核爆弾/核弾頭に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2025.01.07
 15:50
Breaking Defense US completes $9B B61-12 nuclear warhead upgrade <2502-010712>
 米国、$9BでB61-12核爆弾の改良を完了した。 技術的には、米国が古い爆弾B61-12から弾頭を取り外し、それらを新しい弾殻に装着置しているため、備蓄を増やす「新しい」核兵器ではない。
 米国核安全保障局 (NNSA) は7日、設計と開発を開始してから17年が経過したB61-12核爆弾の作業を完了したと発表した。
 改良された弾体の最終弾は、米国の最新の核爆弾の生産が正式に開始されてから約3年後の12月18日に完成した。2024年10月の同機関の報告書によると、計画の総費用は$9Bとされている。
 B61-12を予定通りに完成させることは、私たちが数年前から言ってきたことの最新の事例で、NNSAは、国防総省のパートナーと抑止要件が必要とするペースと規模で能力を提供している」と、NNSA長官のフルビーは発表で述べている。
 国防総省が核兵器の運搬システムを監督している一方で、核弾頭の近代化は、エネルギー省の半独立部門であるNNSAを通じて行われている。
 B61-12の延命計画は、古いB61-3、B61-4、B61-7、およびB61-10を統合し、新しい技術で更新した。 技術的には、B61-12は、米国が古い爆弾から弾頭を取り出し、それらを新しい弾殻に装着しているため、備蓄を増やす「新しい」核兵器ではない。
 2020年に、F-15EはB61-12の搭載が認定された最初のジェット機となり、3月にはBreaking DefenseがF-35Aの認定を受けたことを初めて報じた。 NNSAの2024年10月の報告書によると、B-2、F-16、ドイツ空軍のPA-200 Tornadoへの搭載した飛行も認定されており、イタリア空軍のTornadoと米空軍のB-21の認証に向けて取り組んでいる。
 注目すべきは、NNSAの発表が「B61-12 LEPの生産が完了したため、NNSAはB61-13爆弾の生産に移行する」と述べていることで、2023年10月に発表されたB61-13は360kTの爆風の範囲でより高い収量を持つように設計されており、これは50kTのB61-12から大幅に性能向上することを意味する。
2024.06.17
 07:05
共同通信

(Yahoo)

中国核弾頭、推計500発 世界総数は1万2千超 <2407-061701>
 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所 (
SIPRI) が17日、1月時点で中国が保有する核弾頭数が2023年1月から90発増え、推計500発になったと発表した。
 世界の核弾頭総数(推計)は2023年から微減の12,121発となったが、核兵器の開発は各地で進んでおり「各国が核抑止力への依存を深めている」と懸念を示した。
 中国については「どの国よりも核戦力を速く拡大させている」と指摘し、将来は核大国の米国やロシアに匹敵するほど、運搬手段のICBMを配備する可能性もあるとした。
 北朝鮮は20発増えて約50発。核弾頭最大90発分の核分裂性物質を保有しているとみられ、核弾頭数は今後も増加すると予想される。
 SIPRIは「北朝鮮は他国と同様、戦術核兵器の開発に重点を置きつつある」と分析し、北朝鮮が紛争の初期段階で核を使用する危険性もあり得ると警鐘を鳴らした。
 ロシアは5,580発米国は5,044発で、両国で世界の9割近くを占めている。
2024.05.18
 05:11
共同通信

(Yahoo)

米、臨界前核実験 バイデン政権3回目 <2406-051803>
 米エネルギー省核安全保障局(NNSA)が16日、西部ネバダ州の核実験場で核爆発を伴わない臨界前核実験を14日に実施し成功したと発表した。 バイデン政権では3回目の実施で、2021年9月以来となる。 核戦力増強を進める中国やロシア、北朝鮮に対する抑止力強化の一環だが、軍縮に逆行するとして批判の声も上がりそうだ。
未臨界核実験 -ATOMICA- (JAEA)】
 NNSAは核弾頭の安全性や信頼性、有効性の維持、性能改善に向けたデータ収集が実験の目的だと説明し、爆発を伴う全ての核実験を禁じる包括的核実験禁止条約(CTBT、未発効)の対象にはならないとしている。
 NNSAによると「ニンブル(機敏な)」と呼ばれる実験の第1弾で、西部カリフォルニア州の核研究機関ローレンス・リバモア国立研究所と共同で実施した。 今後、ニューメキシコ州のロスアラモス研究所とも協力し、継続するという。
2024.03.08
 08:00
Breaking Defense EXCLUSIVE: F-35A officially certified to carry nuclear bomb <2404-030812>
 F-35
JPOの報道官がBreaking Defenseに、F-35はB61-12核爆弾を搭載することが運用上認証されていると述べた。
 JPO報道官は声明で、認証は2024年1月までに完了するというNATO同盟国への誓約の数ヵ月前の10月12日に達成されたと述べた。 一部のF-35AはB61-12を搭載できるようになりF-35は公式に通常兵器と核兵器の両方を搭載できる航空機(二重対応航空機)となった。
 F-35 JPO報道官はBreaking Defenseの追加質問に答え、米国の情報開示方針はNATO加盟国間での二重対応航空機に関する情報の公開を禁じていると述べたが、FASの分析によると、2023年現在、約100発の旧型B61がNATOの同盟国であるベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコに保管されており、同盟の核攻撃任務を共有している。
 ベルギー、ドイツ、イタリアの4ヵ国は全てF-35の運用が計画されている。
2023.10.27 Stars & Stripes US military pursuing modern variant of B61 nuclear bomb, Pentagon says <2311-102718>
 米国防総省が10月27日、B61核爆弾の新型であるB61-13の開発を開始していると発表した。
 過去50年にわたり米軍が装備してきたB61には数種類あるがB61-13は2021年から装備しているB61-12より威力が大きいという。
 当面B61-13は旧型のB61-7と換装される。
【註】
 米国防総省はB61-7とB61-10をB61-12に換装するとしていたが、B61-7がB61-13に換装されると言うことはB61-12への換装が遅れていたか、B61-12に問題があり代わってB61-13とすることにした可能性がある。
【関連記事:1108-070005 (JMR 2011.07)】
2021.10.13 Jane's Defence Weekly F-35 completes nuclear flight trials <2112-101301>
 米空軍が10月4日、F-35Aの核兵器搭載能力評価設計段階評価を完了したと発表した。 F-35Aの核兵器搭載能力評価は設計段階評価と実用段階評価の2段階で行われるが、実用段階評価が完了する時期については明らかにされていない
 今回の試験はF-35A 2機で行われ、試験にはB61-12試験弾 (
JTA) が使用された。
2021.05.26 産経新聞

(Yahoo)

世界の核1万3000発超 中国など増強 「廃絶」へ新たな課題も <2106-052603>
 ストックホルム国際平和研究所 (
SIPRI) によると、核兵器を持つ国は核拡散防止条約 (NPT) で保有を認められた米露英仏中のほか、インドパキスタンイスラエル北朝鮮9ヵ国で、2019年末の核弾頭の総数は13,440発に上り、うち約3,720発が実戦配備されている。
 最大の保有国はロシアで6,375発、2位の米国が5,800発、3位は320発の中国で2015年末の260発から増強されている。
2020.12.30 中央日報

