WCMD に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2019.06.17 Aviation Week & ST Future European missiles will be coordinated to hit harder <1908-061705>
 MBDA社が独仏が共同開発する次世代戦闘機FCAS及び英国のTempestに装備する6種類のミサイル構想を公表した。
 80kgのSPREAR 3を元にしたのがSmartCruiserSmartGlideで、いずれもSPEAR 3と似ているが群集団での運用や堅固目標への攻撃が可能になっている。 また120kg型と240kg型の"Remote Carrier"構想は突入破壊能力の他、情報収集、電子戦その他各種の任務を行える。
 更に飛来するAAMやSAMを撃墜する10kg以下の小型ミサイルも提案している。
2014.07 Inrternational Defence Review South Korea acquires enhanced cluster munitions <1408-070001>
 韓国が Textron社に対し、F-15K 及び F-16C/D に搭載する
CBU-105D/B WCMD を$190Mで 発注した。 発注数は361発で2016年12月までに納入される。
2012.08 Jane's Missiles & Rockets S. Korea requests cluster munitions <1209-080019>
 韓国が6月1日米国に対し、CBU-105D/B WCMD SFW 367発の売却要求を行った。 訓練弾28発その他を含めた契約額は$325Mと推定される。
2012.06.13 Jane's Defence Weekly Seoul requests CBU-105 cluster munitions <1208-061302>
 韓国が6月1日、CBU-105D/B WCMD SFW 367発 の売却を米国に要請した。 価格は$325Mにのぼる。
2012.06.07 Yahoo 朝鮮日報記事

「韓国軍:米国製の最新型 WCMD 約370発を導入へ」

<1207-060701>
 韓国政府が$325Mの兵器や部品、訓練や整備・輸送のためのシステムなどを購入する意向を米国に伝えた。 国防総省は、 韓国政府からの要請を受け、今月1日に米国議会に通告したという。 韓国が購入する意向を伝えた兵器の中には、367発 WCMD が含まれている。
 今回導入する WCMD は CBU-105 取り付け型で、CBU-105 には子弾として BLU-108 SFW が搭載されている。
【註】
 WCMD は、各種クラスタ爆弾や SFW を散布する Container Weapon System に取り付け、GPS は使用せずに風による弾道のズレを補正する INS のみを使用する弾道補正装 置である。
 WCMD には、BLU-97/B 子弾を散布する CBU-87/B クラスタ爆弾に取り付けた CBU-103、CBU-89 散布地雷に取り付けた CBU-104、BLU-108/B SFW を散布する CBU-97 SFW に取り付けた CBU-105がある。
2006.09.11 Aviation Week & ST Dig for victory <0619-091107>
= 米軍の新型侵撤爆弾及び Agent Defeat 弾に関する記事 =
BLU-122
 GBU-28 をベースに新開発の Eglin Steel を弾殻に用いた5,000-lbの侵撤爆弾で、現在 LRIP にある。来年 1月に FRP に移行し、部隊装備を開始する。
MOP (Massive Ordinance Penetrator)
 総重量30,000-lb、火薬重量5,300-lbの大型侵撤爆弾で、現有の BLU-109 の10倍の威力を持つ。 WSMR で来年5月に B-52 から5発を投 下し、各種掩体構築物等への効果を試験する。
CrashPAD (Crash Prompt Area Defeat)
 DARPA が開発している、2,000-lb Mk84 に145-lbの火薬と420-lbの生化学剤無効化物質を組み込んだ生化学 兵器破壊爆弾で、極めて高い熱効果により容器を破壊し無効化する。
CBU-107/PAW (Passive Attack Weapon)
 3,800本の鋼製ロッドを内蔵し、生化学剤容器を破壊する。 精度を向上させるため WCMD を使用する。 イラク戦争で2発が投下された。
HardStop
 現在開発試験中の PAW の改良型で、WCMD を使用、鋼製ロッドに代え0.5lbの侵撤弾を58個内蔵する。
2005.07 International Defense Review WCMD contract <0514-070007>
 Lockheed Martin社が米空軍から、1,700発WCMD 100発 WCMD-ER を$52.9Mで受注した。 納期は2007年6月である。
 WCMD は CB タイプの爆弾に取り付ける、高々度スタンドオフ距離からの精密爆撃を可能にするテールキットである。
2005.06.08 Jane's Defence Weekly Design of urban weapon revealed <0512-060808>
 米空軍が、市街地で複数階からなるビルを攻撃する新型爆弾 HardSTOP (Hardened Surface Target Ordenance Package) の詳細を公表した。
 HardSTOP は WCMD 付きの TMD (Tactical Munition Dispenser) に 2種類のサイズで、少量の炸薬を持つ50発以上の子弾を収納し、子弾の 散布範囲は最小6m径まで制御できる。 子弾の信管は同時又は別々にセットされたタイミング で作動させることができる。
