report Pentagon seeks High Enargy Laser technology  DoD は FY-01 の High Enargy Laser プログラムで約 $10M を充当して、1年以内に広く民間企業及び大学に 先進的技術提案を要請した。要請は1機関あたり $1M 以下でその内容は7つの分野に区分されている。
  ・化学レーザ(エアボンレーザ用ヨー化酸素レーザ)
  ・フッ化水素レーザ(海上レーザ用)
  ・フッ化重水素レーザ(機動型 MTHEL 用)
  ・自由電子レーザ
  ・レーザビームコントロール
  ・レサリテイ
  ・High Enargy Laser システムの開発に必要な先進技術とその概念
2000.09.13 Jane's Defence Weekly IDF sceptical about THEL  イスラエル軍は THEL に懐疑的である。 イスラエル軍司令官達は、THEL の早期配備 を政府に働きかけないと言っている。
 彼らによると、ヒズボラは南レバノンからカチューシャ100発の斉射を行っている。 国境沿いに配置し た3基の THEL では、この様な斉射に対応できない。
 また、ヒズボラはイランから射程 100kmの「改良型カチューシャ」を入手している。
2000.09.06 Inside Missile Defence THEL officials mull whether demonstration will be shipped to israel  米陸軍当局によると、米国とイスラエルは THEL 試作のレーザ装置を米国テスト終了後イスラエルに送り、予定 通りテストを続けるか、そのまま残置し現在焦点となっている車載型システム開発のテストベッドとするか決めかねている。
2000.09.04 Aviation Weeks & ST New missile defense technologies pushed  DoD は、PAC-3 などに続く将来ミサイル防衛システムの検討に入りつつある。
 陸軍はレーザを利用した EAADS (Extended Area Air Defense System) を検討している。EAADS はロケット弾や砲弾を撃破する ものであるが、有人、無人機や弾道弾の撃破も考えている。
 海軍は新型のミサイルを考えている。このミサイルは空気抵抗を減らすことにより速度を30%向上させるとともに、シーカを単 純化する。
2000.09 軍事研究 実用間近いレーザー迎撃兵器
【弗化重水素レーザを使用する理由】
 弗化水素ガスダイナミックレーザ(GDL)は、炭酸ガスGDLに比べて高出力が期待できるが、波長が2.5〜3.5μ(炭酸ガスGDLは9.35〜 10.6μで、大気の窓の中)で大気減水され易い。
 重水素は水素に比べて高価であるが、弗化重水素GDLは大気減衰を受けにくい 3.6〜4.2μの波長で好都合 である。
2000.09.18 Defense News International missile programs struggle

Israel doubts THEL effectiveness; seeks better laser missile defense

 イスラエルは、現在米国と開発中の THEL が効果的にカチューシャロケット弾や砲弾を撃破できるか疑問視して いるが、将来への足懸かりとして配備を急いでいる。
2000.08 Jane's Missiles & Rockets Israel plans frontline THEL deployment  THEL は9月か10月にイスラエルに運ばれ、追加試験が行われる予定である。THEL はイスラエル北部に複数配備 されるが、最小限3個システムは必要であると見られる。
 THEL はミサイル目標を3秒以内で撃破するが、これに対し1996年に米陸軍が MIRACL (Mid-Infrared Active Chemical Laser) で行った試験では15秒かかった。
 イスラエル国防軍は、今後 THEL の能力を増大させて SCUD 級の中距離ミサイルや、イランが開発中の Shehab シリーズの長距離ミサイルの撃破にも使用したいと考えている。
2000.08 International Defense Review Beam weapons revolution
(米国の各種レーザ兵器開発の現況に関する記事 全8頁)
2000.08.31 Inside the Pentagon Army tactical laser shoots down rockets simultaneously  THEL による、2発の標的ロケットの同時撃破試験は8月28日に実施され成功した
 標的ロケットは 16kmの弾道を 330m/s で飛行していた。試験は4回実施され最初の2回はレーザ照射に至らず、3回目は1発目の 撃破に成功したものの2発目は撃破できなかったが、4回目に成功を収めた。
 今後の多目標撃破試験は9月中旬に予定されている。
2000.08.28 Inside the Army THEL official mull whether demonstrator will be shipped to Israel  米国とイスラエルは、公式には THEL を試験終了と同時にイスラエルに運ぶとされているが、イスラエルに運ぶ か、引き続き米国に置いて移動型開発のテストベッドとして使用するか、決定しかねている。
