UAV による AEW&C 関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2014.03 International Defence Review Taiwan MNF 2013 report details UCAV development <1404-030012>
 台湾国防省が1月下旬に公表した年次報告によると、台湾は過去5年間に UCAV 開発に$99Mを投入している。 この計画は Zhang Zheng 計画と呼ばれ、
CSIST によると X-47B とよく似た形状ながら垂直尾翼を有す るという。
 また国防省は2009年に、攻撃及び AEW 用の UAV Chung Shyang を開発すると述べていた。 攻撃型の Chung Shyang は 800kgの搭載能力があり、AGM-114 Hellfire の発射も可能であるという。
2009.06.24 Jane's Defence Weekly Taiwan confirms funding for its UAV programme <0908-062418>
 台湾議会が、CSIST が2002年から開発を続けている Chung Shyang Ⅲ UAV を2011年までに完成 させる予算を承認した。 Chung Shyang は2008年までに完成する計画であったが、今年4月まで議会が予算を凍結していた。
 Chun Shyang は800kgの搭載能力を持つ攻撃及び AEW 用 UAV で、AEW レーダ及び AGM-114 Hellfire を搭載できる。 かつては HF-ⅡE LACM を装備すると伝えられたこともあったが、今ではそれはないと見られている。
 一方台湾空軍は、146機保有する F-16A/B Block 20 の改良について Lockheed Martin社から説明を受けている。 こ の改良は現有の AN/APG-66(V)3 を AN/APG-68(V)9 に換装するもので、AIM-9X の装備も可能になる。
2006.05.10 Jane's Defence Weekly Frontline flyers <0611-051008>
= 各国の UAV に関する10頁にわたる特集記事 =
欧米等の UAV
 Heron、Fire Scout、Predator、Sperwer、Barrakuda、Neuron、Watchkeeper、Global Hawk、など。
ロシアの UAV
 冷戦時代の Tu-123 は重量35,610kgであったが、1990年代のTu-143 (右図上)及び Tu-243 は、それぞれ1,200kg、1,400kgになった。 Tu-143、-243、-141は 高亜音速のターボジェット機である。
 チェチェン紛争以来ロシアでも UAV の需要が高まり、初めて中隊レベル用に開発されたのが、重量98kg、翼端長2.7mの DPLA-60 Pchela-1 で、TV カメラ搭載の -1T 型と電子戦装置搭載の -1PM 型がある。  DPLA-61 Shmel-1 は Pchela-1 の発展型である。 Stroy-P は Schmel-1 を用いた戦術情報シス テムである。 Stroy-P は1995年にチェチェンで使用された。
( Pchela-1 関連記事 IDR 2004.04)
 1990年代後半に Sukhoi社が Zond シリーズの UAV を発表した。 Zond 1 は Global Hawk 級で、 これに三角形のアンテナを搭載して AEW 用にしたのが Zond 2(右図中)である。  Zond 3 は Predator 級の UAV である。
( Zond 関連記事 AW&ST 2003.09.15)
中国の UAV
 中国は各種戦術用 UAV を開発しており ASN-206 ANS-207 が 知られている。 2002年には ANS-207 改も出現した。 このほかM-22 NRIST Z-2Z-3I-Z などの VYOL UAV や mini UAV(右図下)も開発されている。
 2000年には後退翼で重量1,700kgの WZ-2000 が公表されている。 WZ-2000 は速度が800km/h、航続 距離が800kmで、実用上昇限度18,000mの性能を持つ。
2005.04 International Defense Review AGS bids for expanded missions <0508-040008>
= レーダ偵察機開発計画に関する記事 =
E-8C JSTARS
 E-8C JSTARS 最終号機である17番機は3月に空軍へ引き渡される。  2001年以降は COTS コンピュータを採用した Block 20 になっいてる。
 2004年11月22、23の両日には、2機の JSTARS AMSTE を用いて、JSOW 及び JDAM を実艦に命中させた。
E-10A
 E-10A に搭載される MP-RTIP レーダは Global Hawk にも搭載される。 Global Hawk 搭載型は 、全高0.45m、全長1.5m、重量360kg、消費電力20kVAで、信号処理はネットワークを経て大型機に送られ行われる。 アンテナ モジュールは JSF と同じものを使う。
 E-10A 搭載 MP-RTIP は1.2m高、6.1m幅で、24,000個のモジュールで構成され、1MWの電源を搭載する。
 E-10A の機体には 767-400 が使われる予定であったが、同機の生産は終了してしまうため、 777-200 か 787 になる可能性がある。
 E-10A に次いで開発されるE-10B は AWACS の後継にもなる。
NATO AGS
 NATO AGS は A-321機と Global Hawk が連携して運用され、高々度を飛行する UAV が有人機のレーダカバレッジのギャップを埋める。(右図)
Sentinel R1
 Sentinel R1 は U-2 に搭載された ASARS-2 を元にした DMR (Dual Mode Radar) を搭載する。
2004.11.03 Jane's Defence Weekly USAF tackles challenges of SensorCraft <0421-110310>

 米空軍研究所は、高度65,000ftに数日間滞空し、偵察監視を行う Sensor Craft の 研究を6年間の計画で進めている。 検討結果が良ければ2013年以降に機体が製造される。
 Sensor Craft は UHF と X-band のレーダを UAV な搭載し、'time critical' 目標の監視 にあたる。 UHF レーダ用のアンテナとして同研究所は Low-Band Structural Array 計画を進めており 、今年初めに3m×6mのアンテナパネルを試作した。
 X-band レーダ用のアンテナには XTRA (X-band Radar Array) 計画を進めており、2007年に JUCAS に張り付けて試験をする。 XTRA のサイズは0.37㎡になると見られる。
 現在、機体の候補には、'bat wing', 'joined wig', 'straight wing'の3種類が検討されている。