 擬製子弾を用いた HardSTP の投下試験は1月に実施され成功した。

(フレシェット弾を搭載した類似システムに関する記事 JDW 2003.05.14 )
2005.02 Jane's Missiles & Rockets Joint Common Missile faces cancellation in defence cuts <0506-020001>
 米国防総省が2004年12月23日に発簡した文書 PBD 753 で、イラク戦争戦費捻出のため幾つかの装備計画の中止等を明らかにしたが、 その中に JCM 及び WCMD-ER の計画中止が含まれており、2月に議会に 提出されたFY-06予算要求からこれら関係予算は削除されている。
 これらの計画が中止とされたのは、これらが軍の体制移行にさほど重要でないことのほか、2.75吋ロケット弾の精密誘導化(註: Hydra 70 を誘導化する APKWS のこと)も一因となっている。
 この決定、特に JCM については、議会で覆される可能性もある。
 JCM の計画中止は、計画に参入していた英国を始め、他の欧州諸国に衝撃を与え、欧州が進めようとしている MCT (Missile de Combat Terrestre) の推進に拍車がかかると見られる。
2004.07 International Defense Review WCMD-ER production <0413-070007>
 Lockheed Martin社が、2005年2月に開始される WCMD 量産の Lot 5 を WCMD-ER とする修正契約を結んだ。 WCMD-ER は2006年6月までに納入される。
 WCMD-ER は CBU-87CBU-89CBU-97 などの子弾を搭載する。
2004.05 Jane's Missiles & Rockets Follow-on order for WCMD <0414-050019>
 Lockheed Martin社が1,677発分の WCMD テールキットを受注した。 納入完了は2006年4月になってい る。
2004.04.07 Jane's Defence Weekly Guided kits for cluster munitions <0407-040704>
 米空軍が Lockheed Martin社に、1,677発分の GPS 付加型 WCMD テールキッ トを$11Mで発注した。 納期は2006年4月になっている。
2004.02 Jane's Missiles & Rockets USAF withdrawal from JSOW approved <0408-020021>
 DoD は空軍から出されていた JSOW 計画からの撤退を承認した。 この結果 空軍が唯一参画していた AGM-154A JSOW-A も、FY-05以降調達しない。
 空軍の撤退に対し、単価上昇を理由に反対していた海軍に対しては、空軍が$100Mを払うことで折り合った。 空軍は AAM 購入費から $100Mを捻出する。
 空軍は JSOW 調達を取り止めた経費を、WCMD-ER 及び AGM-158 JASSM の購入に当てる。
2004.02 Jane's Missiles & Rockets More WCMD tailkits ordered <0408-020020>
 Lockheed Martin社が$53.45Mで、WCMD テールキット3,253セットを受注した。 このうち1%弱は FMS で UAE に売却される。
2004.01 Jane's Missiles & Rockets USAF plans WCMD-ER upgrades to replace JSOW <0404-010007>
 米空軍は WCMD-ER に更に改良を加え、計画から撤退した AGM-154 JSOW の代替としたいとしている。 空軍によると WCMD-ER は JSOW の半分以下の価格 で20%多いペイロードを搭載できる。
 空軍は現在予定している7,500発の WCMD-ER 調達に、JSOW の補てん用に2,500発を追加 したいとしている。 ただし現有の10,000発に及ぶ WCMD を改良型 WCMD に改造する予算は準備していない。
 改良型 WCMD-ER は、JDAM-ER 用に開発した対妨害 GPS/INS と Link 16 と接続可能なデータ リンクを搭載し、飛行間に目標位置の修正指令を受信したり、飛行間の目標変換が可 能になる。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets USAF orders more WCMD tailkits  米空軍は Lockheed Martin社に対し$24.6Mで1,497発 WCMD を追加発注し た。 納期は2006年3月になっている。
2003.08 Jane's Missiles & Rockets WCMD-ER to enter service in FY06  WCMD-ER の開発が$40Mの契約で Lockheed Martin社で開始された。
 WCMD-ER は GPS 誘導型の WCMD に Longshot 翼を取り付けるもので、30~40mileを飛行して CBU の子弾分離前に翼を切り離す。
 量産開始は2005年、F-16 への搭載をFY-06、B-52 への搭載開始をFY-07、調達量7,500キット を予定している。
2003.07 Jane's Missiles & Rockets WCMD-ER development  Lockheed Martin社は$40.95Mで WCMD-ER SDD を受注し た。 計画終了は2007年3月になっている。