2000.08.28 Inside the Army Army finds energy laser malfunctions caused by software glitches  陸軍は THEL のソフトウェアデバッグをメーカに要求している。
 WSMR で行われた THEL によるロケット迎撃試験において、レーザは電子的な間歇的トラブルにより過早に発振を停止した。
2000.07 Jane's Missiles & Rockets THEL downs a Russian rocket  6月6日、THEL による122mmロケットの要撃に成功した。要撃距離は約 600mであった。
 引き続き2発目の試験を実施しようとしたが標的ロケットの方向がずれたため THEL の有効射程に入らなくなり、実験は中断され た。
 次回の試験は7月か8月に、単一目標に対する2回目の実験と、複数目標に対する初めての要撃が予定されている。
2000.07.31 Defense News US laser-weapon programs face uncertain future  米陸軍 SMDC 司令官のコステロ中将が、将来の陸軍兵器はレーザを使用することによりより効果的になるが、こ の構想を実現するために陸軍は政治的、科学的な困難を克服しなければならないと言っている。彼によると陸軍内においても異論を 唱える者もいる。
2000.07.24 Inside the Army THEL test cut short by electrical malfunction, but still gives insight  7月17日、WSMR で THEL による複数目標迎撃試験が行われたが、数日前の雷によって生起したと見られる 冷却装置の故障により装置の温度が上がりすぎたため、試験を中止した。
2000.07.12 Inside Missile Defense Army pursuing a new defense system, eyes first tactical laser  米陸軍は、野戦用レーザによる新しい防空システム、EAAD (Enhanced Area Air Defense) 構想を推進する。EAAD は戦場における人的損害の 50〜60%を占める砲迫弾から人員を防護すると 共に、UAV や航空機に対しても有効な安価な手段である。
 現段階で陸軍は4つの選択肢を考えており、それぞれは以下の通りである。
  ・HELSTAR (THEL)
  ・半導体ファイバオプティックレーザ
  ・小型化学レーザ
  ・電気化学/酸化沃素レーザ
2000.07.10 Inside The Army Supplemrntal spending package breathes new life into THEL program  米議会はFY-00追加予算でTHELに$5.7Mを認めた。この追加分によりTHELの複数カチューシャ弾に対する実射が行 われる。
 また7月末にはTHELをイスラエルに発送する前に行うべき改良点を明らかにするための試験が行われる。
 FY-01になるとTHELには、政府要求ではなく議会が配分した$15Mの予算がつく。
2000.06.22 Inside The Pentagon Officials discuss program schedule, dire budget for tactical laser  米イスラエル共同開発THEL計画の関係者は、複数目標に対する撃墜試験は追加予算を得て8月中に実施されると の見通しを明らかにした。
 THELはFY-01後半には、イスラエルに運ばれて配備されることになっている。
2000.06.14 Inside Missile Defense Multiple-rocket intercept tests next up for tactical laser system  THELによる単一ロケット目標の要撃に成功したことから、複数ロケット目標に対する要撃試験がこの夏には実施 される模様である。尚、そのためにはシステムの若干の改修が必要となる。
2000.06.14 Jane's Defence Weekly THEL hits 'Katyusha'-type rocket in first test  6月6日、THELによる実目標要撃に成功した。
2000.06.12 Inside the Army Multiple-rocket intercept tests next up for tactical laser system  THEL は単一ロケット目標の迎撃に成功したのを受け、若干のシステム変更を加えてこの夏には複数目標迎撃試験 を行う。
 THEL プログラムマネージャは、次の試験に必要な予算は十分ではないが複数目標迎撃試験は是非行う必要があると言っている。
2000.06.12 Aviation Week & ST THEL laser kills short-range missile  6月6日、THELによる実目標要撃に成功した。
 目標のカチューシャロケットは、THELの置かれた位置より10〜15km離れた位置から発射された。
 まずFCSレーダが目標を捕捉し、そのデータをCommand and Controlシステム に送って識別を行い、光学追随サブシステムに追随指令を出した。
 粗追随はFLIRによって行われ、次いで低出力レーザで目標の弾頭部に対する精追随 が行われた。
 撃破は弗化重水素化学レーザに依って行われたが、照射時間は秘になっている。  イスラエルとアメリカは既に移動型の開発についての合意文書作成に動いている。移動型は数個の輸送コンテナサイズ構造物で 構成され、コンクリートパッドの上に設置されることになる。
