Typhon MRC (Mid-Range Capability) に関する記事

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2023.04.20
 05:00
毎日新聞

(Yahoo)

米海兵隊、30年までに「トマホーク」大隊新設へ 日本配備は見送り <2305-042004>
 米海兵隊が、地上発射型Tomahawkを装備する砲兵大隊カリフォルニア州を拠点とする第11海兵連隊(砲兵)に2030年までに新設する方針を決めた。 海兵隊はミサイルや発射機の調達を進めており、2024年秋までに最初の発射機が部隊に納入され、2030年までの大隊として
FOCを目指している。
 海兵隊によるとTomahawk大隊発射機16基を装備する中隊3個で編成される。 ミサイルは対地攻撃用と対艦攻撃用の調達を進めている。
 海兵隊のTomahawkは日本に配備される可能性もあったが、外国への配備は見送り、米本土を拠点にして有事の際に前線に派遣する形で運用することになった。
 地上発射型Tomahawkは固定式の発射機ではなく移動式で、有事には前線に展開する海兵沿岸連隊 (MLR) からの情報を基に、やや後方からの攻撃を担うことになる。 MLRはハワイ州に最初の連隊が編成され、2025年までに沖縄県で2個目の連隊が編成される。
【註】
 地上発射型Tomahawkは米陸軍が中距離火力MRCとして装備する計画で、TomahawkとSM-6を発射する車載型Mk 41 VLSは既に開発されている。
【関連記事:2211-082401 (JDW 2022.08.24)】
 尚、MRCを日本に配備しないことは2023年1月に、日本が反撃能力導入で長射程のミサイルを保有すれば不要として報じられていた。
【関連記事:2302-012302 (讀賣 2023.01.23)】
2022.08.24 Jane's Defence Weekly Mid-Rage Capabilty prototypes on way to US Army <2211-082401>
 Lockheed Martin社が2022年末までに
MRC 4個中隊分を初めて納入する。 MRC (Typhon) はSM-6とTomahawkを装備してPrSMLRHWの中間の射程500km~1,800kmを担当するシステムで、陸軍は2023年9月までにMRC中隊を発足させる。
 MRCはM983A4 HEMTT社にコンテナに収納された4セルのMk 41 VLSとキャビンとVLSの間にレーダを搭載した発射機車からSM-6とTomahawkを発射する。
 MRC中隊は発射機車4両と同じくHEMTT搭載のBOC 1両、BOC支援車1両、装填車1両、予備弾搭載車1両で構成される。
【註】
 MRC中隊は米陸軍が整備を開始しているMDTFでHIMARS中隊、LRHW中隊と共に戦略火力大隊を構成することになっている。
【関連記事:2106-051010 (BD 2021.05.10)】
2022.05.03
 16:48
Breaking Defense The Army could get its next-gen Precision Strike Missiles in FY27 <2206-050307>
 米陸軍はFY23に
PrSM120発を#213.2Mで要求し、FY23予算要求文書によるとFY26の266発、$439.9MをピークにFY23~FY27に1,086発、$1.8Bを計画し、最終的には3,986発を計画している。
PrSM Increament 1
 最初の2発を2023年7月に受領し、4Q/FY23にLUTを行う。 4Q/FY23に配備を開始し、本格量産 (FRP) 移行及びIOC宣言はFY25に計画している。
PrSM Increament 2
 陸上移動目標及び艦艇を目標とするマルチモードシーカ搭載型で、4Q/FY24~1Q/FY26に発射試験を行う。
2022.01.20 Defense News Evolution of Aegis Weapon System could underpin joint all-domain operations <2202-012014>
 2012年にRaytheon社が開発しLockheed Martin社が引き継いだスーツケース程の大きさのコンピュータAegis
CSLLCSやConstellation級フリゲート艦などの小型艦で採用されるほか、陸軍や海兵隊、また海軍のUSVでも採用されようとしている。
 陸軍では現在Typhonと名前を変えたMRC(註:射程1,800kmの中距離ミサイル)や遠征軍用の4セル型Mr 41 VLSで採用され、航空機搭載型は海兵隊がアラスカで行ったNorthern Edge 2021演習でAegis Airborneとして使用している。
2021.06.02 Inside Defense Army trims LRHW prototype funding in FY-22, reveals plans for two additional batteries and extra missiles <2107-060213>
 米陸軍がFY22で
LRHWに$300Mを要求した。 これは陸軍がかつてFY22に$526Mを要求するとしていた額の40%である。  陸軍のFY22要求の重点がMRCに移ったことによる。
2021.05.12 Breaking Defense Army discloses hypersonic LRHW range of 1,725 miles; watch out China <2106-051210>
 米陸軍当局者がBreaking Defenseに、陸軍が開発している長距離超高速兵器