(Yahoo)

北の地下壕破壊狙う…米、低出力核弾頭の実践配備完了 <2101-123001>
 米国の核兵器を管理する国家核安全保障局 (
NNSA) が28日に議会に提出した年次報告書で、FY20にW76-2の製造を完了し全量を海軍に引き渡したことを明らかにした。
 W76-2はSLBM用核弾頭であるW76の威力を90kTから5kTに抑えるよう改造したもので、戦闘機や爆撃機に搭載する戦術核爆弾B61 (170kT) より弱く、北朝鮮の地下施設を破壊するのに最も適した武器に挙げられる。
 報告書ではW76-2の生産量については明らかにしていないが、NNSAは2019年2月に初めてW76-2を製造したと発表し、同年12月にはW76-2を装備したTennesseeが哨戒任務のため出航している。
2020.11.25 中央日報

(Yahoo)

米国、F-35 で「戦術核爆弾」投下実験成功 <2012-112502>
 VOAが23日、米核兵器開発研究所がF-35機内弾庫から戦術核爆弾を投下する試験に初めて成功したと報じた。
 米国3大核兵器開発機関のSandia国立研究所はこの日、F-35Aに搭載したB61-12改良型低威力戦術核爆弾の最初の適合性試験に成功したと明らかにした。
【註】
 F-35が2016年にoperational宣言をした時点でのソフトBlock 3Fに続く開発中のソフトBlock 4はBlock 4.1~4.4の四段階に分かれており、Block 4.1では日本も採用を決めた Kongsberg社製JSMの搭載などが可能になる。
【関連記事:1806-041102 (JDW 2018.04.11)】
 更にBlock 4.2では電子戦の帯域拡大と認識性能の向上のほか、B61-12核爆弾の搭載も可能になる。
【関連記事:1908-061909 (JDW 2019.06.19)】
【関連記事:1910-090209 (AW&ST 2019.09.02)】
2020.07.13 Defense News New nuclear warhead funding would be blocked by House appropriators <2008-071305>
 米議会下院Energy and Water Development, and Related Agencies小委員会が7月6日、SLBM搭載用新型核弾頭W93開発予算$53M認めない決議案を30対21で可決した。 W93開発費については下院軍事委員会がFY21で$32Mを認めていることから議長裁断になる。
 W93はW88(註:Trident Ⅱ搭載)とW76(註:Trident Ⅰ搭載 )の中間サイズで、2040年までに装備する計画である。
2020.06.18 朝鮮日報

(Yahoo)

低威力核兵器で北の核施設を攻撃する場合、死者は100人未満 <2007-061806>
 Georgetown大国際安全保障研究所のリーバー教授がVOA放送のインタビューで15日、北朝鮮の核を抑制する上では高威力核兵器よりも低威力核兵器が効果的だと述べた。 リーバー教授は米国防総省のシミュレーションプログラム「危険予測と評価(HPAC)」を利用し、北朝鮮国内にある寧辺など5ヵ所の核施設を核兵器で攻撃した場合の人命被害と放射性降下物による被害を予測した。
 まず、高威力核兵器であるW88核弾頭10発が使用された場合、放射能降下物は韓国の南西部の一部地域を除く全地域と日本にまで影響を及ぼし、朝鮮半島だけで最大300万人の死者が出るのに対し、低威力核兵器であるB61核爆弾20発を使用した場合には、韓国の木浦地域にのみ低いレベルの放射能降下物が降り、木浦周辺でのみ100人未満の死者が出ると試算し、人命被害は従来型作戦レベルに留まると分析した。
【註】
 この記事の元が米国の国営放送であるVOA (Voice Of America) であることが注目される。
 W88核弾頭とはTrident SLBMの弾頭である。
2020.05.11 Jane's 360 China may be signalling significant increase in nuclear arsenal <2006-051102>
 中国国営Global Timesの編集主幹が5月8日にウェブ上で、中国の核戦力核弾頭数を1,000発、DF-41 ICBMを100基にするなど、飛躍的に増強していると述べた。
2020.05.06 Jane's Defence Weekly US nuclear overhaul plans show commitment to deterrence <2007-050613>
= 米国の核兵器オーバーホール計画に関する2頁の記事 =
 ・Strategic triad
 ・Command and control
2020.03.20 Inside Defense New cost models show NNSA underfunded early phase of GBSD's W87-1 warhead program <2004-032003>
 米FY21予算要求で、国家核安全保障局 (
NNSA) が次期ICBM GBSD搭載核弾頭W87-1改良計画にFY20より$180M多い$540Mを計上しているが、これは当初の要求額を満たすものではなくなっている。
2020.03.17 Inside Defense LRSO warhead risk-reduction review may result in production delay <2004-031710>
 米空軍と国家核安全保障局 (
NNSA) がLRSWに搭載する小型核弾頭の評価を行っている。
 LRSWは核弾頭搭載ALCM(註:AGM-86B ALCM)の後継となる核弾頭CMで、弾頭にはALCMが搭載していた核弾頭の再生型であるW80-4が考えられている。
2020.03.11 Jane's Defence Weekly China likely to 'at least double' its nuclear stockpile by 2030, says US DoD official <2005-031104>
 アンダーソン米国防総次官補が2月27日、中国の核兵器保有数今後10年間で少なくとも2倍になるとの見方を示した。
 中国は保有する核弾頭数を公式には明らかにしていないが、全米科学者協会 (FAS) は201年7月時点で290発と推定している。
2020.03.09 Aviation Week & ST U.S. general links Chinese hypersonic glider to nuclear program <2005-030903>
 中国の脅威が増大しているのを受け、米国防総省FY21国防予算の4.1%を核兵器関連に振り分けようとしている。
 国防総省が今後10年間に核兵器関連にかけようとしている経費は$1T以上で、FY21には$28.9Bを要求していて、Minuteman Ⅲ ICBMの後継となるGBSD、B-2の後継となるB-21、AGM-129の後継となるLRSOの開発に当てられる。
 特にB-21の開発は顕著で、FY20予算要求時の5ヵ年計画では毎年$5.9Bとしていたのを、FY21要求では$22.6Bにしている。
2020.03.04 Defense News The White House gave this nuclear agency a giant funding increase. Can it spend it all? <2004-030403>
 トランプ政権のFY21予算要求で核弾頭関連が20%近く増額されている。
 原子力関係要求$46B以上のうち国防総省関連は$28.9Bで、$15.6BがB-21及び新型ICBMに配当されている。 また今後5年間の見積もりは以下の通りである。
  • FY21: $15.6B
  • FY22: $15.94B
  • FY23: $16.27B
  • FY24: $16.6B
  • FY25: $16.96B
2020.02.21 Defense News The US Navy’s new nuclear cruise missile starts getting real next year <2003-022106>
 匿名の米国防総省高官が今週、同省がFY21予算要求に潜水艦発射核搭載新型CM計画開始を盛り込んでいることを明らかにした。 FY20では選択肢分析 (
AOA) 段階として$5Mを要求し議会が認めているがFY21でもこれを引き継ぐが、FY22では計画を開始するという。
 2018年始めにトランプ政権が発表したNuclear Posture Reviewでは低威力核弾頭と海上発射核CMの二点を打ち出したが、低威力核弾頭はW76-2として2019年末に配備されている。
 潜水艦発射核搭載新型CMの配備により、核搭載艦の数は12隻から20~30隻に増えることになる。
2020.02.14 朝鮮日報