2000.06.09 読売新聞 レーザで迎撃、米陸軍実験成功  米陸軍は7日、THELにより数キロ先に飛来したカチューシャ弾を破壊する試験に成功した。
 THELは数カ月以内にイスラエル軍に引き渡され、レバノン国境地帯に配備される。又在韓米軍への配備 も検討されている。
2000.06.08 Inside the Pentagon US-Israaeli tactical laser hits a rocket in flight for the first time   6月6日、THEL による122mmロケットの要撃に成功した。要撃距離は約 600mであった。
 引き続き2発目の試験を実施しようとしたが標的ロケットの方向がずれたため THEL の有効射程に入らなくなり、実験は中断され た。
2000.05.31 Jane's Defence Weekly Technical problems delay THEL test  5月下旬に予定されていたTHELによる実目標要撃試験は、ミラーの焼損により磨き直しが必要となったため 延期されることになった。
 THELは一連の試験終了後イスラエルに送られ追加の試験を受けることになっている。
2000.05.24 Jane's Defence Weekly Making Light Legal  目に障害を与えることを目的としたレーザ兵器の使用を禁止した1995年ジュネーブ条約議定書を考慮して、米軍 は新しいタイプのレーザ兵器を目指している。
 陸軍SMDC ( Space and Missile Defense Command ) の広報官は、THELは目に障害を与えることを目的としたレーザ兵器ではない ので許されると説明している。
2000.05.22 Defense News Israel officials seek mobile version of laser missile defense system  今年計画されているTHELの試験に成功すれば、イスラエルは米国と移動型THELの開発に入りたいとしている。
 THELの最初の単機実目標要撃試験は5月下旬か6月上旬に計画されているが、9月末までには複数ロケットに対する試験が行 われる予定である。
2000.05.15 Inside The Army SMDO hopes upcoming tests ignite interest in mobile laser system  SMDOは来るTHELのテストに大いに期待していて、これが移動型の予算取得を加速するであろうとしている。
 国防総省はFY-01の政府予算案にMTHEL予算は積んでいないが、高出力レーザの研究には約$1Mを計上している。
 これに対し上院軍事委員会は先週、THELについて$15Mの追加を認めたと語った。
 陸軍は5月末までにカチューシャ・ロケットに対する実射試験を行い、これに成功すれば夏には多目標対処試験を実施する予定 である。
2000.05.10 Jane's Defence Weekly Successful test for THEL  TRW 社製の THEL (Tactical High Energy Laser) が、WSMR において静止目標の撃破実験に成功した。
 THEL はこの後今月中にカチューシャロケットの要撃実験を行う予定である。
2000.05.03 Inside Missile Defense SMDC anticipates first THEL rocket shoot-down in next three weeeks  米陸軍は今月末にTHELによる最初のロケット砲弾撃墜実験を実施する。
 今回の実験は単一目標との交戦であるが、成功すれば続いて多目標交戦試験を実施する計画である。
 しかしながら予算は、多目標交戦試験までの分は確保されているものの、その先は不明確である。陸軍ではシステムをイスラエ ルに搬出するまでに更に$5.7Mが必要であるとしている。
2000.04.12 Jane's Defence Weekly THEL approaches crucial tests  米陸軍とイスラエルは、THEL (Tactical High Energy Laser) の追加予算を議会から得るため、向こう数ヶ月間 に実証試験を行う。
 試験はホワイトサンズの他、北部イスラエルで実施される。
 計画は1999年4月に潰れそうになっている。国防総省はFY-01にTHEL及び陸軍のMTHEL (Mobile THEL)に関する予算要求は行って いない。
2000.04.06 Inside the Pentagon DoD review panel touts lasers' offensive, non-lethal applications  DoDの Laser Master Plan によると、 High Energy Laser (HEL) が防空において 容易に利用が可能なのは、エリア又はポイント防空における巡航ミサイル、ロケット、 航空機対処の場合だけである。
 THELによるTBM対処はかなり困難である。
THEL Weapons' Effectiveness Aganst Potencial Targets
2000.02 International Defense Review Israel and US ponder future of laser weapons  米陸軍とイスラエルはTHEL(Tactical High Energy Laser)の今後の取り扱いについて苦慮している。
