二次被害低減爆弾に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2012.04 Jane' Missiles & Rockets Utah test clears B-1B deliver BLU-129 <1207-040018>
 米空軍が B-1 に BLU-129 を搭載する試験に成功した。 BLU-129 は Mk 82 と同重量同寸の500-lb爆弾で、Mk 82 が金属 製であるのに対し炭素繊維製の弾体になっている。
 米空軍は Mk 82 を元にした GBU-38 との効力比較試験を行っている。
FLM 関連記事:0812-110314 (AW&ST 2008.11.03)】
2010.11 Jane's Missiles & Rockets Top US scientist predicts big advances in GPS/INS guidance <1012-110034>
 米国防総省が9月、今後10年間を見据えた空軍の主要技術を見積もった 'Thechnology Horizons' を作成した。 こ れは1945年の 'Toward New Horizon'、1964年の 'Projext Forcast'、1995年の 'New World Vistas' に次ぐもので、30件の発展が見込まれる技術分野 (PCA) を列挙した第一巻のみが非区分なしで公開された。
 PCA-9 では GPS なしでもそれ以上の精度を確保できるチップサイズの原子時計と発展型の INS が上げられ ている。
 PCA-21 には長距離打撃システムPCA-22 には高速巡航 ミサイルPCA-23 には超高精度二次被害低減弾PCA-25 には攻撃 /防御用の DEWPCA-25 には非核の地中攻撃弾が挙げられている。
2009.01.21 Jane's Defence Weekly IDF may be using DIME in Gaza <0903-012108>
 イスラエル空軍がガザで DIME 爆弾を使用した模様である。 DIME は HE にタングステンなどの高密度金属 を点火したもので MBX とも呼ばれる。 局部的に強い爆風効果が得られることからイスラエルは、IMI社の Iron First APS に DIME を使用しようとしている。
 またイスラエルは米国製の M825A1 黄燐発煙弾を移動部隊の隠蔽に使用した。 黄燐発煙弾は5~10分間煙を持続できるもので、 対人用には使用しない
2009.01.13 Yahoo 読売新聞記事

「イスラエルは最新兵器投入、ハマスは手製武器でゲリラ作戦」

<0902-011301>
 ガザ紛争で、イスラエル軍は最新の高性能兵器を次々と投入している模様だ。 軍は米国開発の新兵器 DIME を使った疑いがあるという。  DIME は超高濃縮炭素に金属粒を詰めた兵器で、人体の表面をほとんど傷つけずに骨や内臓を高温で焼いてしまう。 殺傷力が高く、発がん性も強いとされる。
 11日には AP 通信が、白リン弾により、女性1人が死亡したと報じた。 白リン弾は激しいやけどを伴う非人道的兵器との批判が強い。 このほ か、ハマスの地下トンネルを瞬時に破壊する地中貫通弾や無人爆撃機も使用しているとされる。
 これに対しハマスは学校やモスクの陰からロケット弾を発射し、90秒で逃げ去る速攻作戦を続けている。
2008.11.03 Aviation Week & ST Guns blazing <0812-110314>
・米空軍は GBU-39 SDB二次被害低減型である FLM の配備を開始したが、 GBU-30 500-lb JDAM 型の FLM の検討も行っている。
・空軍は SDB投弾距離を60nmに伸ばす新しいソフトを開発しているが、イラク、アフガンの戦訓から、投弾後 直下に落下する弾道も取り入れられ、新ソフトは2009年夏に開発を完了する。
・空軍は SDB Ⅱ までのつなぎとしてFY09に、Laser JDAM 400発を調達する。 Laser JDAM は移動目標を攻 撃でき、8月12日に初めて実戦で使用された。
・米海軍は GPS/INS 誘導を取り入れた DMLGB の配備を開始した。
2008.10 International Defence Review Improving weapon system effectiveness: DARPA seeks funding for RMS research <0811-100038>
 DARPARMS 又は単に RM と呼ばれる素材を弾頭等に用いて、殺傷度を高める反 面二次被害の低減を図る研究を行っている。 研究の第一段階では鉄と同じ比重 (7.8g/cc) で250gの弾丸を試作し、第 二段階では1kgの弾丸を作る。
 RMS の素材の一例には AGM-114N のサーモバリック弾頭に使われている MAC も使用しているテフ ロン (PTFE)/アルミニウムのほかチタンとボロンの化合物である TiB2 もある。
2008.07 International Defence Review Lockheed Martin unsheathes Salpel weapon <0808-070007>
 Lockheed Martin社が、市街戦に於ける二次被害低減を目指した空投武器である Scalpel の投下試験に成功した。
 Scalpel は胴経101.6mm、重量75kgのリニアシーカを用いた SALH 弾で、弾頭には HE 弾又は非 HE 弾が使用できる。  弾体は開発費の抑制と搭載機との整合費低減のため Enhanced Paceway Ⅱ LGB訓練弾を元にしている。
2008.04 Jane's Missiles & Rockets Boeing SDB reaches delivery milestone <0805-040014>
 Boeing社が、1,000発目の GBU-39/B SDB Ⅰ と、200基めの BRU-61/A 投弾装置 を納入すると共に、FLM (Forcused Lethality Munition) 二次被害低減弾の最初の50発を納入した。
GBU-39/B SDB Ⅰ