(Yahoo)

米軍、北への打撃が可能な SLBM戦術核の試験発射を公表 <2003-021401>
 米太平洋艦隊が12日、サンディエゴ沖のOhio級潜水艦MaineTrident Ⅱの発射試験を実施したと発表しその様子を公開した。 米国防総省が今月4日にこのミサイルにW76-2低出力核弾頭を搭載すると発表してから8日後のことである。
 今回の発射試験を巡って韓国軍とその周辺では、戦術核を使った北朝鮮とイランに対する外科手術的打撃も可能という警告だとの見方が出ており、ある外交筋は「先日対北交渉チームを解体したトランプ政権の対北政策の中心が外交から軍事オプションへと移りつつある証拠の一つ」と述べている。
2020.02.12 Jane's Defence Weekly Pentagon confirms US Navy is now fielding W76-2 low-yield warhead in its SLBMs <2004-021201>
 ルード米国防次官が2月4日、海軍がW76-2低威力核弾頭を搭載した
SLBMを配備したと発表した。 これは2018 Nuclear Posture ReviewでSLBM弾頭の一部を改造するとしたことによるもので、同次官はロシアが低威力核兵器の配備を進めこの分野で米国に対して優位を占めているためと説明している。
 W76-2の実配備が最初に明らかになったのは、FASが12月最後の週に米海軍潜水艦Tennesseeがジョージア州のKings Bay潜水艦基地を出航したと報じたことによる。
2020.02.04 Defense News Trump's new nuclear weapon has been deployed <2003-020405>
 全米科学者連盟(
FAS)が1月29日、低威力化したW76-2核弾頭を搭載したTrident SLBM装備した潜水艦Tennesseeが2019年末にも母港ジョージア州Kingd Bay潜水艦基地を出港したことを明らかにした。
 W76-1を元にしたW76-2は2018年にトランプ政権が行ったNuclear Posture Reviewに基づき低威力化された2種類の核兵器の一つで、広島に投下された核爆弾より低威力であるという。
【註】
 Trident Ⅱの弾頭であるW76は、同じくTrident Ⅱ弾頭のW88がMk 5 MIRV搭載用に小型化されているのに対し単弾頭のMk 4 RVに搭載されている。
 原型となるMod 0は100kTで1978年に装備化され、その後90kTのW76 Mod 1に改修されている。 2018年のNPRにより開発されたW76-2は5~7kTと言われている。
2020.01.31 朝鮮日報

(Yahoo)

米国が戦術核を搭載した原潜を実戦配備…イラン・北へ「外科手術的核攻撃」が可能に <2002-013102>
 戦術核を搭載した米海軍のOhio級潜水艦Tennesseeが12月末にジョージア州のキングスベイ海軍潜水艦基地を出港した。
 全米科学者連盟(
FAS)などによると、TennesseeにはTrident 2 SLBMが搭載されているが、米軍はこのTrident 2に90~475kTある核弾頭に代えて5~7kTの低威力核弾頭を搭載しているという。
【註】
 小型核弾頭と言っても広島型原爆が10~20kTと言われているのに比べ大きな差はない威力がある。
2020.01.14 Inside Defense Air Force completes initial testing of B61-12 guided TKA on F-15E, B-2 aircraft <2002-011407>
 米空軍核兵器センターの報道官が、F-15EやB-2に搭載するB61-12核爆弾に取り付けるBoeing社製新型誘導装置 (
TKA) のIOT&Eを1Q/FY20に完了したことを明らかにした。
2019.11.14 Inside Defense NNSA to conduct new study into B61-12 LEP, W88 Alt 370 delays <1912-111403>
 米
NNSAが9月25日に開かれた下院軍事委員会で、予算が$720Mから$850Mに削減されたため遅れていたB61-12核爆弾の延命工事及びW88核弾頭改良計画 (W88 Alteration 370) を開始したことを明らかにした。
 両計画の初弾が完成するのは市販品のキャパシタが試験を通らなかったことから18~20月遅れているという。
2019.10.30 Inside Defense Mk21A reentry vehicle program moving toward system requirements review <1911-103008>
 米空軍報道官が10月22日、次期ICBM
GBSDに搭載してW87-1弾頭を放出するMk21A再突入弾は、2Q/FY20に要求の審査が行われ、計画が動き出すことを明らかにした。
【註】
 W87-1核弾頭は1997年に計画中止になったMGM-134 Midgetman ICBMが搭載するはずであった核弾頭で、元になるW87はMinuteman Ⅲ ICBMに搭載されているほか、既に退役したPeacekeeper ICBMも搭載していた。
2019.09.15 Defense News Decades late, the B-52 is getting a new nuclear weapon <1910-091504>
 B-52が20発搭載するAGM-86B
ALCMは1980年代初期から中期に生産されたCMで、当初は10年の寿命で1990年代中頃に退役するはずであった。 そこでAGM-86Bに代わるALCMとして4年半かけてLRSOの開発がLockheed Martin社とRaytheon社で進められており、FY22には機種選定されて2020年後半に配備を開始する。
 一方LRSOに搭載するW80-4核弾頭の開発も行われていて、現在は設計の初期段階であるがFY25に配備を開始しFY31に完了する計画である。 この計画には$6.7B~$10.3Bかかると見積もられている。
2019.09.05 Inside Defense B61-12 first production unit delayed at least 16 months <1910-090504>
 米国家核安全保障局 (
NNSA) 高官が、数千万㌦かけるB61-12核爆弾の延命工事計画は、計画より16~18ヶ月遅れるとの見通しを示した。
2019.07.28 共同通信

(Yahoo)

米軍、限定核使用へ新指針 放射線下の地上戦にも言及 <1908-072802>
 米軍が6月に、限定的な核兵器使用を想定した新指針をまとめていた。  新指針は米軍統合参謀本部が6月11日にまとめた内部文書「核作戦」で、ホームページで一度公開した後、非公開にしたものを全米科学者連盟が保存し開示している。
 新指針では核爆発後の放射線環境下地上戦をどう継続するかなどの課題にも言及しており、核弾頭の小型化を進めるトランプ政権下で、通常戦力の延長線上に核戦力を位置付ける傾向もうかがえる。
2019.07.03 Inside Defense NNSA taking steps to mitigate production delay risks in W80-4 life extension program <1908-070305>
 米国家核安全保障局 (
NNSA) がW80-4核弾頭延命計画のリスク低減活動を進めている。
【註】
 W80はAGM-86 ALCM、AGM-129 ACM及びBGM-109 TomahawkなどのCMに搭載している核弾頭で、W80-1の再組立型であるW80-4は次世代核弾頭搭載CM LRSOにも搭載される計画になっている。
2019.06.17 中央日報