2003.07 International Defense Review WCMD-ER develpment  Lockheed Martin社は、$41Mで射程延伸型 WCMD の SDD (System Development and Demonstration) を受注した。
 WCMD-ER には35nmの飛翔距離が要求されている。
2003.06 Jane's Missiles & Rockets USAF plans to procure and upgrade more Textron Sensor Fuzed Weapons  米空軍はイラクで成果のあった SFW の追加発注を行っている 。
 イラクで使用されたのはアクティブレーザセンサを取り付けた P3I 型で、赤外線を発しない目標も攻撃でき ると共に、各子弾と一体化した16個の KE (Kinetic Energy) 弾片による破片効果も期待できる。
 初めての SFW の使用は4月2日に6発の CBU-105 WCMD にそれぞれ10発ずつ収納され投下された。  10発の SFW はそれぞれ4個の子弾を放出する。
 Textron社は BAT より安価を武器に ATACMS GMLRS の弾頭 としても売り込んでいるが、DoD にその計画はない。
2003.06 International Defense Rwview F-16 drops first inertially aided munition  EPAF (European Participating Air Force) が、F-16 MLU (Mid-Life Upgrade) 計画の一環として、 CBU-103 WCMD の投下試験を行った。 試験は Edwards空軍基地で、ノルウェー空軍の F-16AM 機により 行われた。
 F-16 MLU 計画では、この他に Joint Helmet-Mounted Cueing System と、これに連動した Link 16 の搭載が 考えられている。
2003.05.14 Jane's Defence Weekly US Air Force reveals new strike munition  イラク戦争で米空軍は新型の CBU-107 PAW (Passive-Attack Weapon) を使用した。
 PAW の、イラク情勢緊迫に対する緊急予算で2002年9月に開発が開始され、98日間で完成 した。
 PAW は炸薬を持たず3,700本のペネトレータロッド)を放出して、燃料タンク、アンテナ、発電設備 などの地上軟目標を破壊する。
 ロッドは WCMD 付きの TMD (Tactical Munition Dispenser) に収納され、まず最初に 350本の14inタングステン製長ロッドが、続いて1,000本の7inタングステン製中ロッド が、最後に2,400本の2in鋼製短ロッドが放出される。
 PAW は WCMD を使用することにより弾着精度を30m以内とする事ができ、2次被害を最小限に抑えることができる。
2003.04.30 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin adds procision guidance to cluster bomb  Lockheed Martin社は、アフガニスタンでの戦訓から、山岳戦に適する GPS 付きの WCMD を計画している。
 WCMD 付きの CBU-87 クラスタ爆弾は、アフガンで B-52H から約700発投下されたが、IMU では2次元情報しか得られず、正確な信管作 動の為には GPS を併用した3次元情報が必要とのことである。
 WCMD の精度は IMU だけでは30.5mであるのに対し、GPS の併用で9mに向上する。
 一方、Lockheed Martin社は、Leigh Aerosystems社の 'Long Shot' 拡張翼を取り付けた WCMD-ERの 検討を進めている。
 WCMD-ER は64.4kmの飛行距離を持ち、空軍は35,000発の WCMD のうち、7,500発を WCMD-ER 型にしたいとしている。
2003.04 Jane's Missiles & Rockets Milestone for WCMD as 10,000th kit rolls off the line  Lockheed Martin社は、予定より3ヶ月早く10,000発目の WCMD を納入した。 米空 軍は30,000発を装備する計画で、既に17,200発が調達されている。
 Lockheed Martin社は3月11日に、LongShot 取り付け翼キットを開発中であると発表した。 LongShot は GPS を用いた誘導装置で、CBU-87 1,000-lb クラスタ爆弾のほか、Mk-83 通常爆弾や Mk-82 500-lb 通常爆弾への取り付けが可能である。
 このキットは更に WCMD にも組み込んで WCMD-ER とする事ができ、WCMD-ER は2005年にも生産が開始できる。
2003.03 Jane's Missiles & Rockets WCMD to have GPS/INS Guidance  従来 INS だけで誘導されていた WCMD が、JDAM 同様に GPS 誘導が併用されることになり、そのための開発が$7Mで Lockheed Martin社に発注された。 これに より WCMD の CEP は、JDAM 並の13mになる。
 INS誘導の WCMD はそもそも CEP 26mであったが、アフガンで使用したところ山岳地形の影響で子弾分離のための近接 信管が誤作動した。
 GPS の付加により$10,000であった WCMD の単価は、JDAM の$50,000と変わりなくなるが、JDAM の単価が現在 $25,000まで下がっており、今後数年間現在の高水準での生産が続けば$20,000まで下 がると見られている。