 THELは1月末か2月の上旬にカチューシャ単発の撃破を計画しており、それに引き続く2ヶ月間に斉射の撃破を行う。
 しかしながら計画は、予算オーバーにより実質的には昨年末で終了している。今後実験装置をイスラエルに運んでもその 据え付けに半年はかかるが、まだ何も始まっていない。そのままWhite Sandsの実験設備に残しても実験の継続に必要な経費 の裏付けはない。
 米陸軍はこの実験結果を将来のレーザ兵器に利用したいとしている。
 議会は、Lawrence Livermore 研究所で開発している半導体レーザに注目している。Lawrence Livermore 研究所では100kwの半導体レーザを目指している。これが成功するとTHEL実験機の1/5〜1/10の大きさになり、HMMWV に搭載するレーザ兵器が可能になる。

 THEL用のFCS RADARは、ARROW用RADARの1バーションである。

1999.12.15 Inside Missile Defense THEL needs hardware fixes before it can be field in Israel  陸軍及び会社の関係者によると、THELはイスラエルにおける実運用に入る前に、何ヶ所かのハードウェア 改修が必要であるが、現在の予算にはその費用が含まれていないとのことである。この改修には8〜9ヶ月かかるため、イスラエルの希望する2001年運用開始は難しい。
 THELは1996年に米国とイスラエルの共同で開発が開始され、弗化重水素レーザを使用している。
1999.12.15 Inside Missile Defense Army planning first THEL intercept attempt early next year
(既報と同一内容の記事)
 3主要構成品のうち、THELとPointer tracker and laserの連接は1月の上旬に行われ、引き続きPointer tracker and laser とC3Iの連接が行われる。
1999.12.13 Defense News Funds shortage may delay THEL transfer to Israel  THELによるカチューシャ砲弾に対する要撃試験は2000年の早い時機に行われるが、資金不足からイスラエルへの出荷は遅れることになりそうである。
 資金の目処がつけば9ヶ月以内に出荷できるものが、今のところ2001年以前での出荷の見込みはない。
1999.12.10 BMD Monitor THEL prepares for live testing  来月末にカチューシャに対する実射をすべく準備中である。試験は2000年4月に終了し、その後イスラエルに 送られて試験が継続される。
 10月には飛行中の目標に対して、C3サブシステムと照準トラッカの統合試験に成功している。
 開発費用分担は、「Single Rocket Shoot down」までTRW社が50%、残りを米イ両国が負担し、その後はTRW社が25%負担する事になっている。
1999.11 Jane's Missiles & rockets THEL ready for Live-fire testing  THEL(Tactical High Energy Laser)の開発は議会の積極的な支援でFY00に$10Mがつけられた。実目標に対する射撃(?)は、2000年の早い時機に計画されている。
 THELによる122mmロケットの撃破は、捕捉レーダで目標を探知した後に、レーザを用いたPTS(pointer tracker system)で追随し、 弗化重水素を用いた化学レーザメガワット級のレーザ光を照射して行う。
 米陸軍では、移動型のシステム(MTHEL : Mobile THEL)をイスラエルと韓国で運用することを考えている。
 陸軍では約$250Mの開発費が認められれば、6年以内に実用化できるとしている。
1999.10.27 Jane's Defence Weekly THEL on course to shoot down Katyusha rockets  米陸軍は、W.S.M.R で 10月12日に成功した実目標追随試験の結果をもとに、 THEL/ACTD(Tactical High Enargy Laser/Advanced Concept Demonstration)システムによる初めての Katyusha ロケットに対する実射試験を 3ケ月以内に行う。
1999.10.13 Jane's Defence Weekly THEL to undergo integration tests  米国とイスラエルが共同開発中の THEL は W.S.M.R に運ばれ、全てのサブシステ ムを統合した一連の試験を準備している。
1999.09 International Defence Review US Army continues to pursue high-enargy laser weapons  米陸軍の SMDC(Space and Missile Defence Command) は MTHEL(Mobile Tactical High Enargy Laser) の構想決定に必要な情報取得に関し、関連企業の支援を要請している。
 MTHEL はイスラエルと韓国での運用に供するもので、SMDC はイスラエル用 MTHEL-I は2005年の、 韓国用の MTHEL-K は2007年の装備化を目指したいとしている。