(Yahoo)

スウェーデンシンクタンク「北、核弾頭20~30個と推定…昨年より増加」 <1907-061705>
 ストックホルム国際平和研究所 (
SIPRI) が17日公開した2019年鑑 (SIPRI Yearbook 2019) によると、核保有国と判定された国は米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエル北朝鮮9ヵ国で、これらの国々が保有している核弾頭数は今年初めを基準として13,865発と推算している。 これは昨年の14,465よりは600発減った。
 昨年より核弾頭数が増加した国は中国、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の4ヵ国で、特に北朝鮮の場合、昨年10~20発を保有していると推定されたが今年20~30発に増えた。 ただしSIPRIは北朝鮮が核兵器保有に関する情報を全く提供しておらず、全体集計には北朝鮮の核兵器保有量が反映されなかったとしている。
2019.06.17 朝日新聞

(Yahoo)

核弾頭、昨年より600発減 装備の近代化は進む <1907-061703>
 ストックホルム国際平和研究所 (
SIPRI) が17日に核保有国による核装備の現状をまとめた年次報告書を公表した。 世界の核兵器の総数は減少する一方で、近代化が進む傾向が続いていると分析している。
 報告書によると、米露英仏中とインド、パキスタン、イスラエル北朝鮮の9ヵ国が持つ核弾頭は計13,865発で、昨年より600発減った。 世界の核弾頭数が減ったのは、全体の9割以上を保有する米露の削減が進んだためである。
2019.06.14 Defense News The US must deploy a sub-launched low-yield nuke <1907-061408>
 トランプ政権がFY20予算に低威力核弾頭搭載
SLBMの配備を要求しているが、議会下院軍事委員会が今週まとめた国防権限法案ではこれを認めておらず、今後上院との調整が行われる。
2019.06.03 Defense News House panel would bar low-yield nuke deployment, Open Skies Treaty withdrawal <1907-060307>
 民主党が主導する米議会下院軍事委員会が6月3日、低威力核弾頭開発に関する予算を認めない国防権限法案の草案を公表した。
 低威力核弾頭はTrident Ⅱ D5の核弾頭W76をW76-2にするものでFY2019に$65Mが計上され、今秋から海軍に引き渡されることになっていた。
2019.05.30 産経新聞

(Yahoo)

「露が低出力核実験の可能性」米情報機関分析 <1906-053001>
 Wall Street Journalが米情報機関の分析として29日、ロシアが非常に低出力の核実験秘密裏に行っている可能性があると報じた。 同紙によると、実験は北極圏のノバヤゼムリャ島で行われ、核兵器の性能維持を目的にしているとみられる。
 米国は、包括的核実験禁止条約 (
CTBT) をロシアが厳格に順守していないと主張しており今回の分析はそれを裏付けるものだとしている。 同条約は米国などが批准しておらず、発効していない。
2019.05.01 Jane's Defence Weekly More bang for your buck <1906-050111>
= B61 の延命に関する3頁の記事 =
 ・NATO deooyment
 ・Power
2019.01.30 日経新聞 米、小型核弾頭の生産開始 ロシアに対抗 <1902-013003>
 米エネルギー省の核安全保障局 (NNSA) が29日までに、SLBMに搭載する小型核弾頭生産を開始したことを明らかにした。 生産はテキサス州の工場で生産が開始され、米メディアによると2019年中海軍に引き渡しが始まる。
 トランプ政権は核戦力の増強を進めるロシアに対する抑止力と説明するが、核兵器使用のハードルが下がると懸念する声もある。
2018.12.19 Jane's Defence Weekly USAF clears production of nuclear bomb tail-kits <1902-121906>
 米空軍が12月7日、B61-12核爆弾用の新型誘導テールキット (
TKA) がMilestone Cを通過してEMD段階を終了し量産に移行したと発表した。
2018.02.26 Defene News Nonstrategic nukes: What are they good for? <1803-022603>
 米政府は "2018 Nuclear Posture Review" で新規に2種類の戦術核兵器を装備することを表明した。 核兵器を戦略核と戦術核に分類するこ とは難しいが現在では搭載武器により分けている。
 米議会調査局 (
CRS) が2月13日に公表した報告によると、米国は現在500発の戦術核を 保有し、そのうちの200発をトルコ、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリアなどの同盟国に配置している。
 一方ロシアは1,000~6,000発の戦術核を保有していると見られている。
【註】
 現在米国が保有している主な核爆弾と核弾頭
W76: Trident
W80: AGM-86,AGM-129,BGM-109
W87: Minuteman Ⅲ
W88: Trident Ⅱ
B61: 700-lb爆弾
B83: 2,400-lb爆弾Trident
2018.01.10 Jane's Defence Weekly Officials request relief for minitions programmes <1803-011009>
 米議会が12月21日に、1月19日まで有効な 継続予算決議案 (
CR) を可決した。 CRで は新規事業の開始や生産レートの変更は認められていないが、国防総省は特例を要求し議会が認めた。
 その特例にはGBU-53/B SDB Ⅱ 90発、Harpoon Block Ⅱ、B61-12核爆弾用テールキットATACMSの改良キットなどの新規調達と、GMLRS生産レート を2,954発から6,000発へ、AGM-158C LRASMの生産レートを10発から25発に引き上げることなどが含まれ ている。
2017.11.13 Aviation Week & ST Genaraton changes <1801-111301>
 ドイツ空軍F-35を2030年に退役するTornado後継に最適と考え、2025年の装備化 を目指している。
 しかしTonadoは米国製以外の航空機で唯一B61核爆弾の搭載可能な機体で、現在も最新型であるB61-12搭載に向けた改 良が行われている。 Typhoonに核爆弾を搭載する検討はかつてなされたが、現在は行われていない。
2017.06 International Defence Review Inert, upgraded B61 gravity bomb dropped by USAF F-16C <1708-060006>
 米空軍が3月14日、改良型のB61核爆弾であるB61-12の投下試験を、擬製弾を用いてF-16Cにより行った。
 この試験はB61延命計画の一環で、成功すれば米軍の保管しているB61核爆弾は、全てB61-12に改造される。
2016.11.07 Aviation Week & ST A new arms race <1702-110707>
= 新たな核競争に関する4頁の記事 =
The bomber race
New weapons for old bombers
ICBM-X: ground-based strategic deterrent
Threats from abroad
2016.04.06 Jane's Defence Weekly MOX on the block <1605-040619>
= 核兵器用プルトニウムの MOX 化に関する3頁の記事 =
 