 全長1.8m、胴経19cmの250-lb爆弾で、鉄筋コンクリート1mを侵撤する能力を持ち、投弾距離は100kmになる。 米空軍は24,000 発以上を調達する計画である。
BRU-61/A
 SDB が軽量であるため4発を搭載する投弾装置で、2,000基の調達が計画されている。
FLM
 二次被害低減のため弾殻を炭素樹脂製にして破片効果をなくし、代わりに multiphase blast explosive を採用している。 FLM の 寸法重量は SDB と同じにしてある。
2008.02.27 Jane's Defence Weekly USAF steps up air strike in Iraq <0804-022702>
 イラクで1月に開始された 'Operation Phoenix' で米軍は、過去半年間を上回る量の爆弾を投下している。 例えば 2007年12月に投下したのは24,000-lbであったのに対し、2008年1月には286,000-lbを投下している。
 爆撃は攻撃準備射撃として F-16 及び F/A-18 で行われたが、大規模な爆撃には B-1B が投入された。 使用されているのは主として2,000-lb及び 500-lb JDAM であるが、500-lb JDAM の二次被害低減型も使用されている。
2008.02 International Defence Review Hunt for high blast/low collateral damage weapons leads back to DIME/MBX <0804-020011>
= 二次被害低減爆弾 DIME/MBX の解説記事 =
 DARPA と米空軍研究所 (AFRL) が二次被害低減爆弾 DIME (Dense Inert Matal Explosive) の開発を行っている。  MBX (Multi-phase Blast Explosive) とも呼ばれる DIME は重量比25%の TNT にタングステンなどの金属粉を75%添加 した炸薬で、爆心近傍での爆発効果を増大させる反面、離隔した位置での効果を低下させる働きをする。
 DIME を爆轟させると金属粉の粒子か高速で飛散するため近距離での衝撃と殺傷性が高まるが、DIME の直径の約40倍の距離になると衝撃波が金属粒子を追い越してしま うため、衝撃と殺傷性が低下する。
 DIME は既に米空軍が SDBを元にした FLM (Focused Leathality Munition) に採用されている。 FLM では弾殻を炭素繊維系複合材料にするなどして、更なる二次被害低減に努めている。
2007.10 International Defence Review US deploys Low Collateral Damage Bomb <0721-100023>
 米海兵隊が7月27日と8月12日の両日にイラクで、LCDB (Low Collateral Damage Bomb) 二 次被害低減爆弾を初めて使用した。 LCDB は BLU-111 500-lb爆弾の炸薬量を187-lbから27-lbに減ら し、破片効果の半径を10%に減じたもので、基本型を GBU-126/B、レーザ誘導装置を 取り付けた名称を GBU-51、JDAM キットを取り付けた場合は GBU-38(V4) と呼ぶ。
 米海軍は今までに1,500発の GBU-126/B を生産している。
2007.10 Jane's Missiles & Rockets US boosts Excalibur procument for army <0721-100021>
 米 DoD が、FY-07国防予算中間要求に XM892 Excalibur 155mm誘導砲弾を$23M 追加要求する。
 追加要求にはこの他に、Viper Strike $16M、Hellfire $3.9M、MOP (Massive Ordenance Penetrator) $12M、JDAM $6M、SDB の二次被害低減兵器に$22Mなどが含まれている。 唯一 XM395 PGMM 120mm誘導迫撃砲弾の$4.6Mが削除された。
2007.09.24 Aviation Week & ST Focus on FLM <0720-092401>
 米空軍は9月16日に FLM (Focused Lethality Munition) の擬製弾による2回目の投下試験を行い、所望の データを得た。 FLM は SDB の派生型で、弾頭の充填密度を高めると共に、 ケースを複合材とし、爆圧効果を高め破片効果を抑えることにより二次被害の軽減 を狙っている。
 弾頭の静爆試験は既に成功しており、実弾投下試験は年末までに行う予定である。
2007.09.05 Jane's Defence Weekly USN drops first low-collateral-damage bomb in Iraq <0719-090507>
 米海軍がイラクで、二次被害を局限する GBU-126/B LCDB (Low Collateral Damage Bomb) を初めて使用した。 LCDB は7月27日と8月12日に F/A-18 により投下された。
 LCDB の外見は BLU-111 500-lb 爆弾と全く同じであるが、BLU-111 の炸薬量が 185-lbであるのに対して27-lbの炸薬しか充填されていないため、爆発の威力が10%に低減されている。 米海 軍は今までに1,500発の BLU-126/B を調達している。
2007.05 Jane's Missiles & Rockets USAF gets prepared for Focused Lethality Munition live-fire tests <0713-050030>
 米空軍が Boeing社を主契約社に進めている FLM (Focused Lethality Munition) は6月に静爆試験、8月か ら2008年1月に空投試験を予定している。
 FLM は、現在イラクで使用中の GBU-39 SDB 弾殻を鋼製から炭素繊維製に 替え、破片効果を現在の600m以上から30mに低減しようとするもので、最初の50発を2008年1/四半期に配備 する計画である。