2003.09.15 Aviation Week & ST 10 years after
= ロシア UAV の現状と開発動向に関する記事 =
 ロシア軍当局は予算上の制約から UAV 開発は米に比べ10年以上遅れていることを認識しており、開発を促進 する意向を示している。
 以下は、現在軍が運用している主な UAV
  Tu-123/DBR-1 Yastreb
   長距離高々度写真偵察機、1965年運用開始。
  Tu-143 Reis 及び Tu-141 Strizh
   中距離低高度偵察機(500~2000m)、最大速度Mach2.5。
  Tu-300 Korshun
   Reis及びStrizhの派生型UCAV、センサーも改善されている。
   1995年に運用を確認。
  Yakovlev Pchela
   戦場監視用UAV、チェチェンで運用中。
 一方 Sukhoi社は軍と民間用 UAV として Zond 系列の UAV 3機種を自社研究し、各方面に提案している。
Zond 1
 Global Hawk級長距離高々度偵察機、機体上部にアンテナを搭載。
Zond 2
 Global Hawk級中距離偵察監視機、機体下部にセンサーを搭載。
Zond 3
 Predator級偵察監視機、機体後部のプロペラで飛行、E/Oセンサーを搭載。
 同社は民間用としてモスクワ航空ショウに設計構想を発表しているが、軍の開発推進に期待している。
2002.06 International Defense Review US Air Force studies air-launched UAVs  米空軍は、航空基地に対する CM, TBM, 航空攻撃に対処する拠点防空を行う、航空機搭載式 の各種 UAV の検討を8月から開始する。 これらの UAV は、爆撃機、戦闘機、輸送機などから発射されることになる。
 検討されている UAV には、固定翼型、回転翼型、LTA (Lighter-Than Air) 型が考えられており、監視レー ダなどの搭載が予想されるが、固定翼型 UAV は爆撃機や輸送機の護衛戦闘機として使うことも考えられている 。
2001.06.04 Aviation Week & ST Air-to-air monitoring urged for Global Hawk  DoD は、Global Hawk に地上監視や通信情報能力に加え、対航空機及びミサイル等の 空中監視任務をもたせることを検討している。
 DSB (Defence Science Board) は現在、AWACS や Joint Stars の補足として Global Hawk を運用する ことを検討しており、北鮮やイラク国境での戦闘機や巡航ミサイル発射等の監視任務の他、国内での対ドラッグ監視にも使用する考え を明らかにした。
 Global Hawk に搭載するアクテイブ電子スキャンアレイレーダーは開発中で、高度 60,000ftを飛行、RCS 3㎡ の 目標を 90度スキャンセクターで 230㎞ の範囲で捜索し、同時 10目標を追随、10秒毎に情報を更新する。
2001.06 International Defense Review Eagle Eye development offered to Australia  Bell ヘリコプタはオーストラリアに対し、チルトロータ UAV の Eagle Eye のライセン スを譲渡する。
 もしオーストラリア陸軍が ARH-1Z 攻撃ヘリを採用することになれば、Bell社は UAVAL (UAV Australia Limited)社に対し、実物大 Eagle Eye の開発の継続と生産を委譲する。
 Bell社は、Eagle Eye を、現有の Jindalee OTH レーダや、採用が検討されている B-737 AEWAC 機の補完用として考えている。
( Eagle Eye UAV についての FAS のページ )
2001.03 International Defence Review HALE storms to new heights  バルカン半島や中東での偵察監視に Grobal Hawk や Predator といった無人機が使用され多くの成果を挙げたこ とから、米国をはじめ、西欧諸国は HALE (High-altitude Long-Endurance :高々度長時間滞空) UAV の研究開発 に努力を注いでいる。

 西欧諸国の研究開発状況は以下の通り
* 米 国
 ・Grobal Hawk:
   2008年までに U-2 有人偵察機に換えて本格的に運用を計画
   FOPEN (foliage penetration) レーダー、先進合成開口レー
   ダーの搭載を予定
 ・Predator B
   Altair の名称で2002年までに3機を試作。合成開口レーダー
   及びESM 機器を搭載予定。
   高度65,000ft、最大 36時間滞空
 ・Helios  
   NASA が研究中の太陽電池利用の UAV。高度100,000ft、約1ケ月
   滞空。 通信中継に使用を計画

Helios に関する NASA のページ
 ・Frontier System A 160
   DARPA が研究中の無人ヘリコプター。高度55,000ft、
   最大 48時間滞空
、無給油で 3,700~5,500km 航続可能
 ・Sensor Craft
   AWACS 及び J-STARS の後継として NASA と空軍が研究中の、
   菱形 HALE UAV 。 大きさは B-2や B-52とほぼ同一規模
   60~80時間滞空、8,300km 以上の航続が可能
* 豪 州
 ・米国と共同で Grobal Hawk の飛行試験を国内で本年4月に計画
 ・北部沿岸でのインドネシア、東テイモール監視用に運用を予定
* ドイツ
 ・今年度中に HALE UAV の運用要求を提出予定
* フランス
 ・高度65,600ft、最大 48時間滞空の偵察、SIGNT、通信用HALE
  UAV の展開を検討中
* スウェーデン
 ・インターネットによる指揮統制システムの端末として、Saab
  社が Gaden (Kite) HALE UAV を開発中
* 英 国
 ・海軍用 HALE UAV を開発中。細部要求内容は不明
 ・太陽電池利用、約1年滞空の成層圏飛行船 StratSat を設計中