2015.09.23 Yahoo ロイタ通信記事

「米が独に新型核爆弾配備なら相応の対抗措置とる=ロシア大統領府」

<1510-092304>
 ロシア大統領府報道官が23日、米国ドイツの空軍基地に核爆弾を配備するとの報道が真実であ れば、相応の対抗措置を取ると表明した。
 独 ZDF TV が、米国は年内にも独ビューヒェル航空基地に新型の核爆弾 B61-12 20発を配備する意向であると報じている。
【註】
 B61-12 延命計画 (LEP) 弾は米国が7月に初めて F-15E からの投下試験を行った核爆弾で、今後 B61-3/-4/-7/-10 と換装される。
【関連記事:1508-071507 (JDW 2015.07.15)】
 報じられる B61-12 20発とは、B61 旧型弾との換装か、新規配備かはこの記事だけでは分からない。
2015.07.15 Jane's Defence Weekly US completes first flight test of B61-12 bomb LEP <1508-071507>
 米空軍と国家核安全保障局 (
NNSA) が7月1日、B61-12 延命計画 (LEP) 弾の初めての 投下試験を行った。 B61-12 LEP は F-15E から投下された。
 B61-12 LEP は、今後 B61-3/-4/-7/-10 と換装される計画で、LRSO CM 用弾頭の一つにもなっている。
2015.06.26 Inside Defense Work tells Congress nuclear modernization will average $18B annually <1507-062607>
 米国防次官が25日に議会の公聴会で、国防総省の計画している核近代化計画は、FY21~FY35に年平均$18Bかかることを明ら かにした。
【 B-61 核爆弾の更新に関する記事:1412-110510 (JDW 2014.11.05)】
2014.11.05 Jane' Defence Weekly NNSA works on B61 gravity bomb upgrade <1412-110510>
 米エネルギ省に半隷属する国家核安全本部 (
NNSA) が B61 爆弾の改良を開始し、FY14に$8.1Bを計上している。  B61-12 と呼ばれる改良は2020年に最初のユニットが完成する。
【 B-61 核爆弾の更新に関する記事:1108-070005 (JMR 2011.07)】
2011.11.02 Jane's Defence Weekly US dismantles its last B53 nuclear bomb <1112-110208>
 米国が1960年代の B-52 搭載核爆弾 B53 の解体を終えた。
 B53 はB43 の後継として開発された全長3.76m、胴径1.03m、重量4,022kgの熱核兵器で、1962年から1997年まで装備されていた。
2011.07 Jane's Missiles & Rockets US to develop guided nuclear bomb <1108-070005>
 米国が B61 核爆弾の旧型である B61-3、B61-4、B61-7、B61-10 を、新型の単一弾種に改造する計画である。 B-61 には11種類があるが、1996年に配備が開始された最新型の B-61-11 は対象外なっている。
 B61-3 は1979年に生産が開始され545発生産された。 パラシートを使用することで50ftからの投下が可能になった。  B61-4 は B61-3 より小型で、同時期に生産された。 B61-7 は700発あった B61-1 を改良したも ので1980年代後半に配備された。 B61-1115~25ftを侵徹した後起爆する350kTの 核爆弾で、唯一 B-2A に搭載される。
 改良型核爆弾は B61-4 に JDAM 同様の誘導キットを取り付けるようで、精密誘導化により核威力は2~3kTあれば十分 と思われる。
2009.05.11 Aviation Week & ST Australia eyes SAR sat <0906-051111>
= 米FY10国防予算の主要項目に関する記事 =
KEI:技術的な問題から、計画棚上げ
・F-35 用 F136 エンジン計画中止
RRW 核弾頭計画中止
P-8A:計画促進
AH-64D Block Ⅲ:計画促進
MQ-9A Reaper:24機調達
MQ-1A Predator:FY-09で調達終了、最終機数38機
RQ-4 Global Hawk:Block 30 2機、Block 40 4機
RQ-4N調達なし
MQ-1C Sky Warrior:3機
・艦載用 MQ-8B Fire Scout:5機
2008.12.08 Aviation Week & ST Radioactive <0901-120806>
 米国の ICBM 用新型核弾頭 RRW装備化についてゲーツ国防長官は、問題点が未解決であるとして 保留している。 オバマ次期大統領も保留の意向である。
 RRW の事業費は$100B~$125Bと見積もられており、一部の議員は新たな軍拡の元と見て、政府と上院は支出を '0' とす る協議を行っている。
2008.12 Jane's Missiles & Rockets Russian strategic weapons destroyed <0901-1200223>
 'Nunn-Lugar Co-operative Threat Reduction' 計画により9月に、ロシアの核弾頭6個、ICBM 4基、ICBM 発射機12基が破壊され、核兵器の安全な 保管場所への輸送が12回行われた。
2007.11 Jane's Missiles & Rockets RS-24s set to receive penetration aids, MIRVs <0724-110005>
 ロシアの弾道弾用に、改良型侵撤 MIRV 弾頭が2010年までに実用化されようとしている。 ロシア戦略ロケ ット軍参謀長が、この弾頭を搭載した RS-24 ICBM の試験が5月29日に行われたことを明らかにした。
 RS-24 は単弾頭の Topol-M (SS-27) の改良型で、新型弾頭は Topol-M の弾頭と互換性がある。
2007.10.29 Inside the Navy Navy,DoD to participate in Air Force review of Nuclear incident <0723-102905>
 米空軍は、DoD の国防科学委員会で行う核弾頭搭載巡航ミサイル輸送問題に関する輸送安全手順の検討に海軍が参加するよう求めてい る。
 8月29日に発生した事件では、B-52 がノースダコタ州 Minot AFB からルイジアナ州 Barksdale AFB まで 核弾頭の実弾を装着した6発の CM を正規の手続きを行わず輸送し、搭乗員も防護服を装着していなかった。 また、空軍は着陸後直 ちに事実を発見したが、DoD と大統領府への報告は約1ヶ月以上も遅れており、問題視されている。
2007.08.06 Defense News Lawmakers resist White House push for RRW <0718-080603>
 米下院は今春、FY-08要求の最新型核弾頭 RRW (Reliable Replacement Warhead) 予算$89Mを認めず、更に 冷戦後の核戦略についてブッシュ政権に報告を求めていたが、8月1日に提出した報告書はわずか3ページで、内容も RRW の必要性を強 調したものであったため、下院議員から深刻な政治問題であるとの意見がでている。
 また、大統領は予算が承認されない場合、地下核実験を再開する必要があるとしたが、議会は包括的核実験禁止条 約に違反する行為であると強く反対している。
2007.08.01 Jane's Defence Weekly US administation pushes for new nuclear warhead <0717-080107>
 ブッシュ政権は、議会が RRW (Reliable Replacement Warhead) の予算を認めなければ、米国は 地下核実験を再開しなければならなくなると警告した。
 冷戦終了後米国は、stockpile stewardship 計画により、核兵器を試験することなく維持してきたが、国務 省、国防総省、エネルギ省が連名で議会に提出した書簡で政府は、核兵器の寿命を延ばすことは大きなリスク を抱えると警告している。
2007.05 Jane's Missiles & Rockets Livermore wins warhead design contest <0713-050029>
 米海軍が SLBM の弾頭に使用している W-76 核弾頭を、より信頼性が高く安全な核弾頭に更新する RRW-1 (Reliable Replacement Warhead-1) 計画を LLNL (Lawrence Livermore National Laboratory) に発注 した。 競合していた Los Alamos National Laboratory は敗れた。
2006.12.15 東京新聞