2002.11 Jane's Missiles & Rockets WCMD completes B-1B integration tests  B-1B Block E 改良計画の一環として WCMD を搭載する計画は、6月に Developmental Test が終了したのを受け6月に Operational Test が開始され、成功裏に終了した。
 今後は AGM-154 JSOW 及び AGM-158 JASSM の搭載に移る。
 60機の B-1B に対する Block E 改良は、FY-05 に行われることになっている。
2002.10.14 Defense News B-1B to deliver unique weapon combination  B-1B による異弾種投下試験が年内に終了予定で、米空軍は世界にも例のない1回の攻撃で3弾種 を投下できる爆撃機を持つこととなる。
 現在、DoD が行っている運用評価試験では GPS 誘導の JDAMWCMD 及び無誘導爆弾の3弾種を1ソーティで投下している。
 改修は爆撃装置のほか、投下を制御するコンピューターとソフトウェアについて行われ、能力を付加した 3機が来年 3月には配備され 、量産開始を10月以降予定している。
2002.06 Jane's Missiles & Rockets USAF will develop extended-range WCMD  米空軍は、WCMD の飛距離延伸型 WCMD-ER の開発を検討している。
 WCMD-ER は、WCMD に GPS と JDAM-ER 用に開発されている翼を取り付けるもので、最大飛距 離は投下高度によるが 65kmとなる。
 空軍は WCMD-ER を、調達を中止した3,114発の AGM-154B JSOW-B の代わりに採用することを 考えている。
2002.04.24 Jane's Defence Weekly Lockheed Martin wins WCMD contract  Lockheed Martin社は、$102Mで 7,95発分の WCMD (Wind-Corrected Munition Dispenser) テールキットを受注した。  WCMD は、クラスタ爆弾に取り付けられる、一種の精密誘導装置である。
 同社は既に40,000発分を受注し、その内10,007発分を納入している。
2002.03.27 Jane's Defence Weekly USAF orders munitions dispenser  米空軍は Lockheed Martin社に、7,195セットの Wind-Corrected Munitions Dispenser tail kits を、総額 $102.2Mで発注した。
 WCMD はクラスタ爆弾に取り付ける'準精密誘導装置'で、アフガン戦争で B-52 により初めて実戦使用された。
2002.02 Jane's Missiles & Rockets WCMD used for first time in Afghanistan  Lockheed Martin社製の WCMD (Wind Corrected Munitions Dispenser) が、アフガニスタ ンで初めて使用された。
 WCMD は GPS/INS を用いた可動翼付きのテールキットで、アフガニスタンでは CBU-87/103 CEM (Combined Effects Munition) dispenser で使用された。 CBU-87/103 は、202発の BLU-97/B クラスタ弾を散布する。
 未確認報道では、WCMD 付きの CBU-89/104 SFW (Sensor Fused Weapon) も使用された用である。
 WCMD の Full-rate Lot 1 生産6,000発は2001年に開始され、現在引き渡し中で、同規模の Lot 2 も発注されている。
 米空軍は最終的に40,000発の調達を予定しており、調達単価は$10,000以下に引き下 げられている。
2002.01.16 Jane's Defence Weekly USAF eyes extended-range cluster munitions  米空軍は、クラスタ爆弾に WCMD (Wind Corrected Munition Dispenser) テールキット を取り付け飛距離を伸ばすことを考えており、既にアフガンで実戦使用されている。
 空軍はクラスタ爆弾に WCMD テールキットを取り付けることにより、射距離を48~64kmにできるとしており 、CBU-87 Combined Effects弾、CBU-89 散布地雷、CBU-97 SFW (Sensor Fused Weapon) への取り付けが検討されている。
 WCDM 付き CBU-87 は、数百発がアフガンで B-52H から投下されている。
2001.12.19 Jane's Defence Weekly Afghanistan: first lessons
= アフガン戦争戦果の分析記事 =
今後の課題
・開戦初期に、何度かアルカイダやタリバンの幹部を攻撃できる機会を得ながら、取り逃がした。
・HDBT (Hard and Deeply-Buried Target) 攻撃の決め手を欠いた
精密誘導兵器の多用
・12月7日までに投下された爆弾(12,000発)のうち、56% (6,700発)が誘導爆弾
・コソボでは投下された爆弾(24,000発)の35%が誘導爆弾であった。
JDAM の有効性立証
 JDAM 安価(単価$18,000)と、全天候性が広範な使用をもたらした。
WCMD の初使用
 BLU-97/B を202発収納した CBU-87 1,000-lb クラスタ爆弾に、WCMD (Wind Corrected Munition Dispenser) を取り付けた CBU-103 が初めて使用され、成果を収めた。