LRHW射程は2,775km (1,725哩) 以上になると述べた。 海軍が開発しているCPSの射程も同じ程度と言う。
 射程が2,775km以上であればグアムから発射した場合、台湾を取り囲む中国PLA部隊を射程内に収めることになる。 更に台湾、日本、韓国から発射すれば中国内陸の千哩以上を射程内に入れることになる。
 米陸軍の長距離火力と射程は以下の通りである。
 ・Paladin SPH:  25哩 (  40km)
 ・ERCA    :  43哩 (  70km)
 ・GMLRS   :  43哩 (  70km)
 ・GMLRS-ER  :  93哩 ( 150km)
 ・ATACMS   :  186哩 ( 300km)
 ・PrSM    :  310哩 ( 500km)
 ・MRC    : 1,118哩 (1,800km)
 ・LRHW    : 1,725哩 (2,775km)
【註】
 米陸軍はMDTFの中心に、HIMARS中隊、MRC中隊、LRHW中隊からなる戦略砲兵大隊を据えているが、HIMARS中隊が発射するGMLR-ERの射程は150kmであることから、GMLRS-ERが中国本土に届くためにはMDTFを台湾に展開する必要がある。
【関連記事:2106-051010 (BD 2021.05.10)】
2021.05.10 Breaking Defense Army plans to grow Artillery EXCLUSIVE <2106-051010>
 米陸軍が新兵器の導入と新部隊の創設により野戦砲兵の改革を行おうとしている。
機甲旅団の砲兵大隊は従来のM109 Paladin 155mm
SPHを装備するがM109A6をM109A7に更新する。 また射程が25哩に延びた新型RAPであるXM1113弾を発射する。
機甲師団の砲兵大隊はXM1113 RAP弾を使用れば射程が40哩以上になるM1299 ERCAを装備する。 M1299はM109の車体に砲身長を39口径から58口径に伸ばした砲身を搭載し、将来はラムジェット推進弾も発射する。
軍団は砲とミサイルを装備していた砲兵旅団を、HIMARSMLRS装備部隊に改編し、射程を90哩以上に伸ばした長射程型GMLRSと、射程が300哩以上になるPrSMを発射する。
戦域軍には、既に5個編成されているMDTFが入る。 MDTFは太平洋戦域に2個欧州に1個北極圏に1個が配置され、残りの1個は戦略予備になる。
 MDTFは長射程ミサイル部隊を2個中隊持ち、射程1,100哩の中距離を担当する中隊が装備するMRCは海軍が装備している亜音速のTomahawk及び超音速のSM-6を装備する。 長距離を担当する中隊は海軍と共同開発している射程が数千哩と推定されるLRHWを装備する。
【註】
 この記事に掲載された図によると、MDTFの編成は以下のようになる。
 I2CEWS (Intelligence, Information, Cyber, EW and Space)大隊
  情報中隊×2
  通信中隊
  長距離センシング中隊
  情報保全中隊。
 戦略火力大隊
  HIMARS中隊
  RMC中隊
  LRHW中隊
 防空砲兵大隊
 旅団支援大隊
2021.01.13 Jane's Defence Weekly Congress doles out funding for US Army's mid-range missile development <2103-011305>
 米FY21国防権限法 (FY21
NDAA) で陸軍がFY21に要求していた中距離ミサイルMRC予算$88.1Mが認められた。 MRCはTomahawk及びSM-6を陸上発射するもので、Lockheed Martin社が2020年11月に、設計、試作、試験及びFY23までの納入を$339.3Mで受注している。
 一方でPrSM spiral 1までのつなぎになる、ATACMSに対艦能力を持たせるクロスドメインATACMS (CD-ATACMS) の予算は認められなかった
2020.11.07 Defense News Lockheed Martin to build mid-range missile prototype for US Army <2012-110702>
 米陸軍が11月6日、中距離ミサイルシステムの試作にLockheed Martin社を選定したと発表した。 契約額は$340Mになる。
 Lockheed Martin社はTomahawkSM-6を、発射機、中隊指揮所装置 (
BOC) からなるMRCと組み合わせ、最初の実働中隊をFY23にoperationalにする。
2020.10.28 Inside Defense Army immediately launching new Mid-Range Capability program; eyeing Tomahawk, SM-6 <2011-102810>
 米陸軍が2023年に編成される
PrSMLRHWの中間として装備する中距離火力 (MRC) 中隊が装備するミサイル(註:MMRM)を、艦載のTomahawk及びSM-6の地上発射型にする方向で動いている。
2020.10.23 Breaking Defense DARPA's hypersonic OpFires aims for Army 1,000-mile missile <2011-102306>
 米陸軍2023年までに装備化できる2種類の超高速ミサイル射程数千kmの長距離型
LRHW射程1,800kmの中距離型MRCを計画している。 両方のシステムではthrotteableロケットモータが採用される。
 このうちMRCがDARPAと陸軍が共同で進めているOpFiresであるが、その開発費はFY20に$19M、FY21要求で$28Mしかなく、陸軍はこれを大幅に引き上げる計画もない。