インターネット

次世代核施設で説明会、米 ・・・ <0701-121501>
 米核安全保障局 (NNSA) は14日、2030年までに核関連施設を次世代施設に整理統合する計画について市民に説明して意見を聞く会を ワシントンで開催した。 この日は NNSA の担当官が、現在約1万個ある核兵器の総数を2012年 までに半減させる一方、核兵器の中枢部分であるプルトニウムピットの生産施設を2022年に稼働させ、 核物質関連施設を2030年までに統合するなどの計画概要を説明した。
 ブッシュ政権は、ピットの老朽化を理由に現存する核兵器を新型の『信頼性のある代替核弾頭 (RRW) 』で置 き換える構想を推進している。
2006.11.22 Jane's Defence Weekly US commences warhead upgrade for Minuteman missiels <0624-112203>
 LGM-30G Minuteman Ⅲ の延命計画の一環である弾頭換装計画は既に開始されてい る。 計画は Minuteman Ⅲ に2005年9月に退役した LGM-118 Peacekeeper の Mark 21 RV を搭載するもので、 2006年始めに Northrop Grumman社が受注している。
2006.10.11 Yahoo 毎日新聞記事

「中国に4キロトン規模実施と・・・」

<0620-101103>
 CNN TV が10日、米政府当局者の話として、北朝鮮が事前に中国に4kT規模の核実験を行うと通告していたと 報じた。 米情報機関は爆発規模を0.5kT以下と推定しており、この当局者は実験は失 敗したとの見方を示した。
 CNN は爆発規模について0.2kTの可能性もあるとの情報機関の分析を伝えている。
2006.10.10 読売新聞

インターネット

核反応、不完全な早期爆発だ・・・ <0620-101004>
 北朝鮮が9日に行った核実験の爆発が比較的小規模だったのは「早期爆発」と呼ばれる不完 全な核反応が起きたためではないかと見られている。 爆発の威力は各国による地震波の分析で、数~1kT未満 と推定されている。
 早期爆発は、核爆発のために核物質が一気に核分裂を起こす前に、先走り的な分裂が起き、爆発の威力が低減 してしまう現象で、米科学アカデミーの専門委員会がまとめた報告書によると、一般に単純な構造の原爆でこの現象が起こると、威力が 数~1kTにとどまるとされ、今回の結果と一致する。
2006.10.09 Yahoo 時事通信記事

「爆発の威力、異なる推計値・・・」

<0620-100903>
 北朝鮮が9日に実施したと発表した核実験の爆発の威力に関し、異なった推計値が入り乱れている。 韓国聯合ニュースによると、韓 国地質資源研究院は、観測した地震の規模である M3.58から計算して爆発の規模を TNT 0.8 kT以上と推測し最 大でも5kTとしている。
 これに対し、ロシアのイワノフ国防相は爆発の威力は5~15kTとの見方を明らかにした。
【註:】
 韓国の報道のように北朝鮮の核爆発規模が TNT 800t規模であったとすると、実験は失敗した可能性が高い。  各国とも初の核実験は10kT前後で行われており、小型原爆の開発は核兵器実用化から相当経って行われている。
 報じられる様な爆発規模であれば、10kT程度の威力を期待した核分裂物質が、爆縮タイミングのズレなどから既に一 部で核反応を開始した圧力により飛散してしまい、その一部分しか核分裂反応を起こさなかった可能性がある。
2006.07.05 Jane's Defence Weekly US plans nuclear weapons comples restructure <0615-070503>
 米国エネルギ省が核兵器に使われる核物質の再編成、縮小、近代化を図る Complex 2030 を計画している。
 計画の中心の一つとして、現在一箇所に集められているプルトニウムを、RRW (Reliable Replacement Warhead) 計画に基づいて新しい設立される施設に移し、年間125個ピット(コア)として生産する。
2006.06 Jane's Missiles & Rockets USAF orders re-entry vehicle upgrade for Minuteman Ⅲ <0615-060013>
 Northrop Grumman社が$135Mの6年契約で Minuteman Ⅲ SERV (Safty Enhanced RV) 計画を受注した。 SERV は現在搭載されている3発の Mk 12 又は Mk 12A RV を単発の Mk 21 RV に換装するもので、Mk 21 は2005年ま でに退役した Peacekeeker ICBM が10発ずつ搭載していた。 Mk 12 は170kTの W62、Mk 12A は335~350kTの W78、Mk 21 は300~475kTの W87 核弾頭を搭載する。
 米空軍は Minuteman Ⅲ 500発の SERV 化を2011までに完了する。
2006.04.05 Yahoo 共同通信記事

「小型核の地下使用を想定 ・・・」

<0608-040502>
 米国がネバダ核実験場で6月に予定している通常爆薬を使った大規模爆破実験は、小型核を地下で使用した際の破壊力 を調べる実験であることが2006会計年度の予算書から明らかになった。
 小型核と同じ破壊力を持つ通常の爆薬を使って、核の破壊力や二次被害を計測するのが実験の狙いである。
2006.04.01 Yahoo 毎日新聞記事

「米国防総省、爆薬700t使っ・・・」

<0608-040101>
 米国防総省は6月にネバダ核実験場で、爆薬700tを使った大規模爆発実験を行う。 北朝鮮やイランなどが軍 事施設の地下化を進めていることを懸念し、バンカーバスターの攻撃能力向上を図っている。
2006.03.08 Yahoo 共同通信記事

「冷戦後初の核弾頭製造へ、・・・」

<0606-030803>
 ブッシュ米政権が、トライデントに搭載している核弾頭 W76 の後継となる新型弾頭を2012会計年度中に製造 する方針を議会に伝えていたことを、与党共和党の議会スタッフが8日に明らかにした。
 米国は冷戦終結を受けて1989年以降、新型核弾頭を製造しておらず、約20年ぶりの新型核となる。
2006.02.07 Yahoo 共同通信記事

「新型核研究に33億円要求、・・・」

<0604-020702>
 核兵器開発を所管する米エネルギー省は6日、FY-07の核兵器関連予算案を発表、老朽化が進み2040年までに寿命を迎える核兵器の総入 れ替えを狙った新型核研究事業「信頼性のある代替核弾頭計画」の予算として$27.7Mを議会に要求した。
 一方、議会の反発で2年連続で予算計上を阻止された新型核「強力地中貫通型核」については請求を見送った 。 当面は国防総省主体で通常型の新型貫通弾の研究を推進し、核弾頭搭載は将来再検討するとみられる。
2006.01.25 Jane's Defence Weekly US makes quiet progress on 'agent defeat' <0604-012503>
 米軍はここ数年、生物化学剤を無力化する兵器の開発を進めている。 過去には米海兵隊がイラクのファルー ジャで化学兵器が保管されていると見られる建物の攻撃ができなかった事例があり、生物化学剤を飛散させないで処理することが急務に なっている。
 従来、対生物化学剤兵器としては、Mk84 を元にした 'Crash Pad' や BLU-109 を元にした ' Shredder' があったが、いずれも黄燐焼夷弾であったため、チタニウムボロンなど黄燐を使わない焼夷剤 が検討されている。
(関連記事 JDW 2002.09.18)
 米空軍ではこの焼夷剤を13,608kgの MOP (Massive Ordnance Penetrator) の炸薬として使用する考えである。
 但し大量の生物化学剤の処理には、今でもやはり核兵器しかない
( MOP 関連記事 IDR 2004.10)
2005.12 Jane's Missiles & Rockets US studies nuclear warheads <0602-120003>
 米国で SLBM 用核弾頭の長期間にわたる信頼性を確保する RRW (Reliable Replacement Warhead) 計画が進められている。 計画は 現在 feasibility study の段階であるが、議会などで論議を呼んでいる。
2005.10.31 Aviation Week & ST Hard target <0522-103104>
 DoD は核弾頭搭載の侵徹爆弾開発を政治的理由から断念し、代わりに HPM 弾頭の侵 徹爆弾の開発を検討している。 DoD は地中深く構築された堅固な施設が世界中に10,000ヶ所あると見積もって おり、イラクやアフガンで効果のあった5,000-lb級 GBU-28 爆弾に HPM 弾頭を搭載する計画である。
 この爆弾は地下施設等を侵徹する効果はなく、岩盤やコンクリート壁面を通じた HPM により、C&C システムを無力化する。
2005.09.29 Yahoo 共同通信記事

「新型核、国防予算計上せず・・・」

<0519-092901>
 米上院歳出委員会は28日、FY-06国防総省歳出法案を全会一致で可決したが、空軍が求めていた強力地中貫通型核 の研究費$4.5Mの全額カットを決めた。
 貫通型核の研究費は、国防予算とは別枠でエネルギー省関連歳出法案にも$4Mが盛り込まれており、こちらは上院本会議を既に通過した ものの、貫通型の実現性に疑念を持つ下院は昨年に続き研究費の支出を認めない方針である。
2005.04 Jane's Missiles & Rockets USAF seeks funds for nuclear 'bunker-buster' <0511-040006>
 米空軍参謀総長が2月10日に上院軍事委員会で、空軍が予算要求している RNEP (Robust Nuclear Earth Penetrator) 'bunker-buster' 計画はハードウェアの開発ではなく単なる研究であると証言した。 しかしながら計画の大部分は B-2 への搭載に関するものである。
 この研究は B-61 又は B-83 核爆弾を地中や岩盤深くに侵撤できる筐体に収納して使用しようとするものであ る。
( B-61 核爆弾に関する記事 読売新聞 2002.03.11)
2005.02.04 Yahoo 共同通信記事

「新型核の模擬実験計画、米・・・」

<0504-020401>
 ブッシュ米政権が、イランや北朝鮮、テロ組織などの地下軍事施設等破壊するため、2年前に研究に乗り出した地中貫 通型核の模擬爆弾投下実験を計画を、FY-06予算で要求することが分かった。
 強力地中貫通型核は、爆発力5kt以下の小型核と併せ、ブッシュ政権が開発を目指す使える 核である。
2004.07.14 Yahoo 共同通信記事

ロシアも小型核開発重視 ・・・

<0413-071401>
 ロシアのイワノフ国防相が13日、米国が開発している小型核をロシアも軍事計画の中で考慮しなければならないと述べ、 小型核の開発を重視していく姿勢を示した。
 ロシアは昨年発表した『ロシア軍近代化の指針』で核兵器の限定的使用を検討すると明記している。
2004.03.27 Yahoo 読売新聞記事

「小型核や電磁爆弾、米国防・・・」

<0406-032703>
 米国防長官の諮問機関である国防科学委員会がまとめた今後30年間にわたる軍備増強構想が26日明らかになった。
 最も切迫した脅威に対抗するため、地下貫通型の小型核電磁爆弾などの開発に重 点を置くよう勧告している。
 地下貫通型の核兵器については、100m以深までの貫通能力や核弾頭の小型化を求めている。
2003.12.13 Yahoo! News 毎日新聞記事

「米安保管理局が3施設に研 ・・・」

 ブッシュ米政権が10年ぶりに小型核兵器の研究を解禁したのを受け、米核安全保障管理局がロス・アラモス、ローレンス・リバモア、 サンディアなど3ヶ所の国立研究所長に小型核兵器の研究再開を指示していたことが分かった。
 今月5日付のブルックス局長名の文書で各国立研究所長に、国防総省と全面協力して研究を推進することを求めている。
2003.12.11 Yahoo! News 毎日新聞記事

「小型核弾頭の導入を勧告  ・・・」

 米国防総省の諮問機関「国防科学委員会」が、従来型核弾頭の性能維持体制を大幅に見直し、小型核弾頭の導入 を進めるよう勧告する報告書をまとめていたことが10日分かった。
 将来求められる核兵器の要件として、
  ・精度や地中侵撤力が高いこと
  ・製造や維持が容易であること
  ・高出力で中性子を発生すること
などをあげている。
2003.12.04 Inside the Pentagon Bush approves FY-04 nuclear stockpile,test readiness spending  米政府はこのほど、2004年度予算として NNSA (National Nuclear Security Administration) の核関連活動に$6.3B、核非拡散事業に $1.3Bをそれぞれ承認した。
 また、これとは別に海軍の空母及び潜水艦用原子力推進装置の新規開発に$766Mを充当した。
 核関連活動には核物質の貯蔵備蓄、非核融合試験、核爆発模擬試験及び科学技術キャンペーン等が含まれている。
2003.11.25 Yahoo! News 毎日新聞記事
「米国防予算、小型核の研 ・・・・」

読売新聞記事
「米、小型核研究を解禁、 ・・・・」

 ブッシュ米大統領は24日、総額4013億ドル(約44兆円)にのぼる2004会計年度の国防予算案 に署名し、同法は成立した。
 今回成立した04年度予算は、冷戦時代のレーガン政権以来では最大規模だった前年度規模をさらに上回った。
 04年度国防予算では、5kT以下の小型核兵器の研究・開発を禁じた「スプラット・ファース条項」を廃止し、 小型核兵器研究に道を開くことになり、ブッシュ政権は来年から新たな研究に着手する。
2003.10.22 Jane's Defence Weekly US panel urges radical nuclear strike balance /
DSB recommendations for non-nuclear special arms
 米国の国防政策決定に影響力を持つ DSB (Defense Science Board) が、間もなく公表する '2003年夏 Future Strategic Strike Forces' の中で、WMD に対抗するため小型核兵器開発を開発する必要があることを強調して いる。
 この小型核兵器は現有の最小のものより小さいが5kT以上の規模で、破壊した生物兵器などが空中に拡散しな いように特殊な中性子爆弾なども検討対処とすべきとしている。
 一方で非核打撃力の強化も求めており、例えば通常兵器型 ICBM として侵撤弾頭型の MX Peacekeeper の配備 や、1,500nmの射程を持つ通常弾頭型 SLBM を提案している。
 DSB は更に非核特殊兵器を提案しており、候補に MOAB やフレシシェット弾頭弾、HPM 兵器、高出力レーザ兵 器などを挙げている。
2003.09.22 Defense News 'Bunker Buster' Nuke reserach gains  米上院は2004年度予算に$15Mの核弾頭 Bunker Buster と、$6Mの小型核兵 器の研究予算を承認した。
 上院は新しい核兵器の研究は認めたものの開発装備化については認めず、エネルギー省は全般計画を見直し、研究計画を分離して行う こととなる。
2003.07.10 韓国中央日報

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米国、地中貫通型核兵器開発を加速  北朝鮮などを第一の目標としている米国の地中貫通型核兵器 (RNEP) 開発計画が急速に進め られている。
 水素爆弾と見られるこの核兵器は、地下50m以上の地点で爆発し、地下305mの目標物まで破壊 することを目標にしている。
RENP の攻撃対象国について USA Today紙は国防省高官の話として、北朝鮮が最優先目標だと報じた。
2003.05.29 読売新聞

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低威力の新型核、露でも開発進む  低威力の核爆発により地下施設を破壊する新世代核兵器の開発がロシアで進んでいる事実が 、このほど露核産業最高幹部の証言で明らかになった。
 証言によると、開発中の兵器は空中から深さ数十mの地層へ突入、鉄筋コンクリートで防護された地下施設を核爆発の地震波で破壊する 能力を目指す。 威力は TNT 爆薬換算で数十t~2、3ktという。
 一方、米国は1996年から、威力を300t~10ktと調節可能で、地下2~8mへ突入して爆発する B61-11 地中貫通 核爆弾を B-2 爆撃機に配備、2年前の「核体制見直し」報告で、さらに新しい低威力核開発の可能性を示した。
(関連記事 読売新聞 2002.03.11)
2003.04.28 共同通信

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米が新型核を研究  米国防総省が3月、侵撤爆弾用に従来の核弾頭を一層強力にした新型核兵器「 強力地中貫通型核」の秘密報告書を議会へ提出、核兵器の開発を担当するロスアラモス国立研究所などが研究に 着手することを、複数の議会筋が明らかにした。
 貫通型核は爆発力5kt以上で、地下300m近くに潜む敵国やテロ組織の司令拠点や、貯 蔵された大量破壊兵器の壊滅を目的としている。
 従来の核弾頭より爆発深度が深いため、一般住民の放射能汚染は少なくなる見通しだが、実戦での核使用の敷居を低くするとの指摘も ある。
関連記事(読売新聞 2002.03.11
2002.08.07 Inside Missile Defense Pentagon appeals Senate rejection of new nuclear earth penetrator funding  DoD は上院が見送った FY-03 要求の侵徹型核兵器 (RNEP:Robust Nuclear Earth Penetrator) に関する研究開発予算 $15.5M の復活を求めている。
 軍の要求に対し下院は予算を承認したが、上院は計画内容が不充分として来年の 2月までに必要性、運用上のポリシー、通常兵器によ る効果の比較等の詳細な説明を求めている。
2002.05 Jane's Missiles & Rockets US ALCM could retain a nuclear role  最近終了した米国の NPR (Nuclear Posture Review) は、 AGM -86 ALCM 及び AGM-129 ACM 、の核搭載型を、2030年までは維持すべき としている。 その後の核搭載巡航ミサイルをどうするかは明らかにしていないが、A href=../JASSM/JASSM.html>JASSM-ER への核 搭載は可能であるとしている。
 NPR によると現在進められている核弾頭 ALCM の通常弾頭化はできなくなると共に、W-80 核弾頭の延命が必須になる。
 1,000-lb AUP (Advanced Unitary Penetrator) を搭載する HBTD 型の AGM-86D は50発の LRIP 中であるが、2001年11月に WSMR で実射をおこなって以来実戦での使用実績はまだない。
2002.04.22 Aviation Week & ST Nuclear agency eyes new designs, controls  DoD は新型の侵徹核兵器の開発を検討しているが、核兵器開発に関する法律の制限下、核兵器局は新たな設計と試験 方法を模索している。
 1994年に制定された法律で核兵器の開発は大幅に制限されたが、これは軍が保有しないことではなく、同局では実際の爆発を伴わない 試験方法と設計を研究している。
 現在保有している空中投下型の B-61-11 侵徹核爆弾はその使用に極めて制限が多く、開発中の 5,000lb級侵徹核兵器は運用上の制限が 少なく、通常の侵徹爆弾に比べ 1,400倍の効果が期待されている。
2002.03.11 読売新聞

インターネット

地下生物兵器施設破壊へ新型核兵器、米国防総省が提案  10日付のニューヨーク・タイムズは、米国防総省が機密文書の「核戦力体制見直し報告 (NPR) 」で、生物・化学兵器 の地下貯蔵施設を破壊できる新型核兵器の開発の必要性を強調していると伝えた。
 報告書は地下に軍事施設を擁する国が70以上も存在するとしたうえで、現存する唯一の地下攻撃用核爆弾 B-61 改良 型の能力では、対応が不十分だとの判断を示している。
2002.01.10 読売新聞

インターネット

米が8年ぶり核戦略見直し、抑止戦略と決別  米国防総省は9日、1994年以来8年ぶりとなる「核戦略見直し報告」の概要を公表した。
 報告は、米露合意どおり2012年までに戦略核弾頭数を1,700~2,200発に削減することを明記し、旧ソ連との 均衡を柱とした抑止戦略との決別を宣言したうえで、「今後の世界で不測の脅威が高まる」として、「予測不 能な事態に備え、核戦力をハイテク通常戦力やミサイル防衛網など防衛手段と統合的に柔軟運用する」との新核戦略を打ち出した。
 また、戦略核削減のペースについて報告は、2007会計年度までに弾頭数を最少3,800発までに減らすとの中間目標を掲げた。 削減さ れる核弾頭の一部は完全には解体されず、緊急時に配備できるように保管され、柔軟性を維持した削減を目指 す。
2002.01 Jane's Missiles & Rockets US Air Force tests Boeing AGM-86D CALCM  米空軍は AUP 弾頭装備の CALCM AGM-86D の 発射試験を行った。
 AGM-86D は、それまでの AGM-86C と侵撤弾頭を採用している点で異なるが、より重要なのは精度の向上で CEP は数mと向上している。 射程は600mile以上といわれている。
 AGM-86D は、核弾頭装備の ALCM をオーバホールし改造することにより行われる。
2001.12.12 Jane's Defence Weekly Successfull test of AGM-86D  米空軍は、侵撤弾頭型の AGM-86D CALCM の発射試験に成功した。
 AGM-86D は、精密誘導装置と侵撤弾頭を組み合わせた CALCM で、1,320kmの射程を有する。
 Boeing社は、核弾頭 ALCM の CALCM 型への改造を実施中である。